ドラマ「エージェント・オブ・シールド」のフィッツはMCUに戻りたくないと語る

マーベルテレビジョン、ABC制作のマーベルドラマ「エージェント・オブ・シールド」でS.H.I.E.L.D.のエージェント、レオ・フィッツを演じたイアン・デ・カーステッカーさんが、海外メディア DigitalSpy とのインタビューの中で、MCUへの復帰に関して乗り気ではない事を明かしました。

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映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でデアデビルが、ドラマ「ホークアイ」でキングピンが、映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でブラックボルトやプロフェッサーXが再登場したことで、「エージェント・オブ・シールド」のキャラクターの再登場に期待がかかる中、イアン・デ・カーステッカーさんは次のように述べています。

あの2人のキャラクター(レオ・フィッツとジェマ・シモンズ)に起こったすべてのことの後、彼らは本当にハッピーエンドを迎えたと思うんです。それをまた台無しにするのはとても悲しいことだと思います。フェアじゃないですからね。

ドラマのフィッツの結末に満足しているカーステッカーさんは「もし(MCUに)再登場した場合、今度は彼らが生き残れるかどうかわかりません。だからフィッツ達がS.H.I.E.L.D.をやめて普通の生活を送っているというアイデアが好きなんです。」と、彼らの幸せな家庭が崩壊する事を懸念していると付け加えました。

そして「エージェント・オブ・シールド」がMCUのカノンだと思うか質問されると、「カノンが何かは分かりません」としつつも、「でもこの番組はコールソンが『アベンジャーズ』の映画から来たという事実だと思うんですよね」と回答しました。

イアン・デ・カーステッカーさんが演じたレオ・フィッツはS.H.I.E.L.D.のメカニック、エンジニアで、ガジェット制作などでS.H.I.E.L.D.を支える人物のひとり。映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」にてウィンター・ソルジャーの襲撃にあったフューリーが車からの脱出に使用したレーザーブレードもフィッツの発明という設定でした。

©MARVEL,Disney

フィッツはスーパーパワーのないキャラクターながら、「エージェント・オブ・シールド」のシーズン1から災難続きで、ファイナルとなるシーズン7のラストにてようやく平穏な人生に戻ることが出来ました。

この結末を気に入っているイアン・デ・カーステッカーさんは、フィッツが再び現場に戻ることで彼らの幸せが壊れてしまう可能性を心苦しいと考えているようです。

フィッツやS.H.I.E.L.D.が実際にMCUに戻ってくるかどうかは不明ですが、このドラマはもともとMCUフェーズ1でのフィル・コールソンの人気から始まっており、特にドラマのもう一人の主人公でもあるクエイク/デイジー・ジョンソンとコールソンがMCUに戻ってくる事に期待がかかっています。

コールソンについてはフェーズ4に入ってアニメ「ホワット・イフ」で再登場を果たしていますが、実写としてのリターンについては様々な憶測が飛んでいます。海外スクーパーの一部はクロエ・ベネットさん演じるデイジー・ジョンソンが戻ってくると示唆していますが、その真偽は不明。戻るとすればドラマ「シークレット・インベージョン」は可能性が高いのではないかと見られています。

ドラマ「エージェント・オブ・シールド」は全7シーズン、ディズニープラスで配信中です。

ソース:Agents of SHIELD star explains why he would never return to the role

ドラマ「ミズ・マーベル」脚本家がドラマ「ロキ」に隠されていたイースターエッグを明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」のプロデューサー兼ヘッドライターを務めたビシャ・K・アリさんが、ドラマ「ロキ」に隠されていたイースターエッグを自身のTwitterにて明かしました。

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「ミズ・マーベル」を担当する前に「ロキ」シーズン1第3話「ラメンティス」の脚本に参加していたアリさんは、このエピソードのラストに登場した街の名前に関する秘密を以下のように明かしました。

ロキに忍び込ませたウルドゥー語はシュルーという名の街で、ラメンティスにありました。シュルーは『始まり』や『開始する』事を意味する言葉です。これはロキとシルヴィのための新しい何かの始まりであり変革でした。そして私にとっても何かの始まりでありました(すでにミズ・マーベルと出会い、希望を感じています)

