映画「ブラックパンサー」、チャドウィック・ボーズマンさんがハリウッドのウォーク・オブ・フェイム獲得

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ブラックパンサー」など4本の映画でブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンさんが、11月20日にハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムのスターとして表彰される予定です。その式典の詳細が発表されました。

式典では「ブラックパンサー」2作を共にしたライアン・クーグラー監督と、ボーズマンさんの遺作「マ・レイニーのブラックボトム」で共演したヴィオラ・デイヴィスさんがスピーチを行う予定との事。ボーズマンさんの妻のシモーヌ・レドワード=ボーズマンさんが、亡き夫に代わって賞を受け取ると言います。

チャドウィック・ボーズマンさんは4年間の大腸がんとの闘病の末、2020年に亡くなりました。MCUのブラックパンサー以外にも、俳優としてのキャリアを通して数々の賞にノミネートされています。

「ハリウッド商工会議所は、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムの星を授与することで、チャドウィック・ボーズマンの素晴らしい功績を称えることを大変光栄に思います。彼の力強い演技と、スクリーン上とスクリーン外における揺るぎない影響力は、世界中の世代にインスピレーションを与え続けています。」とハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムのプロデューサー、アナ・マルティネス氏は声明で述べました。

ボーズマンさんのスターは、ハリウッド・エクスペリエンスの正面、ハリウッド大通り6904番地になるとの事です。

映画「ブラックパンサー」はディズニープラスで配信中です。

ジェレミー・レナーさんが告発相手の監督に対して数百万ドルの訴訟へ発展か

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」などでホークアイ/クリント・バートンを演じてきたジェレミー・レナーさんが、元仕事相手から脅迫等で告発されていた件について、訴訟を起こすと報じられました。

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海外メディア Deadline によると、レナーさんの弁護士であるマーティン・シンガー氏はジョウ監督の主張が事実とは異なると説明、否定しました。そして監督に対して業務停止命令書を送付したと言います。

「2025年7月に一度だけ、極めて短く、完全に合意に基づいた会合があった以外、私の依頼人との個人的な関係はありません。」

シンガー弁護士はまた、レナーさんがジョウ監督のディズニードキュメンタリー「マスターズ・オブ・シネマ2:ディズニー・クロニクルズ」に参加することに同意しただけで、彼女のAI映画「スターダスト・フューチャー:スターズ・アンド・スカーズ」に参加することには一度も同意しなかったと主張。 

「私の依頼人は、ディズニーに関するあなたのドキュメンタリーに出演することで、あなたのキャリアを支援することに快く同意してくれました。その後、あなたは、私の依頼人がAIで生成されたアニメーション映画のナレーションを担当したと虚偽の主張をしていることが判明しました。私の依頼人は、ディズニーのドキュメンタリー以外、AIで生成されたアニメーションやその他のプロジェクトについて一切知らず、自発的に参加したこともありません。2025年7月12日にインタビューを受けたディズニーのドキュメンタリー以外のエンターテイメントプロジェクトにおいて、依頼人の氏名、肖像、または声を悪用し続ける場合、依頼人の貴重なパブリシティ権の商業的不正使用により、数百万ドル規模の賠償責任を負うことになりますので、ご注意ください。」

Deadline はジョウ監督側の対応も記載。

監督は9月15日にレナーさんが「仮題:マスターズ・オブ・シネマ2:クロニクルズ・オブ・ディズニー 、およびそこから派生したすべてのプロモーション作品、派生作品、関連作品」のタレントリリースフォームに署名した」とコメント。監督の説明によると、「スターダスト・フューチャー」は「クロニクルズ・オブ・ディズニー」の「パート2」、進化版との事で派生作品、関連作品にあたるようです。 

監督はさらにDeadlineに、10月にレナーさんに対して映画に関する件で差し止め命令書を送ったと語りました。Deadline は「JR」と思しき署名が入ったタレントリリースとされる文書を見せられたと記載していますが、それが本物かどうかは確認できなかったと注意書きしています。 

