映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の削除された残忍なシーンの絵コンテが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の幻のオープニングから繋がるシーンの絵コンテの一部が公開されました。海外スクーパーによって暴かれた削除されたオープニングはワンダとモルドの対決から始まり、モルドが一瞬で首をはねられて終わっていた事を、脚本家も後日認めていました。

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ストーリーボードアーティストのジェレミー・シムサーさんは自身のInstagramにて画像を投稿し、「Earth-616のモルドに何が起こったんでしょう?彼は後半でこうなっていました。絵コンテを描きながら、ストーリーが洗練されていくのは、いつも面白いです。モルドの最終的な運命がどうなるかなんて、誰が分かりますか?僕じゃありません。削除されたシーンはカウントされません。(追記:この削除されたシーンについて、脚本のマイケル・ウォルドロンが直接語っているインタビューをいくつか読んだので、これを載せても大丈夫だと思います)」とコメントを添えています。

画像はワンダがモルドの生首を魔法で呼び出す様子が描かれ、「私を脅した最後の人間はここよ」とセリフが添えられています。

先日はワンダとモルドが戦う直前の向かい合っているシーンのコンセプトアートが公開されていましたが、その戦いの後、モルドの首はドクター・ストレンジへの見せしめとして機能させる計画があったようです。

前作の映画「ドクター・ストレンジ」で兄弟子として登場したモルドは物語の最後にドクター・ストレンジと袂を分かち、「魔術師が多すぎる」と魔術師を間引き始める様子が描かれていました。

そして「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ではEarth-616のモルドは登場しませんでしたが、ストレンジは「何度も生命を狙いに来ている」と語っており、モルドは自身の目標への歩みを続けている事が明かされています。

脚本の変更により死の運命から逃れられた616のモルドは「ドクター・ストレンジ3」にて再び現れるのでしょうか?

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」はディズニープラスで配信中です。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のワンダのラストについて、ファンの議論は白熱、新説も登場

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では、エリザベス・オルセンさん演じるスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフの衝撃なラストが待っていましたが、映画公開から2ヶ月、ディズニープラスで繰り返し気の済むまで見られるようになった事もあり、議論が再加熱しています。

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ワンダは本作での自分の行動に対する贖罪のごとく、全ユニバースのダークホールドを処分し、原本であるワンダゴアを破壊する事で幕を下ろしました。

しかしファンの多くはワンダがこれで死んだとは思っておらず、「どのようにして生き残っているか」が日々語り合われています。映画では瓦礫が崩れていく中、ワンダ特有の赤い閃光が放たれたことから、何らかの力が使われたのは明らかで、ここで何が行われたのかがポイントになっています。

一つはシールドによる防御。もっともシンプルなプランであり、十分に考えられるプランです。ワンダのカオスマジックによるシールドは「アベンジャーズ/エンドゲーム」でもサノスの剣戟を防いでいる事からもわかるように、キャプテン・アメリカのヴィブラニウムのシールドよりも強固であると考えられます。

二つ目はテレポートによる脱出。これはありそうでもなさそうでもあるプラン。コミックのワンダはテレポート能力を持っていますが、MCUではテレポートした事はありません。そのため、この場面で急にテレポートで逃げるというのはタンパクすぎるという反対意見も目立ちます。

そして最近、三つ目の説として@nataliaRROGERS 氏が提唱したのは、「別のユニバースのスカーレット・ウィッチ/アガサ・ハークネスが連れて行った」というもの。このプランはワンダが最後まで責任を取るつもりでいたこと、この展開の後、コミックのような師弟関係が築かれる期待が出来る事などから賛同意見が増えているようです。

なお、筆者はワンダが何かをした事には目を瞑り、ホワイトヴィジョンが助けに来てくれた説が好きです。

コミックとMCUは異なる設定ではありますが、コミックのダークホールドを考えると、MCUでワンダが行った行為はあまり意味のあるものではありませんでした。

MCU版でも分かる通り、ダークホールドは写本であっても威力を発揮します。つまり誰かが新たに書いてしまえば意味のない事です。劇中ではウォンが「クトーンが書いた」と説明しており、これはコミックと同様の設定ですが、クトーンは2021年のコミックシリーズ「ダークホールド」でワンダとドクター・ドゥームによって封印されるまで存在していました。つまりMCUにもクトーンが存在し続けているなら、ダークホールドはいつでも量産出来る事になります。なお、コミックでは「私が死んだら封印が解かれる」と仲間に告げていましたが、次のX-MENシリーズでワンダは殺されたため(すぐに復活しましたが)、言及はされていませんがクトーンの封印は解けてしまっています。


