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ドラマ「ワンダヴィジョン」のアグネスは何者なのか、そして夫のラルフとは? ─ 1話2話からの考察

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MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ワンダヴィジョン」に登場する、”おせっかいな隣人”アグネスについて掘り下げていく記事になっています。また、アグネスの基になっていると言われるコミックのアガサ・ハークネスについても触れて行こうと思います。

※この記事にはドラマ「ワンダヴィジョン」やこれまでのシリーズのネタバレが含まれています。ご覧の際はご注意ください。

コミックのアガサ・ハークネス

コミックに登場するアガサはいわゆる魔女で老婆です。紀元前500年ほどに生まれたとされていますが、第二次大戦中キャプテン・アメリカと共に戦っていた頃は若い女性の姿で、その後数十年で老婆姿になっているのは謎のひとつです。

現代においてはファンタスティック・フォーのミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズとインビジブル・ウーマン/スーザン・リチャーズの息子フランクリン・リチャーズの乳母役でもあり、そしてドラマへの関連性がもっとも高い要因として、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフの魔術の師匠でもありました。

アガサはエボニーという黒猫の姿をした魔法生物を使い魔として飼っており、ニコラス・スクラッチという名のヴィランの息子がいます。しかし夫の存在については不明です。

アガサはニュー・セイラムという魔女や魔術師たちが住む村のリーダーでしたが、魔女裁判によって住民たち(住民ももちろん魔女)に殺され、一度目の死を迎えることになりました。その後はアストラル体(映画版ドクター・ストレンジでも出てきた状態、霊魂やゴーストのようなもの)として登場しています。アガサの死後、ワンダは魔力による妊娠でウィリアムとトーマスという名の双子を出産しましたが、アガサはこれを危険だと指摘しました。結果的にマスター・パンデモニウムに双子を奪われ、裏で糸を引いていたメフィストに双子の魂は吸収されてしまいました。アガサは狂気に陥ったワンダの手によって、2度目の死を迎える、というのがコミックでの大まかなアガサです。

ドラマのアグネス

アグネスという女性はドラマ開始から5分も経たないうちに登場するワンダとヴィジョン以外の主要キャラクターで、引っ越しの挨拶に来る所から出会いが始まります。年齢設定は不明ですが、コミックのような老婆姿ではありません。

アグネスはワンダの事を根掘り葉掘り聞いたあと、ワンダの記念日を成功させようと”おせっかいな隣人”として色々とアドバイスをくれます。ワンダをサポートしてくれる点ではコミックのアガサと似ていますが、現状では魔女を感じさせる要素はありません。

2話に入ってもワンダとヴィジョンのマジックショーに向けて、うさぎのセニョール・スクラッチーを貸してくれたり、町内会の会合に向けてアドバイスをくれるなど、おせっかいぶりは健在です。

現在の段階では肩書通りの単なるおせっかいな隣人としての色が強く、ヒーローのようには見えません。しかし、だからといって単なる隣人としては不可解な言動も見られます。それがアグネスの言う夫ラルフの事です。

夫のラルフとは?

以前にトレーラーで横に立つ男性がいましたが、彼はラルフではなくハーブ(ヘヴァリー)という名の町人であることが、2話で判明しています。そして度々名前が出るにも関わらず、不思議な事にラルフと名乗る男性はまだ登場していません。

©2021 MARVEL

そんな夫のラルフに対してアグネスは愚痴ばかりこぼしているのでピックアップしてみました。

「こんにちは、アグネスよ!右のお隣さん、おたくから見たら左ね。ご挨拶が遅くなってごめんなさい。義理の母がすぐ近所に来てるっていうから隠れてたの」

「うちの夫が覚えてるのは飲んだビールの銘柄だけよ」

「夫のラルフに必要なのは”死ぬまで妻を満足させる方法”だけどね」

「うちのラルフは煮豆しか食べないんだけどね。だからあんな体型してるのよ」

愚痴を額面通り受け取るのであれば、ラルフはビールと煮豆に目がない男性なのでしょうか。ビール腹のようでもあり、豆ばかりで痩せているようでもあり、いまいち全体像がつかめません。

また、2話のマジックショーの最中には「それより観客の一人を消してくれない?私の夫のラルフを」とこぼしていました。しかし、アグネスと同じテーブルについている観客は女性でした。

アグネスは画像中央やや左に座っている黒髪の女性です。その左の初老の男性がラルフなのでしょうか?しかし義母の話もあったので、この男性をラルフだと考えるのはやや難しい感じです。このシーンにラルフは映っているのでしょうか?

