MCUの新たな書籍でドラマ「インヒューマンズ」の失敗理由が明らかに

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)関連の新書籍「MCU: The Reign of Marvel Studios」の電子版がリリースされ、その中で米ABCとマーベル・テレビジョンによって制作されたドラマ「インヒューマンズ」の失敗の経緯について記述されています。

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当初は劇場版映画として制作される事が発表された「インヒューマンズ」でしたが、急遽テレビドラマとしてリリースされた本作はマーベルドラマの中でも特に振るわなかった作品として、失敗作の代名詞のひとつとして名前をあげられる事が多くなっています。

2017年9月の放送開始の2週間前、「インヒューマンズ」の1話&2話の75分特別編集版がIMAXスクリーンで上映されましたが、オープニング週末で110万ドル(約1億1,000万円)しか結果を残せませんでした。シリーズのABCプレミアは380万人の視聴者を集めましたが、8エピソードの放送は平均260万人(同時期のエージェント・オブ・シールドで平均830万人)にとどまり、翌年5月に「インヒューマンズ」はシーズン1のみであっけなく打ち切られる事となりました。

「インヒューマンズ」が映画からドラマへと急遽舵を切った切った事について、もともと2019年7月に映画としてデビューするはずだった「インヒューマンズ」は、MCUフェーズ3を締めくくる映画として制作される予定だったと言います。

この企画は「ファンタスティック・フォー」と「X-MEN」の対抗企画として持ち上がったものですが、「インヒューマンズ」の権利も当時20世紀FOXが保持しており、これに配慮して書かれた脚本に対してマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は全く満足していなかったとの事。

そして同書は2016年4月にファイギ社長が映画を公開スケジュールから外すやいなや、マーベルエンターテイメントはマーベル・テレビジョンのジェフ・ローブ氏に対して「インヒューマンズ」をテレビドラマ向けコンテンツとして開発を迅速に進めるように命じたと説明しています。

こうして急遽テレビドラマとして制作された「インヒューマンズ」はハワイで撮影が行われ、とある出演者は「この番組で少なくとも私はハワイ旅行を手に入れた」と語ったと言います。しかし「インヒューマンズ」の失敗を横目で見ていたマーベル・スタジオは、「エターナルズ」の撮影の際、「ハワイを舞台にしてはいけない」と指示したと「エターナルズ」のクリエイティブチームは説明、「スタジオは、観客が「インヒューマンズ」を思い出すようなリスクを避けたかった」と付け加えています。

その後、MCUがフェーズ4に入って映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が公開されると、そこには「インヒューマンズ」の主演を務めたアンソン・マウントさんがブラックボルト(の変異体)役で再登場しました。

このオファーが決まった時の事についてマウントさんは「ケヴィン・ファイギ)から電話があった事は私の人生の中で最も予想外な出来事のひとつでした。最善の方法で演じることをできるようにしてくれたサム・ライミ監督と仕事が出来たのは名誉であり喜びです。最高の経験でした」過去のインタビューでコメントしています。

さらにその後、他のインヒューマンが登場する事がないままドラマ「ミズ・マーベル」の配信を迎えました。ミズ・マーベル/カマラ・カーンはコミックの代表的なインヒューマンであり期待されていましたが、最終話にて彼女がインヒューマンではなくミュータントである事が示唆され物議を醸しました。

この変更についてドラマ「インヒューマンズ」の失敗が原因ではないかと考えるファンもいましたが、「ミズ・マーベル」配信当時のコミック原作者インタビューによると、カマラ・カーンはコミックデビュー前はミュータントとして開発していたものの、当時の都合でインヒューマンに変更されたとし、本来のアイデアの形に戻ったと説明しています。そして、2023年のコミックではカマラはミュータントへと転生しています。

MCUと繋がりそうで繋がらないインヒューマンズたちですが、今後のどこかで再びチャンスが巡ってくる事があるのでしょうか。

ドラマ「インヒューマンズ」はディズニープラスで配信中です。

ソース:How Marvel’s Inhumans Became a Radioactive Property in the MCU (Exclusive Book Excerpt)

