ソニー・ピクチャーズ制作の映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」のピーター・ラムジー監督が、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」に対する批判について「全くのデタラメだ」だとして擁護しています。
先週、ニューヨーク・タイムズのディールブック・サミットに出席したディズニーのボブ・アイガーCEOは「マーベルズ」の失敗の原因として「幹部による現場の監督が不足していた」と説明。
この発言はネット上で波紋を呼び多くのファンが眉をひそめていましたが、これに他社ライバル作品とも言える映画「アクロス・ザ・スパイダーバース」を制作したピーター・ラムジー監督がCEOを批判し、「マーベルズ」を援護する立場を表明しました。
Astounding level of bullshit https://t.co/E4Rj1NHMd7
— Peter (or is it?) Ramsey (@pramsey342) November 30, 2023
スター・ウォーズの「マンダロリアン」、「アソーカ」のエピソード監督としてディズニー傘下でも仕事をした経験をもつラムジー監督は、アイガーCEOの発言に対して「全くのデタラメだ」とコメント。続く投稿でも、「(ファンが)映画を気に入らない原因が、監督にあるかどうかどうやってわかるんだ?」と疑問を呈し、「(CEOは)明確にわかる言葉で伝えなければならない」と指摘、「マーベルにおける問題は根が深い」と締めています。
ラムジー監督はMCUのヒットについて「ケヴィン・ファイギ社長らのおかげ」とマーベル・スタジオ幹部らの貢献があっての結果である事を認めつつも、彼らの関与なしにヒットしないというボブ・アイガーCEOの言い方には不満があるようです。
以前は小説家のスティーヴン・キングさんも「マーベルズ」の苦戦に対して自論を展開、擁護する立場にまわっており、意外な味方の登場が続いている状態ですが、だからといって興収が改善されているわけではありません。
Comicbook.com のレポートでは11月末時点の「マーベルズ」の成績と他作品の比較は次のようになっています。
※金額の単位は億ドル
タイトル | 米国 | 米国外 | 世界 |
マーベルズ | 0.8 | 1.16 | 1.97 |
インクレディブル・ハルク | 1.34 | 1.30 | 2.65 |
キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー | 1.76 | 1.93 | 3.70 |
ブラックウィドウ | 1.83 | 1.96 | 3.79 |
エターナルズ | 1.64 | 2.36 | 4.01 |
また、同記事ではディズニーはこれで「マーベルズ」の興収の報告を中止すると発表したと報告しており、劇場公開がまだ数週間残されているにも関わらず、ディズニーは「マーベルズ」に対してもはや何も期待していないようです。
ディズニーが劇場でのチケット売上に対して期待しなくなったのであれば、ディズニープラスでの配信日が予想よりも早くなる可能性はあるかもしれません。
スパイダーマンとマーベルズが新たなチームを組んで、アイガーCEOの考えを打ち砕いていく事が出来るのでしょうか?
映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 より劇場公開中です。