映画「クレイヴン・ザ・ハンター」、来週から米デジタルリリース開始へ

ソニー・ピクチャーズが制作するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」が来週から米国内でデジタルリリースされる事が、各種海外メディアの報道により明らかとなりました。

記事によると、ソニー・ピクチャーズの「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2025年1月14日 から VOD とデジタルプラットフォームに登場する予定との事。

12月13日にアメリカで劇場公開された映画は、わずか一ヶ月でデジタルリリースとなるようです。

本作は制作費が1億1000万ドルとされており、それにプラスアルファして宣伝費が上乗せされる形となっていますが、記事執筆時点での世界興行収入は 5900万ドルにわずかに届かずと行った所。(from boxofficemojo)大きな赤字となる事がほぼ確定しています。

Rotten Tomatoes では批評家レビューが17%と酷評されながらも一般レビューのスコアは74%と十分な値を示していますが、残念なことに客足は伸びませんでした。

6年間に及ぶ制作に難航した「クレイヴン・ザ・ハンター」は映画の内容としてはそこまでひどくはありませんでしたが、結局はスパイダーマン不在に愛想を尽かされてしまいました。

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スパイダーマンが登場しないという選択は、ソニーの制作幹部の勘違いから来ていたとも報じられています。

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今週はSSUの今後について、新たな報道もされていました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/new-sonys-spider-man-universe-focuses-on-spider-variants/”]

ソース:Kraven the Hunter Seemingly Set for Imminent Digital Release

【噂話】新しいSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)はスパイダーマンたちにフォーカスすると言う

ソニー・ピクチャーズが展開してきたSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)は 2024年の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で一旦の終わりとなる事が報告されています。このシリーズは2018年の映画「ヴェノム」の大ヒットに始まり、大きな期待を集めていましたが、残念なことに右肩下がりとなってしまいました。

ソニーは「ヴェノム」以降、「マダム・ウェブ」を除いてスパイダーマンの悪役を主人公にした映画を制作し続けてきましたが、「ヴェノム」三部作以外はかなり厳しい結果となり、「モービウス」などは数字としてはそれなりのものを記録しましたが、期待の大きさの反動から駄作とも称されています。

中止やリブートが噂されるSSUですが、スクーパーの MTTSH 氏はソニーが新たに「今後のプロジェクトはスパイダーマンのヴァリアントのみに焦点が当てられる。」と報じました。

これはつまり、スパイダーグウェンやスパイダーウーマンやシルク、スパイダーパンクやスパイダーマン2099が主人公となる実写映画、あるいはドラマが制作される事が予想され、言うなればスパイダーバースの実写版が展開される可能性があります。

ただし、スパイダーバースの主人公でもあるマイルズ・モラレス(マイルス・モラレス)はMCUでデビューする事がケヴィン・ファイギ社長の口から認められており、新しくなるというSSUに登場するかどうかは不明です。

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「クレイヴン・ザ・ハンター」でSSUが終わると報道されて以降、SSUの初ドラマとされてきた「スパイダー・ノワール」がどう言った位置づけになるのかといった疑問もありましたが、新SSU(非公式名称)の第一弾作品として機能する展開になるのでしょうか?

ソース:RUMOR: Future Sony Marvel Movies Could Revolve Solely Around SPIDER-MAN Variants

SSU制作に関与したソニーの幹部の退社が報じられる

海外メディア The Hollywood Reporter がコロンビア・ピクチャーズ所属でSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画の制作に携わったパラク・パテル氏がスタジオを去ることを明らかにしました。 SSUの興行不振との直接的な関係があるかは分かっていません。

パラク・パテル氏は、視覚効果会社 DNEG の財務および制作部門であるプライム・フォーカス・スタジオの最高コンテンツ責任者に任命されていました。

パテル氏は10年近くソニーとコロンビアで働き、「ヴェノム」 、「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」、「ヴェノム:ザ・ラストダンス」、「モービウス」、「マダム・ウェブ」、「クレイヴン・ザ・ハンター」に携わってきました。

