映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のレイバーデー興行収入が8350万ドルを記録し、歴代1位に

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のオープニング週末興行収入が7140万ドルに達し、レイバーデー興行収入は8350万ドルとなり、歴代レイバーデー興行収入で1位の記録を樹立しました。当初は5000万ドルと見込まれていた本作ですが、その予想を大きく上回る成績となりました。

Box Office Mojo によると「シャン・チー/テン・リングスの伝説」はレイバーデーの4日間に8350万ドルを稼ぎ、これまでのレイバーデー期間で1位を記録していた2007年公開のホラー映画「ハロウィン」の3059万ドルを大きく更新しました。

Data as of Sep 5, 11:38 PDT

RankTitleGrossTotal Gross% of TotalTheatersAve.DateDistributor
1Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings$83,500,000$83,500,000100%4,300$19,418Sep 3, 2021Walt Disney Studios Motion Pictures
2Halloween$30,591,759$58,272,02952.5%3,472$8,810Aug 31, 2007
3The Possession$21,078,840$49,130,15442.9%2,816$7,485Aug 31, 2012Lionsgate
4Transporter 2$20,104,608$43,095,85646.6%3,303$6,086Sep 2, 2005Twentieth Century Fox
5One Direction: This Is Us$18,472,875$28,873,37464%2,735$6,754Aug 30, 2013TriStar Pictures
from Box office Mojo

他のMCU作品と比較すると、 「キャプテン・アメリカ:ザ・ファーストアベンジャー」 (6500万ドル)や 「アントマン」 (5700万ドル) などを上回っていますが、パンデミックの影響を大きく受けている事もわかります。


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一方でパンデミック後の作品と比べると、2021年公開の「ブラックウィドウ」をやや下回るものの、2021年の1位2位をMCU作品が記録、3位には「ワイルド・スピード ジェットブレイク」が7000万ドルでランクインしています。

「ブラックウィドウ」は劇場とディズニープラスによるプレミアアクセスの同時公開という手法が取られ、劇場に足を運ばずに自宅で視聴したファンも多いため単純な比較は難しい所ですが、一方でディズニープラスが足かせとなり、「ブラックウィドウ」は2週目以降の成績にはかなり苦しむ事になりました。そのため、トータルの成績としては「シャン・チー」が「ブラックウィドウ」を超えると見られています。

「シャン・チー」の公開方法についてディズニーCEOは「実験的」とコメントしており、今回のこの記録は11月公開予定の「エターナルズ」や以降の作品の公開方法に影響してくるものと考えられています。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 2021年9月3日 より劇場公開中です。

ソース:Box Office: ‘Shang-Chi’ Dazzles With Mighty $71.4 Million Opening Weekend

アンジェリーナ・ジョリーさん、映画「エターナルズ」に参加するに至った理由を明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「エターナルズ」に出演するアンジェリーナ・ジョリーさんが、ディズニーのD23マガジンの取材に応じ、本作への参加を希望した理由を明かしました。ジョリーさんはエターナルズの一人、セナとしてMCUデビューする事になります。

ジョリーさんはインタビューの中で「私がこの映画を作りたいと思った本当の理由はこれでした。このような多様な家族の一員になるためであり、役柄の大きさは気になりませんでした。」と出演を決めた理由を明かしました。

エターナルズのキャスト発表当時はその知名度からジョリーさん演じるセナがメインとなると考えられていましたが、セナでもコミックにおける戦術リーダーのイカリスでもなく、ジェンマ・チャンさん演じるセルシを中心に実写で描かれることが判明しています。

また、同誌ではセナと同じくメンバーの一人、マッカリを演じる女優ローレン・リドロフさんは、クロエ・ジャオ監督との仕事について「MCUに参加して、クロエと一緒に仕事をして一番驚いたのは、彼女がいかに地に足がついているかということでした。キャストが初めて会ったとき、彼女は裸足で床に座っていました。この初対面で、自分たちをオタクやミスフィッツと認識していることがわかり、それが私たちを結びつけ、『エターナルズ』のストーリーに新たなレイヤーを加えてくれました。私たちの奇妙さや違いが、私たちのスーパーパワーとなったのです。クロエは偉大な平等主義者です。彼女は、このような大規模なスター級のキャストと仕事をしているにもかかわらず、私たちに同じくらいの注意と配慮を払ってくれました」と語っています。

