映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ファーストトレーラーの16のチェックポイント

公開直後から話題になっているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のトレーラーの中から、イースターエッグなど気になるポイントを16個ピックアップしてみました。映画公開までの暇つぶしとしてお楽しみください。

1,ディッコ

トレーラーの開始直後、壁に書かれた「ditko」の落書きが見えます。

©Sony Pictures

スティーヴン・J・ディッコさんはマーベル・コミックス社でスタン・リーとともにスパイダーマンとドクター・ストレンジのキャラクターを創作し、それらのシリーズの作画を行ったアーティスト。

1966年にディッコさんはマーベルとの関係を絶ち、外部で創作活動を続けていましたが、2018年6月に亡くなるまでその理由はついぞ明かされませんでした。その理由はどうあれ、今作の作り手はディッコさんへのリスペクトを込めて、イースターエッグを仕込んでいます。

2,ニューヨーク・ポスト

この屋上のシーンでMJが読んでいる新聞はニューヨーク・ポスト。前作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のラストや「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の予告で登場しているデイリービューグルでないのは何らかの意味があるのでしょうか。

3,DODC

ピーターが尋問されているシーンで登場する男が着用している上着にはDODCの文字がデザインされています。

©Sony Pictures

ニューヨーク市警であればNYPDであるはずで、彼の所属はDODC(Department of Damage Control)、つまり映画「スパイダーマン:ホームカミング」で登場したダメージコントロール局である可能性があります。ダメージコントロールのボスはトニー・スタークでしたが、その後誰が管理しているのかは不明です。ピーターに便宜を図ってくれるのでしょうか?

4,顔の見えない男

ピーターの横で机にファイルを叩きつける顔の見えない男。

©Sony Pictures

彼はこのトレーラーでこの1秒程の出演ですが、チャーリー・コックスさん演じるデアデビル/マット・マードックではないかと噂されています。デアデビルは弁護士でもあるため、容疑者であるピーターが弁護士を呼ぶ権利が認められているのは当然な事で可能性としてはありますが、いかんせんトレーラーではこのシーンしかなく、確証は得られません。少なくとも彼が同じく弁護士であるシーハルク/ジェニファー・ウォルターズでないのは確かなようです。

5,時系列

本作は前作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のラストから直接続くと考えられており、この段階は2024年の夏(6~8月)あたりになります。トレーラーの中にはハロウィンやクリスマスの飾り付けが登場している事から、秋、冬へと作中で季節が移ろう可能性がありそうです。

©Sony Pictures

6,メフィスト?

フェーズ4で「ワンダヴィジョン」が始まって以来、たびたび悪魔というワードやそれにちなんだデザインのものが散りばめられ、多くのファンを惑わしてきたメフィストですが、今回も悪魔のからかいが挿入されています。

©Sony Pictures

コミックで「ピーターの正体が知られてしまった」物語を描いた「スパイダーマン:ワン・モア・デイ」では重傷を負ったメイおばさんの治療をトニー・スタークに断られ、ドクター・ストレンジに相談するも自分の力では無理だとこれも断られました。ストレンジは魔法でピーターを複数の世界に同時に存在させ、それらの世界でリード・リチャーズやヴィランであるドクター・オクトパス、ドクター・ドゥームなどにも頼みに行きますがいずれも結果を出せず、メイおばさんは最期を迎えました。

そんなピーターの前に姿を表した赤毛の少女がメフィストでした。メフィストは「ピーターとメリー・ジェーンの結婚をなかったことにする」かわりにスパイダーマンの正体が知られてしまったことやメイおばさんの事をなかったことにしてやると提案し、ピーターはそれを呑む事になりました。

「ノー・ウェイ・ホーム」のストーリーラインとかぶる部分も多い原作コミックですが、このトレーラーでも分かるようにメフィストまで描く余地はなさそうに思え、今回もメフィストの初登場は見送りとなる可能性が高そうです。

7,雪のサンクタム・サンクトラム

ストレンジのもとを訪れたピーターですが、サンクタムの中は一面銀世界です。

©Sony Pictures

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でハルクが開けてしまった天井の穴から降り積もったにしては範囲が広すぎるようですし、5年以上経っていますからそもそも修理されているものと考えられます。ストレンジが魔法の失敗でもしたのでしょうか?

相談に訪れたピーターはインフィニティ・ウォーでも起こったストレンジとのちぐはぐなやり取りを再発し、ストレンジは渋い顔をしながら話を聞くことになります。

8,ブラック&ゴールドのスパイダースーツ

玩具リークなどでも判明していた黒と金のスパイダースーツが登場します。

©Sony Pictures

何かの施設なようですが、なぜここでマスクを脱がなければならないのか、かなり気になる所です。

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9,見慣れないドクター・ストレンジ

いつものように浮遊マントをたなびかせて登場するミステリアスなドクター・ストレンジですが、マントの下は見慣れないカジュアルな格好をしています。

©Sony Pictures

手にしているマグカップの「Oh for Pete’s sake」という言葉の Pete は聖ピーター(聖ペトロ/サンペトロ)から来ているという説があります。さらにコミックのドクター・ストレンジの母校でもあるコロンビア大学の「パーカー」を着用しています。ピーターが訪れることを事前に知っていた事を暗示しているのでしょうか?

10,ウォンの忠告

「全てをなかったことに出来ませんか?」と相談するピーターですが、ウォンが横からあの呪文はだめだぞと忠告します。

©Sony Pictures

ウォンは「シャン・チー/テン・リングスの伝説」にも登場しますが、時系列の前後関係は判っていません。ポータルの向こうに見えるのは中国というよりは西洋的な神殿建築物のようにも見えます。ポータルの先はそもそもが合成技術で描かれているため、リリース版ではこのような見た目でない可能性もありそうです。ウォンの服装からすると移動先も寒いのでしょうか。

11,記憶を消す魔法?

世界中の人々から一部の記憶を奪う魔法があるとすればかなり恐ろしいことですが、ストレンジの行動を見ていると実際にあるようです。使いようによってはワンダがウェストビューにしたことよりも非難されるかもしれません。

©Sony Pictures

ウォンの忠告を無視して儀式を始めるストレンジですが、これまでのストレンジでは見られなかった「薬品を触媒とする魔法」を使うようで、ストレンジの手が小瓶を傾けている様子が描かれています。あるいは薬液に浸した髪の毛かもしれません。

12,アガモットの目

パーカーを脱ぎ、いつものスタイルになったドクター・ストレンジの胸には玩具リークにもあったようにアガモットの目がぶら下がっています。

©Sony Pictures

これまでにも書いてきましたが、これは単なるレプリカなのか、それともタイム・ストーンまで復元されているのかは気になる所。現状トレーラーの中ではこのアガモットの目が緑色のオーラを放っている姿は確認出来ません。

そして儀式はピーターのおしゃべりで集中を邪魔され失敗に終わり、マルチバースの扉が開かれてしまいます。サンクタムが雪に覆われていたのもストレンジの魔法の失敗であるとしたら、彼もまた「インフィニティ・ウォー」や「エンドゲーム」で心に傷を負い、その力を低下させてしまっているのかもしれません。

13,謎のキューブ

かつてエンシェント・ワンが見せたアストラル体分離の術を食らうスパイダーマンですが、その左手には奇妙なものがくっついています。

©Sony Pictures

この謎のキューブの機能はまったくの不明ですが、デザイン的にはスタークやピーターの技術というよりは、ドクター・ストレンジのマジックアイテムのようにも見えます。

14,ヴィランの影

かねてより噂されていた過去シリーズのヴィランの登場ですが、トレーラーではやはりその点が示唆されています。

©Sony Pictures

エレクトロの電撃、サンドマンを彷彿とさせる砂塵、グリーンゴブリンのパンプキンボム、そしてドクター・オクトパス本人とメタルアーム。エレクトロの電撃は「アメイジング・スパイダーマン2」での青い電撃とちがって、コミックを基調とした黄色い電撃になっています。また、このシーンではデイリービューグルの車両も確認出来ます。

噂ではこの4人に加え、リザードともうひとり登場し、MCU版のシニスター・シックスになるとの話もありますが、ミステリオやヴェノムは含まれないのでしょうか?今後の情報には要注目です。

15,どちらかひとつ

ストレンジが「このままでは大変なことになる。どちらかひとつを選ばなければ」とセリフだけ挿入されています。どちらかひとつとは、スパイダーマンの正体が知られてしまっている神聖時間軸か、知られていない、旧作のヴィランが登場しているマルチバースの世界という事なのでしょうか。つまりMCUの世界とソニーの世界のどちらかひとつを選択させられるのかもしれません。

16,大人びたスーツ姿のピーター

高校生らしからぬ大人びたスーツ姿のピーターが登場します。

©Sony Pictures

これはトビー・マグワイアさんのピーター・パーカーをオマージュしているのかもしれませんし、そもそもこのシーンはトビー・マグワイアさんに変更されるのかもしれません。

このシーンはジョージ・ワシントン・ブリッジであり、スパイダーマンとグリーンゴブリンが戦った場所でもありました。その時、ゴブリンは「MJと子供、どちらの命を救うか」2択を迫ってきました。前述の世界の2択もそうですし、コミックのメフィストとの契約もそうですが、スパイダーマンにはいつも過酷な選択が迫られます。

ラストのドクター・オクトパスの発言ですが、トム・スパイダーマンの事を知っているのは奇妙であり、トビー・スパイダーマンと対峙してこそのセリフになっています。

1作目「ホームカミング」2作目「ファー・フロム・ホーム」と、予告のためだけの撮影もしてきたソニー・ピクチャーズ及びマーベル・スタジオですから、このトレーラーの全てがリリース版に含まれている映像とは思えないのが難しい所です。

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は 2021年12月17日 米国公開予定です。

アニメ「What if…?」、2話のイースターエッグをピックアップ

2021年8月18日にディズニープラスで配信されたアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1エピソード2「もしも…ティ・チャラがスター・ロードだったら?」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

惑星モラグ

ウォッチャーの前回と同じ口上を終えると映像は惑星モラグに。

©2021 MARVEL,Disney

2014年公開の映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では地球でのピーター・クイルの幼少期のあと、このシーンにジャンプします。分岐イベントが発生し、歴史が変わってしまっても、この星の座標はまったく同じで影響がないようです。

ピーター・クイルはモラグに降り立ってからオーブのある廃墟に足を踏み入れるまで、ソニーのウォークマンでレッドボーンの「Come and Get Your Love」(1973年)を聞きながらノリノリのダンスをしていましたが、ティ・チャラはただ颯爽と歩いていきます。

クイルは母親メレディスからもらったウォークマンとカセットテープを聞いていましたから、ティ・チャラがそれを出来ないのは仕方ないことです。ラモンダ女王が70年代アメリカンミュージックに興味がなかったのでしょう。

ティ・チャラのスターロード

正面からのショットになると、おなじみのマスクを被ったスターロードの姿を確認する事ができます。この第2話配信の約1年前に大腸がんで亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんがシリーズ同様に声を担当されています。音声の再利用などではなく、生前に収録が済んでいたとの事。日本語吹替はこれまで通り、田村真さんが担当されています。

ただし、クイルのスターロードと違って、マスクの目の部分は赤色ではなく、ワカンダでよく用いられる紫色になっています。

首尾よくオーブを手に入れたティ・チャラですが、神聖時間軸と同様にロナンから派遣されてきたコラスに「何者だ」と銃を突きつけられます。

クイルの場合はマスクを外し、「スターロード」と名乗ってさえ知らないという冷ややかな反応を受けていましたが、ティ・チャラの場合はマスクを外し顔を見せただけで、「え!スターロード?マジで?」という真逆の反応が返ってくることになります。

ティ・チャラのスターロードの名はクリー人が耳にし、ファンになるほどに全宇宙に轟いていることを示しているようです。

ロードと呼ばれながらも神聖時間軸同様にキングの風格を持ち合わせたティ・チャラに対し、コラスはお辞儀をしましょうかと敬意を払っていますが、ティ・チャラはそれを断ります。映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」においてもブルース・バナーがお辞儀をした際に「やめてくれ」と断っており、どちらのティ・チャラもこういうのは苦手なようです。

©2021 MARVEL,Disney

コラス

クリーのハンターであるコラスは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)で初登場し、「キャプテン・マーベル」(2019年)ではスターフォースの副司令官として登場していました。時系列的にはキャプテン・マーベルのほうが先になり、キャロル・ダンバースとの一件から降格されてしまったのかもしれません。

声は神聖時間軸同様にジャイモン・フンスーさんと乃村健次さんが担当しています。

「ホワット・イフ」のコラスは神聖時間軸のコラスに比べると全体的にひょうきん者で軽いキャラクターになっています。

コラスはティ・チャラとの戦闘の最中に、オーブを保護していたトラップに右腕を突っ込んでしまいましたが特になんともなさそうでした。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」でネビュラが手をつっこんだ際は肉が焼け落ちるほどの高温でしたが、コラスはそこまでひどくなく、電撃が走る程度に終わったようです。こちらのオーブの保護機構は少し頼りないようです。

©2021 MARVEL,Disney

ヨンドゥ・ウドンタ

廃墟から出たティ・チャラをロナンの手下が囲みますが、ヨンドゥが救援に駆けつけます。声を担当するのはオリジナルのマイケル・ルーカーさんと立木文彦さんです。先週からニック・フューリーの声が竹中直人さんから立木文彦さんへと変更されているため、同じ声がするのは少々違和感。日本のディズニーの声優チョイスはたびたび不思議な事が起こります。「もしもフューリーとヨンドゥがチームを組んだら」が実現しない事を願うばかりです。

無茶をすると歯をなくすぞ、とティ・チャラに注意されたヨンドゥですが、神聖時間軸のヨンドゥは歯がボロボロです。相当無茶をしてきた証なのでしょうか。こちらのヨンドゥは今の所、綺麗な歯を維持出来ているようです。

©2021 MARVEL,Disney

マンデラ号

モラグ脱出のときに搭乗する宇宙船はミラノ号ではなくマンデラ号。

©2021 MARVEL,Disney

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督によるとミラノ号はクイルの子供時代の片思いの相手、アリッサ・ミラノさんにちなんで命名されています。

マンデラ号の由来は公式に明かされていませんが、ティ・チャラがアフリカの架空の一国ワカンダ出身である事を考慮すると、ネルソン・マンデラさんにちなんで命名されていると考えられます。南アフリカでアパルトヘイト撤廃に献身し、1993年にノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラさんは幼いティ・チャラにとって英雄のごとき人物であったに違いありません。

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1988年のワカンダ

シーンが切り替わり、舞台は1988年のワカンダへ。ティ・チャラが誘拐される様子が描かれます。このエピソードの分岐イベントにあたる部分であり、ピーター・クイルが拐われるかわりにティ・チャラが拐われる事になります。

ヨンドゥがクラグリンとテイザーフェイスに誘拐を任せたせいで神聖時間軸と異なる分岐が発生したようですが、クラグリンは「見る穴ふたつ、聞く穴ふたつ、食べる穴ひとつ」全部調べて同じだとトンデモ理論を展開します。神聖時間軸のラヴェジャーズもひどい人物が多い印象でしたが、こちらは更にひどいようです。

結局ティ・チャラ少年の態度を気に入ったヨンドゥはそのまま宇宙へと戻っていき、分岐イベントの枝分かれが始まっていくことになります。

そして、「20年後」のテロップ。ラヴェジャーズによる誘拐事件が発生したのはともに1988年のことですが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は誘拐から26年後を描いています。

祝杯

シーンは現在に戻り、ティ・チャラたちラヴェジャーズが祝杯をあげています。場所は不明ですが、ノヴァ軍警察の制服のような衣装の人物が見られ、建物の雰囲気も似ていることから、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場したザンダー星である可能性は高そうです。

今までの最高のミッションを聞きたがるコラスですが、ティ・チャラは選べないと流してしまいます。それにもめげず、コラスは「ターナックス4号星は?」と追求します。

ターナックス4号星はコミックに起源をもつ惑星で、「ファンタスティックフォー#18」(1963年9月)に初登場しました。この後ヨンドゥが補足するとおり、コミックでもここはスクラルの領域となっています。

続いて「アンカラ」のレジスタンスに言及されますが、このアンカラもコミックに登場。「ファンタスティックフォー#209」(1979年8月)で少し触れられているマイナーな惑星です。

そして話題は意外な人物へと移っていきます。

マッドタイタン

コラスは「マッドタイタン(イカれたタイタン人)のサノスが世界の半分を消そうとした時はどうやって止めたんです?」と口にした所でサノスが登場します。サノスも従来どおり、ジョシュ・ブローリンさんと銀河万丈さんが声を担当しています。

そしてこの世界のサノスはティ・チャラとの話し合いによって、世界のバランスを保つための別の方法を見出したようです。自分の計画も悪くないとはいいつつも、神聖時間軸のように宇宙の半分の命を奪うことに執着はしていない様子で、ラヴェジャーズと楽しげに飲んで語り合います。

バーテンダー

バーのバーテンダーとして登場したのはドラックス。故郷をクリー人から守ってくれたスターロードに気づいて写真を撮らせてほしいと告げます。妻と娘に送るとの事で、神聖時間軸ではロナンによって殺された家族ですが、こちらでは息災なようで一安心です。

ティ・チャラのスターロードはサノスを踏みとどまらせ、クリーやスクラルを抑えるほどの活躍をしているようです。

ネビュラも登場

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」からネビュラも登場しますが、その印象は大きく違います。

©2021 MARVEL,Disney

髪で隠れた左目の周囲以外は改造手術のあとが見られない、ほぼ生身のネビュラが姿を表しました。声色も神聖時間軸と違って優しい印象ですが、神聖時間軸と同じくカレン・ギランさんと森夏姫さんが演じています。