ヴェノム三部作は興行的には成功しましたが、シリーズを追うごとに右肩下がりに。残りは全てソニーの失敗作として名前があげられる作品となってしまいました。パテル氏はこれ以外にもMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のスパイダーマン映画でも責任者を務めています。

海外メディア CBM はヴェノムがMCUに参加するように見えてすぐに退場したのは彼の責任である事を示唆し、パテル氏の離脱は「スパイダーマン4」から「スパイダーマン6」までの新三部作にとってプラスになるかもしれないと報じています。

ソニーは今月、CEOも新しくなる事で、中断あるいは再起動とされるソニーのマーベル映画への影響は大きくなることが予想されています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/sony-pictures-ceo-comments-madame-web-and-kraven-the-hunter/”]

ソース:Palak Patel, Executive Who Oversaw ‘Venom’ Movies, Named CCO for Prime Focus Studios (Exclusive)

ドラマ「ミズ・マーベル」のイマン・ヴェラーニさんが「マダム・ウェブ」に星0.5をつける

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」や映画「ザ・マーベルズ」でミズ・マーベル/カマラ・カーンを演じたイマン・ヴェラーニさんが先週、Letterboxd のアカウントに復帰。500本以上の映画のレビューを追加共有しました。

通常、俳優が他作品をレビューする事はあまりありませんが、2020年にマーベル・スタジオに抜擢される前、2019年から Letterboxd のアカウントを開設し、ただの映画オタクとして活動していたイマン・ヴェラーニさんはその後も活動を継続。ここ一年ほどは休止していましたが、今週、再開していることが確認されました。

自称マーベルオタクでもあるイマン・ヴェラーニさんは同アカウントでこれまでに1800近い映画を視聴している事をマークし、新たに追加された約500の中にはSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「マダム・ウェブ」があり、星の数は最大5個中わずか0.5個という不満の出来栄えに終わったようです。

さらに「ヴェノム:ザ・ラストダンス」は星0個と評価、コミックの人気キャラを活かしきれなかった事による至極残念な結果となりました。

なお、「アメイジング・スパイダーマン2」も「マダム・ウェブ」と同様の星0.5評価をつけています。

ヴェラーニさんが星5評価をしているのは記事執筆時点で 196本 で、その中でのマーベル映画は「アベンジャーズ」、「アベンジャーズ/エンドゲーム」、「ベイマックス」、「ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー」、「ブラックウィドウ」、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Volume 3」、「アイアンマン」、「ローガン」、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」、「スパイダーマン:イントゥ・ザ・スパイダーバース」、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」となっています。

マーベル作品以外では「エイリアン」や「となりのトトロ」などが星5の最高評価を獲得しています。

地球上で最も好きな三人として「ロバート・ダウニー・Jr、ビリー・ジョエル、ケヴィン・ファイギ」と答えるイマン・ヴェラーニさんは、ミズ・マーベルとしてデビューする前に自作のマーベル関連のショートフィルムを制作していたことが、ドラマの配信前に発覚。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-ms-marvel-iman-vellani-short-film/”]

当時、カマラ・カーンと同様に重度のオタクであるとして、ぴったりのキャスティングだと話題になりました。

次のミズ・マーベルの登場は公式には発表されていませんが、アベンジャーズの新作映画、「ヤングアベンジャーズ」あるいは「チャンピオンズ」になるとされている若手ヒーローチームのドラマ、そして「ミズ・マーベル」のシーズン2などが舞台として期待されています。

それまでの間、イマン・ヴェラーニさんはマーベル・コミックのライターとして活動しています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ms-marvel-the-new-mutant-comic-iman-vellani/”]

