米ディズニープラスにスパイダーマン等ソニー作品が加わることが報じられる

海外メディア Variety が、ディズニーが米ソニー・ピクチャーズと「大規模な映画ライセンス契約」を結び、ソニーの2022年の劇場公開作品から「スパイダーマン」をはじめとするマーベル作品をDisney+(ディズニープラス)に提供することを約束したと報じました。

記事によるとこの契約は、「ソニーの作品を、ディズニーの一連のストリーミングおよびリニア・プラットフォームで展開することを求めている」とも伝えています。

この契約は、ソニーがNetflixとの間で、劇場公開や家庭用映画のリリース後に、ソニー・ピクチャーズの作品の権利をNetflixが保有することを認める契約を結んだことを受けたものです。Netflixでの配信後、ソニーの作品はディズニーのプラットフォームに独占的に配信されることになるとの事。今のところこの協定は米国市場をターゲットとしています。

ABC、Freeform、FX Networks、Acquisitions for Disney’s Media and Entertainment Distributionのビジネスオペレーション責任者であるChuck Saftlerは、公式声明の中で、この画期的な複数年契約は 「ファンにとっての勝利 」であると指摘しています。

プラットフォームを問わないこの画期的な複数年契約により、ディズニー・メディア・アンド・エンターテイメント・ディストリビューションのチームは、ソニーの受賞歴のあるアクション映画やファミリー映画の豊富な作品群を、当社の消費者向け直接販売サービスやリニアチャンネルで活用するための、非常に大きな柔軟性と幅広い番組編成の可能性を保証することになります。ファンの皆様にとっても、ハリウッドで最も多くの作品を生み出している2つのスタジオの最高のコンテンツを、様々なプラットフォームで視聴することができるというメリットがあります。

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのワールドワイドディストリビューション&ネットワーク担当プレジデントのキース・ル・ゴイは、今回の契約について、「映画配給戦略の重要な部分を固めた」と述べています。

この画期的な契約は、映画を愛する人々や、彼らにサービスを提供するプラットフォームやネットワークにとって、当社の映画が持つユニークで永続的な価値を再確認するものです。この画期的な契約は、映画ファンや彼らにサービスを提供するプラットフォームやネットワークにとって、当社の映画のユニークで永続的な価値を再確認するものです。今回の合意は、当社の映画配給戦略の重要な部分を成すものです。それは、当社の各映画の価値を最大化するために、幅広い主要なパートナーとともに、あらゆるウィンドウで消費者に提供することです」と述べています。

今回の報道どおり上手く物事が進めば、ディズニープラスではMCUのスパイダーマンだけでなく、SPUoMC(ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター)として開発された「ヴェノム」や「モービウス」などの映画も視聴できる日が来るという事のようです。

こうなると残るはユニバーサルが権利を保有している映画「インクレディブル・ハルク」のみディズニープラスで視聴できず(日本ではアイアンマン1作目も未配信です)、今後はハルクの権利の解消に向けて動いていくものと考えられます。

ソース:Disney and Sony Set Massive Movie Deal, Bringing ‘Spider-Man’ Films to Disney Plus

ドラマ「ホークアイ」いよいよ撮影最終日 ─ ジェレミー・レナーさんがSNSで報告

ディズニープラスで配信予定のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」で主演をつとめるジェレミー・レナーさんが、自身のInstagramで撮影が最終日である事を報告しました。

Images from Instagram/@jeremyrenner

投稿された写真には最終日を伝えると共に「これでさよならではありません、またすぐにお会いしましょう。ありがとう、キャスト、クルー、そしてマーベル」とテキストを添えています。

ジェレミー・レナーさんは「ホークアイ」の撮影に入ってから比較的よく写真を投稿しており、「ワンダヴィジョン」などに比べると情報が公開されています。しかし先日は「斧を振り下ろされている」写真を投稿したことで、クリントの今後の運命について憶測を呼んでいます。「さよならではない」という言葉と併せて、どういう意味が込められているのでしょうか。