レナーさんがこのプロジェクトに関わっているという噂は、2025年10月14日にVariety によって報じられました。報道によると、レナーさんは映画のナレーターで「宇宙の起源から2080年までの物語を観客に導く」オラクル ・オブ・タイムを演じると言われています。

一方、シンガー弁護士は、レナーさんと監督はドキュメンタリーに参加することについて話し合っただけだと主張し、 「ジェレミーは1回のインタビューを受けたが、そのインタビューがドキュメンタリーのためだとだけ知らされていた」と主張しています。

そして「スターダスト・フューチャー」での声が「クロニクルズ・オブ・ディズニー」で収録したものを元にAIによって生成されたものかは不明だとしつつ、「同意なしにAIを使って人の声を(複製)することはできません。違法です。」とメディアに語りました。

監督はこの件にあたって違法行為はないと主張。「AIは私の作品のクリエイティブ面とビジュアル面にのみ使用されています。いかなる状況下でも、スクリーンショットや契約書の作成にAIを使用することは許可されていません。そのような行為は文書の偽造にあたり、違法となります。」

TMZ はシンガー弁護士の差し止め命令書を読んだとも報じています。同サイトによると、「セックスを要求する」ような「何百通もの」露骨なメッセージを送りつけたのはレナーさんではなくジョウ監督だったと主張。

TMZ も書状の内容を監督に報告し、監督側は「レナー氏が『性的または示唆的な性質』のメッセージを送り、同様の内容を要求し、彼女に『不快感と苦痛』を与えたと非難している」としています。そしてジョウ監督はレナーさんに、彼女に関する偽情報を広めるのをやめ、脅迫や恐喝をやめるよう要求したと言います。 

ディズニーやマーベルはこれに関してまだコメントを出していません。

ソース:AI Documentary Director Insists Jeremy Renner Agreed To Narrate Movie As ‘Hawkeye’ Star Threatens “Multi-Millions” Lawsuit

「デッドプール&ウルヴァリン」、ブレイク・ライブリーさんの損害額は約1億6000万ドルに、5億ドル近い賠償請求か

映画「ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US」(2024年)の撮影中に起きたトラブルをめぐる裁判で、ジャスティン・バルドーニ氏がブレイク・ライブリーさんに対して約4億ドルの訴訟を起こしていた件は先日終結しました。バルドーニ氏は名誉毀損および恐喝でライブリーさんと夫のライアン・レイノルズさんを訴えていましたが、期日までに修正訴状を提出しませんでした。

この訴訟に対してライブリーさん側もバルドーニさんに対してセクハラとネット上の中傷キャンペーンによる名誉毀損で訴えていましたが、その損害賠償として 1億6100万ドルを求めていると、海外メディア Variety が報じました。

記事によると、今年初め、ライブリーさんの弁護団は情報開示書類を提出。この開示書類は11月5日に公表され、ライブリーさんは自身に対して行われたとされる中傷キャンペーンに対し、1億6100万ドルの損害賠償を求めていると言います。同誌によると、ライブリーさんの弁護士は、彼女が「俳優業、プロデューサー業、講演活動、そして広告契約による過去および将来の収入」で約5620万ドルを失ったと主張。

Deadline は、彼女が経営する化粧品会社Blake Brownと飲料会社Betty B. Holdingsの損失も合わせて約7100万ドルに上ると主張しています。また、専門家の証言を条件に、「25万ドルから40万ドルの範囲の苦痛と苦悩、肉体的苦痛、屈辱、およびおよそ3400万ドルの名誉毀損」に対する非経済的損害賠償も求めていると報じています。そしてライブリーさんの弁護士は実際の損害額の3倍以上の金額、およそ4億8300万ドルを求めることになるとしています。 

開示文書には(Deadline経由)次のように記載されているとの事。

「ライブリー氏は、現在入手可能な情報に基づき、各カテゴリーにおける損害額を最低限の請求額として特定しました。ライブリー氏はさらに、カリフォルニア州民法47.1条および適用される反スラップ訴訟法に基づく損害賠償および手数料の請求を予定していますが、これらはライブリー氏の申し立てに関連する上記の損害賠償額には含まれていません。」

