ドラマ「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ」の新たな魔女キャスティングが報じられる

マーベル・スタジオが制作するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「アガサ:カヴン・オブ・カオス:ダークホールド・ダイアリーズ」または「アガサ:カヴン・オブ・カオス」に登場するMCU版のセーラムズ・セブンに、「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」でリサ・トレヴァーを演じたマリナ・マゼーパさんが参加すると報じられました。

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キャラクター名は明らかになっていませんが、蛇に変身する能力を持っているとの事で、コミックのセーラムズ・セブンの一人レプティラをベースにしたキャラクターである事が伺えます。

ウクライナ出身のモデル、ダンサーであるマリナ・マゼーパさんは2018年の「アメリカン・ダンスアイドル」や2019年の「アメリカズ・ゴット・タレント」で注目を集める様になり、2021年から俳優として「マリグナント 狂暴な悪夢」、「アンホーリー 忌まわしき聖地」、「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」の3本のホラー映画に出演しました。

「アガサ」にホラー要素があるかどうかは不明ですが、どのような演技を見せてくれるのか注目となります。

ドラマ「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ」はディズニープラスで配信予定です。

アニメ「ホワット・イフ」S2のエピソードリストが更新

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ・・・?」シーズン2の各エピソードタイトルが過去に何度か報じられましたが、今回新たにアップデートされた内容が報告されています。

※これより先は「ホワット・イフ・・・?」シーズン2のネタバレを含んでいる可能性があります。ご覧の際はご注意ください。

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エピソードの内容は前回と同じで、配信順に変更が見られるようです。

No.今回のレポート前回のレポート
1もしもネビュラがノヴァコープスに入ったら?もしもネビュラがノヴァコープスに入ったら?
2もしもピーター・クイルが地球最強のヒーローたちを攻撃したら?もしもピーター・クイルが地球最強のヒーローたちを攻撃したら?
3もしもハッピー・ホーガンがクリスマスを救ったら?もしもカッホリが世界を作り変えたら?
4もしもアイアンマンがグランドマスターと激突したら?もしもヘラがテン・リングスを見つけたら?
5もしもキャプテン・カーターがヒドラ・ストンパーと戦ったら?もしもアイアンマンがグランドマスターと激突したら?
6もしもアベンジャーズが1602年にアッセンブルしたら?もしもハッピー・ホーガンがクリスマスを救ったら?
7もしもヘラがテン・リングスを見つけたら?もしもキャプテン・カーターがヒドラ・ストンパーと戦ったら?
8もしもカッホリが世界を作り変えたら?もしもアベンジャーズが1602年にアッセンブルしたら?
9もしもストレンジ・スプリームが介入したら?もしもストレンジ・スプリームが介入したら?

配信日については今のところ公式発表がなく、THRはクリスマス時期になると以前に報じておりTCCは12月22日になるだろうとしています。

アニメ「ホワット・イフ・・・?」シーズン2はディズニープラスで配信予定です。

トム・ヒドルストンさんがロキの「デッドプール3」登場の噂に言及、戦う前から白旗状態か

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」の主演を務めたトム・ヒドルストンさんが、海外メディア Comicbook.com とのインタビューの中で「デッドプール3」出演の噂について言及し、デッドプールとロキの舌戦に興味を示しました。

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出演の噂について質問されたヒドルストンさんは「それは面白いでしょうね」と微笑みながら「そうだね。デッドプールがロキについて何を言うかとても興味があります 。ロキは萎縮してしまうかもしれないね。とはいえ、ロキも雄弁で有名なので、できる限りのことはするだろうね。」と噂への返答は避けつつも、二人のやり取りが楽しい物になりそうだと語りました。

先日出演した「The Tonight Show with Jimmy Fallon」でも「デッドプール3」について質問された際、「彼らがデッドプール3を作っていることは知っています」としつつ、「とても良い質問ですね。私はそれに答えることができるすべての答えを考えています。私が好きなライアン・レイノルズが英国でフットボールチームを所有していることも知っています。サッカーチームです。」と自身の「デッドプール3」への関与については一切触れないような回答に留まっていました。

「デッドプール3」ではTVAが関係してくると古くから海外スクーパーが発信しており、当初はロキの登場が予想されていましたが、いつしかそれはメビウスの役割になると報道されるようになりました。実際「ロキ」シーズン2の最終回を見ると、「デッドプール3」に登場するとすればロキよりもメビウスのほうが適合していると思えます。

「デッドプール3」やそれ以降のプロジェクトでロキとデッドプールの言葉による戦いが見られる日は訪れるのでしょうか?