「クレイヴン・ザ・ハンター」、ライノ役がミームシーンと映画の反響について語る

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」でライノ/アレクセイ・シツェビッチを演じたアレッサンドロ・ニヴォラさんが、海外メディア The Hollywood Reporter とのインタビューで、この映画に対する思いを語りました。

「ブルータリスト」での演技が称賛されると同時に「クレイヴン・ザ・ハンター」で酷評されるという珍しい状況に置かれているアレッサンドロ・ニヴォラさんは、実際にこの映画の裏で何があったのかはわからないとしつつも、現場は楽しかったと振り返りました。

舞台裏で何が起こっていたのか、本当にわかりません。この手の映画では、スタジオでの口論や、シェフが多すぎたとか、そういう話はよく聞きます。実際はわかりません。場での経験はすごく楽しかったですが、そのプロセスがどうだったかはよくわかりません。だから、舞台裏で問題があったという感覚はまったくありませんでした。でも、編集でいろいろな意見が出てくるので、おそらくその辺りははっきりしません。だから、私には何とも言えません。

また、映画の興行的失敗とは裏腹に、ネット上で人気を獲得しているアレクセイがクレイヴン暗殺の失敗の報告を聞くシーンについても言及。ニヴォラさんはここで奇妙な叫び声をあげていましたが、実際には無音だったと明かしました。

私が演じたとき、完全に無音でした。それは無音の叫びでした。私がそれをやると、セットにいる全員が笑いました。とても奇妙でしたが、みんなそれを気に入っていました。私たちはそれを「無音の叫びの瞬間」と名付けていました。

だから編集中に、無音の叫びがカットに残っているかどうかをJC(監督)に何度も尋ねました。彼は「ええ、もちろん。無音の叫びは絶対になくしません」と言いました。しかし、映画を見ると、あの喉声のつっかえ音があり、それがなければそれほど効果的ではなかったと思います。

どうやら監督は無音の叫びを絶対になくさないと約束していたにも関わらず、このシーンには謎の音が追加されていたとの事。ニヴォラさんは結果的にこれが功を奏したと考えているようです。

しかしポストプロダクションも監督の思うようには行かずに二転三転していた事を裏付けているようでもあり、開発当初からの混乱はずっと続いていたとも言えそうです。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-production-history/”]

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は劇場公開中です。

ソース:‘The Brutalist’ Star Alessandro Nivola Talks Unseen Backstory and ‘Kraven the Hunter’ Reception

ソニー・ピクチャーズCEOが「クレイヴン」と「マダム・ウェブ」の失敗について「理解出来ない」とコメントし、批評家を非難

ソニー・ピクチャーズのCEOを務めるアンソニー・ヴィンシクエラ氏が、海外メディア Los Angeles Times との対談の中で、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」が在籍約8年の中で、最悪の結果を出したことを認めつつ、「悪い映画ではない」と擁護しました。

来月の退任を控えているヴィンシクエラ氏はこれまでの活動を振り返る中で、今年、悪い方向で話題になったSSU映画に触れ、次のように述べています。

「マダム・ウェブ」が劇場で振るわなかったのは、マスコミが酷評したからです。悪い映画ではありませんでしたし、Netflix では素晴らしい視聴成績でした。どういうわけか、マスコミはクレイヴンとマダム・ウェブを映画化して欲しくないと判断し、批評家はこれらを酷評しました。ヴェノムでも同じことをされましたが、観客はヴェノムを愛し、ヴェノムは大ヒットしました。これらはひどい映画ではありません。どういうわけか、マスコミの批評家によって酷評されただけです。

Rotten Tomatoes のスコアによると、「クレイヴン・ザ・ハンター」のトマトメーターは16%、ポップコーンメーター(旧オーディエンススコア)は73%と比較的受け入れられており、「マダム・ウェブ」のトマトメーターは11%、ポップコーンメーターは55%と、こちらも最悪という程ではないのは事実なようです。

