ドラマ「ロキ」シーズン2、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年11月3日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード5「Science/Fiction(邦題:サイエンス/フィクション)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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終わりではなかった

タイムリーがスパゲティ化し、時間織り機がオーバーロードしたものの、TVA自体がフェールセーフモードに移行したおかげなのか、ロキは無事でした。システム再起動を経て有効になったはずのインフィニティ・ストーンは関係ありませんでした。

フェールセーフとは致命的なバグやエラーといったフェール(失敗)が発生した際に自動的に発動するセーフ機能(安全装置)であり、在り続ける者、あるいはウロボロスのアイデアをもとに事前に用意されていたと考えられます。

とはいえエラーを完全に抑え込めるわけでもなく、ロキ以外の人物は見当たらず、ロキ自身も予告でわかっていたとおりタイムスリップ現象が再発していました。

フランク

ケイシーの元の人物にあたるフランクとの再会。このシーンは日本語に翻訳するにあたって失われたイースターエッグがありました。

フランクは「If they catch us they’re gonna gut us like fish!」と叫んでおり、日本語字幕では「捕まったら終わりだ」、吹き替えでは「警備に見つかったら八つ裂きにされるぞ」となっています。意味合い的には問題ないのですが「gut — like a fish」とは魚のようにはらわたを抜き取ってやる、魚のように殺してやるという意味であり、これはシーズン1でロキがケイシーに対して言い放った言葉でした。

©MARVEL,Disney

残念ながら今回の翻訳を担当した人物はシーズン1の事を覚えていなかったのか、シーズン1とは関連のないただの日本語訳となっていました。シーズン1で「魚って何?」と答えていたケイシーが「魚みたいに殺されるぞ!」と言っているはずの言葉の繰り返し遊びのシーンですが、今回の邦訳では気づくことが難しくなっています。

余談はさておき、ケイシーはクラレンス、ジョンと呼ばれる二人と行動を共にしていました。神聖時間軸ではない我々の宇宙での同じ1962年、脱出不能と言われたアルカトラズ刑務所からフランク・モリス(wiki)という囚人がクラレンス・アングリン、ジョン・アングリンらと共に脱獄しておりその後行方不明になっています。

シーズン1でも行方不明になったハイジャック犯、DBクーパーがロキの変異体だったというエピソードがありましたが、ケイシーも同じように伝説の犯罪者をモデルにしているようです。

ザルタン派遣団

1994年のカリフォルニア、ウロボロスはこの年代にSF作家として人生を過ごしていました。

1話のクレジットから表示されていて気になっていたザルタンですが、ウロボロスのオリジンが書いた小説だったという事で、コミックからの重要なイースターエッグというわけではありませんでした。本の著者名にはA・D・ダグと表記されていますが、本名かペンネームかは不明です。

A・Dというイニシャルでコミックにはアーサー・ダグラスというキャラが存在しています。彼はサノスに殺された地球人で、サノスの父アラーズと祖父クロノスによって新たなボディを与えられて蘇ったダグラスはドラックス・ザ・デストロイヤーとなってガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに参加しました。とは言えウロボロスがドラックスの変異体とは考えにくく、偶然の一致である可能性のほうが高いように思えます。

彼が作家であったことはロキにとって最悪でしたが、彼が食べるためにしょうがなくやっていた科学はロキにとって都合がよく、ダグはTVAハンドブックに書かれたアイデアをもとにタイムパッドのプロトタイプを作成しました。

ウロボロスはトニー・スタークに勝るとも劣らない発明を僅かな登場の間に繰り返していますが、まだ何かしらの秘密や役割があるのでしょうか。

メビウスのオリジン

メビウスの元の人物であるドンは2022年、クリーヴランドのピランハ・パワースポーツで販売員として生活していました。シーズン1の頃からほのめかされていたジェットスキーに対する興味は、ここから来ているようで、記憶を完全には消去出来ていなかったという事でしょうか。

ドンの家の番号は 1049 となっていました。コミックにおけるEarth-1049はファンタスティック・フォーのリード・リチャーズとスー・ストームの間に生まれた息子フランクリン・リチャーズが生み出した世界でもありました。

ドンという名のメビウスのオリジンには二人の息子がおり、二人の息子たちは犬や蛇を飼いたいと考えているようです。フェンリスや蛇はソーとロキの兄弟とは関係が深いですが、この一家がオーディン、ソー、ロキの変異体であるという可能性は少ないでしょう。

ベリティ・ウィリス

2012年のニューヨーク。映画「アベンジャーズ」でロキとアベンジャーズが対決したのがこの年のニューヨークでしたが、タイムスリップした時間とはどちらが前後になるのかは不明です。ここは分岐時間軸であるため、神聖時間軸と違ってNY決戦がない世界という事もあるかもしれません。

ハンターB-15の元の人物として登場したのはベリティ・ウィリスという名の医師でした。コミックにはロキと縁の深い同名のキャラクターが存在しています。

コミックのベリティはどんな嘘も見破る力を持っており、ロキが未来から来た邪悪なキング・ロキと対決する際も友人として同行しました。

ザニアック!

シルヴィとの再会の年代は表示されませんでしたが、シルヴィが1話のマクドナルドに戻っていたのだとしたら分岐時間軸の1983年あたりという事になります。

二人が移動した酒場にはザニアックのアーケードゲームが置いてありましたが、X-5がブラッド・ウルフという俳優として「ザニアック!」を撮ったのは神聖時間軸の1977年でした。この時間軸にもブラッドの変異体が存在していたのか少し気になるポイントです。

ちなみに1983年頃のアーケードゲームというと「エレベーターアクション」や「マッピー」などの時代であり、それらと比べると「ザニアック!」のタイトル画面はフォントもかなりクリアな作りでややレトロ感に欠けるようです。

映画のザニアックは連続殺人鬼が主人公ですから、このゲームは1988年にナムコがリリースした「スプラッターハウス」のようなゲームだと想像すればいいのでしょうか。

Oh! Sweet Nuthin’ 

レコード店でシルヴィが勧められた曲は The Velvet Underground の 「Oh! Sweet Nuthin’ 」。

孤独、幻滅、そして人生の虚無を探求する曲で、歌詞は社会から疎外され、見過ごされ、あらゆるものを奪われた人の切ない姿を描いています。特に「彼女はまったく何も持っていません」と繰り返されて歌われており、復讐を終えて新たな人生を歩み始めたばかりのシルヴィと重なる内容になっています。

ようやく新たな人生を手に入れ始めたばかりだったシルヴィですが、曲が示す通り世界がまるごと奪われていくことになり、自身の過ちを認めてロキと合流する決意をしました。

サイエンスとフィクション

今回のエピソードの中ではいわゆる「5W1H」が重要になっています。

「5W1H」とは、5つのWである「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」と、1つのH「How:どのように」をまとめて表現した言葉です。

ロキがタイムスリップを制御するにあたってウロボロスはサイエンスでは何を対象にするか(What)と手段(How)が、フィクションでは理由(Why)が重要になると説きました。

当初ロキは「TVAを救う」事を理由に考えますがうまく行かず、ウロボロスのアドバイスに基づいて仲間を集め、時間オーラを測定分析する事で目的地(WhenとWhere)を割り出そうとしました。

しかしシルヴィと再会して話をし、理由(Why)に問題があると指摘されてロキは行き詰まりチームの解散を考えました。これはつまり、ウロボロスの説明的にフィクションとして問題があるということです。

実際にウロボロスがスパゲティになっていく際に英語と日本語吹き替えでは「フィクションの問題だった」と言うのですが、日本語字幕では「SFの問題だった」となっており、物語の意図から外れた翻訳になっています。

すべてのスパゲティ化が迫る中、ロキは友人たちの言葉を思い返すうちに、再びタイムスリップが発生。これにより「誰を思うか」(Who)が重要だと感づいたロキはついにタイムスリップを制御出来るようになりました。

仲間や世界がスパゲティ化していく様子は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのサノスの指パッチンを彷彿させるものがある演出でしたが、ロキは現実改変能力に近しい事が出来るようになったことで、今回のエピソードは終了します。

ポストクレジットシーン?

クレジットの終わり、44分30秒の手前あたりから、今回登場したアーケードゲーム「ザニアック!」のコンティニュー画面で使用されていると思しき音声が流れます。

日本語吹き替えでは「おまえは死んだ コインを入れろ 負け犬!」というセリフになっています。

今回のスパゲティ化が進むラストシーンにも組み込まれていましたが、シルヴィの「ロキは負ける運命なんだと思う?」と質問に対して、シーズン1第4話でロキは「負ける時もあるが、決して死なない」と答えていました。

「ザニアック!」のゲームはロキがコンティニューを繰り返して決して死なない事を表現しているようです。


過去に公開された予告動画のうち、5話までに登場しなかったシーンがいくつかあります。

シーズン1でよく見かけた囚人服のロキがスパゲティ化する映像は何を意味しているのでしょうか。

©MARVEL,Disney

シーズン1で在り続ける者は二人のロキに仕事を託そうとしていました。シルヴィがロキの制止に耳を傾けずに復讐を果たしたことで混乱が始まったシーズン2でしたが、ロキはシーズン1の最終話を書き換えていくのでしょうか。

また、ヴォイドに送られたレンスレイヤーも気になる所。シーズン1で在り続ける者はアライオスの力を活用して戦争に勝ったとも話していましたが、シーズン2ではレンスレイヤーが軍を率いたとも語っていました。これはレンスレイヤーがアライオスを自在に操れる事を意味しているのでしょうか?そしてレンスレイヤーの復讐心は最終話で落ち着くことになるのか、それとも「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」や「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」に向けて、さらに激しく燃え上がっていくのか、注目です。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2023年11月10日10時 より配信予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、4話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月27日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード4「Heart of the TVA(邦題:TVAの心臓)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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明かされたラヴォーナ・レンスレイヤーの過去

シタデルにて明かされたレンスレイヤーの過去。それは1話でロキが耳にした録音のロングバージョンでした。

レンスレイヤーはマルチバースウォーが起こった際に軍を率いて敵を制圧する殊勲を上げていたことが判明。敵とはすなわち、在り続ける者の変異体とその軍勢であり、ようするにカーンと同等の能力を持つ敵を蹴散らしたのだと考えられます。コミックでもカーンとは戦い合う運命にあったレンスレイヤーですが、MCU版でも戦闘力が高い事は間違いないようです。

在り続ける者はレンスレイヤーに対する敬意と賞賛の言葉を並べていましたが、結局のところ、このすぐ後には裏切りが待ち構えていました。

プロトコル42

レンスレイヤーが先にTVAに戻った後、在り続ける者はミス・ミニッツを呼び出しプロトコル42の実行を指示。敵に勝利した際にレンスレイヤーの記憶を消去する事は最初からの計画のひとつだったようです。

そもそもTVAの職員は連れてこられた変異体が記憶を消去されて仕事をさせられている、という事でしたから、神聖時間軸のオハイオ州フリーモントのルーズヴェルト高校で教師をしているレベッカ・トーミットを基本として、分岐時間軸から連れてこられた変異体のレンスレイヤーが記憶を消されてハンターとして職務にあたり、マルチバースウォーを制した後にこのプロトコルで再度記憶を消されている事に。

少し気になるのはTVAがどのような経緯で設立されたかという事ですが、シーズン1の1話で見たオリエンテーションビデオでは、タイムキーパーが戦争を終わらせた後に再度戦争が起きないようにTVAが仕事をするようになったと説明されています。

一方で今回の記録装置では戦争終結前までには既にTVAが稼働済みであり、少なくとも敵と戦っていました。この時点ではシーズン1でメビウスたちがこなしていたような業務は並行して行われていたのでしょうか?それとも単なる軍隊として、カーンの変異体と戦っていただけなのでしょうか?