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中、映画「デッドプール3」は 2024年7月26日 に米国にて劇場公開予定です。

ソース:Tom Hiddleston Teases “Hilarious” Interaction Between Loki and Deadpool

スティーブン・キングさんが米国での異常な「マーベルズ」叩きに不快感を示す

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」は当初の売上予想よりもさらに下を行く低調な出だしとなりましたが、これを叩く米メディアやSNS(大多数が未鑑賞と思われている)ユーザーに対して、小説家のスティーブン・キングさんが不快感をあらわにしています。

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キングさんは 「私はMCU映画を見に行かないし、興味もありませんが、THE MARVELS の興行収入が低いことを匿名で叩いているのは非常に不愉快です。なぜ失敗をほくそ笑むのでしょうか?」と X に投稿。

別の投稿では「この反応の中には、思春期のファンボーイによる嫌悪感もあるかもしれない」とし、有名小説家の意見を支持するコメントの中では「マーベルズ」の低評価は黒人女性監督による女性主導の作品という事による性差別、人種差別、女性蔑視などから来ているのだろうと考えるファンも少なくありません。

Rotten Tomatoes では 84% と十分な視聴者スコアになっており、うち60%ほどしかディズニープラスに加入していない事を考えると、ドラマ視聴が前提でないと全く楽しめないという作品でもありませんでした。

ファンは有毒な投稿をいちいち気にする必要はありませんが、内容が良いだけでは成り立たないのがこの市場の難しい所であり、興行収入の結果次第では親会社であるディズニーのキャプテン・マーベル三作目に対する財布のひもの縛り具合に大きな影響を及ぼす可能性があります。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。

ドラマ「ロキ」S2、監督とライターがロキの新たな役割を説明、当初はユグドラシルではなかった、ブラッドのその後についても明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2のヘッドライターを務めたエリック・マーティンさんと監督コンビのジャスティン・ベンソンさんとアーロン・ムーアヘッドさんが海外メディア Deadline とのインタビューで、ロキの新たな役割について説明しました。

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エリックさんはシーズン1の途中から、チームはシーズン2で「ロキを小文字の g の神から大文字の G の神に変える」事を望み始めていたと言います。

そして「ロキが最後に手に入れる王座は、彼が最も望んでいたものではないというアイデアかがありました。」としつつ、「彼の目的はすべての時間を一つに保つことです。彼は織機に取って代わりました。彼は非常に強力になり、彼だけが時間を一つに保つことができるのです。」と語りました。

「キャラクターたちにとって常に可能な限り難しいものにしたいと思っています。旅が困難であればあるほど、勝利の価値は高くなります。より満足のいく結論が得られます。ロキを30マイルの荒れた道に連れて行きたかったのです。これを困難にしようと思ったのです」とマーティンさんは説明しました。「なぜなら、私たちがロキをこの大文字のゴッドにレベルアップするつもりなら、彼は困難を乗り越えて勝ち得なくてはなりません。ゴッド・ロキが今や信じられないほど知識が豊富で、信じられないほど強力になっているという点で、それは実際にもっともらしいものでなければなりません。しかし、時間が私たちに与えてくれるのは知恵です。彼は今、信じられないほど賢くなっています。彼はこれまでたくさん生きてきた。そういったことすべてを考えれば、彼を絞り機に通すことが絶対に必要だと感じたのです。」

エピソード4から6を担当した監督コンビのうち、ベンソンさんは後半の展開について次のように語りました。

「これの素晴らしいところは、膨大な量のストーリーラインとキャラクターが織り交ぜられたプロジェクトを継承するという側面があるということです。複雑に聞こえるかもしれません。しかし、別の受け取り方もあります。それは、本質的に荷物を抱えていて、誰もがそれを知っているキャラクターを演じているということです」

「だから、脆弱性とトラウマのある場所から始めて、その人がどこから来たのかを知ることができます。そこから始めなければなりません。それで、それをまとめて、私たちが終わりと見なすものに持っていこうとすることができたのは、本当に、本当に興味深いことでした。」