実際、同サイトにおけるワースト100の映画ではトマトメーターが0%から最大でも5%しかない、本当に最悪だとレビューされた映画が並んでいます。

しかしだからと言って、批評家の酷評がなければヒットしていたかという部分は疑問も残る所です。

「スパイダーマンユニバースの戦略は再考する必要があると思いますか?」と質問されたヴィンシクエラ氏は、「単に蛇に噛まれたというだけで、考え直す必要があると思います。もう一度出せば、それがどんなに良いか悪いかに関係なく、破壊されるでしょう。」とコメントし、再び挑戦する意思を示しました。

SSU の中断が囁かれる中で CEO の今回の発言は前向きにも取れますが、1月からの新 CEO がどのような方向へと舵を切っていくかはもう少し見守る必要があります。

ソース:Sony Pictures CEO Tony Vinciquerra talks ‘arms dealer’ strategy, defends ‘Spider-Man’ spinoffs

映画「ヴェノム:ザ・ラストダンス」、Blu-ray及び4kUHDが2025年1月21日に米発売

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「ヴェノム:ザ・ラストダンス」の Blu-ray ならびに 4k UHD が 2025年1月21日 に米国でリリースされる事が判明しました。これらの商品は映画が公開された 10月 時点で予約がスタートしていました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-venom-3-4k-uhd-and-blu-ray-pre-order/”]

dvdsreleasedates によると、この映画のディスクが 2025年1月21日 にリリースされるとの事で、今月 10日 からは米国の Amazonプライム・ビデオ と iTunes でもデジタル版が有料配信されています。

本作は海外の批評家レビューこそ低かったものの、一般レビューは約80%の支持を得るなど比較的好評でした。しかしながら興行収入は伸び悩み、ヴェノム映画3作の中で最低を記録。映画の公開からわずか1ヶ月半で有料配信へと切り替えられました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-venom-3-finishes-theatrical-run-and-start-digital-release/”]

「ザ・ラストダンス」には続編を予感させるものがいくつか存在していますが、「クレイヴン・ザ・ハンター」が公開された現状で、「ヴェノム4」が制作される可能性は低いと見られています。ただし、「ザ・ラストダンス」自体は赤字を回避している事もあり、続編がないとも言い切れないのは事実としてあるようです。

今後はマーベル・スタジオのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に委ねるのではとの噂もありますが、現時点ではそれらを裏付けるものは何もありません。今後の情報にも注目です。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」、SSU終焉までの暗黒の6年間の軌跡

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」が公開されて約2週間、全世界での興行収入は4200万ドルを越えましたが、制作費とされる1億1000万ドルには遠く及ばず、ソニーのマーベル映画史上最も低い数値となってしまいました。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は混迷を極める結果となりましたが、その制作過程すらも信じられないほどの困難を極めていました。今回の記事ではソニーにとって悪夢となってしまった「クレイヴン・ザ・ハンター」制作の歴史を振り返っていきます。また、SSUの他作品の動向についても随時紹介していきます。

2018年8月

2018年8月、プロジェクトの存在の可能性が報じられたあと、10月に「イコライザー2」の脚本家リチャード・ウェンク氏が「クレイヴン・ザ・ハンター」の執筆を始めている事を Discussing Film とのインタビューで認めました。

この月、「ヴェノム」が公開されたばかりでしたが、ファンはスパイダーマンの不在に嘆いていました。

ウェンク氏は「クレイヴン・ザ・ハンター」でスパイダーマンとの対決を予定していると発言していました。

“It’s in the Spider-Man universe. I’m going to adhere very closely to the lore of Kraven the Hunter, and he’s going to come face-to-face with Spider-Man,”

これはスパイダーマンの世界です。クレイヴン・ザ・ハンターの伝説に忠実に従い、彼はスパイダーマンと対決することになります。

2021年

プロジェクトが正式に確認されてから数年後の2021年5月、世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに翻弄されている最中、何も動きがなかった「クレイヴン・ザ・ハンター」の主演としてアーロン・テイラー=ジョンソンさんが起用された事が報じられました。