ティ・チャラの事を「チャチャ」の愛称で呼ぶ仲の良さで、神聖時間軸では見られなかった関係性です。

しかし父親サノスとの関係性は神聖時間軸ほどではないにしても、こちらもあまり良くない様子。このシーンでティ・チャラはサノスの事を「庭師」と呼んでおり、エンドゲームの冒頭でも農作業に勤しんでいたサノスを思い起こすと、もともとサノスはそういう一面も持ち合わせていると考えられます。

さらにここでワカンダが戦争が滅んでいる事が明かされ、ネビュラはそれが原因で他人の故郷を救っているのねと理解を示します。

エンバーズ・オブ・ジェネシス

ネビュラはエンバーズ・オブ・ジェネシスの強奪計画を提案します。生命の起源、超新星の塵と説明されるこのアイテムですが、コミックには登場しません。30グラムで死にかけた星をテラフォーミングで蘇らせるほどの力を秘めているようです。

©2021 MARVEL,Disney

このアイテム自体はコミックに登場しないのですが、植物の生命を操るオメガレベルのミュータント、ジェネシスというキャラクターがX-MENのコミック「X of Swords:Stasis# 1」(2020年10月)などに登場しています。ジェネシスのパワーが緑色のパワーで描かれるあたりは共通点のようにも思えますが、制作時期を考えると奇妙な一致と言わざるを得ません。ちなみにこのジェネシスはX-MENの宿敵のひとり、アポカリプスの妻にあたります。

Genesis from X of swords©MARVEL

キャプテン・ジェノサイド

コラスがサノスの事をキャプテン・ジェノサイドと呼ぶシーンは、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのドクター・ストレンジとサノスの会話を起源としています。

タイタン星にて相まみえた二人、サノスは「タイタンを救うために人口を半分に減らした」と言うのに対し、ストレンジはそれを「ジェノサイド(虐殺)か」と返しました。

©MARVEL,Disney

ここは日本語ではキャプテン・指パッチンと置き換えられています。

銀河の裏社会で最悪の親玉

エンバーズ・オブ・ジェネシスを持っているのは「銀河の裏社会で最悪の親玉」と呼ばれるタニリーア・ティヴァン別名コレクターとの事。サノスが力によるバランスの維持をやめたせいで、この世界ではコレクターが台頭しているようです。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場したコレクターは「マイティ・ソー/ダークワールド」でエーテル/リアリティ・ストーンを受け取った際に「まずは1つ目」とつぶやき、何かを画策している様子が描かれていました。

ヨンドゥはコレクター絡みならやめとけと忠告します。ヨンドゥいわく、ラヴェジャーズは「金持ちから盗んで貧乏人にくばる」、地球でいえばロビン・リーチのようなものだといいますが、ティ・チャラにロビン・フッドだと突っ込まれます。ロビン・リーチは実在の人物で、ジャーナリズムの世界で成功を収めたアメリカの富豪でした。ただしここは吹替版のみロビン・リーチではなくビッグ・フットといい間違えています。

ノーウェア

コレクターの拠点は神聖時間軸と同じく、セレスティアルズの頭が星と化したノーウェアのようです。ここもモラグ同様に同じ神聖時間軸と同じ座標を示しているようです。

©2021 MARVEL,Disney

コレクターはベニチオ・デル・トロさんと石住昭彦さん、カリーナはオフィリア・ラヴィボンドさんと合田絵利さんが神聖時間軸どおりに担当しています。

ここの警備はブラックオーダーが担当しているようですが、コミックから実写化されるにあたってリストラされてしまったスーパージャイアントさんはアニメであるホワット・イフにも存在しませんでした。

©MARVEL

一番手前のセクシーなキャラクターがスーパージャイアントです。一番奥に小さく見える特徴的な頭はプロキシマ・ミッドナイト。

ブラックオーダーの注意をそらすため、サノスとコラスが表で騒ぎを起こします。「二度とキャプテン・ジェノサイドと呼ぶな」と演技か本気かわからないサノスですが、作戦自体はうまく行き、ティ・チャラは無事に保管庫への侵入を果たします。

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コスモ・ザ・スペースドッグ

保管庫にはコスモが保管されていました。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」にも登場したコスモはコミックスに起源のあるキャラクターです。

ゴールデンレトリバーとラブラドールのミックスであるコスモはソビエトの宇宙計画により放たれた犬です。宇宙線がコスモに多大な影響を与え、かなり強力なテレパスへと進化させました。コミックではテレパシーを利用したマインドシールド、マインドコントロール、クローキング、記憶改ざん、精神麻痺などの能力を有していますが、MCU版では今の所可愛らしいただの犬のようです。

ハワード・ザ・ダック

ハワード・ザ・ダックはコスモに比べてセリフがある分、印象に残っている方も多いかもしれません。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の1と2双方に登場し、エンドゲームでも(セリフはありませんが)ラヴェジャーズと共に参戦しています。今回も声を担当するのはセス・グリーンさんと伊丸岡篤さん。

日本語字幕では割愛されていますが、英語や日本語吹替でエンバーズの場所を説明する際にフロストジャイアントやクローナンも保管されていることが判明します。

なお道案内の途中で水分補給に向かったハワード・ザ・ダックですが、ここにいるバーテンダーは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」に登場したサカールのバーテンダーと同型のようです。

©2021 MARVEL,Disney

X-WING

ティ・チャラが宇宙船ドックを走るシーンでは背景にこれまでMCUに登場した数々の宇宙船が描かれています。キャプテン・マーベルのジェット機、ザンダーの船、グランドマスターの船、アントマンのクアンタムシップ、ロナンの船などです。

©2021 MARVEL,Disney

上段の左に見える船はスター・ウォーズシリーズのX-WINGのように見えますが真相は不明です。脚本家が今作にルーク・スカイウォーカーを登場させるプランがあった事を明かしているため、その名残が残っている可能性はありそうです。

タロン

ワカンダの王族専用航空機、ロイヤル・タロン・ファイターに近づくとネックレスが輝き、ブラックパンサーを象徴するサウンドとともに扉が開きます。

中に入るとホログラムのティ・チャカ王が登場し、ティ・チャラの捜索をしている事が明らかになった所で、ネビュラとコレクター、そして捕らえられたヨンドゥが船に入ってくるのでした。

投獄されたラヴェジャーズ。ティ・チャラは嘘をついていたヨンドゥに怒りをぶつけます。そこにコーヴァス・グレイヴが現れ、ティ・チャラをコレクターの元へと連行していきます。

奴隷制への反抗

ティ・チャラは、コレクターとの会話の中で「私の故郷では、人をケージに入れるような奴は最後に報いを受けるんだ」と言い放ちます。これは「ブラックパンサー」のキルモンガーのラストシーンを踏襲したもので、アフリカにおける奴隷の歴史の上で成立している言葉となっています。この言葉を聞いた奴隷のカリーナはその表情に変化を見せます。

ティ・チャラの反撃

ブラックパンサーの牙を象ったネックレスを拳に握りしめ、爪に見立てることでケージを破り脱出するティ・チャラでしたが、エボニー・マウの魔法に捕らえられてしまいます。しかしティ・チャラの言葉に感動したというカリーナによってピンチを脱します。

コレクターとの決戦

コレクターを追うティ・チャラでしたが、脇道からコレクターの不意打ちを食らって吹き飛んでしまいました。コレクターが右手に装着しているのは岩のような腕であり、「口数の多いクローナンの死骸から頂いた」と説明します。MCUで「口数の多いクローナン」といえば、先日デッドプールと共演して話題にもなったコーグですが、こちらの世界ではすでに死んでいるのでしょうか。

また、コレクターというだけあって他のコレクションも紹介してくれます。

©2021 MARVEL,Disney

目につくのはやはりキャプテン・アメリカの盾とソーのムジョルニアで、この世界ではアベンジャーズもコレクターによって倒されているのかもしれません。

ネクロソード

さらにコレクターはヘラの兜を取り出し、ヘラの使っていた武器をネクロソードと紹介します。

これがコミックのオールブラック・ザ・ネクロソードを引用しているとすれば、今後MCUにシンビオートが導入される可能性が高そうです。

オールブラック・ザ・ネクロソードはシンビオートの神であるヌルが創造した神殺しの剣であり、セレスティアルズさえ殺してしまうとされています。その実体はシンビオートで、すなわち生きた剣であり、意思を持ち、自在に形を変える武器です。しかし歴代の所有者が神クラスのキャラクターばかりな事もあり、ヴェノムやカーネイジのような強い主張はしません。

コミックで最初にこの剣を持って登場したのはゴアで、ゴアは「ソー:ラブ&サンダー」のメインヴィランとなっています。

エンバーズの入手と脱出

ティ・チャラを裏切るのは計画のうちで、その裏でネビュラは首尾よくラヴェジャーズを解放し、エンバーズを手に入れました。脱出の際に一人残って殿を守るサノスは神聖時間軸とはまったくの別人です。しかし自ら口にするように、mad(無謀)である事は同じようです。

残念ながらこちらのサノスは少しマシな人になっている分、その強さもダウンしているのか、プロキシマとカルに制圧されてしまいます。そこに引き返してきたネビュラが加勢し、機転を利かせて脱出への緒を掴みます。このシーンでは急速成長する植物から逃げ延びる感じが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」で急速成長するエゴからの脱出をオマージュしています。

決着

コレクターとの戦いの状況はよくありませんでしたが、ヨンドゥの加勢により逆転します。ここではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのテーマ曲のアレンジバージョンが採用されています。

二人がかりでさえ強力なコレクターですが、ヨンドゥがアームコントローラーを奪い、スターロードが愛用のガジェットを使った飛び膝蹴りにてコレクターをケージに押し込み、決着しました。

コントローラーをカリーナに渡し、処分を任せると二人はその場を去ります。

カリーナは受け取ったコントローラーで他の囚人を解放し、さらにコレクターのケージも開けることでコレクターの物語は幕を下ろしました。これは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のラストのオマージュでもあり、コレクターの兄であるグランドマスターも最後はサカールの住人によって囲まれて幕を閉じる事になりました。

神聖時間軸では壮絶なラストを迎えた奴隷のカリーナですが、こちらではハッピーエンドとなったようです。

タロンで脱出したティ・チャラとヨンドゥですが、船にはコスモも紛れ込んでいました。ハワード・ザ・ダックはノーウェアに残っているのでしょうか。

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ワカンダへ

故郷がなくなったと思い込まされていたティ・チャラですが、真実を知ったティ・チャラは「心のままに選べ」というヨンドゥの言葉に従い、ラヴェジャーズを連れてワカンダへ。

宴会の場でオコエとサノスが語り合うシーンでは指パッチンしてしまいますが、当然何も起こりません。インフィニティ・ウォーやエンドゲームを最近みた方にとっては心の整理が追いつかないような平和な描写が続きます。

クラグリンのスペースジャンプの説明で「顔がぐしゃぐしゃになる」というのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」で見せたシーンを表しています。

なお、このシーンではラモンダ女王とシュリも登場していますがセリフはありません。

もうひとつの再会

アイスクリーム屋さんのデイリークイーンが表示され、見覚えのあるイヤホンで音楽を聞くピーター・クイルが登場します。ヨンドゥがカタギになったせいでエゴは直接クイルに会いに来たようです。そしてウォッチャーがいうにはこれのせいでこの世界が終わってしまうとの事。

ガーディアンズが結成されていないため、エゴの計画を止められなくなったという事でしょうか。

ちなみにデイリークイーンは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」でも登場し、地球に植えられていたエゴの分身に飲み込まれました。

©2021 MARVEL,Disney

ここでクイルが聞いていたのはフロック・オブ・シーガルズの「Space Age Love Song」(1982年) で、その歌詞は「私があなたの目を見ていると、あなたは私の意識に触れる。そして少しすると恋に落ちる」と言った内容です。歌詞全部を見ても宇宙感はなく、シンプルなラブソングのようですが、エゴの目が光り、クイルを操る様子とオーバーラップします。

そして、チャドウィック・ボーズマンさんへの追悼の言葉と共に、2話が終了します。


今回のエピソードは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」をベースにしていましたが、前述のとおり時系列は少しズレています。おそらくサノスが2012年にロキに地球侵攻をさせないように、時系列を早めるよう調整されたのだと考えられます。

また、トレーラーでキルモンガーがトニー・スタークを救うシーンがありましたが、そちらとの整合性も考えられているのかもしれません。

アニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1、次回エピソード3は 2021年8月25日(水)16時より配信開始です。

ドラマ「ロキ」、6話のイースターエッグをピックアップ

2021年7月14日配信のドラマ「ロキ」エピソード6「とわに時を いつでも」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

オープニング

オープニングはハリー・ジェイムス&キティ・カレンの「It’s Been a Long, Long Time」(1945年)で始まります。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の印象的なラストシーンでも流れていましたが、最初にMCUに登場したのは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の時でした。

スティーブが看護師(潜入任務中のシャロン)との会話のあと自室に戻るとこの音楽が流れており、重傷のフューリーが待っていました。この曲は戦争の終わりと恋人の再会を歌ったものですが、皮肉なことにエピソード6話は新たな多元宇宙戦争の始まりとロキとシルヴィの別れを描いています。

この曲を背景にMCUの名シーンのセリフが堰を切ったように再生され、その後は実在の人物たちの声が流れます。ニール・アームストロングさんの「One small step for man…」やグレタ・トゥーンベリさんの「How dare they! 」などです。

その後は前回登場したクラシック・ロキの声や「ワンダヴィジョン」のヴィジョンのセリフ「嘆いているのは、愛を貫いている証拠です」が流れ、シルヴィの「目を開けて」という声で終わります。

下の動画はそれぞれ引用元の各シーンを挿入したファンメイドムービーです。

ここではふたつの宇宙が描かれていましたが、ひとつはMCUの宇宙、もうひとつはFOXが描いてきた宇宙、というような意味合いが込められているのかも?

シタデルのドア

ドアの前に立ったシルヴィは「蹴破るなって言わないの?」とロキに意見を求めます。これは3話の「ラメンティス」で民家のドアを蹴破って入ろうとしたシルヴィが痛い目にあい、ロキに「暴力は交渉術や狡猾さの代わりにはならない」と言われて「覚えておく」と言ったシーンから来ています。

実際にシルヴィは助言を覚えていたわけですが、ロキは止めません。そうこうしているとドアは自動的に開きます。

ミス・ミニッツ

ミス・ミニッツは今作の黒幕「在り続ける者」からの提案を伝言しに現れます。ロキとシルヴィの望む現実を与える代わりに引き返せという事のようですが、二人はそれを拒否します。

拒否されたミス・ミニッツは特に食い下がるわけでもなく退散してしまいます。監督はここでミス・ミニッツとの戦闘シーンも用意していたと発言しています。

レンスレイヤーの部屋に戻ったミス・ミニッツですが、レンスレイヤーに依頼されたものとは別のファイルを与えていました。「頼んだものと違う」というレンスレイヤーに「彼はこっちのほうが役に立つって」と返すミス・ミニッツ。「彼って?」と質問するとミス・ミニッツは「じゃ、楽しんでー」と一方的にきりあげどこかへ行ってしまいました。

レンスレイヤーは上に何がいるのかわからないまま、その任務だけを盲目的に遂行していたようです。

タイムキーパーの像

玄関ホールから進み、広間に入るところでタイムキーパーの像が見えます。

©2021 MARVEL,Disney

TVAで見た通りの3体の像がありますが、1体は破壊されています。コミックの在り続ける者は4体のタイムキーパーを作り、1体を追放しているため、それを示唆している可能性があります。

在り続ける者

広間の扉が開くと、在り続ける者が姿を現します。

©2021 MARVEL,Disney

服装のデザインやカラーリングはコミックのイモータスを参照しているように感じます。

在り続ける者は原語で「He Who Remains」。He Who Remains はコミックにもいるキャラクターですが老人の外見をした宇宙人であり、タイムキーパーを創造した人物でした。

りんご

在り続ける者がりんごを手にしているのは興味深いポイントです。

©2021 MARVEL,Disney

「ドクター・ストレンジ」でドクター・ストレンジがタイム・ストーンの練習に使ったのもりんごでした。時間とりんごの関係に何か意味を持たせているのかもしれません。

ルーズベルト高校

場面が変わり、B-15とそれを追うD-90たちが2018年のオハイオ州フリーモントに現れます。ルーズヴェルト高校のペンが2話から登場し、何度か意味ありげに映されていました。ちなみに同名の高校がニューヨークにはあるようですが、オハイオ州には存在しないとの事。

オハイオは映画「ブラックウィドウ」でもキーポイントになっており、この短期間、別作品で2度参照する事はとても印象的です。2018年と言えば「インフィニティ・ウォー」のイベントがあった年ですが、サノスの指パッチンの前でしょうか?