パキスタン系イギリス人のビシャ・K・アリさんは、「ミズ・マーベル」シーズン1の最終話で主人公カマラの名前のウルドゥー語の意味について作中で説明しました。「ミズ・マーベル」では頻繁に登場したウルドゥー語ですが、今回の投稿で「ロキ」にも登場していた事を明かしました。

ウルドゥー語はパキスタンやインドで用いられる言語であり、「ロキ」に登場したシュルーがウルドゥー語を元に命名されていたことはほとんどの人に気づかれることなく、このタイミングでの種明かしになったようです。

アリさんのマーベル・スタジオでのキャリアはシュルーの意味の通り「ロキ」のこのエピソードから始まり、「ミズ・マーベル」にて大躍進となったようです。2023年公開の映画「ザ・マーベルズ」ではカマラの名前に込められた『驚くべき』成長を遂げたミズ・マーベルの姿がスクリーンで見られる事に期待です。

ドラマ「ロキ」シーズン1、ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ドラマ「アイアンハート」がアトランタにバーガー店を建築していると報じられる

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「アイアンハート」の撮影セットとして、アトランタのスウィートオーバーンの一画に、バーガーレストランのホワイトキャッスルを建築していると、地元メディア URBANIZE ATLANTA が報じました。

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記事によると「このバーガー店が客に食事を提供することはなく、今後数週間のうちに炎上または爆破されるようだ」との事。

0.6エーカー(約2400平方メートル)の敷地に準備された建物は撮影のために破壊され、11月には完全に撤去されるとも伝えています。

MCUのディズニープラスシリーズは1作品6時間ほどの映像を作るために、MCU映画1本と同程度の予算で制作されていると言われていますが、「アイアンハート」では過去のドラマ作品に類を見ないダイナミックなシーンが登場するのかもしれません。

本作は現在撮影中で、ヴィランをアンソニー・ラモスさんがザ・フッド(ザ・フード)を演じるともアルデン・エーレンライク(オールデン・エアエンライク)さんがジークを演じるとも報じられていますが現在のところ真相は不明です。

「アイアンハート」の配信日は決まっていませんが、映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」にて先行デビューする事が発表されています。

ドラマ「アイアンハート」はディズニープラスで配信予定、映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」は 2022年11月11日 米国公開予定です。

ソース:URBANIZE ATLANTA

ドラマ「ミズ・マーベル」、カマラ家はサノス被害にあっていた?監督が回答

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー監督が、海外メディア The Direct とのインタビューに応じ、その中でカマラ・カーンとその家族がサノスとインフィニティ・ストーンの影響を受けていたかについて回答しました。

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監督たちはサノスの指パッチンについて、「まあ、彼らとの家族の絆を見れば、誰もスナップされてないと思っています。ケヴィンに『指パッチンはどうします?』と聞くと、『そんなことは気にしなくていいよ。ミズ・マーベルのストーリーに集中し、他の映画や番組についてあまり質問しないように』と言われました。それがミズ・マーベルに対する彼のマントラのようなものだったんです。」と説明しました。

サノスが「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で行った事はMCUの世界に今なお爪痕を残し、フェーズ4で登場するキャラクターたちにはその時どういう状況だったかという疑問が常々つきまとっています。その事について作品の中で言及される事もあれば、今回の「ミズ・マーベル」のように触れられること無く展開する事もあります。

サノスのせいで宇宙規模の災害が発生したようなものですが、MCUにおけるミズ・マーベルの誕生には重要なイベントになっている事が「ミズ・マーベル」1話でも明らかです。あの時キャプテン・マーベルがカマラの心を掴んだからこそ、カマラはミズ・マーベルへと成長する事が出来ました。

カマラ一家は運良くサノスからの被害を受けずに済んでいたという事ですが、クランデスティン達も影響がなかったかは少し気になる所です。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ソース:Did Ms. Marvel Survive Thanos’ Snap? MCU Directors Respond (Exclusive)

ドラマ「シークレット・インベージョン」再撮影の原因が報じられる

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」の再撮影を目前に控えている時期ですが、その理由について、海外スクーパーの DanielRPK 氏が報じています。