ワンダを演じるエリザベス・オルセンさんは「この映画の後、どうなるのかは私には分かりません。本当に知らないんです。私はファンが何を望み、どんなアイデアがあるのかを知りたいです。いずれケヴィン(・ファイギ)とその話をするのがとても楽しみです。」とインタビューにて発言しています。

エリザベス・オルセンさんもファンと同様にワンダが死んだとは考えていない様子で、ワンダのソロ・プロジェクトとして「アベンジャーズ:ザ・チルドレンズ・クルセイド」の実写化が噂されるなど、次の展開が楽しみな所となっています。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」はディズニープラスで配信中、レンタル配信は7月6日からスタート、Blu-ray、4k UHD は8月5日発売です。

そんなの分からない!映画「ドクター・ストレンジ2」、ガルガントスの目玉はエリザベス・オルセンさんのものだった

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のオーディオコメンタリーの中で、本作の共同製作総指揮を担当したリッチ・パーマーさんが、ガルガントスの目玉はエリザベス・オルセンさんのものである事を明かしました。

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コメンタリの中でパーマーさんはガルガントスの目玉は実際にエリザベス・オルセンさんの目をスキャンして作成したと明かしました。これはガルガントスがスカーレット・ウィッチに召喚されていた事を暗示する理に適ったデザインでしたが、これに気づいていたファンがどれぐらいいたかは気になる所です。

ガルガントスはコミックのシュマゴラスと同じデザインをしていますが、シュマゴラスという名前の権利を他社が取得しているため、マーベルコミックに登場する別のタコ型モンスター「ガルガントス」の名を拝借して制作されました。

シュマゴラスはサノスに匹敵する、あるいは凌駕するようなキャラクターですが、映画に登場したガルガントスは強い使い魔といったようなポジションで終わりました。今後のMCUで真のシュマゴラスが登場するチャンスはあるのでしょうか?

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映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」、彫刻家がワンダゴアの舞台裏を公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の制作に参加した彫刻家のジョニー・ムーアさんが、イルミナティの玄関前に飾られていたスプリーム・ストレンジやワンダゴアのスカーレット・ウィッチ、ウィッカンの彫像の舞台裏をInstagramにて公開しました。

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本作に登場するこれらの彫像はCGではなく、実際に制作されています。ムーアさんは「ドクター・ストレンジ役のカンバーバッチの大きな彫像は、コロナのロックダウンの合間に完成しました。マントはGavin Fulcher と christianne barbknecht の協力で浮いています。」とスプリーム・ストレンジの像を紹介しています。

足の指まで精巧に作られたワンダの像。

ジュリアン・ヒリアードさん演じるビリー・マキシモフ。コミックのウィッカン(ウィリアム・カプラン)と同様の衣装であり、母ワンダのように現実改変を行える所から、MCU版でもビリーがコミックと同じように転生してウィッカンになるか、あるいはそのまま大人になってスカーレット・ウィッチとして覚醒する事がワンダゴアの壁画で予言されているという事でしょうか?

ジュリアン・ヒリアードさんは先日のインタビューにて「アベンジャーズ:ザ・チルドレンズ・クルセイド」や「エンパイア」といったコミックシリーズの実写化に挑戦したいと明かしています。

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映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のコンセプトアートからより凶悪な姿のワンダが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の新たなコンセプトアートが公開されました。このアートはアーティストのアレクサンダー・マンドラジエフさんが自身のInstagramにて公開したもので、Earth-838のワンダの精神世界を描いています。

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マンドラジエフさんは「この瞬間は描写するのに強烈でした。私が探していたのは、悪夢がループしているような、夢のような質感でした。」と添えていくつかの画像を投稿。

実写では838のワンダが少女バージョンに置き換えられ、精神世界である事を分かりやすくするためか真っ白な背景へと変更されていました。また、アートの瓦礫の後ろにはより凶悪な外見をしたワンダが描かれています。

©MARVEL,Disney

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は劇場公開中です。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」、ワンダとイルミナティの削除された脚本が明らかに

現在公開中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で、アース838に登場したワンダとイルミナティについて公開バージョンに含まれていなかった脚本があると、海外メディア Movie Scope が報じました。その内容はかなりダークなものであったと伝えています。

