ドラマ「ムーンナイト」、4話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月20日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード4「The Tomb.(邦題:アメミットの墓)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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封じられたコンス

前回のラストで石人形のウシャブティに封印されてしまった月神のコンス。

©MARVEL,Disney

その人形を大事そうに運ぶセリム(オシリスのアバター)。そしてコンスの他にもいくつもの石人形が並べられているのが判明します。ただしアップにはならないので、それぞれの石人形の形は定かではありません。

この全てにコンスのように何らかの神が封印されてしまっているのか、それともそれぞれの神専用に用意されている空っぽの檻なのか、他宗教の神も封印できてしまうのか、などいくつかの疑問が浮かび上がる部分ですが、今回のエピソードではこれ以上触れられる事はありません。

ヤギ

エジプト神話において、山羊の神がいたかどうかは疑問視されています。というのも古代エジプトに山羊はいなかったとされており、羊の神とする説が有力視されています。

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羊あるいは山羊の頭をした神として描かれるのは、クヌムやアモンです。クヌムは粘土から人を作ったとされる創造神であり、ここで登場した山羊のような水平に伸びた角が特徴的に描かれる事が多い神様です。アモンはエジプトのナイル川周辺のテーベ神話に登場する太陽神で、興味深い事にコンスの父親として神話で描かれています。

残念なことにこれらの神はコミックで登場した形跡がなく、物語に大きく関係しない可能性が高いです。

山羊と言えば悪魔のシンボルとしてしばしば取り上げられますが、「ワンダヴィジョン」以降ずっと噂の絶えないメフィストを連想させる遊び要素として取り込まれた可能性もあるかもしれません。

ビレイとザイル

「ムーンナイト」の内容には直接関係しないものの、墓に降りる直前のシーンで吹替版ではスティーヴンが「ザイルって何?」という不思議な発言をしています。ザイルとはドイツ語の言葉であり、英語でいう所のロープ、日本語でいう所の縄です。

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英語や日本語字幕ではレイラの「先に降りてビレイする」というセリフに対して「ビレイって何?」というスティーヴンのセリフになっているわけですが、吹替訳担当が「ビレイ」が分かりづらいと気を利かせて「ザイル」にしてしまったのでしょうか。

ビレイとは登山用語であり、英語で縄による安全確保の事を指しています。日本でも登山用語としてそのまま用いられるようです。

古代エジプトの文字やマケドニア語などの言語を習得しているスティーヴンがザイルを知らないという「ん?」と思わせる展開でした。

バステト、セクメト、ハトホル

墓に入ったレイラを出迎えたのは巨大な猫科動物の像。雌ライオン、あるいは豹を象ったように見えますが、のどもとはたてがみのような造形になっています。豹であればバステト、ライオンであればセクメトあるいはハトホルという事になりそうですが、一体どちらでしょうか。

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エジプト神話上は時代や地域によってバステト、セクメト、ハトホルは同一視される事がありますが、マーベルの世界ではバステト(バースト)はご存知の通りワカンダの守護神であり、アバターとしてブラックパンサーを伴っています。

そしてコミックではハトホルとセクメトは同一人物で、愛の化身としてのハトホルの裏側には破壊の権化としてのセクメトが控えており、アベンジャーズと一戦するエピソードもありました。

とはいえこの像を介してエジプトの神々が何らかの力を使ってくるわけではありませんでした。

ヘカの司祭

「ヘカって何者?」とつぶやくスティーヴンにレイラは「当時の魔法使い」と答えていますがこれは実際の歴史に基づいています。古代エジプトにおいて、魔術の力のことは「ヘカ」と呼ばれ、この力の化身というべき存在が、ヘカ神と呼ばれました。

コミックではヘカの司祭であるヘカ・ナットが2007年の「Mystic Arcana Magik Vol 1 1」で描かれた事があります。前回の記事でも少し紹介したニューミュータンツのマジックとダニエル・ムーンスターが紀元前11世紀にタイムトラベルしたエピソードで、ヘカ・ナットはマジックを裏切ってソード・オブ・ボーンを手にしようとしましたが純粋な魂ではなかったために叶いませんでした。マジックのソウルソードに敗れたヘカ・ナットはアシェイク(X-MENのストームの先祖)によってその力を封印されました。伝説の剣の方はマジックがアメミットに守護を託しました。

現状ではX-MENもニューミュータンツもMCUにしっかりと組み込まれていないため、コミックのエピソードは何も採用されていない可能性が高そうですが、MCUでは数年後に伏線が回収される事も多いため、おさえておきたいポイントです。

セト神

人間をミイラ化する際に取り出した内蔵を入れる「カノプス壺」に続いて蛇の皮が表示されますが、これは重要な伏線、または視聴者をミスリードさせるための大きな釣り針である可能性があります。

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蛇神のセトは初期のエジプト神話では砂漠の神、軍神としてその名が伝えられていますが、後には兄オシリス殺しの神、悪神としても有名です。

神話上ではセトはエジプトジャッカルの頭をしており、ウアスの杖と呼ばれる先端が二股の杖(セトやアヌビスの頭を模しているとされる)を手にしています。これらは「ムーンナイト」でアーサー・ハロウの持つ杖の形、そして喚び出したモンスターの姿と似ているといえます。

コミックでは蛇神、死神、そしてヴィランとしてセト神がしばしば登場し、神話同様に兄オシリスとの確執が描かれたり、アメミットを下僕とし、仲間の神々を打ち負かし、投獄している様子が描かれています。

また紀元前2950年頃には、セトはエン・サバ・ヌールという奴隷と出会い、セトの能力に触発されたヌールは世界最初のミュータント、アポカリプスとなり戦争と混乱を引き起こして人類の未来を加速させました。

3話のラストや4話の冒頭でオシリス(のアバター)はハロウの口車に乗せられているような描かれ方をしていますが、ハロウの裏で糸を引いているのはセトなのでしょうか?そしてミュータント導入の新たな伏線となるのでしょうか?

とは言えエジプト考古学ものの作品に蛇の皮など当たり前のように登場する小道具でもあるため、なんら関係がない可能性も否定出来ません。

なお、蛇皮のシーンの少しあと(18分22秒あたり)で、3話に続いて今回も撮影スタッフが画面に入り込んでしまいました。今回は手ではなくて足が映っています。

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静止画だとわかりにくいので興味がある方はディズニープラスでご確認ください。

アレキサンダー大王

墓の最深部にたどり着いたスティーヴンは、マケドニア語を発見し、このファラオがアレキサンダー大王である事を確信します。

アレキサンダーはマケドニア人ながら第31エジプト王朝を滅ぼしてファラオの座についた人物であり、古代ギリシャからアジアまでを征服したとされています。

これによってギリシャ神話のモチーフになったエターナルズとエジプト神話のモチーフになったエネアドが繋がり、ギリシャ神話の最高神ゼウスとエジプト神話のバステトが登場するという「ソー:ラブ&サンダー」との小さな繋がりが見えてきます。

アブドラ・エル=フーリー

レイラとハロウの会話の中で、レイラの父の名が「アブドラ・エル=フーリー」という事が明かされます。

レイラ・エル・ファウリーがコミックのマリーン・アルラウネを基にしている事は2話の記事でも紹介しましたが、マリーンの父はピーター・アルラウネという名であり、アブドラ・エル=フーリー(Abdullah El Faouly)ではありません。

しかし、1977年のコミックにはアブドゥル・ファウル(Abdul Faoul )という名のキャラクターが登場し、彼はエジプトを他国から守る、いわばキャプテン・エジプトであり、「スカーレットスカラベ」という名前で活動していました。残念なことに当時はまだまだアメリカが正義として描かれていた事もあり、ヴィランとして登場し、キャプテン・アメリカやネイモア・ザ・サブマリナーとも一戦交えました。

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スカラベ柄の赤い(スカーレット)スカーフをしていた、という所からみてもレイラの父がこのキャラクターをモチーフにしているのは確定的と言えるでしょう。

ドラマで見てきたレイラの身体能力や、コンスが次のアバターに考えている事など、レイラの父はただの考古学者ではなかったのかもしれません。また、「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」のヴィランとしてネイモアが登場する噂とあわせて、ふたつのシリーズがより結びつきを得るのも興味深いところです。

相棒

レイラの父の死について少し明らかになりました。マークの説明では「俺の相棒が欲にかられて発掘隊を皆殺しにした」との事。

この説明から、犯人がマーク&スティーヴンの第3の人格である可能性はほぼ無くなったのではないでしょうか。3話でアメミットの信徒が謎の死を遂げていたシーンでのやり取りから察するに、マークはまだ第3の人格についてはっきりと認識していない様子でした。その人格を相棒と呼ぶのはやや無理があると言えそうです。

