アニメ「What if…?」、7話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月22日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード7「もしも…ソーがひとりっ子だったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

ジェーンとダーシー

ジェーン・フォスターは映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)にバンク映像ながらわずかに登場し、ダーシー・ルイスはドラマ「ワンダヴィジョン」(2021年)に登場していましたが、二人の共演は映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(2013年)以来実に8年ぶり。

ジェーンの声はナタリー・ポートマンさんと坂本真綾さん、ダーシーの声はカット・デニングスさんと田村睦心さんがこれまで通り担当しています。

今回のオープニングシーンは映画「マイティ・ソー」(2011年)の冒頭を模しています。映画ではもうひとり、エリック・セルヴィグ博士がいましたがアニメ版では登場しませんでした。また「マイティ・ソー」ではジェーンとS.H.I.E.L.D.の関係は良く有りませんでしたが、既に協力関係にあるようです。

ビフレスト

ジェーンとダーシーの上空にビフレストがあらわれます。映画「マイティ・ソー」ではニューメキシコ州に落ちてきたソーですが、今回はジェーンたちの頭上を通過し、ネバダ州へと光は伸びていきました。

ラスベガスでパーティー

ビフレストの終着点はネバダ州ラスベガス。現れたのはソーとレディ・シフ、そしてウォリアーズ・スリーでした。

原作映画では父オーディンの怒りをかい、力を奪われて地球に追放されたソーはニューメキシコに落下してすぐに気を失い病院送りになりましたが、力を奪われていない今回のソーは無事に着地し、元気いっぱいにパーティーの開催を宣言します。

ソーの声はクリス・ヘムズワースさんと三宅健太さんが続投しています。

分岐イベント

今回のタイトルでもあり分岐イベントとなる部分が紹介されます。

ウォッチャーは戦いの勝ち負けよりも他者との関係がヒーローを形作ると説明し、オーディンが拾った赤子のロキを養子としてアスガルドで育てずに、父親であるフロストジャイアントのラウフェイに返したと明かされます。それによりソーはタイトルどおりひとりっ子として育てられる事で、その性格が神聖時間軸とは異なる成長を遂げた事が判明しました。

また、ロキを返した事でアスガルドとヨトゥンヘイムが平和な関係を維持している事も注目のポイントです。

オーディンの眠りとフリッガ

原作映画のようにオーディンの眠りが描かれ、フリッガはこれを機に姉妹と共に夏至祝いに出かけるようです。MCUでフリッガに姉妹がいたという事実は初耳で、コミックに目を向けてもフリッガの姉妹として登場したのはグルヴェイグひとりとなっています。

ここでいう姉妹は直接的な意味ではなく、親戚関係をひっくるめて表現している可能性が高そうです。アスガルド人は北欧神話をモチーフとしているため、おそらくは近親者による異母、あるいは異父の兄弟姉妹が多いのだと考えられると思います。

フリッガの声はレネ・ルッソさんからジョゼッテ・イールズさんへと変更、日本語版は滝沢久美子さんが続投しています。

パリピに育ったソー

母フリッガにパーティー禁止と釘を刺されたソー。ソーがパリピに育っているのは母親も周知の事実の様子です。

そしてその矢先から「ミッドガルドでパーティーだ!」と取り巻きを連れて向かうソー。

ヨトゥンヘイムと戦争状態にないアスガルドはとにかく平和な様子で、王が眠り、王妃がお茶会にでかけ、王子はよその星にパーティーに出かけるという手薄な状態に。

フリッガさまに言われただろと止めようとするホーガンに対して、「ノリの悪いこと言わないで」と非難するシフ。神聖時間軸では三バカトリオでもあったウォリアーズ・スリーをコントロールする役目も担っていたシフでしたが、ロキをラウフェイに返した影響はシフをもパリピに変えてしまったようです。

シフの声は3話同様にこれまで通りですが、ウォリアーズ・スリーは様変わりしています。

まず、ホーガンが浅野忠信さんから英語版はデヴィッド・チェンさんに、そして日本語版まで変更されさかき孝輔さんが担当されています。浅野忠信さんが演じてきたホーガンから別人の声が聞こえるのはなんとも奇妙です。

そしてヴォルスタッグの声はレイ・スティーヴンソンさんからフレッド・タタショアさんに、日本語版は咲野俊介さんが続投しています。

そしてファンドラルはジョシュア・ダラスさんからマックス・ミッテルマンさんに、日本語版は小松史法さんが続投しています。

なお、このシーンでは背景に一瞬だけインフィニティ・ガントレットが表示されます。

©2021 MARVEL,Disney

映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」(2017年)でもアスガルドの宝物庫にガントレットのレプリカが登場しましたが、そちらは右手用のガントレットでした。

今回登場したのは左手用であり、神聖時間軸でサノスが装着していたのも左手用です。これが本物なのかレプリカなのかは判明しないまま次のシーンへと進みます。

パイナップルTシャツ

ラスベガスの観光客の一人が着用しているパイナップルTシャツは「アベンジャーズ/エンドゲーム」でコーグが着用していたものであり、コーグを演じたタイカ・ワイティティ監督の私物でもありました。

©2021 MARVEL,Disney

この独特なデザインが偶然被ったとは考えにくく、イースターエッグのひとつとして制作側が取り入れたものだと考えられます。

魔法みたいに飲み尽くせないお酒

ソーはスカージに酒を勧めながら「魔法みたいに飲み尽くせない」と表現しました。

これは映画「ドクター・ストレンジ」(2017年)のワンシーンを指しているようですが、今回のエピソードにストレンジは登場しません。映画では不思議そうにジョッキを見つめるソーが描かれていたため、アスガルドでさえもそういう魔法はなさそうでしたが、何かしらそういう効果のあるマジックアイテムでも誕生したのかもしれません。

異星人とのファーストコンタクト

パーティー会場のラスベガスに到着したジェーンとダーシーの眼前には、想像とはかなり違う光景が広がっていました。

侵略だと思っていた宇宙人の襲来でしたが、イケメンのソーを中心にパーティーが開催されています。

なお、このエピソードでは「ソー」シリーズ以外にも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズに登場した宇宙人なども多数登場しています。

具体的には「ソー」シリーズからミーク、コーグ、ヴァルキリー/ブリュンヒルデ、グランドマスター、トパーズ、そしてサカールで見かけたような人々、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズからはヨンドゥ、ネビュラ、ドラックス、ロケット、クラグリン、ソヴリン人、惑星コントラクシアの売春ロボットなどが登場しています。

地球人への差別発言

ソーが傲慢さにあふれていた頃、すなわりMCUフェーズ1の頃のソーは地球人の事を「小物、小さい人、ちっぽけな連中」などと表現するシーンがいくつか見られました。こういった事はジェーンやアベンジャーズとの出会いを通して地球人をリスペクトするようになった近年では見られなくなりました。

しかし今回のソーも昔のようにジェーンを小さくて踏んづけちまうところだったと発言しています。

グランドマスターとトパーズ

映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」で印象深いキャラクターのグランドマスターとトパーズも地球にやってきました。物騒なことに人を溶かしてしまうメルト・ステッキまで持参しています。

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北欧神話の神様

字幕や英語では「北欧(ノース)神話の神様?」という問いに対して「馬(ホース)の神話には疎い」と天然ボケを炸裂させるソーですが、吹替では「北欧神話」にかけて「ほくろの神話」となっています。

そして1年半前にアルファ星イカロスが消失したのはソーのパーティーが原因だった事がしれっと明かされるのでした。このエピソードでソーは地球人にとって無意識のヴィランと言えるでしょう。

