米ディズニープラスで「Marvel Studios Assembled: The Making of What If…? 」が配信開始

米国のディズニープラスにて、マーベル・スタジオの制作の裏側を見せるドキュメンタリー「マーベル・スタジオ・アッセンブル」の「ホワット・イフ…?」バージョンの配信が始まっています。そして公式SNSではそのトレーラーが公開されています。

マーベル・スタジオ初のアニメ作品となった「ホワット・イフ…?」の舞台裏を収録したこの番組ですが、日本での配信に関してアナウンスされていません。しかし日本のディズニープラス上でのバナーは「ホワット・イフ….?」バージョンに変更されており、計画はされていると考えられます。

米国では先週、「ブラックウィドウ」のドキュメンタリーも配信が始まっていますが、こちらに関しても日本ではアナウンスされていません。

アニメ「ホワット・イフ…?」8、9話で描かれたインフィニティ・ストーンにまつわる気になるポイント

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」はシーズン1の最終回配信を終えました。シーズン2ではエターナルズやシャン・チーなどフェーズ4のキャラクターも参加してくる事が開かれていますが、その前にシーズン1のクライマックスにあたる8話、9話のおさらいです。

それぞれのイースターエッグ(8話9話)の記事でも触れている部分もありますが、インフィニ・ストーンに関する描写はいくつか気になる点が残されています。

今作はこれまでのMCU映画で描いてきた様々なイベントにまつわる「もしも」を描いた作品ですが、1話30分と比較的短い時間であり、2話合わせて1時間の中に20作品以上のもしもを詰め込んだクライマックスでは当然のように説明が端折られました。

その端折られたストーリー部分に映画の話をそのまま充てがおうとするといくつかの矛盾が発生してしまいます。この記事ではそういった部分を紹介していこうと思います。

9話のブラックウィドウ、エンディング問題

9話のブラックウィドウは3話の世界のその後に飛び、二人のキャプテンしかいないアベンジャーズに参加しロキと戦いました。この時ロキはセプターとチタウリの軍勢を用いていますが、これらは本来サノスによって与えられたものです。

神聖時間軸でロキは「マイティ・ソー」での兄弟喧嘩の末、兄に復讐するために「アベンジャーズ」でサノスからセプターをチタウリを借り受け地球侵略に向かいました。

しかし3話の世界ではソーが死んだために兄弟喧嘩には発展せず、ロキはアスガルドの王座をなんなく手に入れているはずです。にも関わらず3話のラストでも地球征服に乗り出すロキの姿が描かれていました。

ソー、アイアンマン、ハルク、ホークアイ、ブラックウィドウがいなくなった地球でロキがセプターとチタウリを必要としたからには相応の障害があったはずで、それはおそらくキャプテン・マーベルの存在です。神聖時間軸よりも早いタイミングで地球に戻ったキャプテン・マーベルは9話のラストでも戦っていましたが、視聴者の見えない所で両者の間に何かが起こり、ロキは結局軍隊が必要になったのだと考えざるを得ません。

8話のサノスはどうやって5つのストーンを集めたか

8話ではサノスが5つのストーンを持った状態でウルトロンの前に現れ、瞬殺されてしまいます。この瞬殺について脚本家のA.C.ブラッドリーさんは「この世界のサノスはより傲慢で、(5つ集めた事で)油断していた。」と解説しています(外部英語記事)。

まずこのシーンが西暦何年のものなのかは明示されていません。ウルトロンがアベンジャーズに勝った部分は2015年だと考えられますが、サノスが5つのストーンを揃えて地球にやってきたのは本来であれば2018年です。

リアリティ・ストーンは2013年の「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」のイベントによりコレクターに預けられました。サノスはコレクターのもとにいけば、ガーディアンズに邪魔されるかどうかは別にしてゲットすることが出来るでしょう。

スペース・ストーンは神聖時間軸でサノスの手に渡る直前はロキが所持していました。ロキはヘラとの決戦の際にアスガルドの宝物庫から四次元キューブを持ち去っています。しかし8話ではソーはウルトロンに殺されているため、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のイベントは正しく進行しません。宝物庫に収められたのは「アベンジャーズ」の後なのでそこは問題ないと言えるでしょう。サノスはストーンを得るためにアスガルドの宝物庫に行く必要がありますが、そこでヘラとどういう戦いがあったかはわかりません。なお、「ダーク・ワールド」は問題なく済まされているであろう事でオーディンはロキによって地球へ追放され、その後核に巻き込まれ死亡し、ヘラが復活していると推測できます。

タイム・ストーンは2015年時点でエンシェント・ワンが装備していました。ドクター・ストレンジは誕生していません。未来を見ていたエンシェント・ワンが核攻撃で死んでしまうのは不思議ですが、地球で瓦礫の下を探せばサノスはストーンを見つける事が出来たでしょう。

パワー・ストーンは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のイベントを経て、2014年にザンダーに預けられています。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のソーの説明によると「奴がパワーストーンを奪ったのは先週の事だ。奴はザンダー星を滅ぼし我々の戦艦を襲いスペース・ストーンまで奪い取った」との事で、ザンダーを滅ぼしてゲットしています。ところが8話ではストーンを揃えたウルトロンとキャプテン・マーベルとの戦闘場所がザンダーであり、サノスは友好的にザンダーからストーンを手に入れた可能性があります。

ソウル・ストーンは惑星ヴォーミアで愛するものと引き換えに手に入れられると「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で描かれました。同作のサノスは娘のガモーラと引き換えにソウル・ストーンをゲットしましたが、8話ではストーンを揃えたウルトロンとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが戦うシーンがあり、サノスはガモーラを失うことなくどうにかしてストーンを手に入れています。ネビュラを差し出したのかもしれませんし、部下に強要して部下の愛する人を犠牲に取ってこさせたのかもしれません。とにかく謎に包まれています。

5つのストーンのうちリアリティ・ストーン以外は映画とは大きく異る方法で取得していると考えられ、なかなか妄想が膨らむ部分となっています。

インフィニティ・クラッシャーとキルモンガー問題

9話でインフィニティ・クラッシャーが同じ宇宙のストーンでないと砕けないという説明がなされ、配信後には混乱したファンに対し、脚本家のA.C.ブラッドリーさんはTwitterでストーンは属する宇宙(の存在)にしか力を発揮しないとも説明しました。