「ホークアイ」は間もなくポストプロダクションに入り、公開に向けて編集作業等が始まると見られています。

ドラマ「ホークアイ」はディズニープラスで配信予定、配信日は2021年内の未定となっています。

ソース:Hawkeye: Jeremy Renner Shares Selfie & Brief Message on Last Day of Shooting

Huluのマーベルアニメ「M.O.D.O.K.」のポスターが公開

米Huluで5月21日から配信予定の大人向けアニメ「モードック」のポスターが公開されました。アニメは全10話配信される予定で、ショーランナーのジョーダン・ブルームさんが自身のTwitter上で公開しました。

あらすじは以下の通り。

スーパーヴィランのモードックは長い間、世界を征服するという彼の夢を追求してきた。しかし、地球最強のヒーロー達と戦い、何年もの敗北と失敗の後、モードックは彼の邪悪な組織A.I.M.を失墜させてしまった。A.I.M.のリーダーとして確固たる存在であり、殺人のためだけに設計された精神生物は、崩壊しつつある結婚と家庭生活にも対処しながら、彼の最大の挑戦である中年の危機に立ち向かう!

アニメ「モードック」は5月21日よりHuluにて米国配信予定です。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」の指輪の原作設定を紹介!

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のトレーラーが解禁され、その中には本作のヴィランであるマンダリンことシャン・チーの父ウェン・ウーがリングを装着している姿が確認出来ます。今回は映画タイトルにも含まれているマーベルユニバースのアイテム、テン・リングスについて、原作の設定をご紹介です。

マンダリンが中国の “Valley of Spirit”(精霊の谷)で発見した テン・リングス・オブ・パワー は、惑星Maklu-IV(マクル4号星)に住むドラゴンのような種族、Axonn-Karr(アクソン=カーまたはマクル人)の産物。主に星間宇宙船のエンジンの動力源として使われていたとの事で、このリングの機能は現在の地球科学では説明できないとされています。

マンダリンは、リングを個人的に利用し、個人的な命令に反応させる方法を学びました。長い年月をかけて、マンダリンの心がリングに宿り、今では誰もリングを使うことができません。また、マンダリンは遠く離れた場所からでもリングを操作できるようになっています。

マンダリンのオリジナル・リングの機能は以下の通りです。

©MARVEL

左手のリング

小指

アイスブラスト:周囲の空気を凍らせ、対象物の温度を絶対零度近くまで下げることができる。

薬指

メント・インテンシファイア(Mento-Intensifier): マンダリンの精神的エネルギーを拡大し、人を精神的にコントロールすることができます。近距離でのみ有効。効果的にリアリティ・ストーンに似ています。

中指

エレクトロブラスト:装着者(マンダリン)が決めた量の電気エネルギーを放出します。出力の上限は不明です。

人差し指

フレイムブラスト:赤外線を放出し、空気の分子に点火して空気を燃え上がらせることができる。最大出力は不明です。

親指

ホワイトライト:電磁スペクトルから様々な種類のエネルギーを放出します。強い可視光線やレーザー光線としてよく使われます。

右手

小指

ブラックライト:すべての光が吸収された「絶対的な黒」の領域を作り出します。ダークスターやシュラウドなどが使用している「ダークフォース」にアクセスすることができるとされています。

薬指

ディスインテグレーション・ビーム:原子・分子間の結合を破壊し、物体の凝集力を崩壊させます。使用時には20分の充電が必要です。

中指

ボルテックス・ビーム:空気を高速で渦巻き状にして回転させます。物体を浮かせたり、装着者(マンダリン)を飛行させたり、武器として使用することができます。

人差し指

インパクト・ビーム:TNTの約350ポンド分の衝撃力を与えます。また、強烈な音波振動や電磁波を発生させることもできます。

親指

マテリア・アレンジ:物質の原子や分子の配列を変えたり、その動きを速くしたり遅くしたりして、さまざまな効果をもたらすことができます。実際に元素を変換することはできません。


原作のテン・リングスは指輪ですが、MCU版は腕輪に変更されている可能性が出ています。

©2021 MARVEL,Disney

インフィニティ・ストーンに勝るとも劣らないアイテムを持つ相手に、シャン・チーはどう立ち向かって行くのでしょうか。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は2021年9月3日 日米同時公開予定です。