そうすると相棒というのは傭兵マーク・スペクターの実際の相棒だった人物と考えられます。

コミックではマークの相棒としてジャン=ポール・デュシャン(通称フレンチー)というキャラクターが存在し1話でもイースターエッグとして登場していました。そして彼はコミックでは悪人ではありませんでした。

原作での父殺害の犯人はラウル・ブッシュマンという名で同じチームにいた傭兵でした。マークとブッシュマンの間に相棒とよべるほどの交友関係は描かれていませんでしたが、実写化にあたって何かを付与することは難しくなさそうです。そして、ロイック・マバンザさんがブッシュマン役にキャスティングされたとの報道もありました。

ただし、本作の脚本を担当したジェレミー・スレーターさんは「ブッシュマンはキルモンガーに似すぎているので新たなヴィランとしてアーサー・ハロウを開発しました」との旨の発言をしている事から、レイラの父殺害の犯人自体はさほど重要ではない事をおさえておく必要がありそうです。

精神病院

アーサーに銃弾を撃ち込まれたマークは浅いプールに倒れ込みました。しかし次第に水中へ深く深く沈み込んでいき、気がつくとマークは病院の一室にいました。

マーベル公式によるとここはパットナム精神病院(Putnam Psychiatric Hospital)。2017年のコミック「Moon Knight (Vol. 8) #11」にも登場しており、コミックではイリノイ州シカゴにある精神病院です。

レトロな映画「トゥームバスター」が流れる部屋では1話からここまでに登場した人物や要素が山盛りになっています。死の淵に瀕した人間が見るという走馬灯のように、これまで視聴者が見てきたものが登場します。

まずは1話、2話に登場していたクロウリー。

博物館の上司ドナとブルースカラベのぬいぐるみ。時計の針はコンスの杖。

レイラと3話冒頭のマシュマロ。小指の絆創膏にはスカーレットスカラベ。

2話に登場した刑事ボビーとビリー。

カップケーキ(運んでいるのはレイラのブラックマーケットの知人ベック)やコンスを模した絵(描いているのはラガロ、3話の冒頭パスポート偽造をしていた人物)、1話で登場したアルプス麓の町。

部屋の右側にある暖炉のような構造物。

その他、ルービックキューブ、金魚のガス、母親との電話中に登場したポストカード、足首の拘束ベルト、アメミットの像、ピラミッド状のオブジェ、サンダル、杖、カノプス壺なども登場しています。ちなみに「ムーンナイト」1話冒頭のガラスの破片を入れたサンダルはマークやスティーヴンは知らない事なので、ここでフォーカスされる理由はよくわかりません。

主人公同様に視聴者もどちらが現実でどちらが精神空間なのか混乱する所は、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアの息子デヴィッド・ハラーを描いたドラマ「レギオン」(ディズニープラスで配信中)のような展開でした。

医者との会話の中でハロウに撃たれた事を思い出したマークはオフィスを飛び出し、逃げ込んだ先の部屋で棺に閉じ込められたスティーヴンと出会います。現実世界では鏡越しに会話するのがせいぜいだった二人ですが、この病院で出会った二人はハグを交わすのでした。

この病院がエジプト神話の冥界を模しているとすれば、マークたちはこの後アヌビスによってマアトの天秤に心臓を乗せられ、罪人と判断されればアメミットに食われる事になるでしょう。

第3の人格

合流した二人は病院から脱出しようと部屋を出ます。廊下を進む中、傍らの部屋に赤い棺を見つけますがスルーしていきます。

コミックファンは第3の人格であるタクシードライバーのジェイク・ロックリーを期待していましたが、ここまでの流れから察するに隠された人格はかなり危険なニオイがしています。マーク達は無難な選択をしたと言えるでしょう。

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他の部屋にも異なる人格がいるのかは気になる所です。コミックではピーター・パーカーやスティーブ・ロジャースの人格も内包したマーク・スペクターですが、3番めの人格もまだ謎に包まれている以上、シーズン1ではこれ以上人格が増えることはないかもしれません。

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タウエレト

1話で登場したタウエレトのぬいぐるみはやはり伏線でした。ぬいぐるみと違ってかなりリアルなカバの顔で、なかなかの威圧感があります。

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演じているのはアントニア・サリブさん、日本語吹替は潘めぐみさんで、今回は一言だけのセリフでしたが双方可愛らしい声になっています。

1話の記事でもさらっと触れましたが、タウエレトはカバの姿をした災いを避ける守護神であり豊穣の女神。出産、再生、浄化を暗示する神様のタウエレトの登場がマーク復活の鍵になると思いたい所で4話が終了します。

様々なエジプトの神々が登場する中で、整理しなければならない事があります。それは「エネアドのメンバー」です。

まず現実世界のエジプト神話としてのエネアドはいわゆるエジプト九柱神を指しており、アトゥム、シュー、テフヌト、ゲブ、ヌト、オシリス、イシス、セト、ネフティスが主なメンバーです。主な、といのは地方による神話の小さな差異があり、ラー、トト、ホルスなどが交代で入る場合があるからです。

そしてマーベルコミックでは神話と共通なのがシュー、テフヌト、ゲブ、オシリス、イシス、セト、ネフティス、ホルスあたりでアヌビス、バースト、ベス、コンス、プタハもエネアドとして登場しています。タウエレトはそもそもコミックに登場した事がありませんでした。

MCU版エネアドも実在の神話と同じく9人と仮定して考えると、3話の集会にホルス、オシリス、テフヌト、イシス、ハトホルの5人が集合しました。そして1話でスティーヴンが指摘した「7人しかいないエネアドのポスター」には全景が映りませんが左上にSHU、右にGEBと書かれています。

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これでちょうど7人になり、ドナのいう「二人は遅刻でクビになった」、つまり追放されたコンスともうひとりがいると考えられそうです。それはワカンダにかまけているバーストなのか、コミックにもいないタウエレトなのか、はたまた黒幕の可能性があるセトなのか。

残る2話でシューやゲブ、そして最後のエネアドが登場するのでしょうか?


ちなみに今回もQRコードが発見されていませんが、無料コミックは新しいものに更新されています。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2022年4月27日16時 より配信予定です。

マーベル公式がドラマ「ムーンナイト」4話の削除シーンを明かしてしまう

マーベル公式ウェブサイトが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」のシーズン1第4話「アメミットの墓」の配信本編に含まれていなかったシーンをサイト上に掲載していると話題になっています。

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マーベル公式では毎週エピソードの配信後にエピソード内の写真と詳細なあらすじをサイト上に掲載していますが、今週分のあらすじには配信にはなかったシーンの説明と写真が公開されている事が海外で報告されています。

The Direct によるとこれらは「米国からのアクセスでは表示されないが英国からのアクセスでは表示されるようだ」と指摘。なお、日本からのアクセスでも表示されていません。

その内容は以下の通り。

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一方、発掘現場では、ハロウと彼の弟子たちがアメミットの墓の入り口を発見する。しかし、土地を休ませなければ陥没して生き埋めになるのではと、一行は前進をためらう。勝利を目前に、ハロウは疲れた従者たちを再起させるため、信徒に語りかける。ハロウは、「一瞬たりとも目を離すと、別の不届き者が罪のない魂に危害を加えることになる。その連鎖を断ち切らなければならない。彼らのためらいを理解しつつ、我々も前に進もう。アメミットにたどり着いたら、彼女の前にひざまずき、速さと献身と心のすべてを神に捧げると言うことができるだろう。」そしてゆっくりと、弟子たちが一人ずつハロウの後についてくる。

配信されたエピソードではハロウ達が先に墓に入っている事はわかりましたが、この説明にあるようなシーンはありませんでした。このシーンはアーサー・ハロウのカルト的要素をより深く描く内容のようで、本作のヴィランをより強調していたかもしれません。特典映像として公開される事に期待です。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2022年4月27日16時 より配信予定です。

ソース:Marvel Accidentally Reveals Moon Knight Episode 4 Deleted Scene Details

ドラマ「ムーンナイト」、監督が4話の衝撃的なラストの裏側を語る

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」のアーロン・ムーアヘッド監督とジャスティン・ベンソン監督が、海外メディア Entertainment Weekly とのインタビューに応じ、シーズン1エピソード4の衝撃的な結末について語りました。

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ムーアヘッド監督は、エピソード4の終わりで原作コミックを再現出来た事について次のように語りました。

