アニメ「What if…?」、4話のイースターエッグをピックアップ

2021年9月1日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード4「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

クリスティーンの分岐イベント

エピソードタイトルとしてはドクター・ストレンジの選択による「もしも」に見えますが、このエピソードで描写されている範囲で神聖時間軸と異なるポイントは、そもそもクリスティーンが学会への出席を拒否しなかった事です。

映画「ドクター・ストレンジ」ではストレンジの誘いをクリスティーンが断り、一人で学会に向かう最中にX線写真をよそ見して事故に会い、手を失うことになりました。

ドクター・ストレンジの声は映画と同じく、ベネディクト・カンバーバッチさんと三上哲さんが担当。

クリスティーン・パーマーの声は英語版はレイチェル・マクアダムスさんが続投、日本語版は松下奈緒さんから森なな子さんへと変更されました。

交通事故

この日、ストレンジが車に乗れば事故を起こすのは避けられない運命なようで、車の落下の仕方も原作映画そのままに描かれます。

この事故がエピソードタイトルになっている部分であり、本来であればストレンジはここで両手を失い、治療を試みるも医学の限界を感じ、魔術へと傾倒していく事になりますが、アニメではクリスティーン・パーマーを失った絶望から魔術の世界へと入門していく事になりました。

アガモットの目

リンゴを使ったアガモットの目による時間操作の練習シーンは「ドクター・ストレンジ」を踏襲したものになっています。ただし、映画では兄弟子バロン・モルドとウォンが警告に来るのに対し、アニメではエンシェント・ワンとウォンが登場する事に。

ウォンのセリフが微妙に異なっており、「ドクター・ストレンジ」では「時間を操作すれば分岐が始まる」と注意したのに対して、このアニメでは「時間を弄れば宇宙の構造が揺らぐ」と説明します。これはこの世界が既に分岐した世界である事を反映したものかもしれません。

ウォンの声はベネディクト・ウォンさんと田中美央さんが続投。

エンシェント・ワンの声は英語版はティルダ・スウィントンさんが続投、日本語版は樋口可南子さんから藤本喜久子さんへと変更され、今回もタレント降ろしが続いています。

ゼロッツとの病院バトル

MCUの中でも他に類を見ない、病院内でのアストラル体同士のバトルはこのアニメでは登場しませんでした。原作映画ではこの病院のシーンで、クリスティーンのおかげでストレンジは危機を脱するのですが、アニメ版ではクリスティーンが死亡してしまっているため、このイベントはスキップされてしまいます。

そもそもゼロッツがいたのかどうかも不明です。

ドルマムゥ

カエシリウスやゼロッツの描写はありませんが、ドルマムゥとの対面シーンは原作を踏襲しています。ドルマムゥが地球の脅威となっているからには誰かが呼び出したはずで、描写がなかっただけでカエシリウスが暗躍していた可能性はありそうです。

2年後

ドルマムゥとの取引から2年後、未だにクリスティーンを失った悲しみを抱いたままのドクター・ストレンジが映し出されます。神聖時間軸で考えると、「ドクター・ストレンジ」から2年後と言えば「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に入る頃。オーディンを探しに来たソーとロキには面会済みかと思われますが、特に言及されません。

このシーンから本格的にエピソードタイトルを追求して行くようになり、ドクター・ストレンジは恋人を取り戻すために時間を操作していく事になります。

タイムループ

ドクター・ストレンジはウォンのアドバイスを無視し、アガモットの目=タイム・ストーンを用いて過去へと渡ります。

そして事故直前のシーンで車線変更していた所を取りやめたものの、以前と同じように後ろから追突され同じ結果を招いてしまいました。すぐさまもう一度過去に戻り、今度は道を変えてみるも横から車が突っ込んでくる始末。

学会へ行くのを止めてみても、クリスティーンは心臓発作を起こしたり、強盗に銃で撃たれたり、死のタイムループに陥ってしまっていました。

なお、ドクター・ストレンジは映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の予告内でもウォンのアドバイスを無視。度重なる警告の無視に、ウォンを演じる俳優のベネディクト・ウォンさんはTwitterで「だから言ったのに!!」と怒っています。

クリスティン・エヴァーハート

クリスティーンの死のループのひとつの中で、火事のニュースを読み上げているのはクリスティン・エヴァーハート。映画「アイアンマン」(2008年)から登場しています。コミックにも登場するれっきとしたマーベルキャラクターで、コミックではスパイダーマンのコミックによく登場する新聞社デイリービューグルの記者です。

MCU版では「アイアンマン」ではバニティフェアの記者として、「アイアンマン2」以降はMCU内の架空のニュースチャンネル WHiH の記者として登場しています。

映画としては「アイアンマン2」が最後の登場となっていましたが、その後もMCUのプロモーション用ショートフィルムに度々登場していました。

クリスティンは登場していないものの、WHiHは「ワンダヴィジョン」や「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でも登場しているため、クリスティンもいずれまた再登場するかもしれません。

アニメ版は映画同様にレスリー・ビブさんと北西純子さんが担当しています。

なお、同じスペル(Christine)でクリスティン・エヴァーハートとクリスティーン・パーマーのカナ表記が異なる理由については不明です。

絶対点

何度も繰り返すクリスティーンの死のタイムループの中で、エンシェント・ワンが登場。クリスティーンの死は時間の「絶対点」であり、変えられない事実だと説明します。

エンシェント・ワンによると(ホワット・イフの世界では)ストレンジが魔術師となったのはクリスティーンの死が起点になっており、これを覆そうとすれば矛盾が起きてしまうとの事。

MCUの時間の定義に新たな要素が加えられることになりましたが、今後もこの絶対点の概念が重要になってくるのでしょうか?

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オー・ベン

エンシェント・ワンと決別し、絶対点を覆す書物を探すため、ストレンジはテレポートします。その先で出会うのはカリオストロの書庫とその番人オー・ベン。コミックのオー・ベンはカリオストロでもあり、本作でもストレンジが「まさかアンタがカリオストロか?」と尋ねますが、MCU版ではオー・ベンと名乗るに留まり明言されないまま退場する事になります。

©2021 MARVEL,Disney

ストレンジは自己紹介が苦手なのか、名前を勘違いされる傾向があるようで、かつてカエシリウスに「ミスター・ドクター」と呼ばれたように、今回は「魔術師アルマーニ」と呼ばれてしまいます。

カリオストロの書

ストレンジは数多の書物の中から「時間操作」の本を手に取り読み進めていく事になります。

奇妙なことにこの本は「ドクター・ストレンジ」に登場したカリオストロの書と同じ外見をしており、りんごの時間操作の実験シーンでストレンジが手にしていたもので、このアニメ版でもそのシーンでストレンジが手にしていました。

©2021 MARVEL,Disney

今回のエピソードでもドクター・ストレンジが既に読んでいたように、カリオストロの書はカマー・タージの図書室にあったはずです。それともカリオストロの書は1巻、2巻といった感じに内容の違うものがいくつかあるのでしょうか?