©2021 MARVEL,Disney

壁にかけられた額縁からはこの部屋の主が「Rebecca Tourminet」という名前で有ることを示唆しており、レンスレイヤーの神聖時間軸での本名という事になりそうです。コミックのレベッカ・トーミネットは2018年ではなく1903年の住人でしたが、レンスレイヤーが征服者カーンから身を隠すための偽名として使われていました。

全てを知っている在り続ける者

在り続ける者は台本があり、全て知っていることを明かします。そうすると冒頭でミス・ミニッツが伝えに来た取引の意味がなんだったのかがよくわかりませんが、とにかく色々知っているようで攻撃は全てかわされてしまいます。

シルヴィは「お前のゲームから抜け出した」と主張しますが、在り続ける者は全部自分が用意した道だとし、「クエスト」をして「成長」をすることでここへたどり着いたと説明します。二人は在り続ける者が作ったロールプレイングゲームをさせられていた、という事でしょうか。

レンスレイヤーの決意

ラヴォーナ・レンスレイヤーはメビウスと口論になり、偽物のタイムキーパーにも意味があったはずだと主張します。レンスレイヤーはTVAの任務自体を「大いなる目的」としており、その任務にどういう意味があったかまでは考えが及んでいません。

レンスレイヤーとメビウスは「なぜ裏切った」、「そっちが裏切った」の言い合いになります。この言い合いは今作を通じてロキとメビウスの間でも見られました。

自由意志を尊重し、「二人で良い組織を作り直そう」というメビウスに対してレンスレイヤーは「ごめんなさい」とタイムドアを開き「自由意志を探しに行く」と消えてしまいます。

レンスレイヤーは「自由意志を持つのは全てを司るものだけ」と主張しているため、自由に目覚めたいのではなく、在り続ける者の居場所を突き止めたがっているのだと考えられます。この事は脚本家のマイケル・ウォルドロンさんやレンスレイヤーを演じたググ・バサ=ローさんが「誰が自分の目を欺いたのか知りたい。復讐したがっている。」と説明しています。

在り続ける者の正体

在り続ける者は今までに「支配者」、「征服者」、「クソ野郎」と呼ばれたことがあると明かしました。

在り続ける者を演じるジョナサン・メジャーズさんは「アントマン&ワスプ:クアントゥマニア」で征服者カーンを演じる事が発表されており、在り続ける者とは変異体の関係にあると考えられます。

さらに、在り続けるものは31世紀の地球で生きていた科学者の俺の変異体がマルチバースを発見したと明かします。このオリジンはコミックのナサニエル・リチャーズに似ており、ナサニエルは30世紀の地球人でタイムマシンを開発し、後にタイムトラベルした先の世界を征服してまわる「征服者カーン」を名乗るようになりました。カーンは自身が起こした歴史改変などの影響で複数の個体と名前が存在し、その多くが複数でひとつのキャラクターです。

コミックではカーンを集めて開催するカーン評議会なるものも描かれています。

©MARVEL,

先程少し名前を紹介したイモータスはさらに未来のカーンでしたが、カーンとは敵対するようになりました。その他、殺されかけた所をカーンに助けられ、自身の未来を知ったナサニエルが過去に渡り、自らのヴィラン化を防ぐためにアイアン・ラッドとしてヤングアベンジャーズを結成したりと複雑なキャラクターとなっています。

MCUの在り続ける者はコミックの同名キャラクターとTVAの創造主という設定に、カーンの設定を足しこんだキャラクターとなっているようです。

グレーゾーン

在り続ける者はロキとシルヴィに「私が邪悪だと思うか?それなら私の変異体たちに会ってみろ」と語ります。

在り続ける者は自身より邪悪な自分からこの時間軸を守るために、他の時間軸を犠牲にしていることを告白します。在り続ける者は根本的な解決方法を取らず、あるいはそれが解明出来ていないのかもしれませんが、何かを守るために何かを犠牲にするという古典的な行動原理に則って活動しています。

監督は今作のテーマがグレーゾーンだと以前に発言しています。在り続ける者は「神聖時間軸の平和を守る」という大いなる目的を持ち、実際に守る一方で、他の時間軸にとっては殺戮者同然でした。

神聖時間軸の支配者

そして在り続ける者は「俺を殺して、多元宇宙戦争を再び引き起こす」か「俺の後をついで、TVAを動かし、神聖時間軸の平和を守る」か好きな方を選べと迫ります。

これに対してロキは「嘘だ」と指摘し、権力を手放すはずがないといいますが、在り続ける者は疲れたと説明しました。

現代科学では宇宙の寿命はあと1400億年以上残っていると言われていますから、31世紀の未来人とはいえ地球人には長すぎる時間です。その間ずっとここで神聖時間軸を守るのが疲れるというのは得心がいく理由です。

「俺たちは三人ともヴィランだ」と説明する在り続けるものは「悪行を善良な理由のために行う機会だ」と続け、二人に支配者の座を譲ろうとします。

しかしその後沈黙がしばらく続き、何かが変化しました。

分岐イベント

宇宙になんらかの分岐イベントが発生し、それが境界線を越えてしまった様子。ここではそれがどんな分岐イベントだったかは示されません。

可能性としては、シルヴィが在り続ける者を殺す決意をした、レンスレイヤーが自由意志を探しにでかけた、D-90たちTVAの職員がメビウスやB-15から真実を聞かされた、ワンダ・マキシモフがダークホールドで何かした、などが考えられそうです。

対決

在り続ける者の提案を巡って、ロキとシルヴィは対立します。

シルヴィは神聖時間軸のために犠牲になった時間軸の生き残りであり被害者です。自分がその立場に変わるという欲望などなく、復讐心が先行しています。

一方でロキは成長したことで他人を信じる事を始めています。それが枷となり、万が一多元宇宙戦争が引き起こされたらと考えると、簡単にシルヴィに復讐をさせるわけには行きません。

最終的にはロキの「個人的な事を言っている場合ではない」との一言が逆にシルヴィの決意を固めてしまいます。シルヴィがロキと同い年だとすると、おそらく千年以上、幼い頃から復讐を誓いTVAを破壊する事を計画してきました。それは個人的という言葉で済まされる事ではありません。シルヴィにもいたはずの父や母、兄や姉、アスガルドの王宮のひとたち、シルヴィの時間軸の地球のひとたち、全ての人の正義のための復讐者、すなわちシルヴィはアベンジャーでした。

シルヴィは「なぜ私と見方が違うの」と悲しげな表情を見せます。それに対してロキは「おまえが他人を信じず、私が信じてもらえないからだ」と二人の欠点を指摘します。

自らに課した任務を曲げられないシルヴィは「困ったことになった」とつぶやき、再び剣を交える事になります。そしてシルヴィが魔法でロキを吹き飛ばし、在り続ける者に剣を延ばしました。

終末

しかしシルヴィが攻撃したのはロキの幻影でした。かつてコールソンにやったように、ラメンティスでもシルヴィにやったように。しかし今度は背後ではなく、シルヴィの正面に姿を表します。

間一髪で剣を止めたシルヴィに、ロキは涙ながらに「お前に幸せでいて欲しい」と告げます。

ロキの本心の吐露をきっかけに二人はキスを交わしますが、「でもあなたとは違う」とロキをタイムドアでTVAへと送り返します。

そして無抵抗の在り続ける者を剣で貫くと、彼は「近いうちに会おう」と言う言葉を残し、笑顔で息を引き取ります。かくしてシルヴィの復讐は果たされ、多元宇宙が開放される事になりました。

シルヴィを演じたソフィア・ディ・マルティーノさんがこの決断の解説をインタビューにて行っています。

ヴァリアント・TVA

TVAのモニターでその様子を眺めるメビウスとB15は「とわに時を」「いつでも」とTVAの標語をつぶやきます。このメビウスとB-15はこれまでに見てきた人物だと考えられます。

©2021 MARVEL,Disney

メビウスの襟はヴォイドから帰ってきたばかりでよれよれになり、ネクタイも曲がっている様子が伺えます。

シルヴィの信用を得られなかったロキはしばらく放心していましたが、メビウスに助けを求めようと探しまわり、書庫で発見します。

しかし、「君は誰だ、名前は?」と話が通じません。

©2021 MARVEL,Disney

ここのメビウスはシャツもパリっとしており、ヴォイドで色々大変な目にあったような雰囲気ではありません。

そしてロキが目を向けた方向には今までタイムキーパーの像があった部分に、在り続ける者と同じ顔の像が立っている所で物語が終了します。

©2021 MARVEL,Disney

この像の服装はコミックの征服者カーンに酷似しています。

ロキはTVAに戻されたと思っていましたが、別の時間軸のTVAに戻ってきてしまったようで、この事は本作のプロダクション・デザイナーがインタビューにて明言しています。

「猿の惑星」のラストに似ていますが、別の惑星に着いたと思ったら地球だったあの名作とは逆に、TVAに戻ったと思ったら別のTVAというオマージュになっていました。

ミッドクレジット

ミッドクレジットシーンでは「ロキはシーズン2で帰ってくる」と表示されます。

©2021 MARVEL,Disney

シンプルな演出はあったもののそれだけで、キャラクターの登場や声などもありません。

「ワンダヴィジョン」ではワンダのその後が、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではシャロンのその後が描かれましたが、それに比べると極めてあっさりしています。

これは2011年の映画「マイティ・ソー」をオマージュしている可能性が高く、「【キャラ名】が【作品名】で帰ってくる」という手法はソーから始まっており、フェーズ4で弟のロキがその役目を再開するのは感慨深いものがあります。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

ドラマ「ロキ」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ドラマ「ロキ」、5話のイースターエッグをピックアップ

2021年7月7日配信のドラマ「ロキ」エピソード5「未知への旅」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

Journey Into Mystery(未知への旅)

エピソードタイトルになっている「Journey Into Mystery」は同名のコミックシリーズがあり、1952年からスタートしたこのコミックでソーやロキがデビューしました。二人のデビューはシリーズが開始してから10年後の1962年からになります。

©MARVEL

サンクタム

冒頭に廃墟となったサンクタムが表示されています。※画像左下

©2021 MARVEL,Disney

ストレンジがいてさえ守れなかった時間軸があるようです。あるいはもうストレンジがいない時間軸だったのでしょうか。

アベンジャーズタワー

予告動画ではアベンジャーズタワー、あるいはスタークタワーと思われていた建物ですが、実際の放送では Qeng とタワーにかかれていました。

©2021 MARVEL,Disney

Qeng Enterprises はコミックにも登場する企業で、2015年にコミックに登場し、アベンジャーズタワーを買い取った企業でした。この会社のCEOであるMr.グリフォンは、実際は征服者カーンでした。

アライオス

ガス状の怪物アライオスが登場しました。

©2021 MARVEL,Disney

アライオスはコミックにも登場する怪物で、1993年のコミック「Avengers:The Terminatrix Objective#1」でデビューしています。このシリーズではラヴォーナ・レクサス・レンスレイヤーもデビューしています。

コミックのアライオスは人間が誕生する数十億年以前を支配し、征服者カーンの天敵として描かれています。そしてレンスレイヤーが誤って解放してしまい、アベンジャーズが戦うことになる物語でした。

ヴォイド

日本語版では「虚無」と表現されていたヴォイドは、コミックではロキを殺したキャラクターの名前でもあります。2010年のシリーズ「シージ」でロキはヴォイドに殺され、キッド・ロキへと転生しました。

ドラマではこの場所の名前がヴォイドで、キッド・ロキの説明によると「TVAは剪定したものを全部ここに捨てる」との事。

確かにこのヴォイド世界には冒頭のサンクタムやタワーを始めとして、見たことが有るものがいくつか登場します。

イエロージャケット?

ヴォイドの地面にイエロージャケットの頭のようなものが転がっています。

©2021 MARVEL,Disney

映画「アントマン」で登場したヴィランのイエロージャケットと比べると、装甲が剥がれ落ちたのか目のサイズが大きくなっています。また、近くの木と比べると、この頭が巨大であることが分かります。アントマンに登場したイエロージャケットは巨大化の能力はありませんでしたが、TVAに剪定されてしまった変異体イエロージャケットは巨大化出来たのかもしれません。

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サノスコプター

THANOSと書かれたヘリコプターが登場します。コミックでは1979年の「Spidey Super Stories #39」で登場しました。

©2021 MARVEL,Disney

あのスーパーヴィランがヘリに乗って爆撃するという、どことなく可愛らしく思えるのは、このコミックが子供向けだった事を考えると納得です。

ムジョルニアとスロッグ

変異体たちが案内してくれた隠れ家へとカメラが降りていく際にはムジョルニアとスロッグの姿を確認する事が出来ます。

©2021 MARVEL,Disney

スロッグはソーのカエルバージョンで、ソー(Thor)とカエル(Flog)を足してThrogと命名されています。コミックのスロッグはソーの変異体ではなく、ロキの魔法で姿を変えられたソーですが、ちょっとしたファンサービスだと言えるでしょう。

スロッグが閉じ込められている瓶にはT365のラベルがありますが、これはスロッグが1986年の「Thor #365」で登場したことを意味しています。

大いなる目的

隠れ家に入れてもらったロキは「どうしてTVAに戻りたいのか」と問われ、「大いなる目的でも果たすのか?」と自慢好きのロキに横槍を入れられます。

日本語字幕版では「glorious purpose」を名誉ある目的と表記していますが、意味としては問題ありません。が、このワードは1話のタイトルにも使用されているものですし、フェーズ1の頃からロキが口にしている言葉なので、そういう意味では統一されておらず、誤表記とも言えそうです。

ロキシワイン

クラシック・ロキ達はロキシワインを飲んでいました。

©2021 MARVEL,Disney

ドラマでは2話でもロクソンのスーパーマーケット「ロックスカート」が登場していましたが、今作でもアイアンマンシリーズと同様に名前だけの登場に終わりそうです。

コミックのロクソンはジェーン・フォスター(ソー)の主要なヴィランでしたが、5話の流れを考えるとロクソンが今作の黒幕ということは無さそう?

ポリビアス

クラシック・ロキの背後に見えるアーケードゲーム筐体「ポリビアス」。

©2021 MARVEL,Disney

こちらはマーベル・コミックとは関係ありませんが、都市伝説とされている幻のゲームです。

ポリビアスは1981年初頭に姿を表したとされており、これを遊ぶと、遊んだ人に激しい精神活性と中毒性を与える効果をもたらしたとの事。政府の心理学実験とも言われています。

詳しく解説すると相当な文量になるため、気になる方はwiki等御覧ください。

のけ者の神

クラシック・ロキはロキのことを「のけ者の神」と称します。英語では「God of outcasts」であり、これはコミックでもロキ自身が言ったことでした。

©2021 MARVEL,Disney

2019年のコミック「Loki #5」で描かれたシーンでは、「彼らは私の中に自分を見て、私は彼らの中に自分を見ている。我々全員が1人であり一緒だ。」とつぶやいており、ドラマでは文字通り全員がロキであり、同じ「のけ者の神」となっていました。

エクトクーラー

アスガルド人でもあるキッド・ロキが20歳未満かはわかりませんが、映像作品で子役にワインを飲ませるわけには行かないようです、たとえ本物ではないとしても。キッド・ロキが手にしているのはハイシー・エクトクーラーというなかなかレアなジュースです。

©2021 MARVEL,Disney

このドリンクは映画「ゴーストバスターズ」とのコラボ商品として1989年のわずかな期間だけ販売されたものでした。その後、2016年の「ゴーストバスターズ:アンサー・ザ・コール」(リブート版)が公開した際にも復刻発売されましたがこちらも期間限定で終了しました。

今年公開予定の「ゴーストバスターズ:アフターライフ」の公開時にも販売されるそうです。

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メビウスとシルヴィの合流

二人の合流シーンでちらっと映る看板はディズニーのイースターエッグが隠されています。

©2021 MARVEL,Disney

看板には「Oswald and the Martians」と書かれており、1930年のオズワルド・ザ・ラッキー・ラビットを参照しています。

ちなみにアライオスから逃げるこのシーンは予告動画にも存在しましたが、実際に配信されたものとは異なり、予告動画ではシルヴィは乗車していませんし、アライオスも登場していませんでした。メビウスの表情などもかなり異なっています。

ヴォート・ロキ

ドラマ版の正式名称は不明ですが、コミックで言われるところのヴォート・ロキが登場しました。

©2021 MARVEL,Disney

姿はコミックを踏襲していますが、コミックの話はまったく関係がありません。

コミックは2016年の米国大統領選挙を風刺した内容で、嘘をつく政治家たちに混じって嘘の神であるロキが選挙に出馬する物語でした。

フラガール

車にフラガールの人形があるのはアメリカではありがちな光景のようです。ドラマ「エージェント・オブ・シールド」では物語に絡むキーアイテムでしたが、ドラマ「ワンダヴィジョン」や本作では本当に単なる小道具のようです。

©2021 MARVEL,Disney

エルドリッジ

エルドリッジもマーベル・コミックのイースターエッグではなく都市伝説の類です。

©2021 MARVEL,Disney

1930年代に計画されたアメリカ海軍の「レインボー・プロジェクト」は、軍艦を強力な磁場で透明化させるというもので、無人船による数々の透明化実験を経て、1943年に行われたのが「フィラデルフィア実験」でした。実験に使われた軍艦エルドリッジ号は470キロの距離を瞬間移動し、乗員には異常な状況による悲劇がもたらされたと伝えられています。

GRN-W1D

メビウスたちが乗っていた車のナンバープレートには「GRN-W1D」と書かれています。これは2話のイースターエッグでも紹介しましたが、メビウスの基になったマーベルコミックスの元編集長、マーク・グリュンワルド氏(故人)を表しているようです。

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レンスレイヤーの目的

レンスレイヤーは監禁したB-15を尋問しますが、思うように行きません。B-15はレンスレイヤーの目的が「TVAの保護じゃない」と指摘しますが、レンスレイヤーは答えを返しません。

©2021 MARVEL,Disney

レンスレイヤーは前半では黒幕の正体を知りたがっていましたが、ミス・ミニッツへの指示内容からするとTVA創設者に反逆や復讐するわけではなく、守ろうとしているようです。

リビングトリビューナル

ヴォイドにはリビングトリビューナルの頭まで転がっています。

©2021 MARVEL,Disney

一言でいうと「神」に等しいキャラクターであり、変異体であったとしてもTVAハンター剪定されるとは想像しにくい存在です。銅像的な何かかもしれません。

映画「ドクター・ストレンジ」で先輩魔術師のモルドがストレンジに「リビングトリビューナルの杖」というレリックを紹介した事もありました。

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ダークアスター

映画「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」で登場したロナンの戦艦「ダークアスター」もボロボロになって転がっています。

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ヘリキャリア

S.H.I.E.L.D.のヘリキャリアも同様に転がっています。

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レーヴァテイン

キッド・ロキがロキにレーヴァテインを託します。

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ドラマで名前が登場したわけではありませんが、コミックでキッド・ロキが使っていた剣であり、北欧神話ではユグドラシルのヴィゾーヴニルを殺す武器としてロキが鍛え上げた炎の剣あるいは杖を指しています。

クラシック・ロキの魔法

魔法に特化したというだけあって、クラシック・ロキの魔法はこれまでのロキでは見られなかった幻覚魔法でした。

©2021 MARVEL,Disney

雷も幻覚なのか、あるいはスロッグや別のソーの変異体が呼んでいるのかは不明です。

黒幕の居場所

黒幕がいると思われる建物が少しみえて5話は終了します。時の終わりの先に潜んでいる黒幕はやはりロキなのでしょうか?それとも・・・?


ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第6話(最終話)は 2021年7月14日 配信です。

ドラマ「ロキ」、4話のイースターエッグをピックアップ

2021年6月30日配信のドラマ「ロキ」エピソード4「分岐イベント」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

ヴァルキリー部隊

幼い頃のシルヴィ(ロキの変異体)がヴァルキリー部隊の伝説を語りながらおもちゃで遊んでいる様子が描かれています。

実はヴァルキリーの過去については詳細に描かれておらず、映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」にてソーは「ガキの頃に入りたいと思っていた」と話している事から、ソーが幼い頃には部隊があった事がわかっています。その後、部隊がヘラと戦って壊滅しているはずですが、ソーはヘラの存在を知らなかった事から、第一王子であるソーが王の護衛部隊の壊滅理由を聞かされていなかったことになります。

MCUのアスガルド人の「ガキの頃」がだいたい何年間ぐらいなのかも不明ですが、神聖時間軸と同様にソーとロキが子供の間は、こちらの世界でもヴァルキリー部隊が活躍していたと考えられます。

ちなみにソーの年齢は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのロケットの会話から1500歳ほどであることがわかっており、アスガルド人はだいたい5000年ほどの寿命という設定。しかし、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」ではソーがスルトに「俺の父に倒されたはずだろ、50万年前に」と話しています。オーディンが極めて長寿である理由についてMCUでは触れられていませんが、コミックの設定どおりイドゥンの黄金のリンゴを食して寿命を延ばしているのだと思います。

A-23

シルヴィを逮捕しにきたのはハンターA-23。若き日のラヴォーナ・レンスレイヤーです。2話のイースターエッグでもピックアップしましたが、ラヴォーナ・レンスレイヤーがコミックに初登場したのは1965年のコミック「アベンジャーズ Vol.1 #23」でした。

フェンリス

シルヴィのおもちゃの中にはフェンリスの模型がある事が確認出来ます。

©2021 MARVEL,Disney

「マイティ・ソー/バトルロイヤル」ではフェンリスはヘラの相棒だったわけですが、そもそもフェンリスはアスガルドに普通にいる大型狼というだけなのでしょうか。それともシルヴィの世界にはヘラもいて、姉のペットを模したおもちゃがお気に入りなのでしょうか。

ちなみに北欧神話におけるフェンリスは、ロキと女巨人アングルボザとの間に生まれた三兄妹の長子となっています。

残念なことにこの回想シーンではオーディン、フリッガ、ヘラ、ソーやそれらの変異体は登場せず、シルヴィの家族については不明なまま進行します。

裁判の準備 紙が少ない

1話のロキと同様に、裁判の準備としてこれまでの全ての発言にサインを求められる様子があります。

上:4話のシルヴィ、下:1話のロキ ©2021 MARVEL,Disney

大人だったロキと比べると、これまでの人生における発言量はやはり少ないようです。

裁判官

レンスレイヤーがハンターの頃ですから、別の裁判官が登場します。

©2021 MARVEL,Disney

この裁判官は現在もいるのでしょうか。裁判官もハンターのようにたくさんいるのでしょうか。

実はロキもシルヴィも同じ第37時間裁判所で審理が行われていました。単純に考えれば最低でも37人はいるのかもしれません。

©2021 MARVEL,Disney

ハンターだったレンスレイヤーはこの後シルヴィを取り逃がしてしまうわけですが、どういうわけか裁判官へと昇進し、1話へと繋がります。この後、数々の功績を上げたのでしょうか?

昇進理由や前任の男性裁判官はどうなったのか、かなり気になる部分ではあります。

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タイムキーパー

レンスレイヤーがタイムキーパーと面会することになります。

©2021 MARVEL,Disney

面会後、出迎えたメビウスとの会話シーンからはタイムキーパーに対して怖れている様子が描かれています。ここから、「レンスレイヤーがタイムキーパーという虚像を振りかざしてTVAを意のままにしようとしている」という線はなさそうだと考えられそうです。

C-20のその後

C-20に話を聞きたいというメビウスに対して、「彼女は死んだ」と答えるレンスレイヤー。実際に死んだのかどうかはこの段階では不明ですが、レンスレイヤーが事実を隠したい様子は伺えます。

ラメンティスの最後

トレーラーで「ナターシャのような人物がいる」と一時期話題になったシーンが挿入されます。

©2021 MARVEL,Disney

最初の画像が4話の実際のシーンで、次の画像がトレーラーのものですが背景が明らかに異なっています。トレーラーには人工建造物がなく、惑星ヴォーミアを思い出させるようにミスリードさせていました。

ソーは宇宙空間でも生き延びていましたし、ストームブレイカーを作った時を考えると星の爆発にも耐えそうな気がしますが、ロキではやはり耐えられないのかもしれません。

負ける運命

シルヴィが「ロキをロキだと決定づけているのは負ける運命だって事だと思う?」と問いかけます。これに対してロキは「負ける事はあるが死ぬことはない」と返します。

MCUのヴィランの多くが死亡、行方不明、消滅などの運命を辿ってきた中で、ロキだけは何度も敗北しながらも生き延びてきました。

分岐イベント

ロキがシルヴィを称賛した事で、シルヴィもロキを信用し始めるようになります。これにより分岐イベントが発生し、TVAに見つかることで逮捕=救出される事になります。

1話のミス・ミニッツの解説ビデオでいうところの「道を外れた」ポイントであり、神聖時間軸のロキがする事がなかった「自分を信じる」という行為が描かれています。

こんな扱いは侮辱的だ 

TVAに連行されるロキは、メビウスから「皮肉のひとつでも言いたいところか?」と聞かれ、「全然!言いたいことなどひとつもない。」と返し、吹替では「こんな扱いを受けるいわれはない」、日本語字幕では「こんな扱いは侮辱的だ」と続けています。

©2021 MARVEL,Disney

ところが英語では「I should have an equal amount of security.(私にもシルヴィと同じ量の警備がつくべきだ)」と皮肉を言っており、自分のほうが警備員が少ない事について「侮辱的」だと言っています。

悪友

ロキとメビウスが言い合いの末に、ロキが「私はなんだ?」と問うとメビウスは「悪友だ」と返します。

©2021 MARVEL,Disney

ラメンティスで自分(シルヴィ)を信じるようになったロキは、メビウスがこれでも自分を友と呼ぶ事から、他人を信じられるように変化していったと考えられます。ロキの意外そうな表情が印象的なシーンです。

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タイムループの刑

昨年にジェイミー・アレクサンダーさんがInstagramで示唆していた通り、レディ・シフが再登場となりました。

ドラマ「エージェント・オブ・シールド」ではコールソンをたびたび助けてくれましたが、それを除けば映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」以来7年ぶりとなります。

ロキがシフの髪を切るエピソードは「ソー:アニュアル #11」(1983年)のコミックにも存在しますが、そもそもの原点である北欧神話に存在するエピソードになっています。

ちなみにこの罰を与える時のタイムドアは普段と違って少し赤みがかっています。

タイムキーパーは見ている

ロキを時の牢獄に入れている間、シルヴィの尋問をさせてくれと願うメビウスですが、レンスレイヤーは許可しません。レンスレイヤーはロキから分岐イベントの原因を聞き出すように告げ、タイムキーパーが見ていると伝えます。

小説や漫画などに登場する独裁世界で全て見られている事を示唆する事はよくありますが、私達はドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のマドリプールでも同様の言葉を耳にしています。

クリー、タイタン、吸血鬼

メビウスは「クリー人、タイタン人、吸血鬼も尋問した事があるのに、2体の神もどきに手を焼いている」とハンターB-15と話します。

クリー人は「キャプテン・マーベル」や「エージェント・オブ・シールド」で、タイタン人はサノスや映画「エターナルズ」が関係してきます。

吸血鬼は映画「ブレイド」やソニーの映画「モービウス」が関連してきます。これらの作品にメビウスがカメオ出演することはあるのでしょうか。

分岐イベントの原因

神聖時間軸のロキが他人(ソー)を愛し、信用しはじめるのは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の時系列中の事で2017年です。

2012年の変異体ロキが2077年でこれを始めてしまった事が急激な変異体エネルギーの発生の原因となったと考えられます。

4話の肝でもある分岐イベントの原因について、監督と脚本家がインタビューで説明されています。

真実

時の牢獄から出されたロキは再び尋問を受けます。その流れでシルヴィが剪定されたとメビウスに聞かされたロキは「せいせいした」と答えますが、メビウスには無意識の感情を指摘されてしまい、ロキは感情をあらわにします。

牢獄の中でシフに対して、自分がナルシシストであることを認めていましたが、人から言われるのは気分がいいものではありません。

口論の末、「TVAは全員変異体でさらわれてきて記憶を消されている」という話をメビウスに打ち明けますが、信用してもらえません。

嘘つき

再び牢獄に入れられるロキがその間際に、メビウスに対して「嘘つき」と罵ります。タイムパッドをいじりながら「ガールフレンドの事、嘘ついたからか」と言うメビウスに対してロキは「自分に嘘をついているからだ」と言い放つと、メビウスは表情を変えます。

ジェットスキーに何故か憧れる自分や、レンスレイヤーとの会話の中で感じる違和感。それらを抑えつけながら日々の業務をこなしているメビウスは、ロキの一言で真実を見失い始めます。

事件の解決

ロキを再び牢獄に入れたことで、レンスレイヤーの部屋で事件解決の書類にサインをします。しかしその際にまたもやペンを気にするメビウス。1話でもこのペンを気にしていましたが、神聖時間軸のメビウスと関係があるのかもしれません。

このシーンではテルミン奏者であるクララ・ロックモアさんの「The Swan」(1976年)の曲がバックで流れており、2話でもレンスレイヤーのシーンで同氏の曲が採用されていました。彼女も1970~1980年代ごろに誰かの変異体として派生し、連れてこられたのかもしれません。

書類にサインはするものの、メビウスはどこか納得していません。

メビウスの決断

書類手続きを終えたメビウスは、なぜシルヴィを尋問させなかったのか、C-20の異変に気づいたのはいつなのか、とレンスレイヤーに質問を投げかけます。しかし彼女は前にも言ったように「あなたを守るため」とはぐらかすに終わります。さらに「私たちがこの時間を過ごすため」「守る価値のある友情」とメビウスを説き伏せようとしますが、TVAやレンスレイヤーに不信を覚え始めたメビウスは自分のタイムパッドとレンスレイヤーのタイムパッドをこっそりすり替えるのでした。

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一杯だけ

メビウスが部屋から去ろうとすると、レンスレイヤーが「1杯だけ?」と引き止めます。

「2杯飲んだよね」と返すメビウスですが、このシーンでは飲み物を継ぎ足すような描写はなく、映像としては確かに1杯しか飲んでいないようです。

いったい、いつのメビウスの記憶と重なっているのでしょうか。

再びロックスカートへ

B-15はシルヴィを2050年のロックスカートへと連れて行き真実を聞き出します。TVAに行方を掴まれないように、災害ポイントの直前を選んだのだと考えられます。

B-15はシルヴィの能力で眠っていた記憶を掘り返し、真実を知ることになります。

C-20

メビウスはすり替えたレンスレイヤーのタイムパッドからC-20の真相を知り、ロキの発言が真実である事を確信します。

レンスレイヤーが自分を含めて職員が変異体である事を分かっていて隠そうとしているのか、単純に戯言を広めたくない一心なのかはわかりませんが、この映像には男性のミニットメンの声が含まれています。C-20の言葉を聞いてしまった彼も処分されてしまったのでしょうか。

なお、C-20の状態とともに3つの西暦が表示されています。一番上は2050年のロックスカートだと思われますが残り2つは不明です。

©2021 MARVEL,Disney

海外のwikiでは1979年はC-20の生年月日のようですが、この情報がどこ由来のものかは不明です。

信頼

友を信じるという選択にたどり着いたロキとメビウス。ロキは2話でメビウスの事を「信頼できる人物かもしれない」と感じつつも、結果的に裏切ってシルヴィを追いかける選択をしてしまいました。

その後、3話でもシルヴィを信じようとした結果、シルヴィから、そしてメビウスからの信頼を得ました。

先に与え、信じ、愛することはいつの時代も大事なことです。

剪定

ようやく信頼できるようになった二人でしたが、メビウスは剪定されてしまいます。

4話までの内容と描写から、剪定とは存在の削除であり、リセットとは記憶を消されてTVAの職員にされることではないかと推測出来ます。

しかしリセットの刑の執行人はシルヴィが明かしたTVAの真実に触れる事になるので、刑の執行は職員以外のロボットや特別な存在が担っているのかもしれません。

ちなみにロキが1話で受けた判決はリセットでした。

シルヴィの分岐イベント

シルヴィが自分の分岐イベントは何だったのか、レンスレイヤーに問いますが、「覚えていない」と返されてしまいます。シルヴィは背中を向けているためレンスレイヤーの表情に気づけませんが、ニヤリとする表情から視聴者にはそれが嘘だとわかるようになっています。

シルヴィは変異体となってしまった事が原因で世界を奪われていますから、ロキとして生まれた事を罪の意識のように感じ、ロキと呼ばれることを嫌っていたのかもしれません。

面会

タイムキーパーのデザインはおおむねコミックを踏襲しています。

©MARVEL

このシーンでロキも指摘していますが、ここへ連れてこられた理由は「ただ殺すため」だけのようです。厄介なロキの変異体の剪定を自身の目で確認したかったという事なのでしょうか。

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決戦

あわやという所でB-15が駆けつけ、ロキたちは反撃に出ます。

レンスレイヤーが「タイムキーパーをお守りして」と叫ぶあたり、彼らに戦闘力はないようです。実際に彼らは見ているだけで介入してきません。

この場所でも魔法は封じられていてロキは苦戦を強いられますが、シルヴィは体術にも自信があるようで、あっさりとレンスレイヤーをノックアウトしてしまいます。

タイムキーパーの子

TVAの兵士たちが倒れると、タイムキーパーは妙な言葉を口にします。

©2021 MARVEL,Disney

4話で最大の謎とも言えるこの言葉。しかし感情が昂ぶっているシルヴィはその真相を聞くことなく、タイムキーパーの首をはねてしまいます。

実際に親子関係だとすれば、3話でシルヴィが親の記憶があまりないと言った事と関係があるのでしょうか?

シルヴィにはまだ明かされていない、本人も知らない真実があるようです。

アンドロイド

首をはねられた中央のタイムキーパーですが、アンドロイドでした。残りの二人は高笑いしていましたが、連鎖的にシャットダウンしてしまいました。

バッキーは否定するかもしれませんが、今作もサムの言うように三大勢力「アンドロイド、エイリアン、ウィザード」絡みなのでしょうか。

これで終わりかと思った事件ですが、手がかりを失ってしまいます。

ロキの愛

ロキはシルヴィに「必ず突き止める」と約束し、何かを打ち明けようとします。

ロキとシルヴィを他人同士と見るか自分同士と見るかは個々の解釈により分かれる部分になりそうですが、監督は自己愛と表現しているため、究極のナルシシズムと言えそうです。

背後から

意識を取り戻したレンスレイヤーはバトンを使ってロキを剪定してしまいます。かつてロキ自身がコールソンにしたように、無防備な背後から止めの一撃をくらってしまいました。

シルヴィは素早くバトンを奪うとレンスレイヤーに突きつけ、全て話すように要求します。

エンディング曲

第4話のクレジットシーンで流れる曲はブレンダ・リーの「愛の讃歌 (原題:If You Love Me)」(1960年)です。「太陽が空から転がり落ちても、海が急に干上がっても、あなたが私に愛をくれるなら、真実の愛だ。そんなことは気にしない。」という内容で、今回もエピソードの内容をそのまま歌にしたかのような選曲になっています。

Hel

ポストクレジットシーンで、ロキが目覚め「ここはヘルか、死んだのか」と自問します。ここでいうヘルはHell=地獄ではなく、英語字幕で見るとわかるようにHelを指しています。

ロキがいうヘルは9つの世界のひとつニヴルヘイムの地域であり、本来であればソーの姉である女王ヘラが治めている地域です。

マーベル・コミックスではHelとHellの双方が存在し、Helにはヘラが、Hellにはサタンやメフィストなど悪魔が存在し、支配しています。

死んだのかという問に対して、「いやまだだ」という声のほうにカメラが向くと、変異体のロキ達の姿が映し出されエピソード4が終了します。ここで登場した変異体たちは、こちらの記事にまとめました。

TVAのいう「剪定」は存在そのものが消えるのかと思われていましたが、ロキはどこかへ転送されてしまった様子です。ここで登場した変異体のロキたちも剪定された結果ここに飛ばされたのかもしれませんし、そうであるならばメビウスや他のキャラクターも実はここで生きている可能性がありそうです。

©2021 MARVEL,Disney

なお、画面右には瓦礫になったスタークタワー(あるいはアベンジャーズタワー)の姿があるため、別の時間軸のニューヨークだと考えられます。

もし剪定された全員がここに飛ばされているなら、TVAの目的は一体どういうものなのでしょうか。


ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第5話は 2021年7月7日 配信です。

ドラマ「ロキ」、3話のイースターエッグをピックアップ

2021年6月23日配信のドラマ「ロキ」エピソード3「ラメンティス」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

Demons

今回のオープニング曲はヘイリー・キヨコ・アルクロフトさんの「DEMONS」。日系アメリカ人のシンガーソングライターで同性愛をテーマにした楽曲で注目を集めている方で、今回のエピソードにも沿った曲だと言えるでしょう。

また悪魔か!と思ってしまいますが、当ブログでも再三お伝えしているように、監督いわく「メフィストは登場しない」との事。ここは深読みしなくていいのでしょうか。

この曲では「私の中には悪魔がいる」「何かが私から全てを奪っていく」と歌っており、C-20の頭の中に入り込み、情報を奪おうとする変異体のシーンとオーバーラップさせています。