それと同時に、ソニーは当初、ブラッド・ピットさん、キアヌ・リーブスさん、アダム・ドライバーさん、ジョン・デヴィッド・ワシントンさんらをこの役の候補に挙げていたと報じられました

候補として報じられた俳優の体型や年齢に共通点がなく、キャスティングの焦点があっていないのではないかと当時のメディアも指摘。ブラッド・ピットさんはアーロン・テイラー=ジョンソンさんの倍近い年齢で、明らかに同じキャラクターの候補とは思えない状態。この段階から、ソニーは物語に必要な俳優ではなく、単に映画を売るためのスター俳優を探していただけだという事を示唆していました。

アーロン・テイラー=ジョンソンさんはソニーの映画「ブレット・トレイン」での演技が評価され、クレイヴン役に抜擢されたとも報じられています。

経緯はともあれ、制作が公式に認められてから3年が経過して、主演俳優が決定しました。

10月、ソニーは 2023年1月 にタイトル未定のマーベル映画の公開を予定に追加。これが「クレイヴン・ザ・ハンター」になると考えられていました。

「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」公開。ポストクレジットシーンにトム・ホランドさんのスパイダーマンが映し出された事で、SSUとMCUが本格的に繋がることを予感させていました。

12月、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が公開。トム・ホランドさんがもともとはマルチバース映画ではなく「クレイヴン・ザ・ハンター」との対決映画だった事を Collider  とのインタビューで明かし、その後「ノー・ウェイ・ホーム」の脚本家らがソニーから中止要請があってマルチバースものに変更した事を明かしました。

結局「ノー・ウェイ・ホーム」でヴェノムとエディはスパイダーマンと何の絡みもないまま元のユニバースに戻される形となりました。

2022年

2022年2月、映画「クレイヴン・ザ・ハンター」の撮影がイギリスで開始。

当初脚本家が予告していたスパイダーマンとの対決、「モービウス」の予告でスパイダーマンの壁画があった事で期待が高まる「クレイヴン・ザ・ハンター」でしたが、「ノー・ウェイ・ホーム」の影響でどのスパイダーマンと戦うのかが話題に。

尻切れトンボに終わった「アメイジング・スパイダーマン」と絡める可能性も囁かれていましたが、結局どのスパイダーマンも現れることがないのはこの時誰も知る由はありませんでした。

4月、「モービウス」が公開。そして予告にあったスパイダーマンの壁画がなかったどころか、様々な事が予告と異なった事で炎上。予告と違うだけでそこまで炎上するはずもなく、単純に大多数のファンが求める品質に届いていませんでした。

しかし「モービウス」はその公開日がパンデミックの影響をダイレクトに受けて何度も延期を繰り返し、そのたびに映画が編集された為に、グダグダになったと出演俳優は推測していました。

撮影が始まった「クレイヴン・ザ・ハンター」はカメレオン役を始めとして主要なキャストが続々報道。「モービウス」の不満でさらに「クレイヴン・ザ・ハンター」への期待が高まっていきました。

6月、映画の撮影が終了。アーロン・テイラー=ジョンソンさんは映画が全てロケによる撮影で済んだ事を報告し、CGモリモリのSF映画のようにはならない事を予告しました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-filming-wrapped/”]

8月、ソニー会長が映画の公開を控えて興奮していると予告。

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9月、ソニーは「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」を延期する事を発表。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、2023年1月13日 から 10月6日 に延期。

「マダム・ウェブ」は 2023年10月6日 から 2024年2月16日 に延期されました。

11月、ソニーはドラマ「シルク:スパイダーソサエティ」の制作を公式に発表。プロデューサーやショーランナーが発表され、社長がコメントしました。MCUと同様にドラマ展開が公式に認められたことで、「モービウス」の失敗からSSUが再起する事が期待されました。