ファンドラルのヤギ

ファンドラルのヤギに関するエピソードはコミックにもあるものですが、アニメで語られる内容とはまるで異なったものです。

1988年発刊の「Fandral’s Follies」ではファンドラルが愛の島にヤギを連れて行った事で起訴されるという内容のものでした。

もともとヤギという生物は神話にはよく登場し、来年公開予定の映画「ソー/ラブ&サンダー」のロケ現場でもヤギが目撃されています。こちらは海外のファンの予想ではコミックに登場したソーのヤギ、トゥースグナッシャーとトゥースグラインダーではないかと言われています。

ジェーンのタブレットをきっかけに彼女を天才だというソーは軽く口説き始め、神聖時間軸のようにいい感じになっていきます。

グランドマスターのDJで盛り上がる中、パーティーは泡パへと変化していきます。

ベガスのルーレット

ラスベガスでのルーレットといえば2008年公開の映画「アイアンマン」のオープニングシーンのひとつ。

©MARVEL,Disney

印象的なカメラアングルも同様になっています。この時トニーはローディに息を吹きかけるのを拒否されましたが、ネビュラのお願いにコーグは素直に応じました。

なお、ここのネビュラはエピソード2に登場したネビュラと違い、神聖時間軸と同様の見た目をしています。ネビュラの「新しい目が欲しい」というのはネビュラの目が義眼だからです。

映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」では、サノスによって「目をえぐられ、脳みそをかきだされ、腕を引きちぎられた」と説明されました。

ただし、改造の原因が映画と同じくサノスによるものかは不明な部分があります。これについてはまた後ほど触れます。

意外なカップル

ダーシーとハワード・ザ・ダックがどういうわけか意気投合したようで夫婦になります。この際エルビス・プレスリー風の男が牧師役を担当しており、手に持つ本には「ラブ・ミー・テンダー」と書かれています。しかしこれ以上の説明はなく、彼が何者かについては特に言及されません。

魔法と科学

ジェーンは左腕に「MAGIC(魔法)」というタトゥーを、ソーは右腕に「SCIENCE(科学)」というタトゥーを入れてしまいましたソーのせいでパリピ脳が感染拡大し、なんとも言い難いバカップルが誕生してしまいます。

ちなみにこのタトゥーは「マイティ・ソー」にも登場したアーサー・C・クラークの名言「魔法とはまだ解明されていない科学だ」をもとに、互いの専門分野をリスペクトし、相手の分野を自分の腕に彫り込んだようです。

夜が明けて

電話の着信音でジェーンが目覚めると、それはS.H.I.E.L.D.からの呼び出しでした。コーグのせいで意識不明となったフューリーの代わりに長官代行となったマリア・ヒルとブロック・ラムロウが部屋の前まで訪問し、ヘリキャリアまで来るよう指示します。

なお、この世界でもソーはロケットの事をウサギと思っているようです。アライグマと言われるのは許せないロケットですが、ウサギは構わないのはなんとも不思議です。

マリア・ヒルの声はコビー・スマルダーズさんと本田貴子さんが引き続き担当しています。

異星人

ラムロウが持ち出したのは映画「キャプテン・マーベル」にも登場したポケベル。マリア・ヒルはS.H.I.E.L.D.が異星人を相手にするのは初めてじゃないと語ります。

勘違いされやすいですが、キャロル・ダンヴァースは地球人です。クリー人の血に置き換えられましたが。おそらくはこの世界でも「キャプテン・マーベル」の物語は神聖時間軸そのままに進行し、S.H.I.E.L.D.はキャロルとスクラル人の協力を得て、クリー人と対決したであろう事を示唆しています。

継続されるパーティー

ソーは引き続きパーティーを開催し、今度は惑星ソヴリンから女王のアイーシャも参加しています。ソーのパーティーのせいで続々と集まる異星人たち。一見平和的ですが、S.H.I.E.L.D.が警戒するようにやはりこれはかなりの脅威かもしれません。

氷の巨人ロキ

冒頭で語られたように、アスガルドで育つ事がなかったロキが氷の巨人の王子として登場しました。ソーと一緒に育たなかった事で、兄への嫉妬、アスガルドの王座への執着などが生まれなかったロキはソーとはいい関係を築けているようです。

キャプテン・マーベル登場

流れ星の如く現れたキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース。ソーの事をホワイトスネイクと呼ぶあたりは、1980年代の地球の文化知識で止まっている事が伺えます。

片付けて地球から出ていくように警告するキャロルですが、ソーは応じません。

映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」では一触即発のシーンが描かれましたが、ホワット・イフではMCUのトップランカーの二人のバトルが始まることになります。

ストーンヘンジ

ムジョルニアによってフランスからイギリスまで吹き飛ばされたキャプテン・マーベル。墜落した場所はストーンヘンジでした。

ストーンヘンジはイギリスの名所のひとつであり、世界文化遺産に登録されているものですが、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」にも登場しました。

ご乱心したエリック・セルヴィグ博士が全裸で走り回った場所です。

意味深なカット

二人が空中戦を繰り広げる中、南国を思わせるカットが挿入されます。しかしこれが何なのかは海外ファンも戸惑っているようです。

©2021 MARVEL,Disney

MCUと南国リゾートはあまり縁がなく、強いて言えば現在そのポジションが曖昧なドラマ「エージェント・オブ・シールド」に頻繁に登場するタヒチが挙げられます。

「エージェント・オブ・シールド」ではコールソンとメリンダ・メイがバカンスを過ごした地でもありましたが、ここで映る優雅に読書をして過ごす女性はメイのような黒髪ではありません。

今後、監督や脚本家からの説明があることを期待するしかないのが現状です。

バトルはお開き、パーティーは再開

フランスに戻ってきた二人ですが、かつて「マイティ・ソー」のワンシーンでロキがされたように、キャプテン・マーベルの胸にムジョルニアが置かれ、動けなくなります。

ムジョルニアはアスガルドの王にふさわしい人物しか持ち上げられない事がその理由であり、キャプテン・マーベルはムジョルニアを持ち上げる資格がないと言うことです。それはともかくとして、パリピ・ソーがムジョルニアを持ち上げられる事が不思議でなりません。

ちなみにコミックのキャプテン・マーベルはキャプテン・アメリカの盾で守り、アイアン・アーマーを装着し、ムジョルニアを振るって戦った事があります。今後MCUのキャプテン・マーベルもハンマーに認められる日が来るかもしれません。

©MARVEL

バトルはお開きになり、ソーはパーティーを再開。キャプテン・マーベルはヘリキャリアに戻ることになります。

ここでは「軍隊まるごと飲み込む猫」グースの話題が振られ、ダーシーが食いつくことになります。映画「トップガン」(1986年) の主人公マーヴェリックの相棒グースから来ていることに興奮するダーシーは世話係に名乗りを上げるほどの猫好きな様子ですが、これまでのMCUではダーシーについてそういった描写はありませんでした。

サウスダコタかノースダコタ

パーティー男ひとりのために巻き添えになる犠牲者を出せないというキャロルに、サウスダコタかノースダコタでやればいいと提案するダーシー。この2つの州はアメリカの州の人口密度ランキングではかなり下のほうにくるため、他所よりも安全性が確保できるという意味にも取れます。

しかしその後、ダーシーは「ダコタが片方消えてもバレない」とかなり物騒な発言をしています。

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解決方法とエスカレートするパーティー

ティーンの度が過ぎたパーティーを止めさせる常套手段として、両親にチクる事だとダーシーがつぶやき、ジェーンはソーが実在したからにはオーディンやフリッガもいるに違いないと連絡する方法を模索します。