ドラマ「ロキ」シーズン2、配信から3日で1000万視聴を記録

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2が 2023年10月6日10時(日本時間)の配信開始から3日間で、1090万人の視聴者を獲得していると、海外メディア Deadline が報じました。

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これは総再生時間をランタイムで割った数で求められるみなし人数ですが、2023年のディズニープラスとしては「マンダロリアン」シーズン3に続く2番目の再生数で、MCUではもちろんトップとの事。

「ロキ」シーズン1が89万人でスタートし、190万人で終えた事を考えると、かなりのファンを拡大し期待されていた事が伺えます。

本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるケヴィン・ライト氏は「ロキ」の世界観が現在のMCUに根付いてきている事シーズン2のあとの目標についてもコメントしており、今後のさらなる拡大と記録更新にも注目となりそうです。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2023年10月13日10時 より配信予定です。

ソース:‘Loki’ Season 2 Debuts With Record 3-Day Audience For Disney+

マーベルが2024年も Disney100 ヴァリアントカバーを継続する事を発表

マーベルコミックは2023年のディズニー100周年を記念した「ディズニー100 ヴァリアントカバー」シリーズを今年のコミックで展開していましたが、アベンジャーズとX-MENの60周年を記念してこのシリーズを1年間延長する事を発表しました。

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過去のコミックカバーに登場するヒーローやヴィランをミッキーマウスたちに置き換えて描かれたこのシリーズですが、新たなカバーは 2024年1月 発売の「アメイジング・スパイダーマン #41」から始まり、2月の「アメイジング・スパイダーマン #43」、3月の「アメイジング・スパイダーマン #45」としてリリース予定で、今回それらのプレビューが公開されました。

2024年も毎月1冊合計12種のカバーが販売される予定で、カラーバージョンと白黒バージョンがあるとの事。今回の3枚のアートは「アベンジャーズ #1」、「X-MEN #1」、そしてメンバーにスカーレット・ウィッチやクイックシルバーが加わった「アベンジャーズ #16」を基にしたヴァリアントカバーとなっています。

コミック「アメイジング・スパイダーマン #41」は 2024年1月3日 米国リリース予定です。

ドラマ「ムーンナイト」監督がシーズン2について言及

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1のモハメド・ディアブ監督が、海外メディア Arabic Marvel とのインタビューの中で、期待されているシーズン2について言及しました。

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監督はシーズン1の制作を振り返りつつ、次のように述べています。

マーベルの計画は初日から決まっていました。マーベルのドラマシリーズプロジェクトは、「ワンダヴィジョン」のような特別プロジェクトを除いて全6話です。そして、初日からシーズン2が計画されていたのは「ロキ」だけです。

そしてさらにマーベルの独特なやり方について、ディアブ監督は言及しました。

マーベルは、「プロジェクトが成功したらシーズン2を作りましょう」、という通常のやり方ではありません。成功しても失敗しても、それは彼らの計画です。彼らには彼らの計画があります。

監督はマーベルのドラマが通常のハリウッド作品とは異なり、ヒットしたかどうかで来シーズンが決定するものではないと説明しています。

シーズン2の可能性はマーベル・スタジオ(及びディズニー)にしか分からないとしつつも、シーズン2で描きたい事を質問された監督はアイデアを持っていると回答しています。

個人的に、私は主人公が何をしようとしていたのか知​​りたくてたまりませんでした。これはスティーヴンと、彼が内包するすべての人格の物語です。彼が彼らとコミュニケーションをとるとき、別の彼は第三者かもしれない。彼らはどのように行動するでしょうか?でも彼らの間の混乱はうまくいくでしょう。彼らはお互いに慣れ始めています、そしてこれはまったく二次災害のように見えます。

また、ハルクを内に宿すブルース・バナーについても言及し、似たもの同士である二人が友人になる様子を描きたいともコメント。シーズン1の配信前には「ムーンナイト」にハルクが登場するといった噂もありましたが、この目撃情報は全くの偶然であったと当時監督は明かしていました。

「ムーンナイト」は二重人格として描かれましたが、クレジット後のシーンでは新たな人格が登場し、コミックと同様に多重人格であると判明しました。そしてその終わり方は続編があるようにも見えるものでした。