ゴッド・ロキは最終的にユグドラシルの形をとって進化した織り機の役割を果たしましたが、当初はユグドラシルのヴィジュアルではなかったようです。これは2022年10月に撮影が終了したあと、2023年1月に持ち上がったとプロデューサーは言います。そして、このアイデアの実現のためにポストプロダクションチームは約7ヶ月を費やしたと明かしました。

ハンターB-15やウロボロスのその後などは少し描かれましたが、X-5ことブラッド・ウルフのその後は明確に描かれませんでした。これについてムーアヘッド監督は次のように述べています。

「ミス・ミニッツを再起動して、彼女が危険なAIであるかどうかを調べているシーンで、メビウスがコーヒーカップに何かを夢中にして固まっているのにお気づきでしょうか?彼の机のファイルの下に目をやると、ブラッド・ウルフを特集したジェットスキー雑誌があるのがわかります。それが実際にブラッドに起こった物語の続きなんです。

シーズン2の1話の序盤でメビウスのデスクにあるジェットスキー雑誌を見て「楽しそうだな」と興味を持っていたブラッドでしたが、俳優としての人生に戻り、ジェットスキーにふれる機会を得ているようえです。

他に観客に知っておいてほしいことはあるかとの質問に対して、ムーアヘッド監督はにっこりして「アルカトラズ島にはジョンとクラレンス、つまり私たち二人の延長シーンがあり、いつか日の目を見ることになるでしょう。スチールブックで発売するために我々は会社にかけあってみようかな。」と語りました。

TVAのエージェントたちの物語もここで一旦終わりになりますが、彼らのうちどの程度が今後の物語に戻ってくることになるでしょうか。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

ソース:The Making Of The ‘Loki’ Season 2 Finale: Evolving Tom Hiddleston’s Character & Setting The Stage For A Multiversal War

ドラマ「ロキ」S2プロデューサーが兄弟の再会について言及─「本当に美しいものになる」

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたケヴィン・ライトさんが、海外メディア Comicbook.com とのインタビューに応じ、ロキとソーの今後について新たに言及しました。

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以前からソーとロキの再会が最優先事項だと語っているライトさんは、「それは常に私の希望です。(ロキは)とても変化していて、ソーも今ではとても変化しました。いつかどこかで、誰かがその再会の物語を語れるようになることです。それが面白いところだと思うんです。私の頭の中では、彼らは奇妙に違いますが、二人の間には深い内なる理解があると思います。そして、それは単に本当に美しくてクールなものになる可能性があると思います。」 と今回のインタビューで語りました。

視聴者がソーとロキを同じスクリーンで見たのは2018年の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が最後であり、以降5年間、兄弟は別々の道を歩んでいます。しかしながら「ソー:ラブ&サンダー」においてソーはロキを失った悲しみを背中にタトゥーで表現し、ロキもドラマ内で何度かソーに言及し、互いへの思いをアピールしてきました。

二人の再会が「ロキ」シーズン3になるのか、それとも別のプロジェクトになるのかは不明であり、ファンはもうしばらくそれぞれの旅を見守る必要があるようです。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

ソース:Loki Producer Teases Potential Thor and Loki Reunion Following Season 2 Finale (Exclusive)

 

ドラマ「ロキ」S2、物語が終わったと考えるのは賢明ではないとトム・ヒドルストンさんが語る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2の主演を務めたトム・ヒドルストンさんが、海外メディア Comicbook.com とのインタビューの中で本作が自身の最後の出演とは考えていない事を明らかにしました。

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インタビューでシーズン2が最後の物語になるのかと質問されたヒドルストンさんは「正直に言うと、僕は人生で少なくとも2回はロキに別れを告げました。ケヴィン・ファイギとルイス・デスポジートとヴィクトリア・アロンソに手紙を書いて、『本当にありがとう。一生に一度の大役のようなものでした』と手紙を書きました。そうして彼らは『いつでも家族の一員だよ。私たちはいつもここにいる。あなたは私たちに多くのものを与えてくれたし、涙も分かち合った。』と返事をくれました。だから、この時点で結論づけるのは賢明ではないと思います。」と述べました。

したがって、「ロキ」シーズン2が最後ではなく、ひとまずの区切りであるという認識をしているようです。

プロデューサーのケヴィン・ライトさんはシーズン2最終話配信後のインタビューで「2つの章で構成されたドラマの『ロキ』という一冊の本が終わっただけで、本棚には語られるべきロキの本がたくさんある」とさらなる物語がある事を示唆しています。