タコの怪物

絶対点を覆すパワーを得るために、ストレンジは魔物を召喚し、吸収する計画を実行します。

呼び出されたのは1話でキャプテン・カーターと戦ったタコのような怪物。同一の存在か同じような魔物が複数いるのかは不明ですが、ともかくこの時点のストレンジでは太刀打ち出来ませんでした。

そう考えるとキャプテン・カーターはかなり強いのかもしれません。

これらのタコはシュマゴラスと呼ぶにはかなり弱く、喋りもしないため、やはりタコ型の魔物という線が妥当かもしれません。

オー・ベンの人生

ストレンジを介抱するオー・ベンは「魔物は取引には応じないし、その力は人の手には負えない」とアドバイスします。「どの本に書いてあった?」と尋ねるストレンジに「人生が教えてくれた」と返すオー・ベン。

コミックのオー・ベンはアル・トサスを名乗っていた頃にダークホールドを研究し、不死のポーションを作る計画をしていました。そこで必要だった吸血鬼の血を手に入れるため、ドラキュラ伯爵に妻のロレンツァを紹介しましたが失敗に終わり、ロレンツァは吸血鬼へと変えられてしまい、以降苦しむ事になりました。

「ホワット・イフ」のオー・ベンは特になにも紹介されませんが、コミックと同じような経験をしているのかもしれません。あるいは別の世界のオー・ベンが経験した事を理解している可能性もありそうです。

魔力の強化

ウォンだけでなくオー・ベンの警告も無視して、ストレンジは魔力の強化に没頭する事になります。さながらロールプレイングゲームのように弱い魔物から始めて、だんだんとレベルアップしていく計画です。

次々と魔物を取り込むストレンジは時折その姿がオーバーラップし、悪魔メフィストのような相貌を見せるシーンも描かれています。

目のクマが濃くなっていく様子は映画のヴィランだったカエシリウスを彷彿とさせます。彼もまた亡くなった妻と息子を取り戻したくてダークディメンションの力を求めていました。

不干渉のウォッチャー

ウォッチャーは「警告する事も出来た」と前置きした上で、他の宇宙への影響を考えて不干渉を貫きました。

興味深いのはストレンジがウォッチャーの気配を感じ取る事で、さすがは至高の魔術師と言ったところでしょうか。これらは以前のエピソードの主人公、カーターやティ・チャラ、フューリーには見られませんでした。

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老衰していたオー・ベン

修行を終え部屋に戻ったストレンジは老衰し横たわるオー・ベンと遭遇しました。

数日間の修行かと思いきや、何世紀も経っていた事が明かされます。ストレンジは世界の時間を止めて修行していたようですが、同じく強力な魔術師であるオー・ベンはカウンタースペルを使用していたのでしょうか?そしてストレンジが年を取っていないのは、映画のエンシェント・ワン同様にダークディメンションの力を得ていたのでしょうか?気になるポイントは解説されないまま、ストーリーは進行します。

ストレンジは彼なりにオー・ベンをリスペクトしていたようで、老衰した彼を元に戻そうとしますが、オー・ベンはこれを拒否。そして息を引き取る間際に、この世界には「死を受け入れる事が出来るストレンジがいる事」を伝えました。

エンシェント・ワン

ストレンジがもう一人いたのはエンシェント・ワンのせいでした。彼女はダークディメンションの力を利用して、意図的に時間を分岐させたとなかなか恐ろしい説明をします。TVAが知ったら即剪定の事案のように思えますが、TVAに彼女を止めることが出来るのかは気になる所です。

エンシェント・ワンは経緯を説明し、ダーク・ストレンジが絶対点を覆してしまう事があれば生き返ったクリスティーンごと世界が崩壊すると伝えます。

ヴィシャンティ

地球の守護者として紹介されるヴィシャンティはコミックにも登場する超常的チームで、強力な白魔法の使い手です。MCU版の詳しい説明はされませんが、コミックではエルダーゴッド(スカーレットウィッチのパワーソースであるchthonと同類)のオシュトゥール、エンシェント・エイリアンのホゴス、そしてオシュトゥールの涙から生まれたMCUでも名前だけはお馴染みのアガモットの3人で構成されています。

ドクター・ストレンジvsダーク・ストレンジ

ついに始まる決戦の時。戦いの中ではかつてサノスを拘束したクリムゾンバンドの呪文も登場しています。魔物の力を操るダーク・ストレンジは強力で、クリスティーンの幻影を見せられても屈しなかったドクター・ストレンジでしたが、最終的にはヴィシャンティの防御呪文もディスペルされていまい、ダーク・ストレンジが勝利をおさめる事になりました。

ちなみにダーク・ストレンジが操る魔法がスカーレットウィッチのような赤黒いデザインになっていますが、カオスマジックを使っているのかは不明です。

結末

ドクター・ストレンジを吸収したダーク・ストレンジは望み通りにクリスティーンの蘇生に成功しました。しかしエンシェント・ワンが警告していたように、世界の崩壊が加速します。

ダーク・ストレンジは間違いを認め、ウォッチャーに助けを求めますが、ウォッチャーは「さらなる崩壊に繋がる」としてこれを拒否しました。能力的にはなんとか出来る事を暗示しつつも、他の世界のためにこの宇宙の死を受け入れる考えのウォッチャーは、つまる所クリスティーンの死を受け入れた方のドクター・ストレンジと同じでした。

目の前の不幸をなんとか出来る能力があったとして、さらなる不幸が生まれるのが判っている場合、どういう選択を取るべきなのか。そういったテーマのエピソードでした。

ダーク・ストレンジはせっかく蘇生されたクリスティーンの更なる死と世界の崩壊の中で、一人後悔するのでした。


MCU史上もっとも重い物語のひとつとなった今回のエピソード。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のドクター・ストレンジの選択はどういう結末を生むのか、注目となりそうです。

以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード5は 2021年9月8日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」の新たなトレーラー「The Lost Books」が公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」の新たなトレーラー「The Lost Books」が公開されました。本日16時配信のエピソード4の予告にあたるもので、ドクター・ストレンジが失われた魔術書と出会う様子が描かれています。

また、公式Twitterで公開されている別の予告では「もしもドクター・ストレンジが交通事故によってその手ではなく、愛を失っていたら」と分岐イベントについても触れられています。

今作でウァトゥ・ザ・ウォッチャーの声を担当するジェフリー・ライトさんは、海外メディア Entertainment Weekly のインタビューで、「ドクター・ストレンジのエピソードにとても惹かれました。なぜか私の感情を揺さぶったんです。(笑)それに、このエピソードはウォッチャーにとっても興味のある話なので、同じような視点で物事を見ることができたのです。だから、ドクター・ストレンジの回は、ぜひチェックしてみてください。」と述べています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード4は 2021年9月1日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」からドクター・ストレンジのキャラクターポスターが公開

マーベル・スタジオが制作するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」からドクター・ストレンジのキャラクターポスターが公開されました。4話の主人公になると見られるドクター・ストレンジですが、トレーラーではキャプテン・カーターと話す様子や、もうひとりのドクター・ストレンジと対峙する様子が描かれていました。