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氏の(patreon経由の)情報によると、「ウクライナ市の破壊シーンがあった為に再撮影している」との事で、これまでのロケ現場のリーク写真から推測されていたように、昨今の侵攻問題とかぶらないように内容を変更するための再撮影となるようです。

再撮影には最長4ヶ月ほどのスケジュールが確保されていると以前に報じられています。この場合、年内いっぱいの再撮影となり、配信が2023年夏頃になる可能性も指摘されています。

本作の内容はまだシークレットな状態ですが、先日は主演のサミュエル・L・ジャクソンさんがローディエヴェレット・ロス捜査官の登場を明かし、ロス捜査官を演じるマーティン・フリーマンさんはこれを認めています。他、エミリア・クラークさんのキャスティングが話題となっていますが、彼女の役割については未だ謎に包まれています。

ドラマ「シークレット・インベージョン」はディズニープラスで配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、脚本家がカマラ・カーンは実際にはジンではないと語る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」のプロデューサー兼ヘッドライターを務めたビシャ・K・アリさんが、海外メディア Variety とのインタビューの中で、クランデスティンについて多くのことが描ききれなかったと語りました。

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番組のフィナーレについて質問されたアリさんは「たくさんの事を見逃してしまいました。クランデスティン、ヌールディメンション、レッドダガーズ、そしてそれらがどのように他のものと結びついているかについて書いたエッセイがあるんです。しかし新型コロナウイルスによって変化した状況下で、限られた時間の中でこの作品を作るために、2つの異なる種類の家族の間の類似点を見逃したのだと思います。クランデスティン家のキャラクター開発についても、ずいぶん見逃してしまったと思います。もっと見せてあげたかったですね。」と語りました。

そして5話のカマラとナジマの戦いについて「あの感情的なクライマックスは、2人の女性、異なる種類の母親、そして彼女の家族の代表であるカマラについての物語でした。そして、その2つが完全にぶつかり合うんです。あの瞬間は、カマラが常にディフェンシブなファイトスタイルになった時でした。彼女はいつも最初に相手を言い負かすんです。彼女の目標はいつも、『ねえ、気分はどう?誰も傷つくことなく解決できるかな?』というものです。それはフィナーレでも見られます。だから、宇宙がヌールに飲み込まれるような出来事は起きないように、常にそのように組み立てられていました。」と述べています。

また、カマラ・カーンがジンだったという秘密について、言葉通りの意味ではないと説明しました。

「”彼らはジンではない “ということは言っておく必要があります。第4話では、(ワリードが)あからさまに『ジンじゃない』とも言っています。イスラム圏全体を語ることはできませんが、私の育った環境では、何か変なことが起きると、いつも『ああ、ジンの仕業か』という感じでした。誰かが奇妙な行動をとると、それはジンの仕業だと決めつけられていたようなものです。確かにパキスタンでは、超自然的なもの、私たちの説明がつかないものについては、このように話します。何世代にもわたってそうだったんです。」と現地における比喩表現のひとつであることを補足しました。

そして、「もうひとつは、第3話で、ナジマがカマラに、人々は私たちをジンと呼ぶと言ったとき、それは(カマラにとって)最悪のことでした。それは、感情的には悪夢なのです。それがきっかけで、彼女は『スーパーヒーローにはなれない』と言い出します。なぜなら、文化的にジンには否定的な意味合いがあるからです。私たちが追い求めているのは、まさにそこなのです。」と解説しました。

「ミズ・マーベル」はハリウッドでほとんど触れられることはなかった差別問題や歴史について描写する野心的な作品であり、主人公カマラ・カーンとその家族や友人、コミュニティに対してしっかりと言及してきました。

一方でヴィランとして登場したクランデスティンの背景はほとんど見えて来ませんでした。ナジマは2話のラストでカマラを助け、3話冒頭では故郷に帰るための協力を願います。しかし同じ3話内で「待っている余裕がない」と焦りだし、カマラと激突、ヌールディメンションから追放された理由も明かされませんでした。

故郷に帰るためにカマラの力が必要ではなく腕輪だけで良かったのであれば、3話冒頭のカムランの家でクランデスティン全員でカマラを押さえつけて奪っていれば済んでいましたし、カマラの力が不可欠なのであれば結婚式場の襲撃は悪手以外のなにものでもありませんでした。

そして5話ではクランデスティンの望み通り腕輪の力で帰るためのゲートである「ヴェール」が開いたにも関わらず、触れれば死ぬという奇妙な結末が待っていました。これは3話冒頭で腕輪を回収した過去のシーンで「もしもイギリス兵が追ってきていなかったら」あの時点でクランデスティンが全滅していたのではないかと想像させてしまいます。

カマラ・カーンがジンではなくミュータントである可能性が示唆されて終わったシーズン1ですが、ヌールディメンションやクランデスティンの真実について、今後描かれることはあるのでしょうか?