余談ですがドラマ「ロキ」ではインフィニティ・ストーンが文鎮代わりに使われていましたが、TVAではすべての力が封じられるせいなのか、「ホワット・イフ」で登場した同じ世界でなければ効果を発揮しない設定のためだったのかは分かりません。ウルトロンとストーン、ロキとキューブの関係を考えると、TVAにはまた別の法則があると考えるほうが妥当かもしれません。

ひとまず、これによってウルトロンはあんなに苦戦しなくても指パッチンすれば良かったのでは問題は解決され、ウルトロンの持つ宇宙のストーンではそんな事をしてもガーディアンズ・オブ・マルチバースには効果がない事が判明しました。

となると、キルモンガーの「これでみんなの宇宙を元に戻そう」というアイデアはそもそも意味がありませんでした。みんなの宇宙を戻すにはそれぞれの宇宙にあるインフィニティ・ストーンを使う必要があります。

キャラクターが設定を知らないのは不思議ではありませんが、キルモンガーの知的で狡猾なキャラクター性から考えると、「クラッシャーがウルトロンのストーンに効果がなかった」時に気づいてもおかしくないような事実でした。あるいは知っていて、ストーンを手に入れるための単なる言い訳に過ぎないのかもしれません。


1話30分完結のスタイルを取っている以上、尺の短さはどうしようもない事であり、説明不足は避けられません。その分妄想を楽しむ余地が大きく、シーズン2でもよりバラエティにとんだ様々なユニバースが描かれるものだと思います。

本シリーズはこれまでのMCU作品に比べると、深く考えずに休憩がてら楽しむほうが向いているのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

アニメ「What if…?」監督、シーズン2のスパイダーマンについて言及

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」のブライアン・アンドリュース監督が、海外メディア Comicbook.com とのインタビューに応じ、シーズン2でのスパイダーマンの登場の可能性について言及しました。

アンドリュース監督は「可能性はなくはないが、登場するかはまだ言えない」と回答しています。

シーズン2で何が起こるか、起こらないかについては、あまり多くを語ることはできません。僕らはスパイダーマンが大好きだから、将来何が起こるかなんて誰にもわかりません。でも、そうですね、私たちはそういったものをすべて理解していますから、私たちが十分な数の番組やシーズンをこなすことができるかどうかが問題なのです。願わくば、その時点で、キャラクターを再登場させたり、これまで慣れ親しんだ方法でキャラクターを再登場させて、さらに別の方法でスピンさせることができると思います。私の言っていることが分かりますか?でも、シーズン2に関しては、そのようなことは何も言えません。

スパイダーマンの映像化についてはマーベル、ディズニーではなくソニーがその権利を有している事がこの話には絡んでいます。今年の初め、「ホワット・イフ」シーズン1の配信を控えていた中で、脚本家のA.C.ブラッドリーさんはスタジオにスパイダーマンを使っていいか尋ねた所、「心配しなくていい。最高の物語を伝えてくれればなんとか解決しよう。」と返事を貰ったことをインタビューにて明かしていました。

シーズン2にスパイダーマンが登場するかはまたあらためてディズニー&マーベルとソニーの間で協議が必要となるようですが、現状の関係性から考えると、比較的青信号が灯っているようにも見えるのではないでしょうか。

アニメ「What if…?」シーズン1はディズニープラスにて全話配信中です。

アニメ「What if…?」、シーズン2の他にティ・チャラのスターロードのスピンオフ計画があった

マーベル・スタジオの初のアニメ作品となった「ホワット・イフ…?」。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のもしもを描いたこのシリーズのシーズン1が先日最終回を迎え、ディレクターのブライアン・アンドリュースさんと脚本を担当したA.C.ブラッドリーさんが海外メディア Variety とのインタビューの中でシーズン2の他のスピンオフ計画があった事を明かしました。

アンドリュース監督はインタビューの中で以下のように述べています。

チャドウィックは、スターロード・ティ・チャラの作品を早くから収録していました。しかし、その後のエピソードでは、彼は散発的に登場していて、(再び)彼を迎えるまでには長い時間がかかってしまいました。そして、最後のレコーディングから間もなくして、彼は亡くなってしまいました。数ヶ月か1ヶ月くらいだったと思います。もちろん、私たちは闘病中だと誰も知りませんでした。でも、(シーズン1に向けて)すべてを揃えるのには間に合いました。彼にとってティ・チャラはとても大切な存在だったので、努力もしていたと思います。また、この新しいバージョンのスターロード・ティ・チャラも彼にとってとても大切な存在でした。彼はそれを掘り下げました。

彼がこのことを知っていたかどうかはわかりませんが、スターロード・ティ・チャラは、その世界観とスタッフでソロシリーズとしてスピンオフする計画がありました。私たちはとても興奮しました。彼もそれを気に入っていたでしょう。でも、彼が亡くなってしまったので、すべてが宙ぶらりんになってしまったんです。だから、誰にもわかりません。

計画がどこまで進行していたかは不明ですが、結果的には突然の訃報によって現在も凍結状態となっている事を明かしました。

実写側では代役を立てずにMCUの物語を進めていくという決定をしたため、アニメ側で代わりの声優で独自に展開していく事については慎重な議論を重ねる必要があるのでしょう。

アニメ「What if…?」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ソース:Inside Marvel’s ‘What If…?’ Finale, Season 2 Plans and the T’Challa Spinoff That Never Was

アニメ「What if…?」、9話のイースターエッグをピックアップ ─ 渋谷大決戦の巻

2021年10月6日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード9「もしも…ウォッチャーが誓いを破ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

冒頭は2014年公開の映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のシーンをなぞらえて展開していきます。ただし、映画ではラムロウがブリーフィングするのをスティーブが聞き手に回っていますが、キャプテン・カーターは自らブリーフィングを行っています。

また、キャプテン・カーターのコスチュームは映画版でのキャプテン・アメリカのコスチュームと同じマイナーチェンジが施されています。具体的には1話、及び「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で着用していたそれぞれの出身国である英国と米国の国旗をイメージしたカラーデザインになっていたものが、ブルーとシルバーの2色に変更されています。

なお、ナターシャのヘアスタイルも映画に準じています。

©2021 MARVEL,Disney

カーターが飛び降りる直前にナターシャが男を薦めるのも映画のオマージュ。ナターシャは映画版でスティーブに「統計分析部のクリステン」を薦めていましたが、こちらではペギーに「経理部のバーナード」を薦めています。「スティーブがよかった?」と一歩踏み込んで言うところを見る限り、二人で恋バナに花を咲かせる事もあるのでしょうか?映画のスティーブはこの後、90を越えたおばあちゃんになったペギーとの再会を果たします。