開示された情報には、訴訟に関する関連情報を持つ可能性のある証人候補のリストも含まれていました。Deadline の報道によると、リストにはライアン・レイノルズさん、テイラー・スウィフトさん、ヒュー・ジャックマンさん、エミリー・ブラントさん、スクーター・ブラウンさん、ジジ・ハディッドさん、そして「The Sisterhood of the Traveling Pants」(邦題:旅するジーンズと16歳の夏)のキャストであるアレクシス・ブレデルさん、アメリカ・フェレラさん、アンバー・タンブリンさんが含まれています。

一方で、ソーシャルメディアの運営者ジェド・ウォレス氏に対するライブリーさんの名誉毀損訴訟が棄却されました。

ライブリーさんは、ウォレス氏が自身に対するとされるオンライン中傷キャンペーンを幇助したと主張していましたが、ライブリーさんの弁護団が、オースティン在住のウォレス氏とニューヨークとの間に、訴訟に直面するに足る十分な繋がりがあることを証明できなかったと裁判官が判断したためだと報じられています。

判決後、ライブリーさんの広報担当者は次のように述べています。

「裁判所は、ライブリーの訴えは別の裁判所に提起できる、また提起すべきであるとの判決を下しました。ライブリーは、そのための多くの選択肢を検討しており、バルドーニ氏、ヒース氏、ネイサン氏、そしてウェイフェアラー事件の残りの被告に対する全ての訴えについて、3月にニューヨークで審理が行われることを楽しみにしています。」

先日終結が報じられたバルドーニさんのライブリーさんに対する訴訟ではマーベル・スタジオを巻き込んで、「デッドプール&ウルヴァリン」の制作資料の提出が求められていました。

これが実行されていれば続編映画につながるヒントなど全てが法廷で暴露されてしまうとしてこの裁判は注目されていました。

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「ホークアイ」ジェレミー・レナーさんが告発に対して「真実ではない」と反論

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」で主演を務めたジェレミー・レナーさんが、先日、脅迫や性的嫌がらせなどの告発を受けた事に対して、代理人を通じて真っ向から反発しました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-hawkeye-jeremy-renner-accused-of-threatening-female-director/”]

海外メディア Variety はレナーさんの代理人のコメントを公開。

「申し立てられていることは全く不正確で真実ではありません」

先日明らかになった映画監督のイー・ジョウ氏からの申し立てを否定する形となりました。ジョウ監督は、レナーさんが「自身の個人的で親密な写真」を送りつけ、ある時、レナーさんが部屋に閉じこもるほどの不穏な行動をとったと主張していました。

ジョウ監督のデイリー・メールへの告発によると、彼女は8月20日の夜、ディズニーのドキュメンタリープロジェクトについて話し合うためレナーさんと会っていたと主張。レナーさんはワインを1本飲んだとされており、監督はその夜に友人に送ったとするテキストメッセージの中でレナーさんを「暴力的」と表現し、助けを求めていました。監督は、恐怖のあまり部屋に閉じこもったと主張しています。

CBM は代理人の対応について、「この種の申立に対して『私がやりました、すいません』というコメントは見たことがない」とし、どちらの主張も鵜呑みにすべきではないとしています。

Variety によると、ジョウ監督はディズニーの遺産と歴史を描いたドキュメンタリー「クロニクルズ・オブ・ディズニー」の監督を務めており、レナーさんはこのドキュメンタリーの中でコメンテーターとしてインタビューを受けています。ディズニー自身が制作したわけではないこの映画には、衣装デザイナーのマーク・ブリッジス氏とメイクアップアーティストのビル・コルソ氏も出演すると報じられています。

また、ジョウ監督の「スターダスト・フューチャー:スターズ・アンド・スカーズ」でもレナーさんは声優を務めています。本作はAIによって完全に制作された初の長編アニメーション映画と言われています。11月に映画賞の対象となる劇場公開を目指しており、収益の一部はレナーさんの慈善団体であるレナーベイション財団に寄付される予定との事。