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記事によると、その脚本はイルミナティをヴィランとして位置づけるためのもので、アース838での出来事をもう少し描いていたと言います。

アース838のスプリーム・ストレンジがダークホールドを手にした時、「ワンダヴィジョン」のアガサと同じくスカーレットウィッチに関する予言に出くわしました。スプリーム・ストレンジはその発見をイルミナティに伝え、彼らは予言を防ぐために838のワンダにロボトミー的処置を施す結論に至りました。これは外科的手術ではなく、チャールズ・エグゼビアによって行われ、ワンダの能力へのアクセスを除去し、「家庭的なワンダ」というバリアントを生み出すことを意図していたと言います。このためにワンダの父マグニートーに相談するシーンが含まれていたとも伝えています。

最終的にこのシーンは、メインストーリーから逸脱しすぎていたことと、イルミナティのようなヒーローを悪役にするというコンセプトが必ずしもスクリーン上でうまく機能しなかったため、カットされたとの事。

この幻の脚本の流れはコミックの「ハウス・オブ・M」の流れに通づるところもあり、コミックの場合は脳の処理ではなく殺処分するかどうかでアベンジャーズとX-MENが揉めました。

公開バージョンでは終始スカーレットウィッチ(アース616)を甘く見ていたイルミナティで、対峙した際はあっさりやられるというピエロっぷりでしたが、こういった脚本で一度対処しているという油断があったのなら劇中での態度にも納得が行くようにも思えます。

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ソース:The Deleted Origin Story of Wanda-838 (Exclusive)

映画「ドクター・ストレンジ2」プレスツアー中にエリザベス・オルセンさんが嘘発見器にかけられていた動画が話題に

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の公開前に行われたプレスツアーの最中に、本作の秘密を探るためにスカーレットウィッチ/ワンダ・マキシモフを演じるエリザベス・オルセンが嘘発見器に掛けられていた動画が公開され話題になっています。

※これより先は「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

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ツアーの最中に行われていた海外メディア VanityFair とのインタビューの中で、オルセンさんは嘘発見器にかけられた状態で秘密のカメオに対する質問を受けました。(10分39秒~)

本作でミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズを演じていたジョン・クラシンスキーさんの写真を見せられ、「この男は生きている中で最も賢い男だと思いますか?」と質問されたオルセンさんは、「いいえ!(笑)でも、彼のことは知りません。でも、彼が生きている中で最も賢い人だとは思いません。」と回答。

続いて以下のようなやり取りを展開しています。

VF:「あなたは彼を全く知らないのですか?」
E.O:「そういう意味じゃないけど、いいえ、会ったことはありません。」
VF:「同じ映画に出演していました」
E.O:「彼に会ったことはありません」

そして、機械を担当しているスペシャリストが「嘘は言っていない」と判断し、オルセンさんは「彼の妻(エミリー・ブラントさん)には会ったことはあるわ」と付け加えました。

嘘発見器の精度は100%ではありませんし、過去の作品では俳優さんが相手が誰か知らないまま一人芝居をして後から合成するという手法で作られた事もあるため、実際に会わずに撮影された可能性も考えられますが、映画公開前にネタバレを防いでいたのは事実なようです。

エリザベス・オルセンさんから真実を聞き出すことは難しそうですが、「ワンダヴィジョン」のスピンオフドラマ「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」にも出演予定がないとし、ワンダを再演したいとしつつも次の計画がない事を明かしています。

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映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」、なぜワンダはあんな事になってしまったか

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が公開され約一週間、今回の記事ではワンダのこれまでを振り返りながら、本作でのワンダについて追求していきます。

※これより先は「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

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なぜ闇落ちしたのか

ワンダが闇落ちした理由について、「子どもたちを失ったから」と考えるのは早計です。もちろんそれは要因の一つではあるのですが、ドラマ「ワンダヴィジョン」を見た方ならわかる通り、実際は失ったのではなく自ら手放したのです。「ワンダヴィジョン」の流れについて振り返ってみましょう。

「ワンダヴィジョン」においてワンダはヴィジョンを失った喪失感から二人で暮らす予定だった家のあるウェストビューをヘックスで取り囲み、住人と作り出したヴィジョンに自らの理想の生活を強いていました。その偽りの生活の中で、ワンダはビリーとトミーの二人の息子を出産。しかしワンダの力を狙う魔女アガサ・ハークネスの介入により、その幻の生活は瓦解したのです。スカーレットウィッチとして覚醒したワンダはカオスマジックでアガサを圧倒し、最終的には家族が消える事を理解しながら自らの意思で街をヘックスから解放し、双子の息子たちと「何より愛する存在」だったヴィジョンとの別れを告げたのでした。

