ドラマ「ホークアイ」、6話のイースターエッグをピックアップ

2021年12月22日にディズニープラスで配信されたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」シーズン1エピソード6「クリスマスがやってきた?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

キングピン/ウィルソン・フィスク

Netflixのマーベル・ドラマ「デアデビル」にてキングピン/ウィルソン・フィスクを演じていたヴィンセント・ドノフリオさんがMCUにも登場しました。しかしNetflix版の吹替は乃村健次さんでしたが、MCU版は玄田哲章さんに変更されています。

2作品のキングピンが同一かどうかについて、バート&バーティ監督はここでは触れないという決断をしている事を海外メディア Polygon とのインタビューにて明かしています。演じているヴィンセント・ドノフリオさんは「僕の中では同じだ」と答えています。

そういうわけで「デアデビル」を未視聴の視聴者が困る事は何一つなく、ニューヨークの裏社会を牛耳る人物として十分に機能しています。

手を切りたいと切り出すエレノアに対して、「この世界に一線などない」と返すキングピンですが、エレノアは資料のコピーがあると脅しをかけ立ち去ってしまいます。この事について後のシーンでキングピンはカジに愚痴をこぼしていますが、日本語吹替では「銀行員のように仕事をやめられると思っている」と言っているのに対して、日本語字幕では「キャリアウーマンのように」、そして英語では「ゴールドマン・サックスの社員のように」となっています。ドラマ「ロキ」ではTVAにて「僕のパパはゴールドマン・サックスの取締役員だぞ」と叫んで剪定されてしまうモブの変異体がいて、ごくごく小さな繋がりになっています。なお、ゴールドマン・サックスはディズニーの顧問としてマーベルの買収に関与し、長い関係を続けています。

エレノアが立ち去り、マヤと会うシーンではキングピンの衣装が変わっています。マヤとのシーンでは「Amazing Spider-Man: Family Business」(2013年)のカバーアートと同じスタイルになっています。

©MARVEL

そして「この街が私のものだと世間に思い出させないと」とキングピンは強硬手段に出る事をカジに命令します。

エレノア・ビショップ

コミックではヴィランのマダム・マスクと裏で繋がっていたエレノアでしたが、MCU版では5話のラストで判明したようにキングピンと繋がっていました。

序盤のエピソードでは娘のケイト・ビショップそっちのけでジャック・デュケインとラブラブする様子が描かれていましたが、そんな婚約者を売ってまでしてもケイトのほうが大切なようです。

クリント暗殺依頼に関しては少し謎が残る所です。エレーナがコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ、通称ヴァルの下で働いているのは「ブラックウィドウ」でも明らかになっていますが、そのヴァルへの依頼はキングピンを経由して行われたのか、エレノアがヴァルに直接依頼したのかは明かされませんでした。

危険なトリックアロー

キングピンとトラックスーツ・マフィアとの対決に備えて準備を始めるクリントとケイト・ビショップ。3話でも登場したピムテック製の矢が再登場した他、予告で確認されていたスターク製の矢も登場し、ケイト・ビショップは3話での不便を改善するために「エアバッグ」「凍結」「フラッシュ」「氷壊」などのラベルを用意しています。

準備をしながらケイト・ビショップの覚悟を確認するクリント。ケイトは、スーパーパワーのないホークアイが弓矢でチタウリたちと戦う姿を見て、「ヒーローとはスーパーパワーを持つ人でははなく、正しいことを勇敢にやり通せる人のこと」だと学んだと言います。その覚悟を認めたクリントはケイト・ビショップを同行させて、ビショップセキュリティのクリスマスパーティ会場へと向かいます。

パーティ会場にて

会場に到着した2人に加え、このシリーズの準レギュラーとも言えるラーパーズの面々もウェイターとして参加し、手伝ってくれていました。不思議なことに逮捕されていたジャック・デュケインも釈放されて参加していました。殺人容疑での逮捕から一日で釈放されているのは謎ですが、ジャックもまたニューヨークのハイソサエティな人間のひとりとして、社会的に何か大きな力を持っているのかもしれません。

そして向かいのビルにはカジがライフルを持って現れ、会場となっているビルにはトラックスーツ・マフィアの連中が続々と到着。さらにエレーナも会場に到着、受付を担当していたラーパーズのオーヴィルは素通ししてしまいますが、聞かされていなかったのであれば仕方ありません。

エレノアと合流したケイト・ビショップは「ママを助けたい」と真相を掴んだ事を明かします。その場にジャックも現れますが、エレノアは動揺し、もはやジャックにはお構いなしになってしまいます。

この一帯にこのシリーズの主要キャラクターが集結した所でカジの発砲を皮切りに、視聴者的パーティータイムがスタートします。

エレーナvs.ケイト・ビショップ

会場が騒然とし、来客たちが避難する中、ケイト・ビショップはエレーナを見かけて後を追います。クリントの暗殺をやめさせたいケイト・ビショップですが聞き入れては貰えません。

力づくで止めさせたいケイト・ビショップに対して、エレーナの能力は遥かに上で空回りを続けます。気になるのはエレーナのほうで、実際は彼女のスキルやブラックウィドウのツールを使えばケイト・ビショップを無力化して任務を遂行できるはずです。そうしないのはエレーナのポリシーなのか、あるいはエレーナの所属する組織のやり方なのか、今後の展開に注目となりそうです。

かつては「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の空港シーンや「アベンジャーズ/エンドゲーム」のヴォーミアにてクリントとナターシャの対決を見てきましたが、本作ではやくも二代目同士の対決を見ることになりました。