MCUのマルチバース化が進む中、ドクター・ストレンジはその中心人物のひとりであり、映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でも関連する様子が描かれていました。

ドクター・ストレンジの変異体が意図的にマルチバース化を進めようとしているのであれば、MCUの世界に重大な影響を及ぼす可能性が高く、4話は注目のエピソードとなりそうです。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード4は 2021年9月1日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」、3話のイースターエッグをピックアップ

2021年8月25日配信のアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード3「もしも…世界が最強のヒーローたちを失ったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

アベンジャーズ計画

今回のエピソードは「アベンジャーズ:プレリュード フューリーズ・ビッグウィーク」を基にしており、このコミックはアベンジャーズ計画の裏でフューリーが忙しくしていた事を描いたものですが、それの「もしも」バージョンとなっています。

フューリーの「ある計画があった(There was an idea)」のセリフから始まる3話ですが、これは映画「アベンジャーズ」(2012年)でロキがコールソンを殺害し逃亡したあとに、フューリーがキャップ達を集めて説明するシーンで使われているものです。

「ホワット・イフ…?」初登場のナターシャの声はスカーレット・ヨハンソンさんではなくレイク・ベルさんに、吹替版では米倉涼子さんか樋口あかりさんへと変更されています。

トニー・スターク

月曜日。映画「アイアンマン2」でのシーンがほぼそのまま再現され、BGMも同様に Beastie Boys の「Groove Holmes」が採用されています。

©2021 MARVEL,Disney

トニーの声はミック・ウィンガートさん、吹替版は森川智之さんが担当しています。

ナターシャはトニーの事を「年中二日酔い」と表現していますが、これはコミックのトニーがアルコール中毒の設定があることを基にしています。MCUでは「アイアンマン2」で泥酔し、ローディーとやりあうシーンが描かれていますが中毒に関しては言及されていません。

ナターシャがスターク・インダストリーズにスパイとして潜入していた事を責めるシーンは省略されていますが、全体的に「アイアンマン2」のやり取りがそのまま行われます。トニーに関しては「もしも」な要素はなく、神聖時間軸とまったく変わり有りませんが、分岐イベントの影響でトニーは殺害されてしまいます。

トニーが死んだまま「アイアンマン2」のポストクレジットシーンへと飛び、コールソンがムジョルニアが落ちてきたニューメキシコに到着します。コールソンの声は英語、日本語ともに変更なく、クラーク・グレッグさんと村治学さんが担当しています。

映画のコールソンは当時主流だったスリムなガラケーを使用していますが、このアニメ版ではスマホを使用しているようです。

ナターシャの移送

ナターシャはトニー・スターク殺害容疑で移送される事に。

©2021 MARVEL,Disney

ブロック・ラムロウとジャック・ロリンズ、他S.H.I.E.L.D.のエージェントが登場し、ナターシャをアレクサンダー・ピアースのもとへ連れて行くと言います。

彼らは神聖時間軸においてS.H.I.E.L.D.のS.T.R.I.K.E.チームでありピアースはS.H.I.E.L.D.の理事でしたが、その実態はヒドラでした。このアニメにおいて彼らがヒドラであるかどうかは言及されませんでした。

ブロック・ラムロウは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」と同様にフランク・グリロさんと水内清光さんが担当しています。ジャック・ロリンズはセリフがありましたがキャストはクレジットされていません。

ナターシャがトラックの中でエージェントに囲まれているシーンは全体的に「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のスティーブとS.T.R.I.K.E.のエレベーターのシーンをオマージュしています。

ソーとムジョルニア

火曜日。舞台はニューメキシコ、ムジョルニア落下地点に急設されたS.H.I.E.L.D.の仮設基地に変わります。ここは「マイティ・ソー」(2011年)をベースにしています。ただし映画ではフューリーはここには登場しません。

クリントはムジョルニアを「ジャクソンでも持ち上げられなかった」とフューリーに伝えます。エージェント・ジャクソンは「マイティ・ソー」にも登場しているのですが、一瞬でソーにのされてしまい、顔はほとんど映りません。エージェント・シットウェルが破れたフェンスを調べるよう、デランシーとジャクソンの二人に指示するシーンがありました。ジャクソンはジェイミー・マクシェーンさんが演じていました。

from Thor ©MARVEL,Disney

アニメ版でも数人のS.H.I.E.L.D.エージェントがソーにやられているため、このいずれかがジャクソンかもしれません。

ソーは神聖時間軸同様にムジョルニアのもとへとたどり着きますが、クリントの誤射によって死亡してしまいます。この時ソーはオーディンによって力を封印されているため、地球人よりちょっと強いマッチョでしかなく、一発の矢であえなく命を落としてしまいました。

ナターシャがトニー殺害容疑をかけられたのと同様に、クリントはターゲット殺害の容疑で拘束。さらにクリントが服毒自殺をするという異常事態に発展します。

ベティ・ロス

水曜日。ヴァージニア州のカルバー大学にシーンが変わり、「インクレディブル・ハルク」をベースにした物語が展開されます。MCUでは長らく見かけなかったベティ・ロスが再登場。ベティの声はリヴ・タイラーさんからステファニー・パニセロさんへと変更、日本語は甲斐田裕子さんが引き続き担当しています。

S.H.I.E.L.D.の目から隠れて動いているというナターシャは、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でS.H.I.E.L.D.から逃走していたときの服装に似ています。

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スタンリーズ・ピザ・パーラー

スタンリーズ・ピザ・パーラーは「インクレディブル・ハルク」(2010年)にも登場したブルースとベティいきつけのピッツェリアです。

from Incredible Hulk ©MARVEL

©2021 MARVEL,Disney

ブルース・バナー

物置に隠れていたブルース・バナーがナターシャの前に登場。声を担当するのはお馴染みのマーク・ラファロさんと宮内敦士さんですが、「インクレディブル・ハルク」のブルースはエドワード・ノートンさんと水嶋ヒロさんが担当していました。

なお、「インクレディブル・ハルク」のブルースはスタンリー・ピザのユニフォームを着てかつて所属していた大学に侵入し、データを探すシーンがありましたが、ベティと再会するのはその後の話です。アニメ版のブルースはベティに会いに来てしまったようで、トニーやソーが神聖時間軸とほぼ変わらないのに対してブルースはかなり影響が出ているようです。

ロキ

コーヒーを買って基地に戻るコールソンでしたが、突如激しい揺れを感じます。残念ながらクエイクが登場する事はなく、それはビフレストの影響でした。

そしてロキが率いるアスガルドの軍勢が姿を表します。ロキは「アスガルドの王子でヨトゥンヘイムの正当な王」と自己紹介。ヨトゥンヘイムの王を名乗りながらアスガルドの兵士やシフまでもがロキに従っている状況はよくわかりませんが、ソーが殺されたことが一因なのは間違いありません。ロキはトム・ヒドルストンさんと平川大輔さん、シフはジェイミー・アレクサンダーさんと北西純子さんが引き続き担当されています。

