ドラマ「ミズ・マーベル」、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年6月15日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード2「Crushed(邦題:恋の始まり)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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アントマン

前回パワーを手にしたカマラ・カーンはアゲアゲな登場をかましています。このあたりはスパイダーマン/ピーター・パーカーと同様の反応で、ティーンがこういう能力をある日突然手にした場合はこのようなリアクションになってしまうのかもしれません。

ブルーノに「アントマンになれると思ったのか?」と指摘されるカマラですが、それはコミックのカマラの事を指しています。MCUのカマラはエネルギーをまとう事で手を巨大化させ伸ばしていましたが、この能力では縮小化を再現する事は難しそうです。能力が成長し、変化していく事はありえるのでしょうか?

QRコード

前回につづき、今回もミズ・マーベルの無料コミックのQRコードが存在しています。読み取りが上手くいかない方や面倒な方はこちらをクリック。

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時系列は?

「ミズ・マーベル」のプロデューサーであるサナ・アマナトさんは本作が「エンドゲーム」の1~2年後を想定していたと話しており、ディズニープラスのMCU時系列順のカテゴリを見ても「ムーンナイト」と同時期ないしは後の話しである事が推測出来ます。

  • 2023年10月:「アベンジャーズ/エンドゲーム」で半分の生命が戻ってきた
  • 以降2024年初頭頃までのタイミング:「ワンダヴィジョン」
  • 2024年春頃:「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」
  • 2024年6月から8月ごろ:「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」
  • 2024年秋頃:「シャン・チー/テン・リングスの伝説」と「エターナルズ」
  • 2024年夏から冬にかけて:「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」
  • 2024年クリスマス:「ホークアイ」
  • 2025年初頭:「ムーンナイト」と「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」

この事から本作は2025年を描いているものであると考えられますが、その時期については制作サイドから明言されておらず、今のところ作中から読み取るほかありません。

この冒頭のシーンでは学内で「ホームカミングのチケット販売中」のポスターが目に入ります。

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ホームカミングは通常10月ごろに開催されるイベントであり、チケットは9月ごろに販売されるようですが、本作は秋頃の話なのでしょうか?この謎を解く鍵はエピソードの後半で示されています。

ヒーロー問題

ゾーイがクラスメートに囲まれてアベンジャーコンの話題で盛り上がっている横で、カマラの親友ナキアは「最近スーパーヒーロー問題が多い」と愚痴っています。

ハルクの指パッチンによって人々が戻ってきたあと、「ワンダヴィジョン」のウェストビューは「ミズ・マーベル」と同じニュージャージー州の出来事であり、「スパイダーマン」2作と「ホークアイ」は隣町であるニューヨークで起きた事件、そして「エターナルズ」は地球規模の変動となっていました。

低予算のキャプテン・マーベル

 “budget Captain Marvel” という言葉はコミック「ミズ・マーベル」がデビューした時に一部の批評家が用いた表現で、MCU版でもこう言われないようにしているという一種の皮肉になっているのでしょうか。

大きな拳

コミックの巨大化能力を再現するように、結晶化したエネルギーで大きな拳を作るカマラ。この結晶には質量があるようで、カマラは拳を持ち上げることが出来ません。

前回ゾーイを救ったときや、今回のエピソードの後半で子供を救った時にも同様の能力を見せましたが、その時には質量を感じる演出はありませんでした。カラマの精神状態が影響しているのでしょうか?

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パワーソース

ブルーノの調査によるとカマラのパワーがバングルではなく彼女自身から発生しているとの事で、バングルはトリガーに過ぎないことが明確に示されます。

これはインヒューマンの遺伝子をもち、テリジェン・ミストを浴びた事で能力が発動したコミックのカマラと図式的にはかなり似ており、今後のさらなる情報に注目となります。

アスガーディアン

「私、アスガーディアン(アスガルド人)だったりして。ソーの親戚とか?」というカマラですが、ソーの兄弟はコミックではロキだけではありません。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」での登場が予定されていたというバルダーを始め、ソーには数人の男兄弟がいる他、アンジェラやラウッサといった妹も存在しています。マーベル・スタジオがカマラをアスガルド人として描く事は不可能ではありませんが、こうやってセリフでからかわれる事はその可能性はほとんどないと考えていいのかもしれません。

マーベルのバングル系アイテム

マーベルコミックには有名な腕輪状のアイテムが2種類あり、それぞれネガバンド、クアンタムバンドと呼ばれています。

ネガバンドは数千年前のクリー帝国の強力なアーティファクトで、精神エネルギーを物理エネルギーに変換し、装着者に素晴らしい力を与えることができる腕輪です。具体的にはネガティブゾーンからエネルギーを引き出し、筋力強化や状況認識能力の向上、さらには星間移動も可能にし、光子ブラストを放つことができるようになっています。また、宇宙空間での生存にも最適化され、食料や酸素がなくても生存できる能力を獲得します。この腕輪はコミックにおいて初代キャプテン・マーベルのマー・ヴェルが装着していました。

もうひとつのクアンタムバンドは起源が明らかになっていない腕輪ですが、コズミックエンティティのイーオンが作ったともされるもの(イーオンはラブ&サンダーの予告2弾にイースターエッグとして登場しています)。クアンタムゾーンから無尽蔵のエネルギーを引き出すこの腕輪はバッテリーの機能もそなえており、なんらかの状況でクアンタムゾーンへのアクセスが遮断された場合でも、ある程度はこの腕輪自体にチャージされたエネルギーを使用する事が出来ます。能力的にはネガバンドに似ている他、エネルギーを視覚化、固定化するといったMCU版のミズ・マーベルに似た能力も備えています。この腕輪を装着したものは宇宙の守り手クエーサーと呼ばれ、マー・ヴェルの遺伝子から人工的に作成された娘でキャプテン・マーベルでもあったフィラ・ヴェルが装着していました。

カマラのパワーを引き出した腕輪はこれらのどちらかなのか、また別の腕輪なのか、今後の焦点になって来ることでしょう。ひとまずカマラはこの能力に「ハードライト」と名付けました。

トレーニング

トレーニングのシーンでカマラが落下し、ブルーノが引っ張るシーンは「アベンジャーズ/エンドゲーム」のナターシャとクリントのシーンを再現しています。ぶら下がっているカマラが「Let me go」(離して)というのもナターシャのセリフをかぶせています。

ヴォーミアのソウルストーンを得るためにナターシャは犠牲になりましたが、この屋上は大した段差でもないため、カマラは余裕の着地を見せて終わります。

アミとの和解

アミ(母)ムニーバとぎくしゃくしていたカマラですが正直に話す事でなんとか許しを得ました。さらにゾーイのホームパーティに参加する許可まで出ました。1話では厳しいというか過保護な面が強く出ていたムニーバですが、ちゃんと優しい面も持ち合わせています。なお、コミックの両親はかなり厳格な人物です。

ホームパーティ

ホームパーティへはブルーノの自転車で二人乗で向かいます。これは前回のエピソードでカマラの自転車が(ブルーノの予想どおり)盗まれたことを表しています。

パーティで出会った男にオレンジジュースと騙されてウォッカを飲んでしまうのは、コミックのワンシーンを再現したもの。コミックでは吐き出していますが、MCUでは飲み込んでしまったようです。未成年に加えて宗教的にも飲酒を禁じられているカマラが飲まされた事について怒ってくれるブルーノとナキアはいい友人のようです。

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転校生のカムラン

今回のエピソード冒頭の学校でぶつかった転校生のカムランはコミックに登場するキャラクター。

コミックでは、カマラの父親ユスフの友人の息子で、別の学校(エクセルシオ・アカデミー)に通うパキスタン系の高校生。トニー・スタークの出身であるMIT(マサチューセッツ工科大学)に合格するイケメン秀才で全身ブランド物でキメるパーフェクト男子、且つ、カマラと趣味が合致する重度のオタクです。また、ブラックボルトのテリジェン・ボムにより能力に目覚め、青白いエネルギー状のボディになったりし、カマラと衝突する展開も。

ゾーイの家から逃げる際に乗車するおじさんの車は、黒地に輝く紫のラインというブラックパンサーを彷彿とさせるデザイン。ワカンダの血を引いている設定になった、ということはさすがにないでしょうか。

