「インクレディブル・ハルク」監督がブルース・バナー役交代の理由について新事実の見解を述べる

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「インクレディブル・ハルク」のルイ・レテリエ監督が Happy Sad Confused に出演し、MCUのハルク/ブルース・バナー役がエドワード・ノートンさんからマーク・ラファロさんへと変更された理由について、新たな私的見解を明らかにしました。

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ノートンさんは「インクレディブル・ハルク」の脚本に参加し、2019年のニューヨクタイムズとのインタビューの中で「クリス・ノーラン監督がバットマンでやってきた事と、私も同じ道をたどっていました。長く、暗く、深刻なものでした。結局のところ、それは彼ら(マーベル・スタジオ)が望んでいたものではありませんでした。」と語っていました。

レテリエ監督はノートン版の脚本はハルクに変身するのは開始から40分も待つ予定だったといい、この展開はスタジオの話題にならなかったと言います。

「ハルクを待ちながら時計を見て、『いつハルクが来るんだろう?』と考えたくはありませんよね。ファンはブルース・バナーや他のみんなが登場する映画を愛し、ハルクが到着する瞬間を待ちわびているんです。」と語りました。

監督はノートンさんの言う「映画はもう少しシリアスであるべきだ」との意見に同意していたと付け加えつつも映画は対立をメインに取り扱っており、素晴らしい脚本と素晴らしい俳優たちがうまく機能し、緊張感を作り出したとし、ロス将軍役のウィリアム・ハートさんが特にその中心にいたと明かしました。

また、ノートンさんとスタジオとの意見の相違について、サウンドトラックにもその理由があると言います。

監督は「それがティーザーだったのか、サウンドトラック全体だったかは覚えていませんが、エドワードはトム・ヨークと大の友人で、彼はレディオヘッドに音楽をやってもらいたかったんです。彼は天才的でしたが、マーベルはもう少し典型的なハリウッドのサウンドトラックを推進していたと思います、そして私たちは妥協とは言いたくないですが、そのエレガントな中間点として作曲家クレイグを見つけました。彼はマッシブ・アタックと協力して忘れられないサウンドトラックを制作しました。」と述べています。

レテリエ監督は最後に、ノートンさんとの仕事が大好きで、ハルクとして戻らないと言われたときは驚いたと言います。

「彼が私を他の仲間の一員だと思っているかどうかは分かりません・・・。それはともかく、私は中立でした。私は文字通り、可能な限り最高の映画を作ろうという気持ちでした。そして彼がいなくなった後も、私は彼にいくつかのアイデアについてどう思うか尋ねていました。だから彼にこの映画を誇りに思ってほしかったのです。」

ノートンさんが続投していれば「アベンジャーズ」以降のMCUがどうなっていたのかは興味深い所ですが、後を任されることになったマーク・ラファロさんのハルクは交代直後はキャラクターの性格の微妙な違いに反論はあったものの、長い歴史の中で人気を確立し、多くのファンが新たなソロ映画を期待しています。

映画「インクレディブル・ハルク」はディズニープラスで配信中です。

【ネタバレ注意】映画「マーベルズ」ではあの音楽が使われていると言う

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」に関する重大なネタバレとする報告がSNSに到着しています。これは音楽に関する情報ですが楽曲タイトルは大きな意味を持つものであり、情報の真偽は不明ですがネタバレ注意扱いとしておきます。

※これより先は「マーベルズ」のネタバレを含んでいる可能性があります。ご覧の際はご注意ください。

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情報ソースは「マーベルズ」のプレスキットという事で、これ自体の真偽を確認する術がない事を除けば公式資料によるものと言えます。

それによると「マーベルズ」では「X-MEN2」と「X-MEN:フューチャー&パスト」の楽曲が使用されているとの事で、以前に報じられていたポストクレジットシーンに関する噂と合致している可能性が高いようです。

また、ポストクレジットシーンに関して「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」に続くひとつだけになったとも報告されました。

X-MENに関する噂が出る以前には「ヤングアベンジャーズ」に繋がるシーンが試写会で上映されたと報告されていましたが、削除されてしまったのか、別の場所に移動したのかは不明です。このところ、「マーベルズ」のポストクレジットシーンに関する情報は更新が相次いでいますが、発信者の情報入手時期が不明なためにどれが最新の情報であるのかを見極めることは困難です。