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ソース:‘Ms. Marvel’ Creator Bisha K. Ali Explains Why Kamala Is a [SPOILER], Finale Reveals and What Didn’t Make the Show

ドラマ「ロキ」シーズン2にラファエル・カザルさんがキャスティング

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2にラファエル・カザルさんがキャスティングされている事が判明しました。この事は海外メディア Deadline が2日前にリークされたロケ現場写真に写っていたと指摘しています。

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Deadline はラファエル・カザルさんの役割の詳細は不明としていますが、服装的にはロキ自身もシーズン1の前半で着用していたTVAの囚人服となっています。

海外ファンの間ではこれ以前にリークされていた現場写真から、カザルさんはザニアックを演じるのではないかとも噂されています。

ラファエル・カザルさんは映画「ブラインドスポッティング」で共同製作総指揮、共同脚本、俳優を担当しており、現在はAppleTVでドラマシリーズも展開されています。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信予定です。

SDCC2022のポスターの中にS.H.I.E.L.D.のシャロン・カーターが登場

2022年7月21日から7月24日にかけて開催されるSDCC2022(サンディエゴ・コミコン)の広告ポスターの中に、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」や「キャプテン・アメリカ」シリーズに登場していたシャロン・カーターが新たなコスチュームで描かれているのが発見されました。

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スーツはコミックでシャロンが着用していたホワイトスーツになっていますが、MCUのシャロンはコミックとは大幅に違う道を進んでおり、現在はパワーブローカーとして逃亡生活を終えてアメリカに戻った事が「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれています。

このスーツ自体は「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で登場する予定だったことが先月発売されたオフィシャルファンブック「marvel studios’ the falcon & the winter soldier: the art of the series」にて判明しています。

S.H.I.E.L.D.のエージェントとしてのスーツ姿である今回のシャロンのポスターは、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のシャロンがシャロン本人ではない説(スクラル人やミスティーク説)を後押ししており、コミコンで「キャプテン・アメリカ4」に関する何らかの発表がある事に注目が集まっています。

ドラマ「ミズ・マーベル」、6話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年7月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード6「No Normal(邦題:ノーノーマル)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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ダメージコントロール

ダメージコントロールのエージェント・ディーヴァーは「持ってちゃいけない者が力を持つとこうなる」と愚痴りながら、無惨な姿になったサークルQ跡地を立ち去って行きます。「持ってちゃいけない者とは?」と部下らしきエージェント・バリーが質問すると、「子供に決まってるでしょ」と返していますが、これまでのディーヴァーのムスリムへの偏見を考えると「子供」は建前のようにも聞こえます。

そもそもダメージコントロールのドローンのミサイルでこのような状況になっているわけですが、あくまでもカムランが悪いことになっているようです。

今回のエピソード、冒頭から「X-MEN」シリーズに似ていると言えます。

X-MENもミュータントの差別問題について触れることが多く、彼らの敵は往々にして政府機関である事が多いです。「ミズ・マーベル」ではムスリムへの差別や性差別について描いてきましたが、これまでのMCUではヒーローへの差別や恐怖はほとんど描かれませんでした。

奇しくもコミックでミュータントであるワンダへの恐怖が過去にいくつか描かれましたが、今回のエピソードでほのめかされたカマラがミュータントであるかもしれない事とあわせて、政府のスーパーパワーを持つもの(ミュータント)への圧力が高まっていく可能性は十分にあるようです。