インド映画の話で盛り上がる二人が同じタイミングで口にした「DDLJ」とは1995年公開(日本では1999年)の映画「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に」の事。ムンバイの映画館 Maratha Mandir Cinema では2015年2月19日に上映終了するまで、1009週にわたって公開されていたインド映画史上に残る作品です。

車から降り、連絡先を受け取るカマラ。本作ではチャットのやり取りなどが背景に描写される演出がありますが、ここでは走り去るカムランを見送るカマラのシーンでちょうど後ろのハートが点灯します。そしてこれがフェードでにじんでいくと、画面中にハートがいっぱいに。

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身体の変化

歴史の授業の終わり、突如鼻先が光りだしたカマラはトイレに駆け込みました。

ナキアは生理と勘違いして「ナプキンもあるけど。おたくのママ、タンポン反対派でしょ」と言っていますが、ムスリムの中には身体の中に異物を入れるのを嫌う考えを持つ人がいる事を示しています。

思春期に出てくる身体の変化と制御できないスーパーパワーのダブルミーニングとなるシーンであり、ここでナキアが混血による苦悩を持っていることも明かされます。

なお、このシーンではカラマがコミックのクラシックなブラックウィドウを描いたシャツを着用しています。

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今週のウィルソン先生

ウィルソン先生に呼び出されたブルーノは前回のエピソードでも参照されていたカリフォルニア工科大学の英才教育プログラムに合格したことを知らされます。

カマラのパワーに悩んでいるのか、ニュージャージーの逆サイドにあるカリフォルニアに行くのをためらっているのか、憂かない様子のブルーノに、ウィルソン先生はスター・ウォーズと「プラダを着た悪魔」のセリフを引用しつつ説得を試みます。

ウィルソン先生は猫オタクに続き、映画オタクでもあるようです。

イード・アルフィトル

ブルーノがいつものようにカマラの練習につきあうつもりでいると、カマラはカムランと車の練習に行くと言って断ってしまいます。カマラはナキアからもらった衣装とイヤリングをつけてオシャレをし、ブルーノはフラレ感を漂わせています。

カマラは母も望んでいるとして今度「イード・アルフィトル」に行こうとブルーノを誘います。イードは断食(ラマダン)の終わりを祝うお祭りの事で日程はヒジュラ歴で決まっているため、西暦にすると毎年開催月が変わります。

「ミズ・マーベル」は2025年が舞台になっているため、その開催は3月末の予定となっており、ここは時系列を特定する鍵となっています。また、ニュージャージーの3月の平均気温は5.6度との事で、作中の人物がマフラーを巻いていたり、ジャンパーを着用するなど比較的厚着をしている事、夜間のシーンで吐息が白くなっている事などと整合性が取れています。

気になるのは冒頭のホームカミングのポスターで、3月といえばプロムの時期。ホームカミングのポスターは季節外れ感がありますが、ポスターの剥がし忘れとして納得できないものでもありません。

もう一つ気になる点としてはそもそも断食が描かれていない点。前回のエピソードでも食事のシーンがありましたし、アメリカ在住のムスリムが少し緩いのか、何らかの制作ミスかは判断が難しい所です。

今回も消された任天堂の存在

ドライブにでかけたカマラとカムランですが、カムランは「誰に運転を教わった?」と聞いていますが、英語ではこの後に「Bowser?」と続いており、これは日本で言うマリオの宿敵、大魔王クッパのことです。

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前回もスマッシュブラザーズに関するセリフがありましたが、日本語では単なる「対戦ゲーム」という言葉に置き換えられ、制作陣の任天堂愛は日本のディズニーによって抹消されているようです。

キンゴ

インド料理点のボンベイ・スパイスに入ったカマラとカムランは再び映画話で盛り上がります。

カムランが「君まさかキンゴのファンじゃないよね?」と聞いているのはもちろんエターナルズに登場したキンゴ・スネンの事。「アミがキンゴのファン」と言うカマラに対してカムランは「うちの母親も同類、キンゴのお父さんのファンだ」と答え、二人してやばいよねと同調しています。

「エターナルズ」で語られたように、キンゴの父も祖父も曽祖父もそのまた先も全てキンゴが世間から不老不死の疑問を持たれないように演じ分けていただけ。そして残念な事に、カマラたち若年層にはキンゴは刺さっていない様子です。

制作陣は「エターナルズ」の中でもとりわけキンゴを気に入っているようで、「ムーンナイト」でキンゴ登場の計画があった事が明かされている他、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のロケ現場でも目撃されています。

また、キンゴを演じるクメイル・ナンジアニさんはミズ・マーベルとのクロスオーバーを望んでいる事を過去のインタビューにて語っています。

イスラムの教えでは若い男女が2人で居ると、シャイターン(悪魔)が現れるとの事で、女性側の身内の男性が側に居ればこれは避けられるとも言われています。劇中でも描かれているとおりコミックでも信仰心の強いカマラの兄アーミルが登場し、悪魔が現れないようにして去っていくのでした。ただしコミックのアーミルは信仰が強すぎる事もあり、デートにはずっとついて回るような人物です。

ムニーバの母

アーミルの婚約者をむかえて食事会をするカーン家ではムニーバの母、つまりカマラの祖母にあたるサナに関するエピソードが明かされます。

1947年のインド・パキスタン分離独立の時、駅で迷子になった幼いサナは、星に導かれて父のもとに追いついたと言います。そしてサナの母、つまりカマラの曾祖母にあたるアイシャはその際に行方不明になったままとの事。

アイシャの話題になったところでバングルが不思議な輝きを放ち、カマラはまたも別世界を見てしまいます。そしてそこに現れる謎の女性。

魔物のせいだと昼間のデートが原因であるかのように心配するアーミルでした。

サナ

祖母のサナはコミックでは名前のないキャラクターです。マーベルのエディターであり、本作のプロデューサーでもあるサナ・アマナトさんから命名されていると考えられます。

サナとの電話でバングルがひいおばあちゃんのアイシャのものであった事が判明。しかしそれ以上詳しい話を聞くことは出来ず、アイシャやバングルについてこれ以上知ることは出来ないカマラでした。

アイシャはコミックにも登場するカマラのひいおばあちゃんですが、特に重要な役割はないキャラクターでした。ですがMCU版ではこのアイシャが何か大きなカギを握っているのは間違いないようです。

ムニーバはアイシャの事を「一族の恥」とまで言い切り、今後のさらなるエピソードに注目です。

ナキアの選挙活動

イードの会場ではナキアが選挙活動に励んでいました。

チャラ男集団のようなモスク・ブラザーズや女子慣れしていない信者ボーイズ、やんちゃガールズやゴシップおばさんなど、ムスリムの中にも多様性がある事が示されています。

吹替でゴシップおばさんと呼ばれたこの集団は、英語で「The Illuminaunties」。秘密結社イルミナティとおばさんたちアウンティーズをかけ合わせた名称になっています。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で登場したヒーローチームのイルミナティのEarth-616版というわけではおそらくありません。

ダメージコントロール

ダメージコントロールの聴取室ではゾーイがクリアリー捜査官から事情聴取されていました。ゾーイのファンだというクリアリーですが、とても本心からのようには聞こえません。しかしゾーイは気をよくしています。

ゾーイが能力者に助けられたと主張するも、クリアリーは殺されかけたと決めつけてかかっています。どうやら「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の時と姿勢は変わらないようです。

ダメージコントロール、DODC(Department of Damage Control)は映画「スパイダーマン:ホームカミング」で登場した組織。映画「アベンジャーズ」のニューヨーク決戦の直後、スターク・インダストリーズと政府によって、戦場となった地域の残骸の処理・保管を目的として設立されました。

今現在のダメージコントロールのボスが誰なのかは不明で、その目的は後処理から未然の防止へと変化してしまっているようです。

同僚のディーヴァーとの会話の中では「FBIも既に監視を始めている」との事ですが、「アントマン&ワスプ」や「ワンダヴィジョン」に登場したFBI捜査官のジミー・ウーが登場する余地はあるのでしょうか?