とはいえ「マーベルズ」は今週公開、韓国ではいち早く明日公開となるため、ネタバレ上等な方は明日のSNSで真実が明らかになる事でしょう。

映画「ザ・マーベルズ」は 2023年11月10日 に劇場公開予定です。

米ディズニープラスがハッピーホリデーコレクション2023を発表、「ホワット・イフ」S2は12月配信か

米ディズニープラスがこの冬に配信される作品と、過去のウィンタームービーをピックアップしたハッピーホリデーコレクション2023を発表しました。メディアによると、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「ホワット・イフ・・・?」シーズン2は12月配信となるようです。

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ディズニープラスの公式SNSはリストの一部を共有し発表。

ABC などではコレクションの全リストが報告されており、その中には「ホワット・イフ・・・?」シーズン2が含まれているようで、Comicbook.com では既に発表済みの11月の配信リストにこれがない事から、残る12月に配信されるだろうと指摘しています。

MCUではその他に「ホークアイ」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル」もコレクションに含まれているとの事で、これを機会にもう一度チェックしてみるのもいいかもしれません。

「ホワット・イフ・・・?」シーズン2に関して、過去にはすべてのエピソードタイトルも報じられていました。

引き続きMCUの「もしも」の世界を描く作品となっていますが、シーズン1で掟を破ることになったウォッチャーのその後など、単なるオムニバス作品では終わらない部分もあると考えられています。

アニメ「ホワット・イフ・・・?」シーズン2はディズニープラスで配信予定です。

ソース:2023 Happy Holidays Collection Comes to Disney+

映画「マーベルズ」監督がアダム・ウォーロックとタイムトラベルするプランがあったと明かす─X-MENの噂についても言及

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」のニア・ダコスタ監督が Youtube番組 Jake’s Takes に出演しインタビューを受ける中で、本作が X-MEN と何らかの関係があるのではないかという噂について言及しました。

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監督は本作の裏話として「最初に提案したアイデアはアダム・ウォーロックとタイムトラベルする映画でした」と明かしつつも、アダム・ウォーロックが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3」で使用される事と、「ロキ」がタイムトラベルを十分に描いている事から、このプランはなくなったと説明しました。

そして11月に公開された予告映像の「X」の文字に関連して、撮りたい X-MEN ついて質問されたダコスタ監督は「まずはギャラクタスです。彼はX-MENではありませんが、私は彼が大好きなんです。」と前置きしつつ、「スコット・サマーズとストームの共演や、クリス・クレアモントのような誰が X-MEN を率いるべきかをめぐる彼らのダイナミックな戦いが大好きです。サイクロップスとストームのチームアップ映画は面白いと思いますよ。」と夢のプロジェクトについて語りました。

監督は2年前のインタビューでもこの3人のキャラクターについて言及し、推しである事を明かしています。

ダコスタ監督は「マーベルズ」の次回作としての「キャプテン・マーベル3」について、ケヴィン・ファイギ社長に既に17パターンのアイデアを提案済みだとも明かしていますが、その前にまずは「マーベルズ」がどういった展開になるのか注目です。

映画「ザ・マーベルズ」は 2023年11月10日 に劇場公開予定です。

映画「ブレイド」はR指定に、監督が認める

マーベル・スタジオが開発中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ブレイド」のヤン・ドマンジュ監督が、海外メディア Deadline とのインタビューの中で、本作がR指定作品になっている事を明確に認めました。

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トロントの映画祭で自身の最新映画「Dammi」についてのインタビューの中で現在開発中の「ブレイド」に触れ、「スタジオはRをくれました。それは私にとって非常に重要な事です」と明かしました。

「Dammi」は半自伝的映画で主人公はドマンジュ監督自身の分身のようであり、監督自身はフランス系白人の母親とアルジェリア人の父親を持つ混血で、13歳まで施設で育ったと言います。

自身の半生とブレイドが人間と吸血鬼の間に生まれたダンピールである事がとても似ているという監督は「よりオープンに、より傷つきやすく、より個人的な側面を作品に反映させたいと思っています。(ブレイド役の)マハーシャラはとても奥深い俳優だから、『ブレイド』では、彼が持つある種の冷酷さ、荒々しさを表現するのが楽しみです。私はそんな彼が大好きです。彼には威厳と誠実さがありますが、普段は水面下に隠している獰猛さがあるんです。私はそれを解き放ち、スクリーンに映し出したいと考えています。」と、「ブレイド」のイメージについて語りました。