プロトコル42はレンスレイヤーだけでなく、この時TVAに所属していたすべての人間の記憶を消去し、シーズン1のオリエンテーションと同様の内容の記憶を上書きしていると考えるのが妥当なところと考えられそうです。

このタイミングで在り続ける者は自分の存在をTVAから消し、タイムキーパーを統治者として仕立て上げてシタデルに引きこもっています。これ以降、ロキが在り続ける者の存在を皆に知らせる時点までTVA職員は在り続ける者の存在すら認識していなかったと考えられますが、シーズン2の1話では在り続ける者の像があった過去のTVAを視聴者は目撃しました。あの過去はレンスレイヤーが軍を指揮し、カーンの変異体たちと戦っていた時期なのかもしれません。

ちなみに、42という数字はマーベルではよく見かける数字のひとつであり、今回のエピソード4シーズン2という部分にもかかっていると考えられます。

コミックの「シビルウォー」ではアイアンマンやミスター・ファンタスティックがプリズン42という刑務所を作ったり、映画「アイアンマン3」の大半で着用されていたのはマーク42であり、「スパイダーマン:スパイダーバース」でマイルズを噛んだクモの検体番号は42で、続編の「アクロス・ザ・スパイダーバース」ではEarth-42が最後に訪れた場所でした。

反乱の始まり

レンスレイヤーは裏切りに対して怒りをあらわにしますが、意外な事にミス・ミニッツは「(在り続ける者は)はじめから必要なかったのかもしれない」とこちらも反旗を翻します。

3話ではレンスレイヤーを切り捨て、ヴィクター・タイムリーを在り続ける者の計画に乗せようと躍起になっていたミス・ミニッツでしたが、AIの自分に芽生えた愛が主人へ届かない事を認めてしまったのか、突然態度を変えることになりました。

ウロボロス

ウロボロスの元に連行されたヴィクター・タイムリーはウロボロスの書いたTVAハンドブックを見て思いついた理論だとし、ウロボロスはタイムリーの研究を見て書いたというタイムパラドックスに。

ウロボロスはこれを「自分の尾を噛む蛇だね」と神話に登場する無限と再生を象徴する蛇ウロボロスに例えます。3話でも指摘しましたが、ヴィクターはウロボロスにとっての自分の尾、同一人物、つまり変異体に当たるという事なのでしょうか?

オートマットルーム

2話で訪れたキーライムパイのオートマットルームでロキは再び過去を振り返る事に。ロキがソーの事を振り返ったことは興味深い展開でしたが、残念な事にシルヴィはあまりリアクションをしませんでした。彼女に姉や兄はいるのでしょうか。

相変わらず意見が一致しないロキとシルヴィ。彼女が「ここを燃やしてやり直す方が簡単」と発言するのはシーズン1でロキが連れてこられた当初に「ここを焼き払ってやる」と言っていた事の繰り返しになっています。

しかしロキは当時と心境が変化しており、作り直すことは難しいと説明しますが、二人のロキはまだまだ衝突を繰り返す事になりそうです。

X-5 ブラッド・ウルフ

ドックス将軍らの囚人部屋に現れたレンスレイヤーは、TVAを取り返すための仲間を募りました。しかしレンスレイヤーには人望がなかったのか、神聖時間軸での人生に未練があるX-5を除いて、誰もついていこうとはしませんでした。

ここは映像こそなかったものの、以前に登場した拷問の箱ギズモによってMCU屈指の凶悪な処刑シーンとなりました。

気になるのはX-5は所詮変異体であり、神聖時間軸にはX-5のベースとなる人物が存在しているはずです。同時期に人生を歩んでいるとしたら、ベースの彼はなかなか大変な人生となることでしょう。

ホットココア

パイの件でシルヴィに猛烈に怒られたあと、オートマットにメビウスの姿はありませんでしたが、結局はココアでブレイクしていたマイペースなメビウス。

ホットココアマシンに興味を示したヴィクター・タイムリーは、ミス・ミニッツによってシステムダウンしている間にマシンを観察。ハンターD-90にココアを勧める優しい一面を見せるなど、それほど邪悪な人物ではない事を示唆します。

1話への回帰

ロキたちがココアマシンの場所に向かうとタイムリーの姿がなく、床にはカップとこぼれたココア、そしてタイムスティックが残されていました。3話でレンスレイヤーをシタデル送りにしたシルヴィもそうでしたが、タイムパッドを取り上げずに転送した事や、ここでブラッドがタイムスティックを放置していった事など、脚本のためのやや強引な展開が続きます。

ロキはそのスティックを拾い上げたあと、各自散開してタイムリーを探す中で過去の自分(背広を着ていないロキ)を目撃し、自身(背広を着ているロキ)がスティックを手にしている事ですべてを理解して過去の自分を剪定し、タイムスリップを解決させました。

システム再起動

1話で意味深だった電話の受話器を警戒しながら取り上げたロキでしたが、それほど意味深でもなく、ウロボロスからの連絡でした。

ミス・ミニッツをシステムから追い出すために再起動するかどうか悩むウロボロスですが、再起動することによってセキュリティもオフになって魔法が使えるようになってしまうリスクがあるとの事。

それを聞いたロキとシルヴィは自身の魔法が有効になるためはやく再起動するように言います。この事によってケイシーが大量に集めていたインフィニティ・ストーンもアクティベートされるのでしょうか?

この疑問については触れられることがなく話は進行し、ミス・ミニッツはシャットダウン。停止間際に「あなたは彼になれない」と気になる言葉を残して消えてしまいました。

3話でのミス・ミニッツの説明では在り続ける者の計画としてタイムリーにTVAハンドブックを渡し、やがてTVAを作り上げるという流れでしたが、ミス・ミニッツの本当の狙いが今後明らかになってくるのでしょうか。

臨界

タイムリーを奪還し、時間織り機の前に集まる一同。防護服を着ようとするロキを制止し、自分が行くというタイムリー。時間オーラが一致したという事実は自分がTVAを作った事の証明であり、自分がこの先にTVAを作るという運命があるのなら無事に戻れるという確証もあったのかもしれません。

しかしながら防護服を着て外に出たタイムリーはあっさりとスパゲティ化してしまいました。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のリード・リチャーズはワンダにスパゲティ状にされましたが、コミックのカーンはリードの先祖であり、カーンの関係者がスパゲティになるのは2回目とも言えます。

まさかの結末にあっけにとられる一同、視聴者と同じく何が起きたか分からないロキたちが混乱し、光に包まれるショットで4話は終了を迎えます。


「ロキ」シーズン2は神聖時間軸を守るためにロキが奔走していますが、正直な所、映画「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」のためにはマルチバースウォーが再び起こる必要があり、時間軸を守れないという結末に向かう必要があります。そうでなければ別作品で再び時間分岐を描く事になるでしょう。

あと2つのエピソードが残されているためロキたちがこのまま消えて終わりというわけがなく、これまでに公開されてきた予告動画にもまだ見ぬシーンがいくつか存在しています。

©MARVEL,Disney

1話で見たタイムスリップ現象が再び起こっているのが分かりますし、これによってスパゲティになる前にどこかの時間に飛んでいる可能性は大いにあるでしょう。

また、疑問として残されているインフィニティ・ストーン、とりわけロキと縁のあるスペース・ストーンでの脱出もわずかな可能性としてあるかもしれません。

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シルヴィが宙に浮かぶ青い光を見つめるシーンや、シーズン1でよく見た囚人服を着ているロキも気になる所です。

さらにフィーチャレットでは今回の冒頭で登場したシタデルでトム・ヒドルストンさんが何らかの撮影をしていた事が分かっています。

シーズン1の最終話に戻ってシルヴィの在り続ける者の処刑を止め、いったんこの混乱をおさめるという流れも考えられそうですが果たして。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2023年11月3日10時 より配信予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、3話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月20日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード3「1893(邦題:1893)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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ウロボロスのTVAハンドブック

1話からたびたび登場するこのハンドブックはやはり今作におけるキーアイテムだったようで、今回のエピソードでは少年だったヴィクター・タイムリーに与えられて後の在り続ける者になるという物語が描かれました。

これはつまりウロボロスが在り続ける者の誕生に大きく関わっているのと同義であり、ウロボロスが在り続ける者、征服者カーンの変異体である可能性は少なからずあるようです。ウロボロスはTVAの唯一のメカニックとしてTVAのテクノロジーのすべてを担っており、彼には在り続ける者と同等の技術力があって然るべきだと考えるのが自然です。

この場合、1話から問題になっている時間織り機への防爆シャッターの生体認証をクリアできる可能性がありますが、自身をTVA創設者の変異体だと認識していない現段階のウロボロスは試していないだけかもしれません。

また、メタな見解からですが、カーンを演じるジョナサン・メジャースさんの裁判の結果によっては、別の俳優を今後の新たな変異体として起用する事が考えられます。ロキとロキの変異体であるシルヴィがトム・ヒドルストンさんとソフィア・ディ・マルティーノさんら別々の俳優によって演じられているように、カーンの変異体に別の俳優が起用されても問題はないはずで、そのバックアッププランの一つとしてウロボロスが奇妙なぐらい機能しています。

とはいえ訴えられたのはシーズン2撮影後の事ですから、当初からの計画ではないことも明らかです。

バルドル・ザ・ブレイブ

神話やコミックでのソーの兄弟にあたるバルドル(バルダー)の像が画面上で紹介され、MCUへのささやかなデビューを迎えました。プロデューサーは過去ずっと保留されてきたこの兄弟のデビューについてインタビューで語っています。

ロキは「なぜバルドルがいるんだ、誰も知らんだろ」と話している事から、バルドルの事は知っていると考えられます。コミックのバルドルはロキによって何度か殺されたり、ムスペルヘイムの侵略に備えて守りを強固にするべく、ヘルの女王であり姉であるヘラと政略結婚する事をロキに勧められました(そしてサノスによって妨害されました)。彼はオーディンから与えられた Svraden  という剣を武器にしています。

アントマンとの繋がり?

ロキとメビウスがシカゴ万博のステージスケジュールを見ている際に映る看板にはアントマンとのつながりを感じさせるイースターエッグがあります。

ヴィクター・タイムリーの上の段にはフェルディナント・ラングという名前があり、「アントマン&ワスプ:クアントマニア」でカーンと対決したスコット・ラングと関係がありそうな名前となっています。

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この時代に実在した発明家というわけでもなさそうであり、制作側はあえてラングという名前を使用しています。コミック上にフェルディナント・ラングは登場しませんが、これが単なる小さなイースターエッグであるのか、それとも壮大な因縁に繋がっていくのかは今後の展開次第。

Green Theme

ロキとメビウスがタイムリーのデモンストレーションが始まるのを待っているところ、バンドがステージで演奏しているのが見えます。バンドによって演奏されている音楽は、ナタリー・ホルトさんによる「グリーン テーマ」のクラシカルアレンジバージョンです。

原曲は以下から。

エジプトとアジア

男に追われるタイムリーはエジプトのパビリオン前で対処していますが、エジプトは征服者カーンの縁の地。コミックのナサニエル・リチャーズが征服者カーンを名乗るよりも以前、古代エジプトに飛んだ彼は未来の技術でエジプトを征服し、新たなファラオ、ラマ・タトを名乗りました。そこで最初のミュータントと呼ばれるアポカリプスを創造し、アポカリプスは後にX-MENの強大なヴィランの一人となります。(注:後のコミックではさらに古いミュータントも登場しています。)しかし、過去に来たファンタスティック・フォーと戦って破れたラマ・タトは時間の渦の中に敗走、その後はアベンジャーズと共に未来の自分であるカーンと戦いカーンの野望を阻止しています。このラマ・タトらしきキャラクターは「アントマン&ワスプ:クアントマニア」のラストに登場しています。

※画像の真ん中の人

その後、シルヴィの襲撃から逃れたタイムリーとレンスレイヤー、ミス・ミニッツが逃げ込んだピエ・ダ・テール(仮住まい)はアジアを基調とした内装で、「クアントマニア」でカーンが見せたテクノロジーと「シャン・チー」のテンリングスが似ている事を後押しするかのようなシーンになっています。

ウィスコンシン州

ウィスコンシンはコミックのヴィクター・タイムリーと縁が深い土地。

タイムリーはここに自身の名を冠したタイムリーという町を作り、タイムリー・インダストリーズを創設。この会社のサイバネティクス技術は後にミスティナイトやデスロックといったサイボーグ系キャラクターのベーステクノロジーとして活用されている他、タイムリー自身はこの町全体を時空を移動するクロノポリスという名の要塞に作り変え、様々な時代を征服していくための拠点としました。