アイシャの噂

カマラはゴシップおばさんたちからアイシャについて以下のような噂を聞き出しました。

  • 蛇女
  • 触れるものすべてに呪いをかける
  • 不倫
  • 隠し子
  • 殺人

なかなか物騒な言葉が並んでいますが、この中に真実はあるのでしょうか。

変身

話を聞いている最中、塔から落下しそうな少年を助けに行くカマラ。コスプレ衣装を持ち歩いているのはヒーローの自覚ありといった所でしょうか。「ハードライト」で足場をつくり少年を助けるとまたたく間にSNSに拡散されています。

しかしまたもや不思議な光と女性を見たことで、助けたはずの少年は落下してしまいます。なんとか生命だけは助けることに成功しましたが、少年は足を怪我した様子。怖くなったカマラはその場から逃走します。

DODCのドローン

SNSで拡散されたせいか、はやくもDODCが駆けつけます。そのドローンは映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でみたスターク・インダストリーズ製のドローンのように見えるものですが、支給品なのでしょうか。

少なくともミステリオ事件で使われていたものは操作にトニーのサングラス型の端末とイーディスが必要で、その権限は今もピーター・パーカーが所持していると考えられます。

カムランと母の登場

クリアリーたちに道を塞がれたカマラでしたが、ハードライトを使って頭上を飛び越えます。そこにクリアリーが車であらわれ、カマラを保護して走り去っていきます。

カムランに助けられる形になったカマラですが、後部座席にはカムランの母が座っており、「あなたに会える日を首を長くして待っていた」と語ります。

この女性はカマラが幻覚の中でみた女性と同じ顔をしていますが、ニムラ・ブチャさん演じるこのキャラクターはクレジットでNajma(ナジマ?)と表記されており、アイシャとは違うようです。

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アイシャとナジマは同一人物なのか、あるいは姉妹や双子といった血縁関係にあるのか気になる所。

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」ではミシェル・ヨーさんがシャン・チーの母親イン・リーとその姉イン・ナンの二役を演じており、ニムラ・ブチャさんも姉妹を演じているという可能性はあるかもしれません。

そして、アイシャの関係者だとしても、敵か味方かはまた別問題です。

原作のカムランはテリジェンによって得た力をヴィランの手下として使っていたため、彼らが味方である可能性も、敵である可能性も等しく残されているようです。


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2022年6月22日16時 より配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、1話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年6月8日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード1「Generation Why(邦題:ジェネレーション・ホワイ)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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ロゴ

お馴染みマーベル・スタジオのロゴはマイナーアップデートされ、はやくも「ムーンナイト」が挿入されています。

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音楽は予告動画でも使用されていたThe Weeknd の「Blinding Lights」が流れ、「長く一人で過ごしている」「罪深い街は冷たくて空っぽ」と表現しつつも、「目がくらむ光」「こんな風になったら、信じられるのはあなただけ」と歌われており、親や同級生に思うように扱ってもらえない現状に愛想をつかしながらも、キャプテン・マーベルの存在を知って世界が変わったカマラのことを重ねているようです。

グース

ロゴ明けで始まるのはカマラ自作の動画。コミックではファンフィクション、日本でいう同人誌を描いているカマラ・カーンですが、MCU版では駆け出しユーチューバーと言った所でしょうか。同人作家名は「SlothBaby」(ナマケモノの赤ちゃん)で、MCU版ではチャンネル名に適用されています。

映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」の戦いを振り返っている動画ですが、中にはグースのような存在も描かれています。

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目撃情報

キャプテン・マーベルの目撃情報と書かれた黄色の付箋が画面右下に見えます。

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サンディビーチ、東京と続き、暗い路地と抽象的なワードが書かれています。日本のファンとしてはキャプテン・マーベルが東京で何をしていたか気になるところですが、残念な事にこれ以上深掘りはされません。また、「ザ・マーベルズ」が東京ロケをしたという話もありません。

ポッドキャスト

カマラがなぜ「エンドゲーム」の話を詳しく知っているのか、そして過去に遡って、「ワンダヴィジョン」でジミー・ウーやモニカ・ランボーがワンダとサノスの一騎打ちを知っていた事、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」や「ホークアイ」で一般市民がサノスやその他様々な事を知っていた原因が明かされました。

それはLifeというメディアが提供しているポッドキャスト。ゲストとしてアントマンが出演しインタビューを受けていたようです。

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アントマンことスコット・ラングは現場にもいた当事者ですから、情報提供者としては申し分ありません。しかし、「ロジャース・ザ・ミュージカル」にアントマンがいた事などを考えると、スコットは正確に情報を提供しているとは思い難く、特に自身の活躍に関しては誇張している疑いもあります。

また、前述のグースの事や、動画内でキャロル・ダンヴァースの髪型の変化が正しく表現されているのは少し疑問が残るところであり、スコットが知っているはずのない事です。ヒーロー同士、休息時間に過去のお互いの思い出話でも交わして聞いていたという所でしょうか。

スーパーマン

空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!の名台詞をオマージュしてキャプテン・マーベルが登場。

通常、空を飛ぶ鳥を描く時にオウムはあまりピックアップしないような気もしますが、これはミズ・マーベルのコミックからのイースターエッグである可能性もあります。

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初代ミズ・マーベル

部屋にはお馴染みのコスチュームのキャプテン・マーベルの横に、コミックの初代ミズ・マーベルのアートが貼られています。

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ミズ・マーベルはもともとキャロル・ダンヴァースが名乗っていた名前であり、コスチュームも今のキャプテン・マーベルとは異なるものでした。

カマラが初代ミズ・マーベルのコスプレをしていたらボディラインどころではなく色々と出ているので、ムニーバは卒倒したかもしれません。

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Sloth Baby Productions

コミックでのカマラのペンネームを冠したユーチューブチャンネルで、チャンネル登録者は二人。友人のブルーノとナキアでしょうか。

コメント欄ではブルーノとナキアが本名でYoutube活動している事が判ります。ナキアはなぜこんなところで寄付サイトに誘導しているのか気になります。

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なお、実際のYoutubeにはこれと同名のチャンネルが乱立していますが、どれも公式のものではないようです。ほとんがこのカマラの動画のシーンの切り抜きを投稿しているだけであり、中には静止画のみの粗悪なものも見られました。

アブーとアミ

動画投稿中に運転免許の試験時間だと急かされるカマラ。

アブーとはパパを指すアラビア語で、カマラの父ユスフ・カーンの事、アミとはママの意味でカマラの母ムニーバの事です。作中ではアブーとアミの呼称が多くなりそうなので、特に吹替版を見ている方は覚えておく必要がありそうです。

兄アーミルも紹介され、アーミルが一番敬虔深い事も判明します。

カマラのサングラス

運転免許取得は日本とアメリカは大幅にシステムが違い、筆記試験は自習スタイルが多く、実技は免許保持者が同乗のもとで公道で練習をします。

実技試験は日時を予約して自分の車でインストラクターの元へ向かい、インストラクター同乗のもと30分ほどの試験となっています。とは言え、免許がない状態で自分の車を持っている事は少なく、多くの場合は家族の車で試験に向かいます。今回のカマラも父親の車である事が明かされています。

この時カマラが着用していたサングラスはトニー・スタークへのリスペクトでしょうか。

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カマラ・カーンはキャプテン・マーベル推しですが、演者であるイマン・ヴェラーニさんはアイアンマン推し。ヴェラーニさんは事前のインタビューにて「アイアンマンのイースターエッグを入れすぎて注意された」とも明かしており、このシーンは制作スタッフが残してくれたイースターエッグだと思っていいでしょう。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-ms-marvel-included-iron-man-references/”]

そして、この一連のシーンで両親がかなりの過保護である事が判明します。

コールズアカデミック高校

カマラが通う高校はコミックと同じくコールズアカデミック高校。

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記載されている名前は2016年のコミック「ミズ・マーベル」を手掛けたG・ウィロー・ウィルソンさん、エディターのスティーブン・ワッカーさん、アーティストのエイドリアン・アルフォナさんとジェイミー・マッケルヴィさん、2列目にカラーリストのイアン・ヘリングさん、ペンシラーのニコ・レオンさん、アーティストの宮沢武史さん、レタラーのジョー・カラマーニャさんの名前が並んでいます。