ソース:Jeremy Renner Denies Harassment Allegations From Film Director: ‘Totally Inaccurate and Untrue’

ホークアイ役ジェレミー・レナーさんが脅迫等で告発される

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ホークアイ」などでホークアイ/クリント・バートンを演じたジェレミー・レナーさんが、ドキュメンタリー「クロニクルズ・オブ・ディズニー」とAIアニメーション映画「スターダスト・フューチャー」で共に仕事をしたイー・ジョウ監督から告発を受けました。

ジョウ監督は デイリー・メール を通じて告発。レナーさんとのテキストメッセージのやりとりなども公開。虐待とICE(移民税関捜査局)への通報の脅迫を受けたと主張しています。

監督は Instagram を通じて「深い後悔、悲しみ、そして失望とともに、長い間心に抱えてきた真実を明かさざるを得ません。ここ数ヶ月、私は自分の安全に対する恐怖と、受けてきた扱いに対する深い苦悩の中で生きてきました。女性、映画監督、クリエイターは、自分の名誉と作品の誠実さを守りながら、このような感情的および心理的なプレッシャーの下で仕事をするべきではありません。」とコメント。

別の投稿では経緯を説明。監督は 2025年6月 にレナーさんと初めて接触したと言い、その後すぐに卑猥な写真を送ってくるようになったとも主張しています。

「2025年6月、突然、ジェレミー・レナーの写真2枚と、DMとWhatsAppで一連の望まないポルノ画像を受け取りました。これが彼による私への紹介でした。過去のメディア報道によると、その後、彼が過去に他の女性と自己紹介として共有していたこともわかりました。」

監督は Instagram で、レナーさんが家の中にいる写真や、一緒にドライブしている写真なども公開。

「ドキュメンタリーのロジスティクスについて話し合っていたところ、彼が一人でワインを1本飲み、2時間も怒り狂って叫び続けました。何かあった場合に備えて、チーム、両親、ディズニーの同僚に居場所を共有しなければなりませんでした。彼は本当に怒っていたので、夜に部屋に入ってこないように祈りながら、安全のために部屋に閉じこもらなければなりませんでした。私は一言も発する事が出来ませんでした。命の危険を感じたからです。」

監督は最近レナーさん自身も触れていた元妻へのDV報道についても言及。

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「過去の不正行為について個人的に彼を非難し、女性として、そして映画製作者として私を尊重するよう、きちんと行動するよう求めたところ、彼は移民局/ICEに通報すると脅迫しました。これは私に深い衝撃と恐怖を与えました。」

監督はこの際の一連のやり取りとしてテキストメッセージのスクリーンショットを公開。

ここで監督は「地獄に落ちろ」「名前は全部明かした」「お前は豚だ」「あらゆるアプリを使ってクソ写真を送っている」「誰も何も言っていない」「今のところは」 と責め立て、レナーさんは 「移民局にあなたの…について通知済みだぞ」と返信。これが監督のいう脅迫されたという部分に当たるようです。

デイリー・メール紙によると、ジョウ監督はレナーさんのメッセージの残りの部分を提供することを「拒否」したとの事。

また、監督は同メディアに対して「私は彼に連絡を取ったことはありません。彼が私を追いかけてきたのです。私は彼の名前も知りませんでしたし、彼の映画も見たことがありません。彼は私を利用し、私を否定し、私たちの仕事を否定しました」と主張しています。

レナーさん側のコメントは今のところ出ていません。

映画「マダム・ウェブ」のストリーミング大ヒットを受けてソニーが配信契約の見直しを検討していると言う

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「マダム・ウェブ」は制作費が1億ドルほど(プロモーション費用は別)で、興行収入も約1億ドルと大失敗に終わり、その内容自体も酷評され、シリーズ中止の決定打となったとも言える作品でしたが、Netflixでの配信は大ヒットしていました。これを受けて、ソニーが配信の契約の見直しを検討していると報じられています。

