【ネタバレ】映画「マーベルズ」とエンタングルしなかった「シークレット・インベージョン」の4つのポイント

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」では、キャロル・ダンヴァース、モニカ・ランボー、カマラ・カーンたち三人のパワーが Entangle (絡まる)して独特なアクションシーンを見せましたが、直前のイベントであったはずのドラマ「シークレット・インベージョン」とはほとんど絡みがありませんでした。この記事ではそれらのポイントを整理して紹介しています。

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ヴァーラの不在

ニック・フューリーの妻、プリシラ・フューリーことスクラル人のヴァーラは「シークレット・インベージョン」のラストで共にS.A.B.E.R.へと上がりました。

フューリーはクリーとスクラルの和平交渉が開かれるため、ヴァーラに最高の外交官としてついてきてほしいと頼み、ヴァーラがそれを承諾したわけですが、「マーベルズ」にヴァーラは登場しませんでした。

「マーベルズ」で見ることができた和平交渉のシーンは主に皇帝のドロージに集中しており、ヴァーラに関して何の言及もなかったのは残念なポイントでした。

ターナックス

和平交渉が行われた場所はスクラル人の居住する星ターナックスでした。コミックに登場するスクラルの首都ターナックスIVの名を冠しています。

ターナックスがあるのに「シークレット・インベージョン」で地球上に100万人もの難民スクラル人がいたことは少し解せない部分があります。

MCU版のターナックスの広さは不明ですが、ダー・ベンがターナックスの大気で惑星ハラをまかなおうとした事を考えると、ハラとターナックスの大きさは同程度かそれ以上あるはずです。MCU版のハラの設定情報も不足していますが、コミック版ではスターロードの報告で70億のクリー人が生活している(英語wiki)とされる大きさの惑星です。

広くても食料や水その他資源などが不足しているという可能性は大きいですが、ターナックスがありながら地球に多くの難民がいたことは説明不足感がありました。「シークレット・インベージョン」では、「宇宙には故郷スクラロスに代わる星がなかった」とフューリーがガイアに明かしていたわけで、「シークレット・インベージョン」と「マーベルズ」の間に住める星が見つかったとするのはなかなか苦しそうな所。

ドロージ皇帝も「シークレット・インベージョン」の内容に言及する事はなく、将軍のタロスを失った悲しみや地球に対する怒りなどをあらわにすることもありません。

アメリカの態度と亡命先

「シークレット・インベージョン」のラストでリットソン米国大統領は「地球で生まれた以外の者を全て敵の戦闘員とみなす」と宣戦布告しました。

にも関わらず、「マーベルズ」ではアメリカ政府の機関であるS.A.B.E.R.の職員として黄色い顔の女性宇宙人や300歳を超える宇宙人が登場しています。

この辺は「アベンジャーズ」を思い出しても理事会の言う事などまったく耳を貸さずに超人を集めたフューリーの事ですから、よろしく事を進めている可能性は大いにあります。

これに関連して気になるのは、ターナックスの生存者の亡命先としてニュー・アスガルドが選ばれたこと。「マーベルズ」だけを見ればこのプロットに問題はありませんが、「シークレット・インベージョン」でのアメリカの態度や世界の状況的には火に油を注ぐような問題であり、スクラル人内での格差も発生する事になるでしょう。

もしニュー・アスガルドが100万人のスクラルを受け入れられるならそもそも「シークレット・インベージョン」は必要なかった事になりますし、「マーベルズ」でヴァルキリーが受け入れを許したのはターナックスの生存者数十名だけの可能性が高そうです。

光の力

キャプテン・マーベルの光を吸収する力、モニカ・ランボーの光を見る力、ミズ・マーベルの光を物質変換する力が今回の映画のポイントとなったエンタングルに関係していました。しかし、キャプテン・マーベルと同じ力をもつタロスの娘ガイアが突然出てくる事はありませんでした。

予告の段階では不明でしたが、映画本編では基本的に同時にパワーを発動する事がトリガーになるとして、中盤で三人がタイミングを合わせるトレーニングをするシーンが用意されていました。基本的にはという言葉は特例があるという事で、最初の入れ替えシーン、ドラマ「ミズ・マーベル」のポストクレジットシーンにあたる部分では、カマラは腕輪が勝手に光りだしただけで特にパワーを使っているような描写はありませんでした。