カーターが飛び降り、着水のポーズまでは映画と同じになっています。船にあがってからは尺の関係もあり駆け足気味にバトロックと対峙します。

バトロック

レムリアスターを襲っているのは神聖時間軸同様にバトロック。本来はフューリーの依頼でレムリアスターを襲っていましたが、ここでは描かれていません。声を担当するのは従来どおり、ジョルジュ・サンピエールさんと山岸治雄さんです。

バトロックとの戦闘中に現れたウォッチャーは「君は選ばれた」とポケモンマスターにでもなったかのようにキャプテン・カーターを連れ去ります。

ピーター・クイルとエゴ、そしてティ・チャラ

続いて2話のラストシーンの直後。アイスクリーム屋さんのデイリークイーンにてクイルを吸収していくエゴ。それを救ったのはスターロード/ティ・チャラでした。

分身とは言えあっさりやられるエゴにちょっと拍子抜けするところはありますが、今度はティ・チャラがウォッチャーに選ばれて連れ去られていきます。

ニダベリアのガモーラとトニー・スターク

次に描かれるのは惑星ニダベリアにいるガモーラとトニー・スタークとドワーフのエイトリ。神聖時間軸ではソーがストームブレイカーを作ってもらった場所です。

ここは別記事でも取り上げましたが、「シーズン1で配信予定だったものがシーズン2に先送りにされてしまったエピソード」の後の世界。新型コロナウイルスの影響で制作が間に合わなかったのだとか。

そういうわけで彼らの物語は説明されないまま話は進行します。

少しだけ展開されるやり取りの中で、このトニーは「銀河」を守るためにアーマーを配備したいという願望を口にしているあたり、この世界の行く末もなかなか不安なものがあります。「世界(地球)」を守るためにアーマーを配備しようとした結果がエイジ・オブ・ウルトロンなのですから。

ワカンダのシュリとペッパー・ポッツ

お次は6話の世界の続きに。キルモンガーがワカンダを支配した世界です。ティ・チャカ王たちが生き残っているかは不明ですが、6話のラストシーンから続くようにシュリとペッパーがドーラミラージュを引き連れて登場します。

しかし突入の直前にキルモンガーが選ばれ、連れ去られてしまいます。

パーティー・ソー

最後にウォッチャーが向かったのは7話のラストシーン。デートに向かいたいソーですがウルトロン・セントリーに邪魔されています。さすがにソーというべきでしょうか、セントリーごときに遅れを取ることはないようです。

しかし相手に夢中になっているソーは強制的に連行されてしまいます。

ネクサス・パブ

パブに集められたキャプテン・カーター、スターロード/ティ・チャラ、ガモーラ、キルモンガー、ソー、そしてドクター・ストレンジ。パブはHUBとも掛かっているのでしょうか?

元の場所に帰りたいという面々にウォッチャーが現状を説明。真のヒーローを探していたものの、チームが必要だという結論に達した事を明かします。これはキャプテン・マーベルに出会ってアベンジャーズ計画を進めるようになったフューリーのようでもあります。

ガーディアンズ・オブ・マルチバース

ウォッチャーは彼らをまとめてマルチバース・アベンジャーズではなく、ガーディアンズ・オブ・(ザ)・マルチバースと名付けます。相変わらず日本語版はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー同様にザがカットされます。

ガーディアンズとつくからにはガモーラが中心になるのかと思いきや、やはり我らがキャプテンが中心となるようです。

なお、コミックスでは2010年の「Guardians of the Galaxy (Vol.2) #25」にて カウンシル・オブ・ザ・ガーディアンズ・オブ・オール・ギャラクシーズというマルチバース用のチームが結成された事がありますが、メンバーはアビゲイル・ブランド、ゴーストライダー、ファイアロード、キルレイヴン、チャーリー27といったキャラクター達でひとりも被っていません。

コズミック・ビーイング

ガーディアンズ・オブ・マルチバースの敵となるウルトロンのことを「インフィニティ・ストーンを手に入れてコズミック・ビーイング(宇宙的存在)となった人工知能」と説明するウォッチャー。

日本語で「宇宙的な存在」と表現されたコズミック・ビーイングとはマーベル・コミックスにおいて宇宙の法則に関わる程の巨大な力を持つ、神、もしくは神にも等しい存在達の総称の事です。代表格は、エターニティ、デス、リビング・トリビューナル、イン・ビトウィナー、ギャラクタス、セレスティアルズなどで、過去にMCUに登場したのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のエゴがこれにあたります(このエピソードでも出ていますが)。

アマツ・ミカボシやオーディン、ソーなど「特定の惑星の神」はこれに該当しないというのも定義のひとつになっています。

今後は「エターナルズ」にて新たなセレスティアルズが登場し、「ファンタスティック・フォー」シリーズでギャラクタスが登場すると考えられています。

なお、今作とコミックにおけるコズミック・ビーイングの定義は少し異なるようで、コミックではインフィニティジェムの所有者をコズミック・ビーイングとは呼びません。

作戦会議

作戦会議において最も気になるポイントは「石6つの力で無敵?」とストーンの力に懐疑的なガモーラ。サノスを倒したと説明されていたこのガモーラですが、石が揃うとどうなるかあまり判っていない様子。にもかかわらずインフィニティ・クラッシャーという明らかに対インフィニティ・ストーン専用アイテムを持っていたりと、延期された幻のエピソードで何が語られていたのかとても気になります。

そして最終的に決まった作戦は「ソウル・ストーンを奪ってガモーラに渡す、そしてガモーラが破壊する間援護する事」。何故ソウル・ストーンなのかは不明です。

なお、インフィニティ・ストーンの基になっているコミック版のインフィニティ・ジェムのうち最も攻撃的ものはソウル・ジェムとされています。その効果はありとあらゆる魂を支配、制御、操作することができ、その範囲は全宇宙にまでおよび、これ一つであらゆる魂を奪い、相手を戦闘不能にすることができると言われる完全なチートアイテムです。つまるところサノスが行った事はソウル・ジェムひとつでも可能でした。