MCUでR指定となる映画は「デッドプール3」に続く2作目。先日はドラマ「エコー」がTV-MAである事が発表され、成人向けのMCU作品が増えつつあります。「ブレイド」は吸血鬼を扱う上で血の表現は切っても切れない関係であり、以前の「ブレイド」3部作においてもこだわって作られたポイントでした。

2019年の発表以降、開発が難航している「ブレイド」ですが、SAG-AFTRAのストライキが終了次第撮影が始まるとも報じられています。

映画「ブレイド」は 2025年2月14日 米国劇場公開予定です。

ソース:How New Short Film ‘Dammi’ Eased Pain, Shame & Tribal Search For ‘Blade’ Director Yann Demange

【噂話】MCU「スパイダーマン4」にマイケル・キートンさんのバルチャーが戻ってくるという

マーベルスタジオとソニー・ピクチャーズが開発中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン4」に、マイケル・キートンさんが演じるバルチャー/エイドリアン・トゥームスが帰ってくると、海外スクーパーのダニエル・リヒトマン氏が報じました。

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バルチャーが登場したのは「スパイダーマン:ホームカミング」で、戦いの中でお互いを少し理解したトゥームスは刑務所内でマック・ガーガン(コミックのスコーピオンというヴィラン)からスパイダーマンの正体を聞かれた時にそれを隠しました。

その後「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で再登場が計画されていましたが、それは実現に至りませんでした。

問題となるのがSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の「モービウス」で、このポストクレジットシーンにてトゥームスはモービウスの世界に何故か移動しました。これはマーベル・スタジオのアイデアではなくソニー独自のものと監督が明かしています。

SSU側でこの展開の謎が明かされることが期待されているものの、SSUは制作のテンポが非常にゆるやかであり、現時点での最新作が「モービウス」で止まっている状態です。2024年2月にはSSUの最新映画「マダム・ウェブ」が公開予定ですが、バルチャー問題に言及されるかは不明です。

もともとMCUのスパイダーマンは3部作で終了する予定で、その予定の中で「モービウス」が制作されたわけですが、「ノー・ウェイ・ホーム」の上映後、ソニーはマーベル・スタジオと再びタッグを組んで新たなMCUスパイダーマン3部作を制作すると発表。これによって「スパイダーマン4」でバルチャーを再利用する計画が浮上している、というのが現状のようですが、ソニーが「モービウス」の問題をどう扱っていくのかは注目です。

【噂話】映画「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」、RDJさんに続いてクリス・エヴァンスさんが契約に署名したと言う

マーベルスタジオが開発中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」にロバート・ダウニーJr.さんがサインしたと先日報じられていましたが、今回新たにクリス・エヴァンスさんがサインしたとスクーパーが報じ、メディアもそれに続いています。

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先日は Variety が「シークレット・ウォーズ」にオリジナルのアベンジャーズ復活計画があるとして報道したものの、同記事の他の大部分が虚偽であるという指摘やライターの過去のフェイクニュースなどが明かされ、各所から批判されていました。

しかしながら同日、MCUでアイアンマン/トニー・スタークを演じていたロバート・ダウニーJr.さんが「シークレット・ウォーズ」に署名したとも報道されました。

彼がトニー・スタークまたはその変異体を演じるかどうかははっきりしていませんが、今回、過去にキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースを演じていたクリス・エヴァンスさんが「シークレット・ウォーズ」の出演契約に署名したと報道されました。

クリス・エヴァンスさんはこれまでの再三のインタビューにわたって「スティーブ・ロジャースの再演は難しい」としつつも「ヒューマン・トーチの再演はしてみたい」と語っており、キャプテン・アメリカを演じる前に出演した映画「ファンタスティック・フォー」のヒューマン・トーチを再演する可能性も考えられます。

MCUにおいてキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースがスクリーンに登場したのは「アベンジャーズ/エンドゲーム」が最後。インフィニティ・ストーンを過去の元の時点に戻す旅を終えたスティーブ・ロジャースはペギーと再会し、その後別の人生を送って老人となった後に神聖時間軸に戻り、サム・ウィルソンに盾を預けました。

その後、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では作中の都市伝説としてスティーブ・ロジャースは月にいる説が明らかとなりましたが、サムはそれに対するコメントを控えました。