最初の入れ替えはキャロルとモニカが同時にジャンプポイントに触れており、この二人と同種のパワーを持ちつつ、ジャンプポイントを作るクアンタムバンドを身に着けていたカマラが絡まったと考えるのが妥当な所でしょうか。

以上の事がガイアが絡まなかった理由と言えそうですが、他の項目から察するに単に「シークレット・インベージョン」の事は考慮していなかったとも言えそうです。

なお、コミックのクアンタムバンドはコズミックエンティティのイーオンが作ったともされるもの(イーオンはラブ&サンダーの予告2弾にイースターエッグとして登場しています)で、クアンタムゾーンから無尽蔵のエネルギーを引き出すこの腕輪はバッテリーの機能もそなえており、なんらかの状況でクアンタムゾーンへのアクセスが遮断された場合でも、ある程度はこの腕輪自体にチャージされたエネルギーを使用する事が出来ます。

機能的には筋力強化や状況認識能力の向上、星間移動も可能にし、光子ブラストを放つことができるようになっています。また、宇宙空間での生存にも最適化され、食料や酸素がなくても生存できる能力を獲得します。そしてエネルギーを視覚化、固定化するといったマーベルズ3人の能力を足したような能力を獲得出来る腕輪になっています。この腕輪を装着したものは宇宙の守り手クエーサーと呼ばれ、マー・ヴェルの遺伝子から人工的に作成された娘でキャプテン・マーベルでもあったフィラ・ヴェル(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3で紹介されたファイラ・ヴェルの元)が装着していました。


以上の事から「マーベルズ」を見るにあたって友人等に予習すべき作品をアドバイスするのであれば、映画「キャプテン・マーベル」はチェックしておくに越したことはなく、次に「ミズ・マーベル」と続き、モニカのために「ワンダヴィジョン」を抑えておくのがいいかもしれません。しかし「ワンダヴィジョン」自体はワンダとヴィジョンの関係を抑えておかないと盛り上がらない部分もあり、「シークレット・インベージョン」よりは「マーベルズ」に関連しているというだけの事です。いずれも「マーベルズ」のあとに見てもいいような作りになっていると感じました。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。

ドラマ「ロキ」の主人公だった変異体の公式名称が判明

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」の主人公はロキの変異体であり、映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でサノスに殺されたロキとは異なるキャラクターでしたが、基本的にはロキと呼称されていました。しかしシーズン2の最終回を迎えた後、公式ライセンス商品から彼の正式な名前が明らかになりました。

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Funko の新作フィギュアとして判明した彼の名は「ゴッド・ロキ」。シーズン1ではシルヴィを筆頭にキッド・ロキやクラシック・ロキなど様々な変異体が登場しましたが、ドラマの主人公となっていたのはゴッド・ロキという事で最終話前に出せる名称ではなかったようです。

トム・ヒドルストンさんは出演した番組内で、(ゴッド・ロキが)アイアンマンらを復活させられるのではないかという質問に対して、ネタバレを避けつつ次のように回答しました。

「つまり、タイムスリップは厳密に言えば、ロキに興味深い動きを与えるのです。ロキは、過去、現在、未来から移動できると思います。私はタイムスリップできることを知っています。他のキャラクターがそれを知っているわけではありません。タイムスリップすることはできる。私自身のことを言うと、ロキは何度か死んだ、戻ってきて――私はまだここにいる。だから、死が必ずあるのかは分からない――つまり、死は実存の問題ということ。それだけは言えますよ。」

ゴッド・ロキの再登場までにはまだまだ時間がかかりそうで、しばらくの間はユグドラシルに座した彼と一緒に別の物語を見ていくことになるでしょう。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

映画「マーベルズ」のサプライズカメオはなぜCGだったのか

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」のミッドクレジットシーンでは古くからのマーベル映画ファンにとっては嬉しいカメオが含まれていました。しかしそれはフルCGのキャラクターであり、声だけの出演となっていました。

※これより先は「マーベルズ」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

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このミッドクレジットシーンにはテヨナ・パリスさんが演じるモニカ・ランボーの他に二人のキャラクターが登場。