決戦に備えて

誰もいない星にワープした一同。と、突然ストレンジの中の魔物が少し飛び出してきました。中二病を患った日本人が好みそうなキャラクターに仕上がっています。

心配そうに話しかけるキャプテン・カーターと、大丈夫だというストレンジ。お互いの世界の様子を話し合い理解を深めます。

ソーの一言でチームは決戦を前に乾杯。ストレンジが取り出したのはそれぞれの好みが反映された飲み物のようで、とても便利な魔法です。ちなみにソーはビールを、ストレンジとカーターはカクテルを、キルモンガーとガモーラはショットグラスを、ティ・チャラはワインを取りました。

しかしストレンジの乾杯の音頭ひとつが妙に長く理屈っぽいせいで次第にメンバーはイライラ。すかさすティ・チャラが割って入り、さっとまとめてしまうあたりはこれも王の器なのでしょうか。

ビールを飲み干したソーの放った雷を合図に、ウルトロンがガーディアンズ・オブ・マルチバースの存在を嗅ぎつけるのでした。

ウルトロン登場

ウルトロンの登場に合わせてストレンジは急いで「掟破りの呪文」を展開します。詳しく説明されませんが、見た目はエピソード4で見せたヴィシャンティの防御呪文と大差ないように見えますが、黒魔道に落ちたストレンジが白魔法を使うのが掟破りという意味なのでしょうか?この魔法の鎧のデザインがそれぞれ異なるのは興味深いですが、一瞬しか表示されずなかなか勿体ない所です。ガモーラとキルモンガーが所定の別世界で待機し、いざ戦闘の幕開け。

©2021 MARVEL,Disney

ソーが雷をお見舞いするも怯む様子もないウルトロン。ひとりっ子として甘やかされて育ったこのソーは雷神として覚醒しておらず、まだハンマーの神を卒業出来ていないのでしょうか。

しかしそのハンマーもストレンジの魔法で何百にも増えれば話は別。映画ではまだ見たことがなかった4人のコンビネーションを見せ、ティ・チャラが首尾よくソウル・ストーンを強奪し、ガモーラたちが待つ世界へと移動します。

ゾンビ

足止めとばかりにストレンジはポータルを開き、5話の世界のゾンビを召喚。彼もまたネクサス・ビーイングとなってしまったようです。中にはキャプテン・アメリカ、ホークアイ、ファルコンのゾンビが含まれています。一瞬顔をしかめたカーターは気づいてしまったのでしょうか?それともゾンビが嫌なだけでしょうか?

©2021 MARVEL,Disney

ウルトロンの前に一瞬で散っていったゾンビたちでしたが、ゾンビ・ワンダだけは別格でした。「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」ではワンダがウルトロンの計画を阻止し、最後に機械の心臓をえぐり出したいわば天敵。ここでも強力なカオスマジックでウルトロンを圧倒しかけましたが、さすがのゾンビ・ワンダも星を爆破されてはひとたまりもありませんでした。

8話と合流

ガモーラたちと合流する一行、このウルトロンが誕生した8話の世界のようです。さらに舞台は日本の渋谷をイメージした街になっています。劇中では渋谷と分かりづらいですが、クレジットシーンに表示される画像からはハチ公像が確認できる他、バックにもひらがなで「しぶや」と書かれています。

©2021 MARVEL,Disney

そこで8話の世界の唯一の生き残り、ナターシャ・ロマノフが登場しソウル・ストーンを強奪。突然現れたガーディアンズ・オブ・マルチバースを信用しようとしません。

カーターが信用を得るためにナターシャに歩み寄り、「あなたの父親はイワン、育ての父親はアレクセイ」と告げます。なお、吹替はイワンで字幕はアイヴァンになっています。ちなみに「アベンジャーズ/エンドゲーム」でレッドスカルに指摘されたときは吹替、字幕ともにアイヴァンです。こういう所は統一してほしいものです。

で、コミックのナターシャの父親はというと今なお不明です。イワン・ペトロビッチは戦火の中赤子のナターシャを拾い育てた人物です。では養父が二人かというとそうではなく、コミックのアレクセイは父ではなく夫でした。MCU版が実父をイワン・ペトロビッチとするのかはわかりませんが、今後登場するとしれば「What if」のシーズン2以降や「ブラックウィドウ2」でもないと機会がなさそうです。

さらにカーターは、ナターシャが信用しているのは3人だけで、そのうちの一人が自分であると話しかけます。ここはかなり興味深いポイントです。

この8話の世界ではアベンジャーズがウルトロンに倒され、核ミサイルが発射されていました。キャプテン・アメリカの顔は画面上に映っていませんが、割れた盾はキャプテン・カーターのものではなくキャプテン・アメリカのものです。つまりこの世界のペギーは100歳近くまで生きたS.H.I.E.L.D.の大先輩であり、神聖時間軸のナターシャとペギー同様に交流はないものと考えて差し支えなさそうです。

しかしナターシャはカーターの態度を見て、別世界の自分は彼女と親友なんだろうと理解し、信用することにしました。

ちなみにカーターの親友のナターシャが信じる残りの二人は誰になるのでしょうか。クリント・バートン、ブルース・バナー、フューリーあたりが候補になりそうです。時系列的にエレーナたちとの再会はもう少し先になりそうです。

信用しかけた矢先にウルトロンが登場し、ナターシャごとソウル・ストーンを引き寄せて行くのでした。次元移動はストーンが6つ揃っていなくても可能なようで、原理的にはタイム・ストーンとスペース・ストーンがあれば可能なのかもしれません。

ソウル・ストーンの奪い合い

すかさずソーがムジョルニアを投げ、ストーンの強奪を阻止します。ここからは「アベンジャーズ/エンドゲーム」のガントレット争奪戦を思い出させるような、ソウル・ストーン争奪戦が繰り広げられます。

尺の問題という大人の事情もあるため、結成されたばかりのガーディアンズ・オブ・マルチバースは本家アベンジャーズを凌ぐチームワークでウルトロンを翻弄します。戦いは一転二転しながらも、ようやく魔法の鎖でウルトロンを拘束し、ソウル・ストーンを奪取します。

ガモーラがインフィニティ・クラッシャーにソウル・ストーンをセットすると、クラッシャーに魂が宿ったのか自動的にウルトロンの胸部のストーンに向かいローラーでガリガリすると同時に頭部のマインド・ストーンにもアームを伸ばしました。そしてストーンの色に対応したランプが全部灯ると大爆発を起こすのでした。