トム・ヒドルストンさんは 2010年 の「マイティ・ソー」で初めてロキ役を演じた後、「アベンジャーズ」、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「アベンジャーズ/エンドゲーム」に出演。

「インフィニティ・ウォー」でサノスに殺されたロキは、「エンドゲーム」のタイムトラベルで再び登場し、そこから派生してドラマの「ロキ」がスタートしました。シーズン2のラストでゴッド・ロキとなった彼は今後のMCUにどのような影響を与えていくのでしょうか。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

ソース:Tom Hiddleston Rules it “Unwise” to Believe Loki’s Story Is Truly Over (Exclusive)

【噂話】ドラマ「ロキ」シーズン2、シルヴィがラストで向かった先はソーとの合流か

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2の最終話が先週から配信され、感情的な結末を迎えました。そのラストシークエンスの一部ではシルヴィとメビウスの別れが描かれましたが、シルヴィが行き先を告げる事はありませんでした。スクーパーはこれについてソーとの合流を示唆し、今後の重要なプロットポイントになると言います。

※これより先は今後のMCUのネタバレを含んでいる可能性があります。ご覧の際はご注意ください。

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The Cosmic Circus のアレックス氏は「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」ではシルヴィがアベンジャーズを率いてカーンと戦うことになるとし、そのために「ロキ」のエンディングでまずはソーとの合流に向かったと報告しています。

ゴッド・ロキは時の王座でしばらく動けないためにシルヴィが代わりを務めるのは理にかなっている所で、コミックのロキがアベンジャーズをアッセンブルした事があるように、ロキの変異体であるシルヴィがそれを再現したとしても不思議ではありません。

一方でゴッド・ロキが神聖時間軸に戻ってくる事についても複数のスクーパーが支持しており、いずれユグドラシルが破壊されたり機能停止した際に合流のタイミングが生まれると考えられます。

アベンジャーズの映画が「ザ・カーン・ダイナスティ」と「シークレット・ウォーズ」に分かれているのは安直なアイデアながら「インフィニティ・ウォー」と「エンドゲーム」のようにアベンジャーズが一旦敗北するとも考えられています。

一連の噂は「ザ・カーン・ダイナスティ」でシルヴィのアベンジャーズが敗北し、「シークレット・ウォーズ」でメビウスが招集するデッドプールやウルヴァリンが参加するアベンジャーズが勝利するという流れが思いつく所。それに対してスタジオからどのようなアイデアや捻りが加えられていくのか、今後の展開にも注目です。

ドラマ「ロキ」はシーズン2までディズニープラスで配信中です。

【ネタバレ】映画「マーベルズ」のネタバレ有り解説感想など雑記

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」が劇場公開され、鑑賞してきたので感想やポイントの解説などを書き連ねていこうと思います。感想を簡単に述べておくと「楽しくて後味すっきり目」という所でしょうか。これ以降はネタバレが含まれていきます。

※これより先は「マーベルズ」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

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MCU史上最短の映画

本作のランタイムは 1時間45分 ほどで、MCU史上最短の映画となりました。監督は2時間以内におさめたいと言うポリシーがあったようです。最短とはいえ標準的な映画のランタイムであり、必要な要素は盛り込まれています。

「キャプテン・マーベル」公開時同様に女性差別的なレビュアーの投稿や感想動画なども多く見かける本作ですが、一部急な脚本進行があるもののコメディやエモーショナルなシーンのバランスもよく、楽しい映画に仕上がっていました。その分「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」や「アベンジャーズ/エンドゲーム」のようなピリつくような感覚はないため、殺るか殺られるかのような映画が好きな方には少し退屈かもしれません。

三人のアンサンブル

キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース、モニカ・ランボー、ミズ・マーベル/カマラ・カーンの即席チーム「マーベルズ」は劇中で起こってしまう入れ替わり現象によって独特なアクションは他のMCU作品ではなかなか見られません。代替できそうなのはドクター・ストレンジでしょうか。ハリウッド作品では比較的珍しいヒーローのトレーニングシーンなどもあり、オタクを自称するニア・ダコスタ監督の日本的な感性も出ているようです。

カマラのムードーメーカー感も良く、「ワンダヴィジョン」でも示唆されていたキャロルとモニカのギクシャク感を包み込む包容力を見せてくれました。それもあってかチームは一貫して団結感があり、ソーとハルクがしょっちゅう喧嘩をしていたアベンジャーズや、スターロードの言う事を誰も聞かないガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとはまた違ったチームカラーを見せています。

