ドラマ「シークレット・インベージョン」の結末はコミック「シージ」を元に「ソー5」への導線を設定しているのか?

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」はスクラル人による地球侵略を描いた作品で、全6話のシーズン1を終えた時点で「ザ・マーベルズ」や「アーマー・ウォーズ」への道筋を設定していますが、同様に「ソー」最新作への導入も行われているかもしれません。

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MCUの「シークレット・インベージョン」

「シークレット・インベージョン」6話のエンディング部分ではリットソン大統領が今回の事件を経て「地球で生まれた以外の者を全て敵の戦闘員とみなす」との法案を議会に提出した事を明らかにしました。

法案が可決されるかどうかは今後の展開次第ですが、言葉を文字通りに受け取るのであれば、大統領はスクラル人以外の異星人も敵勢力とみなしている事になります。そして、MCUではすでにアスガルド人が地球上でコミュニティを築き上げています。

「マイティ・ソー/バトルロイヤル」でアスガルドが破壊された後、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の時点でソーとヴァルキリーを中心としたアスガルド人達はノルウェー近辺にニューアスガルドを建国。その後、主に「ソー:ラブ&サンダー」で描かれた内容では、諸外国との外交も進め、観光地として地球人にも愛されている事がわかっています。この事は「シークレット・インベージョン」終了後、「ザ・マーベルズ」開始前の現時点まで少なくとも続いている事でしょう。

リットソンはあくまでもアメリカ大統領であるので、彼のスピーチがすぐに地球人のヘイトをアスガルド人に向けさせるとは考えられません。そして陰でフューリーを支えてきたスクラル人とは異なって「アベンジャーズ」の頃からソーが地球を守り、地球人の人気者となっていた事からも、諸外国がすぐにアメリカを支持し、地球人とアスガルド人の間で戦争が起きるとは言えそうにありません。

一方でアスガルド人の戦闘力が高い事は事実であり、ニューヨークを襲撃したロキの件や、「シーハルク:ザ・アトーニー」ではルナ・ザ・ライトエルフがスクラル人と同じシェイプシフト能力で犯罪行為をしていた事など、アスガルド人による被害を受けた地球人がいる事もまた事実となっています。

アスガルド人による犯罪や、その軍事力の危険性から、アメリカやその他の国の代表者がアスガルドを地球から排除しようと考える流れはさほど不思議な事ではないかもしれません。

コミックの「シージ」

アメリカがニューアスガルドに宣戦布告する事は2010年のコミック「シージ」内で描かれているストーリーラインです。

このコミックではシークレット・インベージョンによってトニー・スタークが失脚し、S.H.I.E.L.D.の長官の座を剥奪されたあと、グリーンゴブリン/ノーマン・オズボーンが組織を引き継ぎ、後にH.A.M.M.E.R.と改名しています。そしてオズボーンはアメリカ政府を動かし、ニューアスガルド(コミックではオクラホマ州の上空に建国された浮遊都市)と激突しています。

ロキの協力の元、オズボーンはヴォルスタッグをヴィランとの戦いに誘い出し、その戦いで多くの市民が巻き込まれて死亡する事になりました。これをもってアスガルドの危険性を政府に進言したオズボーンは攻撃の許可を得て、ニューアスガルド殲滅のためにサンダーボルツを再編成して結成されたダークアベンジャーズを派遣。シージ(包囲作戦)はセントリーの攻撃によって開始されました。

アスガルドの危機に際してスティーブ・ロジャースは解散に追い込まれていたアベンジャーズを再結成。その後もなんやかんやあってニューアベンジャーズは勝利を収め、戦いは終息しています。

ここで登場するセントリーはマーベルの中でも特に強力なヒーローですが精神的に脆く、その内にはヴォイドの言う名のスーパーヴィランを内包している事で、オズボーンには死の天使とも称されています。

MCUではこの先どうなる?