想像とかなり異なるクラッシャーの使い方でしたが、ガモーラはこれで自分の宇宙のストーンを破壊したのでしょうか?このクラッシャーは二台目?延期された幻のエピソードが気になる所です。

少しずつ違うという事実

終わったかに見えた戦いでしたが、ウルトロンのストーンは無傷でした。ここで「どの宇宙も少しずつ違い、インフィニティ・ストーンも同じではない」という設定が説明され、ガモーラのインフィニティ・クラッシャーはあくまでガモーラがいた宇宙のストーンにしか効果がなかった事が判明します。

この「少し違う」という事はもしかするとかなり重要な要素なのかもしれません。ウルトロンの持つストーンは映画のサノスがやったように、指を鳴らすだけで宇宙すべての生命を奪ったりは出来ないのかもしれません。ウルトロンが気づかなかった、大人の事情でそういう脚本ではなかった、というのはあまり考えたくありません。

ウルトロンはチームの鍵がドクター・ストレンジだと見極め、6つの石で全力攻撃を再開します。

圧倒的なエネルギーの奔流を盾で凌ぐカーターとナターシャでしたが、レッドガーディアンの盾はあっさりと破損。具体的な素材はわかりませんがヴィブラニウム未満の強度のようです。しかしヴィブラニウムシールドも破損こそないものの防ぎきれず、吹き飛ばされた二人でしたが、ナターシャはそこでゾラのA.I.をダウンロードしたクリントの矢を見つけるのでした。

起死回生

ウルトロンがストレンジに気を取られている隙にナターシャが矢を放ち、カーターが飛びついてヴィブラニウム製のヘルメットマスクを開けます。ヴィジョンのボディですから眼球もヴィブラニウムな気がするのですが、それでもヘルメットよりは刺さりやすそうです。クリントの矢もヴィブラニウムにアップグレードされているかもしれません。

ウルトロン内部に侵入したゾラのA.I.はかつて映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でウルトロンがJ.A.R.V.I.S.にしたようにそのプログラムを書き換え侵食、排除していきます。軍事大国アメリカで武器製造産業に携わってきたトニー・スタークが生み出した超兵器が、永世中立国であり平和の象徴的国家であるスイス人のゾラにやられていく様はなんとも皮肉です。その実はヒドラですが。

ウルトロンとの決着

ウルトロンが倒れ歩み寄るキルモンガー。ずっと大事に抱えていたウルトロン・セントリーの頭部をかざすと倒れたウルトロンのアーマーが剥がれてキルモンガーに装着されていきます。奪ったアーマーがしっかりとブラックパンサーカラーになるのは面白いポイントです。ストーンごとすべて奪ったキルモンガーはインフィニティ・ストーンの力ですべての世界を元に戻そうと提案しました。

しかしチームはそんなことを受け入れられません。一同が拒否すると、キルモンガーは残念だと言いつつストーンの力を解放し始めます。

とは言え、この時点でキルモンガーは5つのストーンしか手に入れていません。サノスのガントレットと違い、ウルトロンのアーマーは5つしかセットできず、マインド・ストーンはヴィジョンの額にセットされています。

ゾラとキルモンガー

そこに割り込んできたのはゾラでした。アーマーを奪われ、あらわになったヴィジョンの腹部にはゾラの顔が浮かび出ています。これはコミックのゾラの特徴をオマージュしたデザインと言えるでしょう。

©MARVEL

ゾラが手をかざすと、キルモンガーの胸にあった5つのストーンが剥がれてゾラのほうへと向かいます。キルモンガーも負けじと手を出し、奪い合いの状態になっていきます。

ドクター・ストレンジは二人がストーンの奪い合いに集中している事に勝機を見出し、ストーンと二人を結界で包み時間を凍結させてしまいます。そしてウォッチャーの力でそこだけを切り取り、コミックに見られるようなポケット次元(ディメンション)にすると、ストレンジのいた世界の牢獄へと戻ります。

ウォッチャーはインフィニティ・クラッシャーが通用しない事やキルモンガーが裏切る事もわかった上での作戦を実行していた事がわかります。神聖時間軸のストレンジも未来を見、宇宙の半数の生命が死ぬ事をわかった上でタイム・ストーンを手放した事がありました。二人は根本的に通ずるところがあるのかもしれません。

ストレンジはウォッチャーの友人として、このままこの小さな次元の見張りを永遠に続けることになるようですが、それはゾラやキルモンガーが出てくる可能性も残されていることを意味するようです。

ガーディアンズの解散

ガーディアンズの面々がそれぞれの世界へと帰っていく中、カーターは一人残されるナターシャが気になる様子。ハッピーエンドを望むカーターに対し、ウォッチャーは大丈夫と後押し、ナターシャも軽くうなづき別れを告げるのでした。

一人になったナターシャは自分の世界には戻らないと告げ、再び見ているだけの不干渉の姿勢を取るウォッチャーに対して「ポップコーンでも食べてた?ウルトロンが私の友達を殺して世界を滅ぼしていた時に」と痛いところ突きます。

不干渉といいつつも最大限の譲歩を見せたのか、ウォッチャーは3話のアベンジャーズ殺人事件の世界へとナターシャを連れていきます。ピム博士の復讐により多くのヒーローを失ったこの世界で、キャプテン・アメリカ、キャプテン・マーベル、そしてフューリーがロキやチタウリと戦っていました。

すかさず加勢したナターシャはロキから杖を奪い、マインドコントロールして決着を迎えます。

ミッドクレジット

今回のミッドクレジットシーン、映画と照らし合わせると気になるポイントが存在します。

以下は二人の会話の流れから考えて、ヒドラ・ストンパーの中身がスティーブ・ロジャースである事が前提となっています。

9話の冒頭は「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」に沿った展開をしているため、1話のラストで2012年に飛んだ後、映画「アベンジャーズ」のイベントをスティーブとペギーの役割を交代して行われたものと推測されました。

キャプテン・カーターの愛したスティーブ(以下IFスティーブ)は1話のラストでヒドラ・ストンパーから放り出された状態で終わり、動力源であった四次元キューブは脇に転がっていました。その後バッキーたちに助けられたのか、ヒドラの残党に捉えられたのかはまったくわかりません。

IFスティーブが神聖時間軸のペギーの人生をなぞったのであれば、SSRに所属し、S.H.I.E.L.D.を創設しているはずで、正常に加齢していれば100歳前後のおじいちゃんになっています。そんなIFスティーブが船の倉庫の奥、ヒドラ・ストンパーの中にいるというのは相当に奇妙な事件です。

IFスティーブは1話のあとバッキー達に回収され、ハワード・スタークが未来でキャプテン・カーターに会えるようにヒドラ・ストンパーを冷凍睡眠装置へと改造し、IFスティーブを眠らせたのでしょうか?