そんな事を知らないソー達のパーティーはエスカレート。氷の巨人やスルトが観覧車を高速でまわし、自由の女神を口説き、消えてもいいサウスダコタ州のマウント・ラシュモアで落書きのごとく氷細工を追加し、そしてソーはシドニーのオペラハウスでやりたい放題していました。

フリッガとのコンタクト

この世界にも存在している事が判明した(しかしセリフはなかった)セルヴィグの助けを得て、ジェーンはまずヘイムダルに呼びかけました。これに反応したヘイムダルはジェーンをアスガルドへと呼び出し、さらにフリッガの元へと転送しました。

一方地球ではキャロルとソーが再び交戦状態になり、マリア・ヒルは核攻撃の準備を進めていました。なお、マリアの発言によるとキャプテン・マーベルは核の攻撃に耐えうるらしい事が分かります。

核の発射1秒前、すんでの所でフリッガの幻影があらわれ、ヒルは作戦は中止しました。ソーはロキには遠く及ばないクオリティの嘘を付き、下手な言い訳に終始します。フリッガがその嘘にあえてのることで、ソーはパーティーの閉幕を余儀なくされてしまいました。

発射ができずに残念がっているラムロウをみると、この世界でもヒドラなのかもしれません。

パーティーの後片付け

キャロルはソーに後片付けのアドバイスを残し退散。ソーは慌てて後片付けへと向かいます。

ロキに助けを乞うソーでしたが「宇宙一のパチンコを作るから」といって断られてしまいます。この時英語ではソーの事を「tiny thunder」(ちっぽけな雷)と称しており、ソーが地球人に対してしたようなちょっとした侮辱混じりになっています。

ソーの呼びかけにも関わらず次々と去っていく参加者たち。ネビュラは「パパが呼んでる」といって帰ってしまいます。神聖時間軸でのネビュラはサノスに対して憎悪でいっぱいでしたが、ここでの声色はそういった感情が混じっているようには思えません。もともとは姉のガモーラに負けた罰としてより強くなるためにサノスに改造されたネビュラでしたが、この世界では別の理由で改造されたのかもしれません。

雷で注目を集めたソーは再度片付けの手伝いをお願いし、みなしぶしぶ手伝ってくれました。

ピサの斜塔まで直してしまうのは古典的なギャグであり、かつてはスーパーマンもこの塔を直していました。

文化交流会

なんとか片付けを間に合わせ、フリッガの到着前に文化交流会の形に持ち込んだソー。しかしフリッガはその様子を不審な目で見つめます。

そこに現れたキャプテン・マーベル。地球の資料をソーに渡し、この交流会ごっこに真実味をもたせてくれました。

ここで興味深いのはフリッガがキャプテン・マーベルの事を知っていた事です。神聖時間軸でも未来が見える魔女だったフリッガですが、様々な知識・見聞を持ち合わせているようです。

そしてこのエピソード最大の謎とも言えるパーティー仕様のムジョルニアの登場。ついさっきはムジョルニアで氷を壊して片付けるシーンがあり、そこではいつものムジョルニアでしたが何故いつの間にこのようになってしまったのでしょうか。

©2021 MARVEL,Disney

エピローグ

地球を離れる前にソーはジェーンに花束を贈り、デートの約束を交わします。

そして空にウォッチャーの姿が現れ、「仲良く暮らしましたとさ」と締めかけた瞬間、ポータルがあらわれウルトロン・セントリーが登場します。

中心にいるウルトロンは胸に5つのインフィニティ・ストーンを装着しており、開いたマスクから見える顔はヴィジョンである事が分かります。そして額にマインド・ストーンがあることから既に6個揃っている恐ろしい状況に。

©2021 MARVEL,Disney

今回のエピソード、時系列は明確ではありませんが「マイティ・ソー」と同じだとするとこの時点でウルトロン計画は実行されていませんし、ウルトロンがいなければヴィジョンも作られていません。タイム・ストーンとスペース・ストーンを組み合わせて未来からやってきたのでしょうか?

シリーズ初の連続エピソードになる雰囲気を漂わせつつ、今回のエピソードは終了しました。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

この世界でも健在と思われるサノスは、このウルトロンの登場に絡んでくるのでしょうか?

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード8は 2021年9月29日(水)16時より配信開始です。

米ディズニープラス、10月に「Marvel Studios’ Assembled」の「ブラックウィドウ」と「ホワット・イフ…?」をリリース

ディズニープラスのドキュメンタリーシリーズ「Marvel Studios’ Assembled」の「ブラックウィドウ」と「ホワット・イフ…?」が2021年の10月に米ディズニープラスで配信される事が判明しました。映画やドラマの制作の裏側を撮影したメイキング映像満載のドキュメンタリー番組となっています。

comicbook.com によると、10月20日に「Marvel Studios’ Assembled The Making of Black Widow」、10月27日に「Marvel Studios’ Assembled The Making of What if…?」が予定されているとの事。

「ワンダヴィジョン」、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」、「ロキ」のメイキングもディズニープラスにて配信中です。

ソース:comicbook.com

アニメ「What if…?」、6話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月15日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード6「もしも…キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

アイアンマンのオープニングシークエンス

今回のエピソードは2008年公開の映画「アイアンマン」の冒頭シーンと同じように始まります。シーンの内容はほぼ同じであるものの音楽が変更されています。

変更理由は定かではありませんが、「アイアンマン」で流れていたAC/DCの「Back in Black」の歌詞に「私は決して死なない」という文章が含まれているのに対して、アニメ版はSteelshineの「Rock ‘N Roll Made A Man Out Of Me」の歌詞には「みんな死ぬんだから振り返らずに真っ直ぐに進もう」という内容が含まれており、「アベンジャーズ/エンドゲーム」までのトニー・スタークの人生を踏襲し変更された可能性がありそうです。

なお、トニーが女性兵士に対してセクハラ発言をするシーンや、雑誌マキシムの1年間の表紙を飾った女性12人全員と寝たというエピソードは昨今の風潮を考慮したのか、単なる尺の都合かは不明ですが省かれています。

トニーの救出

神聖時間軸でもあったようにテン・リングスに襲われるトニー・スターク。岩陰に隠れて助けを呼ぶために取り出すのはガラケー。もとの映画では日本でもいくつか発売されていた、T字型に変形するワンセグ対応のガラケーでしたが、アニメ版は普通のガラケーの模様。3話ではコールソンのガラケーがスマホに変わっていたりと、何かの理由でこういったデバイスは変更の手が加えられています。

©MARVEL,Disney

その後「アイアンマン」ではスターク・インダストリーズ製の爆弾が爆発し、気絶した所を拉致されますが、今回はそこにエリック・スティーブンス、通称キルモンガーが登場し、爆弾を投げ捨てることでトニーは命拾いし、運命が変わりました。

エリックの声はマイケル・B・ジョーダンさんと津田健次郎さんが続投しています。

記者会見

テン・リングスに拉致されなかった事でアイアンマンが誕生する事はありませんでした。それだけでなく、トニーが洞窟で自らの人生を省みる機会がなかったせいで、彼の傲慢さはピークのままです。

帰国して開かれた記者会見、映画では地べたに座り込み、記者と同じ目線で行われましたが、アニメでは上からの目線で会見が進められます。

また、現場で「若い米国兵士が自社の武器で殺されるのを見た」トニーは、映画では武器の製造の中止を決断しますが、アニメではより強力な武器を作ることでこういった事態が二度と起きないようにすると強固な姿勢を見せました。これは父ハワードの哲学を踏襲したものでもあります。