ブルームバーグ紙によると、2024年の配信初週で1位を獲得した「マダム・ウェブ」は、その後も再生数を積み重ね、年間のヒット作に。

紙は「このことがきっかけで、ソニーは、映画のオンライン興行成績を少なくとも部分的に料金に反映させるべきかどうか検討を始めた。現在、Netflixは米国内興行成績に基づいて映画1本あたりの料金を支払っている。しかし、チケット販売数が必ずしも最良の予測指標とは限らないため、同社は次の提携先に、映画を視聴開始または視聴完了したユーザーの数を共有するよう求めることを検討している。」と報じています。

また、同サイトは、「今後、映画チケットの売上がさらに落ち込んだ場合に備えて、何らかの保護策も検討している。」と付け加えています。

映画のチケット売上と配信の再生数は必ずしも一致しないというのは最近よくある事で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の「マーベルズ」や「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」などもディズニープラス再生ランキングでは1位を獲得していました。

ディズニーの場合は自社制作で自社プラットフォームでの配信ですからあまり関係はありませんが、ソニーの場合は映画をNetflixにレンタルする形になっています。

したがってそのレンタル料をチケット売上に基づいて決定する事は、こういった結果になった際に損をしたと感じるのは当然の事で、それを回避する検討作を議論する事になるようです。

新しい契約が締結されればこれによってソニーや他のフィルムメーカーの収益は増加する見込みがありますが、Netflixなどの配信プラットフォームは出費がかさむ事になり、結果としてそれは視聴者の負担増につながる可能性も。

配信市場の新たな問題の今後に注目です。

映画「マダム・ウェブ」は 2025年11月14日 から米ディズニープラスで配信開始、日本での配信は現時点で発表されていません。

ソース:Box-Office Duds Are Becoming Streaming Hits

映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のシム・リウさんが通行人役をAI俳優にする事に反対

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」で主演を務めたシム・リウさんが、投資リアリティ番組番組「シャーク・タンク」のケビン・オリアリーさんの発言に反論しました。

A24の「マーティ・シュプリーム」で俳優デビューを果たしたオリアリーさんは、背景のエキストラをAIに置き換えることで制作費を何百万ドルも節約できると主張。

オリアリーさんはワールド・オブ・トラベルとのインタビューで「ほぼすべてのシーンに150人ものエキストラが出演しました。彼らは18時間も起き続​​け、衣装もきちんと着替え、背景で動き回らなければなりませんでした。カメラに映っているかどうかも分かりません。そのための費用は数百万ドルにも上りました」と語っています。

また、最近話題のAI女優についても「ティリー・ノーウェル(ティリー・ノーウッドのこと)は、突如としてシーンに現れた俳優です。彼女は100%AIです。実在はしませんが、素晴らしい女優です。何歳でも出演でき、食事も必要なく、24時間休みなく働きます。組合は正気を失っています。芸術のために、場合によっては許可するべきだと私は思います。エキストラはまさにうってつけの活用例です。違いは分かりません。ティリー・ノーウェルを100人入れれば、それで十分です。」とコメントしました。

こういった主張に対してシム・リウさんは Deadline とのインタビューを通じて反論。

「まず第一に、私が反論した意見は本当に愚かな意見だと思いました。特に、時代錯誤で、現実離れしていて、とにかく間違っていると思います。最低賃金で働いている背景役者たちのせいで、映画制作費が高騰しているという考えは、全くの誤りです」

シム・リウさんは10年以上前に会計士の仕事を解雇されたあと、フリー素材俳優などを経て、映画「パシフィック・リム」の背景役で映画に初出演した事が今の原点になっているとしました。

俳優として何の知識もないまま業界に飛び込んだシム・リウさんは、この背景役を通じて様々な技術的な側面を学んだといいます。

「俳優をAIに置き換えるという考えは、俳優としての私が成長してきたプロセスとは正反対です。私があの経験から学ぶことができたのなら、他のひとにも同じ事が言えるでしょう? 背景役者を世界から奪うことは、人々がそうしたスキルを身につける機会を奪うことでもあるのです。」