映画のスティーブに目をやると、ペギーに面会しに行くなど、現代に蘇ってからS.H.I.E.L.D.の記録などで居場所を突き止めていた様子が描かれていましたが、キャプテン・カーターとIFスティーブの間にはそういったものがない様子である事もこのシーンでわかることです。これはSSRやS.H.I.E.L.D.がIFスティーブの足跡を追えていない、あるいは追っていなかった事を意味しているようです。ハワードが残してくれたと考えるには何の伝言も残されていないのが少し合点が行きません。

そしてこのレムリアスターはS.H.I.E.L.D.の船ですが、神聖時間軸ではその実態はヒドラがインサイト計画のために制御している船でした。ヒドラの船から発見されたアーマーの中にいる人物は果たして正常な人間なのでしょうか?加えて「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」をなぞっている以上、ウィンター・ソルジャー計画の被験者が登場することは理にかなっています。キャプテン・アメリカの親友として描かれたバッキー・バーンズが本来のウィンター・ソルジャーでしたが、キャプテン・カーターの親友は描かれていません。となると、恋人ポジションであるIFスティーブがウィンター・ソルジャーにされている可能性は否定出来そうにありません。

ハッピーエンドのようであり、良からぬ空気感もするこのミッドクレジットシーン。IFスティーブの人生に何があったのか、シーズン2で描かれる事はあるのでしょうか?


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

キルモンガーがいた世界のシュリとペッパーは仇を失い、いつ戻ってくるのか死ぬまで不安と怒りに苛まれそうでなかなか辛いところです。

ウアトゥがウォッチャーの誓いを破った罰についてシーズン1では言及されませんでした。コミックでは誓いを破ると裁判にかけられ、場合によっては罰を与えられますが、それらはシーズン2で描かれるのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

アニメ「What if…?」、S1最終話でトニーとガモーラが突然登場した理由

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード9の配信が昨日から始まりました。先日はガモーラのポスターが公開された事もあり、このエピソードはガモーラが中心になるかと思われていましたが、実際にはそうではありませんでした。

この理由について結論からいうと、ガモーラとトニー・スタークが中心となるエピソードが計画されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けシーズン1からは削除されてしまいました。

この事は本作の脚本を担当するA.C.ブラッドリーさんが、EntertainmentWeekly とのインタビューで、ファンからの「トニー死に過ぎ問題」について回答した内容がこれを示唆しています。

10個目のエピソードはより明るくて楽しいトニー・スタークのエピソードになるはずでした。トニーが何度も死んでいることについて、Twitterで多くの批判を受けていることには気づきました。偶然にも彼は『ホワット・イフ…?』世界のケニー(※)になってしまいました。

※アニメ「サウスパーク」(1997~) で毎話死んでしまうケニー・マコーミック

もともとはサカールのコロシアム(映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でソーとハルクが戦った場所)にてガモーラとトニー・スタークが戦うエピソードが用意されていたようですが、インタビューの通り延期されてしまったとの事。

また、このエピソードはシーズン2に延期されたと説明されているため、詳しくはシーズン2の配信待ちという事になりそうです。

トニーのスクラップで制作されたようなハルクバスターは以前にリークされていた他、LEGOで商品化されて販売もされています。車に変形出来るようなギミックが搭載されており、アニメでも実際にそういう機能が披露されていたのかと思うとなかなか興味深いところです。

「ホワット・イフ」シーズン1ではたまたまトニーのデッドエンドばかりとなってしまいましたが、生存ルートのマルチバースもある事が確認された最終話。しかしこのトニー、「世界を守るために」アーマーを配備しようとした「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」よりスケールを拡大し、「銀河」を守りたがっています。こういった所はすべてのマルチバースを平和にしようとしたウルトロンと同じであり、やはり生みの親なんだという事を認識させられるようです。

9話で登場したガモーラとトニーのシーンは延期された幻のエピソードの後日談にあたる部分だと考えられますが、この先ふたたびウルトロンを作らないことを願うばかりです。

アニメ「What if…?」シーズン1はディズニープラスにて全話配信中です。

アニメ「What if…?」からガモーラのキャラクターポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」からガモーラのキャラクターポスターが公開されました。2021年10月6日(水)配信予定のエピソード9(最終回)の中心人物と見られ、サノスの鎧をまとっている姿が描かれています。

先週配信の8話では惑星ソヴリンにおいて、星もろともウルトロンに焼かれてしまったガーディアンズでしたが、別のユニバースのガモーラということになるのでしょうか?

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード9(最終話)は 2021年10月6日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。

アニメ「What if…?」、8話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月29日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード8「もしも…ウルトロンが勝ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

崩壊寸前の宇宙

ウォッチャーの言うように「ホワット・イフ…?」ではいくつかの崩壊寸前の宇宙を見てきました。具体的には2話のエゴ、4話のドクター・ストレンジ、5話のゾンビ・サノスのエピソードではウォッチャー自身がそう語ってきました。今回の8話は「特に心が痛む」と説明していることから、ウォッチャーにもしっかりと感情がある事がこの冒頭で明かされています。

ホークアイ

クローキングマントで姿を隠し、右腕がロボと化しているホークアイが登場しました。このマントについて詳しい説明はありませんでしたが、クローキング技術については2012年公開の「アベンジャーズ」でもヘリキャリアに搭載されていたため、このマントはスタークの技術、あるいはS.H.I.E.L.D.の備品、もしくはその両方ではないかと考えられます。

腕についても起源は説明されませんでした。「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」では腹部に重症を負い、ヘレン・チョ博士の人工細胞による手当で回復した事を考えると、腹部の代わりに腕を切断されてしまったのかもしれません。その後はマントと同様にスタークやS.H.I.E.L.D.の技術による義手をつけている可能性が高いでしょうか。

分岐イベント

今回の分岐イベントはウルトロンがアベンジャーズに勝ってしまった事。2015年公開の映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」をベースにしているわけですが、ここでのアベンジャーズとウルトロンの対決でウルトロンが勝利してしまったのです。