シーズン2は既に制作が始まっているのではないかという噂や、征服者カーンが絡んでくるとも報じられていますが、今回のインタビュー内ではそれらについて言及はありませんでした。

監督は「ムーンナイトの将来はわかりませんが、アベンジャーズに加わると思います。あくまで私の予想です。」とコメントしています。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ソース:Arabic Marvel

映画「デッドプール3」、公開日に関する新たな情報が報じられる

マーベル・スタジオが制作中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「デッドプール3」の公開日について、新たな情報が報じられています。WGA と SAG-AFTRA の両ストライキによって制作中断を余儀なくされた本作は、ディズニーの決算報告書内で直近の映画公開スケジュールから削除されていた事が発覚し、話題となっていました。

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WGA のストライキは先日終了しましたが、現在もまだ SAG-AFTRA のストライキは継続中。これにより、映画は依然として制作中断中の状態ですが、海外メディア The Wrap は、マーベル・スタジオは「デッドプール3」の公開日を 2024年5月3日 の計画で維持する意向であると報じました。

本作のショーン・レヴィ監督は制作中断の状況の中でライアン・レイノルズさんやヒュー・ジャックマンさんら主演陣とプライベートを共有し、ギルドのルールに抵触しない範囲で活動を続けている事を報告しています。

「デッドプール3」の撮影は半分ほど終了していると見られており、残りの半分の撮影に数ヶ月を要する事を考えると、すぐにでもストライキが終了しない限り、2024年5月の公開は現実的にかなり厳しいと考えられます。

仮に間に合わなくなった場合の次のプランとして、ストライキ前に主要な撮影を終えていた「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」の 2024年7月 のスケジュールと入れ替える事が想定されますが、スタジオはギリギリまで来年5月の公開を目指し、ディズニーはそれに向けてストライキの交渉にあたる事になるようです。

ソース:Hollywood Studios Brace for End of Strike, Start of Production: ‘It’s Going to Be a Full-On Horse-Trading Session’

映画「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」の制作陣が物語のヒントとして2つのディズニー映画に言及

ソニー・ピクチャーズが制作中の大人向けマーベルアニメ映画「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」のホアキン・ドス・サントス監督やプロデューサーのクリス・ミラー氏が、次に来る物語の内容のヒントとして、とあるディズニー作品について言及しています。

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海外メディア Empire Magazine とのインタビュー(Comicbook.com経由)の中で監督は「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」の内容について、「ディズニーの人気映画と似たようなトーンになるでしょう。3作目は、長い間行方不明だった2人の双子が入れ替わって互いの人生を生きるという『Parent Trap』に似ていると思います。」と述べました。

邦題「ファミリー・ゲーム/双子の天使」(ディズニープラスで視聴)は、幼少時に両親が離婚し、「互いに相手の存在を知らぬまま育った双子が、サマーキャンプで偶然出会って意気投合し、皆で一緒に暮らせるよう、両親の復縁を試みる。」といった内容のお話で、これをマイルスの人生になぞらえて話が展開するようです。

監督は「映画の後半は基本的にそういったものになります。」と付け加えています。

かなり余談ですが、この映画の主演を務めたリンジー・ローハンさんはマーベル映画で何かをやってみたいと2022年のインタビューでコメントしています。

一方で「スパイダーバース」シリーズのクリス・ミラープロデューサーは「初期の段階では、いくつかの感情的なタッチストーンが共鳴していました。序盤のテイクは、『Prince And The Pauper』のようなテイクだったと思います。ヴァリアントのマイルスについてより深く考えていました。基本的に、今映画の一番最後にあるものは、オリジナルのコンセプトの大部分でした。」と語っています。

マーク・トゥエインによる名作「王子と乞食」をもとにした「王子と少年」(ディズニープラスで視聴)の要素も「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」に含まれているようで、最新作が待ちきれないファンはこれらのディズニー映画で予習してみるのもいいかもしれません。

2作目の「アクロス・ザ・スパイダーバース」は劇場で大ヒットしましたが、その後、デジタルリリース版にて多くの変更が発覚。さらにその後もBlu-ray版でも変更が発見され、「いつまでたっても完成しない」、「劇場でお金を払って未完成バージョンを見せられた」といったようなネガティブなコメントもSNS上では見受けられました。