ソース:公式

エミリア・クラークさんがドラマ「シークレット・インベージョン」に参加すると報じられる

制作準備が進められているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」に、大人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演したエミリア・クラークさんが出演することを海外メディア Variety が報じました。

記事によるとキャスティングは最終交渉中とのことで、役割もわかっていません。

「シークレット・インベージョン」は同名のコミックをドラマ化するもので、コミックではシェイプシフターであるスクラル人が人知れずヒーローたちと入れ替わり地球の侵略をしていたという物語です。

コミックとは逆にMCUのスクラル人は味方の色が強く描かれており、どのようにアレンジされるのかは注目ポイントのひとつとなっています。

コミックの主人公であるニック・フューリーをシリーズおなじみのサミュエル・L・ジャクソンさんが演じ、もうひとりの主人公としてスクラルのタロスをベン・メンデルソーンさんが引き続き演じる事が発表されています。

また、海外メディアの報告によると、メインヴィランをキングズリー・ベン=アディルさんが演じると伝えている他、先日はオリビア・コールマンさんが出演交渉に入っているとし、かなり豪華なキャスティングとなってきています。

人気のエミリア・クラークさんのキャスティングが報じられた事で喜びの声がある一方、不安の声も上がっています。原作の「シークレット・インベージョン」で重要な女性キャラクターといえばS.H.I.E.L.D.のエージェントであるクエイク/デイジー・ジョンソンで、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」で既にクロエ・ベネットさんが演じることで実写化されており、コールソンと並んで大きな人気を獲得しました。しかし今回の報道でデイジーのリキャストを危惧するファンもいるようです。

とは言え、デイジーはアジアの血を引くキャラクターでクロエ・ベネットさんもアジア系俳優。クラークさんはイギリス出身の女優であり、キャラクターの多様化を進めているMCUでわざわざ白人にリキャストしないだろうという見解もあるようです。その他、スパイダーウーマン/ジェシカ・ドリューやS.W.O.R.D.の長官アビゲイル・ブランドなどがファン予想にあがっています。

一体どんな役を担うことになるのか、今後の情報には要注目です。

ドラマ「シークレット・インベージョン」はディズニープラスで配信予定です。

ソース:Emilia Clarke Joins Marvel’s ‘Secret Invasion’ at Disney Plus (EXCLUSIVE)

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」から新ポスターが公開

ディズニープラスで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」から新たなポスターが公開されました。ポスターを手掛けたのはアーティストのルーク・バトランドさんで、本作のふたりの主人公ファルコン/サム・ウィルソンとウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズに焦点を当てたものとなっています。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のラストから繋がる物語… キャプテン・アメリカの盾<想い>を受け継ぐのは誰なのか――?『アベンジャーズ/エンドゲーム』でキャプテン・アメリカから盾を受け継いだファルコン。しかし、彼はその重責に悩み、盾を手放してしまう。親友が託した想いを受け継いでほしいウィンター・ソルジャーだったが、はたして…?一方、平和の象徴”キャプテン・アメリカ”を失った今、人々は新たな”象徴”となるヒーローを求めていた…。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第6話は 2021年4月23日(金)16時より ディズニープラスで配信です。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」最終回に向けてシャロン・カーターの現状まとめ ─ 彼女は闇落ちしてしまったのか?

現在配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で約5年ぶりに登場したシャロン・カーター。そんなシャロンは最後にみた姿とは大きく異る人物として再登場し、視聴者に衝撃を与えました。本記事では今作で謎の多いシャロンの現状を紐解いて行きます。

ドラマ以前のシャロン

まずはこれまでのシャロンの足跡です。

2014年公開の映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でデビューしたシャロンは、S.H.I.E.L.D.のエージェントとして登場し、その素性を隠してスティーブ・ロジャースをサポートしていました。物語のラストでは果敢にヒドラに立ち向かう様子が描かれました。