映画ではウルトロンが自らのアップグレード計画として、ヘレン・チョ博士にヴィブラニウムと人工細胞をかけあわせたボディを作らせました。しかしこれをアベンジャーズが奪い、トニー・スタークとブルース・バナーがこのボディにJ.A.R.V.I.S.を落とし込み、ソーの雷などを加えた結果ヴィジョンが誕生しました。

ヴィジョンのボディがアベンジャーズの手にわたるきっかけとなったのは、ワンダがウルトロンの真意に気づいて手を切ったからですが、このエピソードにワンダは登場しておらず、ホワット・イフの世界にはいなかったのかもしれません。

今回のアニメではこのボディが奪われることなく、ウルトロンが無事にアップグレードした結果、計画通りパワーアップ。そして映画では阻止したウルトロンの核攻撃が行われ、重要な戦力でもあったヴィジョンも存在せず、アベンジャーズはあっさりと負けてしまったようです。

さすがのロス将軍も世界中から発射された核ミサイルにはただ見ている事しか出来なかったようです。

なお、残念なことにMCUの中の日本は核ミサイルを保有しているようで、東京からも発射されています。

©2021 MARVEL,Disney

生存したアベンジャーズ

クインジェットに乗っていたクリントとナターシャだけが核攻撃の難を逃れたようで、他の地球人やヒーロー、そしておそらくヴィランもまとめて滅亡したようです。これによって冒頭シーンで降っていたのが雪ではなく死の灰であることがわかります。

エイジ・オブ・ウルトロン

ウルトロンの計画どおり人類が絶滅したことでエイジ・オブ・ウルトロン、つまり「ウルトロンの時代」が幕を開けます。

そして2018年の映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」をオマージュしつつサノスが登場しますが、ウルトロンはインフィニティ・ストーンについて即座に理解し、慈悲もなくサノスを瞬殺してしまいます。

事前に公開されていた通りすべてのストーンを揃えたウルトロンは、更にパワーアップを果たし、地球の次は宇宙に平和をもたらすために旅立つ準備を開始します。

宇宙平和に向けて

ウルトロンはアスガルドを一撃で破壊し、ソヴリンに到達するとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを倒してしまいます。

ここで気になるのはガモーラの存在。サノスはソウル・ストーンを手に入れるためにネビュラを犠牲にしたのでしょうか?

©2021 MARVEL,Disney

続いてサカール、エゴが破壊され、ザンダー星の順番になった時、宇宙一のヒーローが助けに現れるのでした。

キャプテン・マーベルの登場

ザンダーも終わりと思われたその時、キャプテン・マーベルがウルトロンを阻止しました。

前回のエピソードではソーの事を「ホワイトスネイク」と呼んだ彼女でしたが、今回はウルトロンの事を「歩くスカイネット」と呼称します。

「スカイネット」とは1984年公開の映画「ターミネーター」に登場する人類絶滅を目論むAIであり、あながち間違っていません。「続編はいらない」というキャロルですが、キャロルがクリーに拉致されたのは(神聖時間軸では)1989年の事。そしてターミネーターの続編「ターミネーター2」が公開されたのは1991年で、キャロルがクリー人ではなく地球人だった事を思い出しヨン・ログと戦ったのが1995年です。大ヒットした2作目も見ないまま、キャロルはスクラル人のための新しい星探しに出かけていたようです。

互角の勝負を見せるキャプテン・マーベルはウルトロンは地中深く、マントルなのか核まで到達しているのかは不明ですが、とにかく熱そうなところまでウルトロンを押し込んでいきます。前回のエピソードでは核攻撃に耐えうる事がわかったキャプテン・マーベルですが、今回のエピソードでも相当タフである事が描かれています。

しかし残念なことにウルトロンは星ごと爆発し、さすがのキャプテン・マーベルもそれには耐えられずに宇宙に平和がもたらされました。

新たな平和を求めて

目的を達成したウルトロンは悟りを開き壊れかけたものの、ウォッチャーの語りに気づいて反応を見せました。予想していなかったウォッチャーは驚きを隠せません。ドクター・ストレンジとは普通に会話していましたが、今回はかなりの動揺を見せます。

ウォッチャーも視聴者同様にウルトロンがマルチバースへと手を伸ばすのではないかと不安になりつつも、この世界に残されたクリントとナターシャに最後の希望を託します。

希望はロシアに

ソ連時代の諜報機関KGBの保管にやってきた二人はウルトロンがオンラインでアクセスする事が出来ない紙の資料を探しています。

ウルトロンを倒す鍵を探す中でナターシャはひとつの盾を見つけ、クリントに「似合う?」とたずねますがクリントは生きる気力を失い、「楽しもうとするのはやめてくれ」とさみしげな返事をします。

この盾は2021年公開の「ブラックウィドウ」に登場しているロシアの英雄レッドガーディアンの盾であり、つまるところナターシャの義父が使っていたものです。しかし「ブラックウィドウ」劇中でこの盾の実物は登場せず、劇中のフィギュアで確認できるようになっています。「ブラックウィドウ」でアレクセイが使ったのはタスクマスターから奪った盾であり、今回ナターシャが手にした盾とは異なるデザインです。

©2021 MARVEL,Disney

そんなやり取りのなか、クリントが手を伸ばした箱の隣が正解だというウォッチャー。その箱の情報で多元宇宙の限りない生命を救える、と自覚していてなお干渉をためらうのでした。

コミックのウォッチャーは数十億年前から存在する高度な技術を持つ地球外生命体。彼らは宇宙の後進種族を助けることが自分たちの義務だと考えており、知識の普及を試みました。しかし、その技術や知識を殺戮の道具として使用された事をきっかけに他民族の問題に干渉しないことを誓うことになります。ウォッチャーはその名の通り、ただ各惑星の情報を観察して記録するだけで干渉は一切禁止されているのです。しかし本作に登場しているウアトゥは地球を愛しており、たびたび掟を破る様子がコミックでは描かれています。

ウルトロンの声が聞こえて焦るウォッチャーはついに答えを口にしますが、残念なことにクリントとナターシャには届きませんでした。

ウルトロンに対抗出来るAI

正解の箱に触れるも探すのを諦めてしまったクリント。デス・スターの設計図は見つけられないと肩を落としていますが、デス・スターとは映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する帝国の戦艦で、映画「スパイダーマン:ホームカミング」ではLEGOのデス・スターが登場しました。地球サイズの星なら一撃で破壊するような火力を持っています。