MCUのタイムリーの運命はまだまだわかりませんが、発明家であるというスタート地点はコミックと同じ用に設定されていると言えます。

SSヘロン号

タイムリーらがウィスコンシンへ向かう際の船は、船体に「SSヘロン号」と書かれています。これはシーズン1の監督であるケイト・ヘロン氏へのリスペクトとして導入されていると考えられます。

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ラヴォーナ・レンスレイヤーの秘密

レンスレイヤーのオリジナルについて視聴者はあまり多くを知らされていませんが、シーズン1の6話では彼女のオリジナルと思しき人物がオハイオ州フリーモントのルーズヴェルト高校で教師をしている「Rebecca Tourminet」という女性だった事が分かっています。このレベッカ・トーミネットという名前は、コミックのレンスレイヤーがカーンから身を隠すための偽名として使っていたものでした。

コミックのレンスレイヤーはEarth-616ではなくEarth-6311の40世紀の地球人として登場し、カレリウスという名の王の娘、ラヴォーナ・レクサス・レンスレイヤー王女として、王国を征服しに来たカーンと戦いました。そしてその後、二人の間には愛憎が繰り返されています。さらに詳しい事は以前の記事をご参照ください。

レンスレイヤーがカーンの変異体である在り続ける者との間にコミックのような感情を展開している事は予想されるひとつの展開であり、さらにその記憶が消されているという事実はミス・ミニッツが指摘するように「はらわたが煮えくり返る」可能性が高いです。

また、マーベル・スタジオがあまりコミック通りの展開をよしとしない事を考慮すると、レンスレイヤーとカーンがコミックにおいて対をなすような関係になっている事から、MCUのレンスレイヤーがカーンの変異体のひとつである可能性もありそうです。

いずれにしてもミス・ミニッツが知っているという秘密の少なくとも一部は、残り3話の何処かで明かされる事に期待です。


ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2023年10月27日10時 より配信予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード2「Breaking Brad(邦題:ブレイキング・ブラッド)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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エターナルズ

神聖時間軸の1977年に飛んだロキとメビウス。通り抜ける通路の壁には「エターナルズ」のキンゴのポスターが貼られています。

©MARVEL,Disney

このポスターは1年ほど前に本作の撮影現場で発見されていたもので、ボリウッド映画俳優として地球で生活をしているキンゴの主演映画がこの1977年にも公開されていた事を示しています。

ただし「エターナルズ」ではキンゴは不老不死である事を隠すために、代々俳優の家系と偽装していると説明していたため、この年代のキンゴは「エターナルズ」のキンゴの父か祖父あたりの設定であると考えられます。

フォーンレンジャー

キンゴのポスターを通り過ぎた後、角を曲がる頃にはフォーンレンジャーのポスターが一瞬映ります。

©MARVEL,Disney

作中では見にくいですが、撮影現場で目撃されたポスターはかなり見やすいものになっています。

フォーンレンジャーことA・G・ベルは今となってはほぼ見かけなくなった当時の電話機を頭に被ったようなふざけた格好のキャラクターですがれっきとしたヒーローで、コミックでは人命救助など活躍の場も与えられていました。シビルウォーの際にはキャプテン・アメリカ側につき、アイアンマンとスパイダーマンによってお縄頂戴となりました。

ザニアック

二人が訪れた劇場で上映イベントが行われていた映画「ザニアック!」。

コミックのザニアックについては以前の記事で取り上げましたが、ざっくりまとめると映画「ドクター・ストレンジ」の大ボスだったドルマムゥの操る寄生生物が俳優のブラッド・ウルフに規制した状態のヴィランでした。寄生されたブラッドは錯乱し、ホラー映画の台本を現実と間違えて実際に大量殺人しかけたところをソーによって阻止されています。

ドラマ版ではTVAのハンターX-5が職務放棄して神聖時間軸の中でブラッド・ウルフという俳優として生活してる、という流れになっていました。今回のエピソードタイトルの元は「ブレイキング・バッド」=「道を踏み外す」であり、ブラッドが道を外れた事で「ブレイキング・ブラッド」になっています。

今回のエピソードではドルマムゥや寄生に関連するような話は描かれていませんが、ブラッドは「ザニアック!2」の制作意欲を見せているため、今後コミックのような展開を取る事も可能な道筋が残されています。

グッドマン・プロダクションズ

「フォーンレンジャー」と「ザニアック!」の制作会社グッドマン・プロダクションズ。マーベル・コミックスの前身であるタイムリー・コミックスのマーティン・グッドマン氏に敬意を表したイースターエッグです。

マーティン・グッドマン氏は流通面で働き、コミックとパルプマガジンの黄金時代に貢献しました。1939年に彼はタイムリー・パブリケーションズを設立し、ヒューマン・トーチとネイモア・ザ・サブマリナーに関する最初の物語であるマーベル・コミックス#1を出版することになりました。1940年代初頭に、グッドマンはタイムリー・コミックス社を設立し、最終的にマーベル・コミックスに社名変更されました。

ブリジッド・バルドー

ブラッドが熱愛の噂として質問されているブリジッド・バルドーさんは実在の女性で、ヨーロッパを代表するセックス・シンボルとしてマリリン・モンローさんと同時期に活躍した人物。ブラッドは返答を濁しましたが、熱愛が真実だとするとブラッドは映像で描かれている以上の成功者であると言えるかもしれません。

ロキの本質

結局ブラッドは拘束されてTVAに連行、取り調べを受ける事に。シーズン1で取り調べを受ける側だったロキが取り調べをする側に立っているのは対比となっています。

押し問答の中でブラッドはロキの本質について「生まれつきのヴィラン」と称していますが、ブラッドは神聖時間軸でのロキの人生を最後まで見ていなかったのでしょうか。そしてこのロキ自身も映画「アベンジャーズ」以降の人生は未体験であり、そうではないという確固たる自信を持ち合わせていないようです。

メビウスの輪

ブラッドの挑発による怒りで尋問を放棄して部屋を出たメビウスと、それを追いかけるロキ。オートマットにたどり着いた時、メビウスはロキについてきたと言いますが、視聴者はロキと同じ用にメビウスが先に歩いていた事を知っています。

この奇妙なシーンはメビウスの心理状態が錯覚を起こしているだけなのか、それともこの細い廊下がメビウスの輪のような前も後ろもない無限回廊の性質を持っているのかは謎です。少なくとも実際に無限でなかった事は幸いだったと言えそうです。

パイのオートマット

19世紀後半のドイツで自動販売機の開発が進み、1895年、ベルリン市内で調理済みの食品を自動販売機で提供するアウトマートが出現し、人気を博しました。旅行中にこれを見たアメリカの実業家が1902年にフィラデルフィアでオートマット(AutoMat)として開業。

1962年3月、日本の西武百貨店がアメリカのオートマットをベースにした自動販売機によるレストランを店舗内に設置した。サンドイッチのほかおにぎりなどの和食も販売品目に取り込み注目を集めましたが、1年半ほどで撤退しています。

そしてアメリカでのオートマットは1970年代から1980年代ごろにかけて衰退。原因は本作にも登場しているマクドナルドなどのファストフード店の台頭で、市場が競合していた2つのビジネスはファストフードに軍配が上がりました。

TVAにオートマットがある事と、シルヴィがマクドナルドで働いている事はこれらのビジネスの勝敗を重ね合わせていると言えるでしょう。

キーライムパイを食べながら、ロキは「アベンジャーズ」までの人生において、感情的になった事が敗因だと反省。神聖時間軸のロキが「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」でもまだまだ感情的な一面をよく見せていた事を考えると、このロキは少し成長が早いと考えられそうです。

TVAハンターキラーのシルヴィ

ロキとメビウスはブラッドを連れて、エピソード1のポストクレジットシーンだった分岐時間軸のブロクストンに到着。ブラッドは400人もTVAハンターを殺したシルヴィに一人で近づきたくないと、職務放棄した一因について話しています。

ハンターから見て天敵でもあるシルヴィがこの時代で普通の人生を送っている姿をみて、X-5もまたブラッド・ウルフとしての人生を望んだのかもしれません。

また、ハンターたちに神聖時間軸での元の人生があった事を考えると、シルヴィはワンダよりも大罪を犯したと言えるかもしれません。彼女はこの先さまざまな責任を背負うことになるのでしょうか。

剪定されるマルチバース

ロキとシルヴィが会話している間、メビウスは食事を楽しんでいました。しかし、ブラッドは神聖時間軸に帰ろうとそわそわしており、異変に感づいたメビウスたちは前回のエピソードでハンターが総動員されていたことがシルヴィの捜索ではなく、分岐時間軸の一斉剪定のためだった事を知ります。

これはシルヴィがブラッドの記憶を見て知ったわけですが、ロキが魔法が無力化されるTVAにブラッドを連れ帰る前に記憶を見ていればそれで済んでいたようにも思えます。その場合はロキとブラッドの演技合戦、心理戦のシーンがスキップされてしまうため、この回りくどさが面白いシーンを作り上げたと言えそうです。

ロキとシルヴィのコンビによってTVAの作戦は中断されたものの、多くの分岐時間軸が剪定され、多数の命が消えたようです。先程のマクドナルドでは「TVAが唯一の砦だ」としてシルヴィを説得しようとしていたロキでしたが、その彼女は「TVAこそが問題そのものだ」として再び分岐時間軸に戻りました。

在り続ける者のタイムパッド

夜、閉店した店の前で車のボンネットの上で佇むシルヴィ。1話で接客してくれた、今は先輩でもある店員のジャックはママが迎えに来ると言いますが、シルヴィに住む家があるのか気になる所。

一人残されたシルヴィはシーズン1で在り続ける者から奪い取ったタイムパッドを手にしていました。TVAの職員が使用しているものとは明らかに異なるデザインであり、やはり管理者権限が付与されているのではないかとも推測出来ます。

TVA内でのタイムスリップは不可能と言われているのも可能にしたり、今回の一斉剪定からこの分岐時間軸がたまたま免れたのではなく、プロテクト機能でもあったかのように被害がなかったように。

ケイシーとウロボロスが話していた時間織り機に行くための生体認証が必要な防爆シャッターもこれで開けることが出来るのでしょうか。


1話ではTVAを支える頼れるメカニックとして紹介されたウロボロスが一転、手も足も出ない展開に。その反面、ケイシーが思いの外出来る男だった事が描かれた今回。

そしてシルヴィは在り続ける者とは逆の思想ながらもタイムパッドを持っていることでその能力を受け継いでいる形に。

プロデューサーのケヴィン・ライト氏は最近の Den of Geek とのインタビューで「初期の頃には在り続ける者がカーンではなくロキの変異体というプランもあったがすぐになくなった」と話していますが、結果的にはそれが再現されているようです。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2023年10月20日10時 より配信予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2、1話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月6日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード1「Ouroboros(邦題:ウロボロス)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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征服者カーン

元のTVAにはなかったカーンの巨大な像がそびえ立っていますが、この像が着用している鎧のデザインはシーズン1の在り続けるものとも、映画「アントマン&ワスプ:クアントマニア」のカーンのものとも異なります。

シーズン1ではシタデルで面会し、シルヴィによって殺害された在り続けるものがTVAを創設した事がわかっていますが、今回のエピソードを見る限り、シーズン1当初に考えられていた「ロキは別のマルチバースのTVAに飛ばされた」理論ではなく、「TVAの過去に飛ばされていた」と考えられそうです。

この像はシーズン1の在り続けるものなのか、「クアントマニア」でみたカーンなのか、それともまた別のカーンなのか、そしてその謎だらけのTVAを今シーズンでも探求していく事になりそうです。

©MARVEL,Disney

ケイシー

シーズン1でインフィニティ・ストーンを文鎮代わりに使っていたケイシー。このケイシーはヘッドフォンで Staying Awake ポッドキャストを聞いていると、配信前のスニークピーク映像(2分20秒頃)から思われていました。ドラマ「ムーンナイト」シーズン1の1話でスティーヴン・グラントが就寝前に聞いていたもので、「Solving puzzles is a great way to keep your mind…(パズルは目が冴える優良な方法です)」と言っています。