「エターナルズ」の公式概要は以下のとおりです。

アベンジャーズに続く、新たな最強ヒーローチームが遂に始動。それは太古から地球に存在する不死の種族“エターナルズ”の物語――。10年ぶりのアクション映画に出演するアンジェリーナ・ジョリーに加え、「ゲーム・オブ・スローンズ」のリチャード・マッデン、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)などのマ・ドンソクら豪華キャストが集結。メガホンを取るのは、『ノマドランド』(20)でアジア系女性として初めて本年度ゴールデン・グローブ監督賞を受賞し、本年度のアカデミー賞®にもノミネートされるなど今注目の映画監督クロエ・ジャオ。
精鋭といえるキャスト・スタッフが手掛ける新たな最強ヒーローチーム“エターナルズ”から目が離せない!

映画「エターナルズ」は 2021年11月5日 公開予定です。

ソース:Angelina Jolie Admits the ‘Real Reason’ Why She Joined Marvel’s Eternals

ドラマ「ホークアイ」エコー役アラクア・コックスさんがトレーニングビデオを公開 ─ スピンオフ撮影開始迫る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」でデビューするエコー/マヤ・ロペスを演じるアラクア・コックスさんが自身のInstagramでトレーニングの様子を撮影したビデオを共有しました。

ビデオには「自分の体重以上のデッドリフトが出来るようになりました」とコメントを添えて投稿。「ホークアイ」のスピンオフドラマ「エコー」の撮影開始に向けて着々と準備している様子を明かしました。

コミックのエコー/マヤ・ロペスは聴覚障害を持つヒーローで、見た相手の動きを完璧に真似るフォトグラフィック・リフレックス能力(タスクマスターと同じ能力)を持ち合わせています。マヤの父親はキングピンの組織のギャングでしたが、キングピンによって殺されました。キングピンはマヤに才能を見出し、養女として育て、金で買える技術を全てつぎ込みました。デアデビルを父の仇として教え込んできましたが、真実を知ったマヤはキングピンの元を離反し、ウルヴァリンやムーンナイト、ニューアベンジャーズと共闘しました。

エコーは主にコミックのデアデビルシリーズのサイドキャラクターであるため、このスピンオフドラマではデアデビルや仇であるキングピンが登場する可能性が高いと考えられています。デアデビルは映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で、キングピンはドラマ「ホークアイ」で登場すると言った噂がありますが、それらも含めて「エコー」にどういったキャラクターが登場するかは楽しみな所です。

「エコー」開発の報道がされたのは2021年3月の話であり、最新情報として2022年1月から撮影に入ると報じられています。2020年末に発表されたフェーズ4&フェース5のラインナップに「エコー」は含まれておらず、「ホークアイ」制作に伴って急遽制作が決定したものと見られています。

ドラマ「エコー」はディズニープラスシリーズになると考えられていますが、配信時期に関しては未定です。

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」IMAX版予告より、噂の男性がチャーリー・コックスさんの言う通り、本人ではない事が判明

ソニー・ピクチャーズ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の予告公開直後から話題となっていたとあるシーンの顔の見えない男性が、チャーリー・コックスさんではない事がIMAX版の予告より判明しました。コックスさんは先日のインタビューで予告に関する噂について否定していましたが、そのとおりである事が確認される形となりました。

Youtubeで見られる公式トレーラーの画面比率ではうまい具合に顔が見えなかった噂の男性のシーンですが、IMAX版の予告では上下の描画幅が広がるおかげで俳優さんの顔が見えるようになっています。

噂の渦中の人物であるチャーリー・コックスさんは「トレーラーに関する噂」について「あれは僕の腕じゃないことを約束するよ」とハッキリ否定した上で、「出演に関する噂」について2021年9月の最新のインタビューでは「台無しにしたくない」と含みをもたせる回答をしています。