ひとりは予告映像にも登場していたバイナリーで、これは神聖時間軸のマリア・ランボーを演じているラシャーナ・リンチさんが演じていました。

そしてもうひとりがX-MENのビーストことハンク・マッコイで、2006年の映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」と2014年の映画「X-MEN:フューチャー&パスト」に登場していましたが、「マーベルズ」のビーストはややぎこちない動きのCGキャラクターでした。いずれもケルシー・グラマーさんが演じており、今回のCGビーストの声もグラマーさんが担当しています。

キャラクターをフルCGにする主な理由は以下のような3つが考えられます。

  • 秘密を完全に守るために声の収録だけで済む方法を採った。
  • 俳優が数秒のシーンのためだけの何時間もの特殊メイクを拒否した。
  • 急遽登場する事になった。

理由がひとつとは限らず、全て該当するという可能性もありますが、ビーストの登場は映画公開一ヶ月を切った段階で報道され、急遽クレジットシーンの再撮影が行われたとされていました。そのため、3つ目の理由は特に大きいと考えられます。

それ以前に試写会で採用されていたのはカマラ・カーンとケイト・ビショップの「アイアンマン」のポストクレジットシーンをオマージュしたシーンでしたが、これはクレジット前のエンディングシークエンスのひとつとして組み込まれ直されていました。

このミッドクレジットシーンが急遽制作された理由は今のところ不明で、以降の作品のためにどうしてもここに入れる必要が出てきたか、あるいはストライキによるプロモーション不足が原因で苦戦が予想されていたため、観客を呼び込むために無理やり制作されたのではないかなどの憶測が飛んでいます。

シーンの内容としてはモニカ・ランボーが迷い込んだ別の現実ではX-MENと思しきチームがいて、姿こそ登場しなかったもののチャールズ、つまりプロフェッサーXもいる事が判明しました。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でもプロフェッサーXは登場しましたが、Earth-838ではマリアはキャプテン・マーベルだったため、マリアがバイナリーとして活躍するこの世界はEarth-838ではない別のマルチバースだと考えられそうです。

「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」までにモニカは神聖時間軸に戻れるのか、ビーストたちが今後どのように関わってくるのか注目となっています。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。

「ロキ」トム・ヒドルストンさんが妻の「マーベルズ」出演を称賛

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」の主人公ロキを演じるトム・ヒドルストンさんが「The Tonight Show with Jimmy Fallon」に出演し、妻のゾウイ・アシュトンさんの「マーベルズ」でのMCUデビューについてコメントしました。

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俳優ストライキが終わって初のゲストとなったトム・ヒドルストンさんが、主に「ロキ」シーズン2について語った中で、司会者と次のようなやり取りが交わされました。

ファロン:『ロキ』シーズン2と映画『ザ・マーベルズ』の間には秘密の関係があるのでは?

ヒドルストン:ええ、つまり、つながりはあるんです。秘密もあれば、それほど秘密ではないこともあります。ファンが秘密のつながりを何だと思っているのかはわかりませんが・・・

ファロン::つまり、何の関係もないということ?

ヒドルストン:えーとそうですね、私の片割れが『マーベルズ』に出演しています。そして私は彼女をとても誇りに思っています。是非見てください。今週末に公開されます。

トム・ヒドルストンさんと「マーベルズ」でクリーのスプリーマ、ダー・ベンを演じるゾウイ・アシュトンさんは3年間の交際期間を経て2022年に結婚。「マーベルズ」撮影後の2022年10月には第一子が二人の間に誕生しています。

「マーベルズ」の展開上、MCUでの夫婦共演の可能性は厳しいと感じる部分がありますが、一方で「ロキ」シーズン2の展開上はやりようによっては可能にも思えます。

MCUに夫婦で出演したカップルは少なく、ロキの兄ソーを演じたクリス・ヘムズワースさんとその妻エルサ・パタキーさんはその中でも共演経験がある唯一のカップル。

パタキーさんは「マイティ・ソー/ダークワールド」のポストクレジットシーンでナタリー・ポートマンさんの代役を演じ、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」ではサカールのナースとして登場、「ソー:ラブ&サンダー」ではソーの昔のロマンス相手の狼人間として出演しました。