ちなみに、宮沢武史さんはカナダ生まれの日本人です。

カマラの登校シーンはスパイダーマン/ピーター・パーカーとオーバーラップしており、ピーター同様に学校ではいじめられているようです。

ブルーノとナキアとスマブラ

いじめられっ子と言えども友人もいます。ブルーノ・カレッリはMCUスパイダーマンでいう所のネッドのような相棒ポジションのキャラクター。ナキアは仲のいい女友達です。

「週末暇なんだ」というブルーノにナキアが「対戦ゲームのお誘い?」と返していますがこれは日本語字幕や吹替の話。英語では任天堂のスマッシュブラザーズを取り上げています。アメリカでも名前が知れ渡っている日本のゲームが、日本語で一般名称に置き換えられたのはどういった配慮なのでしょうか。

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アガモットの目

キャプテン・マーベル推しのカマラですが、キャプテン・マーベル一色というわけではありません。Tシャツはキャプテン・マーベル、ワスプ、ヴァルキリーを描いたもので、バックパックにはキャプテン・アメリカの盾やハルクのワッペンなども貼られています。

そして首元にはアガモットの目のようなものもぶら下げています。

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ウィルソン先生

部屋のポスター、パソコンの壁紙、マグカップなどから猫好きが伝わるゲイブ・ウィルソン先生。ネームプレートはGWWになっており、フルネームでそうなるように設定されている事が推測されます。ウィルソン先生はドラマオリジナルのキャラクターです。

なお、GWWは高校のブロンズプレートにも記載されていたコミックの手掛けた人物の一人グウェンドリン・ウィローウィルソンさんの名前から由来していると考えられます。

また、回想シーンのなかで実験中の事故で青い煙を浴びているのは、コミックのカマラがテリジェン・ミストを浴びてインヒューマンの能力を覚醒させた事に対するオマージュになっています。

QRコード

ドラマ「ムーンナイト」にもあったQRコードによるフリーコミックが今回も用意されています。

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興味のある方はスマホで読み込むか、こちらをクリックしてご覧ください。

アイアン・マーベルとドクター・ストレンジ・マーベル

学校からの帰り道、壁画アニメでさまざまなキャラクターが紹介されるシーンはとてもユニークです。

キャプテン・パンサーはブルーノのアイデアですが、アイアン・マーベルはコミックでもアーマーの一部をまとうキャプテン・マーベルが描かれました。またドクター・ストレンジ・マーベルに関しても、キャロルが自らの弱点である魔法を克服するためにドクター・ストレンジに弟子入りしようとした事もありました。

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Felicity

帰宅したカマラが逆さ状態で見ているのは「Felicity(邦題:フェリシティの青春)」のシーズン1の最終話。憧れの人に近づくために同じ大学に入学した女子大生の恋と青春を描いたテレビドラマで、キャロルに憧れるカマラの姿を重ねた演出になっています。

しかしキスシーンになると母ムニーバはテレビを消すように告げるのでした。

インド映画のポスター

ムニーバとカマラが買い物にでかけた先で映るのはインド映画のポスター。

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J・ヴァッシュ、J・ハダド、H・アヴァンという名前が描かれていますが、この3人はいずれも本作のクルーとなっています。ジュリー・ヴァッシュさんはセットデザイナー、ジェシー・ハダドさんはアートディレクターの一人、ハジャー・アヴァンさんはアート部門に所属しています。

残念ながら、キンゴのポスターはありません。

カマラのお願い

買い物から帰宅すると、ブルーノがスマートスピーカーのズーズーを設定していました。父ユスフが機嫌よくクリケットを見ており、「ムーンナイト」のスティーヴンと気が合いそうだと感じさせます。

そんな中、カマラは意を決してアベンジャーコンに行きたいとお願いしますが、時間が遅いことやキャプテン・マーベルのコスプレを理由に許可が降りませんでした。

イスラム圏でイスラムの教義にしたがって生きることはある程度自然な事かもしれませんが、アメリカという誘惑の多い地域でこの教義のもとで生きるのは更に辛いと思わせるシーンになっています。

「普通の女の子がする事は禁止なのね」というカマラに、ユスフ「お前は普通じゃない」と、特別な存在である事を促しています。なお、日本語訳のコミックのサブタイトルは「もうフツーじゃないの」となっています。

サークルQ

前のシーンで両親がいない事が判明したブルーノはサークルQに帰宅。コミックでブルーノが働いている場所でもあります。

自転車が音声ガイドで自動ロックを告げるなど、本作のメカニック担当である事を示唆しています。2階の自室もトニー・スタークのラボやピーター・パーカーの部屋のようになかなかの散らかり具合。

また、ブルーノのTシャツがトニー・スタークのアークリアクターのようなデザインになっているのも注目です。

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キャプテン・マーベルのコスチューム

夜が明けて翌日、キャプテン・マーベルのコスの試着をしているカマラ。腰にスカーフを巻きつける様子は母ムニーバに禁止されたボディラインを少しでも紛らわせるためと、コミックのキャプテン・マーベルのデザインを取り入れたダブルミーニングでしょうか。

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コミックのキャプテン・マーベルは腰に赤いスカーフを巻いているのがベーシックなデザインになっています。

ハルク親子

両親が部屋に訪れ、アベンジャーコンに行ってもいいと言われ、笑顔のカマラ。しかし、父がついていく事とハルクのコスプレをする事が条件となり、納得できないカマラは交渉決裂してしまいました。

カマラは「ハルク親子のコスプレはないかな」と発言しており、実際MCUにハルクの息子は登場していません。ドラマ「シーハルク」にて息子が紹介されるという噂もありますが、今のところは不明です。

エジソン・エレクトリック

ハルク親子のコスプレという条件が飲めずにアベンジャーコン参加の許可が降りなかったカマラ。傷心のカマラはブルーノと二人、サークルQの屋上で会話しています。

二人の奥に見えるエジソン・エレクトリックはコミックのヴィランであるエジソンを匂わせています。

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コミックではインベンター(発明者という意味)/トーマス・エジソンはグレッグ・ノックスという科学者によって現代に蘇ったエジソンのクローンです。しかし、DNAの合成中のノックスのペットのオカメインコのDNAが混じってしまう事故により、顔がオカメインコになってしまいましたがその天才的な脳は健在でした。

オカメインコはインコ科ではなくオウム科であること、冒頭のユーチューブビデオにもオウムがいた事、この後のシーンでもユスフがオウムの話をしている事、これらは単なるイースターエッグなのか、それとも今後の流れを暗示しているのか、2話以降にも注目です。

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アベンジャーコン

アベンジャーコンのシーンは別記事にまとめました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-ms-marvel-ep-01-avenger-con-easter-egg/”]

宇宙の力

会場からもどったカマラが部屋に戻るとムニーバが待ち構えていました。母の説教で沈むカマラでしたが、バングルと力がある事を確認すると「宇宙か・・・」とつぶやき、笑みをこぼして1話が終了します。

このバングルはコミックにはないもので、本作のキーアイテムであることは間違いありません。

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のテンリングス同様に宇宙由来の道具なのでしょうか?奇しくもテンリングスにもキャプテン・マーベルが関与しているため、今後の展開には期待です。

トラックスーツ・マフィア

クレジット映像の中でドラマ「ホークアイ」のトラックスーツ・マフィアたちの「TRUST A BRO」と書かれた車両がわざとらしく映ります。車両の形は異なりますが、気になる所です。

本作は「ホークアイ」の舞台だったニューヨークの隣町での物語になりますが、両作品はリンクしていくのでしょうか?「ホークアイ」のラストでは多くのマフィアが逮捕されたように描かれていましたが、残ったメンバーがニューヨークから拠点を移してひっそりと活動再開しているのかもしれません。

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ダメージコントロール

ドラマシリーズでは珍しく、1話でミッドクレジットシーンが用意されていました。

登場したのはアリアン・モイェドさん演じるアルバート・クリアリーはダメージコントロール局のエージェントと、その同僚女性。

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クリアリーは映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で逮捕後のピーター・パーカーやメイおばさんなど関係者を尋問していた人物です。クリアリーの行動がピーターを追い詰めたとも言える役どころで、彼がそこまでしていなければ「ノー・ウェイ・ホーム」とそれに続く「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」も起きなかったと考えると、MCUの物語上、悪い意味でのキーパーソンでもあります。本作でもまたトラブルメーカーとなってしまうのか、カマラに寄り添う形になるのか注目です。


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2022年6月15日16時 より配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、1話のアベンジャーコン小ネタ特集