コックスさんは2020年春のインタビューでは、「そのような噂は聞いていませんでしたが、確かに私のデアデビルには関係ありません。私はそれに関与していません。もしそれが本当なら、私ではなく、他の俳優が出演することになります。他の俳優のデアデビルです。」と述べていましたが、今になって「台無しにしたくない」とはどういう意味を持つのでしょうか。

2020年春の時点ではまだオファーがなく、当時の回答としては真実を述べながらも、その後撮影に参加する事になり、結果として出演するともしないとも言えなくなったという線は考えられそうですが・・・。ただし、完全否定してしまうとファンの楽しみをひとつ減らす事になるため、あえて曖昧なままにしておくという選択を取っている事もありそうです。

ところで、新たなリーク情報によると、10月22日以降に公開が予定されている第2弾予告ではシニスター・シックスに焦点が当てられる他、チャーリー・コックスさんと他のスパイダーマンも含まれるとの事。

このリーク情報の出どころは不明のため信頼度については何とも言えないレベルですが、コックスさんの言うように「皆、何が起こるかを待つしかないと思います。」という事かもしれません。

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は 2021年12月17日 米国公開予定です。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」プロデューサーが、テン・リングスが指輪から腕輪に変更された理由について明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のプロデューサーを務めるジョナサン・シュワルツさんが、海外メディア The Direct とのインタビューで、テン・リングスがコミックの指輪から実写化にあたって腕輪へと変更された経緯について語りました。

シュワルツさんは指輪によるアクションではサノスのインフィニティ・ガントレットに似てしまう事が変更の一因としつつ、次のように述べました。

ある日、私とデスティン(監督)とデイブ(脚本家)の3人で『少林寺三十六房』という映画を見ていました。この映画は、多くの武器を使ったカンフーのトレーニングの場面で始まりますが、その中に伝統的なカンフーの武器である「洪家拳の鉄輪」がありました。映画「カンフーハッスル」では、とても目立つので覚えている方も多いかもしれません。デスティンはそのリングを見て、「私達の指輪もこれにするべきだ」と言いました。そして彼は100%正しかったし、ユニークでとてもクールで、映画の焦点を合わせるのに適したものだと感じました。

シュワルツさんは1978年公開の映画「少林寺三十六房」にインスパイアされて、コミックの指輪から映画の腕輪へと変更されたと説明しました。

腕輪に変更されたテン・リングスとその神秘的な力により、かつて見たことのないカンフーアクションへと昇華する事に成功したと言えるようです。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 2021年9月3日 より劇場公開中です。

ソース:Shang-Chi Producer Confirms Avengers’ Infinity Stones Influenced MCU’s Ten Rings Design (Exclusive)

映画「ブラックウィドウ」訴訟問題がルッソ兄弟監督の新作契約を難航させていると報じられる

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ブラックウィドウ」の主演を務めたスカーレット・ヨハンソンさんがディズニーを訴訟した件で、映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」などの監督を務めたルッソ兄弟とマーベル・スタジオとの新作に関する契約が難航していると、海外メディア ウォール・ストリート・ジャーナル が報じました。

報道によるとアンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ兄弟監督はヨハンソンさんが「ブラックウィドウ」を劇場のみで公開すると定めた当初の契約を再交渉することなく、劇場とディズニープラス プレミア アクセスで同日公開したとしてディズニーを提訴したことが報じられた後、MCU新作の監督を務めるための交渉に「行き詰まり」を感じているとの事。ルッソ兄弟は現在、MCUの次回作がどのように配給されるか、またコンビの支払いがどのように処理されるかについて明確にされるまで、新たな契約を結ぶことに警戒していると伝えています。

ルッソ兄弟は2014年公開の映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でMCUに携わり、その後、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)とMCUの中核を担う作品の監督を務めました。

兄弟は「シークレット・ウォーズ」を撮りたいと公言しており、フェーズ4の展開からこれが実際に制作されるのではないかと噂されていましたが、「ブラックウィドウ」訴訟問題の影響で暗礁に乗り上げているようです。