なお、エレベーターから出る際にエレーナがケイト・ビショップに放った「cyka」という言葉は英語でビッチに相当する言葉で、日本語字幕では「クソ女」と表現されています。「ブラックウィドウ」でナターシャにバイクの鍵を盗まれていた時は英語で姉のことをビッチと呼んでいました。

エレーナとケイト・ビショップの取っ組み合いが始まった 「Tanner, Dees, & Associates」はタナー・ビーンさんとコートニー・ディーズさんの名前を表示していると考えられます。タナーさんは本作の作家兼エグゼクティブストーリーエディターであり、コートニーさんはセットの装飾制作アシスタントとして参加しています。

©2021 MARVEL,Disney

エレーナに続くようにビルから飛び降りたケイト・ビショップでしたが、ヒーロー着地するにはまだ早かったようでポーズは決まりませんでした。

ケイト・ビショップvs.トラックスーツ・マフィア

エレーナには手も足も出ないケイト・ビショップでしたが、トラックスーツ・マフィアに対しては滅法強く描かれました。イマジン・ドラゴンズのファンだったマフィアメンバーは結局マルーン5のライブに行くことで落ち着いたようですが、そんなコミカルなシーンを入れつつも数人をあっという間に倒してしまいます。

加勢に来たマフィアに銃を突きつけられピンチを迎えてしまいましたが、ジャック・デュケインの介入により助けられます。しかし、マフィア相手とは言え、殺人容疑で捕まった翌日に剣を振り回して大丈夫なんでしょうか。古い時代劇のような大げさな出血表現こそありませんが、マフィアのひとりのジャージは真横に切り裂かれており、模造刀などではないことを示しているようです。

©2021 MARVEL,Disney

オウル

窓から飛び出したクリントですがワイヤーが切れてクリスマスツリーに突っ込んでしまいました。その中にはフクロウがいて、不思議そうにクリントを見つめていました。

©2021 MARVEL,Disney

コミックにはオウル(日本語でフクロウ)の異名を持つリランド・オウルズレイというヴィランが存在し、キングピンの金庫番としてスパイダーマンやデアデビルなどと戦いますが特に関係はなさそうです。

 2020年の現地ニュースによると、クリントが引っかかったツリーのもとになっているロックフェラーセンターのクリスマスツリーは、ニューヨーク州オニオンタで伐採されマンハッタンに運ばれてきましたが、到着してからフクロウが住み着いていた事が発見され保護されています。

このフクロウがクリントに敵対的であればダブルミーニングのようにも考えられましたが、今回はただ実話にインスパイアされただけのように思えます。

ショータイム

ツリーから強制的に降ろされたクリントとケイト・ビショップがスケートリンクで合流し、トラックスーツ・マフィアも集まってきます。この時クリントの背後が映され、以前にジェレミー・レナーさんが公開していたS.H.I.E.L.D.の矢筒を使用している事がわかります。

©2021 MARVEL,Disney

S.H.I.E.L.D.自体が帰ってくる事はありませんでしたが、言及の多い作品になっていました。そして「マイティ・ソー」(2011年)でホークアイがデビューしてちょうど10年、ようやくコミック通りのコスチュームとなりましたが、残念なことにマスクは再現されませんでした。

また、10年目にして初めて見せるトリックアローが画面を彩り、マフィアたちを次々と撃破していきます。最後に突っ込んできたトラックをピム・アローで小さくしますが、戻し方はわからないようでスコット・ラングに聞く必要があるようです。

第2ラウンド

あらかたのトラックスーツ・マフィアを撃退した所へカジたちが到着。クリントは4話でブーメランアローのあとに話題にしていたスプリットアローも今回実用化して採用し、それを用いて応援に駆けつけたマフィアを排除しました。ケイト・ビショップは「それは無理だ」と考えていましたが、さすが師匠と言った所でしょうか。

クリントとカジの直接対決が再び始まると思いきや、影を潜めていた女性陣が割り込んできます。エレーナはクリントに襲いかかり、マヤはカジと対峙します。

「姉さんに何があったのか」問うエレーナ。真相を知りたいという事はヴァルの言うことを完全に信用しているわけではないと言えそうです。「お姉さんは命と引き換えに世界を救った」と返すクリントですが、しかしエレーナはこれも信用できません。そもそも論としてナターシャの死を受け入れられてないようです。

一方のマヤはカジと「すべてを水に流して一緒に生きたい」と明かしますが、カジはこれを受け入れられません。どこかでそうしたいという表情を見せながらも、カジにとってトラックスーツ・マフィアは人生そのものだったようです。

以前にマヤは父親から「ふたつの世界を同時に行き来出来る」と教えられましたが、カジは「両方の世界を歩くことは出来ない」とそれを否定してしまいます。己を貫き、近くにあった矢を拾ったカジは襲いかかりますが、うまく捌かれて自分の腹を刺してしまいました。

ケイト・ビショップvs.キングピン

MCU版のキングピンの能力についてその起源などの説明はありませんが、コミックのキングピンはただ鍛錬によってのみ、その能力を獲得しています。つまりスティーブ・ロジャースのような薬もなければ、トニー・スタークのようにテクノロジーで強化しているわけでもありません。もちろんミュータントやインヒューマンのような特殊な能力もありません。