キャロルの自責や後悔

今回の事件の発端として、また、キャロルが地球にほとんど戻らなかった理由について今回描かれています。

映画「キャプテン・マーベル」のあと、ハラまで出向いてスプリーム・インテリジェンスを破壊していたようです。A.I.の支配から解放してあげようという気持ちで行ったようですが、これによって様々なバランスが崩れ、惑星ハラは滅亡の危機に瀕していました。

人助けをする一方で多くの人を苦しめてしまった事実がキャロルと地球を疎遠にさせていた事が判明しましたが、これもモニカとカマラによって受け止められるようになりました。

ヒーローのダー・ベン

本作のヴィラン、ダー・ベンはハラ出身のクリー人でキャプテン・マーベルによって滅びかけている星の再生と破壊者キャプテン・マーベルへの復讐を目的、動機として動いています。かつてスターフォースにも所属していたようで、スターフォースはクリーにとってのアベンジャーズのようなヒーローチーム。愛国心をもって行動しているダー・ベンはクリー人にとっては間違いなくヒーローでした。

とは言え彼女が民に敬愛されている様子はなくはないですが、あまり描かれる事がありませんでした。ダー・ベンに共感しすぎると結末の意味合いが変わってしまう可能性もあるので、そうさせないために敢えてヒーローの側面を削ったような印象もあります。

グースも活躍?

グースと子フラーケンたちも大活躍。しましたが、ここの脚本はちょっと弱めでした。フューリーの卵に対する危機感が低すぎた所はちょっとご都合感を覚えずにはいられません。また、避難であればもう一度ヴァルキリーに連絡してビフレストで繋いでもらっても済んだ事でした。

とは言えたくさんのフラーケンに追いかけられて飲み込まれていくS.A.B.E.R.クルーたちのヴィジュアルは面白く、多少強引にやっただけの価値はあったと思います。

MCUとしてのフリ

最後には以前からの噂どおり、ヤングアベンジャーズに繋がる部分とX-MEN関連の映像がありました。

(征服者ではない)カーン一家が引っ越しした後、カマラが向かったのはニューヨーク。暗闇の中でケイト・ビショップの帰宅を待っていました。そして「自分だけが子供(Kids)のスーパーヒーローだとでも?」と「アイアンマン」のポストクレジットシーンのフューリーのセリフを真似ています。

「子供?」と聞き返すケイト・ビショップは「23歳なんだけど」と答えたことで、「ホークアイ」当時22歳だった事から約1年後であるとわかります。「ホークアイ」は2024年のクリスマス、「シークレット・インベージョン」が2025年のロシアの祝祭である 11月4日 が含まれていたので、それ以降か2026年初頭あたりが「マーベルズ」の時系列となりそうです。

フューリーがアベンジャーズを集めた事を真似ている事から、カマラはやはりコミックのヤングアベンジャーズをベースにした若手チームの結成を目指している事が伺えます。

ミッドクレジットシーンでは別のマルチバースに飛び込んでしまったモニカが病室で目を覚ます映像。X-MENのバイナリーとビーストによって看護され、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアが存在する世界でもあるようです。マリア・ランボーはEarth-838でキャプテン・マーベルとして活躍しており、やはりヒーローとしての資質が高いようです。

どちらも後続のプロジェクトとの繋がりが楽しみな部分ですが、一方でMCUの締めの決まり文句である「マーベルズは帰ってくる」がなかったように思います。鑑賞したときの劇場の照明が気持ち早く点けられたので、字幕が飛んで見落としたのかもしれません。それかモニカがひとまず離脱した事が原因でしょうか。

疑問も多い

全体的に楽しかった一方で、「シークレット・インベージョン」には驚くぐらい触れられることがありませんでした。これに関しては別途まとめた記事をご参照ください。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-the-marvels-secret-invasion-unconnected-points/”]

クリーの母艦に残されたマーベルズの三人はダー・ベンの目的地をアラドナと予想し、先回りして危険を伝えます。しかしどうやってジャンプポイントを自在に作り出せるダー・ベンより早く到着したのでしょうか。キャロルの小型艇ぐらいしか通れない自然の小さなジャンプポイントが都合よくあったと考えて納得するしかありません。