カミングアウト

カマラは自分がライトガール(またはナイトライト)だと家族にカミングアウトし、家族はそれを快く受け入れてくれました。

MCUがヒーローとその家族の関係について描くことはわりと少なめで、特に子供がそのパワーをカミングアウトするケースは初めてとなります。2003年の映画「X-MEN2」(ディズニープラスで視聴)ではアイスマンことボビーがカミングアウトしましたが、両親は恐怖し、兄弟は警察に通報する様子が描かれていました。

カマラの告白が家族に受け入れられた事は素晴らしいことですが、ミュータントである事が発覚した娘と息子を守るために逃亡生活を強いられることになった家族を描いたX-MENドラマ「ギフテッド」(ディズニープラスで視聴)のように、政府がカーン家を狙うようになる展開も考えられるかもしれません。

母からのコスチューム

過去のMCUドラマの傾向からコスチュームの衣装が最終話になろう事は予測されていましたが、今回のエピソード6冒頭にて母ムニーバお手製のコスチュームをもらいました。

4話で登場したトフィーの箱に入っていたのは、カリームの赤いスカーフ、ワリードからもらった青いベスト、カマラの壊れたネックレスなどの要素が組み合わさり、コミックのミズ・マーベルを再現したデザインの衣装でした。

©MARVEL,Disney

なお、コミックではブルキニ(イスラム教徒が使う水着)を元にしたデザインとなっています。

↓ブルキニ参考映像

モスク

モスクに逃げ込んだブルーノとカムランでしたが、「ここは聖域だろ?」と考えるブルーノに「アメリカのモスクが?」とナキアは反論します。

これはアメリカだけでなく日本においても、フィクションではなく現実でもイスラム教徒はテロリストという偏見のもと、違法な捜査で監視されていました。その上東京高裁は「やむを得ない」としてムスリム原告らの主張を排斥しています。

ブルーノも一般的なアメリカ人の意識を代表するかのようにモスクは安全と考えていたようですが、ナキアは現実と同じようにマーベル世界でもモスクが安全ではないことを指摘し、高校へ逃げるように提案します。

間髪入れずに強制捜査に訪れたディーヴァーたちは、前回「土足厳禁」である事を注意されたことを無視し、モスクに乗り込んでいきます。シャイク・アブドゥラは「神が私のそばにいなくても、私が神のそばに。神はいつでも正しいのだから」とリンカーンの言葉を引用するも、ディーヴァーは「コーランを聞いている暇はない」と勘違いして偏見と無知を表現しています。

変装の定石

MCUで変装といえばS.H.I.E.L.D.製のナノマスクよりもキャップをかぶること。

かつてはスティーブ・ロジャースとナターシャ・ロマノフがS.H.I.E.L.D.(H.Y.D.R.A.)から逃げる際にもキャップで誤魔化し、キャロル・ダンヴァースがペガサス計画の基地に潜入する際にもフューリーからキャップが渡されました。

今回はシャイクがブルーノとカムランに「ハラム」と「ハラル」と書かれた帽子を手渡しています。ブルーノに渡されたのは「ハラム」と書かれた帽子で、これはイスラムの教義に則って「禁じられているもの」という意味、そしてカムランがかぶっている「ハラル」は「許されているもの」という意味になっており、ブルーノがイスラム教徒ではない事への暗喩となっています。

レッドダガーズ

カムランの保護をカリームに頼むカマラですが、その着信の直前のシーンでカリームは地図を見ています。

この変わった地図のレンズが示している場所はエピソード4でワリードが見ていた場所とは変更されており、今後の伏線となっている可能性が考えられます。

©MARVEL,Disney

レッドダガーズの任務は「敵から仲間を守ること」と説明されていましたが、5話でカムラン以外のクランデスティンが退場した事を考えると、「敵」とは何かという疑問が浮かび上がります。

レッドダガーズがアイシャを伝説的存在としている事と、5話でアイシャがダガーでイギリス兵を撃退していた事を考えると、この組織はアイシャが創始者である可能性も囁かれています。しかしアイシャがナジマとの対立を明確にしたのは死亡する前日であり、それ以前から組織を準備していたとするとそこに十分な理由があまりありません。

このあたりは「ミズ・マーベル」シーズン1では詳細に描かれなかった部分で、今後の展開に期待です。クランデスティンにはまだ生き残りがいるのか?それとも別の敵が存在するのか?カリームは地図を見ながら何を考えていたのでしょうか。