しかしかつてウィンター・ソルジャーが見せたようなダイナミックな車のドアの開け方を視聴者に見せつけ、エレノアに話をしようと迫るキングピン。そこへケイト・ビショップが到着し、矢を放ちますがまったく効いた様子がありません。コミックのキングピンは力士のように筋肉の鎧に覆われているとされており、MCU版でもそういった設定になっていると考えられそうです。娘のピンチを救うべく、エレノアがキングピンを車で跳ね飛ばしますが、やはりこれもさほど効果がありませんでした。

なんとか食らいつくケイト・ビショップでしたが、体術ではキングピンには叶わず、矢はすべて奪われて折られてしまいました。しかし隙きを突いてカフスボタンを奪い取り、クリントからならったコインの投擲術を応用して「特上の危険」の矢を起動し、文字通り一矢報いるのでした。Netflixの「デアデビル」のキングピンはカフスをコレクションしていた事もあり、そのカフスが最後の攻撃になっているのはファンサービスだと考えられます。

そしてケイト・ビショップはクリントに言われたようにヒーローとして辛い決断をし、母親を逮捕させる事で母娘の物語はひとまず幕を下ろしました。

クリントとエレーナの決着

「なぜ姉を止めなかったのか」問われるクリントは「彼女のほうが上手だった」答えます。事実として、クリントはエレーナにも手も足も出ない状態で、S.H.I.E.L.D.のエージェントよりもレッドルームのウィドウのほうが戦闘力が高いようです。

とどめを刺すべく銃を出したエレーナでしたが、クリントは咄嗟に秘密の口笛を吹くことでエレーナの手が止まりました。ナターシャが秘密を明かした相手だとようやく認識して、話を聞く態勢へと変化していきます。

結局のところ、エレーナは自分がいればナターシャの死を止められたと悔やんでいました。しかしクリントの「彼女の意志は鋼だ」という言葉に強く共感したエレーナはようやくナターシャの死を受け入れ、立ち去っていくのでした。

エレーナがどのような組織に所属しているのかは不明ですが、任務失敗のまま帰還して無事なのかは心配な所です。あるいはこれがきっかけで組織を抜け、ヒーローへと転じるのでしょうか。

キングピンとマヤ

「特上の危険」の矢を持ってしても、キングピンは一時的に気絶しているだけでした。よろめきながらも現場から逃走したキングピンの前にマヤが姿を現します。

マヤはキングピンに銃を突きつけますが画面は切り替わり、クリスマスの街が映される中でキングピンのセリフを遮るように銃声が響き渡ります。

コミックでも父親殺しの真相を知ったマヤはキングピンに発砲しています。

©MARVEL,Disney

 

MCUのキングピンがこれにて退場になるかは不明ですが、放送されなかったポストクレジットシーンによるとキングピンは生きていると設定されていたようです。ちなみにコミックでもこのシーンのあと、失明はしましたが生存していました。

パーティの結末

なんとか一件落着したトラックスーツ・マフィアによるパーティ会場襲撃事件。

ラーパーズのウェンディがジャックの剣さばきを見てスカウトしていますが、このシーンはコミックではヴィランの二人でありながら、結局は味方という形となった、コミックファンを翻弄する二人でした。

©2021 MARVEL,Disney

救急車の傍らで応急処置を済ませているクリントとケイト・ビショップ。クリントは「時々、自分のあらゆる点をよくする特別な人に出会う」とケイトの事を指して話し始めますが、最後には照れてしまったのか、衣装を作ってくれたミッシーのことにしてしまいます。そして、一人でキングピンと戦った「相棒」に対して「誇りに思う」と告げるのでした。

エピローグと時計の持ち主

クリスマスになんとか間に合ったクリントと、同行してきたケイト・ビショップとワンコ。ここに来てようやくコミック通りにラッキーという名前が与えられる事になりました。

そして第1話から登場していたキーアイテム、ロレックスの時計の謎がここに来てようやく明かされます。

時計の裏にはS.H.I.E.L.D.のマークと共に19の番号が表示されており、ローラ・バートンがS.H.I.E.L.D.のエージェント19だった事を示しているようです。エージェント19とはコミックで言う所のモッキンバードことバーバラ・”ボビー”・モースで、クリントと結婚している時期がありました。ボビーはドラマ「エージェント・オブ・シールド」でも実写化され人気を獲得し、単独シリーズも計画されていましたが、演じていたのはエイドリアンヌ・パリッキさんでした。

細かく見るとコミックではエージェント19=モッキンバード=ボビーで間違いありませんが、「エージェント・オブ・シールド」のボビーはコードネームで呼ばれた事はなく、クリント・バートンとのエピソードは一切ありませんでした。ただし、コミックのモッキンバード同様にバトンによる戦闘を得意としていました。

一方で今回はローラ・バートン=エージェント19がほのめかされただけで、他の情報はありません。今後のMCUで新たなエピソードの登場に期待がかかっています。

MCUはマルチバースによってキャラかぶりすら公式に受け入れる世界観を作り上げたため、今後リンダ・カーデリーニさん演じるエージェント19と、エイドリアンヌ・パリッキさん演じるボビーが同時に登場する可能性も否定できません。

そして結局のところ、トニー・スタークはこの件に関して正解でした。映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でクリントの自宅に避難した際に、初対面のローラに対してトニーは「彼女もエージェント、だろ?」と発言していました。バートン夫妻がこれに対して返答する事はなく、この映画から6年を経て物語上で回答が示されました。

ちなみにS.H.I.E.L.D.の全てのエージェントにコードナンバーがあるわけではありません。実写版で有名所だとMCUでシャロン・カーターがエージェント13、「エージェント・オブ・シールド」でウォードと恋仲になったキャラ・パラマスがエージェント33でした。