タイムキーパーを見つける方法

2話でC-20が口走っていたタイムキーパーを見つける方法とは、予想だにしないシンプルな方法でした。金色のエレベーターで上に行くだけ。TVAは明らかに広大な施設ですが、その詳細な構造は不明で、エレベーターが何基あるのかもわかりません。他の色のエレベーターが存在しているのでしょうか。

雷の後に来るヤツ

マーケットの外を映す防犯カメラ映像には雷鳴の後に空を見上げるロキの姿が映っています。

©2021 MARVEL,Disney

映画「アベンジャーズ」でも「雷の後に来るヤツが嫌いだ」と言ってたので、兄が来ないか警戒しているのかもしれません。

TVAで力は使えない

TVAに侵入した変異体ですが、1話から言及されているようにその魔法は封じられているようです。1話の説明からするとミュータントの特殊能力なども使えないと考えられますが、例えばスティーブ・ロジャースのような薬による力や、トニー・スタークなどのテクノロジーは使えるのか、などなど興味がわくポイントでもあります。

変異体は本家ではほとんど見たことがなかった格闘によるアクションシーンを見せてくれました。

ロキの短剣ムーブ

前回の出動前に没収された短剣を回収して、変異体を追うロキ。短剣をくるっと回すシーンは映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の予告編ではあったのに本編からは削除されたシーンをオマージュしています。

©2021 MARVEL,Disney

タイムパッド

レンスレイヤーに追い詰められた二人のロキは咄嗟にタイムパッドを使いどこかへと転送。

そしてタイムパッドを巡って争うロキと女性のロキ。ロキは映画「アベンジャーズ」でコールソンにやったように魔法で騙し、相手の背後を取りましたが、2話でメビウスに語ったように背後から刺すような真似はしませんでした。

女性のロキが「ロキ」と呼ばれる事を嫌うシーンは気になるポイントです。

©2021 MARVEL,Disney

ラメンティス

コミックにもラメンティスは登場しています。コミック「Annihilation: Conquest Prologue (2007) #1」で登場したラメンティスはクリー宙域の端っこに存在する星となっています。2077年のクリーはどういう状況になっているのでしょうか。

©MARVEL

コミックのラメンティスでは主にフィラ=ベルやムーンドラゴンの物語が展開されています。フィラ=ベルはキャプテン・マーベル(キャロル・ダンバースではなく、クリーのマー=ベル。MCUでいうとウェンディ・ローソン博士として地球で四次元キューブを研究していた人)の娘で、ムーンドラゴンはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのドラックスの娘です。

ちなみにラメンティスはラテン語で悲しみを意味する言葉を由来としています。

シルヴィ

タイムパッドのチャージに向かう道中で、「私はロキではなく、今はシルヴィ」と名乗った女性版のロキ。このシルヴィのフルネームがシルヴィ・ラウフェイドッティルである事が2話から分かっており、コミックのエンチャントレス/シルヴィ・ラッシュトンとは別のキャラクターである可能性が指摘されています。

それぞれの魔法のについて、吹替版では単に「魔法」と称されていますが、英語ではこのシルヴィの魔法はエンチャントと表記されており、こういう部分ではエンチャントレスをほのめかしています。ちなみにロキの魔法はトリックと表現されています。

©2021 MARVEL,Disney

この時点でシルヴィの目的はタイムキーパーである事が示唆され、ある意味でロキと同じと言えます。

パトリス

民家に押し入ろうとしたシルヴィが吹き飛ばされたのを見て、ロキは見つけた写真から民家の主へと変身し、中にいる夫人に話しかけます。しかし、「パトリスはこの30年間そんな事言ったことがない」とあっさり見破られ、シルヴィ同様に吹き飛ばされてしまいます。

夫人のリアクションと言葉から本物のパトリスは生きている可能性が高そうですが、どちらにせよラメンティスが滅びる事を考えると、夫婦の物語の真相は不明のまま終わるかもしれません。

ヒックス伍長とハドソン上等兵

ロキが列車に乗り込もうとした際に切符を要求した二人の人物はクレジットからヒックス伍長とハドソン上等兵である事がわかります。この名前と階級は1986年の映画「エイリアン2」に準じています。

©2021 MARVEL,Disney

エイリアンフランチャイズの配給権は20世紀FOXが所持していましたが、ディズニーが買収した事でいずれはディズニープラスで配信されるかもしれません。

ロキとシルヴィ

列車内に入ったロキとシルヴィは座席につき、質問の応酬を繰り広げます。しかしこのシークエンスで語られるのはロキの身の上話であり、シルヴィの事はほとんど判明しません。

ロキが母フリッガを愛している事を再確認できるシーンとなっています。

ロキとシルヴィの共通点として、フロストジャイアントのラウフェイの子供である事は確実ですが、シルヴィもオーディンとフリッガに育てられたのかというと、そういう感じでもない様子。となると、幼少期(ともすれば生まれた時点)からすでに違う人生を歩んでいる変異体という事になりそうですが、TVAはその頃からシルヴィを狙っていたのでしょうか。

今後、幼少期のシルヴィが物語に登場するようなので、何かが明かされるかもしれません。

郵便配達員

シルヴィは郵便配達員と恋愛関係である事を明かしました。

マーベル・コミックスの中で有名な郵便配達員であるウィリー・ランプキンは2005年と2007年の映画「ファンタスティック・フォー」シリーズでも実写化され、スタン・リー名誉会長が演じました。コミックのウィリーとロキの間には特に関係性はなく、映画のファンタスティック・フォーの世界がマルチバースのひとつだとしても、彼と恋愛しているとは考えにくいかもしれません。

Image from 「ファンタスティック・フォー」©20th studios

またポストマンというコードネームのミュータントも確認されていますが、こちらもコミック上でロキとの関係性はなく、シルヴィのお相手ではないと考えられます。

ちなみに「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のラストでFedexの配達員に扮したスタン・リー氏が登場し、その後「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」にて宇宙のとある場所でウォッチャーと話をするシーンがありましたが、厳密には郵便配達員とは違うため、こちらも可能性は低そうです。

ロキのセクシュアリティ

MCUのロキもバイ・セクシャルである事が公式に明かされました。

アスガルドの歌

ロキが歌うシーンでは英語字幕をオンにしているとロキがアスガルド語で歌っていることがわかります。一部英語で「彼女は歌う、帰れと歌う」と歌っています。

このアスガルド語というのは実際にはノルウェー語だそうで、海外ファンがノルウェー語から大まかに英語に訳したものがネット上でシェアされています。これをさらに日本語にすると「嵐のような黒い山の中で私は一人でさまよっている。氷河を越えて私は自分の道を作る。リンゴ園で最後には茎が出てきて、待っている。”いつ帰ってくるの?”と歌いながら。」といった内容の歌詞のようです。

まわりの音楽隊や乗客も合わせて歌っていますが、ラメンティスの人たちがアスガルド語(あるいはノルウェー語)や英語を理解するかどうかは深く考えないほうがいいのかもしれません。音の真似をしているだけの可能性は充分にあります。

以前にドラマ「ワンダヴィジョン」のソコヴィアの歌の公式英訳歌詞が公開された事があるので、こちらもそのうち公開されるかもしれません。

もう一杯!

機嫌が良くなったロキは「もう一杯!」とグラスを床に叩きつけ割ってしまいます。

これは映画「マイティ・ソー」でロキの兄であるソーも同様でした。アスガルドのおかわりの慣習であると考えられますが、当時ソーの周りにいたジェーン・フォスターやダーシー・ルイスは驚き、この行為を叱責しました。

しかしこの列車では誰も何も言いません。宇宙から見ると地球の慣習のほうがおかしいのかもしれません。

ちなみにこの「おかわり」の表現として食器を割るというアスガルドの慣習はクリス・ヘムズワースさんのアドリブだったと言われています。

兜は武器

警備員に囲まれたシルヴィは兜を取り外し、それで敵を殴りつけます。

映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でもロキが兜で敵を倒すシーンがあり、シルヴィがロキの変異体であることを表現しているようです。

ロキの名物カット

ロキが横たわる名物カットは2話でもありましたが、今回もまた登場しました。もともとは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でドクター・ストレンジに落とされた事が始まりでした。

©2021 MARVEL,Disney

シルヴィの叫び

怒りを爆発させたシルヴィが叫ぶと緑色の魔力の爆発が描かれます。

©2021 MARVEL,Disney

コミックのシルヴィと言えばエンチャントレスという事を度々紹介してきましたが、シルヴィは二代目のエンチャントレスであり、初代はアスガルド人のアモラという女性でした。

アモラは声に魔力がある魔女で人々を操る力を持っていました。アモラにはより強力な声をもつ妹のローレライがおり、こちらはドラマ「エージェント・オブ・シールド」に登場。コールソンやエージェント・ウォードを誘惑し、S.H.I.E.L.D.を内側から支配しかけましたが、アスガルドから来たレディ・シフによって阻止されました。

MCUのシルヴィの声に何らかの特別な力があるとすれば、アモラとの共通点も増えて来る事になります。

箱舟

箱舟で脱出するプランは映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のストーリーをなぞっています。

箱舟での脱出は失敗するはずですが、我々が乗り込めば変わるかもしれないと提案します。

シルヴィの魔術

シルヴィのマインドコントロールは肉体的に接触する必要がある事が明かされます。

©2021 MARVEL,Disney

これは2話で見られた通りの説明ですが、相手の精神力の強さによって成功率も変わるようです。

ロキは「私よりよっぽどすごい」と称賛しますが、ワンダやアガサのマインドコントロールと比べると少々弱いと言わざるを得ません。

TVAについて

シルヴィは冒頭に登場しているハンターC-20がTVAに入る数百年前の記憶を思い出させて操ったと説明します。この事は英語と日本語吹替のみで示されている事で、日本語字幕の場合は「TVA以前の記憶を引き出した」としか説明されません。しかし冒頭のシーンはどうみてもここ数十年以内のダイナーにしか見えません。TVAの兵士として働くようになってから地球時間で数百年経つという意味だと考えられます。

「彼女は普通の地球人、マルガリータ好きの」と説明し、「職員がタイムキーパーに作られたというのは嘘で、全員が私達と同じ変異体。」と続けました。

ここで得られた情報は「C-20が地球人である事」と「全員が変異体」という事。職員全員が地球人かどうかは不明で、1話でスクラル人が連れてこられていた事を考えると、いろんな星の人間がいると考えるほうが自然かもしれません。

ただし、映像的にはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに見られるような多様な宇宙人を見かける事はありません。地球人と見た目の区別がつかないアスガルド人やピンク・クリーなどもいますから、今の所はなんとも言えなさそうです。

全員が地球人だとするならば、TVA内のやり取りが英語と西暦がベースになっていることは納得が行きやすくなりそうです。

シルヴィの言うことが真実だとすればレンスレイヤーもやはり変異体なのでしょうか。コミックのレンスレイヤーはマルチバースにまたがって様々なバージョンが描かれているため、むしろしっくり来る気もします。

メビウスが1990年代を好むのはその時代から連れてこられた変異体なのかもしれません。

ロキの魔法?

箱舟に向かうロキとシルヴィですが、隕石の落下は激しくなり、街はひどい有様になっていきます。その中で不思議なシーンが挿入されます。

倒壊する建物をロキが「任せろ」といって元に戻すシーンです。サイコキネシスのような念力というより、時間を巻き戻したような描画になっているのが印象的です。

もしかするとロキは冒頭のTVAのシーンでタイム・ストーンやその他のインフィニティ・ストーンを盗んでいる可能性があるかもしれません。

「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でもアスガルドの宝物庫から四次元キューブを盗んでいた前科持ちですし、タイムパッドが壊れて取り乱したシルヴィと違って妙に落ち着いているのは、最終的にスペース・ストーンで脱出するという奥の手を隠しているのかもしれません。タイムパッドをタイム・ストーンでチャージ済みの状態にも戻せそうですが、壊れたタイムパッドは地面に放置してきていると思うので手元に再現できるのかどうかはよくわかりません。

最終的に箱舟が壊れ、脱出手段を失った絶体絶命の状態で3話が終了します。ロキがインフィニティ・ストーンを持ち出していないなら、メビウス達TVAが逮捕という名目で救出にくるのでしょうか。しかし災害間近のポイントなので、TVAがここを見つけるのには苦労しそうです。

ダーク・ムーン

エンディングに挿入されているのは1957年、ボニーギターの「ダーク・ムーン」。

日本でも同年に浜村美智子さんによってカバーされています。

歌詞(英語版)に注目すると「ダーク・ムーン あなたの光が消えていく それは愛を失ってしまったからなの?」と歌われています。ラメンティスの滅亡を意味するようでもあり、ロキやシルヴィを表しているようでもあるなかなか意味ありげな内容になっています。

母体であるロキがフリッガの愛を失ったことで、変異体であるシルヴィもまた何かの愛を失ってしまったのでしょうか?

エンディング中の映像がどの程度本編と関係があるかはわかりませんが、3話の内容もTVAが調査している様子が伺えます。

©2021 MARVEL,Disney


今回はエピソードを通して、ロキが「シルヴィが信頼に足る人物かどうか」を見定める試験のように見えました。メビウスとの本格的なバディものが始まるかと思いきや意外な展開を見せましたが、シルヴィのロキらしさが丁度よく、ユニークな掛け合いを見せてくれました。

©2021 MARVEL,Disney

シルヴィについては名前以外はほぼ何も判明しないまま進行しました。エンチャントレスの可能性、レディ・ロキの可能性、MCUオリジナルの可能性を残して4話へと続きます。

新たに公開されたトレーラーからシルヴィの幼少期について今後何か描かれそうである事が判明しています。

ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第4話は 2021年6月30日 配信です。

ドラマ「ロキ」、2話のイースターエッグをピックアップ

2021年6月16日配信のドラマ「ロキ」エピソード2「変異体」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

ウィスコンシン州オシュコシュ

冒頭、ハンターC-20とその部下たちがウィスコンシン州オシュコシュに調査に来るシーンから始まります。

この地はマーベルコミックスの元編集長、マーク・グリュンワルド氏(故人)の出身地で、主にキャプテン・アメリカやクエーサーなどのコミックを担当していました。それだけならロキとは関係がなさそうですが、実はこのグリュンワルドさんは類稀なる記憶力の持ち主で、当時マーベルコミックスの中で雑多に広がっていたマルチバースを完全に把握していたそうです。そして、それらを作家やファンがわかりやすく把握できるように、正史世界(このドラマ風にいうと神聖時間軸)であるEarth-616とそれ以外の世界を系統ごとに番号を割り振り整理した、メタ・タイムキーパー、メタ・TVAと言った存在の人でした。

後に彼に敬意を表した作家陣がグリュンワルドさんを元にTVAという組織をコミックスに導入し、TVAのスタッフは全てグリュンワルドさんと同じ顔のキャラクターでした。もちろんメビウスもそうです。

©MARVEL

ドラマのメビウスとはヘアスタイル以外はそっくりと言ったところでしょうか。

Holding Out For a Hero

1984年のボニー・タイラーさんのヒット曲「Holding Out For a Hero」が挿入されます。この曲は映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも度々その名前が登場した1983年公開の映画「フットルース」に使用されていた楽曲で、先日発表されたスクウェア・エニックスのゲーム「Marvel’s Guardians of the Galaxy」にも採用されていました。ハンターたちがタイムトラベルしてきた年代とも合致しています。

日本でもドラマ「スクール・ウォーズ」の主題歌になり、現在でも懐メロとして耳にする機会の多い曲ですが、逆にそれが災いしてラグビー感しかない、とある熱血俳優の顔が思い浮かぶ、といった声は周りで耳にしました。

ハンターC-20

ハンターC-20を演じているのはサッシャ・レインさん。映画「ヘルボーイ」やAmazonプライムのドラマ「ユートピア~悪のウイルス~」などに出演されています。

この部隊のリーダーとして登場したC-20ですが、あっさりと身体を乗っ取られて部下を倒してしまいました。その際はロキのイメージカラーである緑のオーラが目に宿る描写がありました。

ちなみに部下の方々はアルファベットが振られておらず、ヘルメットの全体像がはっきりしないのですが、どうやら10桁前後の数字が割り当てられているようです。

レッドライン

本エピソードではレッドラインについてより詳しく説明されました。

「分岐イベントの枝がレッドラインを越えたら、TVAが分岐イベントをリセット出来なくなる。そして時間軸が破壊され、私達の現実が崩壊する。」との事。

時間軸が破壊されるとどうなるのか、現実が崩壊するとどうなるのか、という点についてはまだ言及されていません。

ロキの変異体

メビウスが説明の際に何人かのヴァリアント・ロキの姿を映し出します。中にはただのアスリートにしか見えないロキもいますが、剪定済みなのでしょうか。

オシュコシュのネクサスイベントのリセット

オシュコシュでの分岐イベントをリセットするとTVAのモニターで分岐したタイムラインが無くなっていく様子が映し出されます。

©2021 MARVEL,Disney

モニターの上部中央には OSHKOSH と日付が西暦で書かれていますが、その左にはニダヴェリア、右にはサカールと書かれています。ニダヴェリアは映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でソーのストームブレイカーを作った星、サカールは映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でハルクとソーが再会した星ですが、ここでも分岐イベントが発生中なのでしょうか。

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レンスレイヤーのオフィス

ラヴォーナ・レンスレイヤーのオフィスでレンスレイヤーとメビウスの会話のシーンが入ります。

メ「このオフィスどんどん良くなっているよね。そのスノードームはどうした?持って帰ってきた覚えがない。」
レ「私の分析官はあなただけじゃない。」
メ「でもお気にいりは僕なんだろ?なのになぜいつも戦利品を取り上げるんだ。」

そして、メビウスが覚えのないグラスの跡と、全部あなたがやったと主張するレンスレイヤー。この流れはメビウスが複数いる可能性を示しているかもしれません。記事の冒頭で少し説明したように、コミックのTVAスタッフは全てクローンでした。

©2021 MARVEL,Disney

ちなみにオフィスにあるオープンリールはエンディングでも表示されていますが、日本初のテープレコーダーを開発した1946年設立の赤井電機さんのオープンリールで、世界初のオートリバース機能やクイックリバース機能など当時最先端を行くメーカーさんだったようです。

メビウスとロキは似ている

レンスレイヤーはロキを「反抗的で頑固で予測不可能」と評し、誰かさんみたいと言います。それを聞いたメビウスも「僕もそう思った」と答えます。ここが信頼関係が生まれていく元になるのでしょうか。

そしてロキは変われないと主張するレンスレイヤーに対して、メビウスは「同じ役ばかりだと飽きちゃうだろ」と返します。これはメビウスがTVAで同じ仕事ばかり繰り返している事から抜け出したい、自由を求めている事を暗示している可能性があります。

タイムキーパー

タイムキーパーが認めれば役割を変えられるとレンスレイヤーが明かします。MCUではこれまでに様々な強敵が登場しましたが、現時点で説明されているタイムキーパーはサノスやエゴなどを超越する存在のようです。

また、このシーンではメビウスがタイムキーパーに会ったことがないこと、レンスレイヤーはコンタクトを取っていることが明らかになりました。これらは今後重要になりそうなポイントです。

フランクリン

任務の書類にサインする時のペンにも、メビウスは見覚えがありません。

©2021 MARVEL,Disney

高校自体はMCUとあまり関係なさそうですが、フランクリンという名前はMr.ファンタスティック/リード・リチャーズとインビジブル・ウーマン/スー・リチャーズの息子であり、征服者カーンの祖先にあたるキャラクター。映画「ファンタスティック・フォー」や映画「アントマン&ワスプ:クアントゥマニア」に登場する征服者カーンと関連するイースターエッグだと考えられます。

氷の巨人

「なぜ私のために危険を冒した?」と問うロキに対してメビウスは「A.おびえて震えてる氷の巨人の子供をかわいそうと思ったから B.犯人を捕まえるために必要な事は何でも言うから」と答えます。

ロキが氷の巨人の子であることが、本作では妙に強調されています。ソーの1作目以降はフェーズ3が終わるまでの10年間でさほどいじられる事もありませんでしたが、何か重要なポイントなのでしょうか?

