2021年6月9日配信のドラマ「ロキ」エピソード1「大いなる目的」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。
※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。
2012年 ニューヨーク
冒頭は映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」のワンシーンから始まります。映画に使った映像、未使用だった映像、そして撮影しなおした映像を組み合わせている事がケイト・ヘロン監督によって明かされています。
この時、ロキは既にアベンジャーズがタイムトラベルしている事に気づいていたようです。
砂漠
4次元キューブを使って逃げたロキはゴビ砂漠へと不時着します。「アイアンマン」でトニー・スタークが洞窟から脱出した際も同様に砂漠へと不時着するシーンがありました。
©2021 MARVEL,Disney
変異体
砂漠で原住民相手に演説しているロキの前にTVAのハンターたちが姿を表します。
©2021 MARVEL,Disney
ハンターたちはロキの事をヴァリアント(変異体)と呼びます。Variantは「異なる」といった意味の英単語で、ヴァリアント・ロキとは本来のロキとは異なるロキとの意味合いになります。
セイクリッド・タイムライン
ロキはセイクリッド・タイムライン(神聖時間軸)への抵抗罪で逮捕を言い渡されます。
©2021 MARVEL,Disney
この時首に装置をつけられますが、兄であるソーも「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でヴァルキリーに同じように首に装置をつけられました。
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ヴァリアント・スクラル
TVAに連行されたロキですが、受付のような場所にはトレーラーでも確認されていたスクラルが登場しています。
©2021 MARVEL,Disney
©2019 MARVEL,Disney
映画「キャプテン・マーベル」でマー・ベルのラボに隠れていたスクラル人たちの中にそっくりな服装の人物がいますが、今の所同一人物かどうかは不明です。
囚人服
小部屋に押し込まれたロキは衣服を焼き払われてしまいます。この時のロボットは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でスタン・リー扮する散髪屋が装着していたメカに似ており、兄ソーが問答無用で散髪されたように、弟ロキも強制的に着替えさせられる事になりました。
猫かフラーケンか
裸で落下したと思うと囚人服を来ていたロキ。目の前には役人と猫、らしき生物。
©2021 MARVEL,Disney
「キャプテン・マーベル」に登場していたグースのようなフラーケンの可能性も考えられますが、今の所はハッキリしていません。ただしこのお役人さんは相当この生物が好きなようで、マグカップにもプリントされています。
自覚がないロボット
次に落とされた先の部屋ではロボットかどうか確認されます。
©2021 MARVEL,Disney
自覚のないロボットといえば「エージェント・オブ・シールド」に登場したLMDがあげられます。LMDのコールソンもメイも自覚はありませんでしたが、魂は存在していたように思えて仕方ありません。
ひとまずこのロキはLMDではなかったようで、ゲートを通過しても溶ける事はありませんでした。
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ミス・ミニッツ
TVAのマスコットキャラクター「ミス・ミニッツ」による説明のアニメが始まります。
©2021 MARVEL,Disney
ミス・ミニッツの声はタラ・ストロングさんで、X-MENやスパイダーマンのアニメで様々なキャラクターの声を担当されているマーベル御用達の人物のよう。日本の吹替はそういうわけにもいかず、松浦裕美子さんが担当されています。「アイアンマン3」で眠い女という名前のない役で出演されている模様です。
マルチバースとシークレット・ウォーズ
ミス・ミニッツによると、マルチバースが干渉して大戦争「multiversal war 」が起きたとの事。
©2021 MARVEL,Disney
マーベル・コミックス初の大型クロスオーバーイベント「シークレット・ウォーズ」(1984年)をなぞっているようで、シークレット・ウォーズもマルチバース間の戦争を描いたコミックでした。