もうひとつの夫婦はヴィジョンを演じるポール・ベタニーさんと、スパイダーマンのA.I.カレンを演じるジェニファー・コネリーさん。二人が同じシーンに登場する事はありませんが、どちらもA.I.キャラクターという所に不思議なつながりがあります。

未婚のカップルについて言及すれば、「スパイダーマン:ホームカミング」の撮影で出会って交際がスタートしたトム・ホランドさんとゼンデイヤさんのカップルは有名で、もう一組「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」や「エージェント・カーター」で若きハワード・スタークを演じたドミニク・クーパーさんと「キャプテン・マーベル」ミン・エルヴァ役と「エターナルズ」セルシ役のジェンマ・チャンさんらのカップルがいます。

クリス・ヘムズワースさん一家は「ソー:ラブ&サンダー」で息子と娘も出演していますから、MCUがあと数年、数十年と続くことでトム・ヒドルストンさんのファミリーも兄上一家に続く可能性がありそうです。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中、ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、6話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年11月10日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード6「Glorious Purpose(邦題:大いなる目的)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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大いなる目的

今回のエピソードを象徴するように、マーベル・スタジオのロゴシークエンスはいつもとは違って逆再生バージョンとなっています。また、エピソードタイトルが「大いなる目的」であり、これはシーズン1の1話と同じタイトルでループに陥る事のあらわれです。

ロキが時を遡って事態を変える、「物語を書き換える」事は前回で予告されていたため、このシークエンスは「いよいよだな」という思いにさせてくれます。

無限のタイムスリップ

運命論は古くから様々な創作物で描かれているもので、今回のロキも運命の打破のために奮闘しています。

タイムスリップの連続をコミカルに描くシーンではベートーヴェンの「運命」をアレンジした楽曲が流れています。この曲が作られた1976年に在り続ける者がコミックの「Thor #245」でデビューしている事も一種の運命なのでしょうか。

キャパを増やすための倍増機を完成させようと繰り返し挑む中で、何度やってもうまく行かないロキは少しずつ物語を逆行していきます。しかしそれでもうまく行かないロキは過去に戻ってアドバイスする事を諦め、百年かけて自身で知識を身につける事を選択しました。MCUのアスガルド人の寿命は明確にされていませんが、5000年前にダークエルフとソーの祖父ボーが戦っているというエピソードから考えると、アスガルド人にとっての百年というのは地球人にとっての大学受験勉強期間程度であると予想されます。

苦労を繰り返し乗り越えたロキでしたが、処理速度とキャパシティを増大させても無駄だったという運命に行き当たりました。

シーズン2の最初からやり直しても駄目だったロキは予想どおりシーズン1のエピソードにまで遡ります。

シーズン1でも無限ループ

シタデルに戻ったロキは在り続ける者との対話の中で、時間織り機とは在り続ける者が用意したフェールセーフ機能としての安全装置であり、「キャパを超えた時に自動的に神聖時間軸以外を剪定する装置」だった事を知ります。

数千回のループを経験したロキは負けを認め、方程式を変える、つまり織り機を守るのではなく破壊する事を選択肢に入れ始めます。

在り続ける者は「織り機を壊して戦争を起こしてゲームオーバーか、シルヴィを殺して守れるものを守り抜くか」の究極の選択を迫ります。

最初の戦争はレンスレイヤーとアライオスの活躍で勝利した事が分かっていますが、次の戦争に勝てない理由はいまいちはっきりしていません。

ロキの選択

シーズン1のエピソード1、ロキはタイムシアターでのメビウスとの対話シーンまでさかのぼりました。命の取捨選択を迫られているロキはそれを仕事で行っているメビウスに対して疑問をぶつけます。

ここではかつてメビウスが仕事を放棄し、レンスレイヤーが代わりに汚れ仕事にあたった事の詳細が説明されています。この二人の関係はシーズン1でも示唆されていたもので、彼女の記憶にあるという事は在り続ける者に記憶を消された後の話しであると推測できます。

メビウスは「安らぎなんてない、どの重荷を選ぶかだけだ」と自身の行動や選択について話し、これによって「シルヴィを殺して在り続ける者とTVAを維持する」方法を採ったとしてもメビウスはずっと汚れ仕事を続ける事になり、メビウスでなくとも他の誰かが永遠にそれを繰り返すだけだとロキは悟ります。