エピソード4の終わりは、実は脚本からの贈り物なんです。4つのエピソードで築き上げたキャラクターに完全に忠実でありながら、最も予想外のことをして視聴者を完全に混乱させたいと思ったことから生まれました。また、コミックのキャラクターについても。ジェフ・レミアが書いた「ムーンナイト」があり、グレッグ・スモールウッドがアートを担当していますが、エピソード4のラストで起こることと似たような感情やビジュアルがたくさんあります。だから、ムーンナイトを描くにあたって最も惹かれたオリジナルのコミックに敬意を表することができて、本当にうれしいです。特にビジュアルとトーンの面では、そこからインスピレーションを得ています。

ベンソン監督は、観客を不安にさせることに関して、彼らの哲学を交えながら彼らの過去の作品が下地になっていると語りました。

私たちは、人々を不安にさせたり、恐怖で満たそうとするシーンにおいて、一般的な哲学を持っています。スローは不気味、ファストはエキサイティング。ゾッとすることよりもエキサイティングなことは何でしょう?明らかに内臓を刺激するシーンではありません。運動的でもなく、速く動いてはいけない、シュールな感じでなければなりません。その瞬間のスティーヴン/マークの視点になるように感じなければなりません。そこで、10年以上にわたる私たちの過去の作品が役に立ったのだと思います。恐怖と不安でいっぱいになるような、そういう物語を作るための道具箱があったんです。

また、ムーアヘッド監督はオスカー・アイザックさんの演技について次のように述べています。

私たちがしていることの多くは、オスカーがやっていることを追いかけているのです。私たちがやっていることとオスカーのやっていることが一致するとき、この番組は最高の状態になると思っています。ムーンナイトを観ている人なら、それは一目瞭然だと思います。このシーンが水中のように感じられるのは、彼が鎮静剤を投与されているからだけではなく、視聴者全体がこのショーの世界観の転換にさらされたからだと話しています。なぜムーンナイトの最中にインディ・ジョーンズの模倣映画があるんでしょう?

そして、スティーヴンとマークが抱き合ったときの「その瞬間を獲得したかった」とも明かしました。

実は、コミックを完全にネタバレするわけではないのですが、一番最後に、私たちが最初に読んだときに完全に火がついた映像があります。マーク・スペクターが自分自身を抱きしめて、『さよなら、マーク』と言っているんです。スティーヴンとマークの間には敵対関係があり、彼らは一緒に仕事をすることを学び、相互の尊敬を得始めているように感じたのです。だから、初めて顔を合わせたとき、彼らは本能的に抱き合ってしまうのです。他のエピソードでも、そのような演出を心がけていました。その瞬間を獲得したかったんです。

ベンソン監督は、この精神病院のシーンでイーサン・ホークさんの演技について、彼のアイデアによるものだという事を明かしました。

あのシーンの準備で、イーサンはカール・ユングにインスピレーションを感じていると話していたのを覚えています。彼の最も有名な写真や、彼が誰であるかというポップカルチャー的な解釈から、何はともあれね。撮影現場に行くと、突然、口ひげを生やし、髪を伸ばし、眼鏡をかけたイーサンがいて、ハロウからなんてワイルドに変身したんだろうと思ったのを覚えていますよ。

最後にムーアヘッド監督は、イーサン・ホークさんとオスカー・アイザックさんのシーンを撮影したとき、偶然のトラブルを採用して脚本を変更したことも明かしました。

あのシーンでは、99パーセントの台詞がハロウのもので、その日は彼のシーンを最初に撮影しました。面白いのは、彼がすべて話しているので、あのシーンは彼についてだけで、マークには少しカットバックがあるだろうと考えていたことです。しかし、オスカーが話している内容を確認し、彼の目線を計算してみると、それがいかにアクティブなものであるかがわかりました。偶然、彼の手にハエがとまるという素晴らしいテイクがあります。あれは本物のハエです。彼はそれを追いかけました。面白いことに、ハロウのあたりで全部カットするつもりでいましたが、マークの体験に焦点をあわせ直すことにしました。

今回のエピソードはプロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアの息子デヴィッド・ハラーを描いたドラマ「レギオン」(ディズニープラスで配信中)を思い出すような演出でした。

マークがハロウに銃撃され殺された可能性は高いですが、いっぽうで10年前に自分が死に、コンスのアバターとして蘇った事を作中に何度か語っていました。コンスが封印されてしまった今、マークかスティーヴンのどちらかがタウエレトのアバターとして仮の命を得ることになるのでしょうか?

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2022年4月27日16時 より配信予定です。

ソース:Moon Knight directors break down that mind-bending hospital sequence and Indiana Jones homage

ドラマ「ムーンナイト」、3話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード3「The Friendly Type.(邦題:エネアドの決断)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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レイラの偽造パスポート

偽造パスポートの制作シーンから始まる3話ですが、名前がレイラ・アブダラ・エル・ファウリーとなっており、クレジットに表記されているレイラ・エル・ファウリーにアブダラを足しただけとなっています。他人になりすますためのパスポートではなく、正式な手段では発行不可の状況下にあるために自力で制作したパターンも考えられるかもしれません。誕生日は西暦が違うものの、演者であるメイ・キャラマウィさんと同じ10月28日に設定されています。

なお、発行年が2021年に設定されており、これはサノスの指パッチンで世界の半分が消えていた時期になりますが、そもそもが偽造データであるため、これだけではレイラが生き延びていたかどうかを判断する事は出来ません。

ここではレイラが闇市場に流れた盗品を盗み返して元の持ち主に返すビジネスをしていたことも判明します。ただの考古学者ではない、2話での格闘シーンでの強さとつながるような背景となっています。

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このシーンで語られた過去は2話の記事でも紹介したコミックのマリーン・アルラウネに非常によく似ており、やはりコミックのマリーンを名前を変えて登場させているようです。

ラガロ

パスポートの偽造を手伝う女性はクレジットではFoger(偽造者)と表記されていますが、英語字幕をオンにするとLagaroと名付けられている事がわかります。コミックのラガロはダイナマンと呼ばれるヒーローでしたが、ムーンナイトとは特に関係がないキャラクターになっています。このドラマのラガロについては前職などの背景も描かれていないため、コミックから再構築されたキャラなのか偶然同じ名前になったのかは今のところ不明です。

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第3の人格

アメミットの行方を追う中で相変わらず息が合わないマークとスティーヴン。気づくと追っていたアメミットの信徒は死んでおり、どちらも覚えがない殺人に第3の人格がほのめかされます。

ちなみにコミックではミスター・ナイトも別人格でしたが、MCU版ではムーンナイト/マーク・スペクター、ミスター・ナイト/スティーヴン・グラントと切り分けているようで、次の人格が3つ目となります。

マークも認知していない人格が出てきた事で物語のさらなるミステリアスな展開に期待がかかります。コミックではタクシー運転手のジェイク・ロックリーという人格も有名で、ジェイクもなかなか攻撃的な性格ですが、信徒を殺している所からみてかなり物騒な人格が隠れているようです。

第3の人格がアメミットの信徒だったら面白いかもしれません。そうであればチンピラ信徒を殺して口封じしたのも納得行くものですし、2話でマークがスカラべをうっかり落としてしまったのではなく、第3の人格がアーサー・ハロウのほうへ投げてよこしたとも受け取れそうです。

エネアド

マークは他の神々に協力を頼めないのか発案しますが、コンスはまずい作戦だとしつつも他に手がなく、エネアドを招集する事になります。

1話でもエネアドに言及するシーンがありましたが、やはりコミックどおりに彼らは実在する神々であり、エネアドのアバターが世界中に散らばっている事、ポータルで移動できる事も明かされました。

ハトホル

ポータルの先はギザの大ピラミッドに通じており、マーク達はそこでハトホルのアバターであるヤツィルに出会います。愛と音楽の女神と自己紹介するハトホルはマーベル・コミックではコンスやバーストの異母兄弟として描かれています。エジプト神話的にはテーベ(こちらがコミックの原型)とコム・オンボでは少し差異があり、コム・オンボではハトホルはコンスの母とされています。どちらにしても家系図的にはかなり近い関係にある二人であり、今後の鍵をにぎるキャラクターになるかもしれません。

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集会

出席者はホルス、イシス、テフヌト、オシリス、ハトホルたちのアバター5人。ワカンダで何か忙しいことがあるのかバースト(バステト)は参加しませんでした。ここではコンスがエネアドを危険に晒したことが原因で追放された事が判ります。