キャプテン・アメリカは最新作「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」の公開が控えていますが、その中でスティーブ・ロジャースの葬儀が描かれるのではないかとも考えられています。

両俳優がサインしたという噂はオリジナルのアベンジャーズ復活の兆しなのか、それとも別の計画の兆候であるのか、今後の動きにも注目です。

映画「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」は 2027年5月7日 米国にて劇場公開予定です。

ソース:AVENGERS: SECRET WARS – Another Original Avenger Has Reportedly Signed Up To Make Long-Awaited MCU Return

映画「マーベルズ」の最新予告で過去のヴィランの再登場が明らかに

マーベル・エンターテイメントがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」の新たな予告をXに投稿し、その映像から過去のヴィランが再登場する事が明らかになりました。これは過去のフィーチャレット映像にも含まれていたシーンですが、VFXが抑えられたようでより見やすくなっています。

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この予告内に、「キャプテン・マーベル」で登場したスプリーム・インテリジェンスの本体が登場しています。

以前に公開された公式のフィーチャレット映像は以下から。

フィーチャレット公開当時は眩しすぎて見にくく、そうではないかと考えられつつも確証はありませんでした。

「キャプテン・マーベル」に登場したスプリーム・インテリジェンスは対象者の最も尊敬する人物の姿を取って出現するAIで、キャロルの前にはウェンディ・ローソン博士(マー・ヴェル)の姿を借りて登場していました。

もともと「キャプテン・マーベル」でも真の姿が登場する予定で制作もされていましたが、これは削除シーンとなっています。

スプリーム・インテリジェンスはクリーの統治者ですから「マーベルズ」のヴィランであるダー・ベンをコントロールしている可能性もありますが、コミックではクリー人たちから反乱される事も多いため、「マーベルズ」の黒幕である可能性の他に、敵の敵という可能性も残されています。その他、前作と今作を繋ぐ回想シーンで既に倒した相手として登場するパターンも考えられ、実際の映画でスプリーム・インテリジェンスがどのような役割を担っているのかをチェックする他ありません。

映画「マーベルズ」は 2023年11月10日 劇場公開予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2の「アッセンブル」が11月29日米配信へ

マーベル・スタジオのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2の制作の舞台裏を描くドキュメンタリ番組「Assembled : The Making of Loki Season 2 」が 2023年11月29日 に配信される事がプレスリリースにて明らかになりました。

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今回も他の「アッセンブル」と同様に、制作プロセスの独占映像や、キャスト&クルーのインタビュー映像を交えながら、「ロキ」シーズン2の舞台裏をファンに届けていくとの事。

過去に公開されたフィーチャレットもこの一部ではないかと見られます。

配信時刻は今のところ不明で、日本のディズニープラスでの配信予定も不明です。

ドラマ「ロキ」シーズン2の最終話は 2023年11月10日 にディズニープラスで配信予定、ドキュメンタリ「アッセンブル:ロキ シーズン2の裏側」は 2023年11月29日 米国ディズニープラスで配信予定です。

ソース:Next on Disney+: November 2023

ドラマ「ロキ」シーズン2、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年11月3日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード5「Science/Fiction(邦題:サイエンス/フィクション)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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終わりではなかった

タイムリーがスパゲティ化し、時間織り機がオーバーロードしたものの、TVA自体がフェールセーフモードに移行したおかげなのか、ロキは無事でした。システム再起動を経て有効になったはずのインフィニティ・ストーンは関係ありませんでした。

フェールセーフとは致命的なバグやエラーといったフェール(失敗)が発生した際に自動的に発動するセーフ機能(安全装置)であり、在り続ける者、あるいはウロボロスのアイデアをもとに事前に用意されていたと考えられます。

とはいえエラーを完全に抑え込めるわけでもなく、ロキ以外の人物は見当たらず、ロキ自身も予告でわかっていたとおりタイムスリップ現象が再発していました。

フランク

ケイシーの元の人物にあたるフランクとの再会。このシーンは日本語に翻訳するにあたって失われたイースターエッグがありました。

フランクは「If they catch us they’re gonna gut us like fish!」と叫んでおり、日本語字幕では「捕まったら終わりだ」、吹き替えでは「警備に見つかったら八つ裂きにされるぞ」となっています。意味合い的には問題ないのですが「gut — like a fish」とは魚のようにはらわたを抜き取ってやる、魚のように殺してやるという意味であり、これはシーズン1でロキがケイシーに対して言い放った言葉でした。

