マーベル・スタジオが制作するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」で初登場となるルース・バット=セラフについて、海外メディア The Hollywood Reporter が新たな情報を発信しています。それによると、コミックのコードネームはこの最新映画に導入されていないと言います。
先日公開された予告にも登場していたシラ・ハースさん演じるルース・バット=セラフは、映画版では米国政府高官である元ブラックウィドウという設定に。
コミックではルースはかつてサブラというコードネームでモサドのエージェントとして活動していました。ルースはイスラエルにとってはヒーローでしたが、他国からはしばしばテロリストとして扱われ、こういったルーツを背景に持つキャラが米国の機関に所属することで、イスラエル人であるルースは新イスラエル派からも反イスラエル派からも忌避されるキャラとなってしまいました。
2022年にマーベルがD23エキスポでシラ・ハースさんがルース・バット=セラフを演じると発表した際、当時、イスラエルに対する学術・文化ボイコットを求めるパレスチナ運動は、この決定を激しく非難し、「原作の漫画の醜い人種差別とモサドの称賛は吐き気がする」と非難しました。
この時、スタジオはキャラクターの背景が変更されることを明確にし、この件について次のような声明を発表。「私たちのキャラクターとストーリーはコミックからインスピレーションを得ていますが、それらは常にスクリーンと現代の観客のために新しく想像されており、映画製作者は40年以上前にコミックで初めて登場したサブラというキャラクターに対して新しいアプローチを取っています。」
サブラはイスラエル人に存在する名でありながら、1982年にイスラエル軍が傍観する中、民兵が数百人のパレスチナ人を虐殺したレバノン難民キャンプの名前でもあります。このキャラクターの登場が発表されてから、「いかなる形であれこの人種差別的なキャラクターを復活させることで、マーベルはイスラエルによるパレスチナ人への抑圧を促進している。」というような抗議文も発表されていました。
THR は「サブラ」というコードネームはいかなる形でも使用されないと報告しており、マーベル・スタジオは40年以上前に誕生したこのキャラクターを、現代にあわせて完全に再構築したようです。
「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」はアンソニー・マッキーさんが主人公キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンを続投する他、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」からダニー・ラミレスさん演じるホアキン・トレス、カール・ランブリーさん演じるブラック・キャプテン・アメリカ/イザイア・ブラッドリーが再登場。
その他、ヴィランとして映画「インクレディブル・ハルク」よりティム・ブレイク・ネルソンさん演じるザ・リーダー/サミュエル・スターンズが再登場し、故ウィリアム・ハートさんに代わってハリソン・フォードさんがサディアス・”サンダーボルト”・ロスとして登場。
また、リヴ・タイラーさんが撮影現場で目撃されており、サディアスの娘ベティ・ロスを「インクレディブル・ハルク」ぶりに再演すると見られています。
映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は 2025年2月14日 、日米同時に劇場公開予定です。
ソース:‘Captain America: Brave New World’ Trailer Draws Controversy Over Israeli Character