多くのS.H.I.E.L.D.メンバーはエージェント・カーター、エージェント・コールソン、エージェント・シットウェル、エージェント・メイなどのように名前がそのまま使われています。

そして肝心のケイト・ビショップのコードネームについていくつかアイデアが連呼されましたが、クリントの「いいの思いついた!」というセリフとともにホークアイのロゴが表示され、コミック通りホークアイを名乗ることを示唆しています。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の印象的な冒頭シーンから始まったクリントの悲劇。その始まりを告げた的にラストでフォーカスされて、この物語は幕を下ろしました。

ロジャース・ザ・ミュージカル

ポストクレジットで流されたのは1話でクリントと子供たちが鑑賞していた「ロジャース・ザ・ミュージカル」の楽曲「Save The City」のフルバージョン。

第1話の配信後に音源のみのフルバージョンがYoutubeなどで公開されていますが、映像もフルに用意されていたようで、マーベル・スタジオからのハッピーホリデーとしてここに挿入されていました。

ちなみに客席に時折映るのは人物は「Save The City」の作曲を手がけたマーク・シャイマンさん。映画「天使にラブ・ソングを…」(1992年)やミュージカル「ヘアスプレー」(2002年)などの楽曲を手がけた人物です。

リース・トーマス監督によると、当初はこのミュージカルが挿入される予定ではなかったとの事で、別の映像が撮影されていたようです。


ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ドラマ「ホークアイ」監督がローラ・バートンの未来について言及

ディズニープラスで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」のリース・トーマス監督がシーズン1最終話で明かされたローラ・バートンの秘密と、その未来に何を意味するのかについて、マーベルとのインタビューの中でコメントしました。

監督は、その言及がMCUのエキサイティングなところの一例であることを次のように述べました。

マーベル・シネマティック・ユニバースの魅力は、マーベルであること、そしてコミックがとても奥深いことです。宇宙のようなものです。私が好きなのは、番組の準備をしているときに、これらのアイデアが導入されることです。

トーマス監督は、ローラ・バートンのバックストーリーを広げたいという「明らかな願望」があることを指摘し、この報酬はMCUの将来におけるエージェント19の「さらなる活躍を期待するもの」であると述べました。

この数年間、彼の妻として彼女を見てきましたが、明らかに(彼女のバックストーリーを)広げたいという願望がありました…我々は彼女についてもっと知るべきです。家で子供たちと過ごすだけでなく、彼女にはもっと多くのことがあります。それはシーズンを通していじくり回す楽しい小さなことで、最後にもっとキャラクターを植え付けることを約束する、また素敵な小さな見返りでした。

ローラ・バートンを演じるリンダ・カデリーニさんは 2020年6月 に行われた海外メディア Collider とのインタビューの中でMCUへの再登場への意欲を見せつつも、「再登場はないと思います。ファンは私よりスーパーヒーローを見たいはずですから」とその時点ではオファーがない事を明かしていました。この時点ではまだローラは一般人だと演者自身が思っていた事を示しているようです。

ローラがS.H.I.E.L.D.のエージェント19だった事で、S.H.I.E.L.D.の元長官が主人公となるドラマ「シークレット・インベージョン」で新たな事実が描かれたりもするのでしょうか?

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ソース:公式

ドラマ「ホークアイ」のポストクレジットシーンに更に別のプランがあったことが明かされる

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」シーズン1の最終話が先日配信され、ポストクレジットのおまけ映像として本作の劇中劇「ロジャース・ザ・ミュージカル」のフルバージョンが公開されました。これは当初の予定と異なると監督が明かしていましたが、別の制作スタッフからさらなる別プランがあったことが明かされました。

映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」、ドラマ「ロキ」、そしてドラマ「ホークアイ」のヴィジュアルエフェクトを担当しているイレイナ・スコットさんは自身のツイッターで以下のような投稿をしました。

「ホークアイのフィナーレのポストクレジットでは、フクロウが兄弟を巣に連れて行くことになっていたのですが、カットされてしまってちょっと残念です。」との事。

巣に連れて帰られるとなかなか残酷な運命が待ち受けていたように思えますが、兄弟たちの未来に光はあるのでしょうか。

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ドラマ「ホークアイ」のポストクレジットシーンは当初の計画から変更されたと監督が明かす

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」のシーズン1最終話が先日22日に配信されました。そのポストクレジットシーンではマーベル・スタジオからのホリデープレゼントと称して、架空のブロードウェイ作品「ロジャース・ザ・ミュージカル」のフルバージョンが挿入されていました。しかし、リース・トーマス監督によると、これはもともと予定されていなかったと言います。

トーマス監督は海外メディア Collider とのインタビューの中で、あのポストクレジットは計画になかったものである事を明かしています。

私は知りませんでした。あれがショーを締めくくる方法になるとは計画されていなかったんです。実は僕も少し暗中模索していました。マーベルの伝統として知られているように、『この枠は他の作品のために確保されるのか』みたいな好奇心がありました。それが何になるのか待っていたんです。ミュージカルを最後に持ってきたのは、正直なところ、ファンとして少し葛藤がありました。でも、チームとしては、クリスマスだし、軽い気持ちでいいんです。このエピソードにはたくさんの血が流れました。とにかく楽しいんです。最後に楽しい解放感があって、人を送り出すにはいい方法だと思います。そういう経緯で、内容的にも、あれは一部…もちろん、エピソード1で撮影したときは全体を撮影しましたが、エピソード1では明らかにジェレミーに焦点が当てられ、ミュージカルはあまり描かれていませんでした。その進化版でした。

このミュージカルは「ホークアイ」の1話で登場したものですが、監督の言うようにドラマ自体はクリント・バートンに焦点が当てられていたため、配信当初からフルバージョンを望む声が多く見られていました。

それではもともと想定されていたポストクレジットはどういうものだったのでしょうか?