©MARVEL,Disney

残念ながら今回の翻訳を担当した人物はシーズン1の事を覚えていなかったのか、シーズン1とは関連のないただの日本語訳となっていました。シーズン1で「魚って何?」と答えていたケイシーが「魚みたいに殺されるぞ!」と言っているはずの言葉の繰り返し遊びのシーンですが、今回の邦訳では気づくことが難しくなっています。

余談はさておき、ケイシーはクラレンス、ジョンと呼ばれる二人と行動を共にしていました。神聖時間軸ではない我々の宇宙での同じ1962年、脱出不能と言われたアルカトラズ刑務所からフランク・モリス(wiki)という囚人がクラレンス・アングリン、ジョン・アングリンらと共に脱獄しておりその後行方不明になっています。

シーズン1でも行方不明になったハイジャック犯、DBクーパーがロキの変異体だったというエピソードがありましたが、ケイシーも同じように伝説の犯罪者をモデルにしているようです。

ザルタン派遣団

1994年のカリフォルニア、ウロボロスはこの年代にSF作家として人生を過ごしていました。

1話のクレジットから表示されていて気になっていたザルタンですが、ウロボロスのオリジンが書いた小説だったという事で、コミックからの重要なイースターエッグというわけではありませんでした。本の著者名にはA・D・ダグと表記されていますが、本名かペンネームかは不明です。

A・Dというイニシャルでコミックにはアーサー・ダグラスというキャラが存在しています。彼はサノスに殺された地球人で、サノスの父アラーズと祖父クロノスによって新たなボディを与えられて蘇ったダグラスはドラックス・ザ・デストロイヤーとなってガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに参加しました。とは言えウロボロスがドラックスの変異体とは考えにくく、偶然の一致である可能性のほうが高いように思えます。

彼が作家であったことはロキにとって最悪でしたが、彼が食べるためにしょうがなくやっていた科学はロキにとって都合がよく、ダグはTVAハンドブックに書かれたアイデアをもとにタイムパッドのプロトタイプを作成しました。

ウロボロスはトニー・スタークに勝るとも劣らない発明を僅かな登場の間に繰り返していますが、まだ何かしらの秘密や役割があるのでしょうか。

メビウスのオリジン

メビウスの元の人物であるドンは2022年、クリーヴランドのピランハ・パワースポーツで販売員として生活していました。シーズン1の頃からほのめかされていたジェットスキーに対する興味は、ここから来ているようで、記憶を完全には消去出来ていなかったという事でしょうか。

ドンの家の番号は 1049 となっていました。コミックにおけるEarth-1049はファンタスティック・フォーのリード・リチャーズとスー・ストームの間に生まれた息子フランクリン・リチャーズが生み出した世界でもありました。

ドンという名のメビウスのオリジンには二人の息子がおり、二人の息子たちは犬や蛇を飼いたいと考えているようです。フェンリスや蛇はソーとロキの兄弟とは関係が深いですが、この一家がオーディン、ソー、ロキの変異体であるという可能性は少ないでしょう。

ベリティ・ウィリス

2012年のニューヨーク。映画「アベンジャーズ」でロキとアベンジャーズが対決したのがこの年のニューヨークでしたが、タイムスリップした時間とはどちらが前後になるのかは不明です。ここは分岐時間軸であるため、神聖時間軸と違ってNY決戦がない世界という事もあるかもしれません。

ハンターB-15の元の人物として登場したのはベリティ・ウィリスという名の医師でした。コミックにはロキと縁の深い同名のキャラクターが存在しています。

コミックのベリティはどんな嘘も見破る力を持っており、ロキが未来から来た邪悪なキング・ロキと対決する際も友人として同行しました。

ザニアック!