そして、ダー・ベンのハラ再生計画はかなり大雑把です。イメージ的には理解できますが、実際問題として大気と水を別の惑星から持って来てミックスしても生態系はめちゃくちゃになってしまうでしょうし、うまくいくとは思えません。

また、大気を持っていかれたターナックスが崩壊する様子は見ましたが、水を持っていかれたアラドナは結局どうなってしまったのでしょうか。キャロルのセリフからは全滅は免れないようでしたが、ジャンプポイントが水だけを選んで運んでいるわけでもないため、一滴も残らないという事はないはずです。水がなくなれば酸素も減っていくことになるのでいずれにしてもアラドナ人は絶滅に追い込まれていきますが、全員が即死というわけではなく救助の余地があるはずです。

アラドナのシーンは楽しく、ヤン王子もいいキャラクターだっただけに全滅したとするのは残念の一言です。

カマラの腕輪も謎が多くありました。ダー・ベンはキャプテン・マーベルのエネルギーを腕輪で吸収し放出して攻撃していましたが、カマラはそれをなぜ吸収しかえさなかったのでしょうか。2つの腕輪が同一の能力なのか、異なる能力を宿しているのかに言及はありません。

くわえて、腕輪がなくてもカマラはハードライトを扱えていました。宇宙空間を漂うキャロルとダー・ベンが残した2つの腕輪を大きな光の手で回収しています。カマラにとって腕輪はピーター・パーカーを噛んだ蜘蛛と同じ存在で、ただの引き金という事でしょうか。

でも良かった

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でメイおばさんが殺されて以降、MCUの映画は重要キャラの死がつきまとっていました。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」、「ソー:ラブ&サンダー」、「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」いずれもそうでした。「アントマン&ワスプ:クアントマニア」のM.O.D.O.K.はいいとしてもアントマンシリーズに期待したコメディ感はほとんどなく、カーンの危機感が強すぎて暗いトーンの映画でしたし、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Volume 3」もロケットの状態にハラハラしすぎて「ホリデースペシャル」との落差も激しく、楽しいどころではありませんでした。

そういう意味ではフェーズ1の頃のような安心感のある楽しいヒーロー映画といった感じでした。次の劇場作品は「デッドプール3」の予定で、延期が決定してしまいましたが楽しみである事に変わりはありません。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。

【ネタバレ】映画「マーベルズ」とエンタングルしなかった「シークレット・インベージョン」の4つのポイント

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」では、キャロル・ダンヴァース、モニカ・ランボー、カマラ・カーンたち三人のパワーが Entangle (絡まる)して独特なアクションシーンを見せましたが、直前のイベントであったはずのドラマ「シークレット・インベージョン」とはほとんど絡みがありませんでした。この記事ではそれらのポイントを整理して紹介しています。

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ヴァーラの不在

ニック・フューリーの妻、プリシラ・フューリーことスクラル人のヴァーラは「シークレット・インベージョン」のラストで共にS.A.B.E.R.へと上がりました。

フューリーはクリーとスクラルの和平交渉が開かれるため、ヴァーラに最高の外交官としてついてきてほしいと頼み、ヴァーラがそれを承諾したわけですが、「マーベルズ」にヴァーラは登場しませんでした。

「マーベルズ」で見ることができた和平交渉のシーンは主に皇帝のドロージに集中しており、ヴァーラに関して何の言及もなかったのは残念なポイントでした。

ターナックス

和平交渉が行われた場所はスクラル人の居住する星ターナックスでした。コミックに登場するスクラルの首都ターナックスIVの名を冠しています。

ターナックスがあるのに「シークレット・インベージョン」で地球上に100万人もの難民スクラル人がいたことは少し解せない部分があります。

MCU版のターナックスの広さは不明ですが、ダー・ベンがターナックスの大気で惑星ハラをまかなおうとした事を考えると、ハラとターナックスの大きさは同程度かそれ以上あるはずです。MCU版のハラの設定情報も不足していますが、コミック版ではスターロードの報告で70億のクリー人が生活している(英語wiki)とされる大きさの惑星です。

広くても食料や水その他資源などが不足しているという可能性は大きいですが、ターナックスがありながら地球に多くの難民がいたことは説明不足感がありました。「シークレット・インベージョン」では、「宇宙には故郷スクラロスに代わる星がなかった」とフューリーがガイアに明かしていたわけで、「シークレット・インベージョン」と「マーベルズ」の間に住める星が見つかったとするのはなかなか苦しそうな所。