7月にヨハンソンさんがディズニーを提訴した事が公になり、「マーベルとの契約の利益を完全に実現することを妨げるために、正当な理由なく、意図的にマーベルの契約違反を誘発した」と主張しています。これに対し、ディズニー社はヨハンソンさんの申し立てには「何のメリットもない」と反論し、「COVID-19パンデミックの恐ろしく長期にわたる世界的な影響を無視している点で、特に悲しく、心苦しい」と述べています。

このディズニーの反論に対し、Women In Film、ReFrame、Time’s Upは共同声明を発表し、ディズニーがヨハンソンさんに対して、「ビジネス上の紛争にはふさわしくないジェンダーに基づいた人格攻撃を行っている」と批判しました。

8月の中頃、この訴訟に対してディズニー側は新たな動きを見せました。裁判ではなく、拘束力のある仲裁調停をニューヨークで行いたいと申し立てたと報じられています。仲裁調停は裁判と異なり当事者の間だけで非公開で行われるもので、ヨハンソンさん側の弁護士は声明を発表。

「ディズニーは予想通り秘密の仲裁で自分たちの違法行為を隠そうとしている」「なぜ彼らは公の場所で訴訟することをこれほどまでに恐れているのだろう?」とコメントしました。「それはマーベルが『ブラック・ウィドウ』に”他の映画と同じように”通常の劇場公開の機会を与えると約束したのは、ディズニーがディズニープラスの加入者を増やすために興行収入を食い物にしないと保証したことに関連しているのを知っているからだ。しかしまさにその事態が起きた。それを示す圧倒的な証拠を提示するのを楽しみにしている」と、調停ではなく裁判で争う姿勢に変わりはないと表明しました。

図らずもルッソ兄弟監督の新作の噂が真実味を帯びた報道となりましたが、「ブラックウィドウ」問題が解決しない限り、その新作も実現しないようです。

ソース:The Disney/Johansson Schism Reportedly Soured a New Russo Bros/Marvel Deal

アニメ「What if…?」、4話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月1日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード4「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

クリスティーンの分岐イベント

エピソードタイトルとしてはドクター・ストレンジの選択による「もしも」に見えますが、このエピソードで描写されている範囲で神聖時間軸と異なるポイントは、そもそもクリスティーンが学会への出席を拒否しなかった事です。

映画「ドクター・ストレンジ」ではストレンジの誘いをクリスティーンが断り、一人で学会に向かう最中にX線写真をよそ見して事故に会い、手を失うことになりました。

ドクター・ストレンジの声は映画と同じく、ベネディクト・カンバーバッチさんと三上哲さんが担当。

クリスティーン・パーマーの声は英語版はレイチェル・マクアダムスさんが続投、日本語版は松下奈緒さんから森なな子さんへと変更されました。

交通事故

この日、ストレンジが車に乗れば事故を起こすのは避けられない運命なようで、車の落下の仕方も原作映画そのままに描かれます。

この事故がエピソードタイトルになっている部分であり、本来であればストレンジはここで両手を失い、治療を試みるも医学の限界を感じ、魔術へと傾倒していく事になりますが、アニメではクリスティーン・パーマーを失った絶望から魔術の世界へと入門していく事になりました。

アガモットの目

リンゴを使ったアガモットの目による時間操作の練習シーンは「ドクター・ストレンジ」を踏襲したものになっています。ただし、映画では兄弟子バロン・モルドとウォンが警告に来るのに対し、アニメではエンシェント・ワンとウォンが登場する事に。

ウォンのセリフが微妙に異なっており、「ドクター・ストレンジ」では「時間を操作すれば分岐が始まる」と注意したのに対して、このアニメでは「時間を弄れば宇宙の構造が揺らぐ」と説明します。これはこの世界が既に分岐した世界である事を反映したものかもしれません。