人を見捨てなかったと主張するコンスに対してエネアドたちは「人が神を見捨てた」と反論し、人々の注目を集めないようにアバターを通して人間界での任務にあたっている事を説明します。

なお、イシス、オシリス、ホルスは彼らが初登場したコミック「Thor #239」(1975年)にてソーと出会っています。映画「ソー:ラブ&サンダー」にて神殺しのゴアに狙われないことを祈るばかりです。

オーバーヴォイド

エネアドたちの住む世界は1975年のコミック「Thor #240」で登場し、セレスティアル・ヘリオポリスとして紹介されました。また、2016年のコミック「Moon Knight #10」ではオーバーヴォイドという名で紹介されています。

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エターナルズたちが地球の危機に介入しなかった理由については映画内で説明がありましたが、エネアドが介入しなかった具体的な理由については今のところ不明です。このポイントも今後の課題になるのでしょうか。

告発

コンスはアーサー・ハロウがアメミットの復活を目論んでいると説明し、エネアドはアーサーをその場に召喚しました。アーサーは「アメミットの墓を探していたのはコンスのほうだ」と反論し、嘘つきの神とその病んだ下僕に耳を貸さないよう忠告します。

最終的にコンスの告発は受け入れられず、アーサー・ハロウは無罪を告げられるのでした。

コンスはソーやロキと同じく神と呼ばれているものの非常に感情的であり、アーサー・ハロウのほうが明らかに口が上手いというのが印象的なシーンです。元仲間である月神の言葉よりも元アバターの人間の言葉を信用してしまうエネアドとコンスの間に何があったのか、具体的には説明されませんでした。今後のムーンナイトのエピソードや他の作品で明かされていくのかもしれません。

なお、このシーンではオシリスのアバターであるセリムが白いエフェクトのパワーを操っており、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の最新予告でディフェンダー・ストレンジのエフェクトがオレンジから白に変更されている事を気に留めておく必要があるかもしれません。

センフー

コンスの落胆を気にかけたハトホルのアバター、ヤツィルはマークにセンフーのサルコファガスを探すよう助言します。センフーはアメミットの墓の場所を知る唯一の人物で、神々がアメミットを赦した時のためにその場所を秘匿していたとの事。

センフーとはエジプト神話でSenfu、またはSneferu、またはSnefruと表記される人物で「美の担い手」であり、紀元前2613年から2589年頃まで統治していたことが知られており、ギザ台地の大ピラミッドを含む、今日もエジプトに残っている3つのピラミッドの建設を担当したとされている人物です。この歴史上の人物がアメミットの墓の場所を知っているというのは理に適っていると言えるようです。

なお、アメミットは何らかの事情で封印されているようで、ここのやり取りから察するにコンスよりも重い罰を与えられていると推測されます。しかしコミックのアメミットは取り立てて悪者というわけではなく、紀元前11世紀にタイムスリップしたニューミュータンツのマジックが発見した伝説の剣ソード・オブ・ボーンの守護を託されました。

ベックとレイラの過去

レイラと合流したマークは、彼女の情報を基にサルコファガスを持っているというアントン・モガートのもとへ向かいます。邸宅の前ではベックというリーダー格のボディガードも登場し、ベックとレイラが既に顔見知りである事も判明します。

この時、ベックはレイラに「久々の再会」である事を語りますが吹替版ではこの再会が「マドリプール以来」であるという大事な部分がカットされています。マドリプールと言えばドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれた都市。パワーブローカーことシャロン・カーターのその後が気になる所で、「ムーンナイト」にシャロンが再登場すると2021年夏に報じられた事があります。残る3話で登場するのか、単なる噂で終わるのか注目です。

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アントン・モガート

ギャスパー・ウリエルさん演じるアントン・モガートはなかなか派手な生活をしている様子で、歴史的価値のあるものを保護のためにコレクションしていると説明します。しかし彼がマドリプールと関わっている事を考慮するとまっとうな人間とは思えず、コミックで同名のキャラクターは「ムーンナイト」誌に登場し、別名ミッドナイトマンと呼ばれる盗賊でした。そしてコミックの彼もその盗品をお金に変えるわけではなく、コレクションしていました。

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レイラの父の死

首尾よくサルコファガスを調べていた所にアーサー・ハロウも到着。ハロウはレイラの父のことも知っているようで、その語り様からは彼女の父の死はマークに責任があるようにも聞こえます。2話ではマーク達傭兵一味が考古学者たちを処刑したと説明されましたが、これにはマークの3番めの謎の人格が関与している可能性が考えられるのではないでしょうか。

ムーンナイトのスーツ

ムーンナイトのスーツに関して今回のエピソードでは「治癒力のあるアーマー」とコンスが説明していました。そして戦闘シーンではその説明通り、槍を何本も突き刺されても流血する様子もなくわりと平気なようでした。

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銃弾を防ぐわりに槍は突き刺さるなんとも説明が難しいスーツですが、あれを着用しているとある程度の傷は回復すると考えて良いようです。

協力関係

ひと悶着あったものの、サルコファガスを持ち帰ったマークとレイラはパズルに取り組みますが、なかなか完成しません。マークはアメミット復活の阻止のためにスティーヴンにコントロールを渡し、星図が完成。しかし、2000年前の夜空とは変わりすぎていて正確な墓の位置がわからないという事態に。

すると今度はコンスがスティーヴンに協力し、エネアドに「今度空をいじったら封印する」と警告されたにも関わらず、当時の夜空の再現に取り組みます。この事態にエネアドはコンスを封印するための儀式を開始、封印される寸前にレイラは墓の位置を突き止める事に成功しました。

3話のラストに来てようやくマークとコンスとスティーヴンが協力し、アメミット復活を食い止めるために行動することになりました。しかしコンスが封印された事でスーツの力も失われ、ムーンナイトに変身することは出来ません。アメミットもそうですが、コンスの開放のためにレイラとマーク、スティーヴン、そして謎の人格の協力が必要になりそうです。

ハロウの告白

ラストではセリム(オシリスのアバター)がハロウに対して「君の言ってたとおり」「こうするしかなかった」と告げて去っていきました。ハロウはコンスが封印された小さな石人形にたいして「制裁の拳を楽しんでいた」事が自らの罪である事を認め、コンスがもたらした痛みが苦痛を癒す重要性に気づかせてくれたと語っています。そしてコンスが出来なかった事を自分が成し遂げると言うのでした。

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ハロウがコンスのアバターであった事は2話で明かされていましたが、過去には何か重要な因縁が隠されているようです。マーク、レイラ、コンス、ハロウの過去が絡み合って物語は後半戦へと続きます。

おまけ

エンドクレジットでは1話から3話にかけて月が少しずつ満ちてきています。コミックのムーンナイトは満月の時にフルパワーになりますが、ドラマでも徐々に強力になっていくのでしょうか?

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なお、3話にしてようやく気づいたのですが、砂丘がコンスの顔に見えるトリックアートが含まれていました。

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ちなみに今回はQRコードが発見されていませんが、無料コミックは新しいものに更新されています。


今回登場したアントン・モガートを演じたギャスパー・ウリエルさんは、フランスの現地時間2022年1月18日にスキー事故に遭い、翌日亡くなられた事が報道されていました。フランス映画を中心に活躍してきたウリエルさんでしたが、本格的にハリウッドで活動しようというタイミングでの出来事で、「ムーンナイト」が遺作となりました。

今回のエピソードでアントン・モガートは砂埃の中に消えていった為、当初はその後の展開も用意されていたのではないかと考えられます。


ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2022年4月20日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」第3話でカメラマンが写り込んでいる事が発見される

ディズニープラスで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1のエピソード3「エネアドの決断」で、とあるシーンに撮影クルーが写り込んでしまっている事が発見されました。件のシーンは8分27秒あたりで、エジプトのストリートでマークがアメミットの信徒を追いかけるシーンになっています。

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画面の奥から手前にキャスト二人が駆け抜けてくる中、画面右にはカメラとカメラマンの手が写り込んでいます。

マーベル・スタジオと言えどこの手のエラーはたびたび発生し、映画「ドクター・ストレンジ」(2017年)で撮影クルーが写り込んでいたり、映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)では終わり際のハッピーとモーガン・スタークのシーンでマイク(の毛先)が写り込んでいるエラーも発見されています。

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こちらに関してはシネスコサイズでは黒帯で隠れる部分であり、劇場公開時には発見されませんでしたが、ディズニープラスでIMAX版が配信された事で見つかりました。