しかし配信された実際の配信映像では「Calm your mind and relax(心を鎮めて、リラックス)」という音声に差し替えられています。

もともと「ムーンナイト」と「ロキ」シーズン2の監督が同じ事によるイースターエッグだと考えられていたこの部分ですが、音声が差し替えられている事でイースターエッグとして成立していません。しかし奇妙な事に米メディアの1話に関する記事に目を通しても、「これはムーンナイトのイースターエッグだ」と書かれているばかりで、「ディズニープラス版は違う」と言及しているのは GamesRadar ぐらいでした。

差し替えられた理由については不明で、今後の監督インタビュー等で理由が明らかになるかもしれません。

クリネックス

X-5との会話の中でメビウスは、「ジェットスキーは水上バイクの商品名だ。」と説明。その後「クリネックスと同じだ」と例え話をしていますが、これが日本人には少し馴染みが薄いものになっています。

ジェットスキーはカワサキの登録商標であり、商品名。しかし、しばしば水上バイクは全般的にそう呼称されています。同様にクリネックスはキンバリークラーク社のティッシュペーパーの商品名で、アメリカではティッシュを総称してクリネックスと呼ぶ事が多い事からくる例えです。

日本でわかりやすい例えにするなら絆創膏全般をバンドエイドと呼んだり、ゲーム全般をファミコンと呼んだりすることでしょうか。後者はかなり減っていると思いますが。

ドックス将軍とギャンブル判事

二人のキャラクターは原型となっているであろうキャラクターがコミックに存在しています。

ドックス将軍はミスター・パラドックスというTVA職員が存在し、「シーハルク」などで判事として登場しています。

ギャンブル判事に関しては、コミックにジャスティン・アルフォンス・ギャンブルという元TVAのエージェントが存在し、ルーク・ケイジやアイアンフィスト、デッドプールなどと面識がありました。

しかし今回のエピソードを見る限り、コミックの設定はほとんど関係がなさそうです。

TVAに時間は存在するのかしないのか問題

メビウスは「TVAに過去はない」と主張するものの、メビウス自身、「前」や「今」といった表現を使いますし、食堂には「ランチタイムは17分以内で」と書かれており、カートで壊れた床は「ずっと前」からだとケイシーは言っていました。シーズン1ではミス・ミニッツも「時間を無駄にせず」や「昔々」という表現を使用していました。

この後のウロボロスとのシーンでもメビウスは「3とか4(年)ぶり?」と過去があった事をほのめかしています。

とにかく、メビウスの時間に対する認識がかなり曖昧であるのが気になる所。ロキが推測している「TVA職員は何度も記憶を消されている」事が影響しているのでしょうか。この理由は今後明らかになっていくのかもしれません。

ウロボロス

ウロボロスはギリシャ神話に登場する「死と再生」「不老不死」を象徴する、自分の尾を噛む円環状の蛇(あるいは龍)として描かれる存在で、北欧神話では同様の姿として描かれるヨルムンガンドが登場します。このヨルムンガンドは神話上はロキの子供である事、そして「死と再生」「不老不死」といったことはTVAを象徴するようなワードである事から、キー・ホイ・クァンさん演じるウロボロスには何か重大な役割があるのかもしれません。

ちなみにメビウスもメビウスの輪で知られている通り「無限」の代名詞でもあり、メビウスとウロボロス両者の仲がいい事も頷ける名前設定になっています。

タイムスリップとタイムトラベル

MCUにおいてタイムトラベルは「アベンジャーズ/エンドゲーム」で説明されましたが、タイムスリップ(時間移動)は今作で初登場となる要素。ウロボロスは「TVAでタイムスリップはしない。」とメビウスと似たような主張をしている事がさらに話をややこしくしています。

「エンドゲーム」でのブルース・バナーのタイムトラベル理論では過去を変えても自分が戻ってくる現在には影響せず、起こった事は起こったまま、起きていない事は起きていないまま、という話でした。しかし今作でのロキを悩ませているタイムスリップは過去での行動が現在に反映される形になっています。

「タイムトラベルで赤ん坊のサノスを殺しても何も変わらない」というのが「エンドゲーム」での障害となり、過去のインフィニティ・ストーンを持ち寄る事で事態を変えることにしたわけですが、タイムスリップであればベイビーサノスを殺して解決していたのでしょうか。

なんとも複雑になってきた「時間」に関する要素は残りのエピソードで納得行くようになるのか、注目です。

時間織り機

北欧神話やギリシャ神話では、しばしば運命を糸に例えてその織り機が登場します。今回登場したこの織り機はそこからインスピレーションを受けてデザインされたものだと考えられます。

そしてこの織り機への扉は20世紀FOXの映画「X-MEN」からインスピレーションを受けているようで、色以外はかなり似通っています。

「デッドプール3」にTVAが登場するという噂と何か関係があるのでしょうか?

シルヴィの登場

タイムスティックを失って予定通り自分を剪定出来なくなったロキが焦っている所に、電話の呼び鈴が。音に誘われた先のエレベーターからシルヴィが現れ、ロキの事を探していたのか「ここにいた!」と喜びの表情を見せます。

その直後にロキは何者かに剪定され、結果的に助かることになりました。

流れ的にはシルヴィが未来から助けに剪定に来たとも想像できますが、誰がどこから剪定したかは表示されていないため、別の人物による剪定の可能性も否定できません。

シルヴィはこのあとのシーンで登場しますが服装や髪型が異なるため、このシルヴィは残りのエピソードから繋がってくるシルヴィではないかと考えられます。ポストクレジットシーンのシルヴィは額の見える髪型や眉部分の傷等から、シーズン1の終わりから続いているシルヴィだと言えそうです。

©MARVEL,Disney

ザルタン派遣団とは

クレジットシーンで映される一冊の本。そのタイトルは「the Zartan Contingent」(ザルタン派遣団)となっています。

©MARVEL,Disney

コミックに Zartan が登場した痕跡は全米のコミックファンも思い当たらないようで、SNS上では激しく議論が交わされています。

現状でもっともらしい理論はコミックの Xartan のスペルを発音しやすいように変更したものではないかというもの。

コミックに登場するザルタン人(Xartan)は、はるか太古の時代、惑星ザルタに生息していましたが、セレスティアルズによってザルタン・ディヴィアンツが創造されました。オリジナルとディヴィアンツの間で戦争が勃発し、その結果ディヴィアンツ側が支配権を握ることになりました。ザルタン人たちはその後しばらくして地球への侵攻を開始しましたが、これはソーによって阻止されました。

セレスティアルズによって改造されたザルタンたちはスクラルと同様のシェイプシフト能力と透明化能力を使用できる完璧なアサシンであり、短期間の真空にも耐えうる肉体を持っていました。

reddit ではロキ、シルヴィ、メビウスの誰かがザルタンで最後に裏切るのではないかとも考察されています。その他、この本が出るシーンはウロボロス役のキー・ホイ・クァンさんがクレジットされているシーンであり、ウロボロスを怪しむ声も出ています。

もちろん、本当に意味がない小道具に過ぎないとする説も忘れてはなりません。

ポストクレジットシーン

1982年のオクラホマ州ブロクストン。

この地はコミックにおけるリトル・アスガルドがある場所で、シルヴィの基になっているキャラクター、エンチャントレス/シルヴィ・ラッシュトンが生まれた(ロキに創造された)場所でもあります。彼女は短期間ではありますが、ヤング・アベンジャーズに所属していました。

ただし、MCUのシルヴィはシルヴィ・ラッシュトンとレディ・ロキをミックスさせたオリジナルのキャラクターであり、コミックのシルヴィ・ラッシュトンのようなティーンではないのでヤング・アベンジャーズへの参加はおそらくないでしょう。シーズン1でケイリー・フレミングさんが演じた回想シーンのティーンのシルヴィに戻るような事があれば、可能性はあるかもしれません。

マクドの店員がすすめたチキンマックナゲットは丁度この頃に実際にデビューしています。日本語wikiでは1983年にアメリカで販売開始となっていますが、これは誤りというか情報不足で、英語wikiその他資料によると、1979年に開発が始まって、1980年3月15日、テネシー州ノックスビルで初めて販売。これについては日本マクドナルドのホームページでもそう書かれているため、日本語wikiの精度の低さが伺えます。以降、商品の改善をしながら順次エリアを拡大し、1983年には全米のマクドナルドで販売されているようです。

ちなみに1982年のオクラホマで販売されていたかどうかは確認出来ませんでしたが、ここは分岐時間軸であるため、神聖時間軸とは多少異なる可能性があり、深く考える必要はないかもしれません。

シルヴィを演じるソフィア・ディ・マルティノーさんはこのシーンについて、「復讐を果たした彼女はお腹が空いていた」と解釈していると配信前のインタビューでコメントしています。


ロキとメビウスが命がけであたったタイムスリップ病の治療ですが、残念なことにこれで治っていない事を我々は最初のトレーラーを見て知っています。(トレーラーのシーンがなくなっている可能性もあります。)

2話ではまた新たな、そしてさらに危険な治療に取り組む事になるのでしょうか?

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2023年10月13日10時 より配信予定です。

ドラマ「シークレット・インベージョン」6話のポイント─ガイアの「ザ・マーベルズ」登場理由も判明か

2023年7月26日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1エピソード6「Home(邦題:故郷)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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フューリーとヴァーラ

前回のエピソードでの襲撃の惨状が残るフューリーとヴァーラの家。飛び散って壁に付着していた赤い血は紫へと変色しており、ルールがよくわかりませんが個体によって時間差があると言えそうです。

ヴァーラはガイアを送り出した後、ふたたび大事だといっていたこの家に戻ったようで、フューリーが「気をつけてな」と声をかけているのも以前に「自分の身は自分で守れる」と言っていた事へのアンサーとなっています。

ニュー・スクラロス

グラヴィクの待つニュー・スクラロスへと向かうフューリー。

「ザ・マーベルズ」のフューリーが本物だと仮定した場合、フューリーが被爆していると辻褄が合わなくなるため、この時点でフューリーがガイアかヴァーラが擬態しているものだという可能性は存在していました。

結果的にはガイアだったわけですが、門番の二人のスクラル人を容赦なく殺害し、放射線で弱っていく演技をしてグラヴィクの元へと到着します。

それにしても通常、DNAサンプルが入った小瓶を放射線量の多い場所で受け渡すなど、遺伝子損傷のリスクを考えると不思議な事です。ましてやフューリーが本物だった場合、被爆によって道中で倒れ、小瓶を落として割れるリスクもありました。しかしここはマーベルの世界。ガラスに見える小瓶でも、銃撃にも耐え、放射線程度は十分カットするだけのS.H.I.E.L.D.のテクノロジーが詰め込まれていたに違いありません。

グラヴィクと真相

グラヴィクが成り代わっていた人物はフューリーによる命令での最初の暗殺ターゲットだった事が明かされます。暗殺任務によって心が壊れていった事にわずかな同情の余地はありますが、最終的に実行の判断を下すのは自分自身です。

スクラルとは環境が違うため公平な比較とは言えませんが、ナターシャ・ロマノフ暗殺の任務を取りやめたクリント・バートンとグラヴィクはそこが決定的に違いました。

グラヴィクとフューリーに擬態したガイアの間でかわされた会話では、「宇宙には故郷スクラロスに代わる星がない事」が明かされ、地球に代わりを作るしかなかったが地球人の心がそれを受け入れる事が難しかったと説明されます。これはガイアが事前にフューリーから聞かされていた真相という所でしょうか。

しかし、地球人がスクラル人を受け入れがたいとする理由については特に説明がありません。スクラル人が初めての宇宙人難民であればなんとなく納得もいきますが、地球にはすでにアスガルド人が国を形成しているほか、ただの訪問者という形ではありましたが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル」ではドラックスやマンティスも市民に受け入れられていました。

既に宇宙人を受け入れている以上、スクラル人だけを拒否するのは単なる差別でしかありません。

現実的にも地球人同士で解決出来ていない問題、見た目による差別などが、スクラルの住処を用意出来ない理由に含まれているのかもしれません。

ハーヴェストとスーパースクラル

ハーヴェストには様々なDNAが含まれていましたが、少し気になるのはブラックパンサーです。

ブラックパンサーはハート・シェイプド・ハーブを飲むことでパンサーの能力をその身と魂に宿しますが、あれによってDNAが変異すると考えて良いのでしょうか。ワカンダでは一時的に無効化する薬なども儀式で使われており、まだまだ謎が多い力なようです。