ウォンの声はベネディクト・ウォンさんと田中美央さんが続投。

エンシェント・ワンの声は英語版はティルダ・スウィントンさんが続投、日本語版は樋口可南子さんから藤本喜久子さんへと変更され、今回もタレント降ろしが続いています。

ゼロッツとの病院バトル

MCUの中でも他に類を見ない、病院内でのアストラル体同士のバトルはこのアニメでは登場しませんでした。原作映画ではこの病院のシーンで、クリスティーンのおかげでストレンジは危機を脱するのですが、アニメ版ではクリスティーンが死亡してしまっているため、このイベントはスキップされてしまいます。

そもそもゼロッツがいたのかどうかも不明です。

ドルマムゥ

カエシリウスやゼロッツの描写はありませんが、ドルマムゥとの対面シーンは原作を踏襲しています。ドルマムゥが地球の脅威となっているからには誰かが呼び出したはずで、描写がなかっただけでカエシリウスが暗躍していた可能性はありそうです。

2年後

ドルマムゥとの取引から2年後、未だにクリスティーンを失った悲しみを抱いたままのドクター・ストレンジが映し出されます。神聖時間軸で考えると、「ドクター・ストレンジ」から2年後と言えば「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に入る頃。オーディンを探しに来たソーとロキには面会済みかと思われますが、特に言及されません。

このシーンから本格的にエピソードタイトルを追求して行くようになり、ドクター・ストレンジは恋人を取り戻すために時間を操作していく事になります。

タイムループ

ドクター・ストレンジはウォンのアドバイスを無視し、アガモットの目=タイム・ストーンを用いて過去へと渡ります。

そして事故直前のシーンで車線変更していた所を取りやめたものの、以前と同じように後ろから追突され同じ結果を招いてしまいました。すぐさまもう一度過去に戻り、今度は道を変えてみるも横から車が突っ込んでくる始末。

学会へ行くのを止めてみても、クリスティーンは心臓発作を起こしたり、強盗に銃で撃たれたり、死のタイムループに陥ってしまっていました。

なお、ドクター・ストレンジは映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の予告内でもウォンのアドバイスを無視。度重なる警告の無視に、ウォンを演じる俳優のベネディクト・ウォンさんはTwitterで「だから言ったのに!!」と怒っています。

クリスティン・エヴァーハート

クリスティーンの死のループのひとつの中で、火事のニュースを読み上げているのはクリスティン・エヴァーハート。映画「アイアンマン」(2008年)から登場しています。コミックにも登場するれっきとしたマーベルキャラクターで、コミックではスパイダーマンのコミックによく登場する新聞社デイリービューグルの記者です。

MCU版では「アイアンマン」ではバニティフェアの記者として、「アイアンマン2」以降はMCU内の架空のニュースチャンネル WHiH の記者として登場しています。

映画としては「アイアンマン2」が最後の登場となっていましたが、その後もMCUのプロモーション用ショートフィルムに度々登場していました。

クリスティンは登場していないものの、WHiHは「ワンダヴィジョン」や「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でも登場しているため、クリスティンもいずれまた再登場するかもしれません。

アニメ版は映画同様にレスリー・ビブさんと北西純子さんが担当しています。

なお、同じスペル(Christine)でクリスティン・エヴァーハートとクリスティーン・パーマーのカナ表記が異なる理由については不明です。

絶対点

何度も繰り返すクリスティーンの死のタイムループの中で、エンシェント・ワンが登場。クリスティーンの死は時間の「絶対点」であり、変えられない事実だと説明します。

エンシェント・ワンによると(ホワット・イフの世界では)ストレンジが魔術師となったのはクリスティーンの死が起点になっており、これを覆そうとすれば矛盾が起きてしまうとの事。

MCUの時間の定義に新たな要素が加えられることになりましたが、今後もこの絶対点の概念が重要になってくるのでしょうか?