リットソン大統領の言葉がコミック「シージ」の実写化を示唆しているのであれば、物語の中心にアスガルドがある事から「ソー」の関連作となる可能性は非常に高いものになるでしょう。

一方、大統領の言葉は確かにシージへの導線に見えますが、「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」において新大統領がリットソンの発言を撤回すればシージのような事態を招くこともないかもしれません。

実写化の可能性を考えた場合、シージの中でアベンジャーズたちを苦しめるセントリー及びヴォイドは映画「サンダーボルツ」で紹介されるとも噂されており、その他のキャラクターは適宜MCUに現存するキャラクターに置き換えて描くことは可能なようにも思えます。

ただし、「ソー:ラブ&サンダー」の結末はゼウスの復讐と、そのゼウスの命令によって派遣されるハーキュリーズ(ヘラクレス)とソーとの戦いを示唆しています。

また、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」と「ラブ&サンダー」を制作してきたタイカ・ワイティティ監督は「ソーは大きくて独創的でカラフルな生き物やエイリアン、そして異世界のものに向いているシリーズであると感じている」と発言しており、地球上での争いであるシージの世界観とは合致していません。

「ソー5」の監督は明らかにされていませんが、ワイティティ監督が考えているように5作目も宇宙を中心とした冒険が続けられるのでしょうか、それともマーベル・スタジオは新たな監督を起用して地球に焦点をあわせていくのでしょうか。

リットソン大統領の言葉が今後のMCUにどのような影響を与えていくのか、長い目で見守る必要がありそうです。

ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

映画「ソー5」は開発中ではない、海外メディアが警告

海外の大手メディア Variety はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ソー5」は開発中ではないと警告しています。この制作の噂は「マイティ・ソー/バトルロイヤル」、「ソー:ラブ&サンダー」のタイカ・ワイティティ監督の言葉が原因となっていますが、これが曲解されて拡散されているようです。

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噂の発端となったインタビュー記事は当ブログでも紹介しましたが、記事にも書いたとおり、監督は5作目の展望を示し、そのアイデアのかけらのいくつかをファンに与えてくれたに過ぎません。また、最初にこの書籍の記事を書いた ScreenRant も開発中とは報じていません。

しかし、「ラブ&サンダー」のポストクレジットシーンが「ソー5」を予告するような内容であった事からも、早とちりしたメディアやインフルエンサーが「ソー5」を開発中だと曲解、誤認して拡散してしまっているのが現状のようで、Variety としては珍しく「『ソー5』の開発は行われていないが」と注釈を入れた上でインタビューの内容を紹介しています。

そんな「ソー5」ですが、引き続き主演を務めると予想されるクリス・ヘムズワースさんは、今年6月のインタビューで「新しいことに挑戦する必要性がある」とも発言。また、「ラブ&サンダー」公開前のインタビューでは、ディズニーが雇ってくれる限りソーをやりたいともコメントしていました。

「ソー5」はいずれ制作されるプロジェクトであるのは間違いないと考えられていますが、ここ数日で急速に拡散された「ソー5開発中」というような話は拡散した人々の早とちりや、記事や動画のアクセス増を狙った曲解であり、実際にはまだしばらく静観する必要があるようです。

ソース:Taika Waititi Reveals What He’d Do With a Hypothetical ‘Thor 5’: New Worlds, ‘Outlandish’ Monsters and an Enemy Stronger Than Hela

タイカ・ワイティティ監督が「ソー5」の展望とヴィラン像について語る

2023年9月19日発売予定の書籍「Marvel’s Thor 4 Love and Thunder Movie Special Book」の中で、タイカ・ワイティティ監督がMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の「ソー」シリーズ5作目の世界観とヴィラン像について言及しました。

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海外メディア ScreenRant の紹介によると、書籍の中でワイティティ監督は5作目について次のように述べています。