2023年

2023年4月、ラスベガスのシネマコンにて来場者向けに予告が公開。ライノの登場なども発表。

6月、予告が正式にオンライン公開。予告の内容に対して IGN はクレイヴンのオリジンストーリーを少しいい加減に扱っている事がはっきりしたと批判。スパイダーマンを狙う冷酷なハンターから、父親のマフィア帝国を破壊しようとするアンチヒーローに変貌したという事実が、映画が間違った方向に進んでいるように見えると指摘していました。

同月、米ソニーの公式サイトでは「スパイダーマンとの対決の前が舞台」と明記され、この「クレイヴン・ザ・ハンター」の続編がスパイダーマンとの対決映画になると、ファンの期待を押し上げました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-vendetta-movie-spider-man-cross-over-plan/”]

7月、予告公開から間もないこの月に、映画の二度目の延期が発表。6月からのハリウッドにおけるストライキが本格化した事が理由で、ハリウッドにおけるほぼ全てのドラマ、映画などの映像作品の制作が停止しました。

この時、「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2023年10月 から 2024年8月30日 に変更されました。また、「エル・ムエルト」がスケジュールから削除されました。

2024年

1月、「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」は何の関連もない作品になると報道。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-madame-web-and-kraven-are-different-universe/”]

2月、「マダム・ウェブ」公開。原作でスパイダーウーマンでもあるキャラが登場する映画はこれまでのSSU映画と違ってヒーロー、女性主人公、そしてチームという新しいことづくめで期待されていましたが、4人のメインキャラの物語は薄めで、ヴィランの動機なども雑気味、アクションすら見どころがないと酷評されました。

同月、「マダム・ウェブ」の低評価から約1週間後、「シルク:スパイダーソサエティ」がストライキを経て開発が仕切り直されている事が報道。ドラマにも暗雲が立ち込め始めました。

4月、「クレイヴン・ザ・ハンター」は3度目の延期を発表。2024年8月30日 から 2024年12月13日 に延期されました。

延期の理由についてプロデューサーは「『クレイヴン』はクリスマスに移動しました。私たちはこの映画にとても興奮しており、クリスマスは映画を何度も見に行く時間がある最高の公開時期だからです。」とコメント。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-why-delay/”]

しかし批評家からはS級映画がひしめくこの時期での公開は無茶だと指摘されていました。

5月、ドラマ「スパイダー・ノワール」正式発表。そして「シルク:スパイダーソサエティ」が Amazon での配信を断念したと報じられ、さらにその後中止が報道。

8月、新たな予告が公開。ライノのCGの品質の悪さが指摘されました。さすがにこれは制作途中のものだろうとも言われていましたが、結局そうではありませんでした。

10月、コミコンで来場者向けに映画の冒頭約8分が公開。この時、批評家たちは「オープニングはとても良かった」と称賛していました。

同月、「ヴェノム:ザ・ラストダンス」が米公開。ヴェノムでさえ期待以下の興行収入に終わる結果となりました。邪神ヌルがMCUに舞台を移すのではないかと噂に。

また、ドラマ「スパイダー・ノワール」の撮影が開始され、いくつかの写真が公開されました。

11月、当初の予定通り、続編でスパイダーマンとの対決を描くことを念頭にこの映画を作ったと監督と主演がコメント。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-ending-spider-man-last-hunt-storyline/”]

同月末、初週2000万ドルの大苦戦予想が発表。

12月3日、映画公開の2週間を切った時点で冒頭映像が異例のオンライン公開。メディア向けには約30分の映像が公開され、「これまでのSSUとは違う。」「大ヒットの予感」と絶賛されました。

12月11日、SSUの終了が報道。

12月12日、約1週間前の前半約30分が絶賛されたにも関わらず、メディア向け試写会で酷評。

12月13日、映画公開。後日、初日の興行収入がわずか200万ドルだったと報じられました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-1st-day-box-office-revealed/”]