©Sony

なだめながら捜索を続けるナターシャが運良く資料を発見。ウルトロンに対抗する鍵はアナログのプログラム、アーニム・ゾラでした。

ゾラのAIプログラムを求めて二人はシベリアのヒドラ基地へと向かいます。

ウォッチャーとウルトロン

希望が繋がり安堵したウォッチャーでしたが、次元の壁を破ってウルトロンが登場。ウォッチャーが身を潜めていたのはあらゆるマルチバースとつながっている空間のようで、コミックのネクサス・オブ・オール・リアリティーズかもしれません。

あらゆるユニバースに繋がっているこの場所に到達したウルトロンは、あらためて「平和」をもたらすことを決意するのでした。

なお、インフィニティ・ストーンを使って次元の壁を越えているのかは不明です。

シベリア

一方その頃、シベリアのヒドラ基地に到着したナターシャとクリント。ここは2016年公開の映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で登場した場所で、ここではウィンター・ソルジャー計画が行われていました。

ゾラは2014年の「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でキャンプ・リーハイ基地で登場し破壊されましたが、ナターシャはここにロシアのスーパーソルジャー計画のためにコピーが残されていたと説明します。神聖時間軸でのシベリア基地にもゾラのコピーが残っているのでしょうか?

クリントのフルネーム

クリントのフルネームがクリント・フランシス・バートンである事が明かされます。ばばちゃまから貰ったというこの名前はコミックの設定通りとなっています。

なお、別アースにはフランシス・バートンというキャラクターも存在しており、クリントとモッキンバードの息子でネクスト・アベンジャーズに参加しています。チームには他にスティーブ・ロジャースとナターシャの息子ジェームズ・ロジャースやジャイアントマンとワスプの息子ヘンリー・ピム・ジュニア、ブラックパンサーとストームの息子アザリ、ソーとシフの娘トルンなどが参加していました。

ゾラとの反撃作戦

コンピュータを壊すぞと脅すクリントのおかげで、慌てたゾラは打倒ウルトロンを快諾。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」では死(コンピュータの破壊)を恐れる様子もなかったため、やはり神聖時間軸のゾラはコピーを隠している可能性が残されているのかもしれません。

クリントが矢にデータをダウンロードする様子は2012年の映画「アベンジャーズ」でも見られました。

その矢をウルトロン・セントリーにうちこみゾラのAIをアップロード。しかしウルトロンは圏外にいるせいで、ウルトロン・セントリー達を制御出来ません。

ゾラを抱えて逃げるナターシャとクリント。見覚えのある脱出口は「シビル・ウォー」でバッキーが逃げようとしてトニーが出口を塞いだあの場所です。

被弾して落下しかけたクリントの腕を掴むナターシャの姿は「アベンジャーズ/エンドゲーム」を思い起こさせますが立場は逆になっています。そしてクリントは自らを犠牲にセントリー達を食い止め、ナターシャとゾラに後を託します。

ネクサス・ビーイング同士の戦い

「こんなことあるはずがない」と何が起きているか理解できないウォッチャーに対して、「多元宇宙では何でもありうる」というウルトロン。マルチバースの壁を超える力を手に入れたウルトロンはウォッチャーに襲いかかります。「数々の苦しみをお前は見ていただけ」「私を止める意思が足りない」というウルトロンを相手に、ウォッチャーはついにアーマーを纏い反撃に出ます。

多元宇宙の壁を破り、いくつもの世界を越えながら戦う二人。その途中で銀河を丸呑みにしようとするウルトロンは惑星の捕食者ギャラクタスを想像させるものになっています。

©2021 MARVEL,Disney

その後到着した世界では大統領になったスティーブ・ロジャースの演説が放送されていました。スティーブが大統領選に立候補をすすめられるエピソードが1980年のコミック「キャプテン・アメリカ Vol.1 #250」で描かれましたが、コミックではヒーロー活動と両立出来ない事を理由に辞退しました。

また、ここには前回のエピソードにも登場していたパイナップル柄のシャツを来た名もなきモブが再登場しています。

©2021 MARVEL,Disney

そしてウルトロンがパンチを繰り出すたびに世界も人も様変わりする、不思議なバトルが繰り広げられます。

最後の希望

「万策尽きた」というウォッチャーが逃げ込んだのは、4話のラストシーンの後の世界。ダーク・ストレンジの元でした。

4話で助けを乞うも拒絶されたストレンジが「誓いを破る気になったのか?」と聞くとウォッチャーは覚悟を決め、「君の助けが必要だ」とストレンジにすがり、今回のエピソードは幕を下ろします。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

これまで独立したエピソードとして描かれていた本作ですが、ウルトロンが自在にマルチバースを移動する力を手に入れたことでそれぞれの世界が絡み合い始めます。これまで予告動画に含まれていたストレンジとカーターのシーンやストレンジとソーのシーンは9話のものと考えられ、ホワット・イフ版のマルチバース・アベンジャーズが結成されるのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード9(最終話)は 2021年10月6日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。

アニメ「What if…?」シーズン1、8話のティザーが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード8のティザー映像が公開されました。本日配信予定の8話では「What if…Ultlon Won?」(もしもウルトロンが勝ったら?)と題されており、事前にポスターも公開されていたようにウルトロンを中心に話が展開するようです。

シーズン2制作が決まっている本シリーズですが、シーズン1は残す所8話、9話のふたつとなっています。果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード8は 2021年9月29日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。

アニメ「What if…?」からヴィジョン・ウルトロンのキャラクターポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」より、ヴィジョンの顔を持つウルトロンのポスターが公開されました。2021年9月22日配信の第7話のラストで登場したこのウルトロンは、今週配信予定の8話のメインキャラクターと見られています。

神聖時間軸ではウルトロンがあらたなボディとして人工細胞の研究者ヘレン・チョ博士のクレードルでヴィジョンの身体を制作しました。しかし、ウルトロンの意識をヴィジョンへと流し込む直前にワンダによって阻止され、クレードルはアベンジャーズに回収され、その後我々のよく知るヴィジョンとして起動しました。

今作のヴィジョンとウルトロンの融合体は胸に5つ、額に1つの合計6つのすべてのインフィニティ・ストーンが揃っているようですが、果たして彼はヒーローなのでしょうか、それともヴィランなのでしょうか?

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード8は 2021年9月29日(水)16時より配信開始です。