ソーには何が残されているのでしょうか?キャラクターが進化を続けているように感じられるものでなければなりませんし、とても楽しい方法で、彼が克服しなければならない障害を積み重ねていくように感じられるような、立ち向かうべき相手を与える必要があります。ヘラより弱い悪役を登場させる事はできないと思います。そこからステップアップして、もっと手強い相手が必要だと感じています。

また、監督はソーは「大きくて独創的でカラフルな生き物やエイリアン、そして異世界のものに向いている」シリーズであると感じていると述べ、ソーは長い人生の中でさまざまな世界を旅してきたため、ソーに伴う冒険の側面が重要であると考えていると言います。

最後にワイティティ監督は、ソーのユニークな特質が、人間のMCUキャラクターよりも宇宙の冒険を追いかけるのをよりエキサイティングなものにしていると信じており、「彼には楽しい要素があり、これらの世界を訪れるとき、彼にはカジュアルさと一種の威張った態度があるんです。地球人が宇宙を旅して宇宙を探索する場合には遭遇しないであろうエイリアンに遭遇する事もあるでしょう。」と語りました。

「ラブ&サンダー」の公開に向けたPR活動中には5作目について「まだ何も考えていない」としていたタイカ・ワイティティ監督ですが、それからしばらく経って少しずつアイデアが浮かび始めているようです。

なお、「ソー5」は「ラブ&サンダー」のポストクレジットシーンで示唆されているだけであって、公式のプロジェクトとしては未発表の状態であり、タイカ・ワイティティ監督が撮るかどうかも不明です。

映画「ソー:ラブ&サンダー」はディズニープラスで配信中です。

ソース:Good News, Thor 5’s New Villain Will Be More Powerful Than Hela

クリス・ヘムズワースさんが「ソー5」に向けた展望の一部を明らかに

マーベル・スタジオが制作したMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ソー:ラブ&サンダー」などでソーを演じたクリス・ヘムズワースさんが、海外メディア Comicbook.com のジョシュ・ホロウィッツ氏の番組に出演し、次なる最新作「ソー5」はこれまでとは全く違うものにしたいという思いを明かしました。

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ヘムズワースさんは番組の中でソーの旅を振り返り、「1と2を見ると、かなり似ているんです。『ラグナロク(バトルロイヤル)』と『ラブ&サンダー』も似ています。それを再発明することがカギだと思うんです。『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』では、このキャラクターに対して非常に思い切ったことをするユニークな機会を得ました。私はそれを楽しんでいましたし、人々を油断させるのが好きなんです。私自身、常に気を張っています。そのおかげで、私は常に投資することができます。前にも言いましたが、あまりに馴染みすぎると、自分が何をやっているか分かってしまうので、怠け者になる危険性があると思います。」とソーの新たな面を描いていきたいと語りました。

そして、「繰り返しになりますが、私が再び招待されるかどうかもわかりません。でも、もしそうなったら、自分の正気を保つために、トーンも何もかもががらりと変わったバージョンでなければならないと思うんです(笑)。ソーは『ラブ&サンダー』で正気を失ってしまったはずです。彼は今、それを理解しなければならないんです。」と表面上は取り繕えているソーですが、心はかなり傷ついていると指摘しました。

ヘムズワースさんが望む新たなソーを描くにあたって、「バトルロイヤル」「ラブ&サンダー」のタイカ・ワイティティ監督が続投するのか、あるいはトーンを刷新するために新たな監督が起用されるのかは分かりません。監督自身は「ラブ&サンダー」に全てを注ぎ込んだとし、次回作の構想はないと当時のインタビューで語っていました。

クリス・ヘムズワースさんは先日配信された番組内で一時的に俳優業を休止する事を明かしていましたが、ソーはいずれ「ソー5」で復活するのは間違いないようです。ただし、2024年初頭から撮影が開始されるシリーズ5作目の映画「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」にソーが戻ってくるかどうかは不明であり、今後の情報には注目です。