計画

学校に逃げ込んだカマラたちはナキアと合流。さらにTiktok撮影をしていたというゾーイも合流。1話ではナキアが「フォロワー10万人越えてから性格が最悪になった」という紹介をしていましたが、ダメージコントロールの聴取でナイトライトの正体を明かさなかったりと、いい友達であることが証明されています。

「計画はこう!」と1話のアベンジャーズコン参加作戦と同様の入り方で、対ダメージコントロールの戦略会議を始めると兄のアーミルも登場。これは2話の記事でもお伝えしたように、コミックのアーミルはカマラのデートにもついていくような人物である事を表現しているようでもあります。

突入許可

ディーヴァーが高校への突入許可を求めるのに対して、上司であるクリアリーは慎重な姿勢を見せます。というのもマスコミの目を非常に気にしており、それが理由で許可はおりません。

政府機関がヒーローやヴィランといった能力者と渡り合うには世論もまた大切です。世論からの避難を受ければ組織活動の維持は困難になっていくのは明白だからです。

クリアリーやディーヴァーがいかなる事情で能力者を目の敵にしているかはまだ描かれていませんが、ディーヴァーがこういった原理にまで考えが及んでいないということは、単純に浅はかなキャラクターなのか、あるいは目標以外が見えなくなるぐらい怒りや恨みといったネガティブな感情に支配されているのかもしれません。

ゾーイの能力

子供の考えたトラップという意味では「ホーム・アローン」を彷彿とさせながら、突入してくるダメージコントロールを撃退するカマラたち。しかしそれはメインの対抗策ではなく、ここの主役はゾーイでした。ゾーイはこの様子をライブ配信し、市民を味方につけていきます。

これは他のメンバーにはない、ゾーイだけのスーパーパワーです。

分身の術

カムランたちが同じキャップとパーカーを着用している事が原因で、バリーは「やつは分身の術を?」と困惑しています。コミックには分身の術を能力とするマルチプルマンというミュータントが存在し、X-Factorとして活動しています。

求めるものは自ずとやってくる

カマラとカムランが逃げ込んだ部屋は1話でも登場したゲイブ・ウィルソン先生の部屋。1話では現実を見るようにアドバイスをされましたが、当時ヒーローになることを夢見ていたカマラは4話、5話で言及された「求めるものは自ずとやってくる」の言葉どおり、ヒーローとなってこの部屋にもどってくることになりました。

ダメージコントロールとの対決

カマラのヌールの盾によって銃弾が無力化される事を理解したディーヴァーは、音波兵器を用いて鎮圧に乗り出します。映画「インクレディブル・ハルク」で登場した音波兵器はスターク製のものでしたが、今回登場した機器にロゴは確認出来ません。

暴走するカムラン

カムランが暴走し、現場に集まっていた市民たちの目は状況を悪い方へと向かわせる事をよぎらせます。

過去には「ブラックパンサー」でティ・チャラがユリシーズ・クロウを処刑しかけた所を配信されそうになったり、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではジョン・ウォーカーの暴走がライブ配信され、非難を浴びる事になりました。

しかしカマラが作り出したドーム状のシールドがカムランのパワーが市民に向かう事を防ぎました。嘆くカムランにナジマの思いを伝え、「どうすれば普通になれる?」と言うカムランに「普通なんて無いよ」と今回のエピソードのタイトルを回収します。

カマラは「与えられた力をどう使うかが大切」と付け加え、その力でカムランを逃します。

フィナーレ

事態が収束し、SNS上ではミズ・ナイトライトの話題で大盛りあがり。シャイクがいつからTiktokerなのかは不明ですが、ライブには1万4千を越えるいいねが付けられています。そしてルビーおばさんはそれを上回る2万6千いいねとなっています。

©MARVEL,Disney

ゲイブ先生は彼らに比べると駆け出しのようで300台におさまっています。隣の少年のアカウントが@MasterPaul616とここがEarth-616である事と関連付けられていますが、彼が何者かは不明です。

また、@TheRealGWW はコミック「ミズ・マーベル」原作者のひとりグウェンドリン・ウィローウィルソンさん。ゲイブ先生が1話のときにデスクに置かれたネームプレートにGWWと書かれていた事、アカウント名にGWWを使用している事に対抗しているのか、アカウント名に「Real」(本物の)と付けられています。