せっかくの自己紹介中に携帯の着信音に邪魔されるというなんともロキらしい演出になっています。

ロキはソーを殺された復讐として地球をいただくと宣言し、「マイティ・ソー」に登場したいにしえの冬の小箱を使ってS.H.I.E.L.D.のエージェントを次々と氷漬けにしていきます。

サディアス・ロス

ベティの父サディアス・ロスが登場します。声はウィリアム・ハートさんからマイク・マクギルさんへと変更されました。吹替版は菅生隆之さんのままとなっています。

ロスの指示もないまま発砲されブルースは被弾、ハルクへと変貌していきます。ナターシャは危機を察知し脱出しますが、その着地の際にまた決めポーズを取ってしまいます。こちらでもエレーナにからかわれるのでしょうか。

ハルクは映画と同様にロスと軍を相手に暴れていましたが、突如内側から爆発して死亡してしまいました。実写であればかなりグロテスクになりかねなく、アニメでよかったと思うシーンのひとつでした。

パスワード

フューリーがロキとの休戦にこぎつけた頃、ナターシャはヴァージニア、マナサスの公立図書館に逃げ込んでいました。そこでS.H.I.E.L.D.のシステムにアクセスしようとしますがパスワードがなく入れません。

コールソンからパスワードを聞き出すと「#stevestevesteveiheartsteve0704」である事がわかります。吹替版では少し異なりますが、0704はスティーブ・ロジャースの誕生日である7月4日を指しています。「アベンジャーズ」でも描かれていたようにコールソンはスティーブ・ロジャースの大ファンであり、この世界でも同様なようです。

ここでジャネット・ヴァン・ダインのファイルへのアクセス履歴がある事が判明。

©2021 MARVEL,Disney

日本語字幕でのナターシャは「希望」が鍵だと言っていますが、英語や吹替ではホープと言っており、ナターシャが見ていたファイルからホープ・ヴァン・ダインを指している事がわかります。

アベンジャーズ

フューリーがナターシャの伝言を受け取ったのはイザベラズ・ダイナー、「マイティ・ソー」に登場した店で、ソーがグラスを割った店です。

©2021 MARVEL,Disney

コールソンはロキを目の当たりにしたことで、S.H.I.E.L.D.で対応できない時のためのアベンジャーズの必要性をあらためて指摘。そして、まだアベンジャーが残っていると「S.H.I.E.L.D.ディレクター」という肩書が添えられたフューリーに告げます。しかし、アベンジャーズは自分だけではないと、フューリーは「キャプテン・マーベル」でキャロル・ダンヴァースから預かった緊急呼び出し用のポケベルを取り出すのでした。

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デストロイヤー

フューリーがロキのもとへ向かうと、「マイティ・ソー」にも登場したデストロイヤーが門番をしていました。

MCUではデストロイヤーについてあまり説明がなく、アスガルドの宝物庫の番人として登場していましたが、コミックでは「セレスティアルズから地球を守るためにオーディンが作ったもの」でした。実際に目的どおりに運用もされましたが、基本的にはロキに悪用される兵器でもあります。

セレスティアルズは11月公開予定の「エターナルズ」でも登場するので、デストロイヤーが再登場する可能性もあるかも?

ピム博士

木曜日。フューリーが訪れたサンフランシスコの墓地は、「アベンジャーズ/エンドゲーム」でスコット・ラングが訪れたサノスの被害者の共同墓地に似ています。

そこにはS.H.I.E.L.D.のエージェントと書かれたホープ・ヴァン・ダインの墓がありました。そこに父親であるハンク・ピムも登場します。ピムは神聖時間軸同様にマイケル・ダグラスさん、御友公喜さんが声を担当しています。

ピムはイエロージャケットの姿をしていますが、コミックの初代イエロージャケットはハンク・ピムであり、原作オマージュとなっています。ダレン・クロスがイエロージャケットになったのはMCUオリジナルのエピソードです。

オデッサの任務

S.H.I.E.L.D.に妻も娘も奪われたというピム博士に対して、フューリーはホープはウクライナのオデッサの任務で亡くなったといいます。

MCUでオデッサについて触れられた事があり、そのエピソードは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で登場しました。ここで語られたのは2009年の任務で、ナターシャ・ロマノフが参加している任務でした。任務の詳細は不明ですが、イランの核技術者とウクライナ・オデッサで同行中にウィンターソルジャーに襲撃され、弾丸はナターシャの腹部を貫通し、イランの核技術者は射殺されたとナターシャは説明しています。これのせいでビキニを着られなくなったと語りました。

今回のエピソードの西暦は明記されていませんでしたが、神聖時間軸でのアベンジャーズ結成が2012年であること、このエピソードがその少し前の話であり、そこから2年前にホープが死んだことを考えるとこの任務の「もしも」バージョンに参加した結果、ホープは命を落としたと言って差し支えなさそうです。

ただし、ピム博士は「母親と同じ死に方をした」と言っており、これが神聖時間軸と同じ死に方(量子世界に入った事)なのか、こちらでは別の死に方をしたのかは不明となっています。

分岐イベント

1話、2話と違って今回は分岐イベントについて描かれません。ピムが口頭で説明したように、ホープが死んだことに対する復讐の話でしたが、神聖時間軸のホープはそもそもS.H.I.E.L.D.のエージェントではありません。ホープがS.H.I.E.L.D.に入った事で既に分岐が始まっていたようです。

決着

決着はあっけないものでした。最後の復讐を果たそうとするピムでしたが、フューリーの動きを捉えられません。ピムが戦っていたのはロキの幻覚であり、あっさりとお縄頂戴となってしまいました。

演説

金曜日。ロキはニューヨークの国連本部にて世界に向けて演説をします。この演説内容は「アベンジャーズ」でドイツに赴いたロキが行った演説、及びドラマ「ロキ」1話で演説とほぼ同じ内容であり、地球の脅威で有り続ける事が判明します。

そのためアベンジャーズの必要性は変わらず、このもしもの世界ではキャプテン・アメリカとキャプテン・マーベルを軸にアベンジャーズがスタートする事を示唆して物語は幕を閉じます。

ラストシーンでのキャロルの登場は「キャプテン・マーベル」のポストクレジットシーンをオマージュしています。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

今回の内容はキャプテン・アメリカの状況を見るに、1話の世界とは繋がっていないまったく別のもしもの世界のようです。これまでの3つのエピソードは全て独立しているのかもしれません。

しかし予告動画の中にはキャプテン・カーターとドクター・ストレンジが登場しているシーンがあり、9つのエピソードのうちいくつかは同じ世界を描いている可能性があるため、今後少し複雑になるかもしれません。

しっかりと物語を整理して理解しておくのがいいと考えられます。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード4は 2021年9月1日(水)16時より配信開始です。

コールソン役クラーク・グレッグさん、「What if…?」での再演について語る ─ 「シークレット・インベージョン」の噂にも言及

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」でフィル・コールソンを再演したクラーク・グレッグさんが、海外メディア Entertainment Weekly とのインタビューで、今作におけるコールソンと今後について語りました。