シム・リウさんはオリアリーさんの主張が通れば、将来的に業界に大きなダメージを与えてしまうと説明しました。

MCUではかつてドラマ「シークレット・インベージョン」のオープニング映像がAIによって生成され、多くの視聴者から反発を受けました。

しかしこの制作会社は「AIによってアーティストが仕事を奪われる事はない」とも主張していました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-secret-invasion-method-studios-comments/”]

映画の半分以上の俳優がAIに置き換わるような時代はまだ受け入れられないとは思いますが、例えば「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のアウトサイダーズのような宇宙のクリーチャー、「シャン・チー」に登場した架空の生物などをAIで動かしていくような事はそう遠くない時期に始まるかもしれません。

制作現場においてもAIに対する意見は様々で、今後もそれぞれの主張のいい着地点を模索していく事になるようです。

ソース:Simu Liu Says Replacing Background Actors With AI Is “So Antithetical” To His Own Career Development, Argues “Art Is Art Because It’s Human”

アニメ「アイズ・オブ・ワカンダ」を制作したアクシス・スタジオの破産の内情が明らかに

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のアニメ「アイズ・オブ・ワカンダ」のアニメーションを担当していたスコットランドを代表する制作会社アクシス・スタジオが閉鎖された件について、海外メディア Forbes がその内情を報じました。

記事によると、2000年に設立されたアクシス・スタジオが資金繰りの失敗によって倒産したと、その経緯について報告。

ビデオゲームのムービーシーンや予告編で広く知られるAxisは、「Halo」、「Gears of War」、「League of Legends」といったタイトルの制作を手掛け、Amazonプライム・ビデオの「Lost in Oz」シリーズやNetflixの「スクルージ:クリスマス・キャロル」、そして「ラブ、デス&ロボット」の複数のエピソードも制作しました。

また、トム・ハンクスさん主演の映画「Otto」や、アードマン・アニメーションズの「ひつじのショーン:ファームの逆襲」などにも参加していました。

「アイズ・オブ・ワカンダ」も比較的好評でしたが、数々の過去の実績も同社の危機を救うことはなかったと言います。

アクシスは新型コロナウイルスのパンデミックに続きハリウッドストライキというダブルトラブルの打撃を受け、急激なインフレも同社の利益を圧迫。しかし、最終的に同社の破綻を招いたのは、業界の仕組みだったと言います。

内部文書によると、「パンデミック後、業界は制作委託の減少を経験し、特に同社の顧客基盤の大部分を占めるビデオゲーム部門で顕著でした。同社はまた、2023年5月から9月にかけて発生した米国の脚本家ストライキ、そしてそれに関連して2023年11月まで続いた俳優ストライキの影響も受けました。これらのストライキにより、制作スケジュールが大幅に延期されました。これに加えて、特に人件費を中心とした大幅な原価上昇が、利益率と全体的な収益性をさらに低下させました。」

「同社のワークフローでは、一度に少数のプロジェクトのみが稼働しており、個々のプロジェクトが比較的規模が大きいため、多額の完了支払いを受けるまで、または委託間に大きなギャップが生じるまで、キャッシュフローに圧力がかかる可能性がありました。取締役会は、2025年初頭に主要プロジェクトの開始を予定しており、業務パイプラインは良好であると考えていましたが、プロジェクト開始の遅延が発生し始めました。その結果、通常はプロジェクト開始時に顧客から受け取る初期費用の支払いが延期され、会社はキャッシュフローの困難に直面しました。」

「これは同社の財務に暗い影を落としました。スタジオの親会社であるアクシス・プロダクションズは、歴史的に利益を上げ、キャッシュフローも豊富でしたが、2023年11月30日までの1年間で、収益3,260万ドル(2,570万ポンド)に対し、連結損失110万ドル(83万9,000ポンド)を計上しました。重要なのは、現金準備がわずか38万ドル(30万ポンド)しかなかったことです。これは、状況が悪化した場合の余裕がいかに少ないかを示しています。そして、まさにそれが現実となりました。書類には、「同社は2024年6月に給与支払い義務を履行できず、フリーランスの契約社員への支払いも延期せざるを得なかった」と記されています。