次にシーズン2のエピソード5の「時間の終わり」のシーンに飛んだロキはシルヴィと対面。ロキ同士で察しがいいのかシルヴィはロキの現状をある程度理解し、「神聖時間軸を守るだけではだめだ」と忠告。「ときには破壊することも必要だ」というシルヴィの言葉で、ロキは「破壊したものよりも良いものを作れるならそうするべきだ」との考えに至りました。

ようこそ在り続ける者

再び時間織り機のシーンに戻ったロキ。ちょうどヴィクター・タイムリーの時間オーラ測定のタイミングで「ようこそ在り続ける者」のシステムアナウンスが重なる事で、ロキが新たな在り続ける者であるかのような演出になっていました。

視聴者にもおなじみとなったメンバーの顔を見渡し、覚悟を決めたロキはひとりで階段を降りていきました。

マイティ・ソーへのリターン

防爆扉の前で振り返り、「もう分かっている、どんな神になるべきなのか。お前たちのために 我々のために」のためにつぶやくロキ。

これは映画「マイティ・ソー」の反復です。

「マイティ・ソー」の1時間40分あたりでビフレストが暴走し、橋が崩れる中でロキは落下。そのロキの杖をソーが掴み、ソーの足をオーディンがつかみ取りました。そこでロキはオーディンに対して「敵を倒そうとしたんです。父上やみんなのために」と言い訳をしました。

日本語は表現パターンが豊富な事もあって全く違った文章になっていますが、英語ではどちらも「for you , for all of us」となっています。

「マイティ・ソー」での You はオーディンであり、Us はアスガルドの民を指しており、「ロキ」では You はメビウスたち友人の事で、Us は分岐時間軸を含めたすべての生命を指していると考えられます。

©MARVEL,Disney

ある種、デビュー当時にまでもループしたと言えるでしょう。

そしてロキは悪戯の神 God of Mischief から 物語の神 God of Stories へと転身、ならぬ転神を始めていくことになります。これは前回のエピソードでも「物語を書き換えに行く」と明言して予告していた事で、コミックの「エージェント・オブ・アスガルド」のストーリーをもとに構成されています。

ユグドラシルの誕生

分岐時間の糸を掴み取り、崩壊した玉座まで持っていったロキはそれらを束ね合わせてすべての糸を自分につなぎ合わせ、文字通り人柱と化し、ユグドラシルの形を作り上げました。

©MARVEL,Disney

ロキのキャラクターカラーが緑だったからこそ、世界樹ユグドラシルは、より相応しい形とも言えそうです。

世界樹ユグドラシルについては「マイティ・ソー」で「ミッドガルド(地球)やアスガルドなど9つの世界を結ぶ存在」だとソーがジェーン・フォスターに説明していましたが、ロキが生み出したマルチバーサル・ユグドラシルはすべての時間軸を結ぶ存在と言えるのでしょう。

新たなTVA

シーズン1のエピソード1では「MUST BE PRUNED NEXUS EVENT」(分岐イベントは摘み取る)というポスターが掲げられていましたが、新しく映されたポスターには「Grow Together」(共に伸びよう)と書かれています。ユグドラシルは樹として無限に枝分かれする事を許容しているようで、分岐を歓迎する標語へと変更されました。

オフィスではミス・ミニッツが予告どおり再起動される様子が描かれていました。しかし彼女がどの程度変化しているのかは、今後のシリーズ再登場までお預けです。

剪定の必要がなくなったTVAは新たな業務として、在り続ける者が予告していた戦争に備えている事がわかります。その一つが在り続ける者の変異体の監視で、メビウスは「616周辺で変異体の一人が騒ぎを起こした。でも片付いた」と報告しています。

Earth-616は神聖時間軸と呼ばれてきたMCUでのメインの時間軸ですが、周辺(adjacent、隣接)という言い回しが少し気になる所ではあります。ここでの会話は「アントマン&ワスプ:クアントマニア」を指していると考えられるのですが、616の「周辺」とは何か意味があるのでしょうか。

その後、メビウスが新たな任務に出る事は分かりますが、その内容は紹介されません。過去に報道されたMCU全体の今後の噂からある程度推測が可能ですが、ネタバレ回避のために一応隠しておきます。