なお、スターウォーズのドラマ「マンダロリアン」でクルーが写り込んだ時は発見報告の後にしれっと修正された事もありますので、実際に自分の目で確認したい方は早めにチェックしておくほうがいいかもしれません。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2022年4月20日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月6日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード2「Summon the Suits.(邦題:スーツ召喚)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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バスカヴィル家の犬

でかい犬に追いかけられたというスティーヴンに対して、J.Bは「バスカヴィル家の犬か?」と冷ややかな反応。この「バスカヴィル家の犬(The hound of the Baskervilles)」とは、アーサー・コナン・ドイル氏によるシャーロック・ホームズシリーズの長編小説のひとつで、口から炎を吐く、という魔犬の伝説が伝わる富豪のバスカヴィル家を舞台とした物語です。

過去に何度も映像化されたこの小説ですが、2012年のドラマ「シャーロック」シーズン2ではMCUでドクター・ストレンジを演じるベネディクト・カンバーバッチさん主演でこのエピソードが描かれています。

なお、例のモンスターを当ブログでも犬頭と表現したりしていましたが、スティーヴンの説明によるとエジプトジャッカルとの事です。

博物館はクビに

防犯カメラ映像からトイレの破壊がスティーヴンの仕業である事が判明してしまい、博物館の仕事を失ってしまいます。この時、上司のシャツからここが「ナショナル・アート・ギャラリー」という名称の博物館である事が分かります。

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「エターナルズ」のセルシやデインが実在する自然史博物館に勤務していたのとは違って、1話の記事でも指摘していたようにスティーヴンが勤務しているのは架空の博物館でした。

クローリー再登場

ストリートパフォーマーのクローリーが1話に続いて再登場し、クビになったスティーヴンの話の聞き手になっています。コミックでは情報屋であることを考えるとある意味真逆の立場になっていますが、今後も聞き手として登場するのでしょうか。

貸倉庫

マークが借りていた貸倉庫43番に貼ってあるQRコードをスマホで読み取ると、先週と同じくマーベルの無料コミックページにリダイレクトされます。先週よりハッキリとしているため読み取りやすく、続きが読めるようになっています。

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倉庫の中にはマークの荷物が保管されていました。

パスポート

鞄の中には銃やお金の他、身元を知るのにちょうどいいパスポートが入っていました。

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パスポートからはマーク・スペクターが1987年3月9日生まれ、アメリカのイリノイ州シカゴ出身である事がわかります。ムーンナイトの時系列が「ホークアイ」よりも後である事から2025年初頭の物語と過程すると、37か38歳ぐらいといった所でしょうか。出身地はコミック設定に準拠しています。

月神コンス

1話でも度々登場しましたが、2話では更に見やすく表示される事が増えたコンス。日本語字幕版によるとコンスという表記で行くようです。邦訳コミックやゲームではコンシュ、コンシューなどの表記が多くなっています。

レイラの登場

メイ・キャラマウィさん演じるレイラが登場し、マーク・スペクターと結婚していた事が明かされます。マークの妻としてレイラというキャラクターはコミックにはいませんが、コミックのマリーン・アルラウネをもとにしている可能性が高そうです。

マリーンはエジプトの遺跡発掘調査に加わり、マークが殺されてムーンナイトとしてコンスと契約した現場にもいました。その後マークと共にアメリカに帰り、彼の精神分裂に悩まされながらもサポートをし一緒に暮らしていましたが、結局の所彼がムーンナイトである事がマリーンの身を危険に晒している一番の原因として別れることに。マークは後に知ることになりますが、二人の間には娘のディアトリスも設けられていました。

マークとレイラが共に生活していた事、そしてマークがレイラの安全のために離婚を考えている事から、レイラとマリーン・アルラウネの設定はかなり似ているようです。

氷の中の男

スティーヴンのアパートの本棚には「The Man in the Ice」というタイトルの本が確認できますが、これはインスブルック大学の考古学者コンラッド・スピンドラー氏による実在の考古学の本です。アルプスで見つかった氷のミイラについて記されたものですが、マーベル的には氷の中で長い時を過ごしたキャプテン・アメリカやX-MENのアイスマンを連想させるタイトルです。

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マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール

レイラが好きだというマルスリーヌ・デボルド=ヴァルモールは19世紀のフランスで活躍したロマン主義の詩人です。

二人が暗証したのは「Les Séparés」という詩で、「書かないで。私は悲しいので、私の光を消してほしいのです。あなたがいない夏は、部屋のように暗いのです。」と歌っています。

スカラベ

スカラベを見たレイラは「アメミットのウシャブティを指し示すスカラベ」と説明しました。ウシャブティとは古代エジプトで死者とともに埋葬したミイラ形の小像の事で、冥界で死者の従僕として働く者と信じられていました。なお、シャワブティを呼ばれることもあります。

倉庫でドローンのように浮上したスカラベはたしかに何らかの方角を指し示していました。

二人の刑事

フィッツジェラルドとケネディがスティーヴンのもとを訪れます。彼らはエンドクレジットからこれらが偽名であり、本名はボビーとビリーである事が分かります。

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二人はコミック「Moon Knight (2016) #1」に登場し、マーク・スペクターを収容した精神病院のスタッフであり、アメミットの信徒でした。

ここで提示した警察手帳の詳細はハッキリとみることは出来ず、偽物警官なのか、警官が信徒となったのかは不明です。マーク・スペクターのパスポートが見つかってしまい、スティーヴンはパスポート偽造という事で手錠を掛けられます。

ロンドンブリッジ

連行シーンで一瞬映されるのは夜のロンドンブリッジ。ここは「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でスパイダーマンとミステリオが戦った場所ですが、時系列上で約半年が経過し、元通り修復されたようです。

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半年で修復出来る被害だったかは難しい所ですが、ヒーローの誰かが力を貸したり、なんらかの超技術によって修復されたのかもしれません。

マークの事件簿

車の中でボビーとビリーが参照しているマークの事件ファイルのナンバーは1975となっており、ムーンナイトがコミックデビューした「ワーウルフ・バイ・ナイト」#32の発行年になっています。

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なお、担当エージェントになっているニック・ペパンさんは「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」以降MCU作品の開発に携わっているプロデューサーの一人で、「ワンダヴィジョン」から「ムーンナイト」までの全てのディズニープラスシリーズにも関わっています。

ここでマーク・スペクターの傭兵一味がエジプトで考古学者たちを処刑したと報告されていますが、これはコミックのムーンナイトの起源に沿ったものになっています。

コミックではマーク・スペクターの所属する傭兵隊のラウル・ブッシュマンが考古学者たちを殺し始め、マークはそれを止めようとする中で命を落とし、コンスと契約を交わし、ムーンナイトとして蘇り復讐を遂げました。

MCU版ではアーサー・ハロウの部下のテロリストとしてのラウル・ブッシュマン役にロイック・マバンザさんがキャスティングされています。今後のエピソードで登場すると考えられますが、彼がムーンナイトの起源に関わっているのかどうかはまだ不明です。

マンダリン

マンダリンは北京語の意で、「アイアンマン3」や「シャン・チー/テン・リングスの伝説」に登場したキャラクターとしてのマンダリンとは関係がありません。

なお、シャン・チーを演じたシム・リウさんは「アーサー・ハロウは北京語の先生を解雇する必要があるね」とあまり上手ではない事を指摘しています。

ユカタン出身のヴィクター

アーサー・ハロウのもとへ連れて行かれたスティーヴン。自分もヴィーガンだというハロウはレンズ豆のスープを勧めますが、その際にユカタン出身のヴィクターから教わったレシピだと紹介します。マーベル公式ではレンズ豆スープのレシピも公開されています。

ユカタンはコミックのハロウと関係の深いロケーションであり、ハロウはその地で数々の人体実験を繰り返していました。

コンスのアバター

ハロウは自身が以前にコンスのアバターであった事を明かします。コミックでもマークの前に何人かのアバターが描かれていますが、ハロウはその一人でありません。ここはMCUオリジナルとなっています。

なお、コンス以外のアバターはMCUにも既に登場しており、女神バースト(バステト女神)のアバターとしてブラックパンサーが活躍しています。バステトは映画「ソー/ラブ&サンダー」に登場するとも報じられています。

復讐の拳

ハロウは自らを「Fist of vengeance(復讐の拳)」だったと表現しました。

コンスのアバターであるムーンナイトはコミックでは「Fist of Khonshu(コンスの拳)」と表現される事が多く、一方で復讐の名を冠するスピリット・オブ・ヴェンジェンスことゴーストライダーがマーベルにはいます。これら2つの名を合体させると「Fist of vengeance(復讐の拳)」となります。

コミックの「アベンジャーズ:エイジ・オブ・コンシュ」ではムーンナイトがゴーストライダーの車を駆り、「Fist of vengeance」を体現するようなシーンもありました。今後のMCUでも再現されるのでしょうか?