2022年6月8日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード1「Generation Why(邦題:ジェネレーション・ホワイ)」で描かれたアベンジャーコンのシーンのイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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アベンジャーコン

キャンプ・リーハイ

「ミズ・マーベル」の1話で描かれたアベンジャーコンはアベンジャーズを特集したイベント。キャプテン・アメリカ生誕の地、ニュージャージにあるキャンプ・リーハイにて開催されています。

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Star Spangled Man With A Plan

イベント会場で流れていた曲は映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で使用されていた楽曲「Star Spangled Man With A Plan」。ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でもマーチングアレンジバージョンがジョン・ウォーカーの紹介シーンで流されました。

スカーレット・ウィッチもアベンジャーズ

会場に入って奥には後にコスプレコンテストで使用される舞台が見えていますが、その脇にはドクター・ストレンジとワンダのパネルが置いてあります。

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映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の冒頭でのドクター・ストレンジとワンダのやり取りではアメリカ・チャベスの保護を手伝ってもらうかわりにチームに戻れるようサポートするといったやりとりがありましたが、一般市民はワンダがアベンジャーズでは無くなったとは認識していないようです。

「ワンダヴィジョン」のウェストビューでの件は情報規制されていて一般には知られていないのか、単なるプロットホールなのか、現時点では判断できません。

様々なコスプレ

会場でのコスプレはコンテスト対象になっているキャプテン・アメリカとキャプテン・マーベルだけでなく、様々なコスプレイヤーが登場しています。

その中で気になるのはガモーラのコスプレイヤー。

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スコット・ラングは過去から来たガモーラと戦地で出会った可能性はありますが、映像としては描かれていません。強いて言うならガモーラはワスプ/ホープ・ヴァンダインと並んで戦うシーンがあったので、ホープから外見の詳細を聞いていた可能性はありそうです。

それをポッドキャストで聞いたという伝言ゲームの果てに出来上がったコスプレとしては、かなり完成度が高いと言わざるを得ません。

その他、アベンジャーズの初期メンバーはもちろんの事、ドクター・ストレンジやヴィジョン、エムバクや、もはやヒーローではないキャプテン・アメリカのチアリーダーやアイアンマンのコンパニオンガールまでものコスプレイヤーがいる中、見当たらない気になるメンバーもいます。

一人目はスパイダーマン。お隣のニューヨークを守っているはずですが、コスプレイヤーもグッズも見当たらないようです。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ではスパイダーマン=ピーター・パーカーという記憶が消えただけで、スパイダーマン自体はみんな記憶している事が「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でも判明していますが、残念ながらアベンジャーコン会場では発見できませんでした。マーベルとソニーの大人の事情が絡んでいるのかもしれません。

二人目はニュー・キャプテン・アメリカとしてデビューしたはずのサム・ウィルソン。新しいキャプテン・アメリカは「エンドゲーム」以降のキャラクターですが、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のクライマックスでは堂々とメディアの前で語っているため、しっかりとニュース映像としてお茶の間で流されたはずです。しかし、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース姿のコスプレイヤーは結構見かけますが、ウィングスーツ姿のキャプテン・アメリカは会場にはいないようです。コスプレの難易度が高いという事でしょうか。

アメリカのケツ

キャプテン・アメリカのお尻を強調したグッズも販売中。

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「アベンジャーズ/エンドゲーム」でスペース・ストーンの回収に向かったトニー・スタークとスコット・ラングは2012年のスタークタワーの最上階にて当時のアベンジャーズたちとロキの様子をうかがっていました。

その際にトニーが2012年のキャップのスーツを見て「ケツがダサい」と評し、スコットは「かっこいいよ!アメリカのケツって感じ!」と謎のフォローを入れています。

スコットはこのエピソードも紹介したのでしょうか、しっかりとグッズ化されてしまったようです。

充実のアントマングッズ

会場の様子が紹介される中で、どう見ても充実しているのはアントマンのグッズ。スコットの策略なのか、一般人から人気であるのは間違いないようです。

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「アントマン&ワスプ:クアントゥマニア」のロケでも住民と親しげに接するスコットの様子が目撃されており、次の映画でこのへんの詳細が描かれるかもしれません。

その他気になるグッズとしてTシャツ類もチェック。

グルートはスコットがどう伝えたのか、ミスター・ツリーの名前で愛されているようです。ガーディアンズについてはプロデューサーのサナ・アマナトさんが The Direct とのインタビューの中で「ある種の記録媒体があったと思います。人々はおそらくそれを見て映像から情報を得たのです。しかしガーディアンズのような誰なのかわからないヒーローがいる場合、人々はどうするでしょうか?人々は自分たちが考えた名前を作り出します。グルートのことをミスター・ツリーと言ったり、ロケットは”アライグマのようなもの”とひどい名前をつけられていました。スターロードはスターボーイです。」とコメントしています。

どうやらスコットのポッドキャスト以外にも映像情報がどこからか流出していると、プロデューサーのアマナトさんは考えているようです。

また、アスガルドプライドと書かれたTシャツは虹が描かれており、虹の橋ビフレストと統治者であるキング・ヴァルキリーがLGBTQである事を二重に意味しているようでもあります。

追悼

トニー・スタークとナターシャ・ロマノフの追悼も行われています。トニーに関しては「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でも描かれていましたが、ナターシャについて一般人がどう捉えているかは今回が初の描写になります。

しかし戦う前に犠牲になったガモーラやヴィジョンたちについてはここでは触れられていません。

I can do this all day

キャップの名台詞「I can do this all day」もパネル化されています。1作目の「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」から常々口にしており、キャプテン・カーターもこのセリフを口にする癖があります。しかし、日本語字幕や吹替版は翻訳が作品によってまちまちであるため、日本語の場合は名台詞感はあまり感じないかもしれません。

アントマン&ワスプ

アントマンのアトラクションは「アントマン&ワスプ」の1シーンを再現しています。

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なんちゃってコスプレ

インフルエンサーのゾーイもキャプテン・マーベルのコスプレで登場。ブルーノは「なんちゃってコスプレ」だと低評価をつけています。

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しかし実際にはコミックバージョンのクラシックなキャプテン・マーベルのコスチュームのデザインに現代のキャプテン・マーベルの配色をあしらったものになっており、ある意味原作に忠実とも言えるようになっています。

コスプレコンテスト

コンテストの司会者を演じているのはライアン・ペナゴスさん。マーベルの副社長です。役者さんではありませんが、ナチュラルな演技でした。

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おばあちゃんのバングル

おばあちゃんの腕輪(バングル)を装着したカマラはなぞのエネルギーに包まれ、一瞬別の世界へとシフトしてしまいます。

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この世界については今後のエピソードや別の作品などで徐々に明かされていくと考えられます。

カマラはこのバングルをきっかけにパワーが覚醒しましたが、コミックでは彼女はインヒューマンという種族であり、テリジェン・ミストによって能力を獲得しました。

インヒューマンは成人するとテリジェン・クリスタルから発せられるテリジェン・ミストを浴びる儀式を行い、このミストと遺伝子が適合すると特殊能力が開花します。月面都市アティランで生活するインヒューマンは適合しなかった場合市民権を奪われ、強制労働作業に送られてしまいます。このアティランをおさめているのが映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」に登場したインヒューマンの王ブラックボルトです。

地球で暮らすインヒューマンはカマラ・カーンを始めとしてドラマ「エージェント・オブ・シールド」に登場しているデイジー・ジョンソンなどがいます。

テリジェンがミュータントに死をもたらす伝染病「M-Pox」を生み出してしまったことでX-MENとインヒューマンズは戦争になった事もあります。

MCUとコミックで能力覚醒のきっかけが違うという点で、ケヴィン・ファイギ社長は以前にコミックを正確に適応させているわけではない事と、本作はカマラ自身の過去と血統の物語であると話しています。

そのため、バングルを装備すれば誰でもパワーを得られるわけではなく、コミックが遺伝子とテリジェンが必要だったように、MCU版もカマラのDNAとバングルが組み合わさって能力になっている可能性が高そうです。

パワーの暴走

カメラのフラッシュをきっかけにパワーが発動してしまったカマラですが、初めての事にうまく対応できません。次第にパワーが暴走し、会場は大惨事に。ゾーイが危険な状態になりましたが、すんでの所で助けることに成功しました。