カーンとの戦争に備えてTVAは様々な分岐時間軸からヒーローのプライム(最高、最良の)バージョンを集めていると噂されています。「デッドプール3」でTVAはヒュー・ジャックマンさんのウルヴァリンをウルヴァリン・プライムとして勧誘する事になるようです。(参考記事
こういった噂から、メビウスはTVAのスカウトチームに所属している可能性が考えられます。

TVAのハンドブックも改訂されました。神聖時間軸の少年時代のヴィクター・タイムリーの部屋にハンドブックが投げ込まれることはなく、後ろを振り返ったけれど何もなかった映像が差し込まれ、彼は視聴者が見てきたヴィクター・タイムリーとは別の人生を歩むことになるようです。

ラヴォーナ・レンスレイヤーのその後

ラヴォーナのその後についてはほとんど描かれませんでした。ヴォイドに送られ、アライオスと対面しているであろう事は予告映像からも分かっていた事で、かつてのTVAの名残である「時をいつでも」のプレートが映された以外は予告映像と変わりがありません。

5話の記事のラストでも指摘しましたが、シーズン1とシーズン2の在り続ける者の発言からレンスレイヤーがアライオスをコントロールしていた可能性が高く、その記憶が失われているレンスレイヤーが飼い犬に手を噛まれるが如くこのまま食べられてしまうのか、それともアライオス側が主人を覚えていたり、レンスレイヤーが思い出したりして再び関係を築き、カーンやロキに対する復讐へと踏み出すのか、どちらにも派生出来るような結末となっています。

メビウスとシルヴィ

任務の前に「何を守っていたのか見ておきたい」と言っていたメビウスは自身のオリジナルであるドンの自宅前から彼らの様子を伺っていました。

「見なきゃ分からなかった」というメビウスに対して、シルヴィはしばらくの別れを告げどこかへ去っていきました。時間の概念がなかったTVAを出て「時がすぎるまで」守りたいものを眺めていたメビウス、それが見えているのかいないのか、時の王座のロキは少し微笑むような表情で幕を下ろしました。


「マイティ・ソー」でヴィランデビューして以来、基本的には悪さを行ってきたロキですが、シーズン2の5話では「ひとりは嫌だ」と本音を吐露し、たちのわるい構ってちゃんだった事が判明しました。王になりたかったのも家臣や民が構ってくれるという延長線上にあったのかもしれません。

そんなロキがみんなを救うために孤独を選ばざるを得なかったのは極めて悲劇的な結末でした。

しかし、在り続ける者から指摘されたゲームオーバーが確定しているマルチバース・ウォーのリスクを受け入れてこの選択をした事は、残されたメビウスやシルヴィが戦争を克服するだろうという信頼であり、愛する兄上とその仲間のアベンジャーズがなんとかしてくれると信じているからかもしれません。

そして、プロデューサーがシーズン2配信前にプロデューサーは「ロキとソーの再会は最優先事項」とも語っていた事で、いずれロキがユグドラシルから解放される可能性に期待したい所。誰かが助けにくるのかもしれませんし、これに何か問題があってカーンの誰かが破壊しにくるのかもしれません。

ふたつのシーズンを通して未解決な事としては、シーズン1の最終話28分ごろからの「在り続ける者が10秒前から先が読めなくなった事」で、当初はこれが時間の外部からの(カーンの)干渉によって防御機構のようなものが破壊されて戦争が始まったのではと考えていましたが、それ以降は他の作品も含めて特に触れられず、シーズン2でもわからずじまいでした。何か見落としているのかと思い、シーズン1から再視聴している最中です。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中です。

映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は大規模な再撮影へ

マーベル・スタジオが制作中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」が大規模な再撮影に入ると、インサイダーのジェフ・スナイダー氏が報告しています。一旦は撮影が終わっていた本作ですが、先日、延期の発表がされていました。

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スナイダー氏はキャプテン・アメリカ4作目の映画について「スクリーンテストでマイナス点が出たため、大規模な再撮影が行われていると聞いている。3つの主要なシークエンスがカットされ、再撮影は来年1月から5月にかけて行われるようだ。」と報告しました。