インタビューの中で「ホワット・イフ…?」でコールソンが戻ってくる事を知ったのはいつですか、と聞かれたグレッグさんは次のように述べました。

COVIDの前、秋の終わり頃でした。電話が鳴り、台本を渡されて、「ああ、すごい!これは本当にクールな作品になるだろう」と思いました。それ以来、何がカノンで何がリアルなのか、何がMCUで何がそうでないのかについて、非常に多くの議論がなされています。そしてマルチバースがたくさんあるので本当に奇妙です、実際に私たちはエージェント・オブ・シールドでマルチバースを描いていたので、私はほとんど混乱していますが、人々は本当にこのエピソードを好きになるだろうと感じています。

インタビュアーに「マルチバースを描くという点ではMCUよりエージェント・オブ・シールドのほうが先を行っていましたね。」と言われると、グレッグさんは「それは君が言った事だ、僕じゃないからね(笑」と付け加えました。

また、「コールソンが終わりではないと知った時、どう思いましたか?」という質問については次のように答えました。

正直なところ、「アベンジャーズ」が終わったときには、コールソンにとってあまり良い結果にならなかったにもかかわらず、かなり感謝していました。そして、その後も電話はひっきりなしにかかってきました。エージェント・オブ・シールド、そしてもう1シーズン、さらにもう1シーズン…合計7シーズン。そして「キャプテン・マーベル」、「ホワット・イフ…?」と、なんというか…どこまで言っていいのかわかりませんが、おなじみの顔ぶれを楽しめるのは嬉しいことです。彼らの中には、この特殊な世界ではあまりうまくいかなかった人もいます。だから、今までのことにとても感謝しています。私と私のキャラクターです。なんてこった、私はコールソンを失った。でも彼らが電話をかけてきて、コールソンが再び参加するための別の方法を考えてくれたときはいつでも、私はわくわくしています。ロキやワンダヴィジョン、ファルコン&ウィンター・ソルジャーなど、昔からの友人や何年も一緒に仕事をしてきた人たちが、このような美しい、拡張された世界をテレビでやっているのを見るのは、本当にスリルがあります。

さらに、「ホワット・イフ…?」やその他のマーベル・プロジェクトで、コールソンに今後期待することはあるか聞かれたグレッグさんは「エターナルズやシャン・チーを見るのが楽しみです。MCUが拡大を続けているのが大好きです。もし私や私の分身がそのような事に役立てるのならとても嬉しいのですが、今はただファンとして楽しんでいます。」と回答しました。

また、エージェント・オブ・シールドのラストシーンのあと、コールソンはどんな活躍をしていると思いますかと聞かれて次のように述べました。

新しくなったローラで旅をしているでしょうね。私の空想の世界では、彼はあのチームの何人かと再会して、仕事に戻っているのではないでしょうか。そして、もしかしたらその番組が発表されるかもしれない!?というのは冗談です(笑)。ショーはありませんよ。インターネットを壊してしまおう。

最後に、ドラマ「シークレット・インベージョン」に再登場するのではないかという噂についても触れ、「ネットでそう言った噂をファンと同じように追いかけています」明かしました。

「シークレット・インベージョン」は近々撮影が始まると報じられており、もしコールソンが登場するのであれば、既にオファーが行っていないとおかしい時期です。クラーク・グレッグさんと「エージェント・オブ・シールド」で共演したエリザベス・ヘンストリッジさんが「シークレット・インベージョン」のロケ地への移動を示唆していましたが、シークレット・インベージョンでS.H.I.E.L.D.のエージェント達は戻ってくる事になるのでしょうか?

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード4は 2021年9月1日(水)16時より配信開始です。

ソース:Clark Gregg talks returning to Marvel in What If…? — and Phil Coulson’s new crush on Thor

アニメ「What if…?」、明日配信の3話でコールソン再登場か

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」のニック・フューリーとブラックウィドウ/ナターシャ・ロマノフのキャラクターポスターが公開されましたが、MCUでフィル・コールソンを演じていた俳優のクラーク・グレッグさんがこの公式ツイートを引用し、自身も登場することを示唆しているようです。

フューリーとナターシャのポスターを引用したグレッグさんは「他には?」と短いコメントを添えて投稿。

3話ではアベンジャーズ計画に関するもしもが描かれると報じられており、S.H.I.E.L.D.も関連してくると考えられています。神聖時間軸のコールソンとはどのような違いが出てくるのでしょうか。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード3は 2021年8月25日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」からフューリーとブラックウィドウのポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のアニメ「ホワット・イフ…?」からニック・フューリーとブラックウィドウのキャラクターポスターが公開されました。明日配信予定の第3話でスポットが当たるキャラクターで、フューリーはサミュエル・L・ジャクソンさんが引き続き担当し、吹替は竹中直人さんから立木文彦さんへと変更、ブラックウィドウはスカーレット・ヨハンソンさんからレイク・ベルさんへと変更され、吹替も米倉涼子さんから樋口あかりさんへと変更されています。

©2021 MARVEL,Disney

脚本を担当したA.C.ブラッドリーさんは3話について「もしも多くの悲劇に直面したら、世界最悪の1週間が訪れたら、フューリーのアベンジャーズ計画が全て狂ってしまったら……それは信念を問い直すエピソードになりますよね。と語っています。

1話のラストシーンで登場したフューリーと繋がっているのかどうかは不明となっています。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード3は 2021年8月25日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…?」シーズン2にはフェーズ4作品のもしもが含まれる事に

現在2話まで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の初のアニメ作品「ホワット・イフ…?」ですが、マーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギ社長が海外メディア ScreenRant とのインタビューの中ではやくもシーズン2の内容について示唆しました。

「フェーズ4とマルチバースの探求はホワット・イフにどのように結びつくのですか?」と質問されたファイギ社長は「それがホワット・イフシリーズの面白さであり、そのような疑問を探求することが出来るのです。シーズン1がこれまでのMCUの映画やストーリーを取り入れているように、シーズン2は間違いなくフェーズ4の映画を取り入れることになると思います。」と述べました。

ホワット・イフシリーズでは1話ではキャプテン・アメリカのもしもを、2話ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのもしもを描いてきましたが、ホワット・イフでのイベントが神聖時間軸に影響を与える可能性が指摘されており、その噂のひとつとしてキャプテン・カーターの実写化が報じられています。

もしこれが実現するのであれば、スティーブやトニーが別世界から戻ってきたり、サノスがアベンジャーズに加入し、新たなヴィランに対抗するなんてことも起こるのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード3は 2021年8月25日(水)16時より配信開始です。

ソース:Marvel’s What If Season 2 Confirmed To Include Phase 4 Movies

アニメ「What if…?」、2話のイースターエッグをピックアップ

2021年8月18日にディズニープラスで配信されたアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード2「もしも…ティ・チャラがスター・ロードだったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