後にプロデューサーがこれらの修正の理由についてコメントを発表しましたが、それもファンにはあまり刺さらずに議論が続けられています。

「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」は当初 2024年3月29日 の公開が予定されていましたが、ストライキの影響を受けて現在、スケジュールは白紙になっている事をプロデューサーが認めています

ソース:Spider-Man: Beyond the Spider-Verse Producer Compares Movie to Surprising Disney Film

ドラマ「ロキ」シーズン2、プロデューサーがウロボロスの物語の背景について語る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2のケヴィン・ライトプロデューサーが、本作で初登場となるMCUオリジナルキャラクターのウロボロスについて、そのバックボーンなどを語りました。

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海外メディア Blavity とのインタビューの中で、キー・ホイ・クァンさん演じるO.B.ことウロボロスについて次のように語っています。

キーは、多くの人々の新たなお気に入りのマーベルキャラクターになると思います。簡単なあらすじは…TVAには素晴らしいプロダクションデザイン、コンピューター、テクノロジー、その他もろもろがたくさんあります。それはどこから来ているのか?誰がこの古い古いものを稼働させているのか、その答えはO.B.、ウロボロスなんです。

また、ライトさんは「キーと出会えて幸運でした。他に候補がありませんでした。彼は本当に、このすでに素晴らしいアンサンブルにうまく溶け込んでいると思います。」と演者を称賛しました。

また、ScreenRant との別のインタビューでは、「400年間も地下室に閉じこもって、ただひたすら働いている男というアイデアをもっと知るだけでも、何かとてもエキサイティングなんです。だから、彼は少し風変わり、少し変わり者なんです。」と述べ、「素晴らしいのは、キーが作品に加わると決めた時だと思います。オーウェンが『メビウス』に打ち込み、トムが過去12年間『ロキ』に心血を注いできたようにね。彼はそれを自分のものにして、素晴らしいやり方で自分の仕事をする方法を見つけたんです。」と、こちらでもキー・ホイ・クァンさんを称えました。

ライトプロデューサーは過去に「TVAはマルチバース版のS.H.I.E.L.D.」とも表現しており、ウロボロスは現時点でS.H.I.E.L.D.のレオポルド・フィッツやジェマ・シモンズのような役割をこなしているようです。

これまでに公開されているトレーラーによると、ウロボロスは今後のいくつかのエピソードでも登場するようですが、クレジットシーンのザルタンとは一体何を意味しているのか、そして今後のMCUにも登場するようなキャラクターとなるのか注目です。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2023年10月13日10時 より配信予定です。

ソース:‘LOKI’ PRODUCER KEVIN WRIGHT SAYS SEASON 2 IS ‘LOVE LETTER’ TO FANS OF FIRST SEASON

映画「マーベルズ」の海外劇場限定トレーラーが流出

マーベル・スタジオが制作するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」の映画館限定で流されている予告映像がSNS上に流出しています。先週発覚していたキャプテン・マーベルの新コスチュームはこの映像の一部だったようです。

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その他にはいくつかの初見となる戦闘シーンやコメディシーンが含まれています。

気になるのはキャロル・ダンヴァースとパク・ソジュンさん演じるヤン王子の関係で、コミックでの二人は偽装結婚でしたが、映画でもそれを継承しているのか、それとも本物の恋愛へと転じているのかはひとつのポイントです。

というのも、単独映画を取得しているヒーローの中でキャロルだけがMCU全体を通してもロマンスについて描かれていません。「マーベルズ」ではキャプテン・マーベルの恋愛事情について描かれる可能性について期待するファンもたくさんいるようです。

ネット上では古くからキャプテン・マーベルとヴァルキリーのカップリングが人気で、過去には演者のブリー・ラーソンさんやテッサ・トンプソンさんも共にこれを推していました。

2022年の年明け、「マーベルズ」に出演しているミズ・マーベル/カマラ・カーンの母ムニーバ・カーンを演じる女優のゼノビア・シュロフさんがInstagramに投稿した2021年を振り返るビデオの中で、「マーベルズ」撮影クルーの部屋の壁にテッサ・トンプソンさんの写真がある事が確認されていました。これにより、「マーベルズ」にヴァルキリーが登場するのではないかとも考えられています。