2016年の映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」ではS.H.I.E.L.D.の崩壊以降、CIAのエージェントとして働いている事が分かりました。本作では姓がカーターである事が明かされ、スティーブと恋仲だったペギー・カーターの姪孫だった事が判明します。この作品の中でスティーブの逃亡を手助けした事が今作でのシャロンに大きく影響しています。

なお、サノスによって消えていたことがエンドゲームの1シーンからわかっています。

©2019 MARVEL,Disney

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のシャロン

久々に登場したシャロンはマドリプールにいました。ハイタウンに居を構え、多くの部下らしき人間を従えている様は逃亡中の人間には見えません。美術品を盗んで売るという事を生業としている様子が語られます。

しかしどういうわけかロータウンでのシーンが度々見受けられます。本作の初登場の際もロータウンの酒場でした。

シャロンはヴィランなのか?

シャロンがヴィランになってしまった、闇落ちした、パワーブローカーとはシャロンでは?という声はネット上でもよく見かけます。実際に美術品を盗んでいるようですし、追ってきた賞金稼ぎを殺すシーンもあり、ペギー・カーターを尊敬していた昔のようなクリーンな感じはありません。

シャロンの目的

まずはじめに抑えるべきポイントはシャロンはなぜマドリプールにいるのか、という事です。これは劇中でも言及されていて、「マドリプールは他国に犯罪者を引き渡さない」からです。つまり、米国政府に追われるシャロンにとってマドリプールは安全なのです。

次に、生業の美術品泥棒について考えてみます。元S.H.I.E.L.D.のエージェントであるシャロンからすれば、美術館に入り盗んでくる事は造作もない事かもしれません。しかし逮捕を嫌ってマドリプールに来たのに、国外へ盗みに出かけるのはなんともおかしな話です。考えられるのは部下に盗みに行かせるか、あるいは盗品としてマドリプールに入ってきた美術品をあらためて盗むかです。特に後者は元の所有者にシャロンの存在がバレることはないので、シャロンにとってとてもセーフティです。これであればロータウンに出向いている事も辻褄が合うように思えます。

シャロンがマドリプールでどういう目標をもっていたかは語られていません。しかし、サムたちと再会することで「政府から恩赦を得たい」という欲求は強く出てきたようです。そして実際にサムたちに協力するシーンは多く、別れ際にも恩赦について念を押します。

©2021 MARVEL,Disney

シャロンはパワーブローカーなのか?

パワーブローカーは新たな超人血清を使って何らかのビジネスを企んでいました。そして血清を盗んだカーリ達フラッグスマッシャーズを追っていました。2話のラスト、スロバキアの首都ブラチスラバの空港でパワーブローカーの追手とフラッグスマッシャーズが接触して以降、劇中で直接の接触はありません。

血清を取り返せなかったパワーブローカーにとって、血清を作ることができるネイゲル博士は最重要の人物です。そもそも血清が盗まれていなくても、博士は金の卵をうむニワトリです。博士に危険が及ぶ行為は絶対に避けなくてはなりません。

一方でシャロンはシビル・ウォーの関係者でした。シビル・ウォーで描かれた範囲ではシャロンはジモの目的を知る由はありませんでしたが、ジモが危険人物であることは知っています。そんなジモを博士の所へ連れて行くのはリスクが大きすぎると言えます。

また、血清探しの第一歩としてたずねた故買屋のセルビーを考えてみましょう。はじめに酒場の主人に対してジモが「セルビーに会いに来た」というシーンで初めてシャロンが登場します。シャロンはセルビーの名前を聞くとフードを深くかぶり直しどこかへ消えていきます。そして、サムがスマイリングタイガーだと偽って面会しに行った結果セルビーは殺されてしまいます。

ここのシーケンスにおいて、シャロン=パワーブローカーであれば、セルビーに対して面会しないように仕向ける時間は充分にあったように思えます。しかし面会は行われる事になりました。そしてセルビーは面会中に何者かに殺害されてしまいます。口封じのためにシャロンがセルビーを殺したのであれば、シャロン=パワーブローカーと考えるのはおかしくありません。しかし実際には口封じというより、サムを助けるためにセルビーを撃っています。セルビーは口を割りそうで撃たれたのではなく、サムを殺そうとして撃たれました。そして博士の元へ案内したのは結局シャロンであり、博士の事を秘密にしておきたいはずのパワーブローカーと真逆の事をしています。