©MARVEL,Disney

そんな小ネタの多いTiktokを眺めていたカマラは正式な衣装を着た自分を見つめ直し、キャプテン・マーベルのコスプレをしていた1話からの成長を感じさせています。

ミズ・マーベル

何年も二人目の子供を授からなかったという父ユスフは、「カマラ」という名前がアラビア語で「パーフェクト」、ウルドゥー語で「ワンダー」や「マーベル」という意味だと告げます。そして「昔からお前は驚くべきミズ・マーベルだった」と言われ、父の言葉でヒーローネームの決定に至りました。

突然変異

アーミルが妹のスーパーパワーに嫉妬して自分にも力がないか調べてほしいと頼んでいたのは面白いですが、ブルーノはその調査の結果、カマラの遺伝子が他の家族とは異なっていると報告します。

このとき、英語では「like a mutation(突然変異のようなものだ)」という言葉が用いられ、BGMには「X-MEN’97」のテーマのワンフレーズが使用されています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-ms-marvel-kamala-khan-dna/”]

つまり、カマラ・カーンがミュータントである可能性を示唆しているわけですが、これについてコミック「ミズ・マーベル」の原作者サナ・アマナトさんは海外メディア Empire Magazine とのインタビューで次のように語っています。

私たちは、以前からこの展開について話してきました。2012年か2013年、G・ウィローと私がカマラのキャラクターについて考えていた時、元々はカマラをミュータントにしたかったんです。だからこそ、今回の展開が実現しました。

コミックのカマラはインヒューマンとして能力を獲得していますが、そもそもそれ以前にはミュータントとしてのデビューが計画されていたようです。

2012年といえば映画「アベンジャーズ」が公開されたころで、この時代、ミュータントの権利は20世紀FOXが持っていました。新ヒーローのコミックデビューにあたって、勢いのある実写シリーズを意識するのは当然のこと。しかしミュータントとして描けばMCUには登場出来ないのは明白でした。おそらくはこういう理由でカマラはインヒューマンとしてデビューする事になったのではと推測出来ます。

しかし後に状況は変わり、ディズニーがFOXを買収したことで「X-MEN」や「デッドプール」などがMCUに組み込まれることになり、「ミズ・マーベル」実写化のタイミングで本来のプランであったカマラ=ミュータントに舵を切り直した可能性があるようです。

ただし、アマナトさんは同インタビューで「では(MCUの)カマラはミュータントですか?」という質問に対し、「それはまだ分かりません。それは分かりませんよ、みなさん!私が分かっていることと今言えることは、私たちがミューテーションという言葉を使ったということだけです。ミューテーションという言葉の大ファンとしては、多くの優れたストーリーテリングの扉を開くことになると思っています。」と今後に期待して欲しい旨を述べました。

キャプテン・マーベル

映画「ザ・マーベルズ」のためにキャロルのシーンがあるだろうと考えられていたクレジットシーンですが、ファンの願い通りキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァースが登場しました。

初期のコミックではカマラがキャロルに「変身」したこともありますが、このシーンは「変身」ではなく居場所を交換したとプロデューサーが説明(from Variety)しています。

2話の記事でマーベルのバングル系アイテムについて少し解説しましたが、コミックのネガバンドはキャプテン・マーベルとサイドキックのリック・ジョーンズの位置を交換したことがあり、今回のシーンに似ていると言えます。

一方でカマラがヌールのエネルギーを視覚化、固定化する様子はクアンタムバンドのようでもあり、MCU版ではふたつのバングルを融合させている可能性も考えられそうです。あるいは片側がネガバンドとして効果を宿し、もう片側がクアンタムバンドとして機能しているかもしれません。

また、キャプテン・マーベルのコスチュームデザインが初期の頃に近くなっています。

「キャプテン・マーベル」の頃は首元から鎖骨下、肩部分が赤色でそれ以外が青を基調としており、これはモニカ・ランボーがデザインしたものでした。「キャプテン・マーベル」のポストクレジットシーンではフューリーのポケベルによって地球に戻ったキャプテン・マーベルがほんのすこし描かれ、肩の部分が金色になっています。

その後、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の決戦や「シャン・チー/テン・リングスの伝説」では主に赤と青の配色が逆になったデザインになっています。

ドラマ「ワンダヴィジョン」でモニカがキャプテン・マーベルの話題に対して見せた不満そうな表情が配色の変更によるものかどうかは不明ですが、「ザ・マーベルズ」でモニカが元のデザインに戻した可能性もあるのでしょうか?