続いてトニーはエリックをセキュリティ部門の責任者に任命、ハッピーは「アイアンマン3」で警備部長という設定があったせいか、不満を漏らしました。

そして4話でも登場したクリスティン・エヴァーハートがエリックがなぜそこにいたのかを質問。「アイアンマン」でもトニーに対して厳しい質問を繰り返す彼女でしたが、こちらの世界でも健在なようです。

エリックは質問の回答としてオバディア・ステインがテン・リングスと共謀していると告発。キルモンガーがアイアンモンガーの誕生の機会も奪ってしまいました。

ブッチとサンダンス

会見後のパーティーで酒を酌み交わすトニーとエリック。「テロリストと雑誌マキシムのカバーガールの共通点」について語る二人。この雑誌は前述の映画のシーンからカットされた部分です。

上機嫌で「君と僕はブッチとサンダンスだ」と語らうトニー。ブッチとサンダンスは1969年の映画「Butch Cassidy and the Sundance Kid」の主人公たちの事。邦題は「明日に向かって撃て!」です。いわゆる西部劇映画ですが、ヒーロー物ではなく二人は銀行強盗などをする悪党となっており、武器商人であるトニーと軍人として敵を殺すエリックを悪党に見立てた比喩になっています。

ペッパーが指摘するようにブッチとサンダンスの二人は映画のラストで(直接的な表現はありませんが)死ぬことになります。

なお、「僕がサンダンスね」と主張するトニーですが、映画ではブッチが機転の効く切れ者、サンダンスが美男子の早撃ち名手として描かれています。ちなみサンダンスを演じているのは映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でS.H.I.E.L.D.の理事アレクサンダー・ピアースを演じていたロバート・レッドフォードさんです。

ペッパーとローディ

エリックの事を不審に思うペッパー・ポッツはローディに素性調査を依頼していました。ローディは「アイアンマン」のテレンス・ハワードさんではなく、「アイアンマン2」以降でローディを演じているドン・チードルさんの外観をしています。

ローディが紹介するエリックの素性は映画「ブラックパンサー」で紹介されたのと同じ内容になっています。

ペッパーの声はグウィネス・パルトロウさんからベス・ホイトさんに変更、日本語版は小林さやかさんが「アベンジャーズ/エンドゲーム」から続投しています。(それ以前は岡寛恵さんが担当)

ローディは映画と同じくドン・チードルさんと目黒光祐さんが担当しています。

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平和とは

記者会見でより強力な兵器を作ると誓ったトニー。二人はラボで平和について語り合います。

ハワードの哲学「平和とは相手より大きな棍棒を持つこと(字幕版:強力な兵器が平和を生む)」については「アイアンマン」でも紹介されており、英語、字幕、吹替それぞれが原作を踏襲しています。

キャップの名台詞の訳が統一されていなかった事などを考えると、10年以上前の作品からしっかりと翻訳を持ち越せているのは素晴らしい事です。

キルモンガーの父

トニーとエリックの会話の中で、エリックの父がギャングの抗争で死んだと説明されます。神聖時間軸において、エリックの父ウンジョブはティ・チャカ前王によって殺害されました。

©2021 MARVEL,Disney

アメリカに拠点を置きスパイ活動をしていたウンジョブは黒人の社会的地位の向上の夢を持っていましたが、その手段としてユリシーズ・クロウにヴィブラニウムを盗ませていました。その事を知ったウンジョブの兄ティ・チャカ前王がアメリカに訪れ、国に帰って評議会に出るように伝えた所、ウンジョブはティ・チャカに同行していたズリに銃を向け、その際のティ・チャカの咄嗟の反応によって生命を落としてしまいました。

これが原因でエリックは父の夢を継ぐとともにワカンダ王族への恨みを抱いていましたが、このアニメではまったく違うようです。ウンジョブは抗争に巻き込まれたただの被害者なのか、自身もギャングであり当事者だったのかは不明です。

リベレーター

エリックの卒論をもとにリベレーター(解放者)と呼ばれる戦闘ドローンの開発に取り組みだす二人。戦闘ドローンは「アイアンマン2」やウルトロンを思い起こさせるものです。

日本のアニメ好きだというエリックがデザインしたリベレーターは、トニーにガンダムと呼ばれるように日本のロボットアニメに登場しそうなデザインになっています。コミックのエリックにアニメ好きという設定はありませんが、エリックを演じるマイケル・B・ジョーダンさんがハリウッドでも有名なアニオタである事がエリックのアニメ好き設定に反映されているようです。

©2021 MARVEL,Disney

「ブラックパンサー」公開時はキルモンガーの衣装がベジータに似ている事から、ジョーダンさんが発注したのではないかと話題になりました。

ヴィブラニウム

リベレーターの動力源が欲しいトニーですが、このトニーはアークリアクターの小型化に成功していません。そこでエリックはヴィブラニウムを使うことを提案するも、ハワードが戦争で使ってしまったと明かします。

ここは神聖時間軸どおりにキャプテン・アメリカの盾に使われた事を意味し、この世界ではキャプテン・アメリカが氷漬けになって眠っていると考えられます。

エリックはヴィブラニウムで出来たロイヤルリングを動力に使うようトニーに渡します。

ロイヤルリングはティ・チャラの祖父であるアズーリがティ・チャカとウンジョブにそれぞれ授けたもので、エリックに取っては大事な父の形見です。それを溶かして使うというのは、映画のエリックよりさらに「手段を選ばない」人間になってしまっているようです。

ユリシーズ・クロウ

クロウは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」と同じ船をアジトにしている様子。トニーはスターク社が闇の武器商人と取引をするわけに行かない事を理由にローディに代理取引をさせる事に。

クロウの声はアンディ・サーキスさんと広田みのるさんが続投。ちなみにサーキスさんは「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の監督です。

そして、ドーラミラージュの槍が1000万ドルの価値がある事が明かされます。日本円で言うと約10億円ですから、これを平日のラスベガスの一晩で使うトニーの金銭感覚はかなり破綻しています。

ソニックテーザー

取引に乱入してきたのはブラックパンサー/ティ・チャラ。映画「ブラックパンサー」でも韓国ソウルでのヴィブラニウム取引に介入しました。

次々とクロウの手下を排除していくティ・チャラでしたが、エリックのソニックテーザーの前に無力化されてしまいます。これは「アイアンマン」でオバディア・ステインが使っていたものの改良版と言えるのでしょうか。効果範囲は広いようですがかなり大型化されており、一概に改良されたとは言い切れないようにも思えます。

©MARVEL,Disney

エリックはローディを「迫害者側の制服を着て命懸けで戦っている」と非難し殺害、そしてティ・チャラをも殺害してしまいます。

真実を知るトニー

二人を殺害したことでアメリカとワカンダを戦争に持ち込もうとするエリック。

事件の顛末はJ.A.R.V.I.S.が撮影し記録しており、3D再現してエリックに突きつけます。このシステムは「アイアンマン3」にも登場したものと同一のようです。

©MARVEL,Disney

動じないエリックはロイヤルリングを基にして完成したリベレーターと戦い、ドーラミラージュの槍で破壊。そしてトニーを殺害してしまいます。

トニーは「ホワット・イフ」で3度目の死を迎え、彼の死もまた絶対点なのではないかと感じさせます。

愛国者法

ロス将軍が登場し、愛国者法によりスターク・インダストリーズは国有化され、アメリカとワカンダの戦争に向けてリベレーターの量産を始めるように命令します。

愛国者法は現実にあった法律で、9.11事件を受けて2001年にジョージ・W・ブッシュ大統領によって署名された法律であり、人権を侵害してでもテロを抑え込むと言った内容が強い批判を受けた法律でもありました。2015年6月に期限切れで失効となり、代わりに人権に配慮された米国自由法が成立しています。