「シークレット・ウォーズ」は「インフィニティ・ウォー」「エンドゲーム」のルッソ兄弟監督がいつか作りたいと明かしている作品であり、実写化の際はエンドゲームよりも多くのヒーローとヴィランの登場が期待されています。
なお、コミックでは2度めのシークレット・ウォーズも発生しており、MCUでも再び起きる可能性はありそうです。
タイムキーパー
TVAの創設者として3人のタイムキーパーの存在が紹介されます。
©2021 MARVEL,Disney
タイムキーパーたちがマルチバース・ウォーをおさめ平和をもたらしたそうです。そしてマルチバースをひとつにまとめあげたのがセイクリッド・タイムライン(神聖時間軸)。
コミックのタイムキーパーはTVAの創設者ではなく、TVAに作り出された存在でした。
また、コミックのセイクリッド・タイムラインの守護者はマダム・サンクティティ/ターニャ・トラスクという女性ミュータントであり、このあたりはわりとアレンジされているようです。
分岐イベントネクサス
ミス・ミニッツはヴァリアントが道を外れた時に分岐イベント(Nexus Event)が発生すると説明します。Nexus自体はつながるという意味の英単語ですが、分岐した結果異なる未来につながるという意味あいでしょうか。
©2021 MARVEL,Disney
コミックではこのネクサスイベントを単独で起こしうる存在を「ネクサス・ビーイング」と呼び、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフもネクサス・ビーイングに分類され、TVAによって監視されています。
「ワンダヴィジョン」でもCMに抗うつ薬のネクサスが登場し、ワンダがネクサス・ビーイングであることを示唆していました。
©2021 MARVEL,Disney
さらにミス・ミニッツは英語版で「which left unchecked could branch off into madness, leading to another multiversal war」 (これを放置するとマッドネスに枝分かれして、再びマルチバース・ウォーになる可能性がある)と説明しています。
これは明らかに「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」を示唆しているようにも思えます。
ちなみに「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」と「ロキ」の脚本はマイケル・ウォルドロンさんが担当しています。
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バケツ頭
ロキの前を進んでいた誰かのヴァリアントはTVAのスタッフに対して「バケツ頭(bucket head)」と罵倒します。
©2021 MARVEL,Disney
コミックでbucket headといえばザンダー星出身のヒーロー、ノヴァの事を指しますがこのスタッフとの関連性は特に見当たりません。
なお、奥の部屋のポスターに見える「ゼロ・トレランス」とは品質管理における理念のひとつで、わずかな不具合も見逃さず、不良品を徹底的に排除することを言います。
この後、この彼は排除されてしまいました。
1549年 フランスのプロバンス
TVAのハンターたちが1549年のフランスで殺害されました。あらたにやってきたTVAのハンターたちが現場検証をしています。その現場でひとりの少年と出会い、話を聞くことになります。
このシーンはトレーラーにも登場しており、後ろのステンドグラスに悪魔が描かれている事から、今度こそメフィストが登場するのではないかと噂されていました。しかし、本作にもメフィストが登場しない事をケイト・ヘロン監督が明かしています 。
©2021 MARVEL,Disney
「誰がやったのか知っている?」と聞かれた少年はステンドグラスを指差します。
監督によるとこのステンドグラスはロキを表しているとの事で、つまり犯人はロキであるとの事がこの段階で示唆されています。
ドッカーンガム
少年の歯が青い事に気づいて尋ねると、少年は無言でドッカーンガム(kablooie gum)を差し出しました。メビウスはこれを「悪魔からの贈り物か」とつぶやきます。
©2021 MARVEL,Disney
いわゆるチューイングガムが販売されるようになったのは1800年代の事で、この時代には存在しないものです。
ステンドグラス=悪魔=ロキの図式が成り立っている事を考えると、ガムの色から察するに少年が見たロキは青いロキなのでしょうか?