本作は映画の公開前に再撮影を行いましたが、これで何が追加されたかは明らかになっていません。しかし、1年前の予告からはいくつかの要素がカットされてしまっています。

この予告ではザ・フォーリーナーが「クレイヴンは動物を操って獲物を狩るらしい」と説明し、タカやオオカミと協力して獲物を追い詰めるようなシーンが挿入されていますが、公開された映画にはこのようなシーンもセリフもなく、スクイレルガールのように動物と共闘するような事はありませんでした。

監督や脚本家が当初からコミックに忠実な能力とアピールしていたにも関わらず、動物操作能力のようなスーパーパワーが垣間見えたこの予告には一時批判もありましたが、結局映画本編に存在しなかったのは良かったのでしょうか?

他にもコミックと同じ毛皮のジャケットを着て洞窟を歩くシーンなど、いくつかのシーンが映画本編にはありませんでした。

「モービウス」の監督は「予告は自分ではなくソニーが作ったもの」と主張していましたが、本作でもそうだったのかは現時点で不明です。

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JC・チャンダー監督と主演のアーロン・テイラー=ジョンソンさんは映画「クレイヴン・ザ・ハンター」がコミックのスパイダーマンとの対決を描いた「ラストハント」への前日譚として全力で制作してきたとしていますが、SSUの中止、あるいは中断が報じられた後で、「ラストハント」実現の可能性はほとんど残されていないのでしょうか。

「クレイヴン・ザ・ハンター」初週末興行収入は見込みの半分ほどに。SSUは中止ではなく「リセット」になると言う

先日、ソニー・ピクチャーズが展開しているSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)が映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で一旦終わると報じられていましたが、海外メディア Deadline が、これは中止ではなく「リセット」になると報じています。

現地時間日曜日午前の段階での興行成績を振り返り、「モアナ2」と「ウィキッド」の好調を伝える中で、「クレイヴン・ザ・ハンター」は1100万ドルのオープニングウィークエンドになる見込みだと報道。

公開前には大苦戦するだろうとして2000万ドル予想となっていましたが、それのわずか半分ほどの見込みとなるようです。

記事では「人間どころか動物さえも動員出来ない」と皮肉が書かれており、ソニーのマーベル映画として最悪の成績、「モービウス」 (3900 万ドル) や「マダム・ウェブ」 (3日間で 1530 万ドル)よりも低いとし、革のベストを着たマッチョマンは、サーファーガールや歌う魔女のようには売れないと伝えています。

さらに、ソニーは開発部門と真摯に向き合う時が来たと述べ、もっと慎重になる必要があると言います。

ディズニーとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の共同制作やロード&ミラーのアニメ映画「スパイダーバース」はどれも素晴らしいと評価しつつ、ソニーはこの失敗を非常に深刻に受け止めており、スパイダーバースやトム・ホランドさん(MCU)以外のマーベル作品についてはリセットが予定されていると記事は伝えています。

ソニーは2023年のストライキによる制作中断のせいで「クレイヴン・ザ・ハンター」の制作費が当初の 9000 万ドルを超えたと非難しており、それが興行成績が振るわない理由だとも。しかし記事は「デッドプール & ウルヴァリン」も同じ目にあっていたとし、それを乗り越えて13億ドルという史上最高の興行収入を上げたR指定映画となったと反論しています。

スーパーヒーロー疲れやディープな世界観を言い訳にすることは許されないともしており、2023年、ジェームズ・ガン監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Volume 3」でそれらが関係ない事を証明したとも。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が「ブレイド」のリブートを商業的に形になるまで実現を遅らせることができるのなら、ソニーはマーベル作品すべてで同じことができるはずだとし、「ソニーはマーベルファンを失った。」と関係者が語ったと報じています。

監督や俳優の情熱は確かなものであったのにこうなってしまったのは、やはりソニーに問題があるのでしょうか。

中止ではなくリセット、という事がファンにとって何をもたらしてくれるのかはまだまだ未知数ですが、ひとまず諦める気がないのは朗報なのでしょうか?それともスパイダーマンの権利をマーベルに売り戻すほうがファンには幸せなのでしょうか?