その場を逃走したサムたちにかかる追手を始末し、ハイタウンの家にかくまったのもシャロンです。シャロン=パワーブローカーだと仮定すると、セルビーを自ら(あるいは部下に指示して)殺害し、サムたちをセルビー殺害の容疑者に仕立てあげ、その後追手をけしかけておいてその追手を自ら始末し、自宅に招くというなかなかの自作自演をやっている事になります。

また、パワーブローカーの怒りの矛先にも注目です。パワーブローカーの手下が2話でカーリたちフラッグスマッシャーズを追いかけて以降、カーリのもとには度々脅迫メールが届きます。これはもちろんカーリが血清を盗んだことが原因となっています。しかしパワーブローカーに大損害を与えた人物がもうひとりいます。血清を処分し、血清を作ることができるネイゲル博士を殺害したジモです。パワーブローカーに対してより大きな損害を与えたのはカーリよりもジモであることは明白です。しかしながらジモに対して刺客が差し向けられた描写はありませんでした。これは、パワーブローカーがジモの存在を把握出来ていないか、あるいはサムとバッキーが近くにいるため手を出せないかのふたつである事が考えられます。

シャロン=パワーブローカーだとして経緯をまとめると、フラッグスマッシャーズに血清を盗まれ、謎の自作自演をしてサム達と再会し、博士の居場所を明かした結果殺害され、フラッグスマッシャーズに殺す殺すのメッセージを送るだけで、4話ラストで居場所がわかったにも関わらず逃げられて、ジモに対しては手出しせずに、5話で再びフラッグスマッシャーズに殺すメッセージを送っているとても滑稽なヴィランになってしまいます。シャロン=パワーブローカーがサムたちを利用してカーリを追いたかったとすれば、パワーブローカーにとっては大誤算、大失敗となりました。

しかし、何らかの理由でパワーブローカーとシャロンが繋がっていた可能性はあります。そしてサムたちと再会して鞍替えをした可能性です。シャロンがラボの後始末をし、パワーブローカーに虚偽の報告をしていればパワーブローカーの怒りがジモに向かずにフラッグスマッシャーズにのみ向いていることも合点が行きます。

そして、シャロンを演じるエミリー・ヴァンキャンプさんはインタビューで「シャロンの最大の目的は恩赦を受ける事」だとコメントしています。

劇中のシャロンの恩赦を望む姿勢、そして俳優さんのインタビューまで嘘だとすれば、制作陣のサプライズはこちらの想像以上だと言わざるを得ません。それでこそMCUとも言えるのですが。

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シャロンのスマホ

5話ではシャロンがバトロックと電話をしているシーンがあります。そしてその時のシャロンのスマホはアップル製品ではありませんでした。これがなぜシャロン=ヴィラン説になるかというと、2020年のライアン・ジョンソン監督のインタビューに起因しています。

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」などを手掛けるライアン・ジョンソン監督は Vanity Fair とのインタビューにおいて、「Appleは、作中でiPhoneを使用できるようにしているけど、ミステリー映画を見る場合これは非常に重要な問題だ。カメラに映る悪役はiPhoneを使用できないんだよ」と内情を明かしました。「自身が手掛ける映画の中に、秘密にするべき悪役がいるすべての映画監督は、今僕を殺したいだろうね」とジョークも飛ばしています。

©2021 MARVEL,Disney

しかしこれは「悪役はiPhoneを使えない」のであって、「iPhoneじゃないから悪役」ではないのです。作品によって善人役はMac、悪役はWindowsとしているものもあるようですが、シビル・ウォーのトニー、スティーブの二人はアップル製品でもスターク・インダストリーズ製品でもなく、中国のVivoを使用していました。

from 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」©2016 MARVEL,Disney

iPhoneではないからシャロンはヴィランとするのは根拠として弱いと言わざるを得ません。

バトロックに何を依頼した?