この事について、The Cosmic Circus のリジー・ヒル編集長は次のように伝えています。

私の独占情報ですが、クレジットのシーンで、クリントがキングピンにローニンのカタナを送り、ケイトとその家族に近づくなという警告をするシーンが撮影されました。これは、今日公開されたフィナーレのエピソードをご覧になった方はわかりますが、フィナーレではカットされたものです。いつか削除されたシーンで見られるといいんですけどね。

この幻のシーンはクリントが新たな相棒を守るためにあってもおかしくないシーンですが、逆にキングピンの生存を明示してしまうことにもなっています。本編ではマヤとキングピンのフィナーレについて詳細に見せずに終了したため、その曖昧さを維持するためにカットされたのかもしれません。

どちらにしても「ロジャース・ザ・ミュージカル」は多くのファンに歓迎されました。ポルトガル語やスペイン語など一部の言語では吹替版が用意されていますが、残念なことに日本語吹替版はありません。

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ソース:‘Hawkeye’ Director Rhys Thomas on the Finale, the Rockefeller Plaza Fight, Hiding Big Secrets, and What He’s Heard About Season 2

ドラマ「ホークアイ」シーズン2はある?監督インタビューにて「またやりたい」

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」の共同監督を務めたリース・トーマスさんが、海外メディア Collider とのインタビューの中でシーズン2について質問され、現在の心境を語りました。

トーマス監督は秘密を守らなければならないとマーベル・スタジオお決まりの前提を口にした上で、次のように回答しました。

今後の予定については、秘密厳守の伝統上、話すことができません。今回も、この番組が公開されることで、どのように受け取られるかは分からないし、人々がどれほど温かく受け止めて楽しんでくれているかを見るのは素晴らしいことです。そして、ヘイリーのキャラクターが受け入れられ、MCUにしっかりと定着しているのを見るのは、素晴らしいことです。あのキャラクターが次にどこへ行くのか、心から楽しみにしています。そして、そう、私はMCUの街を歩くのが大好きで、また喜んでそれを楽しみたいと思います。

2021年からMCUはフェーズ4に入り、映画とディズニープラスのドラマシリーズであわせて9作品を展開しました。ディズニープラスでは「ロキ」と「ホワット・イフ…?」のシーズン2が正式発表され、2022年から制作が始まると報じられています。「ホークアイ」もシーズンの更新があればそれに続くと見られています。

また、「ワンダヴィジョン」のワンダ・マキシモフや、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のサム・ウィルソンのように、舞台を映画館に戻す可能性もあります。「ホークアイ」ではたびたび「アントマン」シリーズへの言及がされており、ケイト・ビショップとキャシー・ラングがコミックではヤングアベンジャーズのメンバーである事を考えると、そこで2人の初対面が描かれてもおかしくありません。

また、S.H.I.E.L.D.のエージェント19(コミックのモッキンバード)であった事がほのめかされたローラについても今後深く描かれる可能性が増えたようです。こちらはニック・フューリーが主人公となるドラマ「シークレット・インベージョン」であらたな物語があるかもしれません。

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスにて全話配信中です。

ソース:‘Hawkeye’ Director Rhys Thomas on the Finale, the Rockefeller Plaza Fight, Hiding Big Secrets, and What He’s Heard About Season 2

ドラマ「ホークアイ」監督、もともと「スパイダーマン:NWH」への言及はもう少し大きかったと明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」のバート&バーティ監督が、海外メディア The Hollywood Reporter とのインタビューの中で、「ホークアイ」は現在公開中の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」への言及がもう少し大きかった事を明かしました。

「ホークアイ」の第5話でニューヨーク観光を希望していたエレーナは「新しくなった女神像を見てみたい」と話しており、これは「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のトレーラーにも登場しているキャプテン・アメリカの盾をもった自由の女神に言及していると見られています。

バーティ監督は「ノー・ウェイ・ホームへの言及はもともとの脚本ではもう少し大きかったかもしれませんね。私達はそういったことが大好きです。”とてもクールだわ!”、物事がどのように織り交ぜられるか、それは私達が知っていたものです。」とコメントしました。

ともに2024年のクリスマスのニューヨークを舞台にした作品ですが、残された第6話でもスパイダーマンへの言及はあるのでしょうか?

「ホークアイ」の公式概要は以下の通りです。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のニューヨークが舞台。 アベンジャーズを辞めたい男・ホークアイのただ一つの願いは、家族と平穏なクリスマスを過ごすこと。 けれども、彼の過去に関わる事件が起こり、トラブルに巻き込まれていくことに…。 アベンジャーズになりたい若き弓の使い手、ケイト・ビショップがホークアイの戦いに加わるが、果たして彼はニューヨークを舞台にした壮大な戦いを切り抜け、クリスマスを無事迎えることができるのか ホークアイ(クリント・バートン)役にジェレミー・レナー、ケイト・ビショップ役にヘイリー・スタインフェルドを迎える。 その他の出演にヴェラ・ファーミガ、フラ・フィー、トニー・ダルトン、ザン・マクラーノン、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、そしてアラクア・コックスをマヤ・ロペス役として迎える。 リース・トーマスと、監督デュオのバート&バーティが監督を務める『ホークアイ』は11月24日ディズニープラスで独占配信開始