ソニーは過去にトビー・マグワイアさんの「スパイダーマン」とアンドリュー・ガーフィールドさんの「アメイジング・スパイダーマン」で2回リセットボタンを押しています。3度目のリセットをして4度目で成功となるのか、今後の展開に注目です。

ソース:Female Power Triumphs At Box Office Amid Fanboy Fallout As ‘Moana 2’ & ‘Wicked’ Kick ‘Kraven The Hunter’ & ‘Lord Of The Rings’ To Curb – Sunday AM Update

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」、削除シーンよりヌルの隠された能力が判明か、「マダム・ウェブ」は新たな問題が暴露される

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「ヴェノム:ザ・ラストダンス」の新たな削除シーンが公開されました。主人公のエディ・ブロックとヴェノムがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の神聖時間軸から自身のユニバースに戻るシーンを描いたものですが、これは邪神ヌルの隠された能力を裏付けているのでしょうか。

映画冒頭に登場するヌルによる次元の穴は、実際にはどこでもドアのようなワープ装置ではなく、タイムマシンのように特殊な空間を介して別のマルチバース同士をつなぐ一種のワームホールのような設定だったようで、この削除シーンでは穴に吸い込まれてから吐き出されるまでの間を描いています。

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でドクター・ストレンジたちがマルチバースを横断した際の神秘的な映像と比べると、この削除シーンはなんとも貧相な映像ですが、削除が決まったためにVFXを完成させなかったと思いたい所。

この映像からはヌルはマルチバースに存在するシンビオートの位置を特定し、それに対してこのポータルで干渉する能力がある事がうかがえますが、結局のところ作中での説明はなく、実際にどういう設定なのかは推測の域を出ません。

もっと言えば、そもそも「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」でヴェノムたちがMCUに飛んだ理由もわかっていません。

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ではスパイダーマンがピーター・パーカーである事を知る悪者がマルチバースを越えて吸い寄せられてきたともされており、「ヴェノムはシンビオートのハイブマインドを通じてそれを知っていた」と海外ファンの多くは解釈していますが、そうであれば全シンビオートが吸い寄せらていなければ辻褄があいません。

一部のファンはソニーがマーベル・スタジオを無視して勝手に作った結果、物語がこじれていったとも考えていますが、少なくとも「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の段階ではマーベル・スタジオと話し合いがあったとケヴィン・ファイギ社長が認めています。

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そうは言っても結局「ノー・ウェイ・ホーム」でヴェノムが活用される事はなく、何も起こらないままソニーに戻された事を考えると、ファイギ社長はソニーをかばっていただけかもしれません。

また、先日はソニーの失敗についての報告書が報道されていましたが、今回、新たに「マダム・ウェブ」に関する関係者の発言が話題に。

海外メディア CBM によると、「『マダム・ウェブ』が支離滅裂だった理由は、映画の制作に入る前にソニーが脚本を数ページカットしたため、第2幕と第3幕で問題が発生した」と言います。

主演のダコタ・ジョンソンさんがソニーの介入を批判し、炎上していた事もありましたが、結局は彼女の指摘が正解だった事がこれで認められる事になるのでしょうか?

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せっかく紹介された邪神ヌルが再登場する方法について、ファンは「スパイダーマン4でピーター・パーカーが死に、ヴェノムシンビオートで復活する事でコーデックスが作成され、ヌルがそれをターゲットにアクセス出来るようになるだろう」と考えていますが、ソニー・ピクチャーズの頭の硬い幹部を交換しない限り、実現の可能性は低いかもしれません。