バトロックに何を依頼したかは5話まででは明かされていません。しかし依頼したからヴィランとは言えないのです。

バトロックがMCUに初登場したのは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」です。S.H.I.E.L.D.の船レムリアスターを占拠して人質をとり、身代金を要求してきました。しかしこれはフューリー長官がバトロックに金を払ってさせた事でした。インサイト計画に疑念をもったフューリーはS.H.I.E.L.D.の誰も信用出来ないと考え、バトロックにレムリアスターを襲わせる自作自演をし、キャプテンに人質救出作戦をさせている間、最も信頼しているナターシャにインサイト計画のデータを奪ってくるよう指示していました。フューリーがバトロックを使ったからといって、フューリーをヴィランと呼ぶことはできません。

シャロンとバトロックが組んだとしても、結果を見るまでは何とも言えないのです。

ところで電話での会話の内容から1話の冒頭でヴァッサン空軍大尉が誘拐されたのもシャロンの依頼のように思えます。この誘拐の理由は最終話で明かされるのでしょうか?

©2021 MARVEL,Disney

バトロックとカーリのシーンを整理しておきましょう。

シャロン=パワーブローカーの場合、カーリは復讐のターゲットです。すなわちバトロックはカーリを殺すために仕向けられたと考えられます。

シャロンが正義の下で動いている場合、テロを阻止するためにバトロックを利用しているはずです。

この2つの目標は似ていて、カーリの無力化が到達点になります。武器が暴発してカーリが死んだり、実際には使えない武器でテロが失敗するケースが考えられます。とにかくテロが失敗すれば視聴者も一安心です。

この2つとは違って、シャロンが別のヴィランと結託している場合、カーリたちの目論見どおり進み、ひどい結末を迎える可能性があります。


現状を細かくみても、シャロンがヴィランである確たる証拠はありません。美術品を盗む事や賞金稼ぎを殺した事は抜きにしてですが、ヴィランの匂いがする、といった程度です。そして、シャロンがヒーローサイドにいる裏付けは、5話までではほとんど出来ません。

コミックのシャロンに目を向けると、S.H.I.E.L.D.の長官をつとめた時期があります。フューリーを演じるサミュエル・L・ジャクソンさんは現在72歳。フューリーの世代交代は数年以内、はやければ1~2年以内(フェーズ5に入るまで)に訪れるかもしれません。そしてドラマ「ワンダヴィジョン」で登場したS.W.O.R.D.も現在ヘイワード臨時長官が失脚し、長官が不在となっています。S.W.O.R.D.に関しては前長官の母マリアに変わってモニカ・ランボーが継ぐか、あるいは原作どおりアビゲイル・ブランドが登場する可能性もありますが、シャロンに椅子が回ってくる可能性もゼロではないかもしれません。

残された最終話、シャロンは誰のために、何のために、どのように動くのでしょうか。

当ブログでも紹介している日本未公開のアメリカで公開されている今作のトレーラーのうち、5話までに登場していないシャロンのシーンがひとつあります。

©2021 MARVEL,Disney

駐車場らしきシーンですが、奥の赤い光は5話ラストのGRC本部の停電シーンと重なるものがあります。シャロンはマドリプールを出てニューヨークへと現れるのでしょうか?

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第6話は 2021年4月23日(金)16時より ディズニープラスで配信です。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」トレーラーの9つの注目ポイント ─ なぜキャプテンが?

先日公開されたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のトレーラー。約2分のこの動画に含まれている要注目のポイントをピックアップしてまとめました。

シャン・チーの部屋

カンフーの達人であるシャン・チーも映画が好きなのでしょうか。シャン・チーの部屋には映画「カンフーハッスル」のポスターが左側の壁に貼られています。

©2021 MARVEL,Disney

もちろん日本語版のポスターではありません。

©2004 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

カラオケシーン

カラオケシーンにはディスプレイに歌詞が映し出されています。

©2021 MARVEL,Disney

この歌詞は映画「アラジン」に使用されている「ホール・ニュー・ワールド」のものです。この歌詞には「I can’t go back」という言葉が後半にあり、シャン・チーの現状を指している可能性があります。