惑星モラグ

ウォッチャーの前回と同じ口上を終えると映像は惑星モラグに。

©2021 MARVEL,Disney

2014年公開の映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では地球でのピーター・クイルの幼少期のあと、このシーンにジャンプします。分岐イベントが発生し、歴史が変わってしまっても、この星の座標はまったく同じで影響がないようです。

ピーター・クイルはモラグに降り立ってからオーブのある廃墟に足を踏み入れるまで、ソニーのウォークマンでレッドボーンの「Come and Get Your Love」(1973年)を聞きながらノリノリのダンスをしていましたが、ティ・チャラはただ颯爽と歩いていきます。

クイルは母親メレディスからもらったウォークマンとカセットテープを聞いていましたから、ティ・チャラがそれを出来ないのは仕方ないことです。ラモンダ女王が70年代アメリカンミュージックに興味がなかったのでしょう。

ティ・チャラのスターロード

正面からのショットになると、おなじみのマスクを被ったスターロードの姿を確認する事ができます。この第2話配信の約1年前に大腸がんで亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんがシリーズ同様に声を担当されています。音声の再利用などではなく、生前に収録が済んでいたとの事。日本語吹替はこれまで通り、田村真さんが担当されています。

ただし、クイルのスターロードと違って、マスクの目の部分は赤色ではなく、ワカンダでよく用いられる紫色になっています。

首尾よくオーブを手に入れたティ・チャラですが、神聖時間軸と同様にロナンから派遣されてきたコラスに「何者だ」と銃を突きつけられます。

クイルの場合はマスクを外し、「スターロード」と名乗ってさえ知らないという冷ややかな反応を受けていましたが、ティ・チャラの場合はマスクを外し顔を見せただけで、「え!スターロード?マジで?」という真逆の反応が返ってくることになります。

ティ・チャラのスターロードの名はクリー人が耳にし、ファンになるほどに全宇宙に轟いていることを示しているようです。

ロードと呼ばれながらも神聖時間軸同様にキングの風格を持ち合わせたティ・チャラに対し、コラスはお辞儀をしましょうかと敬意を払っていますが、ティ・チャラはそれを断ります。映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」においてもブルース・バナーがお辞儀をした際に「やめてくれ」と断っており、どちらのティ・チャラもこういうのは苦手なようです。

©2021 MARVEL,Disney

コラス

クリーのハンターであるコラスは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)で初登場し、「キャプテン・マーベル」(2019年)ではスターフォースの副司令官として登場していました。時系列的にはキャプテン・マーベルのほうが先になり、キャロル・ダンバースとの一件から降格されてしまったのかもしれません。

声は神聖時間軸同様にジャイモン・フンスーさんと乃村健次さんが担当しています。

「ホワット・イフ」のコラスは神聖時間軸のコラスに比べると全体的にひょうきん者で軽いキャラクターになっています。

コラスはティ・チャラとの戦闘の最中に、オーブを保護していたトラップに右腕を突っ込んでしまいましたが特になんともなさそうでした。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」でネビュラが手をつっこんだ際は肉が焼け落ちるほどの高温でしたが、コラスはそこまでひどくなく、電撃が走る程度に終わったようです。こちらのオーブの保護機構は少し頼りないようです。

©2021 MARVEL,Disney

ヨンドゥ・ウドンタ

廃墟から出たティ・チャラをロナンの手下が囲みますが、ヨンドゥが救援に駆けつけます。声を担当するのはオリジナルのマイケル・ルーカーさんと立木文彦さんです。先週からニック・フューリーの声が竹中直人さんから立木文彦さんへと変更されているため、同じ声がするのは少々違和感。日本のディズニーの声優チョイスはたびたび不思議な事が起こります。「もしもフューリーとヨンドゥがチームを組んだら」が実現しない事を願うばかりです。

無茶をすると歯をなくすぞ、とティ・チャラに注意されたヨンドゥですが、神聖時間軸のヨンドゥは歯がボロボロです。相当無茶をしてきた証なのでしょうか。こちらのヨンドゥは今の所、綺麗な歯を維持出来ているようです。

©2021 MARVEL,Disney

マンデラ号

モラグ脱出のときに搭乗する宇宙船はミラノ号ではなくマンデラ号。

©2021 MARVEL,Disney

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督によるとミラノ号はクイルの子供時代の片思いの相手、アリッサ・ミラノさんにちなんで命名されています。

マンデラ号の由来は公式に明かされていませんが、ティ・チャラがアフリカの架空の一国ワカンダ出身である事を考慮すると、ネルソン・マンデラさんにちなんで命名されていると考えられます。南アフリカでアパルトヘイト撤廃に献身し、1993年にノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラさんは幼いティ・チャラにとって英雄のごとき人物であったに違いありません。

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1988年のワカンダ

シーンが切り替わり、舞台は1988年のワカンダへ。ティ・チャラが誘拐される様子が描かれます。このエピソードの分岐イベントにあたる部分であり、ピーター・クイルが拐われるかわりにティ・チャラが拐われる事になります。

ヨンドゥがクラグリンとテイザーフェイスに誘拐を任せたせいで神聖時間軸と異なる分岐が発生したようですが、クラグリンは「見る穴ふたつ、聞く穴ふたつ、食べる穴ひとつ」全部調べて同じだとトンデモ理論を展開します。神聖時間軸のラヴェジャーズもひどい人物が多い印象でしたが、こちらは更にひどいようです。

結局ティ・チャラ少年の態度を気に入ったヨンドゥはそのまま宇宙へと戻っていき、分岐イベントの枝分かれが始まっていくことになります。

そして、「20年後」のテロップ。ラヴェジャーズによる誘拐事件が発生したのはともに1988年のことですが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は誘拐から26年後を描いています。

祝杯

シーンは現在に戻り、ティ・チャラたちラヴェジャーズが祝杯をあげています。場所は不明ですが、ノヴァ軍警察の制服のような衣装の人物が見られ、建物の雰囲気も似ていることから、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場したザンダー星である可能性は高そうです。

今までの最高のミッションを聞きたがるコラスですが、ティ・チャラは選べないと流してしまいます。それにもめげず、コラスは「ターナックス4号星は?」と追求します。

ターナックス4号星はコミックに起源をもつ惑星で、「ファンタスティックフォー#18」(1963年9月)に初登場しました。この後ヨンドゥが補足するとおり、コミックでもここはスクラルの領域となっています。

続いて「アンカラ」のレジスタンスに言及されますが、このアンカラもコミックに登場。「ファンタスティックフォー#209」(1979年8月)で少し触れられているマイナーな惑星です。

そして話題は意外な人物へと移っていきます。

マッドタイタン

コラスは「マッドタイタン(イカれたタイタン人)のサノスが世界の半分を消そうとした時はどうやって止めたんです?」と口にした所でサノスが登場します。サノスも従来どおり、ジョシュ・ブローリンさんと銀河万丈さんが声を担当しています。

そしてこの世界のサノスはティ・チャラとの話し合いによって、世界のバランスを保つための別の方法を見出したようです。自分の計画も悪くないとはいいつつも、神聖時間軸のように宇宙の半分の命を奪うことに執着はしていない様子で、ラヴェジャーズと楽しげに飲んで語り合います。