一方でコミックのキャロルはウォーマシン/ジェームズ・ローディが恋人であり、何度も別れたりくっついたりを繰り返しつつ、2023年のコミックでも愛の炎を再燃させていました。

MCUのキャプテン・マーベルは一体誰と恋愛をしていく事になるのかも注目です。

映画「ザ・マーベルズ」は 2023年11月10日 に劇場公開予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、1話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月6日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード1「Ouroboros(邦題:ウロボロス)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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征服者カーン

元のTVAにはなかったカーンの巨大な像がそびえ立っていますが、この像が着用している鎧のデザインはシーズン1の在り続けるものとも、映画「アントマン&ワスプ:クアントマニア」のカーンのものとも異なります。

シーズン1ではシタデルで面会し、シルヴィによって殺害された在り続けるものがTVAを創設した事がわかっていますが、今回のエピソードを見る限り、シーズン1当初に考えられていた「ロキは別のマルチバースのTVAに飛ばされた」理論ではなく、「TVAの過去に飛ばされていた」と考えられそうです。

この像はシーズン1の在り続けるものなのか、「クアントマニア」でみたカーンなのか、それともまた別のカーンなのか、そしてその謎だらけのTVAを今シーズンでも探求していく事になりそうです。

©MARVEL,Disney

ケイシー

シーズン1でインフィニティ・ストーンを文鎮代わりに使っていたケイシー。このケイシーはヘッドフォンで Staying Awake ポッドキャストを聞いていると、配信前のスニークピーク映像(2分20秒頃)から思われていました。ドラマ「ムーンナイト」シーズン1の1話でスティーヴン・グラントが就寝前に聞いていたもので、「Solving puzzles is a great way to keep your mind…(パズルは目が冴える優良な方法です)」と言っています。

しかし配信された実際の配信映像では「Calm your mind and relax(心を鎮めて、リラックス)」という音声に差し替えられています。

もともと「ムーンナイト」と「ロキ」シーズン2の監督が同じ事によるイースターエッグだと考えられていたこの部分ですが、音声が差し替えられている事でイースターエッグとして成立していません。しかし奇妙な事に米メディアの1話に関する記事に目を通しても、「これはムーンナイトのイースターエッグだ」と書かれているばかりで、「ディズニープラス版は違う」と言及しているのは GamesRadar ぐらいでした。

差し替えられた理由については不明で、今後の監督インタビュー等で理由が明らかになるかもしれません。

クリネックス

X-5との会話の中でメビウスは、「ジェットスキーは水上バイクの商品名だ。」と説明。その後「クリネックスと同じだ」と例え話をしていますが、これが日本人には少し馴染みが薄いものになっています。

ジェットスキーはカワサキの登録商標であり、商品名。しかし、しばしば水上バイクは全般的にそう呼称されています。同様にクリネックスはキンバリークラーク社のティッシュペーパーの商品名で、アメリカではティッシュを総称してクリネックスと呼ぶ事が多い事からくる例えです。

日本でわかりやすい例えにするなら絆創膏全般をバンドエイドと呼んだり、ゲーム全般をファミコンと呼んだりすることでしょうか。後者はかなり減っていると思いますが。

ドックス将軍とギャンブル判事

二人のキャラクターは原型となっているであろうキャラクターがコミックに存在しています。

ドックス将軍はミスター・パラドックスというTVA職員が存在し、「シーハルク」などで判事として登場しています。

ギャンブル判事に関しては、コミックにジャスティン・アルフォンス・ギャンブルという元TVAのエージェントが存在し、ルーク・ケイジやアイアンフィスト、デッドプールなどと面識がありました。

しかし今回のエピソードを見る限り、コミックの設定はほとんど関係がなさそうです。

TVAに時間は存在するのかしないのか問題

メビウスは「TVAに過去はない」と主張するものの、メビウス自身、「前」や「今」といった表現を使いますし、食堂には「ランチタイムは17分以内で」と書かれており、カートで壊れた床は「ずっと前」からだとケイシーは言っていました。シーズン1ではミス・ミニッツも「時間を無駄にせず」や「昔々」という表現を使用していました。