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オー・ベン

エンシェント・ワンと決別し、絶対点を覆す書物を探すため、ストレンジはテレポートします。その先で出会うのはカリオストロの書庫とその番人オー・ベン。コミックのオー・ベンはカリオストロでもあり、本作でもストレンジが「まさかアンタがカリオストロか?」と尋ねますが、MCU版ではオー・ベンと名乗るに留まり明言されないまま退場する事になります。

©2021 MARVEL,Disney

ストレンジは自己紹介が苦手なのか、名前を勘違いされる傾向があるようで、かつてカエシリウスに「ミスター・ドクター」と呼ばれたように、今回は「魔術師アルマーニ」と呼ばれてしまいます。

カリオストロの書

ストレンジは数多の書物の中から「時間操作」の本を手に取り読み進めていく事になります。

奇妙なことにこの本は「ドクター・ストレンジ」に登場したカリオストロの書と同じ外見をしており、りんごの時間操作の実験シーンでストレンジが手にしていたもので、このアニメ版でもそのシーンでストレンジが手にしていました。

©2021 MARVEL,Disney

今回のエピソードでもドクター・ストレンジが既に読んでいたように、カリオストロの書はカマー・タージの図書室にあったはずです。それともカリオストロの書は1巻、2巻といった感じに内容の違うものがいくつかあるのでしょうか?

タコの怪物

絶対点を覆すパワーを得るために、ストレンジは魔物を召喚し、吸収する計画を実行します。

呼び出されたのは1話でキャプテン・カーターと戦ったタコのような怪物。同一の存在か同じような魔物が複数いるのかは不明ですが、ともかくこの時点のストレンジでは太刀打ち出来ませんでした。

そう考えるとキャプテン・カーターはかなり強いのかもしれません。

これらのタコはシュマゴラスと呼ぶにはかなり弱く、喋りもしないため、やはりタコ型の魔物という線が妥当かもしれません。

オー・ベンの人生

ストレンジを介抱するオー・ベンは「魔物は取引には応じないし、その力は人の手には負えない」とアドバイスします。「どの本に書いてあった?」と尋ねるストレンジに「人生が教えてくれた」と返すオー・ベン。

コミックのオー・ベンはアル・トサスを名乗っていた頃にダークホールドを研究し、不死のポーションを作る計画をしていました。そこで必要だった吸血鬼の血を手に入れるため、ドラキュラ伯爵に妻のロレンツァを紹介しましたが失敗に終わり、ロレンツァは吸血鬼へと変えられてしまい、以降苦しむ事になりました。

「ホワット・イフ」のオー・ベンは特になにも紹介されませんが、コミックと同じような経験をしているのかもしれません。あるいは別の世界のオー・ベンが経験した事を理解している可能性もありそうです。

魔力の強化

ウォンだけでなくオー・ベンの警告も無視して、ストレンジは魔力の強化に没頭する事になります。さながらロールプレイングゲームのように弱い魔物から始めて、だんだんとレベルアップしていく計画です。

次々と魔物を取り込むストレンジは時折その姿がオーバーラップし、悪魔メフィストのような相貌を見せるシーンも描かれています。

目のクマが濃くなっていく様子は映画のヴィランだったカエシリウスを彷彿とさせます。彼もまた亡くなった妻と息子を取り戻したくてダークディメンションの力を求めていました。

不干渉のウォッチャー

ウォッチャーは「警告する事も出来た」と前置きした上で、他の宇宙への影響を考えて不干渉を貫きました。

興味深いのはストレンジがウォッチャーの気配を感じ取る事で、さすがは至高の魔術師と言ったところでしょうか。これらは以前のエピソードの主人公、カーターやティ・チャラ、フューリーには見られませんでした。

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老衰していたオー・ベン

修行を終え部屋に戻ったストレンジは老衰し横たわるオー・ベンと遭遇しました。

数日間の修行かと思いきや、何世紀も経っていた事が明かされます。ストレンジは世界の時間を止めて修行していたようですが、同じく強力な魔術師であるオー・ベンはカウンタースペルを使用していたのでしょうか?そしてストレンジが年を取っていないのは、映画のエンシェント・ワン同様にダークディメンションの力を得ていたのでしょうか?気になるポイントは解説されないまま、ストーリーは進行します。

ストレンジは彼なりにオー・ベンをリスペクトしていたようで、老衰した彼を元に戻そうとしますが、オー・ベンはこれを拒否。そして息を引き取る間際に、この世界には「死を受け入れる事が出来るストレンジがいる事」を伝えました。