また、ハーヴェストの採集時期を考えるとこのブラックパンサーのDNAはティ・チャラのものであり、マーベル・スタジオ及びディズニーはCGによる再現はしないとしつつも、脚本的にはクローンやLMDとして復活する可能性を残した事にも繋がりそうです。

そしてグラヴィクはフューリーがいる事をお構いなしに装置を起動した事で、この装置がスクラル人にしか効果がないものだとも判明しました。しかしグラヴィクにとっては残念なことに、装置の中で崩れ落ちていたのはフューリーではなくガイアでした。

偽ローディの結末

偽ローディことラーヴァは第三次世界大戦を誘発させようと必死でしたが、ソーニャの登場によって全て出しぬかれてしまいます。

誰にでもなれるという能力にあぐらをかいているラーヴァに対して、ソーニャは「ドアの裏も確認しないなんて」と言い放ち、スパイとしての経験の差を見せつけました。

そこへフューリーも加わり、フューリーとソーニャ、そしてラーヴァとの間で判断に迷うリットソン大統領。後少し黙っていればミサイルを発射出来たかもしれませんが、焦って反撃に出ようと動いた所、フューリーに容赦なく撃ち抜かれてあえなく最期を迎えることになりました。

ガイアとグラヴィクの対決

サノスやハルク、エクストリミスと言った不死身に近い能力の二人の戦いにどう決着がつくのかと思われましたが、防御力よりも攻撃力がオーバーフローしているのか、思いの外あっさりと勝負がついた印象でした。

途中ではエボニー・マウのネイコキネシスやゴーストの量子フェージング、マンティスの睡眠攻撃など他作品ではなかなか見られない技の応酬などもありました。

この対決は大規模な再撮影が報じられた2022年6月よりも以前の3月に目撃されており、当初から決まっていた結末の流れと考えられます。

グラヴィクの最期のセリフ「お前は父親と同じだ」というセリフの意味は難しく、対話でなんとかしようとしてきたタロスと最後まで力で制したガイアの共通点をこれから探していく必要があります。

救出された人々

ガイアとグラヴィクの決着のあと、ニュー・スクラロスに拉致されていた人々は無事に解放されました。ローディやエヴェレット・ロスもその中にいましたが、彼らが具体的にいつから捕まっていたかは別の記事にて考察しています。

せめてこの部屋だけは対放射能対策が施されているのだろうと考えていましたが、救助に入る軍人さんたちも解放されたV.I.P.たちも防護服を着用する事もなく、少し眩しそうにするだけで普通に建物から外に出ました。ピム・テックやスターク製の放射線無効化ミストのようなものでもあるのでしょうか。

ガイアとソーニャ

ひとり裏路地を歩くガイア。すでにキャプテン・マーベルの能力を手に入れた彼女は、フューリーの約束を守る必要はなく、自分で星を探しに行けるようになったはずです。それをせずに地球をフラフラさまよっているのは、フューリーの「星が見つからなかった」という言葉を信じているのでしょうか。

そこへソーニャが接触し、フューリーとタロスの関係の失敗からビジネスパートナーとしてMI6とスクラルの新たな提携を結ぶことになりました。

コミック「シークレット・インベージョン」の後、イギリスはアメリカのS.H.I.E.L.D.のように超脅威に対抗する組織MI13を創設しています。キャプテン・ブリテンを始めとするMI13にはジョン・レノンに擬態したジョン・ザ・スクラルも加入していましたが、ソーニャとガイアはMCU版のMI13を率いていくのでしょうか?

その後、ソーニャたちが救助に向かっているシーンで少し話題になっているのが、「捕まってた人、エヴァン・ピーターズに似てない?」というもの。

記事執筆時点で「シークレット・インベージョン」にエヴァン・ピーターズさんがキャスティングされていたとの情報はありません。「ワンダヴィジョン」で見たラルフ・ボーナーはスクラルだったのでしょうか?それともたまたま少し似ているだけの俳優さんでしょうか?

ガイアの「ザ・マーベルズ」登場の噂

ガイアを演じるエミリア・クラークさんのキャラクターがまだ不明だった2022年5月、クラークさんが「ザ・マーベルズ」に出演すると報じられた事がありました。

今回、この「シークレット・インベージョン」シーズン1が終わった時点で、ガイアには「ザ・マーベルズ」に登場しなければならない理由が確立される事になりました。それはもちろんキャプテン・マーベルのDNAを獲得した事です。

「ザ・マーベルズ」の予告ではキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース、ミズ・マーベル/カマラ・カーン、フォトン/モニカ・ランボーの三人の光の力が原因で場所が入れ替わると説明されていますが、キャプテン・マーベルとまったく同質の能力を獲得したガイアがこの影響を受けないというのは脚本上無理がある所です。

「ザ・マーベルズ」にガイアが巻き込まれなかった(登場しなかった)場合は大きなプロットホールとなりそうです。

もしも登場しなかった場合は、「シークレット・インベージョン」最終話から「ザ・マーベルズ」までの間にガイアがスーパースクラルの能力(キャプテン・マーベルの能力だけでも)を失うか、こじつけ感があったとしても、エボニー・マウの闇の魔術の能力が位置交換を本能的にブロックしていたなどのなんらかの措置が後付で必要になってくる事でしょう。

緊急法案

リットソンは今回の事件を基に「地球で生まれた以外の者を全て敵の戦闘員とみなす」との法案を議会に提出した事を明らかにしました。後のシーンでもフューリーがこの演説をヘイトスピーチと呼んでいますが、地球人の排他的主義を象徴するようなある意味リアルなシーンとも言えそうです。

法案が可決されるかどうかは今後の展開次第ですが、言葉どおりならオリジナルのアベンジャーズであるソーも地球以外で生まれた人物に該当します。この法案はかつてのソコヴィア協定のように今後の物語を縛っていく事になるのでしょうか?

そしてこのスピーチが原因で世界各地で混乱が拡大、友好的なスクラル人が殺されるケースや、地球人なのに誤認殺人されるケースまでが横行している事が表示され、事態がより悪化している事を描いています。

S.A.B.E.R.への帰還

愛の言葉を交わしつつS.A.B.E.R.へと戻るフューリーとついていくヴァーラ。

この会話の中で重要なのはクリーとスクラルの間で和平交渉が行われるという事。

2019年のコミックシリーズ「エンパイア」において、クリーとスクラルの両国はコタティとの戦争に備えて1000年以上に渡る戦争を中止し、クリースクラル同盟を結んでいます。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でガモーラがソーの筋肉を「コタティ族のメタルファイバーみたい」と称している事からMCUでもコタティの存在が確認されています。なお、コミックのコタティは植物ベースの異星人(グルートのフローラ・コロッサスとは別種)で、クリーの住む惑星ハラの住民でもあります。

MCUでも新たな宇宙戦争が勃発するのかどうか、注目ポイントとなりそうです。


コミックではあまり気にならなかった事ですが、実写化されて現実感が出てくる事で気になる点が存在します。

5話の時にも触れ、今回でガイアがグラヴィクを騙せた事もそうですが、スクラル人がスクラル人の擬態を見抜けないようでは社会の形成は極めて難しいように感じられます。親や兄弟姉妹、子供が他人ではないとどうやって見抜くのでしょうか。学校(があるなら)の友人は昨日と同じ人物のなのか、組織の上司は信頼できる人物と言えるのか、司令を出している皇帝は本物なのでしょうか?

どう考えても不信感しかないはずですが、それでいて同種で平和な社会を形成出来ているとすれば、スクラル人はやはり人を信用しやすい根はいい人達なのかもしれません。

ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

映画「ザ・マーベルズ」の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」から続くイースターエッグ

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ザ・マーベルズ」の新たなトレーラーが昨日公開され、記事執筆時点では公開18時間にして約650万回再生となる勢いを見せています。その新予告には、2021年公開の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」から2022年のドラマ「ミズ・マーベル」を経て続くイースターエッグが含まれています。

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※↓こちらは日本語字幕版。

そのイースターエッグとは自由の女神像で、「ノー・ウェイ・ホーム」以前にもドラマ「ホークアイ」にて改装工事していた事がエレーナとケイト・ビショップの会話の中で明らかになっていました。

「ザ・マーベルズ」の予告に登場した女神像は黄金色。一方の「ノー・ウェイ・ホーム」では夜間のシーンであった事と工事中だった事もあり、映画だけで色味まで分かりづらいものとなっていますが、コンセプトアートではその色がしっかりと確認できるようになっています。

©MARVEL,Disney

そして「ミズ・マーベル」にもこの自由の女神は登場、この時は現実と同じで白っぽい女神になっており、当初は「ノー・ウェイ・ホーム」での戦いによる破損等のせいで改修工事を取りやめて修復に留まったのかと考えられていましたが、配信から約半年後、「ミズ・マーベル」に登場している女神像が黄金色にサイレント修正されていた事が判明しています。

そして「ミズ・マーベル」では確認出来なかったキャプテン・アメリカの盾ですが、「ザ・マーベルズ」の予告では現実の女神が掲げている松明とは少し違って画面左上にほんのわずかに曲線が見えており、盾も装着されているようにも考えられます。

これらのこだわりが「ザ・マーベルズ」やそれ以降の作品でさらに重要になってくる事があるのか、注目のポイントとなっています。

映画「ザ・マーベルズ」は 2023年11月10日 に劇場公開予定です。

ドラマ「シークレット・インベージョン」、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年7月19日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1エピソード5「Harvest(邦題:収穫)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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報道

前回の終わりからの続き。フューリーは重体の大統領を病院へ運び込み、大統領は緊急手術へ。その傍らではイギリスのニュース番組 UKN24 NEWS がアメリカ大統領の襲撃事件について報じています。

番組ではエイリアンが襲撃された大統領を救出したと、意外にも真実を報道。今回はあえてフェイクニュースに差し替えなかったというのがグラヴィクの作戦のようです。

グラヴィクの狙い

ニュー・スクラロスではタロスの死とリットソン大統領の生存、そしてフューリーが所持しているという「例のもの」を入手出来なかった事について、ペイゴンとグラヴィクの間で口論が発生。

ここでの「例のもの」はアベンジャーズたちのDNAを指しているようですが、特定の誰かという事については言及されません。ほとんどのヒーローは普通の地球人として生まれ、後天的に薬物、実験、インフィニティ・ストーンなどによって力を獲得しているため、生まれ持ったDNAは地球人のはずですが、後天的要因によって何らかの変化をしている可能性は考えられます。

最近の作品ではブルース・バナーの血液が原因で、ジェニファー・ウォルターズがシーハルクへの変身を遂げており、ハルクの血が採取されていればスクラルにも大きな影響を与える可能性があります。

予告動画に存在しつつもまだ配信されていないシーンとして、たくましい腕を持つスクラルがいますが、これはカル・オブシディアンのたくましい身体能力が元々緑の肌のスクラルに適応されただけなのか、6話でハルクのDNAが奪われてしまうのか、注目となりそうです。

©MARVEL,Disney

そしてグラヴィクは口論の末、ペイゴンをあっさりと始末。

ここではプロットエラーがあり、劇中たびたび、そして今回のMI6局長のくだりでも描かれているように、スクラルは怪我による痛みや失神、死といった要因で変身が解除されるはずですが、ペイゴンは地球人の姿のまま絶命したようです。後のシーンでビトが喉元を切られた際も地球人の姿のままのようです(こちらはフレームアウトが速いためさほどおかしくはありませんが)。

また、今回のエピソードまで失念していましたが、コミックのスクラル人の血液は緑であり、これはシェイプシフトによって変化しないというルールがありました。

映画「キャプテン・マーベル」ではスクラル人の血液は紫色で描かれていましたが、今作では皆一様に赤い血を流しており、MCUの中で設定が維持されていないようです。

©MARVEL,Disney

グラヴィクの次の作戦

グラヴィクはローディに擬態しているラーヴァに、今回の件を「ロシアがスクラル人の助けを借りて実行した物だ」と言うよう指示。アジトの衛星地図も公開するように言います。