残された謎

展開的には清々しい終わり方でしたが、置き去りになっている謎もいくつか存在しています。

・カマラが初めてバングルを装着したシーンで垣間見た人たちはヌールディメンションで今なお生活している人たちなのでしょうか?

最終的にヌールディメンションが正確に描かれる事がなくシーズン1が終了となり、クランデスティンの世界について詳しく知ることは出来ませんでした。

・アイシャやナジマたちクランデスティンはなぜ追放されたのでしょうか?

こちらも不明のままで、クランデスティンもほとんど退場していまい、知る機会がなくなった可能性も高そうです。

・「寺院から来た男」は何者で何を知っていたのでしょうか?

アイシャたちがバングルを発見した場所にテンリングスの紋章があった事から、シュー・ウェンウーの事を指している可能性が高そうですが、彼がバングルの元へクランデスティンを案内する理由があまりありません。その時点でヌールディメンションに世界が侵食されていた可能性があり、ウェンウー自体は世界の破滅を企んでいたわけではないので、バングルの詳細について知らなかったか、そもそもウェンウーではない可能性も十分ありそうです。

・レッドダガーズの敵とは誰なのでしょうか?

クランデスティンはカムランを残して全滅しているような描写ですが、レッドダガーズは活動を続けている様子です。カムランを保護した以上、残された脅威は一見なさそうですが、生き残りや別の敵について今後言及されるのかもしれません。

・ダメージコントロールの目的は?

今のところ組織の全体像が見えず、クリアリーやディーヴァーが個人的な理由で動いていたのか、組織として何らかの任務をおっているのかが不明です。「ワンダヴィジョン」で未だに効力がある事が判明したソコヴィア協定もそうですが、ミズ・マーベルに捜査の手が伸びて、キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンや「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で街中で大立ち回りしたドクター・ストレンジ達がお咎めなしだとちぐはぐ感が出てきてしまいます。このあたりも今後言及されていくのでしょうか?


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

イマン・ヴェラーニさんがMCU版「ミズ・マーベル」はX-MENの市来久子にインスパイアされていると明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」の主演を努めたイマン・ヴェラーニさんが、RedditAMA でのファンとの交流の中で、MCU版のミズ・マーベルがX-MENのアーマー/市来久子(イチキ・ヒサコ)を元に構築されている事を明らかにしました。

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イマン・ヴェラーニさんはRedditに「X-MEMのアーマーからヒントを得たのは確かで、エネルギーの波動が彼女を保護する層として取り囲んでいると考えるのが好きです。カマラがガラスのように感じているとは思えません。」とコメントしました。

アーマーこと市来久子はその名の通り日本生まれのミュータント。2004年に発刊されたコミック「Astonishing X-Men Vol 3 #4」でデビューした彼女は、エマ・フロストとサイクロップスが再建した学園への新入生としてデビューしました。

©MARVEL,Disney

新入生の中心人物として活躍したヒサコはX-MENに抜擢され、その後もハウス・オブ・Mやウルヴァリンとの任務、クラコアの創設など、ミュータントのエピソードに関与し、ジーン・グレイ学園の教師としても活動しています。

そのヒサコの能力がフォースフィールドによるサイオニック・エクソスケルトン・アーマーを纏う事で、この特別な鎧により超人的な耐久力と腕力を獲得します。イマン・ヴェラーニさんはこれを元に、エピソード6のカマラの能力が描かれていると説明しました。

XMENVOTE2021では6位になるなど、一定のファンを獲得しているアーマーですが、これによって海外のアーマーのファンはMCUでの席がミズ・マーベルに奪われてしまった可能性を懸念しています。もちろん日本のマーベルファンにとっても、日本人キャラクターがソーやハルクたちと肩を並べる所は見たいものであり、この事実がこの先どう転んでいくかは要注目となりそうです。

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