さらに、「同社の継続的なキャッシュフローの困難を踏まえ、取締役は数ヶ月にわたり外部の専門家の助言を受けていた。事態が悪化し続けたことから、2024年6月下旬に破産管財人に相談することが適切と判断された」と付け加えています。

翌月、同社は経営破綻に陥る事に。これは英国連邦破産法第11章にあたる。同社は管財人であるインターパス・アドバイザリーの手に委ねられましたが、その評価は悲観的でした。

目立った継続業務の不足、高水準の運営費、従業員の賃金未払い(当時最大6週間分に上っていたとも)、そして利用可能な資金不足を鑑み、インターパスは同社が事業を継続できないと結論付けました。

このとき「アイズ・オブ・ワカンダ」の作業は既に完了していたと見られており、アクシス社には投資していなかったため、スタジオ閉鎖は番組やディズニーには影響しませんでした。151人の従業員の大半は解雇され、会社閉鎖の支援のために残されたのはわずか4人でした。その後、彼らも解雇されました。

スタッフの一人、3D環境アーティストのアリアナ・クエリン氏。彼女は「アイズ・オブ・ワカンダ」に携わった一人で、彼女は最近、番組で制作した作品の一部をオンラインで公開し、「マーベル制作のテレビ番組『アイズ・オブ・ワカンダ』のために手がけた作品の一部を皆さんにご紹介できることを大変誇りに思います。このプロジェクトは私にとって特別な意味を持っています。創作活動がとても楽しかっただけでなく、アクシス・スタジオが閉鎖される前に制作された最後の作品の一つだったからです」とコメントしました。

クエリンさんはその後、 「デッドプール」、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」 、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」などを手掛けた著名なVFXスタジオ、ブラー・スタジオからフリーランスの仕事を獲得したと言いますが、しかし、そう幸運に恵まれなかった人たちも当然いるとの事。

内部書類によると、アクシスの破綻以降、インターパスが確保できた最大の支払いの一つは、ソニーのGuerilla Games部門から受け取った44,217ドル(32,994ポンド)だったと言います。書類には、この金額は「同社が破綻前に締結した契約に基づき作成された特定のファイルの提供に対するもの」と記載。

バークレイズ銀行は会社の当座貸越として98万ドル(73万2000ポンド)の未払い金を抱えており、英国税務当局は200万ドル(150万ポンド)の支払いを滞納している。また、従業員は60万8000ドル(45万4000ポンド)の損失を被っている。インターパスは「いかなる債権者に対しても何らかの返還が行われる見込みはない」と述べており、この悲惨な状況は今後も続く見込みだと報じています。

「アイズ・オブ・ワカンダ」シーズン2の計画は今のところ報じられていませんが、実現した場合にはシーズン1とは全く異なるスタッフによって制作される事になりそうです。

トランプ大統領が外国産映画に100%関税、アベンジャーズ映画が大赤字の可能性

アメリカのドナルド・トランプ大統領が、かねてより予告していたアメリカ以外で撮影されたアメリカ映画に対する関税について、100%の関税を付与する事を明らかにしました。これにより、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画の大部分の制作費が倍増する事となりました。

トランプ大統領は29日、Truth を通じて以下のように発表。

アメリカの映画製作産業は、まるで赤ん坊からキャンディーを盗むように、他国によってアメリカ合衆国から盗まれました。無能で無能な知事を抱えるカリフォルニア州は、特に大きな打撃を受けています。この長きにわたる、そして決して終わらない問題を解決するため、私はアメリカ国外で製作されるあらゆる映画に100%の関税を課します。この問題にご関心をお寄せいただきありがとうございます。アメリカを再び偉大に!