ローディ/ラーヴァがためらうと「戦争も無実のスクラルを殺すことも避けたいフューリー」に対する脅しの作戦であるとグラヴィクは説明します。

しかし、そもそもフューリーはニュー・スクラロスのスクラル人たちを無実だと考えているのでしょうか?フューリーは本作品でポプリシュチンやロバート・フェアバンクス准将邸でのスクラル人など、多くのスクラル人をためらいなく殺害しています。

スティーブ・ロジャースのような善性を持つ相手ならともかくとして、リスクとリターンを即座に天秤にかけるフューリーのようなタイプの人間相手にはあまり効果はない作戦と言えるでしょう。

「例のもの」の回収もフューリーの後手にまわり、人間性を読み間違えている事自体、はじめからフューリーは敵わない相手だったのかもしれません。

デリック・ウェザビー

オープニングクレジットの後、舞台はMI6の長官デリック・ウェザビーへ。物語から少し逸れて、デリック・ウェザビーを演じるトニー・カランさんはマーベル作品の常連俳優さんです。

MCUでは映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」にてオーディンの父であり、ソーの祖父にあたるアスガルドの先々代の王ボーを演じました。そしてFOXのマーベル映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」ではMIBのエージェントを、ニュー・ライン・シネマのマーベル映画「ブレイド2」では司祭役を演じています。

ソーニャ・ファルズワースが3話で調査していた内通者はこのウェザビー長官であり、今回のエピソードであっさりと失脚させてしまいます。

合流

フューリーとガイアが合流する事になったのは、2話の冒頭でフューリーがグラヴィク少年と出会った場所。

タロスの死についての言及があり、無駄死にだったというガイアに対してフューリーは反論、新たなスクラルのリーダーとなるよう鼓舞します。

なお、予告ではガイアが誰かに覆いかぶさるシーンがありましたが、本編からは削除されてしまったようです。予告の段階ではこれが誰かまでは分かっていませんでしたが、4話の結末からこれはタロスであり、亡骸まで駆け寄るシーンが撮影されていたと見られます。

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グラヴィクが盗んでいたDNAについて、英語では「Only a few samples」、吹替では「ほんの何種類か」、字幕では「2~3種類」とされており、その後具体的にカル・オブシディアンとフローラ・コロッサス(グルートの種族名)を手に入れていると言います。アジトのPCに表示されていたフロストビーストに関しては特に言及がありませんでした。

また、グラヴィクが本当に欲しいのは今回のエピソードタイトルにもなっている「ハーヴェスト(収穫)」と呼ばれているものだと明らかになります。

タロスを弔いたいというガイアにプリシラ/ヴァーラと合流するよう指示し、自身はフィンランドに向かうと告げます。

ダルトン夫妻

長官からダルトン夫妻の研究所を突き止めたソーニャは計画書を押収し、ラボを焼き払います。また、妻ローザを人質にとり脅しにかかる夫ヴィクターをあっさりと殺害。地球人でもスクラル人でも男は替わらないと皮肉を言い放っています。

このシーンでソーニャは研究に関する全ての説明を求めており、それがつつがなく終了したのだとすれば、MI6はスーパースクラル化の技術を得た事になります。もちろんこれが地球人にそのまま適応できるわけはないと思いますが、これはこのまま素直に終わる話なのでしょうか。

リック・メイソンの再登場

フィンランド行きのプライベートジェットで待っていたのはO・T・ファグベンルさん演じるリック・メイソン。2021年の映画「ブラックウィドウ」で登場したナターシャのS.H.I.E.L.D.時代の友人である事から、フューリーの元部下にもあたる人物です。

「ブラックウィドウ」でもナターシャのために偽造パスポートや飛行機、クインジェットなどを調達しサポートしていましたが、今回も影でフューリーを支える有能な元S.H.I.E.L.D.のエージェントのようです。

「ヘリキャリアなら安心だった」と礼も言わず文句をいうフューリーに対して皮肉を言いつつも、メイソンは偽造パスポートとフォトスタティック・ベールを渡しています。

葬儀

フューリーの指示どおり彼の家に到着したガイアはプリシラ/ヴァーラと遭遇。お互いに銃を突きつけ合いながらも、「殺しに来たの?」「ガイアです」の簡単なやり取りで信用しあうのは本作の難しい点のひとつ。

シェイプシフターであるスクラル人が、仲間をどうやって見分けるのかという疑問について、この作品では描かれていません。タロスがフェアバンクス准将に擬態して最初の警護を騙せたように、スクラル人だからといって相手の擬態を見抜ける訳ではないのは明らかです。

すべてのシーンで緑の素顔を明かしていくのは冗長になる上にVFXコストも嵩むため、大人の事情として省略されるのは致し方ありませんが、合言葉代わりに4話のポエムを引用するぐらいはあったほうがよく、生命を狙われているプリシラ/ヴァーラの対応としては少し迂闊な描写となってしまいました。

そしてガイアの望んでいたタロスの葬儀が執り行われ、プリシラ/ヴァーラによって火葬されました。宇宙人の葬儀という事で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2」のヨンドゥのような不思議なシーンかと思われましたが、地球人にも馴染み深い絵となっていました。

なお、スクラルの葬儀が地球に住む以前から火葬であるのか、プリシラ/ヴァーラの居住区域であるイギリスの様式に沿っただけなのかは不明で、コミックでもスクラルに葬儀の文化があるかどうか不明となっています。

ガイアは母の指輪を副葬品として一緒に焼くことでタロスに別れを告げ、100%に近い高い確率でタロスが本当に死んだ事を描きました。

襲撃

ガイアがヴァーラにフューリーに素肌を見せようと思わなかったのと質問された事で、ヴァーラは機嫌を損ね、他人と一緒に住むことの大変さ、相手に合わせることの重要性を説いています。

結局これはタロスも同じ考えでこれまでのスクラルを導いており、地球という家で地球人と同居するために、地球人の顔と生活で合わせようとしてきました。残る1話でガイアは、タロスの想いをプリシラ/ヴァーラを通じて理解する事ができるのでしょうか。

そうこうしている所へ、グラヴィクの刺客たちが襲撃。本棚の本の背表紙から飲み物のカップ、椅子やラボの植物やレーザー光に至るまで、画面内の緑の比重が多いシーンが続いています。

襲撃者が実際にスクラルかどうかはこのシーンでは分からず、偽ローディやMI6元局長のような権力をもつ人物から命令を受けた地球人である可能性もあります。

ここでの刺客たちはみな赤い血しぶきを上げており、「キャプテン・マーベル」のような紫の血やコミックのような緑の血でない事も、彼らが地球人である可能性を含んでいるようです。

ウィドウズ・ベール

メイソンから受け取ったパスポートとフォトスタティック・ベールを用いて、フューリーはケルホネンというフィンランド人に変装して入国。合流したソーニャはこのマスクを「ウィドウズ・ベール」と称し、10億ドルかけて隠せるのは顔だけなのかと皮肉を言われたフューリーはこれは旧型だと言い返しています。

映画の公開順で言えば、このアイテムが最初に登場したのは2014年公開の映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でした。この時はナターシャがアレクサンダー・ピアースを騙すために安全保障理事会の議員パメラになりすましていました。この時、名称は特に有りませんでした。

その後はドラマ「エージェント・オブ・シールド」にてエージェント・メイやエージェント33など何人かのS.H.I.E.L.D.やH.Y.D.R.A.のエージェントが使用し、ナノマスクやフォトスタティック・ベールの名称で呼ばれていました。

さらにその後、2021年の映画「ブラックウィドウ」にてメリーナもこれを所持している事が描かれ、レッドルーム由来のアイテムである事も判明しています。

さらにその後、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では元S.H.I.E.L.D.のエージェントで現在パワーブローカーを名乗っている、そしてスクラルの疑いもあるシャロン・カーターもこれを使用していました。

フューリーが反論したような全身バージョンはこれまでの作品に登場していませんが、負け惜しみではなく実際に完成しているのであれば、極めて強力なスパイツールである事は間違い有りません。

プロジェクト・ハーヴェスト

ラストでは「ハーヴェスト(収穫)」の正体がアベンジャーズのDNAである事が明かされ、キャプテン・マーベルのDNAも含まれている事が明らかになります。

このDNAの回収任務にグラヴィクを充てていた事が、スーパースクラル着想のきっかけとなったと指摘し、この戦争の原因が自分にあるとして、自分の責任でこの問題に対処するために地球に戻ったとフューリーは説明しました。

これでグラヴィクが今回しかけた侵略戦争についてその背景が明らかになりましたが、一方でハーヴェストの目的自体は分かっていません。フューリーはアベンジャーズのDNAを集めて何をしようとしていたのか、最終話で明らかになるのでしょうか?

ハーヴェストが隠されていたフューリーの偽の墓には「Greater love hath no man than this, that a man lay down his life for his friends.(友のために命を投げ打つこと、これより大きな愛はない)」というヨハネ15章13節の言葉が刻まれています。既にタロスがこの言葉通りになっていると解釈できる上で、フューリーの未来も暗示しているのでしょうか?

なお、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」に登場したフューリーの偽の墓にはエゼキエル書25章17節の「心正しい者が歩む道」と刻まれていました。

そしてフューリーは予告動画にもあったように久方ぶりに眼帯を装着し、銃を携え、「時間だ、決着をつけよう」と何者かに電話するのでした。

最終話に向けて気になるポイント

最後の電話相手はやはりグラヴィクでしょうか。味方に反撃開始の合図を出したとも取れますが、これまでの作中で自分の責任や自身の戦争と言い、アベンジャーズへの要請を出さない理由が何度も強調されていた事を考えると、救助された本物のローディが助けに来るなどというのはナンセンスなようにも感じます。せいぜいプリシラ/ヴァーラかガイアが助けに来るのがいい所でしょうか。

とは言っても、フューリーが一人きりでなんとかしてきた訳では有りません。今回も元S.H.I.E.L.D.のエージェント・メイソンが手を貸してくれました。

予告ではフューリーはグラヴィクに投げ飛ばされたり、大きな腕で殴られるシーンが存在していますが、超人血清も持っていないフューリーが単独でどうにかできるのか、注目となっています。

また、ソーニャの行動も気になる所。ソーニャはスーパースクラルの研究を中断させるだけでなく、成果のすべてに関して説明を求めていました。そしてフューリーからハーヴェストの詳細を聞いたソーニャは、グラヴィクと同じ秘密を知る人物となります。

本作でのスクラル人はたびたび緑色と一緒の画面で紹介されていますが、ソーニャも時々緑のシャツを着ています。この分かりやすいサインはソーニャをスクラルと思い込ませて実は地球人というミスリードを誘っているのか、それとも実際にスクラルでグラヴィクとは別の計画を始めていく新たな人物となる可能性を秘めています。

本作ではスクラルの皇帝の存在が明らかになっていますが、コミックで地球侵略を開始したスクラルの女王ヴェランケは登場していません。ソーニャをヴェランケとして、劇場版「シークレット・インベージョン」が制作され(妄想)、本作で描くことを避けたアベンジャーズたちの大半が入れ替わられてしまう可能性について、最終話での注目ポイントのひとつです。

そして、フューリーの運命の行方も当然ながら注目ポイントです。今作の展開や墓石に刻まれた言葉からはフューリーが安全にこの侵略戦争を乗り越えられる保証がないようにも感じられますが、一方で「ザ・マーベルズ」に登場しているという事実もあります。

今回のエピソードではガイアが新しいリーダーとなるように助言されていましたが、最終話でフューリーが死亡し、ガイアがフューリーに擬態して地球と宇宙の平和を守っていく展開も考えられそうです。

しかし最も恐ろしいのは、「ザ・マーベルズ」のフューリーが本人でもガイアでもなく、「シークレット・インベージョン」を制する別のスクラルである可能性です。

グラヴィク、ないしはそれにある程度共感しているスクラルがフューリーを殺し、ハーヴェストの代わりに直接DNAを集めるためになりすます可能性を排除する事は現時点で出来ません。

フューリーを演じるサミュエル・L・ジャクソンさんは、海外メディア The Wrap とのインタビューで「the last [episode] is so good.」(最後のエピソードはとても良かった)と述べていますが、これがハッピーエンドを指しているのかどうかは来週までお預けとなります。


ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2023年7月26日16時 より配信予定です。

ドラマ「シークレット・インベージョン」、4話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

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※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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ガイアのスーパースクラル化

予想通りの展開で、ガイアはエクストリミスの力によって息を吹き返しました。

力を獲得した回想シーンは少し興味深いもので、映されたコンピュータの画面の右のウィンドウによると、「回復能力」に加えてオリジナルのエクストリミスと同じく「発火能力」を100%再現している事がわかります。今回までのエピソードでガイアもグラヴィクもこの発火については見せておらず、気になるポイントとなっています。

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以前にマーベル公式はエミリア・クラークさんのキャラクターを「アビゲイル・ブランド」と表記した事がありますが、コミックのアビゲイル・ブランドと同じ発火能力を手にしたと思われるガイアはMCU版の新たなS.W.O.R.D.長官になっていくのでしょうか?