カマラの能力はコミックから変更されていますが、結果的にはコミックと同様の使い方になっています。また、コミックでのカマラも初めての人助けもゾーイだった事を重ねています。

会場から逃げるように去ったカマラとブルーノ。部屋に戻る際はエネルギーを足場にして登るという、コミックのカマラにはない能力のパターンも見せました。


アベンジャーコンが現実になる可能性もあるようで、リアルイベントの開催にも期待です。

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ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2022年6月15日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、6話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年5月4日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード6「Gods and Monsters.(邦題:再生)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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トキ

ハロウの背後に見えるトキの像。トキは知恵や文字を司るトト神の化身と古代エジプトでは考えられており、調和の意味合いも兼ね備えていました。アメミットの天秤の調和が取れていないハロウと対になるように配置されているようです。

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杖の進化

理由はよくわかりませんが、アメミットのウシャブティを手に入れたハロウの杖が進化しました。これによって5話の段階でも予想したようにハロウの能力自体も進化し、これまで相手に接触して行われていた魂の裁定が、少なくとも半径10メートル内ぐらいでは出来るようになっているようです。

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再びピラミッドへ

ピラミッドへと戻ってきたハロウ一行と、その異変に気づいて再集結したエネアドのアバターたち。戦隊ヒーローのように横並びで立ちはだかったアバターたちでしたが、文字通り瞬殺されてしまいました。

気になるのはエネアドたちで、結局このあと介入してくる事はありませんでした。アバターたちはマークやエピソード後半のレイラのように自由意志で動いており、ハロウやアメミット復活を止めたいのはセリム(オシリスのアバター)やヤツィル(ハトホルのアバター)の考えであって、エネアドたち自身は本当にこの件はどうでも良かったのでしょうか。

アメミット復活

ハロウがウシャブティを破壊し、ついにアメミットが復活。巨大なワニの頭を持った女神アメミットが登場します。神話ではワニの頭部、ライオンの上半身、カバの下半身を持つ合成獣ですが、女性化したデザインなためかライオンとカバの要素は感じられないデザインです。強いて言えば髪型がオスライオンのたてがみをイメージさせるぐらいでしょうか。

しかしこの女神アメミットはコミックのデザインをもとにしており、服がなければライオンの身体やカバの足があるのかもしれません。

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アメミットはハロウの天秤が釣り合っていないと見抜きますが、その原因は未来にあるといいます。ハロウは3話にて「コンスのアバターだった頃に制裁の拳を楽しんでいた」事が自らの罪であると認めていましたが、これはハロウの思い込みの罪だったようです。

ハロウは罪と裁き(死刑)を受け入れて、天秤の釣り合っている信者から新たなアバターを選ぶよう進言しますが、アメミットはかつてアレキサンダー大王に裏切られ2000年封印された失敗からハロウを従者にする事を選択します。

自らの描く大義のために自らの命さえも平等に差し出すというハロウは魅力的なヴィランとなりましたが、アメミットはこの後のコンスとの戦いでも「罪を犯す前に裁く」という主張を一貫しており、ハロウの裁定結果にだけ目をつぶるのは少し矛盾しているようにも感じるところです。強いていうのであれば、封印を解いた事に対する恩義なのかもしれません。

手始めにカイロを浄化しようというアメミットの前にコンスが立ちはだかると、「時は残酷なものだな」と言いますが、これは見た目を指摘しているのでしょうか。

コンス、タウエレト、アメミットの3人がこれまでに描かれましたが、白骨化しているのはたしかにコンスだけ。しかしコミックに眼をやるとコンスは紀元前の頃から白骨化したデザインになっていて、アメミットが封印された2000年前も既に骨状だったはずです。もしかするとMCU版では肉の付いた完全体コンスのような裏設定でもあるのでしょうか?

マークとスティーヴン

葦の原野と冥界ドゥアトに分かたれたマークとスティーヴンでしたが、マークはひとりで葦の原野で安らぎを得ることを拒否し、ドゥアトに戻ってスティーヴンと合流。マークもスティーヴンと同じように凍りついていく中、マークがスティーヴンに救われた事を認めると、オシリスの門が開き出し、二人は復活します。

タウエレトは「オシリスったら優しいじゃない」と発言していますが、オーバーヴォイドから出たくないオシリスが「とりあえずコンスにまかせて見よう」という打算的側面も垣間見えます。

オシリスの門をくぐり抜けた二人が現世の身体に戻ると、コンスは瞬間的にそれを察知してマークの元へと向かい、銃弾を撃ち込まれていたマークの身体は再生能力を得て、再びムーンナイトが復活を果たすのでした。

スカーレットスカラベ

瓦礫に飲み込まれたレイラでしたが、タウエレトの一時的なアバターになると契約したレイラは女神の力で新たなスーツをまとっていました。

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劇中では明言されませんでしたが、マーベル公式のインタビュー記事によるとこの姿はスカーレットスカラベ。

コミックにも登場した同名ヴィランキャラクターをもとにした新しいエジプト人ヒーローのサプライズデビューとなりました。

カイロ決戦

アーサー・ハロウがピラミッドの頂上で呪文を唱えるとカイロ市民の手首に天秤があらわれ、信者たちが互いに裁定するように扇動していきます。先程は兵士たちに強制裁定していましたが、範囲を拡大したためか能力に制限がかかりました。

その裁定により多くの魂が天に登り始め、それを食らったアメミットが巨大化。そしてどういうわけかコンスも巨大化して、ムーンナイトとアーサーが戦う後ろで怪獣映画のように大乱闘。なお、監督いわく、このシーンはゴジラにインスパイアされたものだとの事。

市街地にもつれ込んだマークのピンチにスカーレットスカラベことレイラが駆けつけ、スティーヴンのミスターナイトも加えてハロウと最後の決戦です。スティーヴンの存在が1話のようにハロウの能力を邪魔しているおかげで天秤によって即死する事無く戦えていました。しかし思いの外強力なパワーを扱うハロウの前にムーンナイトは倒れますが、そこでまた意識が飛び、気がつくと敵が全て横たわっているという前代未聞の決着となりました。

この決戦シーンの中で、ハロウがマークの弟ランドールに言及したのは謎の部分です。5話で見てきたように、ランドールの事はマークが自分自身を偽り、スティーヴンが弟を覚えていないような状況を作り出してしまうほどのトラウマでした。それはハロウがこの秘密を知るのが極めて困難である事を示しています。しかし精神病院のシーンではドクター・ハロウが弟の話を聞いたとも発言しているため、やはりあれはハロウがマークの精神世界に介入し、情報を聞き出していたと考えるのがスマートなのでしょうか。

アメミットの再封印

気絶しているハロウの身体をピラミッドの中心へと持ち込み、アメミットの封印を試みるマークとレイラ。封印の呪文はタウエレトが耳打ちでもしているのでしょうか?視聴者にはよく分からないまま、マークとレイラは過去に何度もやってきたように正確に呪文を唱えて見事に封印の儀式を成功させました。

ハロウへの制裁を迫るコンスに対して「アメミットと同じだな」と返し、マークは制裁を拒否、契約からの解放を要求しました。結局のところコンスもアメミットも人の罪を勝手に断罪しており、マークは過去の制裁相手を5話で振り返る事になったせいで続けられなくなったという事でしょうか。

またもや精神病院へ

コンスから解放されたと思いきや、舞台は4話、5話でみた精神病院のカウンセリングルームへ。相変わらずドクター・ハロウが待ち受けていて、すべては「想像力の産物だ」と語りかけてきます。しかしドクター・ハロウの血の足跡を見たマークとスティーヴンは世界を救いに行くといって現実へと戻ることになりました。

4話でもサンダルがフォーカスされており、これは1話の冒頭のシーンとリンクさせようとしているとは思うのですが、4話の記事でも説明したようにその場にマークやスティーヴンがいたわけではないので、この血が二人の目覚めへのトリガーになるほど強力なイベントとは考えにくいです。

もしかすると何かのシーンが削除されてしまった結果、整合性が取れなくなっているのでしょうか。例えばマークとハロウの間にはスカラベ争奪戦の前日譚があったはずなので、それが関係しているのかもしれません。