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 本日2021年12月22日 配信予定です。

ソース:‘Hawkeye’ Directors Bert and Bertie on ‘No Way Home’ Reference and Setting Up the Finale

ドラマ「ホークアイ」から新たなポスターと最終話に向けてチェックしておくべき作品が公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」から新たなポスターと、本日22日夕方配信開始の最終話に向けてチェックしておくべき作品リストが公開されました。ポスターは主人公ホークアイ/クリント・バートンとケイト・ビショップを中心に、本作で登場した顔なじみのメンバーが勢揃いする形となっています。

事前に見ておくべき作品のリストは以下の通りです。

過去にホークアイが登場した全作品ですが、「ブラックウィドウ」は声のみの出演となっています。

「ホークアイ」の公式概要は以下の通りです。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のニューヨークが舞台。 アベンジャーズを辞めたい男・ホークアイのただ一つの願いは、家族と平穏なクリスマスを過ごすこと。 けれども、彼の過去に関わる事件が起こり、トラブルに巻き込まれていくことに…。 アベンジャーズになりたい若き弓の使い手、ケイト・ビショップがホークアイの戦いに加わるが、果たして彼はニューヨークを舞台にした壮大な戦いを切り抜け、クリスマスを無事迎えることができるのか ホークアイ(クリント・バートン)役にジェレミー・レナー、ケイト・ビショップ役にヘイリー・スタインフェルドを迎える。 その他の出演にヴェラ・ファーミガ、フラ・フィー、トニー・ダルトン、ザン・マクラーノン、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、そしてアラクア・コックスをマヤ・ロペス役として迎える。 リース・トーマスと、監督デュオのバート&バーティが監督を務める『ホークアイ』は11月24日ディズニープラスで独占配信開始

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 本日2021年12月22日 配信予定です。

ドラマ「ホークアイ」からエレーナのポスターと最終話に向けた動画が公開

ディズニープラスで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」からエレーナ・ベロワのキャラクターポスターが公開されました。また、22日配信予定の最終話に向けて、エレーナの舞台裏を特集した動画もあわせて公開されています。

「ホークアイ」の公式概要は以下の通りです。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のニューヨークが舞台。 アベンジャーズを辞めたい男・ホークアイのただ一つの願いは、家族と平穏なクリスマスを過ごすこと。 けれども、彼の過去に関わる事件が起こり、トラブルに巻き込まれていくことに…。 アベンジャーズになりたい若き弓の使い手、ケイト・ビショップがホークアイの戦いに加わるが、果たして彼はニューヨークを舞台にした壮大な戦いを切り抜け、クリスマスを無事迎えることができるのか ホークアイ(クリント・バートン)役にジェレミー・レナー、ケイト・ビショップ役にヘイリー・スタインフェルドを迎える。 その他の出演にヴェラ・ファーミガ、フラ・フィー、トニー・ダルトン、ザン・マクラーノン、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、そしてアラクア・コックスをマヤ・ロペス役として迎える。 リース・トーマスと、監督デュオのバート&バーティが監督を務める『ホークアイ』は11月24日ディズニープラスで独占配信開始

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2021年12月22日 配信予定です。

ヘイリー・スタインフェルドさんがドラマ「ホークアイ」のヴィラン俳優との共演にコメント

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」でケイト・ビショップを演じるヘイリー・スタインフェルドさんが、海外メディア Entertainment Weekly とのインタビューの中で、第5話「ローニン」に登場したヴィンセント・ドノフリオさんとの共演した時の事について、その時の心境を明かしました。

スタインフェルドさんは「ヴィンセントの下に立って、彼の声を聞くというのは、とても変わった体験です。彼の前にいることは、本当に特別なことなのです。私は長い間、彼のファンでした。本当に尊敬している人たちと一緒に何かに参加するのは、いつだって素晴らしいことです。人々がその展開を見ている様子を見るのが楽しみです。」と述べました。

さらにこの”大物”ヴィランについて「あまり知らない人物ですが、ケイトは警告を受けています。クリントが『この人こそ、私がずっと心配していた人物だ』と言うのを聞いて、彼女はすべてを知ることになります。その言葉だけで、彼女は正気を取り戻し、この状況をどう扱うか考えなければならないのです。以前はリアルに感じなかったとしても、今はリアルに感じられる。これまでパートナーの話やジョークが飛び交っていたのに、今は彼女がステップアップする機会なんです。」と続けました。

この記事に対してMCUでS.H.I.E.L.D.のエージェント、フィル・コールソンを演じたクラーク・グレッグさんは記事を引用リツイートして「もちろん」と短くコメント。NetflixドラマからのMCU接続と次世代ヒーローの誕生を祝いました。

ヴィンセント・ドノフリオさんが演じるキングピン/ウィルソン・フィスクはコミックでは主にスパイダーマンやデアデビルのヴィラン。アイアンマンのようなテクノロジーやキャプテン・アメリカのような超人血清もなく、ミュータントやインヒューマンズのような特殊能力もないただの人間ですが、「大物」と呼ばれるその大きな身体と鍛え抜いた戦闘技術だけでなく、知力、財力も優れたマーベル屈指のヴィランの一人。

次週の最終話でクリントは決着をつけ、無事にクリスマスを迎えられるのでしょうか。それとも今後いくつかの作品に渡ってキングピンが立ちはだかってくるのでしょうか。

ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2021年12月22日 配信予定です。

ソース:Hawkeye star Hailee Steinfeld on that major villain reveal and working with Florence Pugh