バーテンダー

バーのバーテンダーとして登場したのはドラックス。故郷をクリー人から守ってくれたスターロードに気づいて写真を撮らせてほしいと告げます。妻と娘に送るとの事で、神聖時間軸ではロナンによって殺された家族ですが、こちらでは息災なようで一安心です。

ティ・チャラのスターロードはサノスを踏みとどまらせ、クリーやスクラルを抑えるほどの活躍をしているようです。

ネビュラも登場

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」からネビュラも登場しますが、その印象は大きく違います。

©2021 MARVEL,Disney

髪で隠れた左目の周囲以外は改造手術のあとが見られない、ほぼ生身のネビュラが姿を表しました。声色も神聖時間軸と違って優しい印象ですが、神聖時間軸と同じくカレン・ギランさんと森夏姫さんが演じています。

ティ・チャラの事を「チャチャ」の愛称で呼ぶ仲の良さで、神聖時間軸では見られなかった関係性です。

しかし父親サノスとの関係性は神聖時間軸ほどではないにしても、こちらもあまり良くない様子。このシーンでティ・チャラはサノスの事を「庭師」と呼んでおり、エンドゲームの冒頭でも農作業に勤しんでいたサノスを思い起こすと、もともとサノスはそういう一面も持ち合わせていると考えられます。

さらにここでワカンダが戦争が滅んでいる事が明かされ、ネビュラはそれが原因で他人の故郷を救っているのねと理解を示します。

エンバーズ・オブ・ジェネシス

ネビュラはエンバーズ・オブ・ジェネシスの強奪計画を提案します。生命の起源、超新星の塵と説明されるこのアイテムですが、コミックには登場しません。30グラムで死にかけた星をテラフォーミングで蘇らせるほどの力を秘めているようです。

©2021 MARVEL,Disney

このアイテム自体はコミックに登場しないのですが、植物の生命を操るオメガレベルのミュータント、ジェネシスというキャラクターがX-MENのコミック「X of Swords:Stasis# 1」(2020年10月)などに登場しています。ジェネシスのパワーが緑色のパワーで描かれるあたりは共通点のようにも思えますが、制作時期を考えると奇妙な一致と言わざるを得ません。ちなみにこのジェネシスはX-MENの宿敵のひとり、アポカリプスの妻にあたります。

Genesis from X of swords©MARVEL

キャプテン・ジェノサイド

コラスがサノスの事をキャプテン・ジェノサイドと呼ぶシーンは、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのドクター・ストレンジとサノスの会話を起源としています。

タイタン星にて相まみえた二人、サノスは「タイタンを救うために人口を半分に減らした」と言うのに対し、ストレンジはそれを「ジェノサイド(虐殺)か」と返しました。

©MARVEL,Disney

ここは日本語ではキャプテン・指パッチンと置き換えられています。

銀河の裏社会で最悪の親玉

エンバーズ・オブ・ジェネシスを持っているのは「銀河の裏社会で最悪の親玉」と呼ばれるタニリーア・ティヴァン別名コレクターとの事。サノスが力によるバランスの維持をやめたせいで、この世界ではコレクターが台頭しているようです。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場したコレクターは「マイティ・ソー/ダークワールド」でエーテル/リアリティ・ストーンを受け取った際に「まずは1つ目」とつぶやき、何かを画策している様子が描かれていました。

ヨンドゥはコレクター絡みならやめとけと忠告します。ヨンドゥいわく、ラヴェジャーズは「金持ちから盗んで貧乏人にくばる」、地球でいえばロビン・リーチのようなものだといいますが、ティ・チャラにロビン・フッドだと突っ込まれます。ロビン・リーチは実在の人物で、ジャーナリズムの世界で成功を収めたアメリカの富豪でした。ただしここは吹替版のみロビン・リーチではなくビッグ・フットといい間違えています。

ノーウェア

コレクターの拠点は神聖時間軸と同じく、セレスティアルズの頭が星と化したノーウェアのようです。ここもモラグ同様に同じ神聖時間軸と同じ座標を示しているようです。

©2021 MARVEL,Disney

コレクターはベニチオ・デル・トロさんと石住昭彦さん、カリーナはオフィリア・ラヴィボンドさんと合田絵利さんが神聖時間軸どおりに担当しています。

ここの警備はブラックオーダーが担当しているようですが、コミックから実写化されるにあたってリストラされてしまったスーパージャイアントさんはアニメであるホワット・イフにも存在しませんでした。

©MARVEL

一番手前のセクシーなキャラクターがスーパージャイアントです。一番奥に小さく見える特徴的な頭はプロキシマ・ミッドナイト。

ブラックオーダーの注意をそらすため、サノスとコラスが表で騒ぎを起こします。「二度とキャプテン・ジェノサイドと呼ぶな」と演技か本気かわからないサノスですが、作戦自体はうまく行き、ティ・チャラは無事に保管庫への侵入を果たします。

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コスモ・ザ・スペースドッグ

保管庫にはコスモが保管されていました。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」にも登場したコスモはコミックスに起源のあるキャラクターです。

ゴールデンレトリバーとラブラドールのミックスであるコスモはソビエトの宇宙計画により放たれた犬です。宇宙線がコスモに多大な影響を与え、かなり強力なテレパスへと進化させました。コミックではテレパシーを利用したマインドシールド、マインドコントロール、クローキング、記憶改ざん、精神麻痺などの能力を有していますが、MCU版では今の所可愛らしいただの犬のようです。

ハワード・ザ・ダック

ハワード・ザ・ダックはコスモに比べてセリフがある分、印象に残っている方も多いかもしれません。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の1と2双方に登場し、エンドゲームでも(セリフはありませんが)ラヴェジャーズと共に参戦しています。今回も声を担当するのはセス・グリーンさんと伊丸岡篤さん。

日本語字幕では割愛されていますが、英語や日本語吹替でエンバーズの場所を説明する際にフロストジャイアントやクローナンも保管されていることが判明します。

なお道案内の途中で水分補給に向かったハワード・ザ・ダックですが、ここにいるバーテンダーは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」に登場したサカールのバーテンダーと同型のようです。

©2021 MARVEL,Disney

X-WING

ティ・チャラが宇宙船ドックを走るシーンでは背景にこれまでMCUに登場した数々の宇宙船が描かれています。キャプテン・マーベルのジェット機、ザンダーの船、グランドマスターの船、アントマンのクアンタムシップ、ロナンの船などです。

©2021 MARVEL,Disney

上段の左に見える船はスター・ウォーズシリーズのX-WINGのように見えますが真相は不明です。脚本家が今作にルーク・スカイウォーカーを登場させるプランがあった事を明かしているため、その名残が残っている可能性はありそうです。

タロン

ワカンダの王族専用航空機、ロイヤル・タロン・ファイターに近づくとネックレスが輝き、ブラックパンサーを象徴するサウンドとともに扉が開きます。

中に入るとホログラムのティ・チャカ王が登場し、ティ・チャラの捜索をしている事が明らかになった所で、ネビュラとコレクター、そして捕らえられたヨンドゥが船に入ってくるのでした。