今回のエピソードは「アイアンマン」を基にしていることから2008年の話であり、現実にあった法律を脚本にうまく適応させています。

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21世紀の戦争

「おめでとう大尉、君は21世紀の戦争を発明した」とエリックに告げるロス将軍。

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でフューリーがトニーに対して「君はいろいろ画期的な発明をしてきたが戦争は君が作ったんじゃない」と言った事と対照的になっています。

ロス将軍は「インクレディブル・ハルク」の時から力を求める傾向にあり、ここ最近では「嫌味なおっちゃん」のポジションに甘んじていましたが、彼の本質的はこのエピソードのようにチャンスがあれば力を拡大させる人物のようです。今後は神聖時間軸でも彼の動向に注意が必要かもしれません。

クロウの最期

手を組んでいたエリックとクロウですが結局は映画のようにエリックに殺害されてしまいます。この時、クロウはワカンダ人の事を野蛮人、未開人と表現しており(吹替ではあいつらという表現に留まっています)、白人が黒人を差別するときに使う表現を引用しています。

エリックはクロウの遺体を手土産にワカンダへ。「ブラックパンサー」ではボーダー族とのやり取りがありましたが、内容はそのままに、ドーラミラージュとのやり取りに変更されています。

ティ・チャカ王との謁見

「ウンジョブに子供はいなかった」というラモンダに対して「我々はそう信じ込まされていただけだった」というティ・チャカ王。「ブラックパンサー」ではウンジョブとウンジャダカ(エリックの本名)の一件をワカンダのために隠蔽していましたが、ウンジョブを殺していないこのティ・チャカは息子を失った悲しみもあって突如現れた甥を受け入れてしまいます。

ただし、「ブラックパンサー」でウンジョブの息子である証拠として提示したロイヤルリングはリベレーターに使ってしまってもうありません。

ラモンダはアンジェラ・バセットさんと幸田直子さんが続投していますが、王女ではなく将軍になっています。

シュリはレティーシャ・ライトさんからオジョマ・アカガさんに、吹替もももいろクローバーZの百田夏菜子さんから神戸光歩さんへと変更されました。ちなみに「ブラックパンサー」の時系列である2018年で16歳でしたから、2008年のこのシュリは6歳になります。

自作自演

戦争が始まり、リベレーターの大軍がワカンダへと侵攻。エリックの提案した作戦どおり一旦は停止したリベレーターでしたが、エリックの手で再起動し、戦争が再開。二重の自作自演の戦争となります。

実写では見ることの出来なかったラモンダの戦闘シーンが特徴的で、この戦争中にはボーダー族も確認する事が出来ました。

最終的に戦争に勝利を収めることで、エリックはティ・チャカの信頼を勝ち取るのでした。

新たなブラックパンサーの誕生

信頼を得たエリックは王族のみ食す事が許されるハート・シェイプド・ハーブを口にし、ブラックパンサーの儀式に臨みました。昏睡中に見る世界で、エリックはティ・チャラと再会します。

父の復讐とアメリカで無視されている抑圧された兄弟達のために、ワカンダを乗っ取ったと語るエリック。そんなエリックにティ・チャラは「不当に得られた力は儚いものだ」と忠告するのでした。

ウンジョブの夢だった兄弟の開放のためというのはともかくとして、ギャングへの復讐のために国を乗っ取るのはいささか回り道が過ぎるようです。

ワカンダの王位継承に関する設定は難しく、特に決闘の儀式による継承者の変更が話をややこしくしています。コミックでのティ・チャラは最初のブラックパンサーであるバシェンガの直系の子孫であり、ティ・チャラの祖先は負けたことがない事を意味しています。

映画「ブラックパンサー」ではティ・チャラの即位に対してエリックが異を唱え、勝利したことで新たな王となりました。これは決闘の儀式に基づいて継承権を無視して継承者が変更されています。

一方アニメではエリックはティ・チャラに勝利(殺害)していますが、儀式ではないため、継承権の変更はありません。この世界でティ・チャカの次の王位継承権を持つのはティ・チャカの第2子であるシュリであり、甥であるエリックはその次の順位にあたります。

とはいえこのまま行けばエリックはこのあとティ・チャカを暗殺し、シュリの即位に反対し、決闘でシュリを殺して王座を奪うことを画策しているでしょう。

ラストシーン

ワカンダへの総攻撃を仕掛けようとするロス将軍を尻目にうんざりしたペッパーが自室へ戻るとそこにはシュリが待っていました。そして、エリックがトニーを殺した事を伝えます。

「お互いの国が真実を見ようとしない」と心配するペッパーに、シュリは「一緒に目を覚ましてやりましょう」と声をかけるのでした。

ペッパーとシュリという異色のコンビで今後の脅威に立ち向かう姿勢を描きつつ、このエピソードは幕を下ろしました。今回は宇宙滅亡を示唆するウォッチャーのコメントもなく、この世界は続くようです。


ウンジョブの死因が変わった事で映画「ブラックパンサー」に比べてエリックの行動に納得できるポイントが減った今回のエピソード。その分エリックの狡猾で巧みなやり口が目立つ事になりました。

以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード7は 2021年9月22日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。

【噂話】実写版「マーベル・ゾンビーズ」の計画が進行中?コミックライターが気になる発言

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」のエピソード5ではマーベルヒーローたちがゾンビになってしまった世界が描かれました。これはコミック「マーベル・ゾンビーズ」をベースにMCU風にアレンジしたものですが、マーベルのコミックライターが気になる発言をしています。

「アルティメット X-MEN」や「アルティメット ファンタスティック・フォー」を手掛けた作家マーク・ミラーさんが氏の公式ニュースレターにて奇妙な発言をしていると海外メディア CBR が報じました。

「ホワット・イフ」のゾンビエピソードの公開直後に配信されたニュースレターでミラーさんは、「(私の情報源が正しければ)さらに先に少しだけ実写版マーベル・ゾンビーズが登場するが、みんなは私からそんな話を聞いたんじゃないよ」と書かれていたとの事。

実写版のマーベル・ゾンビーズが開発されているとなればMCUにまた新たなジャンルが確立されそうですが、「少しだけ」というのは気になる所です。もしかするとひとつの映画やドラマとしてではなく、例えば「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」などで数分程度描かれるといったものかもしれません。

ミラーさんはマーベル・スタジオの人間ではありませんが、2008年公開の映画「アイアンマン」の脚本に関するアドバイスをジョン・ファヴロー監督にしたなどのエピソードが知られています。そのため、無関係な人間というわけでもなく、今回の発言に関して無視してしまっていいほどの人物ではないようです。

果たして実写版では一体誰がゾンビ化してしまうのでしょうか。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード6は 2021年9月15日(水)16時よりディズニープラスで配信予定です。

ソース:A Live-Action Marvel Zombies Project May Be in Development

ダーク・ストレンジが帰ってくる?アニメ「What if…?」のミッドシーズンスニークピークが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」からミッドシーズンスニークピークが公開されました。前半戦の復習をしつつ、後半戦のシーンがいくつか紹介される中、動画のサムネにもなっているようにダーク・ストレンジとソーが並んでいるなど気になるシーンが含まれています。

ダーク・ストレンジとソーのシーンはほんの僅かですが、ソーが「ゾンビだって?そりゃいいアイデアだ」と何やら不穏な発言をしています。

その他、ナターシャとウルトロンの戦いやガモーラの映像なども含まれています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード6は 2021年9月15日(水)16時よりディズニープラスで配信予定です。