シルヴィとの再会の年代は表示されませんでしたが、シルヴィが1話のマクドナルドに戻っていたのだとしたら分岐時間軸の1983年あたりという事になります。

二人が移動した酒場にはザニアックのアーケードゲームが置いてありましたが、X-5がブラッド・ウルフという俳優として「ザニアック!」を撮ったのは神聖時間軸の1977年でした。この時間軸にもブラッドの変異体が存在していたのか少し気になるポイントです。

ちなみに1983年頃のアーケードゲームというと「エレベーターアクション」や「マッピー」などの時代であり、それらと比べると「ザニアック!」のタイトル画面はフォントもかなりクリアな作りでややレトロ感に欠けるようです。

映画のザニアックは連続殺人鬼が主人公ですから、このゲームは1988年にナムコがリリースした「スプラッターハウス」のようなゲームだと想像すればいいのでしょうか。

Oh! Sweet Nuthin’ 

レコード店でシルヴィが勧められた曲は The Velvet Underground の 「Oh! Sweet Nuthin’ 」。

孤独、幻滅、そして人生の虚無を探求する曲で、歌詞は社会から疎外され、見過ごされ、あらゆるものを奪われた人の切ない姿を描いています。特に「彼女はまったく何も持っていません」と繰り返されて歌われており、復讐を終えて新たな人生を歩み始めたばかりのシルヴィと重なる内容になっています。

ようやく新たな人生を手に入れ始めたばかりだったシルヴィですが、曲が示す通り世界がまるごと奪われていくことになり、自身の過ちを認めてロキと合流する決意をしました。

サイエンスとフィクション

今回のエピソードの中ではいわゆる「5W1H」が重要になっています。

「5W1H」とは、5つのWである「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」と、1つのH「How:どのように」をまとめて表現した言葉です。

ロキがタイムスリップを制御するにあたってウロボロスはサイエンスでは何を対象にするか(What)と手段(How)が、フィクションでは理由(Why)が重要になると説きました。

当初ロキは「TVAを救う」事を理由に考えますがうまく行かず、ウロボロスのアドバイスに基づいて仲間を集め、時間オーラを測定分析する事で目的地(WhenとWhere)を割り出そうとしました。

しかしシルヴィと再会して話をし、理由(Why)に問題があると指摘されてロキは行き詰まりチームの解散を考えました。これはつまり、ウロボロスの説明的にフィクションとして問題があるということです。

実際にウロボロスがスパゲティになっていく際に英語と日本語吹き替えでは「フィクションの問題だった」と言うのですが、日本語字幕では「SFの問題だった」となっており、物語の意図から外れた翻訳になっています。

すべてのスパゲティ化が迫る中、ロキは友人たちの言葉を思い返すうちに、再びタイムスリップが発生。これにより「誰を思うか」(Who)が重要だと感づいたロキはついにタイムスリップを制御出来るようになりました。

仲間や世界がスパゲティ化していく様子は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でのサノスの指パッチンを彷彿させるものがある演出でしたが、ロキは現実改変能力に近しい事が出来るようになったことで、今回のエピソードは終了します。

ポストクレジットシーン?

クレジットの終わり、44分30秒の手前あたりから、今回登場したアーケードゲーム「ザニアック!」のコンティニュー画面で使用されていると思しき音声が流れます。

日本語吹き替えでは「おまえは死んだ コインを入れろ 負け犬!」というセリフになっています。

今回のスパゲティ化が進むラストシーンにも組み込まれていましたが、シルヴィの「ロキは負ける運命なんだと思う?」と質問に対して、シーズン1第4話でロキは「負ける時もあるが、決して死なない」と答えていました。

「ザニアック!」のゲームはロキがコンティニューを繰り返して決して死なない事を表現しているようです。


過去に公開された予告動画のうち、5話までに登場しなかったシーンがいくつかあります。

シーズン1でよく見かけた囚人服のロキがスパゲティ化する映像は何を意味しているのでしょうか。

©MARVEL,Disney

シーズン1で在り続ける者は二人のロキに仕事を託そうとしていました。シルヴィがロキの制止に耳を傾けずに復讐を果たしたことで混乱が始まったシーズン2でしたが、ロキはシーズン1の最終話を書き換えていくのでしょうか。

また、ヴォイドに送られたレンスレイヤーも気になる所。シーズン1で在り続ける者はアライオスの力を活用して戦争に勝ったとも話していましたが、シーズン2ではレンスレイヤーが軍を率いたとも語っていました。これはレンスレイヤーがアライオスを自在に操れる事を意味しているのでしょうか?そしてレンスレイヤーの復讐心は最終話で落ち着くことになるのか、それとも「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」や「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」に向けて、さらに激しく燃え上がっていくのか、注目です。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2023年11月10日10時 より配信予定です。