ちなみにコミックでもミズ・マーベル/カマラ・カーンなどとカラオケしているシーンがありました。

©MARVEL

デスティーラー

コミックのデスティーラーは1982年8月にのコミック「マスターオブカンフー#115」で登場しました。MI6のスパイとして登場したリー・チン・リンという男性でしたが実際には2重スパイであり、シャン・チーの父フー・マンチュー(MCU版ではウェン・ウーに変更)の下で働いていました。映画のデスディーラーは今の所性別も不明です。

©2021 MARVEL,Disney

トレーラーでは幼いシャン・チーを見つめるデスティーラーの姿が描かれていることから、師弟関係にある可能性があります。

テン・リングス

原作では10個の指輪ですが、腕輪に変更されている可能性が高そうです。シャン・チーの父親ウェン・ウーが両手首に5個ずつの腕輪をしているのを確認でき、その後も不思議な光を放つ腕輪を確認出来ます。

©2021 MARVEL,Disney

また、「テン・リングス」はMCUの映画「アイアンマン」シリーズに登場してきたテログループの名前でもあります。「アイアンマン3」に登場したマンダリンはアルドリッチ・キリアンに雇われていた唯の役者であり、偽のボスを演じていました。

ウェン・ウーの背後にあるテン・リングスの紋章と「アイアンマン」シリーズに登場している紋章は少し異なっています。

©2013,2021 MARVEL,Disney

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地下闘技場

メイン舞台のひとつとされている地下の闘技場。ここでシャン・チーは様々な相手と戦うことになりそうです。

©2021 MARVEL,Disney

男性戦士は後のシーンにも登場しており、腕に刀が仕込まれているレーザーフィストと呼ばれるキャラクターですが、原作には同名のキャラクターが複数存在し、どのオリジンが適用されているかは不明です。

キャプテン・アメリカ?

闘技場と思われる場所の壁にキャプテン・アメリカの盾が描かれています。

©2021 MARVEL,Disney

画像の左側、ちょうどシャンチーの肘から手首にかけてのあたりの位置に少し見にくいですが盾が描かれています。もしかしてドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のあと、行き場をなくしたジョン・ウォーカーがここにいたりするのでしょうか?

ちなみに本作の時系列は明かされていません。パンデミック前にリークされた撮影現場の動画では壁に2020と落書きされているのが発見されていましたが、シャンチーの物語の時系列について今の所は何とも言えません。

仮面の女性

色鮮やかな森のなかで男性と仮面の女性が戦っているようなシーンがあります。

©2021 MARVEL,Disney

男性は白い衣服を着用しており、このトレーラーではウェン・ウーが似たような服を着用していました。とすると、女性のほうはシャン・チーの母親である可能性も?

謎のパワー

乱戦シーンでは赤服の男が動物のようなものを呼び出しているシーンがあります。

©2021 MARVEL,Disney

中央の獅子のような動物のほか、コウモリのような姿や細長い龍のような姿も確認できます。

赤服と黒服がどういう関係か不明ですが、黒服はテン・リングスのメンバーかもしれません。

©2021 MARVEL,Disney

ザック・チェリー

MCUイチ有名なモブとも言える役を演じるザック・チェリーさんが登場しています。列車内にいるヒゲモジャのモブは映画「スパイダーマン:ホームカミング」(画像3枚め)に登場していました。

©2021 MARVEL,Disney,2017 Sony Pictures

「あんたYoutubeのスパイダーヤロウだろ?バク宙してくれよ!」とピーターに頼んだほとんどエキストラのようなキャラクターでしたが、出演したチェリーさんは気をよくし、「MARVEL STREET VENDOR」という短編映画を企画し、署名を集め、トレーラーを作成し、コミコン会場でマーベルに売り込みに行くという規格外の行動力を見せました。その様子を追ったドキュメンタリー映像は、ハーレイ・ジョエル・オスメントさんや、まさかのスタン・リー御大もカメオ出演するという謎の豪華仕様となりました。