そして画面左側にはカル・オブシディアンとフロストビーストのファイルもありますが、ガイアはこれらも手に入れているのか、そしてどのような能力であるのか、今後のエピソードに注目です。

2012年

2012年のフランス、パリ。アベンジャーズとロキ、チタウリとの戦いの後、フューリーとプリシラ/ヴァーラがレストランで会話をしています。

フューリーは2012年公開の映画「アベンジャーズ」と同じ若さに見えるCG処理が施されていますが、当時とは異なる部分もあります。

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フューリーは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」までは目の傷が蜘蛛の巣のように縦横両方に広がっているのですが、映画「キャプテン・マーベル」でこの傷はグースによる引っかき傷であると再設定され、それにあわせて縦3本を強調する傷に変更されました。同時期に撮影されて先に劇場公開された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」から適応されています。

今回のエピソードのフューリーはこの後付設定を反映したバージョンのフューリーですが、これらは単なる後付ではなく、本物と偽物のフューリーの違いとして再利用される可能性もあるかもしれないため、頭の片隅に留めておく必要はあるかもしれません。

二人の会話の中に登場する詩は劇中の創作物ではなく、実在するもの。

レイモンド・カーヴァーの「Late Fragment.(おしまいの断片)」と題された詩で、内容も同じです。ドラマではラストが「この土の上で」と訳されているところは原文では「on the earth」であり、異星から来て地球に住んでいるスクラルにとってかなりフィットした内容と言えそうです。

ローディとプリシラ

3話の電話の指示通り、プリシラが教会で待っているとそこに現れたのはやはりローディ。フューリーをクビにしたのは大統領命令ではなく自分である事、そしてフューリー殺害を指示するなど、視聴者がこれまでに見てきたトニー・スタークの親友ではない事が明確に示されます。

しかし一流のスパイ組織を束ねていたフューリーは彼らよりも上手で、偽ローディの会話はしっかりと盗聴されていました。

この偽ローディはグラヴィクと繋がっているスクラルであり、ケヴィン・ファイギ社長は「シークレット・インベージョン」以前から既に本物ではなかった事を最近のインタビューで示唆しています。

なお、教会で歌われている「ディープ・リバー(深い河)」は黒人霊歌の一つ。ヨルダン川を渡った向こう岸の故郷に平和が待っていると言う内容で、2話の冒頭の電車内でのフューリーとタロスの会話と同様に黒人社会の問題とスクラルの現状を重ね合わせている部分があります。

父と娘

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の老スティーブとサム・ウィルソンのショットと似たような絵で、タロスとガイアの再会シーンが描かれています。

しかし、正確な場所については不明です。ガイアは前回ニュー・スクラロスから脱出。ニュー・スクラロスはモスクワ南西312キロ地点にあることが1話で説明されています。一方タロスはポーツマスにあるロバート・フェアバンクス准将の自宅で3話を終えており、地図上での中間地点はポーランドあたりになっています。

父タロスの計画を聞いて納得が行かないガイアは、グラヴィクともタロスとも違う別の道を求めて歩き出すことになります。

プリシラ・デイヴィス

自宅に戻ったプリシラ/ヴァーラはフューリーと鉢合わせ、その会話の中でヴァーラが擬態している人物について明かされます。

ヴァーラが擬態していたプリシラことプリシラ・デイヴィスは医師である事。そして二人が銃を撃ち合った後に映る壁に飾られた本から、プリシラは遺伝子学に精通する人物で、「超人遺伝子」の研究に携わっていた事がわかります。

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額縁に入れられたブックカバーによると本のタイトルは「Decoding the Superhuman Gene(超人遺伝子の解読)」で、この本を書いたのが生前のプリシラであるのか、その後の人生を引き継いだヴァーラであるのは不明ですが、既にこの世界にミュータント、あるいはインヒューマンのような遺伝的に誕生する先天性の超人が存在し、プリシラあるいはヴァーラが既に接触している可能性をほのめかしています。

自宅にこの本があるという事はフューリーがこの超人遺伝子について見識を深めている可能性は充分高く、ミュータントとして紹介されたカマラ・カーンをマークするきっかけになっているかもしれません。

ちなみにこのシーンでプリシラ/ヴァーラは「ニック」と呼んでおり、「誰も俺のことをニックと呼ばない」設定を活かしたいのか忘れているのか、相変わらず謎となっています。

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偽ローディ

偽ローディのシャワーシーンになり、スクラル態が女性である事がわかります。クレジットによるとスクラル名はラーヴァ(Raava)で、ニシャ・アーリヤさんが演じられています。

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コミックのラーヴァはスクラルの囚人で、ブラックボルトと共闘して脱獄していますが、MCU版でどのような要素を引き継いでいるかは不明です。

フューリーと偽ローディ

ラーヴァとヴァーラがややこしくなりそうなのでとりあえず偽ローディという表記で。

偽ローディがシャワーから上がるとそこにはフューリーが待ち受けていました。「フューリー、驚いたな」とブレにブレた名前設定で話をややこしくする偽ローディ。

フューリーが酒を勧めると2話の時とは逆に毒の心配をする偽ローディ。フューリーは「ナノテクだ」と返すも警戒を解かずに口をつけない偽ローディでしたが、フューリーが何度も飲むのを見て油断したのか、液体型ナノテク追跡装置を飲んでしまうのでした。

フューリーは「シークレット・インベージョン」においていくつかの強力なスパイ道具を使っていますが、トニー・スターク亡き今、これらは誰が設計、制作しているのか気になる所。

ハンク・ピムなどは候補に入りそうですが、なんというか性格的には協力している絵がまったく浮かびません。シュリも才能的には充分ですが、ワカンダのスタンスから言ってありえなさそうです。S.A.B.E.R.に信頼出来るスクラルの技術者がいるのか、あるいは元S.H.I.E.L.D.の天才エンジニアやメカニックがバックにいるのか。いずれにしても画面外に協力者がいる可能性があるのはこのような状況で心強いものです。

キューバ危機

サミットを見送っていたリットソン大統領がイギリスに到着、史実であるキューバ危機に触れていますが、マーベル映画ファンにとっては重大なイベントのひとつです。

2011年の映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」でのキューバ危機はセバスチャン・ショウ達がアメリカとソ連を戦争に持ち込もうと裏で暗躍しており、最終的にそれは若きチャールズ・エグゼビアとX-MEN達によって阻止されました。

「シークレット・インベージョン」でグラヴィクは同じ様なことを目論んでいますが、チャールズ・エグゼビアにX-MENがいた事と違って、フューリーの味方はあまりに少ない所が大きく異なっています。

今回のエピソードの中でミュータントに関するイースターエッグは2つ目となりますが、「デッドプール3」でのミュータントの本格的な導入に向けての布石となっているのでしょうか?

襲撃

空港からの移動中、偽ローディの手引によって大統領が乗った車両が攻撃され、銃撃戦が開始。グラヴィクが事前に指示していたように、スクラル側はロシア語で叫ぶことでなりすましによる作戦を実行しています。

激しい銃撃の中で偽ローディがのんびり鑑賞しているのはなかなか不思議な光景で、まわりのSPは彼がウォーマシンとして前に出ない事に疑問を持たないのでしょうか?予算という大人の事情でウォーマシンを使えない可能性は大いにありますが、アーマーを使用出来ない脚本的な理由が今後のエピソードで明かされるかもしれません。

大統領を救うべく、車の窓ガラスを割ろうと奮闘するタロスとそれを護衛するフューリー。グラヴィクは予告動画にもあったグルートの能力を見せながら近づく中、パゴンの放った銃弾がタロスの左肩に命中し重傷を負わせました。

これまでのエピソードにもあったように痛みによってシェイプシフトが解除されながらも、なんとか窓ガラスを割り、大統領を引き釣り出す事に成功。しかしフューリーが大統領を車に運び込んでいる間に、グラヴィクが擬態し、タロスに接近していました。

そして1話の悪夢の再来といわんばかりにフューリーの眼の前でタロスは左胸を刺されました。1話では逃げ惑う民衆の往来もあり何も出来なかったフューリーですが、今度は引き金を引き反撃。銃弾の一発は顔に命中するも、エクストリミスの力によりすぐに回復されてしまうのでした。

米軍の援軍到着を頃合いと判断し、パゴンとグラヴィクはバイクで離脱。しっかりと戦争開始のお膳立てをして、グラヴィクの作戦は成功をおさめたと言えそうです。

「アイアンマン3」のエクストリミスはとても強力であり、アルドリッチ・キリアンはアイアンマンのどんな攻撃を食らっても立ち上がってきました。映画ではエクストリミスを獲得したペッパー・ポッツがキリアンに止めをさしましたが、グラヴィクを止めるのはフューリーかそれともガイアになるのでしょうか。


果たしてタロスは本当に死んだのでしょうか?

生き残る可能性について考えた場合、タロスもスーパースクラルの処理を行っていた、まだS.H.I.E.L.D.が存続していた頃にエクストリミスのコピーなどを含む何らかの強化措置を施していた、とっさに内臓をシェイプシフトして別の生物に変化させ重要な臓器の場所を変えた、等色々と考えられると思います。

また、現場近くにガイアがいる事は予告動画からも予想され、応急手当ぐらいは間に合うかもしれません。二重仮定の話で言えば、ガイアがフロストビーストのパワーも獲得していて、なおかつ、その能力次第ではタロスを冷凍保存等しておく事も可能かもしれません。

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とは言え、「死んでいませんでした」の連続使用は難しく、視聴者が冷めてしまう危険性が極めて高いものです。多くの視聴者を納得させるだけの説得力のある展開があるのかどうか、それともこのまま退場になってしまうのかは注目です。

そしてタロスの退場の可能性が高い一方で、今回のエピソードではあらためてプリシラ/ヴァーラという協力者を獲得。彼女の今後やガイアの行動、他の協力者が現れるかどうかにも注目となりそうです。

ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2023年7月19日16時 より配信予定です。

ドラマ「シークレット・インベージョン」、3話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年7月5日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1エピソード3「Betrayed(邦題:裏切り)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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スーパースクラル

ペイゴンがレジスタンスの新人青年ビト達を率いてイギリスへの潜入任務を開始する所から始まる今回のエピソード。

その傍らでグラヴィクは評議会メンバーを研究室に招待し、侵略計画とスーパースクラルに関するプレゼンを行っていました。

マーベルにおける最初のスーパースクラルは1963年のコミック「Fantastic Four #18」に登場したクラートと呼ばれるスクラル人がファンタスティック・フォーのメンバー4人の能力を備えたところからはじまり、その後、コミック「シークレット・インベージョン」ではウルヴァリンやドクター・ストレンジ等様々な能力を持つスーパースクラルが投入されました。

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2話の記事でも紹介したように、レジスタンスはグルート、カル・オブシディアン、フロストビーストとエクストリミス強化人間のDNAを採取済みであり、これらはファンタスティック・フォーの能力をオマージュしたラインナップになっていると考えられます。

フューリーとプリシラ/ヴァーラの馴れ初め

AIオープニングの後は、1998年のニューヨークでフューリーとヴァーラの過去について掘り下げています。これは2話の冒頭でヴァーラがグラヴィク少年を紹介して1年後の事になります。

ヴァーラは「ドレイコフの手下を追い詰められる」とフューリーに何か情報を託していますが、ドレイコフは2021年の映画「ブラックウィドウ」で描かれたスパイ養成機関レッドルームのボスの事。