372

メビウスとロキが歩く通路の向こう側には「372」と表記された区画が見えます。1986年のコミック「Thor Vol.1 #372」ではマーベルコミックスにおいてTVAの2度めの登場回との事。MCUでの2度めの登場とかけているイースターエッグです。

©2021 MARVEL,Disney

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ラウフェイの娘

ロキが手始めに開いた変異体の資料にはシルヴィ・ラウフェイドッティルの名前が記載されていました。先日、スペイン語版のクレジットでシルヴィというキャラクターがいるとお伝えしましたが、じっくり見返すと作中にも登場していたようです。

©2021 MARVEL,Disney

アスガルド人の名前はアイスランドやスカンジナビア諸国の命名法を採用しており、ロキのフルネームは本作でも度々登場しましたがロキ・ラウフェイソンです。ラウフェイソンとはラウフェイのSon(息子)の意味であり、ソー・オーディンソンはオーディンの息子という意味になっています。

MCUではソーの祖父がボーである事は判明しており、コミックと同じ設定です。そしてオーディンはボーの息子ですから、オーディン・ボーソンというのがコミックでのフルネームになっています。ちなみにソーはコールソンを「コールの息子」と呼んでいましたが、多分違うでしょう。

そして話題になったシルヴィはフルネームをシルヴィ・ラウフェイドッティルと書かれており、コミックのシルヴィ・ラッシュトンとは異なるキャラクターになる可能性が高そうです。ドッティルは娘を表すワードであり、ソーの姉ヘラのフルネーム、ヘラ・オーディンドッティルのように命名されます。

シルヴィとは変異体が名乗っている名前なのか、はたまたロキと同じ血をもつ姉妹なのでしょうか?

映画「Se7en」のオマージュ

本作の監督ケイト・ヘロンさんは、デビッド・フィンチャー監督の映画「Se7en」から影響を受けている事を明かしています。そしてシリーズ初放送に向けた記者会見では、「エピソード2には、セブンにちなんだ小さなニードルドロップがあり、あの映画のファンならすぐにわかると思います」と明かしました。

それがこのシーンで、G線上のアリアをバックに主人公が図書室にこもる様子はそっくりです。

なお、映画「se7en(セブン)」はAmazonプライムビデオで2021年6月18日時点では無料でご覧になれます。キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス映画です。主演はブラッド・ピットさん。MCU視点で補足すると、ペッパー・ポッツを演じたグウィネス・パルトロウさんが出演されています。

リベンジャーズ

アスガルド滅亡詳細イベントの資料を読むロキですが、資料にはリベンジャーズの記載もあるようです。

©2021 MARVEL,Disney

なお、このシーンの最中の曲は「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の曲をアレンジしたものになっています。

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ロキの仮説とラグナロク

ロキは仮説の説明をする際に、ラグナロクと称してサラダにジュースをぶちまけます。

©2021 MARVEL,Disney

Bokuは1990年から2003年にかけて McCain Citrus Incによって米国で販売された箱入りのフルーツジュースです。TVAの面々は20世紀終盤のものを気に入る傾向があるのでしょうか。

ポンペイ

ロキとメビウスは仮説の証明実験のために西暦79年のポンペイへと飛びます。

メビウスが「僕たちはここにいないはず。何かしたら歴史が変わるかもしれない。」と説明します。逆に考えると、TVA職員がタイムトラベルすることはあらかじめ決められているとも取れます。ここまで何度かハンターたちのタイムトラベルを見てきましたが、ひとつずつレンスレイヤー、あるいは彼女を介してタイムキーパーの許可が必要なのかもしれません。

大いなる目的

メビウスは「TVAは僕の人生、自分が信じる限り現実だ。」と語ります。メビウスは憧れのジェットスキーに乗る事も我慢し、レンスレイヤーに戦利品を取り上げられても、TVAの一員としてタイムラインを守ることを大いなる目的と考えているようです。

時の終わり

メビウスは時の終わりについて「分岐イベントがなくなり、秩序だけが残り、静かに時の終わりが来る。最高だろ?」と説明しました。しかしこの直前には「存在とは混沌だ」とも説明している事を考えると、時の終わりには存在もなくなると思われます。今後TVAも悪意のないヴィランになる可能性を示唆しているようです。

ドッカーンガム

1話で手に入れた証拠品「ドッカーンガム」を思い出したロキとメビウスはこのお菓子の販売時期から変異体が潜んでいる時間と場所を絞り込んでいきます。

ちなみに今回のエピソードでたびたび利用される資料室ですが、エレベーターのフロアボタンとは一致していない事がわかります。

©2021 MARVEL,Disney

たとえば1枚目の画像には「LK3」という区画が見え、その上は「SYF」となっています。一方エレベーターに「LK3」はありますが、その上は「FE3」となっています。真ん中のXや三などの謎のボタン使って、左右のボタンを特殊な演算をすることで、膨大な各フロア全てにアクセスできるのかもしれません。

ロックスカート

ロキとメビウスはハンターの部隊を引き連れて2050年のアラバマ、ロックスカートというスーパーに向かいます。ロックスカートの親企業ロクソンに関してはこちらを御覧ください。

B-15の説明のよると、ここで起きているハリケーンの災害レベルは10だそうで、ラグナログがレベル7だった事を考えると何かの間違いなのでしょうか?それともレベル1が最も危険なのでしょうか?

©2021 MARVEL,Disney

ちなみにハリケーンの歴代1位の死者数は1900年のガルベストン・ハリケーンで8000人から12000人との事。作中のハリケーンは西暦2050年ですがから記録更新する可能性はありますが、ラグナロクでの死者9719名とアスガルド滅亡を比較した時に災害レベルの違いはよくわかりません。

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ARM & HAMMER

ハンターB-15が歩く横に ARM &HAMMER のロゴが輝いています。

©2021 MARVEL,Disney

これは実在するロゴマークで、米国の家庭用品の大手メーカーであるChurch&Dwightが販売する重曹ベースの消費者向け製品のブランドロゴとなっています。たくましい腕にハンマーと言えばもちろんロキの兄ソーを示すもので、イースターエッグとしてこんなに最適なロゴはそうそうないと言えるでしょう。

ロキ(主人公)の目的

変異体との会話の中でロキは「タイムキーパーを排除するつもりだ」と口にします。これが真実なのか、変異体を騙すための嘘なのかは現段階で不明ですが、前述の通り、メビウスが説明したタイムキーパーと時の終わりはかなり不穏なものであり、ロキはそれを阻止しなくてはならなくなるかもしれません。

タイムキーパーの居場所

変異体に捕まっていたC-20ですが「タイムキーパーの居場所を教えてしまった」と明かします。メビウスは会ったことがないと説明していましたが、C-20はどうなんでしょう。会ったことがない事と居場所を知っているかどうかは別問題とも考えられますが。

C-20はTVAの医務室に行くことを拒否し、見つける方法を教えてしまったと説明します。

変異体の計画

ロキは変異体の計画に気が付きます。

ちなみに両脇に映っているのは HyperX ChargePlay Duo DUALSHOCK 4コントローラー充電器HyperXのゲーミングイヤホン であり、2021年現在Amazonなどで普通に購入出来ます。2050年のスーパーにこれがあるということは、かなりのレトロゲーム愛好家がいるのかもしれません。

セイクリッド・タイムラインの爆破

変異体が神聖時間軸を爆破したことで、大量のネクサスイベントが発生する様子が確認出来ます。

©2021 MARVEL,Disney

MCUに登場した地球以外の箇所でも何かが発生しているようで、いくつかピックアップしてみました。

  • ヴォーミア:2301年4月23日。ソウルストーンがあった惑星のかなり未来。
  • アスガルド:2004年2月16日。映画「マイティ・ソー」よりも以前の日時。
  • サカール:1984年8月13日。映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の舞台になった惑星。映画の時系列よりも30年ほど過去。
  • エゴ:1382年12月27日。スターロードのお父さん。メレディスと出会うより600年近く過去。
  • タイタン:1982年10月13日。サノスの出身地である土星の衛星。
  • ハラ:51年1月3日。クリーの母星。2000年近く昔。
  • ザンダー:1001年9月24日。映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場した惑星。

日本人的に気になるのは1984年3月1日23時12分52秒に東京で何かが起きています。調べてみるとこの年の3月頃は記録的な豪雪災害があったようです。

さらに1947年のニューヨークはドラマ「エージェント・カーター」とリンクしそうなポイントになっています。これらのうちいくつかは今後のMCUで取り上げられる可能性がありそうです。

1話から薄々気づいていた方も多いと思われる野暮なツッコミではありますが、TVAは時間とマルチバースの管理という別の次元の組織のようでありながら、英語と西暦をベースにやり取りされています。クリー人やワカンダ人はオリジナルの文字が設定されていますが、ここらへんは映画とドラマの差なのかもしれません。

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A-23

レンスレイヤーもかつてはハンターだったのでしょうか。ヘルメットにはA-23と書かれています。

©2021 MARVEL,Disney

ラヴォーナ・レンスレイヤーがコミックに初登場したのは1965年のコミック「アベンジャーズ Vol.1 #23」でした。

TVAの人員構成や上下関係

TVA内の上下関係は今の所ぼんやりとしか描かれていません。存在がはっきりしないタイムキーパーを除くと、A-23のレンスレイヤー裁判官を頂点にハンターと分析官という役職があるようです。そして分析官にはメビウスやケイシーなどの名前があるのに対して、ハンターはB-15、C-20、D-90といったアルファベットと2桁の数字で構成されるリーダー格ハンターと10桁ほどの数字のみで構成される下っ端ハンターに分かれているようです。

ハンターのアルファベットは上下を表すのかと考えてしまう所ですが、日本語ではD-90はC-20に対して敬語ではなく、B-15に対しては敬語混じりとなっているようです。英語における上下関係のニュアンスは掴みきれていませんし、吹替及び字幕のセリフというのはこれまでのMCU作品を見ていても考察の材料として信頼性はあまり高くないと思われます。

単純に深い設定は用意されていないケースもありそうです。

変異体

この変異体をレディ・ロキと呼ぶかシルヴィと呼ぶかは難しい所ですが、この変異体のこれまでの手口を考えると、この肉体も使い捨ての身体をいう可能性はあるかもしれません。嘘の神vs嘘の神を描きながら、1話でヴィランが明かされ、2話でその姿が明かされるというのは、にわかに信じがたい展開です。全てが疑わしく見えてしまうと言う、コアなファンによくあるMCU症候群かもしれませんが。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第3話は 2021年6月23日 配信です。

ドラマ「ロキ」、1話のイースターエッグをピックアップ

2021年6月9日配信のドラマ「ロキ」エピソード1「大いなる目的」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

2012年 ニューヨーク

冒頭は映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」のワンシーンから始まります。映画に使った映像、未使用だった映像、そして撮影しなおした映像を組み合わせている事がケイト・ヘロン監督によって明かされています。

この時、ロキは既にアベンジャーズがタイムトラベルしている事に気づいていたようです。

砂漠

4次元キューブを使って逃げたロキはゴビ砂漠へと不時着します。「アイアンマン」でトニー・スタークが洞窟から脱出した際も同様に砂漠へと不時着するシーンがありました。

©2021 MARVEL,Disney

変異体

砂漠で原住民相手に演説しているロキの前にTVAのハンターたちが姿を表します。

©2021 MARVEL,Disney

ハンターたちはロキの事をヴァリアント(変異体)と呼びます。Variantは「異なる」といった意味の英単語で、ヴァリアント・ロキとは本来のロキとは異なるロキとの意味合いになります。

セイクリッド・タイムライン

ロキはセイクリッド・タイムライン(神聖時間軸)への抵抗罪で逮捕を言い渡されます。

©2021 MARVEL,Disney

この時首に装置をつけられますが、兄であるソーも「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でヴァルキリーに同じように首に装置をつけられました。

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ヴァリアント・スクラル

TVAに連行されたロキですが、受付のような場所にはトレーラーでも確認されていたスクラルが登場しています。

©2021 MARVEL,Disney

©2019 MARVEL,Disney

映画「キャプテン・マーベル」でマー・ベルのラボに隠れていたスクラル人たちの中にそっくりな服装の人物がいますが、今の所同一人物かどうかは不明です。

囚人服

小部屋に押し込まれたロキは衣服を焼き払われてしまいます。この時のロボットは「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でスタン・リー扮する散髪屋が装着していたメカに似ており、兄ソーが問答無用で散髪されたように、弟ロキも強制的に着替えさせられる事になりました。

猫かフラーケンか

裸で落下したと思うと囚人服を来ていたロキ。目の前には役人と猫、らしき生物。

©2021 MARVEL,Disney

「キャプテン・マーベル」に登場していたグースのようなフラーケンの可能性も考えられますが、今の所はハッキリしていません。ただしこのお役人さんは相当この生物が好きなようで、マグカップにもプリントされています。

自覚がないロボット

次に落とされた先の部屋ではロボットかどうか確認されます。

©2021 MARVEL,Disney

自覚のないロボットといえば「エージェント・オブ・シールド」に登場したLMDがあげられます。LMDのコールソンもメイも自覚はありませんでしたが、魂は存在していたように思えて仕方ありません。

ひとまずこのロキはLMDではなかったようで、ゲートを通過しても溶ける事はありませんでした。

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ミス・ミニッツ

TVAのマスコットキャラクター「ミス・ミニッツ」による説明のアニメが始まります。

©2021 MARVEL,Disney

ミス・ミニッツの声はタラ・ストロングさんで、X-MENやスパイダーマンのアニメで様々なキャラクターの声を担当されているマーベル御用達の人物のよう。日本の吹替はそういうわけにもいかず、松浦裕美子さんが担当されています。「アイアンマン3」で眠い女という名前のない役で出演されている模様です。

マルチバースとシークレット・ウォーズ

ミス・ミニッツによると、マルチバースが干渉して大戦争「multiversal war」が起きたとの事。

©2021 MARVEL,Disney

マーベル・コミックス初の大型クロスオーバーイベント「シークレット・ウォーズ」(1984年)をなぞっているようで、シークレット・ウォーズもマルチバース間の戦争を描いたコミックでした。

「シークレット・ウォーズ」は「インフィニティ・ウォー」「エンドゲーム」のルッソ兄弟監督がいつか作りたいと明かしている作品であり、実写化の際はエンドゲームよりも多くのヒーローとヴィランの登場が期待されています。

なお、コミックでは2度めのシークレット・ウォーズも発生しており、MCUでも再び起きる可能性はありそうです。

タイムキーパー

TVAの創設者として3人のタイムキーパーの存在が紹介されます。

©2021 MARVEL,Disney

タイムキーパーたちがマルチバース・ウォーをおさめ平和をもたらしたそうです。そしてマルチバースをひとつにまとめあげたのがセイクリッド・タイムライン(神聖時間軸)。

コミックのタイムキーパーはTVAの創設者ではなく、TVAに作り出された存在でした。

また、コミックのセイクリッド・タイムラインの守護者はマダム・サンクティティ/ターニャ・トラスクという女性ミュータントであり、このあたりはわりとアレンジされているようです。

分岐イベントネクサス

ミス・ミニッツはヴァリアントが道を外れた時に分岐イベント(Nexus Event)が発生すると説明します。Nexus自体はつながるという意味の英単語ですが、分岐した結果異なる未来につながるという意味あいでしょうか。

©2021 MARVEL,Disney

コミックではこのネクサスイベントを単独で起こしうる存在を「ネクサス・ビーイング」と呼び、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフもネクサス・ビーイングに分類され、TVAによって監視されています。

「ワンダヴィジョン」でもCMに抗うつ薬のネクサスが登場し、ワンダがネクサス・ビーイングであることを示唆していました。

©2021 MARVEL,Disney

さらにミス・ミニッツは英語版で「which left unchecked could branch off into madness, leading to another multiversal war」(これを放置するとマッドネスに枝分かれして、再びマルチバース・ウォーになる可能性がある)と説明しています。

これは明らかに「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」を示唆しているようにも思えます。

ちなみに「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」と「ロキ」の脚本はマイケル・ウォルドロンさんが担当しています。

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バケツ頭

ロキの前を進んでいた誰かのヴァリアントはTVAのスタッフに対して「バケツ頭(bucket head)」と罵倒します。

©2021 MARVEL,Disney

コミックでbucket headといえばザンダー星出身のヒーロー、ノヴァの事を指しますがこのスタッフとの関連性は特に見当たりません。

なお、奥の部屋のポスターに見える「ゼロ・トレランス」とは品質管理における理念のひとつで、わずかな不具合も見逃さず、不良品を徹底的に排除することを言います。

この後、この彼は排除されてしまいました。

1549年 フランスのプロバンス

TVAのハンターたちが1549年のフランスで殺害されました。あらたにやってきたTVAのハンターたちが現場検証をしています。その現場でひとりの少年と出会い、話を聞くことになります。

このシーンはトレーラーにも登場しており、後ろのステンドグラスに悪魔が描かれている事から、今度こそメフィストが登場するのではないかと噂されていました。しかし、本作にもメフィストが登場しない事をケイト・ヘロン監督が明かしています

©2021 MARVEL,Disney

「誰がやったのか知っている?」と聞かれた少年はステンドグラスを指差します。

監督によるとこのステンドグラスはロキを表しているとの事で、つまり犯人はロキであるとの事がこの段階で示唆されています。

ドッカーンガム

少年の歯が青い事に気づいて尋ねると、少年は無言でドッカーンガム(kablooie gum)を差し出しました。メビウスはこれを「悪魔からの贈り物か」とつぶやきます。

©2021 MARVEL,Disney

いわゆるチューイングガムが販売されるようになったのは1800年代の事で、この時代には存在しないものです。

ステンドグラス=悪魔=ロキの図式が成り立っている事を考えると、ガムの色から察するに少年が見たロキは青いロキなのでしょうか?