アニメ「What if…?」からキルモンガーのキャラクターポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」よりエピソード6の主人公と見られるキルモンガーのキャラクターポスターが公開されました。2018年公開の映画「ブラックパンサー」のヴィランとして登場したエリック・キルモンガーですが今作ではヒーローの毛色が強いことがトレーラーから判明しています。

MCUのひとつめの作品である「アイアンマン」(2008年)の冒頭をトレースしたテン・リングスのトニーへのテロ行為に対して助けに入るキルモンガーが予告では確認出来ます。映画ではこのテロによりトニーが拉致されたことがきっかけでアイアンマンが誕生するわけですが、この世界ではその機会が奪われることになりそうな予感です。

予告ではキルモンガーが兵を率いて何者かと戦争するようなシーンも確認できますが、ティ・チャラと一緒に映っているシーンはありません。2話では「ティ・チャラがスターロードだったら」という内容で宇宙を舞台にした物語が描かれましたが、その世界の地球での出来事を描いているのか、まったく別の世界なのかも不明となっています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード6は 2021年9月15日(水)16時よりディズニープラスで配信予定です。

アニメ「What if…?」脚本家、4話で語られた「絶対点」は「ネクサスポイント」と呼ぶべきだったと後悔を明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」の脚本を担当したA.C.ブラッドリーさんがYoutube番組 The GOAT Movie Podcast に登場し、本作の開発にはかなりの時間を要したことを振り返り、その中で4話に登場した「絶対点」という概念について言及しました。

ブラッドリーさんは番組の中で、2019年に開催されたサンディエゴ・コミコンで初お披露目された本作は多くの独自の決定を下す必要があった事を明かしました。

アニメの脚本を書いているときは、考えられないほど未来のことを書いています。あの「ドクター・ストレンジ」のエピソードは、2019年の2月に書いたものです。今思えば、絶対点(アブソリュート・ポイント)ではなく、ネクサス・ポイントと呼ぶべきだったと思います。「ロキ」の脚本はまだ書かれていなかったので、アニメーションはロキの脚本が完成する前にロックされてしまいました。

「ホワット・イフ」4話においてエンシェント・ワンは「絶対点とはその時間軸で覆すことの出来ない事象」であると説明しており、MCUではタイムトラベルが可能になりましたが変えられない事もあるという事が強調されていました。そしてこの絶対点を無理やり覆すようなことがあれば宇宙が消滅するとされました。

一方で「ロキ」ではミス・ミニッツが紹介したTVAのビデオにおいて、ネクサスイベントが説明されました。これは本来行われないはずだった事が行われたことで時間が分岐し、その分岐した時間軸を放置しておくと時間軸が絡み合い戦争になるとの話でした。

ブラッドリーさんはこれらが同一の概念である事を感じ、名称を統一できればよかったと考えているようです。


先日は2024年の映画公開スケジュールが公開され、毎年、年間4本の映画の劇場公開をスタンダードにしていく事が明かされました。それに加えてディズニープラスシリーズが展開するため、MCUはこれまで以上に同時進行で制作される事になります。

そのため今回ブラッドリーさんが感じたように、ひとつの同じ概念が別の呼称になってしまうなどのケースが今後多発する可能性はありそうです。それが例えば地球ではこう呼ぶ、アスガルドではこう呼ぶ、別のマルチバースではこう呼ぶ、と言ったようにうまくごまかせる範囲で済めば幸いですが、ある程度視聴者が許容しなければならない時が来るかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード6は 2021年9月15日(水)16時よりディズニープラスで配信予定です。

ソース:MCU Writer Reveals Loki’s Nexus Connection to Doctor Strange’s What If Episode

アニメ「What if…?」、5話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月8日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード5「もしも…ゾンビが出たら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

ソンビが出たら

これまでのエピソードタイトルは「〇〇がXXしたら」という構成でしたがシンプルになりました。ちなみに原題は「What If… Zombies!?」となっています。

マーベルのヒーローやヴィランがゾンビになってしまうコミックシリーズ「マーベル・ゾンビーズ」とMCUをミックスしたエピソードになっています。

ハルクの帰還

冒頭でハルクがヘイムダルのビフレストにより地球へと転送されてくる様子は映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の冒頭シーンをトレースしています。

この様子から察するに、映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の内容は神聖時間軸と同様に行われ、アスガルドの宇宙船がサノスに襲撃されたものと考えられます。

しかし、神聖時間軸とは違い、ブルース・バナーに駆け寄るドクター・ストレンジとウォンの姿はありません。

ストレンジとウォンから服を借りられなかったせいか、バナーはサンクタムの魔術師の服を拝借する事にしたようです。

ブラックオーダー襲来

ブラックオーダーのエボニー・マウとカル・オブシディアンも神聖時間軸どおりニューヨークに降り立ちます。ドクター・ストレンジ、ウォン、アイアンマンが迎え撃つことになったブラックオーダーですが、ここではブルースひとりで立ち向かわざるを得ませんでした。

しかしポータルが現れ、救援の手が差し伸べられます。

トニー、ストレンジ、ウォンの登場

ポータルから現れた3人はブラックオーダーに襲いかかり、圧倒します。助けに来たと思った3人でしたが、彼らはみなゾンビとなっていました。倒されたブラックオーダーの二人もゾンビとして起き上がってくる始末。

ストレンジの浮遊マントがバナーを援護しますが、ハルクに変身出来ないバナーは逃げるしか有りません。しかしナノテクや魔法まで使うという普通のゾンビ映画にはないチートゾンビの前にバナーは捕まってしまいます。

なお、トニーはインフィニティ・ウォーと同じナノテクアーマーを纏っています。

ヴィーガン

エボニー・マウの魔法に捉えられたバナーに歩み寄る5人のゾンビ。バナーは「食べないでくれ、僕はベジタリアンなんだ」と言いますが、これは日本語版のみであり、翻訳ミスです。英語ではヴィーガンと言っており、コミックのブルース・バナーもヴィーガンです。ややこしいですがハルクはヴィーガンではありません。

ヴィーガンとベジタリアンは似て非なるもの。詳しい違いの説明は割愛しますが、ヴィーガンは野菜だけでなく乳製品やはちみつなども口にしません。これを間違えると猛烈に怒る人たちが一部いますので、日常生活では誤用しないように気をつけてください。

ワスプ&スパイダーマン登場

今度こそバナーを助けてくれるヒーローが登場しました。ワスプはアリを操ってゾンビを食べ尽くしてしまいます。実はワスプがアリの大群を操るのは初公開、映画ではこれは常にアントマンの役割でした。

ホワット・イフ初登場のワスプの声は英語版ではエヴァンジェリン・リリーさんが続投、日本語版は内田有紀さんから渋谷はるかさんへと変更されました。渋谷はるかさんはドラマ「エージェント・オブ・シールド」やアニメ「マーベル・ライジング」シリーズでクエイク/スカイ/デイジー・ジョンソンの声を担当しています。立木文彦さんのヨンドゥ&フューリーのように二重に起用してしまうのはなぜなんでしょうか。

ワスプに続いてスパイダーマンが登場し、バナーを安全なところへと連れて行ってくれます。

スパイダーマンの声は英語版ではトム・ホランドさんからハドソン・テームズさんへと変更、日本語版は榎木淳弥さんが続投しています。

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」では「アリもクモもいるのか」といっていたバナーですが、ここではアリとクモとハチに助けられる事になりました。