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なお、「エイジ・オブ・コンシュ」ではメフィストによる世界の終わりを預言する悪夢を見たムーンナイトとコンシュがアベンジャーズ達の力を奪い、メフィストと対決する物語。メフィスト殺害後、まだ危機が去っていないと判断したコンシュはマンハッタンを作り変え、コンシュが支配する世界へと変貌。ムーンナイトは終末を防ぐために仲間を犠牲にする事に悩んだ結果、コンシュへの信仰を捨て、新たな信仰と力としてフェニックス・フォースを受け入れてコンシュを退けました。

ハロウの妖術

スカラベを持って逃げるスティーヴンとレイラを後目に、1話で登場したモンスターを再び召喚しました。ハロウはコプト語で呪文を詠唱している事が英語字幕よりわかりますが、呪文の内容については

MCUではこれまでにインフィニティ・ストーンに代表されるようなエネルギーの色はこだわって描写しており、同じパワーソースを持つエネルギーは同じ色で表現する事がほとんどでした。

ハロウの術は「ワンダヴィジョン」のアガサ・ハークネスの魔術と同じく紫色で表現されていますが、何らかの関連性があるのでしょうか?

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コントロール

「悪い魔法使いの隠れ家」に追い詰められたスティーヴンに対してマークはコントロールを渡すように話しかけます。しかしスティーヴンは応じません。

多重人格について最近判明したスティーヴンにとってコントロールを渡すことは恐怖であり、自分に戻れる保障がない事には死と同義でもあります。そのため、このような窮地に陥っても前回のようにコントロールを渡してしまうことに強い抵抗を覚えています。

視聴者的には「はやく交代すればいいのに」と思ってしまいますが、当事者にとってはそう簡単ではないのかもしれません。

ミスター・ナイト

モンスターに飛びかかられ、落下する最中にスティーヴンはスーツを召喚し、ミスター・ナイトの姿へと変身しました。

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コミックのミスター・ナイトをそのまま実写化したようなデザインですが、その中身はかなり変更されています。コミックのミスター・ナイトは夜にしか活動出来ないムーンナイトをサポートするようにして生まれた別の人格であり、昼間に活動する知的なキャラクターとして描かれていますが、MCU版は単にスティーヴンのパワーアップスーツとして機能しています。

ばっちりとヒーロー着地を決めたかのように思われたスティーヴンでしたが、耐えきれずに転んでしまいました。

世界再定住評議会

モンスターとの戦いで登場するバスにはGRC(世界再定住評議会)の広告が貼られていますが、この事はトレーラーの段階で判明していました。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でキャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンに公開説教されてから、組織に変化はあったのか気になる所です。

更にバスの天井部分には「WBN 0032」と書かれており、ムーンナイトがデビューしたコミック「ワーウルフ・バイ・ナイト」#32を指しています。

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クレセントダーツ

ムーンナイトの使用する武器、クレセントダーツが胸のシンボル部分から取り出されています。コミックではベルトにぶら下げている武器ですが、コスチュームデザインにフィットした変更と言えそうです。

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コンスとの契約

マークがコンスと契約しムーンナイトとなったのはコミック通りですが、任務が失敗した時、次のアバターとしてレイラを狙っているというのは興味深いポイントです。レイラはコミックにはいませんでしたが、コミックにはムーンナイトの女性版が何人か登場した事があります。

ムーンメイドことマーメイドのムーンナイトや、ムーンナイト2099、別アースのマークの娘ジェシカ・スペクターなどです。

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マークはレイラが次のアバターにされないよう、永遠にコンスのアバターとして働くしかないようです。今のところは。


コンスとの契約を履行すべく、舞台はエジプトへと変わり2話が終了。スティーヴンとマークはハロウの野望を阻止できるのでしょうか。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2022年4月13日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、ソーやブラックパンサーとの繋がりが発見される

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」の1話「もうひとりの自分」より新たなイースターエッグが判明しました。Marvel Thailand Fanpage によると、ソーやブラックパンサーとの関連性を示しているようです。

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投稿によると勤務を終えたスティーヴンが帰宅して読書をしているシーンで、アスガルドとワカンダにかんする本が置かれているとの事。

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本のタイトルは「what’ old is new again:ASGARD」と「History of Wakanda」となっているようです。

もともと「ムーンナイト」と「ブラックパンサー」にはエジプト地方の神々が登場し、「ソー:ラブ&サンダー」には神々の抹殺を目論む神殺しのゴアがヴィランとして登場するとされています。ムーンナイトのマスターであるコンスとブラックパンサーのマスターであるバーストは異母兄弟姉妹にあたり、北欧神話の神であるソーと共に、コンスやバーストもゴアのターゲットになる可能性は考えられていました。

「ラブ&サンダー」と「ムーンナイト」が実際にクロスオーバーするかは不明ですが、「ラブ&サンダー」にはバーストことバステト女神としてAkosia Sabetさんのキャスティングが報じられており、「ブラックパンサー」シリーズとは何らかのクロスオーバーがありそうです。

今回発見されたものは単なるイースターエッグで終わるのか、将来的な3作品のクロスオーバーを示しているのか、今後の展開には要注目です。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ドラマ「ムーンナイト」、オスカー・アイザックさんはマーベル・スタジオと次の契約を結んでいないと言う

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」の主演を務めるオスカー・アイザックさんが、海外メディア Variety とのインタビューで、マーベル・スタジオとの長期契約を結んでいない事を明らかにしました。

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アイザックさんは「黄金の手錠(※)の話は聞いたことがあります。それは遠慮していたことでもあります。幸いなことに、私たちは皆、この作品に集中することに同意しました。これが全てのストーリーなんです。そして、もし将来があるとすれば、それは人々がこのドラマを好きかどうか、人々がもっと見たいと思うかどうか、そして我々が語る価値のあるストーリーを見つけられるかどうかにかかっていると思います。」と語りました。

※黄金の手錠:有能な社員の転職を防ぐために年金や福利厚生などの特別待遇など金銭的なことを保障することで会社に縛り付けておく事。一般的にはさほどデメリットがあるわけではありませんが、俳優業においては多様なキャラクターを演じたい俳優さんには敬遠される手法。

アイザックさんはこれ以上契約がなく、MCUに戻る計画がない事を明かしましたが、従前より再演について前向きである事を明かしており、ミッドナイト・サンズでゴーストライダー達とチームを組みたいとも話していました。

「ムーンナイト」の公式概要は以下のとおりです。

スティーヴン・グラントは、平凡な生活を送る温厚な男。だが彼は、夜通し悪夢にうなされ、現実と夢の区別がつかない日々に悩みを抱えていた。自分は誰なのか、何に怯えているのか。やがて自分の中に“自分以外の誰か”が潜んでいることに気づき始める。そして、スティーヴンは、彼の内に残酷なもう一人の人格<マーク・スペクター>が潜んでいることを、やがて知ることとなる―。 暴力と残虐性に満ちた<マーク・スペクター>に狂気が宿る時、マーベル・スタジオ初のダーク・ヒーロー<ムーンナイト>が誕生する――。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1 第2話は 2022年4月6日 16時よりディズニープラスで日米同時配信予定です。

ソース:How ‘Moon Knight’ Sends Marvel Studios Into the Unknown: ‘We’re Creating a Whole New Thing’

ドラマ「ムーンナイト」、1話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年3月30日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード1「The Goldfish Problem.(邦題:もうひとりの自分)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが苦手な方はご遠慮ください。

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Every Grain of Sand

今回の1話は暗転状態からボブ・ディランさんの楽曲「Every Grain of Sand」(1981年)で幕を開けます。これはボブ・ディランさんがクリスチャンに改宗した後に制作された楽曲で、曲名は「砂の一粒一粒」という意味になっています。その内容は信仰と精神性をほのめかしており、「一粒一粒の砂の中に主の存在を感じる」、「時々私は向きを変える、そこには誰かがいる」などムーンナイトに通じる歌詞になっています。

アーサー・ハロウ

冒頭の時点では名前は明かされませんが、イーサン・ホークさん演じるアーサー・ハロウが登場します。

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アーサーは砕いたコップのガラス片を自分の靴に入れて履くという謎の行動を取っていますが、コミックのアーサーは痛みについて(他人を実験台にして)研究をしているマッドサイエンティストでした。1話を見る限り科学者には見えませんが、なんらかの方法で痛みを無効化する能力を獲得しているのかもしれません。