しかし、「ワンダヴィジョン」のポストクレジットシーンではアガサの持っていた魔導書ダークホールドを開いて、トミーとビリーの「ママ、助けて!」と呼ぶ声を聞いて終わります。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では何に対して助けを呼んでいたのかは示されませんでした。アース838のビリーとトミーではなかったのかもしれませんし、映画のラストで自分が838のワンダと対面したシーンを予見していた上で今回の事をしでかしたという狂った伏線だったのかもしれません。

つまり、「ワンダヴィジョン」のエンディングのあと、ポストクレジットシーンの時点ですでに闇落ちが始まっていました。この2つのシーンの間でどの程度の時間が経っているかは不明ですが、その引き金はやはりダークホールドだと考えられます。

ダークホールドとは

コミックのダークホールドは邪神クトーンの書き遺した魔道書で、読んだ人間を堕落させる力がある危険なもの。邪神がその力を地上に遺し使えるようにするため、自ら書き記した書、もしくはその書の断片を可能な限り集め、再編集した書の事を指しています。ひとつのユニバースに一冊というわけではなく写本も存在しています。
人が知るべきでない禁断の知識や呪文が書いてあるとされ、この本を読んだ人間は、特別な人を除き、堕落したり、魔物になってしまう事すらある恐ろしい書物です。
現状ではダークホールドを使ったドクター・ドゥームに対抗するため、やむを得ずアイアンマン、スパイダーマン、ブラックボルト、ワスプ、ブレイドがダークホールドを読んで対抗しましたが、各人にとって地獄のような世界に堕落してしまいました。最後にスカーレットウィッチがダークホールドと一体化し、邪神クトーンを吸収。現在はスカーレットウィッチ自身が真のダークホールドになっています。

MCUのダークホールドも起源は同じで邪神クトーンによるものである事が劇中で説明されました。禁断の魔術が載っていることや、読んだものが闇に堕ちるという説明もありました。しかしダークホールドはまだ2度目の登場であり、「読んだものが闇に堕ちる」というのがどういう事なのか全く描かれていません。MCUでダークホールドを読んだ人間はアガサ・ハークネス、ワンダ・マキシモフ、シニスター・ストレンジそして最後にドクター・ストレンジです。

それではアガサは闇落ちしていたのでしょうか?彼女は「ワンダヴィジョン」において比較的に論理に基づいて行動しており、劇中では犬のスパーキー以外の殺生はありませんでした。アガサはコミックでいう所の「特別な人間」で影響を受けていないのかもしれません。

©MARVEL,Disney

シニスター・ストレンジはかなり堕落しています。クリスティーンを求めて、何人ものドクター・ストレンジを殺してきたとも明かしました。しかしダークホールドにどのくらいの期間関与してきたかは分かりません。更に言うのであれば、「ロキ」では様々な異なる変異体が描かれており、ドクター・ストレンジとシニスター・ストレンジの違いがダークホールドによるものか、変異体としてもともと性格が異なっていたのか、スクリーン上の情報だけでは判断出来ません。

©MARVEL,Disney

ワンダは言わずもがな堕ちていますが、期間的には2023年後半の時系列の「ワンダヴィジョン」から2024年クリスマスの「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のあとの話である事を考えると1年余りといった所でしょうか。この間に「ヴィジョンと息子たちを手放しても街を救う」と決意したワンダから、「誰を傷つけようとも息子たちを手に入れる」と気持ちを変えてしまっています。

©MARVEL,Disney

ドクター・ストレンジはダークホールドに触れた期間が4人の中でもっとも短く、その変化は今の所計り知れません。すでに魔物化が進行しているかもしれませんし、アガサのように特に影響がないのかもしれません。第3の目は二人のストレンジだけに見られるもので女性陣には見られず、ダークホールドの影響かどうかは不明です。コミックのストレンジにも第3の目がありますが、それはダークホールドのせいではなくアガモットの眼のせいです。ちなみに、女性陣の共通点として指が黒く変色しているというものがありますが、二人のストレンジには指の変色がなく、これらもダークホールドの影響かどうか分かりません。