ロキはフロストジャイアントの王ラウフェイの息子であり、映画「マイティ・ソー」では青い肌を見せるシーンがいくつかありました。

Image from 映画「マイティ・ソー」©2011 MARVEL,Disney

レンスレイヤー裁判官

ヴァリアントであるロキはレンスレイヤー裁判官の前に連行され、シークエンス違反7-20-89と告げられます。

コミックのラボーナ・レンスレイヤーはTVAの関係者ではありません。彼女は地球人で、40世紀の地球の支配者カレリウスの娘でした。また、映画「アントマン&ワスプ:クァントゥマニア」に登場すると発表されている征服者カーンと恋仲になっていた時期もありました。

そしてシークエンスの数字を西暦だと考えると1989年7月にはソー#405が発売されています。この号ではファンタスティック・フォー、ネガティブ・ゾーン、ワンダゴア山が登場しています。これらもまた、征服者カーンとは縁のあるものです。

悪いのはアベンジャーズ

ロキは悪いのはアベンジャーズだと主張しますが、レンスレイヤーは認めません。

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ロキがいうにはトニー・スターク二人分の香水の匂いがしていたとの事で、未来からの来訪者に気づいていたことをほのめかしています。

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TVAでパワーは使えない

ロキはお得意の魔法で打開しようと画策しますが、何も起きません。TVAではあらゆるパワーが使えなくなるとの事で、リセットの判決を受け、連行されていきます。

ちなみに判決にはリセットや剪定などがあるようですが、具体的にどうなるかは明かされていません。

エージェント・メビウス

メビウスの介入でロキはリセットを免れます。

©2021 MARVEL,Disney

同じ「Mobius」でもこちらはメビウスで、スパイダーマンのスピンオフ映画はモービウスなのが日本語の難しい所。

メビウス・M・メビウスはコミックにも存在するキャラクターでファンタスティック・フォーのコミックで初登場しました。また、シーハルクとも関連のあるキャラクターなので、今後「ロキ」シリーズ以外にも登場する可能性はありそうです。

ジョスタコーラ

ロキとの話の最中に、メビウスはジョスタコーラを飲んでいます。

©2021 MARVEL,Disney

ジョスタはペプシから発売されていたエナジードリンクですが、1995年から1999年の間しか販売されていません。タイムトラベル可能なTVA職員ですから、販売終了していても関係ないのは羨ましい所です。

なお、メビウスによると悪夢を扱う部署もTVAには存在するらしいですが、詳細は語られません。

宇宙の王ロキ

ミッドガルドの王になるというロキを、「その後は?」とからかい、最終的には宇宙の王まで行き着きます。

©2021 MARVEL,Disney

コミックにはキング・ロキというキャラクターが存在し、自力でタイムトラベル、テレポーテーション、死者蘇生など操ることが出来る強力なヴァリアント・ロキです。キング・ロキは映画「ソー:ラブ&サンダー」のヴィランであるゴアとも戦いますが、トム・ヒドルストンさんが言うにはロキはラブ&サンダーには登場しないとの事。

コールソンの死

ロキの「ベスト盤」の中で、久々のコールソンが登場しました。

©2021 MARVEL,Disney

「エージェント・オブ・シールド」で発生したネクサス・イベントもTVAに処理されてしまったのでしょうか。

D.B.クーパー事件

D.B.クーパー事件は実在の事件であり、商業航空産業史上で唯一未解決のハイジャック事件です。(wikiより)クーパーは身代金20万ドルを強奪し、パラシュートで脱出した事までは分かっていますが、それ以降行方をくらましたままとなっています。

1972年にFBIが公表したクーパーの似顔絵ですが、ロキと似ているかも?

フリッガの死

ロキはまだ体験していない、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」でのフリッガの死を見せられ、案の定取り乱します。オーディンやソーに対してもそうでしたが、なんだかんだで家族の事は好きな様子のロキ。

こういう所がロキの人気の秘訣かもしれません。

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ペギー・カーター?

メビウスが席を外した隙に部屋を抜け出したロキですが、その背後には何やら見たことのある人影が。

©2021 MARVEL,Disney

顔までははっきり見えませんが、髪型の感じや服装などはエージェント・カーターそのもののようです。

ヴァリアント・カーターとして逮捕されてしまったのでしょうか。

ケイシー

部屋を抜け出したロキは4次元キューブを回収するためTVAの職員のもとへと向かいます。受付で出会った職員ケイシーに「キューブを返さないと魚みたいにさばくぞ」と脅すものの、ケイシーは魚が何かわからずに混乱します。

これはケイシーが事務方なので、仕事に関係のない知識はほとんど知らない可能性がありそうです。

現場に行くことが多いメビウスはロキの事を「子猫ちゃん」と揶揄しているので、地球の生物についてもある程度知っているものと思われます。アスガルド人に通用するのかはともかくですが。

結局ケイシーは魚が何なのか分からないままロキの気迫に負けてキューブを返します。その際、ケイシーの机の中には大量のインフィニティ・ストーンの他、アークリアクターのようなものや、ドクター・ストレンジに出てきそうな魔法のアイテムのようなものが無造作に保管されていました。

©2021 MARVEL,Disney

これらもTVAの謎の特性により無力化されているようです。

未来のロキ

キューブを取り返したロキですが、キューブも無力化されていて使えません。ハンターに追い詰められましたが、タイムツイスターを使って時間を巻き戻し、部屋へと戻ります。

メビウスがまだ戻っていないため、ロキはテープの続きを見始めます。「マイティ・ソー/バトルロイヤル」や「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のシーンが流れ、最終的にサノスに殺されるシーンまで再生しテープは終わりになります。

©2021 MARVEL,Disney

テープの最後にはETH-616と書かれており、コミックの正史にあたるEarth-616を指しているように思えますが、MCUは公式にEarth-199999であるため、なぜここで616なのかは気になるところです。

ロキを殺したサノスも未来で自分が殺される所を見た、というのは奇妙な共通点です。

ALWAYS WATCHING

TVAには少し不気味なポスターが貼られています。

©2021 MARVEL,Disney

ALWAYS WATCHING(いつも見ている)と書かれたポスターは何者かが監視しているようなイラストですが、この文言は「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のパワーブローカーを連想させます。

MUST BE PRUNED NEXUS EVENT

MUST BE PRUNED NEXUS EVENT(ネクサス・イベントは摘み取る)と書かれたポスターもあります。

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エンドゲームのラスト、スティーブ・ロジャースがストーンを過去に戻す旅に出る際にも、「悪い芽は全部摘み取る」と、このポスターと同じような事を話していました。

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明かされる本作のヴィラン

メビウスがロキに協力して欲しい理由は「TVAが追っている変異体がロキだから」という事が明かされました。フランスのシーンでも薄々わかっていましたが、1話にしてヴィランが明かされるのはある種の王道展開とも言えそうです。

1858年 オクラホマ

シーンが変わり1858年のオクラホマへと移ります。逃げているヴァリアント・ロキを追ってこの時代に来たようですが、そこで見つかった謎の道具は3000年紀のものであることが判明しました。

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※3000年代と勘違いしていました。3000年紀ですから2001年から3000年の間を指し、その初期ということですから、2001年から遅くても2500年までの物体という事になりそうです。

3000年と言えば、コミックでナサニエル(後の征服者カーン)がタイムマシンを利用して古代エジプトへ飛び、征服を始める時。本エピソードでは他にもカーンと関係のありそうなものがいくつか見られましたが、TVAが追っている犯人は本当にヴァリアント・ロキなのでしょうか。

この道具の先に人影を見つけたハンターたちは近寄りますが、罠にかかり、石油に火をつけられやられてしまいます。

©2021 MARVEL,Disney

かすった物体を削除してしまう強力な警棒とは裏腹に、魔法でもなくミュータントパワーでもなく地獄の炎でもなく、石油の炎で焼かれてしまうTVAのハンターたち。

武器の性能のわりに、防具はかなりイマイチなようです。


以上、今回のイースターエッグ、その他チェックポイントでした。

ドラマ「ロキ」は 毎週水曜日 16時より ディズニープラスで新エピソードを追加配信中。次回、第2話は 2021年6月16日 配信です。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」6話のイースターエッグをピックアップ

2021年4月23日配信のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」エピソード6「世界はひとつ、人はひとつ」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

バーンズ軍曹

バッキーが封鎖している部隊を横切る際にバーンズ軍曹と呼ばれました。

©2021 MARVEL,Disney

バッキーは映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の作中で軍曹に昇格していました。バッキーは一度は戦死として扱われているはずですが、その後ウィンター・ソルジャーがバッキーであると判明した際には階級は剥奪、そして恩赦によって階級が戻ってきたと考えていいのでしょうか?それとも単純にこの人物が敬意を込めてもとの階級をつけて呼称したのかもしれません。

ナノマスク

現場に入る直前にバッキーは一人の人物に呼び止められました。

©2021 MARVEL,Disney

この人物はシャロンがS.H.I.E.L.D.のガジェットであるナノマスクを使用して変装をしていました。

ナノマスクは映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でブラックウィドウが世界安全保障委員会の女性ホーリーに変装するのに使用していた他、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」でもかなり活躍しました。

新しいファルコンのスーツ

前回ワカンダからの贈り物として受け取った新たなスーツはかなりコミックに忠実なデザインとなっています。

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カラーリングもスティーブ・ロジャースのキャプテン・アメリカと同じく、青、赤、白をベースにしていますが、スティーブと比べると白の比率が高くなっています。

都市伝説

窓ガラスを破ってさっそうと現れたサムがフラッグスマッシャーズ(に感化された人)を倒したところに一人の男性が「すみません、あなたは?」と問いかけます。サムが「キャプテン・アメリカだ」と答えると、男は「月にいるかと思ってた」とこぼします。

©2021 MARVEL,Disney

1話でトレスが「キャプテン・アメリカは月にいる」という都市伝説があると話していましが、かなり広く知られている都市伝説のようです。

キャプテン・アメリカ(サム)対バトロック

1話で対戦した両者ですが、この最終話でも再度対戦することになりました。

実はコミックでもサムがキャプテン・アメリカとして初対決したのはバトロックであり、コミック「All-New Captain America (2014) #1」にて描かれています。

新スーツの新たな機能

視聴者の誰もが楽しみにしていた新スーツですが、新機能については特に描写されませんでした。落下するヘリから盾と翼で人を守るあたりは、スーツがワカンダのヴィブラニウムで作られていることをほのめかすシーンとなっていました。

少しぐらいなら水中におちても機能が停止しないこともわかりましたが、これまでのスーツが水中でどうだったかは不明なので新機能と言えるかは難しいところです。

ゴーグルがARディスプレイであることや、腕にタッチパネル式のコントローラーがついているあたりは従来のスーツ機能を踏襲しています。

ヴィブラニウムで制作されているブラックパンサースーツのように、衝撃を吸収して跳ね返す機能は見られませんでした。

しかし、翼による高速移動を利用して投げた盾に追いつける事や、スティーブと違ってパワー不足である点を補うために翼を利用して縦回転しながら盾を投げるなど、サムならではの新しいシールドアクションを見せてくれました。

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ジャックナイフ

バッキーがジャックナイフ走行から体ごと前に飛び、フラッグスマッシャーズに激突しました。

©2021 MARVEL,Disney

このアクションは映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でスティーブがクインジェットに向かって同様の事をしています。

ジョンの決断

サムが人を守るために盾を使う描写が多い一方で、ジョンは盾を攻撃のために振るいます。フラッグスマッシャーズを追い詰めたジョンでしたが、盾と復讐を一旦諦め、人命救助を優先しました。

©2021 MARVEL,Disney

せっかく良いことをしたジョンでしたが、フラッグスマッシャーズの邪魔もあり失敗し、美味しいところをサムに持っていかれる事になりました。

見ていた市民は「あいつはブラック・ファルコンだ」「いや、キャプテン・アメリカだよ」とサムをキャプテン・アメリカと認め始めるシーンとなっています。しかし、これまでにサムが盾を持つ苦悩は描かれていましたが、実際に市民がどう感じていたかは描かれていないのでやや唐突なシーンになっています。

その後、少し後のシーンでジョンは「厳格な正義より慈悲が実りを豊かにする」と言いながら逃走するフラッグ・スマッシャーズの前に立ちはだかります。これはアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉で、正義を厳格に遂行していくよりも、慈悲の心が世界を豊かにするという意味。ジョンは復讐にとらわれた正義を振りかざす事をやめフラッグスマッシャーズを警察に任せるのでした。「リンカーンとはね」、「偉大な人物だ」、「格好つけるな」と隣にいたバッキーとも打ち解けつつ去っていくのでした。

パワーブローカー

シャロンがパワーブローカーである事が判明しました。当ブログでも反証材料など色々考察してみましたが、そもそもとしてシャロンは超人血清が最優先でもなく、カーリたちに殺すメッセージを送っていたにも関わらず仲間になるよう口説きます。

©2021 MARVEL,Disney

この場にバトロックも登場し、パワーブローカーの正体を知ったバトロックは報酬を4倍にしないと正体を世界にバラすとシャロンを脅迫。シャロンはバトロックを射殺しますが、その隙にカーリに腹部を撃たれてしまいます。

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戦う気はない

遅れて到着したサムはシャロンの大事な話をまったく聞けていません。カーリの攻撃に対してサムは自分の身を守ることに徹します。

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このときのセリフは、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でスティーブがバッキーの攻撃に耐えていたときと同じものになっています。

カーリの最期

シャロンが隙を見てカーリに発砲し、カーリは倒れました。2話のフラッグスマッシャーズ、マティアスも空港で銃殺されていますし、ネイゲル博士の超人血清はスティーブが接種したアースキン博士のものと比べると特殊な装置が必要ないという手軽さは向上しましたが、耐久力に関しての効果はかなり疑問です。

映画「インクレディブル・ハルク」でハルクは陸軍の武器を物ともしない他、ヘリの射撃すらろくにききませんでした。そんなハルクは映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でサノスのパンチであっさりやられますが、スティーブはそのサノスに殴られても一度はなんとか立ち上がる姿勢を見せました。また、スティーブは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で無防備な背後からウィンター・ソルジャーに腹部などを撃ち抜かれた際もダメージは受けよろめいていましたが、もちろん致命傷ではありませんでした。

こうしてみるとネイゲル博士の血清は、本人は誇らしげに語っていたものの、あまり出来がいいとは言えないのかもしれません。シャロンは効果の低さを理解したうえで血清や博士を餌にした可能性すら勘ぐってしまいます。

あるいは、シャロンの持つ銃が地球で考えうる以上の殺傷力を持っている可能性もあるかもしれません。

サムの決意

カーリを救急隊に引き渡し、サムはGRCのメンバーたちに歩み寄ります。マスコミが取り囲む中、国防長官たちはサムに礼を述べますが、予定通り計画を進めるという彼らにサムは苦言を呈します。

パワーの使い方でヒーローになるかヴィランになるかが決まるのはヒーロー作品のセオリーですが、政治的な権力も同じことだとサムは言います。ひとつのメールでトニー・スタークになるかサノスになるか、ヒーローだけでなく政治家も同じことだと告げました。

トレスの現況

サムがGRCの面々と話をしている間、トレスはネットで中継を見ながら何かを修理していました。託されたファルコンスーツを修理していた、と思いたいところですが、断言できるほどはっきりとした描写ではありませんでした。

足を撃たれたシャロン?