ゾンビ化の原因

今回の分岐イベントにあたる部分でしょうか。ゾンビ化の原因は量子世界にあった事が明かされます。そこで感染したジャネット・ヴァン・ダインをピム博士が助けに行った事でピム博士も感染。そしてそのままこちらの世界に戻って来た事がゾンビ・アポカリプスの始まりのようです。

ピムとジャネットが戻るとその場でスコットが襲われ、24時間で西海岸全域が感染。アベンジャーズが事態の収拾に向かうも、アリのサイズになれるゾンビ・ピムは他のゾンビ映画にはない脅威となり、アベンジャーズでさえあっさりと全滅してしまいました。

©2021 MARVEL,Disney

一流のスーパーヒーローでも感染対策はしっかりやらなければならないという、コロナ禍における社会風刺を交えたメッセージなのかもしれません。

ここで気になるのはこの世界で「シビル・ウォー」はどうなったのか?という事です。

キャプテン・アメリカとアイアンマンが出動している所から見て喧嘩はしていないようです。しかし、「シビル・ウォー」なしではホークアイは引退してゴルフ三昧のままでしたし、ブラックパンサーとも出会えないように思えます。

そしてナターシャはインフィニティ・ウォーと同じ姿をしている事から、映画「ブラックウィドウ」のイベントはつつがなく行われ、エレーナからベストを貰っていると考えられます。という事はやはり「シビル・ウォー」の結果としてナターシャが逃亡しているはずで、わりと矛盾した編成となっています。

ジャネット以外の描かれていない分岐イベントがあったのかもしれません。

なお、コミック「マーベル・ゾンビーズ」ではセントリーが別の次元から持ち込んだウイルスが原因でした。

ピーターのVlog

映画「スパイダーマン:ホームカミング」でピーターが自撮り(Vlog)をしていたことのオマージュか、ピーターお手製のビデオが挿入されます。そしてゾンビ・アポカリプスでの注意と生存者情報が表示されます。

©2021 MARVEL,Disney

ハッピー

ハッピー・”実はハッピー(幸せ)ではない”・ホーガンとして紹介されるハッピー。特技は運転、コーヒー、ボクシング。ボクシングは映画「アイアンマン2」のワンシーンに言及しています。

©2021 MARVEL,Disney

なお、ハッピーが着用している「I’m Not Single I’m Saving Myself For Thor」のプリントTシャツが早くもアメリカで商品化されているようです。

ハッピーの声はジョン・ファヴローさんと大西健晴さんが続投しています。

カート

カートの二つ名は変人社長。特技は語学、スラブ民話、犯罪。

©2021 MARVEL,Disney

神聖時間軸ではXCONの社長はルイスですが、カートが社長になっているとするとルイスはこのゾンビの世界で残念な結末を迎えている可能性があります。

サンフランシスコが拠点のXCONのカートがニューヨークまで逃げてこられたのも興味深く、それだけで一つのゾンビ映画に出来そうです。

カートの声はデヴィッド・ダスマルチャンさんと松本忍さんが続投です。

バッキー

バッキー・“退屈なほど静かな”・バーンズも生存していました。スキルは殺し、殺人アーム、ヘビースリーパー。ヘビースリーパーはヒドラやワカンダでの冷凍睡眠を指しているのでしょうか?バッキーは本質的にはヒドラの洗脳の悪夢に悩まされて、ショートスリーパーな様子がドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では描かれていました。

©2021 MARVEL,Disney

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年)のヒドラ製アームはシルバーで肩部分に赤い星マークがあり、この黒ベースにゴールドのラインが入っているのはワカンダ製アームのように思えます。

とすれば、「シビル・ウォー」でトニーに腕を吹き飛ばされ、ワカンダで洗脳を解いてもらったようですが、キャップとアイアンマンが一緒にいた謎が残り続けます。

シャロン

シャロン・“ザ・ブロンド・ボンド”・カーターが登場、スキルはスパイ工作、応急処置、弔辞。

©2021 MARVEL,Disney

「シビル・ウォー」で弔辞を読むシーンがありましたが、ピーターがそれを知っているのは奇妙な事ですし、特技と呼ぶにはなんだか悪ノリが目立ちます。

神聖時間軸的にはシャロンは「シビル・ウォー」のあとにソコヴィア協定違反で指名手配され、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではマドリプールへと逃げ込んでいたとされていましたが、ここに姿を現しました。

ゾンビ禍のせいで政府がなくなり追手がこなくなったとも考えられそうですが、とにかく「シビル・ウォー」については曖昧なまま物語は進行します。

シャロンの声はエミリー・ヴァンキャンプさんと御沓優子さんが続投しています。

他の生存者

オコエも合流した一行は特効薬を求めて、S.H.I.E.L.D.の基地があったニュージャージー州のキャンプリーハイへ。映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」でスティーブが訓練を受けた場所であり、ニュージャージーはドラマ「ワンダヴィジョン」のウェストビューのある場所でもあります。

なお、駅に向かう途中でハッピーが運転している車は「アントマン&ワスプ」に登場したバンと同じようです。愚痴りながら運転するハッピーにオコエが「だってあなたウーバーのドライバーなんでしょ?」と英語で言いますが、日本語ではなぜか「タクシードライバーなんでしょ?」と変更されています。

グランド・セントラル駅にて

オコエ、ブルース、ピーター、バッキー、シャロン、カート、ハッピー、ホープという異色のチームで動き出した今回のエピソード。指揮をとるのはオコエのようです。

手分けして電車を動かすよう指示をするオコエに、ピーターは「ワカンダの人はホラー映画見ないわけ?」と映画あるあるを披露しますが、アメリカのリアリティ番組のほうが怖いと返されてしまいます。

バンバン!

ハッピーが機嫌よくリパルサーを撃ちまくっていますが、これは「シビル・ウォー」でトニーが装備していた時計型アイアンハンドガジェットと同型のようです。ただし、トニーが使っていたのは右手用で、ここでハッピーが使っているのは左手用になっています。

©2021 MARVEL,Disney

その後ハッピーはゾンビ・ホークアイに襲われゾンビ化。悲報を受けたピーターは「やめてよ、ハッピーだけは」とつぶやき、ピーターの友人がハッピーしか残っていなかった事を示唆します。

ゾンビ・ファルコン

ゾンビ・ファルコン/サム・ウィルソンが登場し、オコエとバッキーに襲いかかります。その機動力で二人を翻弄するサムですが、オコエによって文字通り真っ二つにされて終わります。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では心にぐっと来るキャプテン・アメリカの継承物語が描かれていましたが、ホワット・イフにおけるキャプテン・アメリカの扱いはなかなか不遇なようです。

ドラマの内容を経験していないバッキーは、サムが真っ二つになっても「意外と平気」と答えました。

キャンプリーハイへ

犠牲を出しながらも電車の準備が出来た一行はキャンプリーハイへ。道中オコエはピーターに別行動して犠牲を出してしまった事を謝罪します。

うごき出した電車ですが、ゾンビ・キャプテン・アメリカの襲撃によりシャロンが感染。バッキーはキャップと対峙します。

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で見せたようにバッキーは投げられたシールドを投げ返し、ゾンビ・キャップはまっぷたつに。同作のラストシーンでスティーブがバッキーに対して「I’m with you to the end of the line.(最後まで一緒だ)」と言ったシーンをアンサーするかのように、「Sorry, pal. I guess this is the end of the line.(悪いな友よ、ここが最後だ)」とバッキーが別れを告げます。

一方、感染したゾンビ・シャロンはと言うと、体内にホープが入り込み、元の大きさになったことで内側からバラバラに。実写でやればR指定になってもおかしくないシーンでした。「アベンジャーズ/エンドゲーム」でこの方法でサノスも倒せたのでしょうか?