投獄されたラヴェジャーズ。ティ・チャラは嘘をついていたヨンドゥに怒りをぶつけます。そこにコーヴァス・グレイヴが現れ、ティ・チャラをコレクターの元へと連行していきます。

奴隷制への反抗

ティ・チャラは、コレクターとの会話の中で「私の故郷では、人をケージに入れるような奴は最後に報いを受けるんだ」と言い放ちます。これは「ブラックパンサー」のキルモンガーのラストシーンを踏襲したもので、アフリカにおける奴隷の歴史の上で成立している言葉となっています。この言葉を聞いた奴隷のカリーナはその表情に変化を見せます。

ティ・チャラの反撃

ブラックパンサーの牙を象ったネックレスを拳に握りしめ、爪に見立てることでケージを破り脱出するティ・チャラでしたが、エボニー・マウの魔法に捕らえられてしまいます。しかしティ・チャラの言葉に感動したというカリーナによってピンチを脱します。

コレクターとの決戦

コレクターを追うティ・チャラでしたが、脇道からコレクターの不意打ちを食らって吹き飛んでしまいました。コレクターが右手に装着しているのは岩のような腕であり、「口数の多いクローナンの死骸から頂いた」と説明します。MCUで「口数の多いクローナン」といえば、先日デッドプールと共演して話題にもなったコーグですが、こちらの世界ではすでに死んでいるのでしょうか。

また、コレクターというだけあって他のコレクションも紹介してくれます。

©2021 MARVEL,Disney

目につくのはやはりキャプテン・アメリカの盾とソーのムジョルニアで、この世界ではアベンジャーズもコレクターによって倒されているのかもしれません。

ネクロソード

さらにコレクターはヘラの兜を取り出し、ヘラの使っていた武器をネクロソードと紹介します。

これがコミックのオールブラック・ザ・ネクロソードを引用しているとすれば、今後MCUにシンビオートが導入される可能性が高そうです。

オールブラック・ザ・ネクロソードはシンビオートの神であるヌルが創造した神殺しの剣であり、セレスティアルズさえ殺してしまうとされています。その実体はシンビオートで、すなわち生きた剣であり、意思を持ち、自在に形を変える武器です。しかし歴代の所有者が神クラスのキャラクターばかりな事もあり、ヴェノムやカーネイジのような強い主張はしません。

コミックで最初にこの剣を持って登場したのはゴアで、ゴアは「ソー:ラブ&サンダー」のメインヴィランとなっています。

エンバーズの入手と脱出

ティ・チャラを裏切るのは計画のうちで、その裏でネビュラは首尾よくラヴェジャーズを解放し、エンバーズを手に入れました。脱出の際に一人残って殿を守るサノスは神聖時間軸とはまったくの別人です。しかし自ら口にするように、mad(無謀)である事は同じようです。

残念ながらこちらのサノスは少しマシな人になっている分、その強さもダウンしているのか、プロキシマとカルに制圧されてしまいます。そこに引き返してきたネビュラが加勢し、機転を利かせて脱出への緒を掴みます。このシーンでは急速成長する植物から逃げ延びる感じが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」で急速成長するエゴからの脱出をオマージュしています。

決着

コレクターとの戦いの状況はよくありませんでしたが、ヨンドゥの加勢により逆転します。ここではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのテーマ曲のアレンジバージョンが採用されています。

二人がかりでさえ強力なコレクターですが、ヨンドゥがアームコントローラーを奪い、スターロードが愛用のガジェットを使った飛び膝蹴りにてコレクターをケージに押し込み、決着しました。

コントローラーをカリーナに渡し、処分を任せると二人はその場を去ります。

カリーナは受け取ったコントローラーで他の囚人を解放し、さらにコレクターのケージも開けることでコレクターの物語は幕を下ろしました。これは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のラストのオマージュでもあり、コレクターの兄であるグランドマスターも最後はサカールの住人によって囲まれて幕を閉じる事になりました。

神聖時間軸では壮絶なラストを迎えた奴隷のカリーナですが、こちらではハッピーエンドとなったようです。

タロンで脱出したティ・チャラとヨンドゥですが、船にはコスモも紛れ込んでいました。ハワード・ザ・ダックはノーウェアに残っているのでしょうか。

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ワカンダへ

故郷がなくなったと思い込まされていたティ・チャラですが、真実を知ったティ・チャラは「心のままに選べ」というヨンドゥの言葉に従い、ラヴェジャーズを連れてワカンダへ。

宴会の場でオコエとサノスが語り合うシーンでは指パッチンしてしまいますが、当然何も起こりません。インフィニティ・ウォーやエンドゲームを最近みた方にとっては心の整理が追いつかないような平和な描写が続きます。

クラグリンのスペースジャンプの説明で「顔がぐしゃぐしゃになる」というのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」で見せたシーンを表しています。

なお、このシーンではラモンダ女王とシュリも登場していますがセリフはありません。

もうひとつの再会

アイスクリーム屋さんのデイリークイーンが表示され、見覚えのあるイヤホンで音楽を聞くピーター・クイルが登場します。ヨンドゥがカタギになったせいでエゴは直接クイルに会いに来たようです。そしてウォッチャーがいうにはこれのせいでこの世界が終わってしまうとの事。

ガーディアンズが結成されていないため、エゴの計画を止められなくなったという事でしょうか。

ちなみにデイリークイーンは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」でも登場し、地球に植えられていたエゴの分身に飲み込まれました。

©2021 MARVEL,Disney

ここでクイルが聞いていたのはフロック・オブ・シーガルズの「Space Age Love Song」(1982年) で、その歌詞は「私があなたの目を見ていると、あなたは私の意識に触れる。そして少しすると恋に落ちる」と言った内容です。歌詞全部を見ても宇宙感はなく、シンプルなラブソングのようですが、エゴの目が光り、クイルを操る様子とオーバーラップします。

そして、チャドウィック・ボーズマンさんへの追悼の言葉と共に、2話が終了します。


今回のエピソードは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」をベースにしていましたが、前述のとおり時系列は少しズレています。おそらくサノスが2012年にロキに地球侵攻をさせないように、時系列を早めるよう調整されたのだと考えられます。

また、トレーラーでキルモンガーがトニー・スタークを救うシーンがありましたが、そちらとの整合性も考えられているのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード3は 2021年8月25日(水)16時より配信開始です。

アニメ「What if…」からスターロードのキャラクターポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ…?」からスターロード/ティ・チャラのキャラクターポスターが公開されました。このスターロードは、「もしもピーター・クイルの代わりにティ・チャラがさらわれたら」を描くもので、昨年亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんが声を担当しています。

トレーラーではラヴェジャーズを名乗っているティ・チャラですが、神聖時間軸と同じようにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが結成されるのでしょうか?

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード2は 2021年8月18日(水)16時よりディズニープラスで配信開始です。