この後のウロボロスとのシーンでもメビウスは「3とか4(年)ぶり?」と過去があった事をほのめかしています。

とにかく、メビウスの時間に対する認識がかなり曖昧であるのが気になる所。ロキが推測している「TVA職員は何度も記憶を消されている」事が影響しているのでしょうか。この理由は今後明らかになっていくのかもしれません。

ウロボロス

ウロボロスはギリシャ神話に登場する「死と再生」「不老不死」を象徴する、自分の尾を噛む円環状の蛇(あるいは龍)として描かれる存在で、北欧神話では同様の姿として描かれるヨルムンガンドが登場します。このヨルムンガンドは神話上はロキの子供である事、そして「死と再生」「不老不死」といったことはTVAを象徴するようなワードである事から、キー・ホイ・クァンさん演じるウロボロスには何か重大な役割があるのかもしれません。

ちなみにメビウスもメビウスの輪で知られている通り「無限」の代名詞でもあり、メビウスとウロボロス両者の仲がいい事も頷ける名前設定になっています。

タイムスリップとタイムトラベル

MCUにおいてタイムトラベルは「アベンジャーズ/エンドゲーム」で説明されましたが、タイムスリップ(時間移動)は今作で初登場となる要素。ウロボロスは「TVAでタイムスリップはしない。」とメビウスと似たような主張をしている事がさらに話をややこしくしています。

「エンドゲーム」でのブルース・バナーのタイムトラベル理論では過去を変えても自分が戻ってくる現在には影響せず、起こった事は起こったまま、起きていない事は起きていないまま、という話でした。しかし今作でのロキを悩ませているタイムスリップは過去での行動が現在に反映される形になっています。

「タイムトラベルで赤ん坊のサノスを殺しても何も変わらない」というのが「エンドゲーム」での障害となり、過去のインフィニティ・ストーンを持ち寄る事で事態を変えることにしたわけですが、タイムスリップであればベイビーサノスを殺して解決していたのでしょうか。

なんとも複雑になってきた「時間」に関する要素は残りのエピソードで納得行くようになるのか、注目です。

時間織り機

北欧神話やギリシャ神話では、しばしば運命を糸に例えてその織り機が登場します。今回登場したこの織り機はそこからインスピレーションを受けてデザインされたものだと考えられます。

そしてこの織り機への扉は20世紀FOXの映画「X-MEN」からインスピレーションを受けているようで、色以外はかなり似通っています。

「デッドプール3」にTVAが登場するという噂と何か関係があるのでしょうか?

シルヴィの登場

タイムスティックを失って予定通り自分を剪定出来なくなったロキが焦っている所に、電話の呼び鈴が。音に誘われた先のエレベーターからシルヴィが現れ、ロキの事を探していたのか「ここにいた!」と喜びの表情を見せます。

その直後にロキは何者かに剪定され、結果的に助かることになりました。

流れ的にはシルヴィが未来から助けに剪定に来たとも想像できますが、誰がどこから剪定したかは表示されていないため、別の人物による剪定の可能性も否定できません。

シルヴィはこのあとのシーンで登場しますが服装や髪型が異なるため、このシルヴィは残りのエピソードから繋がってくるシルヴィではないかと考えられます。ポストクレジットシーンのシルヴィは額の見える髪型や眉部分の傷等から、シーズン1の終わりから続いているシルヴィだと言えそうです。

©MARVEL,Disney

ザルタン派遣団とは

クレジットシーンで映される一冊の本。そのタイトルは「the Zartan Contingent」(ザルタン派遣団)となっています。

©MARVEL,Disney

コミックに Zartan が登場した痕跡は全米のコミックファンも思い当たらないようで、SNS上では激しく議論が交わされています。

現状でもっともらしい理論はコミックの Xartan のスペルを発音しやすいように変更したものではないかというもの。

コミックに登場するザルタン人(Xartan)は、はるか太古の時代、惑星ザルタに生息していましたが、セレスティアルズによってザルタン・ディヴィアンツが創造されました。オリジナルとディヴィアンツの間で戦争が勃発し、その結果ディヴィアンツ側が支配権を握ることになりました。ザルタン人たちはその後しばらくして地球への侵攻を開始しましたが、これはソーによって阻止されました。