そこで思うのは「ラルフなんていないのでは?」という事です。

1話、2話でワンダやヴィジョンは「いつ結婚したのか」などを覚えていませんでした。ソコヴィア出身である事や、ワンダがサイコキネシスを使ったり、ヴィジョンが人造人間で物体を透過出来る事は覚えているようでしたが、二人は肝心な事を忘れています。ヴィジョンが映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で死んでいる事実です。二人の記憶に障害が生じているように、アグネスもまた記憶がおかしい可能性があるのではないでしょうか。

また、予告動画でのアグネスは助けを求めてもいました。

©2021 MARVEL

アグネスは何者かに操られており、その何者かは夫のフリをしていて、アグネスは助けて欲しいと思っている。時折その何者かの制御を脱し、本心を明かせている可能性はあるのでしょうか?「夫を消して欲しい」というのは救難信号なのかもしれない、というのは考えすぎでしょうか。

ウェストビューは本当にワンダの世界なのか

このドラマはコミックの「VISION」と「HOUSE OF M」を原案に制作されていると言われています。「VISION」はヴィジョンとその家族(アンドロイドの妻と子どもたち)が郊外で理想的な人間らしい生活を送ろうというあらすじで、「HOUSE OF M」はワンダの能力が覚醒、暴走し、宇宙まるごとワンダの理想に作り変えられてしまうようなあらすじです。両コミックともいわゆる闇落ち展開で、なかなか救われない結末を迎えます。

とはいえ、「HOUSE OF M」でワンダが作った新世界は、ワンダの能力で改ざんした記憶すら回復したウルヴァリンを除いて、まさに思い通りの世界であり何の不安もありませんでした。

ところがドラマの舞台であるウェストビューはワンダにとっても不安要素が多く、本来のワンダであればハート夫妻やドッティをマインドコントロールで従わせることも出来るはずなのにしませんでした。能力のすべてを覚えていないのでしょうか。

コミックのワンダとアガサの間のエピソードにおいて、悪魔の存在はひとつ大きなものです。ドラマにおいても悪魔メフィストやその手下が登場するとすれば、ウェストビューという町の住人を支配しているのはワンダではなく、その悪魔かもしれません。

2話で「子どもたちのために」というワードがたくさん出ましたが、現状で子どもは誰一人登場していません。予告動画では町に子どもがいることもわかりますが、ウェストビューは悪魔が子供の魂の養殖場として利用している、というのはかなり突飛な考えなのかもしれません。

ジミー・ウーの依頼、またはS.W.O.R.D.の任務などで派遣されてきたワンダもヴィランの術中にはまり、ワンダの能力と相まってヴィジョンを再創造して、ワンダの深層心理で描いていた幸福な世界を構築してしまった。ヴィランは来訪者であるワンダの偵察としてアグネスやハート夫妻を送り込んだというのが1話の流れだったのではないでしょうか。そして2話になり、ラストでS.W.O.R.D.のマークを見て任務を思い出しかけたものの、幸福な生活を優先し、現実をなかった事にしてしまったのではと考えてしまいます。

今後はワンダの子どもたちやヴィジョンのマインド・ストーンを求めて、ヴィランが本格的に動き出しそうな予感がしますが、MCUはいい意味で期待を裏切ってくれるシリーズなので、考察や予想なんてまず当たらないでしょう(笑

ところでヴィジョンのもともとの遺体、というかスクラップはどこかに保管されているのでしょうか。ワカンダかアベンジャーズ・コンパウンドか。トニー亡き今、フェーズ3までのキャラクターならシュリぐらいしかリペア出来なさそうですね。

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管理人ミルク

アメコミと出会ってはや20年以上、初めて買ったマーベル・コミックはオンスロート。X-MEN vs STREET FIGHTERではシリーズを通してマグニートーを愛用。