俳優組合のストライキ前に撮影が終了していた「キャプテン・アメリカ4」はこの期間中に編集作業を進めていたため、先に公開予定ながら撮影が中断していた「デッドプール3」に比べて進捗が進んでおり、公開順序が逆転するのではないかと考えられていました。

しかし、予想に反して「ブレイブ・ニュー・ワールド」も7ヶ月の延期を発表。この延期の理由が今回明らかになった大規模な再撮影という事になるようです。

3つのシークエンスが変更対象になっているとの事であり、現在噂されているような物語の内容は大きく変わる可能性がありそうで、今しばらくのんびりと続報を待つ必要がありそうです。

映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は 2025年2月14日 、米国にて劇場公開予定です。

「デッドプール3」でエド・スクラインさんのエイジャックスも復帰か、ライアン・レイノルズさんがほのめかす

マーベル・スタジオが制作中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「デッドプール3」の主演を務めるライアン・レイノルズさんが、1作目のヴィランであるエイジャックスの復活を匂わせるような内容を自身のSNSで投稿しています。

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ライアン・レイノルズさんはエイジャックスの本名フランシスの名を口にするデッドプール1作目の切り抜きgif画像を投稿。

エイジャックスは映画1作目のヴィランで本名をフランシス・フリーマンと言いますが、フランシスは女性名であり彼は自身の事を「エイジャックス」と呼ばせて、フランシスと呼ばれることを嫌っていました。

1作目のエイジャックスはウェポンXプログラムを仕切ってる組織のリーダーとして登場し、難病治療と称して集めた患者を人工ミュータントに改造し、超人奴隷として売り飛ばしていました。

俳優のストライキが終わり、撮影が再開に向かう中でのこの投稿が何を意味しているのかはハッキリとしていませんが、いいねの数やコメントを見る限り、ファンは一瞬でもフランシスが戻ってくる事に歓迎のようです。

映画「デッドプール3」は 2024年7月26日 に米国にて劇場公開予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン3の可能性についてプロデューサーがあらためて言及

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2のケヴィン・ライトプロデューサーが、複数の海外メディアとのインタビューに応じ、ロキの将来について語り、その中でシーズン3の可能性についても言及しました。

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シーズン2のロキの結末を経て、「3シーズン目や5シーズン目があるのか」という Deadline の質問に対してプロデューサーは次のように述べています。

私たちはシーズンごとに取り組んでいます。確かにトムと私や他のキャストが今後の展開について話し合ったことはありますし、内部的にはそれについて興奮していることはわかっていますが、ストーリーテリングの観点から言えば、私たちは常にシーズン1と2を全体として考えています。

これらは同じ本の2つの章であり、シーズン2でその本は終了しました。語られるべき他の物語もありますが、それらは新しい本になると思います。

プロデューサーは Collider との別のインタビューでも同様の回答をしていますが、そこでは「本」がまだたくさんあるとも説明しています。

シーズン1とシーズン2は同じ本の 2 つの章のようなものです。私たち関係者全員が、『シーズン2はその本の最終章だが、このキャラクターやこの世界に関する本が他にもたくさん本棚にある』とかなり強く感じました。しかし、これ(シーズン2)はシーズン1で作り上げた素晴らしい作品の結末にしたかったのです。フィナーレで常に人々を劇的なクリフハンガーにさらしたくないのです。

シーズン3の計画について Variety にストレートに質問されたプロデューサーは、この作品には「終わりがない」と主張した後、再びこの作品の「さらに多くの物語」の可能性をからかいました。

それは無制限だと思います。我々は確かに、シーズン1はシーズン2ありきで制作しましたが、今回は『シーズン3の準備をしなければ』という方向で開発を進めたわけではありません。シーズン1では、非常に具体的な『我々はこうだ』ということがあったのです。しかし、私はまた、このドラマが進む先には、『ロキ』の世界や、ロキというキャラクターに関係する他の世界で、ロキとともに語られるもっとたくさんの物語が確かに存在する可能性があるとも思います。

ケヴィン・ライトプロデューサーはいずれの回答でも「シーズン3の予定があるわけではない」としましたが、トム・ヒドルストンさんらと今後の話し合いをしたことや、他にも描きたいストーリーがたくさん残されているとも明かしました。その残された本のうちの一冊にあたる物語なのか、シーズン2配信前にプロデューサーは「ロキとソーの再会は最優先事項」とも語っていました。