ドラマ「ホークアイ」、5話のイースターエッグをピックアップ

2021年12月15日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」シーズン1エピソード5「ローニン」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

映画「ブラックウィドウ」のその後

冒頭はクリントでもケイト・ビショップでもなく、エレーナ・ベロワの過去から始まります。過去と言ってもさほど昔ではなく、舞台は2018年。映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」と同じであり、映画「ブラックウィドウ」のラストシーンでナターシャと別れたあと、ポストクレジットシーンの前の時系列になります。

カメラがエレーナへたどり着くまでの間、「ブラックウィドウ」での会話やナターシャとエレーナの姉妹関係を表現する口笛などが引用されています。

エレーナはナターシャに託された「ウィドウズの解放」ミッションをこなしているようで、ソーニャを同行してアナの邸宅に侵入していました。なお英語版ではアナ(Ana)となっていますが日本語版ではなぜかアンナにされています。マルチバースを描いたコミック「ユニバースX Vol.1 #11」ではアンナ・ロマノフというナターシャの娘が登場していますが、おそらく関係ありません。なお、アナ役、ソーニャ役の女優さん達は映画「ブラックウィドウ」には未登場です。ソーニャは映画のあと、この冒頭シーンの前の描かれていない期間に洗脳から解放され、エレーナを手伝っていると推測出来そうです。ちなみにジャケットはナターシャにプレゼントしたため、新しく買い直したのでしょうか。「ブラックウィドウ」で着用していたものとは違うものですがなかなか似ています。

2万ドル(約200万円)もする絨毯を汚しながらもアナに解毒薬をかけましたが、そもそもアナは既に洗脳から解放されている状態でした。この理由については言及されません。「ブラックウィドウ」の冒頭でエレーナを生命と引き換えに洗脳から解いてくれたオクサナが既に解放していたか、エレーナと同じ任務を託されていたアレクセイやメリーナが行き違いで解放していたのかもしれません。

この後、トイレに入ったエレーナはサノスの指パッチンの影響でチリとなり、ハルクの指パッチンで戻ってくる様子が一連の流れとして描かれています。これはMCUでも初めてとなる視点であり、被害者目線での描画となっています。

5年後にチリの状態から戻ってきたエレーナはすっかり風変わりしたアナと再会。ソーニャとエレーナの復活にどの程度の時間差があったのかは言及されませんが、ソーニャはすでに状況を理解してここには居ない様子でした。

そしてこの後エレーナはナターシャを探しに出かけ、「ブラックウィドウ」のポストクレジットシーンへとつながっていきます。

なお、今回のタイトルロゴには1話、3話と同様に「a」の的に向かって矢が飛んできません。2本の矢は2話、4話のようなクリントとケイト・ビショップのコンビネーション・エピソードの時に入る演出のようです。6話では矢が飛んできてくれるのでしょうか?

失意のケイトとエレノア

クリントに拒絶されたケイトはトボトボと実家へ帰宅。母エレノアはケイトをなぐさめ、「それでも進み続けるしか無い」ともっともらしい事を言いますが、会話の中にはこれまで通り過保護というか、ケイトをコントロールしたいという思惑が感じられます。

ケイトは勇気を振り絞ってアーマンド殺害の容疑者として母の婚約相手ジャック・デュケインの名を伝え、エレノアはその調査を約束し、アパートにいって荷物をまとめてくるよう指示します。

ケイト・ビショップとエレーナ・ベロワ

アパートではマカロニを作ってエレーナが待ち構えていました。マカロニチーズはエレーナの好物であることが「ブラックウィドウ」でも示唆されていて、映画冒頭のオハイオにおける偽りの家族としての潜入任務中には幼いエレーナが母メリーナにマカロニチーズをせがむ様子が描かれていました。

なお、このシーケンス全体でエレーナは英語音声、英語字幕、日本語吹替で「ケイト・ビショップ」とフルネームで呼称していますが、日本字幕版では「KB」と表示されています。4話でケイトがクリントの事を「CB1」と呼称した事の影響でしょうか、原語にはない勝手なアレンジが加えられています。

仕事のついでに観光を希望しているエレーナは「新しい自由の女神が見たい」と発言しています。ドラマ「ホークアイ」と同じ2024年のクリスマスのニューヨークを描く映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、女神像にキャプテン・アメリカの盾を取り付ける工事が行われているような事がトレーラーからも判明しています。

ロシア人のエレーナですが、「ブラックウィドウ」でも幼い頃、オハイオでのクリスマスを楽しんでいた事が言及されており、本作でも「アメリカのクリスマスは大好き」と過去の美しい思い出をそのまま引き継いでいるようです。

ケイトが犬を助けた事をクールだと表現しているのも、「ブラックウィドウ」で描かれたエレーナの犬好き設定に基づいています。エレーナは「ブラックウィドウ」の中で犬を飼いたかったと話しており、ラストの墓参りのシーンではナターシャの偽名「ファニー・ロングボトム」から名前をとった犬「ファニー」を連れていました。

ナターシャの死

視聴者には明確にわかっていることですが、ナターシャの死についてエレーナは大きな誤解をしています。「ブラックウィドウ」のポストクレジットシーンにてコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ、通称ヴァルによってそう吹き込まれている事も予想がつきます。