エンシェント・ワン

ストレンジがもう一人いたのはエンシェント・ワンのせいでした。彼女はダークディメンションの力を利用して、意図的に時間を分岐させたとなかなか恐ろしい説明をします。TVAが知ったら即剪定の事案のように思えますが、TVAに彼女を止めることが出来るのかは気になる所です。

エンシェント・ワンは経緯を説明し、ダーク・ストレンジが絶対点を覆してしまう事があれば生き返ったクリスティーンごと世界が崩壊すると伝えます。

ヴィシャンティ

地球の守護者として紹介されるヴィシャンティはコミックにも登場する超常的チームで、強力な白魔法の使い手です。MCU版の詳しい説明はされませんが、コミックではエルダーゴッド(スカーレットウィッチのパワーソースであるchthonと同類)のオシュトゥール、エンシェント・エイリアンのホゴス、そしてオシュトゥールの涙から生まれたMCUでも名前だけはお馴染みのアガモットの3人で構成されています。

ドクター・ストレンジvsダーク・ストレンジ

ついに始まる決戦の時。戦いの中ではかつてサノスを拘束したクリムゾンバンドの呪文も登場しています。魔物の力を操るダーク・ストレンジは強力で、クリスティーンの幻影を見せられても屈しなかったドクター・ストレンジでしたが、最終的にはヴィシャンティの防御呪文もディスペルされていまい、ダーク・ストレンジが勝利をおさめる事になりました。

ちなみにダーク・ストレンジが操る魔法がスカーレットウィッチのような赤黒いデザインになっていますが、カオスマジックを使っているのかは不明です。

結末

ドクター・ストレンジを吸収したダーク・ストレンジは望み通りにクリスティーンの蘇生に成功しました。しかしエンシェント・ワンが警告していたように、世界の崩壊が加速します。

ダーク・ストレンジは間違いを認め、ウォッチャーに助けを求めますが、ウォッチャーは「さらなる崩壊に繋がる」としてこれを拒否しました。能力的にはなんとか出来る事を暗示しつつも、他の世界のためにこの宇宙の死を受け入れる考えのウォッチャーは、つまる所クリスティーンの死を受け入れた方のドクター・ストレンジと同じでした。

目の前の不幸をなんとか出来る能力があったとして、さらなる不幸が生まれるのが判っている場合、どういう選択を取るべきなのか。そういったテーマのエピソードでした。

ダーク・ストレンジはせっかく蘇生されたクリスティーンの更なる死と世界の崩壊の中で、一人後悔するのでした。


MCU史上もっとも重い物語のひとつとなった今回のエピソード。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のドクター・ストレンジの選択はどういう結末を生むのか、注目となりそうです。

以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード5は 2021年9月8日(水)16時より配信開始です。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」、先行上映で880万ドルの興行収入を記録、RTレビューは99%の超高評価

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 9月2日 の全米における先行上映で880万ドルの興行収入を記録したと、海外メディア Variety が報じました。この数字はパンデミック中のランキングで「ブラックウィドウ」に次ぐ2位となっており、コロナ禍以前の9月の成績としても歴代3位の好成績となっています。

コロナ禍における興行収入は「ブラックウィドウ」が2か月前に1,320万ドルを記録し、マーベル映画以外に目を向けると、「F9(ワイルド・スピード最新作)」が710万ドル、「クワイエットプレイスパート2」が480万ドルとなっています。

MCU作品内でみると「アントマン&ワスプ」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2」が1100万ドル台で遅れを取っていますが、「アントマン」の640万ドルを上回っています。

「シャン・チー」は米国内の興行収入で4500万ドルから5000万ドルの間で開くと予想されていましたが、スターリングプレビューの結果を考えると、その数はさらに増え、6000万ドル近くになる可能性を指摘しています。

また、実際の作品評価がかなり高く、レビューサイト Rotten Tomatoes では批評家レビューが93%でMCU歴代5位(1位から、ブラックパンサー、アベンジャーズ/エンドゲーム、アイアンマン、ソー/バトルロイヤル)、ユーザーレビューでは1000件以上のレビューが付き、その数値はなんと99%で「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の95%を越え、MCUで1位となっています。