なお、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でダークホールドは処分された事になっていますが、今後クトーンが出てくるような事があればまたいくつでも生み出される事はありえます。焼けてしまったヴィシャンティの書(なぜか全マルチバースで一冊のようでしたが)も、ヴィシャンティがいれば量産出来うるもので、コミックではアストラル体として出てくる事もあるのでこちらも復元可能だと考えられます。ヴィシャンティとはエルダーゴッドのオシュトゥール、エンシェント・エイリアンのホゴス、そしてオシュトゥールの涙から生まれたアガモットの3人からなるチーム名です。

堕ちすぎて思い出もおかしくなったワンダ

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の中には理解が難しいシーンがひとつ有りました。それはワンダとアース838のミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズとの会話です。

ワンダが子供の事で暴走しているとわかったリードは「私にも子どもたちがいるから気持ちは分かる」と話しかけます。それに対してワンダは「奥さんはいるの?」と返し、リードがいると答えると、「母親がいるなら父親を殺しても安心」といって殺害してしまいました。

これではビリーとトミーの父親であるヴィジョンが居なくても良いと言っているようなもので、作中随一の信じ難いシーンとなっています。MCUにおいては2015年公開の「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」から「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)にわたってワンダとヴィジョンのカップルについて描いてきました。このシーンは「ワンダヴィジョン」だけでなく、それら以前の思い出までもぶん投げてしまう衝撃でした。結婚して子供が出来ると女性は変わるとはよく言いますが、「ワンダヴィジョン」のエンディングで「また会おう」といって消えていったヴィジョンが不憫でなりません。

©MARVEL,Disney

ヴィジョンの事もろくに覚えておらず、ニューヨークにガルガントスをけしかけて被害をだし、別アースのヒーローを惨殺しまくるぐらいなら、ウェストビューを犠牲にして家族4人幸せな生活をしておいたほうが良かったのではと、ドクター・ストレンジ的な犠牲論的思考に陥ってしまいます。

ワンダが殺害したリードの息子、フランクリン・リチャーズはコミックでは奇しくもワンダと同じ現実改変能力を持ち、乳母アガサ・ハークネスに育てられた少年。妹のヴァレリア・リチャーズはトニー・スタークを超える天才少女として兄をサポートするでしょう。アース838から616へと復讐に来ない事を願うばかりです。

無数のマルチバースがあるならば、ワンダが死んで子供たちが残されたユニバースを探せば平和的に解決した可能性もあったのでしょうか。子供を失ったワンダと母を失った子どもたちの利害が一致する世界を探すために、アメリカチャベスのメンターになるのがヒーローとしての正当な手段でした。しかし、ダークホールドの影響か、はたまた映画として成立しないというメタ的な理由でそうはなりませんでした。

とはいえMCUのマルチバース論ではどのドクター・ストレンジもクリスティーンを失い、ロキは裏切り、敗者であり、どのピーター・パーカーも保護者を失ってきました。「ホワットイフ」では絶対点とも説明された変えられない事象として、案外そのようなユニバースはどこにもなく、838のワンダもいずれ子供を失ってしまうのかもしれません。

総括

ワンダは子供たちを手放した心の痛みをダークホールドに付け入られ、今回のような事態を招きました。しかしその経緯の詳細は描かれておらず、今の所は観客に委ねられています。

なお、海外では「監督の無知がワンダヴィジョンを傷つけた」というような記事も書かれたりしています。(その他参考記事:Forbes)サム・ライミ監督は海外メディア Rolling Stone とのインタビューで「ワンダヴィジョンを全ては見ていません。重要だと言われたシーンをいくつか見ただけです。」と答えている他、MCU映画も4、5本しか見たことがない事を明かしています。

今作は自他共に認めるコミックオタクであるサム・ライミ監督によるコミックオマージュがふんだんに取り入れられている事でコアなコミックファンから評判がよく、無理に説明しない事でMCU初心者にも「なんとなく納得」させてしまう監督の腕による映画としての完成度などが評価されています。反面、MCUシリーズとしての展開は批判されがちで、特にワンダとヴィジョンのファンには厳しい作品となったようです。

MCUとして足りなかった部分があったとスタジオが判断すれば、今後「ドクター・ストレンジ3」や関連作になると予想される「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」などでフォローされていくことでしょう。