ロキはフロストジャイアントの王ラウフェイの息子であり、映画「マイティ・ソー」では青い肌を見せるシーンがいくつかありました。
Image from 映画「マイティ・ソー」©2011 MARVEL,Disney
レンスレイヤー裁判官
ヴァリアントであるロキはレンスレイヤー裁判官の前に連行され、シークエンス違反7-20-89と告げられます。
コミックのラボーナ・レンスレイヤーはTVAの関係者ではありません。彼女は地球人で、40世紀の地球の支配者カレリウスの娘でした。また、映画「アントマン&ワスプ:クァントゥマニア」に登場すると発表されている征服者カーンと恋仲になっていた時期もありました。
そしてシークエンスの数字を西暦だと考えると1989年7月にはソー#405 が発売されています。この号ではファンタスティック・フォー、ネガティブ・ゾーン、ワンダゴア山が登場しています。これらもまた、征服者カーンとは縁のあるものです。
悪いのはアベンジャーズ
ロキは悪いのはアベンジャーズだと主張しますが、レンスレイヤーは認めません。
©2021 MARVEL,Disney
ロキがいうにはトニー・スターク二人分の香水の匂いがしていたとの事で、未来からの来訪者に気づいていたことをほのめかしています。
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TVAでパワーは使えない
ロキはお得意の魔法で打開しようと画策しますが、何も起きません。TVAではあらゆるパワーが使えなくなるとの事で、リセットの判決を受け、連行されていきます。
ちなみに判決にはリセットや剪定などがあるようですが、具体的にどうなるかは明かされていません。
エージェント・メビウス
メビウスの介入でロキはリセットを免れます。
©2021 MARVEL,Disney
同じ「Mobius」でもこちらはメビウスで、スパイダーマンのスピンオフ映画はモービウスなのが日本語の難しい所。
メビウス・M・メビウスはコミックにも存在するキャラクターでファンタスティック・フォーのコミックで初登場しました。また、シーハルクとも関連のあるキャラクターなので、今後「ロキ」シリーズ以外にも登場する可能性はありそうです。
ジョスタコーラ
ロキとの話の最中に、メビウスはジョスタコーラを飲んでいます。
©2021 MARVEL,Disney
ジョスタはペプシから発売されていたエナジードリンクですが、1995年から1999年の間しか販売されていません。タイムトラベル可能なTVA職員ですから、販売終了していても関係ないのは羨ましい所です。
なお、メビウスによると悪夢を扱う部署もTVAには存在するらしいですが、詳細は語られません。
宇宙の王ロキ
ミッドガルドの王になるというロキを、「その後は?」とからかい、最終的には宇宙の王まで行き着きます。
©2021 MARVEL,Disney
コミックにはキング・ロキというキャラクターが存在し、自力でタイムトラベル、テレポーテーション、死者蘇生など操ることが出来る強力なヴァリアント・ロキです。キング・ロキは映画「ソー:ラブ&サンダー」のヴィランであるゴアとも戦いますが、トム・ヒドルストンさんが言うにはロキはラブ&サンダーには登場しないとの事。
コールソンの死
ロキの「ベスト盤」の中で、久々のコールソンが登場しました。
©2021 MARVEL,Disney
「エージェント・オブ・シールド」で発生したネクサス・イベントもTVAに処理されてしまったのでしょうか。
D.B.クーパー事件
D.B.クーパー事件は実在の事件であり、商業航空産業史上で唯一未解決のハイジャック事件です。(wiki より)クーパーは身代金20万ドルを強奪し、パラシュートで脱出した事までは分かっていますが、それ以降行方をくらましたままとなっています。
1972年にFBIが公表したクーパーの似顔絵ですが、ロキと似ているかも?
フリッガの死
ロキはまだ体験していない、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」でのフリッガの死を見せられ、案の定取り乱します。オーディンやソーに対してもそうでしたが、なんだかんだで家族の事は好きな様子のロキ。
こういう所がロキの人気の秘訣かもしれません。
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ペギー・カーター?