現実

自室のベッドで目覚めるマークとスティーヴン。第1話と同じくエンゲルベルト・フンパーディンクさんの「A Man Without Love(邦題:愛の花咲く時)」(1968年) がBGMになっています。

マークはスティーヴンと共存出来ている事を確認し、1話と同じように足のベルトでころんで物語が終了します。

このベルトはマークとスティーヴンがまだ認識出来ていない第3の人格を恐れていることの証だと考えられそうです。かつて(1話で)スティーヴンがマークを認識出来ていなかったころ、寝ている間に勝手に出かける事を防ぐための方法としてしていた事です。

であれば、コンスからの解放後、初の目覚めとは考えにくく、昨晩自分でベルトを巻いたと考えられます。金魚が増えている事も意識があった可能性を示唆していますが、しかし会話の流れや仕草的には前日に意識があったとは思えず、「誰か別の人」がこの部屋にマーク&スティーヴンの身体を運び込み、金魚を買ってきて、ベルトを装着しているはずです。

しかし第3の人格がベルトを自身につける意味があまりなく、第3の人格も恐れる第4の人格がいる可能性を除けば、レイラが気絶したマークをここに運び込んでセッティングしたと考えるのが妥当でしょうか。

ミッドクレジット

ミッドクレジット後にシンケビッチ精神病院に入院しているアーサー・ハロウのその後の映像が入ります。病院名はコミック「ムーンナイト」のアーティストの一人、ビル・シンケビッチさんから名前を拝借しています。

看護師はハロウをベッドに連れて行こうとするも、黒手袋の人物が現れ、スペイン語で話してハロウを病院の外へ連れて行ってしまいます。なお、途中で表示されるQRコードは毎週おなじみだった無料コミックのウェブサイトへのアクセスが可能です。

なお、今回のフリーコミックはドラマ「ロキ」に登場した在り続けるものの変異体であり、映画「アントマン&ワスプ:クアントゥマニア」のヴィランとなる事が発表されている征服者カーンとムーンナイトの戦いが描かれています。

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複数の死体が転がる通路を抜け外に出た謎の人物は、真っ白なリムジンにハロウを押し込むと車椅子を蹴飛ばすという乱暴ぶり。

中にいたのはスーツを着たコンスで、1話から見え隠れしていた第3の人格ジェイク・ロックリーを紹介します。そしてジェイクはサプレッサー付の銃で数発の弾を打ち込み物語が終了しました。

病院のスタッフがなぜ殺されたのか、大きな問題です。彼らが善良な市民の場合、ムーンナイトはヒーローと呼べるのでしょうか?彼らがヒドラやA.I.M.の残党であったならある程度納得は出来そうですが。あるいはジェイクではない別の誰かの仕業と考えたい所ですが、状況的にはジェイクがやったようにしか見えませんでした。

そもそもピラミッド内でコンスがハロウを殺しておけば病院にいかなくて良かったのでは?と思う所ですが、神が人間に手出ししてはいけないルールがあるとでも考えるしかなさそうです。アメミットが人間を殺しているのは掟破りの神だからでしょうか。封印された事とも辻褄はあうようです。

なお、ここのシーンはコミックのデザインがふんだんに取り入れられています。

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将来期待したい物語

前日譚として、コンスのアバターをしていた頃のアーサー・ハロウ、エネアドとコンスの間におきた出来事、レイラのマドリプールでの活動やジェイクとコンスの契約内容などは気になる所です。また後日談としてはマーク&スティーヴンのロンドン生活やレイラのヒーロー活動、ハロウのその後などが気になる所です。

ロンドンもMCUとは縁のあるロケーションで、サンクタム・サンクトラムがある他、「エターナルズ」に登場したデイン・ウィットマンが自然史博物館にまだ在籍していると考えられ、スプライトたちもロンドンで生活しているかもしれません。また、ジェーン・フォスターや故人ですがペギー・カーターやの活動拠点もロンドンであり、今後登場予定のキャラクターの中ではブレイドと出会う可能性が高いでしょうか。

ムーンナイトを演じたオスカー・アイザックさんは再演を望んでおり、今後はチームを組みたい事も明かしています。ハロウを演じたイーサン・ホークさんも再演の可能性を示唆しており、ハロウが死んだわけではない可能性を残しています。また、本作のモハメド・ディアブ監督は映画としてムーンナイトを描きたいという希望も語っています。


謎の多くが曖昧ながらもファン同士がああだこうだ話し合って楽しむ余地が残されつつ、わりと綺麗にまとめられました。

そんな中で1話序盤の未来を予見していた少女は特に意味が不明で、もっと先への布石なのかもしれません。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ドラマ「ムーンナイト」、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月27日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード5「Asylum(邦題:蘇る過去)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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医師との面会

アーサー・ハロウにそっくりな医師にカウンセリングを受けるマーク・スペクター。前回の4話にはなかった顔の傷が気になる所です。ボクシングの試合後のような出血具合で鼻には絆創膏も見えます。

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さらに不思議な事に、4話ラストの病院でタウエレトと出会ったのはかなり前の出来事として会話が進んでいます。後半にもハロウ医師とのやりとりはありますが、その時には顔の傷はありません。

冥府ドゥアト

タウエレトとマーク、スティーヴンのシーンに戻ると、タウエレトはここがエジプト神話に登場する冥府ドゥアトであると説明します。

スティーヴンがタウエレトは「来世へと導いてくれる」女神だと説明していますが、この表現は誤解を招きやすい表現です。日本人は無宗教派が多数ですがその根底には仏教的な背景も多く、「来世=生まれ変わった次の人生」と捉える人も多いと思います。英語版はここでは Afterlife というワードになっており、来世という訳自体は間違っていませんが、いわゆる天国や地獄などの魂の行き着く先、あの世を指しています。

タウエレトが素敵だと表現した「祖先の平原」とは英語で Ancestral Plane で、映画「ブラックパンサー」(2018年)でも同様のワードが使われていますが、映画では「先祖の所」という訳になっており統一されていません。

葦の原野アアル

エジプト神話では死後、審判の後、認められれば葦の原野アアルへ行き着くとされています。そこはオシリスが支配する領域で、いわゆる天国です。

この楽園に関するエピソードは1話の前半でも登場しており、少女はスティーヴンが「楽園から追い返された」と表現しました。事実、5話のラストではスティーヴンがアアルにたどり着く事無くドゥアトに取り残されてしまいました。あの少女は何者なのでしょうか。

正義の天秤

エジプト神話において死者は冥府ドゥアトにて裁定を受けます。

神話では心臓と真実のマアトの羽根を正義の天秤にかけ、釣り合えば葦の原野アアルに行き、釣り合わなければアメミットに心臓を食べられてしまいます。

過去4話の中でずっと天秤とアメミットの話をしてきたにも関わらず、タウエレトは「釣り合わなければ船から放り出される。亡者たちに砂に引き込まれ、冥界の砂漠で永遠に凍りつく」と説明します。

神話では通常、心臓を取り出し天秤にかけるのはアヌビスの役目ですが、タウエレトが代役している事と不釣り合いの時の設定が異なるのは関係があるのでしょうか?