また1話でアーサーがアメミットの使者を名乗っており、アーサーの腕にはアメミットの頭部を模したワニ頭の天秤のタトゥーがあることや、杖もワニ頭が象られていることが確認出来るようになっています。

ロゴシークエンス

お馴染みのマーベル・スタジオのロゴシークエンスですが、マイナーチェンジが施されています。今回は映画「エターナルズ」の1シーンが含まれています。

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今の所、「ワンダヴィジョン」から始まったドラマ作品はここに入っていません。

ここで曲がエンゲルベルト・フンパーディンクさんの「A Man Without Love」(1968年) に変わります。

スティーヴン・グラント

オスカー・アイザックさん演じるスティーヴン・グラントが登場し、どう見ても普通ではない寝起きのシーンが描写されています。スティーヴンは自分の異変について既に把握しており、寝ている間に勝手に出かけたりする事のないように、あるいはそうなった事がわかるようにしているようです。

片方の胸ヒレしかない金魚のガスに挨拶し、仕事に出かけるスティーヴン。英語版では今回のエピソードは「The Goldfish Problem.」というタイトルであり、公式ポスターも公開されるなど、金魚のガスが重要な鍵を握っている事が示唆されていました。

アトランティス

これが偶然であるのか(実在の店舗なのか)、あるいはマーベル・スタジオが(セットやCGで)仕込んだイースターエッグなのかは不明ですが、スティーヴンの家を出て左に曲がった先の通りに並ぶ店にはアトランティスと書かれています。

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これが映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」に登場するのではないかと言われているアトランティスの王ネイモアのイースターエッグの可能性はありますが、今回のエピソードではこれ以上のことは何も分かりません。

博物館

スティーヴン・グラントは博物館のギフトショップ店員ということで、職場に到着します。

エジプト展が開催中のこの博物館はアイルランド国立美術館と大英博物館をミックスしたようなデザインになっています。

MCUでは同じく博物館勤務のセルシとデインが映画「エターナルズ」で紹介されており、彼女らもロンドンにいましたが、二人が勤めていた博物館は自然史博物館であり、スティーヴンと同僚というわけではないようです。

少女との会話

職場についたスティーヴンは名前のない少女と会話をします。そこで死後の世界について講釈するスティーヴンでしたが、少女は「がっかりした?楽園から追い返されて」とスティーヴンが死んで戻ってきた事を示唆します。

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コミックのムーンナイトはマーク・スペクターが死んで月神コンシュと契約し、ムーンナイトとして復活するわけですが、この設定を知っているような口ぶりのこの少女は今後のエピソードで何か重要な鍵を握っているのでしょうか?

なお、博物館の壁に描かれたQRコードは実際に機能しており、これを読み取るとムーンナイトの無料コミックが読めるようになっています。しかしFHD画質では読み取りは難しくなっています。興味のある方はここをクリックしてマーベル公式に直接移動してください。

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ドナ

職場の上司として登場したドナ。コミックにもドナという名のムーンナイトに関連したキャラクターが登場しますが、現状では同一人物ではなさそうです。

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コミックのドナ・クラフトはスティーヴン・グラントがムーンナイトの活動資金集めのために設立した会社スペクターコープの広報担当、すなわち部下でした。今後スティーヴンが会社を作り、ドナを雇う事でコミックに近い関係になったりするのでしょうか?

デートの約束

スティーヴンは同僚の女性と翌日19時にデートの約束をしているようですが、本人は覚えがない様子。さらにスティーヴンはヴィーガンであるのに、ステーキ屋でのデートだと言うから不思議な事この上ありません。物語上、すでに別の人格も動いていることが明かされるシーンです。

タウエレト、エネアド

スティーヴンの仕事のシーンではなんとも可愛らしいカバの女神のタウエレトのぬいぐるみが紹介され、つづけてアメミットのぬいぐるみも登場します。

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タウエレトはカバの姿をした女神であり、災いを避ける守り神として信仰されていました。

また、エジプト九柱神のエネアドについて言及されますが、コミックでは雷神ソーや軍神オーディン、魔王サタンなどと同じく実在するキャラクターたちです。実写化の噂は今の所聞きませんが、MCUにキャラクターとして登場する可能性がゼロというわけではありません。

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ストリートパフォーマーのクローリー

ストリートパフォーマーのバートランド・クローリーがドラマで紹介されました。ムーンナイトのコミックにもクローリーという名の路上生活者がマークやスティーヴンと身体を共有しているジェイク・ロックリーの協力者(情報屋)として登場しますが、設定として職業が与えられる事になったようです。

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彼が今後物語に絡むかどうかは不明ですが、1話はほとんどスティーヴン・グラントの目線でしか描かれていないため、スティーヴン以外の人格とは既に友人関係である可能性もありそうです。

突然のワープ

自宅に戻って寝たと思いきや、場面は突然太陽が登っている屋外へ。米マーベルの公式によるとアルプスの麓に移動しているようです。

海外メディア The Direct では、この後のシーンに登場する背景に書かれた文字がスラブ語に見えるということで、バルカン半島のあたりではないかと指摘しています。バルカン半島には架空の国ラトヴェリアが存在し、記事ではこの場所そのものがラトヴェリアである可能性を指摘しつつも、ドクター・ドゥームが支配しているのであればアーサー・ハロウのような人物がのさばっていないだろうとも指摘しています。

スカラベとアメミット

スカラベは日本語でいう所のフンコロガシであり、古代エジプトでは聖なる虫とされていました。そんなスカラベを象ったアイテムをポケットから見つけたスティーヴン。更に謎の声が聞こえる中、間もなく銃撃を受け追われる事になります。

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逃げた先では冒頭で登場したアーサー・ハロウが怪しげな集会を開いており、ここで彼がヴィランであることを示すようにきな臭いシーンが描かれています。

ハロウの腕に刻まれた天秤は人の魂を裁定するようで、罪人と判断された場合は神話のアメミットが実在しているかの如く、その生命を奪われてしまうようです。

神話においてアメミットはワニの頭部、ライオンの上半身、カバの下半身を持つ合成獣の姿をしています。裁定は死後、冥界において人が転生する前の儀式として行われるのですが、ハロウの裁定は生きている間に行われるため、悪事を未然に防ぐという名分があるようです。

謎の声は「スカラベは命だ」と悪人に渡さないように命令しますが、それ以上の事は説明されません。コミックのムーンナイトはスカラベダーツと呼ばれる武器を有しているため、コミックと同様に武器になったり、ムーンナイトの変身に必要なアイテムとして扱われていくのかもしれません。

カーチェイス

ハロウからスカラベを返すように要求されたスティーヴンはいつの間にかギャングを倒している事に動揺し、停めてあった車に乗り込んで逃げ出します。免許がないと言いながら車に乗り込んだのはかなり愚策なような気がしますが、道中何度か意識を失いつつ、気づけば自宅に戻っていました。

なお、このカーチェイスシーンは予告にも登場していますが、予告公開時にはファンタスティック・フォーのイースターエッグではないかと言われていた部分が実際には関係なかった事が明らかになりました。

予告で見つかっていた「von D」は実際には車のフロント部から「von Darrelman」 である事が判明し、ドクター・ドゥームとは関係なかったようです。

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スティーヴン・グラントの解離性同一性障害

物語中盤以降、たびたび意識を失うスティーヴン・グラントですが人格が切り替わっている事は明白です。時折聞こえる謎の声はスタッフロールを見ればコンシュの声である事が分かります。

コンシュはスティーヴンの事を「寄生虫」と呼び、「我々の邪魔をするな」と話している事から、コミック同様にメインの人格はマーク・スペクターであり、マークとコンシュは既に結託しており、スティーヴン・グラントは主たる人格ではない事を示しているようです。

ガスの謎

目覚めたスティーヴンはガスの異変に気づきました。片方しかなかったヒレが両方にあったのです。ガスをポスターのようにミキサーに入れてペットショップに向かい抗議するも、「昨日も来た」といっていまいち話があいません。

おそらくは別の人格が昨日来ていたのでしょうが、元のガスはもういないのでしょうか・・・。

大遅刻のデート

ペットショップで時間の異変に気づき、すぐに戻ってデートの準備をして向かうも結局彼女は現れませんでした。電話をしてみるとデートの約束は2日前だと言われ、こっぴどくフラレてしまいます。