ドロージ皇帝も「シークレット・インベージョン」の内容に言及する事はなく、将軍のタロスを失った悲しみや地球に対する怒りなどをあらわにすることもありません。

アメリカの態度と亡命先

「シークレット・インベージョン」のラストでリットソン米国大統領は「地球で生まれた以外の者を全て敵の戦闘員とみなす」と宣戦布告しました。

にも関わらず、「マーベルズ」ではアメリカ政府の機関であるS.A.B.E.R.の職員として黄色い顔の女性宇宙人や300歳を超える宇宙人が登場しています。

この辺は「アベンジャーズ」を思い出しても理事会の言う事などまったく耳を貸さずに超人を集めたフューリーの事ですから、よろしく事を進めている可能性は大いにあります。

これに関連して気になるのは、ターナックスの生存者の亡命先としてニュー・アスガルドが選ばれたこと。「マーベルズ」だけを見ればこのプロットに問題はありませんが、「シークレット・インベージョン」でのアメリカの態度や世界の状況的には火に油を注ぐような問題であり、スクラル人内での格差も発生する事になるでしょう。

もしニュー・アスガルドが100万人のスクラルを受け入れられるならそもそも「シークレット・インベージョン」は必要なかった事になりますし、「マーベルズ」でヴァルキリーが受け入れを許したのはターナックスの生存者数十名だけの可能性が高そうです。

光の力

キャプテン・マーベルの光を吸収する力、モニカ・ランボーの光を見る力、ミズ・マーベルの光を物質変換する力が今回の映画のポイントとなったエンタングルに関係していました。しかし、キャプテン・マーベルと同じ力をもつタロスの娘ガイアが突然出てくる事はありませんでした。

予告の段階では不明でしたが、映画本編では基本的に同時にパワーを発動する事がトリガーになるとして、中盤で三人がタイミングを合わせるトレーニングをするシーンが用意されていました。基本的にはという言葉は特例があるという事で、最初の入れ替えシーン、ドラマ「ミズ・マーベル」のポストクレジットシーンにあたる部分では、カマラは腕輪が勝手に光りだしただけで特にパワーを使っているような描写はありませんでした。

最初の入れ替えはキャロルとモニカが同時にジャンプポイントに触れており、この二人と同種のパワーを持ちつつ、ジャンプポイントを作るクアンタムバンドを身に着けていたカマラが絡まったと考えるのが妥当な所でしょうか。

以上の事がガイアが絡まなかった理由と言えそうですが、他の項目から察するに単に「シークレット・インベージョン」の事は考慮していなかったとも言えそうです。

なお、コミックのクアンタムバンドはコズミックエンティティのイーオンが作ったともされるもの(イーオンはラブ&サンダーの予告2弾にイースターエッグとして登場しています)で、クアンタムゾーンから無尽蔵のエネルギーを引き出すこの腕輪はバッテリーの機能もそなえており、なんらかの状況でクアンタムゾーンへのアクセスが遮断された場合でも、ある程度はこの腕輪自体にチャージされたエネルギーを使用する事が出来ます。

機能的には筋力強化や状況認識能力の向上、星間移動も可能にし、光子ブラストを放つことができるようになっています。また、宇宙空間での生存にも最適化され、食料や酸素がなくても生存できる能力を獲得します。そしてエネルギーを視覚化、固定化するといったマーベルズ3人の能力を足したような能力を獲得出来る腕輪になっています。この腕輪を装着したものは宇宙の守り手クエーサーと呼ばれ、マー・ヴェルの遺伝子から人工的に作成された娘でキャプテン・マーベルでもあったフィラ・ヴェル(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3で紹介されたファイラ・ヴェルの元)が装着していました。


以上の事から「マーベルズ」を見るにあたって友人等に予習すべき作品をアドバイスするのであれば、映画「キャプテン・マーベル」はチェックしておくに越したことはなく、次に「ミズ・マーベル」と続き、モニカのために「ワンダヴィジョン」を抑えておくのがいいかもしれません。しかし「ワンダヴィジョン」自体はワンダとヴィジョンの関係を抑えておかないと盛り上がらない部分もあり、「シークレット・インベージョン」よりは「マーベルズ」に関連しているというだけの事です。いずれも「マーベルズ」のあとに見てもいいような作りになっていると感じました。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。