最近、 THR は「ディズニーとマーベル・スタジオはMCUのドラマを単発ではなく長期シーズンにしていきたいと考えているようだ」とも報告しており、ゴッド・オブ・ミスチーフ(悪戯の神)からゴッド・オブ・ストーリーズ(物語の神)へと進化したロキの今後に期待しながら待つ他ないようです。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

ソース:Deadline , Collider , Variety

ディズニーが「デッドプール3」「キャプテン・アメリカ4」など4作品のスケジュール更新、2024年はデップーのみに

ディズニーとマーベル・スタジオが SAG-AFTRA ストライキの終了を受けて、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の劇場公開作品4作品の新たな日程を発表したと、海外メディア The Hollywood Reporter 等が報じています。いずれも延期となり、2024年は「デッドプール3」のみが公開となります。

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米国の公開予定日の変更内容は以下の通り。

作品名2022年時点2023年6月発表新公開予定
デッドプール32024年11月8日2024年5月3日2024年7月26日
キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド2024年5月3日2024年7月26日2025年2月14日
サンダーボルツ2024年7月26日2024年12月20日2025年7月25日
ブレイド2024年9月6日2025年2月14日2025年11月7日

「デッドプール3」は主演のライアン・レイノルズさんがほのめかしていたように「2024年夏」公開で、これは以前に「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」の予定でした。

大方の予想を裏切って「キャプテン・アメリカ」4作目は前倒しにならずにさらなる延期となりました。「デッドプール3」と公開順を変更出来ない事情が生まれたか、新たに再撮影が必要な部分が発生した事が考えられます。また、ディズニーのMCU以外の映画に関しても大幅な調整が入れられており、各作品を一時期に集中させすぎないようにした結果の延期という可能性もありそうです。

撮影が始まっていなかった「サンダーボルツ」と「ブレイド」に関しては延期もやむなしと言った所でしょうか。

この4作品以降の「ファンタスティック・フォー」や「アベンジャーズ」最新作についても影響があると見られていますが、現段階では発表はありません。

ソース:‘Deadpool 3’, ‘Captain America 4’ Among Marvel Release Date Changes as Strike Ends

ライアン・レイノルズさんがドッグプールの登場と「デッドプール3」の延期をほのめかす

マーベル・スタジオが制作中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「デッドプール3」の主演を務めるライアン・レイノルズさんが自身の Instagram を更新し、ドッグプールの登場と映画の延期をほのめかしました。

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デッドプール風の衣装を着た犬が車の割れたフロントガラスから身体を乗り出している写真を投稿したレイノルズさんは、「2024年の夏に映画にやってくる」とコメントしており、映画の延期とドッグプール登場を予告しました。

「デッドプール3」は 2024年5月3日 の公開が予定されていましたが、ストライキの影響で撮影が中断される状態が続いていた為、延期が危ぶまれていました。

既に撮影を終えている「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」と公開日を入れ替えるのではないかとも考えられていた事で、「デッドプール3」が 2024年の夏になる事は想定の範囲内と言えます。正確な日付や、キャプテン・アメリカ4作目が実際に予定より早く公開されるかどうかは今後の公式発表を待つことになります。

ドッグプール登場の噂は以前から報じられており、実際のヴィジュアルが解禁された形になります。

コミックではウェイド・ウィルソンと名付けられた犬が動物実験によって大きな外傷を負いつつもヒーリングファクターを獲得したミュータント犬という事で、基本的には人間のウェイド・ウィルソンとまったく同じ設定となっています。ドッグプールはその後サーカス犬として生活していた所、マルチバースを渡ってきたデッドプールにスカウトされ、チームに所属しました。

先刻、俳優組合のストライキが現地時間9日午前0時1分をもって終結することが発表されており、撮影再開を心待ちにしていると語っていたライアン・レイノルズさん、ヒュー・ジャックマンさん、ショーン・レヴィ監督らがほどなく動き出すと見られています。なお、Variety は感謝祭(11月23日)までに再開するようだと報告しています。

映画「デッドプール3」は 2024年夏 米国にて劇場公開予定です。