ゾンビを撃退したらいつまにか怪我を負って感染していた、というゾンビ映画お決まりの展開でホープも感染してしまいます。

ベンおじさん

MCUで初めてベンおじさんについて言及されます。神聖時間軸でも同様であるかはまだ不明ですが、少なくともこの世界ではコミックや他の映画シリーズと同様にベンおじさんは亡くなっているようです。また、メイおばさんもゾンビ禍を切り抜けられなかった旨の発言もあり、この世界のピーターは愛すべきひとたちのほとんどを失ったようです。MJやネッドについては言及されませんでした。

ホープの贖罪

燃料が切れ電車は停止、ゾンビに囲まれてしまう一行。母ジャネットとの再会を望んだことがこの事態の原因だと考えるホープはどうせ長くはないと自らを犠牲にみんなをリーハイに届けることを決意します。ここでも神聖時間軸では見せたことがないワスプの巨大化能力を使用し、一行を抱えてリーハイに送り届けます。そして最後にはゾンビの海の中に沈んで行くのでした。

バーバ・ヤーガ

こちらの世界でもバーバ・ヤーガを恐れているカート。バーバ・ヤーガとはスラヴ民話に登場する魔女で、骨と皮だけに痩せこけた老婆だそう。骨と皮だけで老婆とそれ以外の年齢層を科学的な解析もなしに区別出来るのかは疑問の余地が残るものの、とにかくそういう民話に出てくる魔女のことです。

ちなみにスラヴ系のどの言語でもこういった言い方はしないようで、最も近いロシア語の読みに従った表記ではバーバヤガーとなるらしいです。

ヴィジョンとマインド・ストーン

リーハイ基地にはヴィジョンがいて、マインド・ストーンの周波数をゾンビが嫌っている事が判明。ヴィジョンの声はポール・ベタニーさんと加瀬康之さんが続投しています。

マインド・ストーンによる治療実験の成功例として首だけのスコットが登場。どうもこの「ホワット・イフ」ではアントマンシリーズのキャラクターに手厳しい印象ですが、神聖時間軸よりも増したノリを見せるスコットでした。

ちなみにコミック「マーベル・ゾンビーズ」では首だけになったジャネット・ヴァン・ダインが登場しています。

さらなる敵の登場

マインド・ストーンによって治療出来る事は判ったものの、効率的に一斉に行う方法が今の人類にはないとヴィジョンが指摘。それに対してオコエはワカンダに戻れば可能だと提案し、バッキーが移動手段の捜索にでかけます。このあたりもゾンビ映画でよくある展開。

そしてとある部屋でゾンビ化したワンダと、足を失ったティ・チャラと再会。やはりバッキーはワカンダへ行っていた事が伺えるワンシーンとなっています。

さらにここからもゾンビ映画あるあるが展開。治療法は罠であり、呼び出した科学者は感染した恋人の餌とするために生存者を集めている、という筋書きです。

ヴィジョンはワンダに餌を与えるために信号を発して生存者を集めていました。治療法自体はたしかなようですが、ワンダはその強力な魔法によってマインド・ストーンの周波数を遮断しており治療出来ないとの事。

事態の真相がわかった直後、ゾンビ・ワンダが襲ってくるのでした。

3度目の死

すんでの所でヴィジョンはバナーの要求を聞き入れ、みなを基地の外へと連れ出します。ここでスコットが唱えているのは浮遊魔法の呪文で「wingardium leviosa(ウィンガーディアムレビオーサ )」、ハリー・ポッターに登場していました。

地上へと脱出したものの、ゾンビ・ワンダの追撃によりオコエが犠牲に。ヴィジョンは一行をクァドジェットへと案内し、自身は贖罪のためにマインド・ストーンを自ら外すことになりました。

そしてヴィジョンは「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ワンダヴィジョン」に続いて3度めの死を迎えることになりました。ヴィジョンの死はMCUにおける「絶対点」なのでしょうか。

ゾンビになっても変わらないワンダのヴィジョンへの愛が描かれますが、この事態は愛では解決しません。

力 対 魔法

ゾンビ・ワンダに噛まれたバナーにハルクの力が戻りつつあります。「これ以上犠牲は出せない」というピーターにバナーは「Avenge us(仇を取れ)」とマインド・ストーンとアベンジャーズを託します。

そしてハルクへと変身し、ゾンビ・ワンダと力対魔法の戦いが始まります。神聖時間軸でもワンダはサノスと互角以上の戦いを見せたのと同様に、ハルクのパワーに引けを取ることも有りませんでした。

脱出

クァドジェットで脱出成功、と思いきやピーターの警告どおりトラブルが発生。ゾンビ・ジャイアント・ワスプに機体を捕まえられてしまいます。ここは「インフィニティ・ウォー」での空港バトルのワンシーン、アントマンが巨大化してウォーマシンを捕まえたところをオマージュしています。

©2021 MARVEL,Disney

なんとか振り切って脱出に成功した、ピーター、足を失ったティ・チャラ、首だけのスコットの3人。

多くの仲間を失ったと嘆くピーターに、ティ・チャラは「ワカンダでは死は終わりではない」と「インフィニティ・ウォー」での父ティ・チャカの言葉を伝えます。

夕日に向かって飛んでいくジェットは一定のハッピーエンドのように見えましたが、ウォッチャーは「どんな闇の時代でも人間は全力でこの星を守ろうとする。その結果、宇宙が消滅しようとも」と不穏な締め方をし、インフィニティ・ストーンを5つ揃えたゾンビ・サノスが表示されてエピソードが終了しました。

4話に続いて5話も宇宙消滅エンドを迎えるようです。


ゾンビあるあるをふんだんに取り入れながら、通常のゾンビものにはない味方の頼もしさと敵の脅威が描かれたエピソードでした。

「シビル・ウォー」についての解釈が難しく、一番シンプルそうなのは神聖時間軸どおりに展開しつつも、最後にトニーとキャップがあっさり仲直りしたという展開でしょうか?それでもいくつかの矛盾は抱えている気もしますが。

キャラクターポスターが制作され、フィギュアなどのグッズも展開されるゾンビハンター・スパイダーマンはほとんど活躍がありませんでした。ピーターよりスコットのほうが浮遊マントを着用している時間が長かったようです。もともとこういう脚本だったのか、ゾンビハンター活躍の場が削られてしまったのか気になる所ではあります。

以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード6は 2021年9月15日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」からゾンビトレーラーが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」から第5話のゾンビを特集したトレーラーが公開されました。キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ホークアイ、ブラックパンサーなどアベンジャーズがゾンビの群れに襲われている様子を確認することが出来ます。

動画ではキャプテン・アメリカに襲いかかるピム博士のようなゾンビも登場。

また、マーク・ラファロさんが本編映像と思われる動画を投稿しています。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのブラックオーダー襲来のシーンがベースになっていますが、ブルース・バナー一人で立ち向かう様子が描かれています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード5は 2021年9月8日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。

アニメ「What if…?」よりキャプテン・アメリカ、ホークアイのゾンビポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」から新たなキャラクターポスターが公開されました。今回公開されたのはゾンビ・キャプテン・アメリカとゾンビ・ホークアイで、明日配信予定の第5話に登場すると見られています。

©2021 MARVEL,Disney

コミックでは「マーベル・ゾンビーズ」というシリーズが邦訳もされて発売されており、フィギュアなども多数発売されている人気シリーズですが、「ホワット・イフ…?」が30分番組である事を考えると、コミック通りというよりはMCUオリジナルのストーリーテリングが進むと見られています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード5は 2021年9月8日(水)16時より配信開始です。