セレスティアルズによって改造されたザルタンたちはスクラルと同様のシェイプシフト能力と透明化能力を使用できる完璧なアサシンであり、短期間の真空にも耐えうる肉体を持っていました。

reddit ではロキ、シルヴィ、メビウスの誰かがザルタンで最後に裏切るのではないかとも考察されています。その他、この本が出るシーンはウロボロス役のキー・ホイ・クァンさんがクレジットされているシーンであり、ウロボロスを怪しむ声も出ています。

もちろん、本当に意味がない小道具に過ぎないとする説も忘れてはなりません。

ポストクレジットシーン

1982年のオクラホマ州ブロクストン。

この地はコミックにおけるリトル・アスガルドがある場所で、シルヴィの基になっているキャラクター、エンチャントレス/シルヴィ・ラッシュトンが生まれた(ロキに創造された)場所でもあります。彼女は短期間ではありますが、ヤング・アベンジャーズに所属していました。

ただし、MCUのシルヴィはシルヴィ・ラッシュトンとレディ・ロキをミックスさせたオリジナルのキャラクターであり、コミックのシルヴィ・ラッシュトンのようなティーンではないのでヤング・アベンジャーズへの参加はおそらくないでしょう。シーズン1でケイリー・フレミングさんが演じた回想シーンのティーンのシルヴィに戻るような事があれば、可能性はあるかもしれません。

マクドの店員がすすめたチキンマックナゲットは丁度この頃に実際にデビューしています。日本語wikiでは1983年にアメリカで販売開始となっていますが、これは誤りというか情報不足で、英語wikiその他資料によると、1979年に開発が始まって、1980年3月15日、テネシー州ノックスビルで初めて販売。これについては日本マクドナルドのホームページでもそう書かれているため、日本語wikiの精度の低さが伺えます。以降、商品の改善をしながら順次エリアを拡大し、1983年には全米のマクドナルドで販売されているようです。

ちなみに1982年のオクラホマで販売されていたかどうかは確認出来ませんでしたが、ここは分岐時間軸であるため、神聖時間軸とは多少異なる可能性があり、深く考える必要はないかもしれません。

シルヴィを演じるソフィア・ディ・マルティノーさんはこのシーンについて、「復讐を果たした彼女はお腹が空いていた」と解釈していると配信前のインタビューでコメントしています。


ロキとメビウスが命がけであたったタイムスリップ病の治療ですが、残念なことにこれで治っていない事を我々は最初のトレーラーを見て知っています。(トレーラーのシーンがなくなっている可能性もあります。)

2話ではまた新たな、そしてさらに危険な治療に取り組む事になるのでしょうか?

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2023年10月13日10時 より配信予定です。

【噂話】映画「ブレイド」の脚本に関する続報によると、ゼロからのやり直しではないと言う

先日、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ブレイド」の脚本が書き直されると報じられましたが、スクーパーの続報によるとそれはゼロからの再スタートではなく、現在完成している脚本の追加と修正作業に留まるようです。

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前回この話題を提供したダニエル・リヒトマン氏は追加の情報として、「『トゥルー・ディテクティブ』のクリエイターであるニック・ピゾラットが、マイケル・スターベリーの脚本を引き継いで開発中です。 脚本はゼロから書くのではなく、継続して書いています。」と報告しています。

現在設定されている 2025年2月14日 の公開日から逆算して2024年年明けには撮影に入りたい所だと考えられており、脚本が完全に書き直される場合はスケジュールが厳しくなるのではと予想されていました。しかし今回の報道どおりであれば、さほど問題はなさそうな印象です。

WGA のストライキは決着がついたものの、SAG-AFTRA のストライキは継続中であり、これが長く続くようであればどちらにせよ撮影に入る事は出来ません。脚本のスケジュールが確保されていたとしても、映画の制作が予定通りに進むかについてはまだいくつかの不安が残されています。

映画「ブレイド」は 2025年2月14日 米国劇場公開予定です。