意気消沈のスティーヴンでしたが、ヴィーガンであるはずのスティーヴンはそのままステーキを注文するのでした。この時は口調と表情に少し変化が見られ、別の人格が画面に表示されたのかもしれません。

もともとデートに誘った人格がいるはずで、それが傭兵のマーク・スペクターであるかどうかは今の所わかりません。コミックではスティーヴン・グラントは大富豪のプレイボーイですが、MCUのスティーヴン・グラントは庶民的な人物として描かれており、プレイボーイ要素もありません。原作コミックにはタクシー運転手のジェイク・ロックリーという人格が存在しており、ジェイクがデートに誘い、ステーキを食べて帰った可能性もあるかもしれません。

スティーヴン・グラントの母親

スティーヴンがたびたび母親と電話をするシーンがありますが、実際に母親の声が聞こえてくる事はありません。留守電メッセージを残しているだけとも考えられますが、スティーヴンは母親に報告しているつもりで実は別の人格への報告なのかもしれません。

漫画「ジョジョの奇妙な冒険」には電話を通じて別の人格と会話をするキャラクターが登場しますが、スティーヴンも(一方通行ですが)同様の事をしているのかもしれません。

この母親は実在し、今後の物語に登場する事があるのでしょうか?なお、コミックではマーク・スペクターの母親が存命である事は分かっていますが名前も設定されておらず、重要視されていないようです。

レイラからの連絡

涙のデートから帰宅したスティーヴンはチョコを頬張っています。通常、チョコはヴィーガンが口にしないもののひとつで、これがヴィーガン向けの専用チョコなのかは分かりません。

そうこうしているうちにスティーヴンは自室の異変に気づき、部屋を探索して見慣れないガラケーを発見します。充電器をつないで通話履歴を見るとレイラという人物の名前が並んでおり、ちょうどまたレイラからのコールがありました。

電話に出て会話するも話が噛み合わず、訛りが変だと指摘され、切られてしまいます。

この「訛り」は日本語吹替ではまったく分かりませんが、英語版ではスティーヴン・グラントはイギリス訛りの英語を話すキャラクターとしてオスカー・アイザックさんが演技されています。ただし、アイザックさんはグアテマラ生まれのフロリダ育ちであり、イギリス人から見ると綺麗なイギリスアクセントとは言えないようです。

吹替版はマークが関東弁でスティーヴンが関西弁、というわけには行かず、あくまで声の演技で分けていくようです。

なお、着信履歴に表示されるレイラ以外の人物、デュシャンはコミックのジャン=ポール・デュシャン(通称フレンチー)を参照している可能性がありそうです。デュシャンはマークの傭兵仲間であり、レイラもマークの友人という事で、二人が心配してマークに連絡を寄越していると考えられます。

マークからの警告

鏡越しにマーク・スペクターが現れ、スティーヴンに詮索を止めるように警告しますが、スティーヴンはパニックを起こしてしまいます。さらにポルターガイスト現象のようなものが起こり、スティーヴンは部屋を飛び出してしまいます。その後は予告にもあったエレベーターのシーンの後、通勤バスへとワープし、バスの外にコンシュの幻覚を見るのでした。コンシュは月の神ですが、日中でも話しかけたり姿を現したりぐらいは出来るようです。

バスの男

博物館にたどり着いたスティーヴンですがJ.B.に助けを求めるも取り合ってもらえません。そうこうしているうちに上司のドナが仕事を命じますが、スティーヴンはそれどころではありません。ドナに「ちょっと待って」という目線の先に何かを見つけたスティーヴンは「まずい、バスの男だ」といいカメラが向いた先には深緑のジャケットの男性が映されます。

©MARVEL,Disney

この男性はバスの中にもいましたが、ハロウの手下なのかはっきりしません。スティーヴンはこの男を追いますが、途中でハロウに捕まることになります。その少し後のシーンでスティーヴンはハロウの手下に囲まれますが、先に消えたこのジャケットの男は表れませんでした。

スティーヴンの行く手を阻んだ別の男もバスに乗っていましたが、カメラを携えた女性はバスにはいませんでした。

©MARVEL,Disney

追ってきたハロウ

ハロウに追われ、博物館の警備員ロニーに助けを求めるも「アメミットを称えよ」と口にし、彼もまたハロウの信者である事が判明しました。かつてのヒドラやフラッグスマッシャーズのように、ハロウもひっそりとテリトリーを拡大しているようです。

アメミットがいればいろんな惨状が阻止できたと説明するハロウですが、ここで紹介されるのは実在の世界の有名な事件についてであり、MCUで最も大規模な虐殺であったサノスについては言及されませんでした。生命が戻ってきたからサノスは罪人としてカウントしないのでしょうか。

裏切り

ハロウの説明によると、アメミットは他の怠惰な神々やアバターに裏切られたとの事。その裏切ったというアメミットのアバターは「敵の敵は味方」として今後登場するのか気になる所です。

ハロウはスティーヴンを追い詰め裁定しますが「混沌を抱えている」と戸惑います。スティーヴンは無罪でマークが罪を抱えている、というような事を示唆しているのでしょうか。

ムーンナイト

その場を逃げ出し、仕事に戻るスティーヴン。ハロウも「放っておけ」と追うことはしません。ハロウには罪人と裁定された相手しか殺せないルールがある可能性がありそうです。しかし部下に命じて殺させる事も出来ると考えると、単にスティーヴンの命だけが狙いではないのは明らかです。

そして閉館後、事態はまた急転します。

犬のような鳴き声を聞いた気がしたスティーヴンが奥へと進むと、そこには犬の頭をした人型の怪物がいました。怪物に追われトイレに逃げ込んだスティーヴンの鏡越しにマークが再び現れ「コントロールを渡せ」と告げます。スティーヴンがそれを受け入れるとムーンナイトへと姿が変わり、怪物をあっさりと倒してしまいました。

人型の犬頭ということでアヌビス神を連想する所ですが、アヌビスをそんな簡単に倒せるのであればアメミットを恐れる必要もなさそうですし、コンシュを裏切ることも簡単に思えるため、この怪物は単なる眷属であると考えるのが妥当なようです。


全体的に鏡、水面、ガラス面などにスティーヴンが映り込むシーンが多用され、本作の主人公の特徴である多重人格という要素を強調するエピソードでした。

そして英語タイトルどおり「金魚の問題」が残されて1話が終了。ガスはどこへ行ってしまったのでしょうか。ハロウの狙いや、スカラベの何が重要なのかも明かされないまま次回に続きます。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2022年4月6日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、オスカー・アイザックさんがロバート・ダウニー・Jr.さんからアドバイスを貰っていた事を明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」の主演を務めるオスカー・アイザックさんが、アイアンマン/トニー・スタークを演じていたロバート・ダウニー・Jr.さんからアドバイスを貰ったと、海外メディア ExtraTVとのインタビューの中で明かしました。

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「MCUに参加するにあたって、現在のマーベルスターにアドバイスを求めましたか?」と質問されたオスカー・アイザックさんは「ロバート・ダウニー・Jr.とはかなり話をしましたよ。彼とはたくさん話をしました。彼はもう友達だから、彼と話しただけで、彼がどういう感覚で、どういうプロセスでやってきたのか、そして彼はとても素晴らしい人だったから、明らかに全体について話しましたよ。そして、僕にとって最大のインスピレーションとなったのは、今でもアイアンマンの1作目がとても素晴らしいからです。」と答えました。

また、1番大切なアドバイスとして「ケヴィン・ファイギは天才で、彼は協力者だから、恐れずにやってきて自分の考えを伝え、大胆に選択することだ。」と言われたと明かしました。

アイザックさんは以前のインタビューでも「ムーンナイトはアイアンマン以来の正統派キャラクターを研究する作品」と称しており、アイアンマンからのインスピレーションを受けている事を語っていました。

「ムーンナイト」の公式概要は以下のとおりです。

スティーヴン・グラントは、平凡な生活を送る温厚な男。だが彼は、夜通し悪夢にうなされ、現実と夢の区別がつかない日々に悩みを抱えていた。自分は誰なのか、何に怯えているのか。やがて自分の中に“自分以外の誰か”が潜んでいることに気づき始める。そして、スティーヴンは、彼の内に残酷なもう一人の人格<マーク・スペクター>が潜んでいることを、やがて知ることとなる―。 暴力と残虐性に満ちた<マーク・スペクター>に狂気が宿る時、マーベル・スタジオ初のダーク・ヒーロー<ムーンナイト>が誕生する――。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1 第2話は 2022年4月6日 16時よりディズニープラスで日米同時配信予定です。