「ブラックウィドウ」視点で見ると、1995年にアレクセイ、メリーナ、ナターシャ、エレーナの偽装家族がオハイオ州での潜入任務を終えてキューバに逃亡、しかし到着した空港で家族が引き離され、1998年ではナターシャとエレーナが訓練中であると考えられます。

この話題は今回のエピソードでこれ以上される事はなく、ドレイコフがこの時点で何を計画し、ヴァーラたちが何を食い止めたかは不明です。

また、二人の夫婦関係のスタートがヴァーラからのアプローチで有ることもここで明かされました。

2話の続き

舞台は現代(2025年)のフューリーとプリシラに戻り、テレビでは第3次大戦の始まりだと警鐘を鳴らすキャスターが映っていますが、これはスクラルの評議会メンバーでもあるスクラルがキャスターのクリス・スターンズに擬態しているもの。

プリシラ/ヴァーラはフューリーが「アベンジャーズ/エンドゲーム」での復活後、またすぐに姿を消していた事に不満を述べますが、「謝って欲しいのか」と返されると明確な答えは返さず、残された方は「変わる」と答えました。「グラヴィクと連絡を取っていたか」質問された際もプリシラ/ヴァーラは不満を並べ立て、答えを濁していました。

そして正体不明の人物からの電話でこのシーンは中断されてしまいます。

裏切り者

シーンはニュー・スクラロスへと変わり、グラヴィクは2話のブローガンはセーフハウスの場所を知らないとして裏切り者は他にいるとガイアに伝えます。

グラヴィクは車にいた自分かガイアかペイゴンかビトしかセーフハウスの場所を知らないとしつつ、ガイアに疑いの目を向けますが、ガイアは「拷問されれば推察で何か言う」としてブローガンのせいであると主張、この場を回避します。

物語的にはビトが来てからグラヴィクの計画に問題が発生しているわけですが、疑いの目はピンポイントでガイアに向けられています。ビトは冒頭でも重要な潜入任務に指名されていますし、そもそも限られたスクラル人しか知らないセーフハウスも加入後まもなく教えてもらえるという全幅の信頼っぷりが奇妙であり、これが単なるプロットホールであるのか、何らかの伏線であるかはもうしばらく注視する必要がありそうです。

タロスとグラヴィク

グラヴィクとガイアがタロスとの交渉へ車で向かう最中、車内で電話に出たグラヴィクは、「22時に国連の航空機がネプチューンの座標に入る」と話し、ガイアが裏切り者かどうかを試す罠を仕掛けます。

ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーに到着したグラヴィクが下車し、それを見送りつつガイアは古い携帯電話に先程の情報をメモしました。

タロスとグラヴィクの交渉の中で、タロスは「地球人は善悪を見分けられると信じている」事が明かされます。これには映画「キャプテン・マーベル」での体験が大きく影響していると考えられ、地球人は地球人同士で争いをする人種にも関わらず、共通の敵に対して強い結束力を見せると認識しているようです。

ガイアの事で挑発を繰り返すグラヴィクの手にナイフを突き立て、交渉は不成立。グラヴィクは映画「アイアンマン3」のエクストリミスと同じオレンジ色の光を発しつつ、傷ついた手を修復しました。

一方、ギャラリーを出たタロスは老人とぶつかった際に「落とした携帯電話」を渡され、ガイアからスクラルの任務内容を受け取ります。

朝食

タロスが英国式朝食を摂っているとフューリーが姿を現し、「犬の餌」と揶揄してタロスの反感を買っています。2話で喧嘩別れをした後の再会の第一声でまた喧嘩になるのはある意味いいコンビである事の象徴なのでしょうか。

フューリーは映画「キャプテン・マーベル」でキャロル・ダンヴァースに対して自分がスクラル人でない事の証明として「三角トーストが食べられない」と話しており、タロスの食べていた三角トーストに拒否反応が出たのかもしれません。

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嫌いな理由については作品の中で言及されていませんが、「キャプテン・マーベル」公開後、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のフューリーは三角トーストを食べている事が発見され、このフューリーはタロスではないかと言う説も出ていますが、今のところ真相については明かされていません。

なお、3話冒頭の朝食シーンではポーチドエッグを作っていたことは分かっていますが、トーストに関してはかなり見づらく、四角トーストであるように見えますが何とも言えません。

フューリーがタロスに助けを求めるこのシーンで「アメリカ政府のかなり上にスクラル反乱軍が入り込んでいてロンドンに来ている」と説明、ローディがスクラルに変わられている事を示唆します。

ガイアからリークされた作戦を止めるため、ソーニャ・ファルズワースに連絡するも、2話での拷問がバレたことで身動きが取れないといいます。先に拷問をしていた男たちはグラヴィク達に始末されていますし視聴者的には漏れようがないと思うところですが、イギリスのパメラ首相もグラヴィクに付いたことですし事前に手回しされていると考えられます。

動けないソーニャに代わり、ロバート・フェアバンクス准将の情報を得た二人はボブの自宅へと向かいます。

犬とスクラル

犬の散歩を見て二人がひと悶着するシーンがありますが、本作はかなりの割合で犬という言葉が登場しています。犬とスクラル人を同様に見立てているのか、基本的に人類の友である犬ですが、時には人を襲うことも有り得る事とかけているようでもあります。

グラヴィクは犬が好きだと発言していましたが、人類の友人として協力的な立ち位置に戻る可能性はあるのでしょうか?

犬のう◯この話から派生してフューリーのS.H.I.E.L.D.での出世の話題となり、スクラル人の貢献のおかげである事を主張するタロス。「歴史を書き換えるな」という忠告はもっともな事で、差別とは肌の色や性的嗜好の違いが原因ではなく、そもそも少数派に対して行われている問題である事を表現し、批判しているようにも見えます。

ミサイル攻撃の阻止

攻撃阻止のためのロバート・フェアバンクス准将自宅への侵入計画は見事なまでにあっさりとバレてしまい、それぞれ強行突破するタロスとフューリー。

タロスの後を追うフューリーは次々と護衛を撃ち、撃たれた護衛は倒れ込みスクラルの姿へと戻っていきます。

2話では切断された部位がスクラルの組織へと戻ることが判明したため、脳からの信号が遮断された場合に体組織がもとに戻ると考えられます。ここで撃たれた3人のスクラルが気絶したのか死亡したのかは不明。フューリーの読みは衰えたと散々言われてスタートしたこのドラマですが、銃の腕前に関してはまったくもって問題がないようです。

名前の問題

邸内に侵入したフューリーはタロスから准将を捉えたという通信を受けますが、この際「ニック」と呼ばれた事で警戒を強め、准将の息子のザッカリーを人質に取った上で部屋へと踏み込みました。

これは映画「キャプテン・マーベル」で次のようなやり取りがあったことが関係しています。

キャロル:ニコラス・ジョセフ・フューリー。3つも名前があるのね。
フューリー:みんなはフューリーと呼ぶ。ニコラスでも、ジョセフでも、ニックでもない。ただのフューリーだ。
キャロル:母親はなんて呼ぶの?
フューリー:フューリーだ。
キャロル:母親のことはなんて呼ぶの?
フューリー:フューリー。
キャロル:子どもたちからは?
フューリー:もし子どもができたら、フューリーと呼ばせる。

この設定を再利用しての展開と思われますが、実際問題として過去の作品では多くの人物が「ニック」と呼んでいます。

例えば「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」ではフューリーと親交の深かったアレクサンダー・ピアースもニックと呼んでいましたし、スティーブ・ロジャースやナターシャ・ロマノフもニックと呼んでいます。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のポストクレジットシーンではマリア・ヒルもニックと呼んでいます。全てを再確認する時間が取れていないため未確認ですが、トニーもどこかでニックと呼んでいたように思います。

※画像は「ウィンター・ソルジャー」のスティーブ、「インフィニティ・ウォー」のマリア、そして「キャプテン・マーベル」での当該発言部分のスクショです。

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これらは単なるプロットホールであるのか、それとも過去作で見てきたトニーやナターシャがスクラルだったとして本物を呼び戻す計画をフェーズ2の頃から仕込んでいるのか、今のところはわかりません。

とは言えトニーやナターシャは銃で撃たれたスクラル人のように緑に戻ることはなかったため、死んだのはやはり本人である可能性が極めて高く、彼らが「ニック」と呼んだのは単なる脚本の矛盾か、フューリーが思うほど親しい仲ではなかったとするのか、とにかく謎が多い設定になっています。

また、母親の事をフューリーと呼び、子供にもフューリーと呼ばせると言うのであれば、今回のエピソードの冒頭でプリシラ・フューリーの事をプリシラと呼ぶフューリーは何者なのかという点も気になる所です。

「キャプテン・マーベル」で導入されたこの設定が、それ以前の作品ではうまく機能していないだけとも考えられるかもしれません。

暗号コード

准将に擬態したスクラルから裏切り者呼ばわりされたタロス。「娘のガイアもそうなのか?」と疑念を投げかけられたと同時に射殺してしまいます。この疑いの芽を持ったまま返すわけには行かないという事でしょうが、温厚派のタロスも娘の事となるとその判断は鋭くなるようです。

ミサイル発射中止のパスワードを聞き出す事に失敗したタロスは悩んだ挙げ句、ガイアに連絡。ニュー・スクラロスに捕らえられている准将本人の記憶からパスワードを取り出すことにします。

ガイアが装置を覗き込むと、そこに映る映像は息子のザッカリーがほとんどで、准将が息子を溺愛していた事がわかります。ザッカリーもスクラルに取って代わられているのか、本物の地球人なのかは不明ですが、フューリーに対して息子を撃たないよう懇願していたのは、この愛情までも完璧にコピーしてしまっていたという事なのでしょう。

なんとかパスワードを入手したタロスとフューリーはミサイル発射の阻止に成功しますが、その一方でニュー・スクラロスは外部からの通信を検知し、ガイアが危機に立たされる事になりました。

裏切り者の結末

バイクでニュー・スクラロスをあとにするガイアの前に現れたグラヴィク。ミサイル発射計画は裏切り者をあぶり出すための物だったとして、ガイアに銃弾を撃ち込みました。

スクラル人の体内についてはよくわかりませんが、人間で言う心臓の位置に弾が命中している事がしっかりと映されてガイアのシーンが終了します。

しかし、この記事にさきがけて別の記事にもしたように、「シークレット・インベージョン」の予告ではガイアのもっと多くのシーンが紹介されています。予告にあった未公開のガイアのシーンが全てカットされた可能性はゼロではありませんが、ガイアがエクストリミスやグルートのような再生力を身に着けている可能性が高いようにも思えます。

エミリア・クラークさんは過去のインタビューで自身が演じるキャラクターを「お気に入り」だと称し、別のインタビューでは今後何年にもわたってMCUの一部になりたいと話しています。また、「ザ・マーベルズ」にも登場するとも報じられています。

どちらに転んでいくのかは4話からの注目ポイントです。

最後の電話は

3話のラストは予告にもあった、プリシラ/ヴァーラが貸金庫に向かうシーン。そこに預けられていたのは銃で、電話の相手は1時間後に聖ジェームズ教会へ来るよう告げます。プリシラはグラヴィクと話したいと返しますが、電話の相手は「話は私にしろ」と電話を切り、今回のエピソードは幕を閉じます。

英語音声、日本語音声ともに声から察するに電話の主はローディであり、1話、2話の記事でも気になるとしていたように、やはりスクラルに取って代わられているようです。

2話でのローディは「ニック」呼びしている事もあり、この名前に関する設定は先述のような問題を含んではいますが、それを示唆していたと言えます。

また、海外メディアが報じた「スクラル人の見分け方」にも適合しているようです。

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スクラル人は緑を衣装に取り入れているか、あるいはシーンの一部に緑が含まれているとの仮説で、テーブルの上には緑の葉っぱが置かれています。

プリシラは冒頭でもあったようにフューリーに対する愛情と不満を同時に抱える一方で、「グラヴィクと話したい」というようにその立場を決めかねている様子。

スパイもの作品ではこういう曖昧な立場のキャラクターが望まぬ結末を迎えることが多いようにも感じますが、プリシラ/ヴァーラの物語はどのような展開になっていくのでしょうか。


ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2023年7月12日16時 より配信予定です。