なお、ダークホールドについてコミックまでは手が出ないけどという方は、ディズニープラスで配信中の「エージェント・オブ・シールド」や「ランナウェイズ」を見てみるのもいいかもしれません。

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エリザベス・オルセンさんはドラマ「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」に登場するか分からないと言う

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でスカーレットウィッチ/ワンダ・マキシモフを演じたエリザベス・オルセンさんが、Good Morning America に出演し、登場が期待されているドラマ「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」について言及しました。

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今後のワンダについて質問されたオルセンさんはインタビューの中で、「計画はありません、私は真剣です。私は嘘が上手くないから(笑)プランがあればいいんですけどね。そして、確信がありません。この映画はファンが見てきたものとは全く違うものだから、本当に楽しみだし、とても驚きのある映画だと思うから、ファンがこの後何を望んでいるのか聞いてみたいわ。」と語りました。

さらに「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」について質問され、「ハーンとなら何でもやるわ。いや、私が知っている限りでは私は出演しませんけど、彼女がとても好きです。あのショーは全体がたくさんの喜びで満たされていて、とても素晴らしかったわ」と回答しました。

コミックにおいてワンダの師匠だったアガサ・ハークネスはドラマ「ワンダヴィジョン」において実質のヴィランとして登場しました。ラストではワンダの魔法でウェストビューに閉じ込められる結果となりましたが、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の結末はアガサ・ハークネスにどのような影響を与えたのでしょうか。

アガサが再びカオスマジックを求めてワンダに接触する事も考えられますが、「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」はプリプロダクションの初期段階にあり、キャスティングやあらすじ等はまったくわかっていません。撮影は10月から始まる予定だと報じられている事から、配信は2023年末から2024年頭ぐらいになりそうだと推測されています。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は劇場公開中、ドラマ「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」はディズニープラスで配信予定です。

ワンダ役エリザベス・オルセンさんは「ハウス・オブ・M」の実写化を望んでいる

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」やドラマ「ワンダヴィジョン」でスカーレットウィッチ/ワンダ・マキシモフを演じたエリザベス・オルセンさんがYoutube番組 HeyUGuys に登場し、コミック「ハウス・オブ・M」の印象的なシーンを再現したいと考えている事を明らかにしました。

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動画の中でマグニートーやドクター・ドゥームとのクロスオーバーについて質問されたオルセンさんは「今後のクロスオーバーに期待しています。この映画はマルチバースで多くのチャンスを開くと思っています。でも、不滅の言葉である『No more mutants』… つまり… MCUでうまくいくように、何らかの形でそれを言えるようになりたいですね。でも、次の登場がいつで何をやるか分からないから、インタビューではいつも、自分にとってカッコいいと思えることを言うだけなんです。でもそうね、ケヴィン・ファイギ以外の人がコントロールできることではないんだと思います。」と語りました。

「No more mutants」とはコミック「ハウス・オブ・M」のクライマックスでのワンダのセリフ。「ハウス・オブ・M」ではワンダの現実改変能力の暴走でワンダの父マグニートーが支配する世界となり、唯一以前の世界の記憶を残していたウルヴァリンが元の仲間を目覚めさせ、世界をもとに戻そうと奮闘する物語。そのラストでミュータントがこの世の不幸の原因だと考えたワンダが「ミュータントなんていなくなればいい」とつぶやくと世界が白い光に包まれ、世界は元に戻ったかのように見えました。しかしそれはワンダの能力によって大半のミュータントがその能力を失った世界でした。

オルセンさんは今後プロフェッサーX、マグニートー、ウルヴァリンなどの正式なデビューを待った後、このコミックの実写化に取り組みたいと考えているようです。

ワンダは「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」後の予定が正式には公開されていません。アニメ「アイ・アム・グルート」に登場するという噂もありますが、この作品自体がどういうものか不明となっています。また、「アベンジャーズ:ザ・チルドレンズ・クルセイド」のようなソロシリーズについても噂されていますが、ひとまずはドクター・ストレンジ最新作でのワンダを楽しんで、次の登場を待つことになるようです。

本作の公式概要は以下のとおりです。

元天才外科医にしてアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジは、禁断の魔術によって今とは異なる世界へ通じる扉を開けてしまった。 そこは無限の可能性が存在する“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド。 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」での激戦の後、この謎に満ちたマルチバースの世界からの新たな脅威が人類に迫る中、ストレンジの前に立ちはだかるのは最凶の魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった…。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は 2022年5月4日 日本公開予定です。