銃で撃たれた傷を抑えるシャロンは吹替版では「足を撃たれた」といいました。

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日本語字幕では「参ったわ」となっており、英語で聞いても足とは言っていません。映像で見てもベルトより上、腹部を抑えているわけで、なぜこういう吹替になったのかは少し疑問なところです。

セリフ内容はともかく、超人血清を撃っていたはずのカーリがあっさり死んで、シャロンが病院に行かないのもやや気になる所です。バッキーはこれを「シャロンがまだ逃走中の身だから」と解釈しているようですが、シャロンがなんらかの強化を受けているか、地球人ではなくなっている可能性も考慮する必要があるかもしれません。

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のフューリーとマリア・ヒルのように「別人」がシャロンになっている可能性はあるかもしれません。

追跡依頼

ハドソン川におちたフラッグスマッシャーズの追跡をして欲しいと新しいキャプテン・アメリカとなったサムのもとに依頼が届きます。

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彼は「キャプテン・アメリカが月にいる」という都市伝説を信じていた、本エピソードの冒頭に登場した男性です。

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ジモの執事

ジモの執事エズニックが再登場し、「後始末」を行いました。

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ラフトに連行されるはずだったフラッグスマッシャーズはほぼ確実に死亡しました。そして護送の任務にあたっていた運転手たちも恐らくは。エズニックは単なる人のいいおじいちゃんではなかったようです。

ジモのフィナーレ

ラフトに収監されていたジモはラジオでフラッグスマッシャーズの最期のニュースを耳にし、ほくそ笑みます。

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8人いたフラッグスマッシャーズの結末を整理すると以下のようになります。

  • カーリ:シャロンに撃たれ(おそらく)死亡
  • ドヴィッチ:護送車爆破により死亡
  • ジジ:護送車爆破により死亡
  • ディーディー:護送車爆破により死亡
  • レノックス:シャロンに地下駐車場で殺害される
  • ディエゴ:人質をヘリで運んでいて川に落とされた。サムに追跡依頼が来る。
  • マティアス:2話でパワーブローカーの手下に殺害される
  • ニコ:4話でジョンに殺害される

ニュースは「4人が移送中に」と伝えているものの、実際に護送車が爆破される直前のシーンで乗り込んだフラッグスマッシャーズは3人です。

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川から救助されたディエゴはこの場にいなかったのでおそらく別の護送車に乗せられたはずです。2車両のうちひとつが爆破されたらもう一方は極めて厳重な警戒になるはずで、それでいてなお後始末が実行されたのであればエズニック執事の腕はウィンター・ソルジャーに匹敵すると言ってもいいかもしれません。

好意的に解釈するなら、ディエゴを保護するために政府がフェイクニュースを流したという設定でも辻褄はあうかもしれません。また、ディエゴの生存が伏線になる可能性もあるかもしれません。カーリもはっきりと死亡が言及されてはいません。さらに護送車に3人が乗せられた時にドアを締めた人物は、フラッグスマッシャーズの意志に共感する人間が残っている事を示していました。もしくは単純な制作ミスかもしれません。

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ジョンの再出発

ジョン・ウォーカーはコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(以下ヴァル)の手引によって新たなコスチュームをまとい、U.S.エージェントとして再出発することになりました。

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ヴァルは「これから色々普通じゃなくなる」と今後のMCUで何かが起こる事を示唆し、「その時にキャプテン・アメリカは必要ない」と語って去っていきます。去り際には前回とは逆に「ヴァルって呼ばないで」と言いながら。

ジョンや妻のオリヴィアの喜びようから察するに、彼らはヒーロー活動を続けるという認識をしているようです。今回のエピソードでは人助けするシーンもありヴィラン化一直線の道を歩むのは一旦ストップしましたが、ジョンの将来にはまだまだ不安な点が多そうです。

ジョンが4話の凶行以降、世間でどのような捉え方をされているかはついに描かれませんでした。キャプテンの盾を汚したひどいやつだと罵る人も、テロリストを殺してくれてありがとうという人もいそうなものですが、マスコミや市民がどう考えているかは不明のままです。

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バッキーの償い

バッキーはすべての線を引き終えた償いリストであるスティーブのノートをレイナー博士の所へおいてきました。

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ヨリへの償いも多くは描かれませんでしたが、ヨリの寿司屋での元気な姿を見る限り、きっと赦されたのでしょう。

イザイアのフィナーレ

イザイアの事はサムの手引によってスティーブと同じく博物館にて真の歴史が公開されるようになりました。

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そこにはアメリカの英雄と書かれており、今後MCUのアメリカの中で広く伝えられて行くことになりそうです。

バッキーは子供に大人気

サムの地元に凱旋した二人ですが、バッキーは子供に大人気。ワカンダでも子供に人気があることが映画「ブラックパンサー」でも描写されていましたが、ここでも同様でした。

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償いリストが終了したこともあるせいか、これまでにないバッキーの姿を見ることが出来ました。

キャプテン・アメリカ&ウィンター・ソルジャー

そして暗転し本作のタイトルが「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」から「キャプテン・アメリカ&ウィンター・ソルジャー」へと変化します。

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いわゆるシーズン2はこのタイトルに変わるのかもしれません。

とりあえず今作は「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」として今後もこのブログでは取り扱って行きます。

エージェント・カーター

ポストクレジットではシャロンが登場し、政府から恩赦を受けることに成功します。

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シャロンがエージェント・カーターと呼ばれるのは初めてで、ペギー・カーターに対して政府が信頼と尊敬をしていた事の証のようにも思えます。しかしその反面、シャロンは次の計画を始めるような不穏な電話をしていました。

結局のところシャロン目線で見れば、シビル・ウォーで法を犯し、逃亡者の身になってまでスティーブに渡した盾を、1話でサムが博物館に返す会見を見たときには言い表せない気持ちになったと思います。厳密には違う盾ですが、それは視聴者とせいぜいアベンジャーズ側のキャラクターのみが知っている事です。ヴァルは何故か知っている様子でしたが。

シャロンがスクラルである場合はドラマ「シークレット・インベージョン」へと繋がって行きそうですが、仮にそうだとした場合、やはり金が目的ではないかもしれません。地球を混乱させることや国の戦力ダウンを狙っている可能性があります。

このシャロンがスクラルで、さらにナノマスクを持っているとなるとかなりややこしい事に・・・。

また、「開発兵器の情報が手に入る」と言ったあたりはトニー・スタークの技術が盗まれる事で勃発するイベントのドラマ作品「アーマー・ウォーズ」への線もうっすら見えているように思えます。

シャロンが闇落ちしたか、コミックのように洗脳されているのか、あるいは別人なのかはまだ確定していませんが、俳優エミリー・ヴァンキャンプさんの再登場は確実と言えそうです。はたしてカーターの血統が正義の名の下で輝く日は戻ってくるのでしょうか。


ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」シーズン1はディズニープラスで全話配信中です。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」5話のイースターエッグをピックアップ

2021年4月16日配信のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」エピソード5「真実」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

真実

今回のエピソードタイトルはロバート・モラレスさんが執筆した2003年のコミックシリーズ「Truth:Red,White&Black」に由来しています。このコミックではイザイアの朝鮮戦争時代が描かれていました。

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I am Captain America.

自信満々に自らをアイアンマンだと主張したトニーと違い、ジョンは自己暗示をかけるように繰り返します。結局のところ、ジョンは政府に与えられた任務に応えようとしたあまりこのような結果になってしまいました。

ファルコン&ウィンター・ソルジャー vs. キャプテン・アメリカ

サムとバッキーがジョンと一戦交えるシーンは映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」をオマージュした構図がいくつか見られます。

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盾を奪い返すことに成功したバッキーは盾をサムに向かって放り投げます。この状況の原因のひとつがサムであることに不満と怒りを抱えているようですが、それでもスティーブの意志を尊重し、「俺が貰う」と言っていたにも関わらずサムに盾を預けます。

壊れた翼

サムはキャップの盾を手にし、壊れたファルコンスーツをホアキンに託していきます。

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コミックのホアキンはサムがキャプテン・アメリカとなった際に2代目ファルコンとなりましたが、それ以前にホアキンはヴィランに人体改造され、本物の翼をはやした鳥人でした。残酷な部分をカットしつつ、2代目ファルコン誕生の可能性が与えられる事になりました。

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不名誉除隊

ジョンは諮問委員会から不名誉除隊を通告されました。キャプテン・アメリカとしての肩書も権限も奪われ、当然階級も恩給も与えられません。その上供述の機会さえ与えられないようです。

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現実の米軍は記憶に新しいところで2011年や2019年にテロリストと認定したグループのリーダーを殺害しています。当事者は不名誉除隊なのでしょうか?現実と比較すると少し不思議な展開でした。

これまで政府の指示に従い行動し、史上初の名誉勲章3つを受章したジョンに対して極めて重い罰となりました。ジョンのこれまでの政府に対する忠誠心を考えると、アフガニスタンのトラウマの件も政府の指示でやった可能性が高いようにも思えます。

とは言えジョンがやったことはキャプテン・アメリカとしては許される事ではありませんでした。

コンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ

肩を落とすジョンと妻に歩み寄ってきた女性は「ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌよ」と名乗ります。「正式には”伯爵夫人”もつくんだけど」と付け加え、ヴァルと呼んでと告げたこの女性は「私だってきっと殺してた」とジョンの心に寄り添う姿勢を見せます。

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それだけでなく、ヴァルはジョンが血清を打ったことを知っており、「あなたの価値が一部で高騰している」と告げます。さらにヴァルは盾が政府のものではないことを話します。確かに本作の物語の中心である盾は、映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」でハワード・スタークが戦争中に米軍と作り、エンドゲームまで使用していた盾ではありません。別のマルチバースからスティーブが持ってきたものです。スティーブとカーターがダンス出来た世界の米政府のものである可能性はありますが、少なくともこの世界の米政府のものではないという意味でグレーゾーンだと表現しているようです。そこまで知っている人物ということです。

ヴァルはコミックにも登場する人物で、コミックではコンテッサとも呼ばれています。コンテッサは伯爵夫人の意味で、英語字幕をオンにすると 「it’s Contessa Valentina Allegra de Frontaine.」と自己紹介していることも分かります。

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コンテッサことヴァルは1967年のコミック Strange Tales #159 で初登場しています。歴史の長いキャラクターであるヴァルは初対面でフューリーを投げ飛ばしたことがありましたが、以降二人は長く恋仲に。S.H.I.E.L.D.アカデミーを卒業したヴァルはエージェント14として活動します。その後シークレット・インベージョンではスクラルに取って代わられましたが、このシリーズで大きな役割を果たしたあと、ヴァルはヒドラへと入りマダム・ヒドラを名乗る事になりました。しかしヴァルは最終的にS.H.I.E.L.D.でもヒドラでもなく、ロシアのスパイ組織リヴァイアサンのメンバーでした。

ちなみにリヴァイアサンはドラマ「エージェント・カーター」のヴィランとして登場しています。ディズニープラスで視聴可能です。

今回登場したヴァルは既にヴィランサイドに身をおいているように見えますが、コミックのどの部分を継承しているのかは今の所不明です。今後「シークレット・インベージョン」はドラマ化がアナウンスされているため、そこで再登場する可能性が高いと考えられます。

なお、本来の公開スケジュール通りであれば映画「ブラックウィドウ」でヴァルがデビューしていた可能性が指摘されています。

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ソコヴィア記念碑

ソコヴィア記念碑を訪れていたジモの前にバッキーがあらわれ、銃を突きつけます。しかし第1話で言及されたセラピストとの3つのルールに従い、血を流すことはありませんでした。そしてジモは恨みはない事を告げ、償いリストから名前を消してあることを明かします。

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この記念碑は映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」での事件が原因で建てられたもので、ここへ来ることが妻と子供をその事件で亡くしたジモの目的のひとつだったと考えられます。

ラフト刑務所

ドーラミラージュがあらわれ、ジモをラフト刑務所へ引き渡すことが明かされました。

from 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」©2016 MARVEL,Disney

ラフト刑務所は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に登場した刑務所で、当時はサディアス・ロスの管轄でした。コミックではロス、ジモ、そしてバッキーの3人はヴィランチームであるサンダーボルツを率いた事があり、この3人が線で繋がりそうな瞬間となりました。

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のラストではサムやワンダたちがスティーブの手引によって脱獄をしており、そのセキュリティにやや心配な部分があります。ラフトの詳細はMCUで描かれていませんが、コミックどおりヴィランを専用に収監している施設であれば、ラフトは世界一危険な場所とも言えます。

この先ジモがラフトで誰かと結託する可能性は少なからずありそうです。

バッキーの頼み事

バッキーがアヨに頼んだのはサム用の新しいウイングスーツです。MCUのサムは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でデビューし、当時は米軍由来のウイングスーツを着て登場しました。これはすなわちスターク製のスーツです。

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一方コミックのサムが飛べるようになったのは、ブラックパンサーから譲り受けたハーネスが最初でした。

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332部隊

332は、第二次世界大戦のタスキーギエアメンの別名であり、主に黒人兵士が駐屯する陸軍空軍の有名な部隊です。軍隊は1948年まで人種的に隔離されていました。

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イザイアの真実

イザイアの語る真実は、コミックの設定をほぼ踏襲しています。

スティーブが仲間の救出のために命令を無視して単身敵地へと向かったのと同じく、イザイアも仲間を救うために行動していた事が明かされました。しかしその結末は大きく異っていた事が判明します。スティーブが英雄として扱われた事に対して、イザイアは人体実験される事になりました。

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船の修理

バッキーがワカンダからの贈り物を届けてくれたシーンです。1970年のコミック「キャプテン・アメリカ #170」でサムが初めて空を飛べるようになった時同様ワカンダ製の翼となるでしょう。

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「メタルアームを使えばいいのに」というサムに「右利きだから」と答えたバッキーですが、指摘が気になったのか工具まで左手で扱うようになりました。

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レマーの家族

レマーの家族に報告にいったジョンはそこで嘘をつきました。ニコはカーリの仲間ですが、レマーを殺した張本人ではありません。

レマーの両親が泣き崩れているのに対して、レマーの姉or妹は冷ややかな表情でジョンを見つめているのが印象的です。何らかの展開がありそうにも思えるシーンですが、IMDbによると彼女の登場はこの1話だけのようです。

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シャロン

シャロンの電話相手はディズニープラスの字幕機能をオンにするとバトロックである事がわかります。

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バトロックは「お前のせいでチームの半分を失った」といい、シャロンが「今度は2倍払う」と言っている事から、本作1話の冒頭でバトロックがヴァッサン空軍大尉を誘拐したのはシャロンの依頼だったと考えられます。もし実際にそうであれば恩赦を得るどころかますます状況は悪くなるはずで、シャロンの事が心配になります。

ハリウッドの暗黙のルール「ヴィランはアップル製品を使わせて貰えない」という説もありますが果たして。

もうスティーブはいない

サムが「スティーブはいない」事を明らかにしました。もといたこの世界で亡くなったのか、ペギーと過ごした世界に戻ったのかは言及されませんでした。これにより、スティーブがメンター的に登場するのでは?といった可能性は限りなくゼロになったようです。

サムとバッキーの和解

このシーンでサムとバッキーがお互いの心情をようやく理解しました。サムはバッキーに「まず一人救え」とアドバイスします。

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「キャプテン・アメリカ」らしさを感じる一言でした。

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船は売らない

土壇場でサラは船を売らない決心をしました。船はサラにとっての盾であり、引き継いだ遺産です。姉のサラと弟のサムはともに遺産を守るために立ち上がり、戦うことを決心しました。

サムはイザイアこそが相応しいと考えつつも、ひっそりと過ごしたい彼の意志を尊重しつつ、自ら立ち上がる決意をしました。

サムのトレーニングシーン

ヒーローがデビューする際にトレーニングシーンは欠かせません。何にでも練習は必要です。かつてのトニー・スタークもスーツを作ってはテストを繰り返していました。

使われているBGMはエンディングテーマにもなっている曲で、タイトルは「Louisiana Hero」。ルイジアナというタイトルから、サム専用の曲であることがわかります。

バトロック再登場

バトロックはカーリに武器を渡しました。今夜のテロで使う武器のようです。そして、同時にシャロンの依頼も実行されるはずです。カーリの殺害を依頼している可能性は高そうですが、市民に被害が出てしまえばシャロンの帰る場所はなくなってしまうでしょう。

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ただしバトロック自身はテロやフラッグスマッシャーズ、GRCに興味はなく、現れるであろうファルコンをターゲットに見据えているようです。

GRCの採決

GRCがニューヨークで区画法令の採決を取っています。サノスによって人口が半分になっていた時期にアメリカは国外から人を受け入れ復興につとめていたようですが、アベンジャーズたちがあらためてサノスに勝利したことで消えていた人たちが戻り、受け入れていた人手が突如不要となったので追い出すための法令のようです。

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かなり自分勝手な政府であり、やはりGRCも本作のヴィランのひとつであると言えます。とはいえMCUでの米政府の勝手さは今に始まったことではないので、さほど衝撃でもありませんでした。

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世界はひとつ、人間もひとつ

GRCの中にもフラッグスマッシャーズに共感する人間がいました。かつてのヒドラのようにこっそりと合言葉を交わしています。

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この言葉をきっかけに停電となり、次回フラッグスマッシャーズが動き出すようです。

サムの新スーツ

新スーツはお披露目されませんでした。隙間からわずかに見る事は出来ますが、リーク通りのものになるかはこの段階ではなんとも言えません。

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ジョン・ウォーカーの新たな盾

先日公開された予告でやや作りの粗い盾を見ることが出来ていましたが、自作していた事で合点がいきます。こういった制作風景はどうしてもトニー・スタークを思い出しますが、ジョンの行動原理的には「アイアンマン2」のヴィラン、イワン・ヴァンコがアークリアクターを作ったシーンと重ねたほうが自然かもしれません。

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コミックのジョンはキャプテン・アメリカを引退する際に盾とコスチュームをスティーブに返却した後、記憶を消され、ザ・キャプテンのコスチュームを着用してUSエージェントを名乗ることになりました。

ヴァルの勧誘を受けたジョンはこのままヴィランの道を歩むのでしょうか?それとも贖罪の代わりとして、誰か(市民、あるいはサムやバッキー)を守って命を落としたりするのでしょうか?


ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第6話は 2021年4月23日(金)16時より ディズニープラスで配信です。