その後の続報がないところを見るとまだ短編映画は完成していないようですが、マーベルはこの人物を面白いと解釈したのか、シャン・チーにも登場するようです。

予告公開後、Twitter上で「これはあなたなの?」と聞かれたチェリーさんは「違わないよ」と答えています。

ホ-カミングの舞台はニューヨークで、本作の舞台はサンフランシスコですが、同一キャラクターなのか別のモブになるのかは注目です。


以上、「シャン・チー」トレーラーの注目ポイントでした。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は2021年9月3日より公開予定です。

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のファーストルック写真が公開

昨夜トレーラーが公開されたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のファーストルックとなる写真が公開されました。海外メディア Entertainment Weekly が公開した写真にはシム・リウさん演じる主人公シャン・チーの他、トニー・レオンさん演じるマンダリン、オークワフィナさん演じるケイティ、ファラ・チャンさん演じるジャン・リーが登場しています。

シム・リウさん演じる主人公シャン・チー

Credit: Jasin Boland/©Marvel Studios 2021

トニー・レオンさん演じるシャン・チーの父ウェン・ウー

Credit: Jasin Boland/©Marvel Studios 2021

左からファラ・チャンさん演じるジャン・リー、シャン・チー、オークワフィナさん演じるケイティ

Credit: Jasin Boland/©Marvel Studios 2021

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は2021年9月3日より公開予定です。

ソース:Simu Liu suits up in first look at Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings

マーベル・スタジオ副社長がドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」S2について明かす ─ ヴァルについても言及

マーベル・スタジオの制作・開発担当副社長であるネイト・ムーア氏が、先日、海外メディア Indiewire の取材に応じ、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の第2シーズンの可能性について言及しました。

ムーア氏はインタビューの中で本作について、「この決定は、シリーズがスタートしたときに出たものですが、制作中にも考えていたことでした。”なんて素晴らしいんだ “と思うからではなく、我々の典型的な作品よりも少しドラマチックに感じるからです。この作品は、私たちが初めてテレビに進出した作品であり、たとえDisney+であっても、この番組が取り組もうとしている内容にふさわしいと考えました。」と述べました。

そしてシーズン2の可能性について、「率直に言って、パンデミックの混乱の中で、私たちはただ番組を完成させ、タイムリーに放送することを目指しています。願わくば、このシーズンの終わりには、次のシーズンで伝えられることの可能性を見ていただきたいと思います。」とコメントしました。

また、ムーア氏は「ワンダヴィジョン」の将来と本作を比較して語ってくれました。

「ワンダヴィジョン は、一度しかできない番組だと思うんです。ワンダはヘックスに戻ることはありません。一方、ファルコン&ウィンター・ソルジャーは、キャプテン・アメリカとその盾というレンズを通して、スーパーヒーローとは何かという遺産を扱う作品です。そして、これは次のシーズンでも再訪できるストーリーだと思います。なぜなら、これは永遠のストーリーだからです。それは会話のようなものだからです。」

さらにムーア氏は、ジュリア・ルイス=ドレイファスさんが演じるヴァレンティナ・アレグラ・ド・フォンテーヌが、「遅かれ早かれ、より多くの波紋を呼ぶことになる」と予告しました。

本作は政治的、人種的なテーマに深く踏み込んでおり、通常のディズニーブランドではなかなか見ることが出来ない異色な作品となっています。しかしもちろんヒーロー作品でもあるため、ファルコンとウィンター・ソルジャーの二人のキャラクターのコンビネーションは面白く、まだまだ続けて見たいと思うファンも多いようです。

ウィンター・ソルジャーを演じるセバスチャン・スタンさんはシーズン2について「プランを聞かされた事はない」と回答し、カリ・スコグランド監督はシーズン2を制作したい事を明かしています。

昨年報じられたニュースではシーズン2にあたる作品がタイトルを変えて制作されると伝えられており、その時は「キャプテン・アメリカ&ウィンター・ソルジャー」や「ファルコン&キャプテン・アメリカ」、あるいは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー&別のキャラクター」になる可能性も指摘されていました。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第6話は 2021年4月23日(金)16時より ディズニープラスで配信です。

ソース:‘The Falcon and the Winter Soldier’ Will Run as a Drama Series at 2021 Emmys — Exclusive