施行開始時期や関税を支払うのは誰か(制作会社なのか配給会社なのか)については明言されていませんが、これまでのトランプ大統領の行動から見てもそう遠くない時期に開始となる事が予想され、すでに撮影を終えた「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」がどのような扱いになるかはわからないにしても「スパイダーマン:ブランニューデイ」や「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」は対象となる可能性がかなり高いと米メディアは指摘しています。

「シークレット・ウォーズ」は出演俳優が過去最大級のラインナップになる事から黒字化のラインは10億ドル程度になるだろうと予想されていましたが、100%の関税が上乗せされるとなればこれがさらに上昇する事に。相当厳しい状況になると見られています。

トランプ大統領が当選した直後、シルベスター・スタローンさん、メル・ギブソンさん、ジョン・ボイトさんらがハリウッドの「特別大使」に任命されましたが、それ以来、彼らの活動はほとんど見られず、大統領にどのような助言をしたのか、もし与えたとしても、その内容は明らかではありません。

5月にハリウッド関係者の間で一致した見解は、これが映画産業に壊滅的な打撃を与え、世界中で製作される映画やテレビ番組の数が大幅に減少するというものでした。 

多くのスタジオのハリウッド作品は外国の税制優遇措置を利用してアメリカ国外で撮影されています。現地の労働者が制作作業に参加するのは当然ですが、しかし、通常はアメリカ人労働者も多数同行するため、関税が雇用増加につながるかどうかは議論の余地があります。

ほとんどの関税と同様に、映画関税の打撃を受けるのはアメリカ国民も同様で、映画館のチケット価格が倍増し、ストリーミングサービスのサブスクリプション料金も上昇する可能性があると報じられています。

ハルク役のマーク・ラファロさんもディズニーに対する懸念を表明

ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオが制作中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン:ブランニューデイ」でハルク/ブルース・バナーを再演するとされているマーク・ラファロさんが、先日の米暗殺事件とそれに関する一連の流れからの番組無期限停止に関して、SNSで意見を述べました。

 
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人気番組「 ジミー・キンメル・ライブ! 」 の司会者であるキンメル氏は先日、自身の番組の冒頭で 「MAGAギャング」が「チャーリー・カークを殺害したこの少年を、自分たちの仲間ではないと必死に仕立て上げようとしている 」とコメント。

キンメル氏はさらに、右派の人々が 「この事件から政治的な利益を得るためにあらゆる手段を講じている」と非難し 、「この殺人事件を悪用しようと躍起になっている」と発言していました。さらに、2021年1月6日に起きた暴徒たちの事件を視聴者に想起させた。暴徒たちは、 ジョー・バイデン氏の2020年大統領選勝利を認定したとして、トランプ大統領の1期目の副大統領マイク・ペンス氏を 「絞首刑にしようとした」とも。

翌日、ABCの広報担当者は 「ジミー・キンメル・ライブ!」が「無期限に放送停止になる 」と発表し、その後、ドナルド・トランプ大統領の熱烈な支持者であるFCC委員長のブレンダン・カー氏が、 ディズニーとABCに対して「措置を取る」と警告したことが明らかになりました 。ディズニーと同様に、数十億ドル規模の買収にはFCCの承認が必要なネクススターも、ディズニーに対し番組打ち切りを迫りました。

これを受けてディズニーの株価は7%低下。

マーク・ラファロさんは「もし彼の番組が本当に打ち切られたら、株価はさらに下落するだろう。ディズニーはアメリカを破滅させた張本人にはなりたくないはずだ。」と投稿しました。

ラファロさんは最近ノー・キングスのオンラインイベントに参加した際も、「私たちの業界は今何が起きているのかをあまり理解していないが、私たちの言論の自由が攻撃されているということだけは理解している」と述べ、言論弾圧に対して反抗する姿勢を見せていました。

先週、MCUでシーハルクを演じていたタチアナ・マスラニーさんがこれに関してディズニーに対して不信感をあらわにし、ディズニープラスなどを解約するようファンに勧めていました。

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その後、スパイダーマンシリーズでメイおばさんを演じたマリサ・トメイさんもこれに同調。ミスター・ファンタスティック役のペドロ・パスカルさんはジミー・キンメル氏を支持する立場を表明していました。

キンメル氏とディズニーの双方が今回の停職処分について沈黙を続けています。トランプ大統領がアンチを黙らせようとする中で、ディズニーがその軍門に下り、言論の自由を侵害していると非難されています。