しかしヴァルが真実だと思いこんでいる情報なのか、意図的に偽の情報をエレーナに渡しているのか今のところははっきりしていません。

ただしヴァルはドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の5話で、現存しているキャプテン・アメリカの盾が政府のものではない事を知っていました。サノスとの最終決戦までは政府管轄のものではありましたが、その盾はサノスによって破壊され、サム・ウィルソンが引き継いでいた盾は実際には過去へ戻りペギーと過ごした老スティーブがそちらのマルチバースから持ち込んだものです。

この事から、ヴァルはどういう情報源からかアベンジャーズがタイムトラベルをしていることも知っているようですし、クリントとナターシャがヴォーミアで何をしていたのかも知ってる可能性はあるかもしれません。

クリントとグリルス

突然押しかけたクリントを理由も聞かず迎え入れてくれるグリルス。基本的にはいいやつですが、2話のイースターエッグ記事でも触れたように火事場泥棒という重犯罪人だと思います。アメリカの消防士の活躍を描く人気ドラマ「シカゴ・ファイア」でも火事場泥棒について厳しく咎められる描写がありました。ファンタジーでありながらリアリティを重んじるMCUとしては珍しい描写のように思えます。

ホテルに泊まるぐらいならうちに泊まっていけばいい、と言ってくれるあたりもやはりいいやつなのですが、少しモヤる所です。

なお、クリントとケイトの新コスチュームが出来あがっていると明かされますが、そのお披露目は持ち越されてしまいます。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の新たなキャプテン・アメリカのスーツは5話にて手渡され、最終話で華々しくデビューしましたが、コスチュームに興味のないクリントは最終話で着用してくれるのでしょうか?

ジャックの逮捕

翌日、エレノアの通報によってジャックはアーマンド殺害容疑で逮捕されました。ジャックは「誰かにはめられた」と容疑を否認しています。この物語ではそもそもアーマンドについてほとんど描写がないため、アーマンドを殺害して誰がどういう得をするのかが分かっていません。ジャックの場合は遺産のいくらかが分配される可能性はありそうですが、ジャックの言う「誰か」がいたとして、アーマンド殺害によってどういう利益があるのか、6話に期待するしかありません。

部屋に戻ったケイトは改めて決意し、クリントへの接触を再び試みます。

なお、ケイトの部屋にはこれまでの会話に登場していたビショップ・セキュリティのクリスマスパーティーの招待状が貼られており、2024年のクリスマスであることが明示されています。

©2021 MARVEL,Disney

マヤとローニン

ナターシャに詫びをいれつつローニンに戻ったクリントは、けじめを着けにマヤの元へ向かいます。一人で来るように指示したはずですが、マヤは案の定仲間を周囲に忍ばせていました。しかしクリントもそんなことは百も承知、あっという間にトラックスーツ・マフィアたちをのしてしまうと、マヤと対面し、素顔を明かすのでした。

3話のイースターエッグではローニンの刀の鞘に着目してみましたが、特に触れられる事もなく、マヤの父ウィリーを殺害したローニンはクリントで間違いないようです。この依頼主がマヤのおじさんであることもここで明かされました。

クリントはケイトにも話したように、クリントもマヤも武器、兵器であり、使い方、使われ方次第で変わってくると伝え、これ以上追ってこないように警告します。しかしクリントは予期しない反撃を受け、窮地に陥りますが、ケイトの援護射撃でこれを脱し逃げ延びるのでした。

マヤとカジ

クリントから真相を聞かされたマヤ。気絶から回復したカジはマヤの無事を確認し安心しています。

マヤは父親が殺された夜のことを改めて思い出し、父の右腕だったカジが現場に不在だった事を問い詰めますが、カジは連絡がなかったと言いのけます。作中ずっとマヤに寄り添う姿勢を見せつつも、何か隠し事をしているようにも見えたカジですが、ここでもやはり別の思惑で動いているように描かれています。

一方そのころ、中古車店から逃走したクリントとケイト。ケイトが昨日ビルの屋上で出会ったブラックウィドウが「ナターシャの妹」だと言っていたと伝えると、クリントは「エレーナか」とつぶやいています。この事から、クリントはエレーナの名前は知っていたものの顔は知らなかったと考えられるようです。ナターシャから名前だけは聞いていたという感じでしょうか。

キングピンとエレノア

グリルスの家で朝食を摂るクリント、ケイト、ラッキー。そのケイトのもとにメッセージが届き、エレーナを雇ったのが母エレノアである事が判明します。そしてそのエレノアはキングピンとも繋がっている事が明かされて5話は終了します。

エレノアがヴィランと繋がっているという設定はコミック版と通ずるものですが、コミックはブラックウィドウとは関係ありません。娘にヒーロー活動をさせたくないという親心は理解できなくないですが、娘の憧れの人を暗殺してまでとなると、常軌を逸しているのは間違いありません。

MCU初登場のキングピンを演じているのはヴィンセント・ドノフリオさんで、Netflixドラマ「デアデビル」でもキングピン/ウィルソン・フィスクを演じていました。Netflixのマーベルドラマキャラクターが俳優さんをそのままにMCUに登場するのは初めてのケースとなり、今後もこの例にならって登場する事を期待させる展開になっています。

ただしNetflix版とMCU版が全く同じキャラクターであるかは今の所不明で、ドラマ「ロキ」で紹介された変異体のような形になる可能性もありそうです。

コミックのキングピンはスパイダーマンやデアデビルの主なヴィランですが、「ホークアイ」を起点に新たなクロスオーバーが描かれていくのでしょうか?


ドラマ「ホークアイ」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2021年12月22日 配信予定です。