「ブラックウィドウ」とは異なり、ディズニープラスによるプレミアアクセスもないため、今後も動員数は増加する見通しとなっています。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 2021年9月3日 より劇場公開中です。

ソース:Box Office: Marvel’s ‘Shang-Chi’ Opens to $8.8 Million in Thursday Previews

「シャン・チー」監督、マーベル・スタジオへのプレゼンの際に「ドラゴンボール」の映像を引用していた事を明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のデスティン・ダニエル・クレットン監督が、本作のコロナ禍での撮影事情や、スタジオへのプレゼンの内容について、アジア各国メディア向けのプレスデーで語りました。

監督はMCUの初のアジア系ヒーローを描くにあたって、企画段階から「とてもパーソナルなピッチだった」と述べています。

私が望む映画がどういったものになるのか、それがどんな感じで映像化されるのか、映画の核となる家族のドラマについて話しました。過去に製作された多くの映画に敬意を払う必要性や、作品のトーンについても伝えています。私たちは、人生の痛みを伝えながら、同時に身近にある人生のユーモアを届けるトーンがほしかった。少なくとも私の人生においては、家族に多くの痛みがある時は多くの笑いも存在していましたし、この映画でそういった側面を全て見せるようにしました。

日本のアニメや映画を見て育った監督は、「ドラゴンボールZ」で孫悟空がかめはめ波を撃つシーンをプレゼンで使用したと語り、本編でもオマージュを捧げていると明かしました。

私は「ドラゴンボールZ」を観て育ちました。孫悟空がかめはめ波を繰り出すクリップを、(プレゼン用資料の)一つとして見せたんです。「ドラゴンボールZ」では、悟空がかめはめ波を放ち、相手もそれに負けないパワーで互角の戦いが続くシーンがあるのですが、そのシーンは間違いなく「シャン・チー」のインスピレーションとなったものの一つです。

また、新型コロナウイルスの渦中の最中に制作された本作ですが、監督は自主隔離に入って一時期制作が中断した事などを振り返り、新たな撮影方法を模索しながら制作にあたった事を明かしました。

一つ簡単な例を挙げると、ファイトクラブにあるリングの周りを囲むエキストラをワイドショットで映すシーン。シュー・ウェンウーの部隊が襲撃をかけると、全員が一気に混乱するのですが、私たちはそれを4つの違うパス(同じショットを4回にわけて撮影)で、エキストラを毎回(違う場所に)配置して撮影しないといけませんでした。(コロナ禍で)一度に多くの人を撮影現場に入れることができなかったので、後からVFXで映像を合成しています。私たちが安全に撮影するために必要だったトリックの一つです。

さらに、本作を単純なアクション、ヒーロー映画にしたくなかったという監督。 

「この映画を観た時、エンターテインメント以上の何かを得られるように製作しています。観客が映画館を出たらすぐに、母親に電話してありがとうと言いたくなったり、周りの家族に対して感謝の気持ちを感じることができたなら、私はハッピーです」と語りました。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 2021年9月3日 より劇場公開中です。

ソース:シネマトゥデイ

キャプテン・マーベルがシャン・チーのMCUデビューを歓迎

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「キャプテン・マーベル」シリーズでキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァースを演じる俳優のブリー・ラーソンさんが、シャン・チーのMCUデビューを祝い、歓迎の投稿をしました。

ラーソンさんが「MCUへようこそ、シャン・チー。おめでとうございます」と投稿すると、シャン・チーを演じるシム・リウさんが「ありがとう、キャップ!」と返しています。

先日はソーを演じるクリス・ヘムズワースさんもシャン・チーデビューのお祝いの投稿をしており、宇宙を活躍の場とする二人から祝ってもらう事になりました。

本作は45日間の劇場限定公開とされており、その後DVDやBlu-rayのリリース、デジタル配信を経てディズニープラスに到着するものと見られています。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は 2021年9月3日 より劇場公開中です。