メビウスが席を外した隙に部屋を抜け出したロキですが、その背後には何やら見たことのある人影が。
©2021 MARVEL,Disney
顔までははっきり見えませんが、髪型の感じや服装などはエージェント・カーターそのもののようです。
ヴァリアント・カーターとして逮捕されてしまったのでしょうか。
ケイシー
部屋を抜け出したロキは4次元キューブを回収するためTVAの職員のもとへと向かいます。受付で出会った職員ケイシーに「キューブを返さないと魚みたいにさばくぞ」と脅すものの、ケイシーは魚が何かわからずに混乱します。
これはケイシーが事務方なので、仕事に関係のない知識はほとんど知らない可能性がありそうです。
現場に行くことが多いメビウスはロキの事を「子猫ちゃん」と揶揄しているので、地球の生物についてもある程度知っているものと思われます。アスガルド人に通用するのかはともかくですが。
結局ケイシーは魚が何なのか分からないままロキの気迫に負けてキューブを返します。その際、ケイシーの机の中には大量のインフィニティ・ストーンの他、アークリアクターのようなものや、ドクター・ストレンジに出てきそうな魔法のアイテムのようなものが無造作に保管されていました。
©2021 MARVEL,Disney
これらもTVAの謎の特性により無力化されているようです。
未来のロキ
キューブを取り返したロキですが、キューブも無力化されていて使えません。ハンターに追い詰められましたが、タイムツイスターを使って時間を巻き戻し、部屋へと戻ります。
メビウスがまだ戻っていないため、ロキはテープの続きを見始めます。「マイティ・ソー/バトルロイヤル」や「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のシーンが流れ、最終的にサノスに殺されるシーンまで再生しテープは終わりになります。
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テープの最後にはETH-616と書かれており、コミックの正史にあたるEarth-616を指しているように思えますが、MCUは公式にEarth-199999であるため、なぜここで616なのかは気になるところです。
ロキを殺したサノスも未来で自分が殺される所を見た、というのは奇妙な共通点です。
ALWAYS WATCHING
TVAには少し不気味なポスターが貼られています。
©2021 MARVEL,Disney
ALWAYS WATCHING(いつも見ている)と書かれたポスターは何者かが監視しているようなイラストですが、この文言は「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のパワーブローカーを連想させます。
MUST BE PRUNED NEXUS EVENT
MUST BE PRUNED NEXUS EVENT(ネクサス・イベントは摘み取る)と書かれたポスターもあります。
©2021 MARVEL,Disney
エンドゲームのラスト、スティーブ・ロジャースがストーンを過去に戻す旅に出る際にも、「悪い芽は全部摘み取る」と、このポスターと同じような事を話していました。
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明かされる本作のヴィラン
メビウスがロキに協力して欲しい理由は「TVAが追っている変異体がロキだから」という事が明かされました。フランスのシーンでも薄々わかっていましたが、1話にしてヴィランが明かされるのはある種の王道展開とも言えそうです。
1858年 オクラホマ
シーンが変わり1858年のオクラホマへと移ります。逃げているヴァリアント・ロキを追ってこの時代に来たようですが、そこで見つかった謎の道具は3000年紀のものであることが判明しました。
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※3000年代と勘違いしていました。3000年紀ですから2001年から3000年の間を指し、その初期ということですから、2001年から遅くても2500年までの物体という事になりそうです。
3000年と言えば、コミックでナサニエル(後の征服者カーン)がタイムマシンを利用して古代エジプトへ飛び、征服を始める時。本エピソードでは他にもカーンと関係のありそうなものがいくつか見られましたが、TVAが追っている犯人は本当にヴァリアント・ロキなのでしょうか。
この道具の先に人影を見つけたハンターたちは近寄りますが、罠にかかり、石油に火をつけられやられてしまいます。
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かすった物体を削除してしまう強力な警棒とは裏腹に、魔法でもなくミュータントパワーでもなく地獄の炎でもなく、石油の炎で焼かれてしまうTVAのハンターたち。
武器の性能のわりに、防具はかなりイマイチなようです。
以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。
ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第2話は 2021年6月16日 配信です。