久々のQRコード

ムーンナイトの無料コミックが読めるQRコードが久々に、過去一目立つように表示されます。

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今週追加されたコミックは「MOON KNIGHT (1980) #1」で、罪なき人々の命を奪い、仲間を見殺しにする傭兵 “ブッシュマン “に復讐を誓うマーク・スペクターの物語を描いています。表紙には「彼らは一体となる・・・目的を果たすために!」と書かれており、今回のエピソードの内容のベースになっています。

ランドール・スペクター

マークの弟ランドール・スペクターが幼少期に亡くなっている事がわかりました。母親の注意を無視したマークのせいで亡くなったとも言える痛ましい過去ですが、コミックでのランドールもまたマークの手で殺されました。

コミックのランドールは無事に成人しましたが彼は連続殺人犯のヴィランであり、シャドウナイトを名乗っていました。シャドウナイトの悪行を阻止するため、最終的にはマークが自らの手で弟を手にかける事になりました。

↓コスチュームもそっくりなシャドウナイト。

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片ヒレの金魚

MCUのランドールは母親からロロという愛称で呼ばれているようで、少年ロロはヴィラン的要素など微塵もなく、子供らしい絵を描いています。

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この絵はスティーヴンが飼っていた片ヒレの金魚ガスに似ています。

洞窟

幼いマークとランドールは洞窟に遊びに出かけます。道中、4話の劇中劇でも見た「トゥームバスター」の主人公スティーヴン・グラント博士と助手のロッサ-のなりきりごっこをする二人を、スティーヴンは追いかけます。

そうしているうちに雨が降り出し、「ママが雨の日は入るなって」というランドールに対して、マークは「へいきだよ、弱虫だな」と洞窟へと入って行きました。スティーヴンの足元にはコンスに似た鳥の骨があり、不吉な予感を感じる中、事故は起こってしまいました。

母親からの虐待

かなり胸が痛むシーンが続くので詳細は省きますが、ランドールを失った母親の悲しみは怒りに変わり、マークへと突きつけられました。父は優しいままでしたが、母親の問題を解決する手助けにはなっていませんでした。

記憶を見るのをやめるようマークがスティーヴンに飛びかかると、次の記憶、発掘隊の殺害現場へとシーンが変わります。

マークとブッシュマン

そこで明かされたのはマークと米軍時代の元上官ブッシュマンとの過去。ただし、日本語字幕版ではこの名前が表示されていません。

現場で何が起きたのか、レイラの父の死、コンスとの出会いやムーンナイト誕生まで、基本的にコミックの物語を丁寧になぞっています。原作ではこのラウル・ブッシュマンへの復讐がムーンナイトの大きな目的のひとつとなりますが、ブッシュマンの登場はあるのでしょうか?

異変

ムーンナイトの起源を受け入れたスティーヴンにより、天秤はさらに均衡に近づいていく中、冥界に異変が起こります。タウエレトの説明によると、現世に不安と恐怖が広がり、釣り合いの取れない魂が寿命の前に裁かれているとの事。

ハロウの仕業だと確信したマークとスティーヴンは現世に戻る事を決意します。しかし、タウエレトは戻った所で身体の銃の穴は塞がらないと説明し、二人は傷の治癒のためにコンスの力が再び必要だと決意。タウエレトは二人を現世につながるオシリスの門へと連れて行くために船の進路を変更してくれました。そして、門につくまでに天秤の釣り合いと取るように言います。

天秤の調和のために記憶の追体験を再開しようとするスティーヴンと、その必要はないと言うマーク。スティーヴンが「君のせいでレイラが死ぬぞ」と2話でのマークのセリフを返すと、母親のセリフとオーバーラップしたスティーヴンはパニック起こし、再びハロウ医師の元へと飛ぶのでした。

アサイラム

ハロウの顔をした精神科医とのカウンセリングはお手本のような手順であり、マークとスティーヴンの同化を促しているようでもあります。

この部屋が一体何なのかはまだ不明ですが、ハロウがマーク達に治療を勧める理由として、人格が一つになることでハロウの天秤の能力が有効化され、ムーンナイトを殺せると考えているのかもしれません。ここがマークの妄想や幻覚でハロウ医師もその一つかもしれませんが、ハロウ自身がマークたちの魂に干渉してきている可能性は十分に有り得そうです。

マーク少年のその後

物語中盤の母親のシーンで誰もが思った通り、スティーヴンはマークが虐待の現実から逃れるために生み出した人格でした。そしてマーク少年が好きだった映画「トゥームバスター」の主人公の名前があてがわれていたのでした。スティーヴンがランドールの記憶がない事実は、ランドールが亡くなってから生まれた人格だからでしょうか。

なお、物語のシリアスさをよそに、マーク少年の部屋はイースターエッグがたくさん隠されています。

まず、部屋自体がコミックの要素をかなり取り入れています。

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次に、トゥームバスターの制作会社がタイムリーアトラススタジオとなっていますが、マーベルコミックス社はもともとタイムリーコミックス社として1939年にマーティン・グッドマン社長とその甥っ子で当時10代の少年スタン・リー編集者で発足しました。その後アトラスコミック社と名を変え、さらに後にマーベルコミックスとなりました。アトラスの頃は地球のロゴを使っていた事をオマージュしてか、タイムリーアトラススタジオのロゴも地球儀が採用されています。

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また、部屋には「トゥームバスター」のグッズよりも宇宙服の人形やロケットなど宇宙関連の小物が多く、2016年のコミックでは宇宙パイロットの人格が表面化した事があり、それらをなぞっているようです。ただしその人格は名前がつけられる前に登場しなくなりました。

そして、弟ランドールの描いた片ヒレの金魚の絵も飾られています。弟の記憶を持ち合わせていないスティーヴンでしたが、この絵が元となって片ヒレの金魚ガスを愛していたのかもしれません。

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ついでに、葬儀シーンでマークの背後にある店の名前はムーンナイトの共同製作総指揮者であるトレバー・ウォーターソン氏を指していると考えられます。彼はまた、ワンダヴィジョンファルコン&ウィンターソルジャー、ロキホークアイにも携わっています。

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シヴァ(ユダヤ教の葬儀後7日間の喪の期間)の記憶を追体験したマークとスティーヴン。二人がこの記憶と向き合ったタイミングで、船はオシリスの門に到着しました。

裁定

天秤の調和が間に合わず、ドゥアトの亡者が二人の魂を求めて襲いかかってきました。

弱腰のスティーヴンが勇気を出して反撃したシーンでは「6点!」と叫んでいますが、スティーヴンはイギリス生まれという人格設定であり、イギリスで人気の競技クリケットが大好き。クリケットでノーバウンドで規定ラインを超える、すなわち野球で言う所のホームランで6点入るルールになっています。日本でもバットで華麗に決めた場合は「ホームラン!」と叫ぶ事がありますが、それのクリケット版と考えてよいでしょう。

一度はマークのピンチを救ったものの、次々と襲いかかる亡者と争ってスティーヴンは船から亡者もろとも落下してしまい、タウエレトが事前に話していたように凍りついてしまいました。その瞬間、マークは葦の原野アアルへと入ってしまったのでした。

残された疑問

三人目の人格が鍵を握っていると思われた天秤の調和ですが、スティーヴンが排除されただけで調和が取れてしまいました。

3話の終盤ではコンスがスティーヴンに「私が封印されたらマークに頼んで助けてくれ」と話していましたが、現状ではマークは現世に戻る前にコンスを開放しなければまた死んでしまうだけとなっています。マークがコンス開放に行けないのであれば現世でレイラがその任務を達成するか、あるいはドゥアトやアアルでハトホル等と出会い、アバターを通じて開放してもらうしかないようです。

そして1話でスティーヴンが葦の原野に行けない事を予見していた少女は何者なのでしょうか。集会に顔を見せなかった誰かのアバター?あるいはもっと別の存在なのか、単なるミステリーなのか、最終話に注目です。

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また、スティーヴンが一緒に現世に戻れるのかも気になる所。ムーンナイトは多重人格がアイデンティティでもあるため、このままスティーヴンが退場してしまうことは惜しまれます。

さらにカウンセリングルームの謎。シンプルに思いつくのはマークの妄想、精神内といったところですが、カウンセリングルームでも人格の変化が起きているため、精神の中というよりはもっと現実的な気もします。ここでのシーンは時系列もいまいち不明で、医師とはだいぶ前にタウエレトの話をした、母親の死後、スティーヴンも部屋に見覚えがある、など二人はいつ入院したのかがはっきりとしません。誰かに見せられている幻覚なのか、MCUらしく考えるならマルチバースという線もあるのでしょうか。

最後にハロウの謎。ドゥアトの砂漠に降り注いでいる紫の光がそれぞれハロウによって裁かれた人の魂であるなら、なかなかの人数になっています。当初、ハロウは相手の脈を測るように腕を取り、一人ずつ裁定していました。しかしこの紫の光は一人ずつ裁定しているとは思えない量で、アレキサンダー大王の墓で何かがあって能力が拡張されたのかもしれません。遠距離での裁定が可能となっていればマークが復活した所で勝ち目は見えず、スティーヴンや新たな罪のない人格が必要なように思えます。

残り1話という尺的な事から考えると、ハロウの後ろに黒幕の神はいなさそうでしょうか。

最終話はどのような展開でまとめられるのか、注目です。


ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2022年5月4日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、4話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月20日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード4「The Tomb.(邦題:アメミットの墓)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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封じられたコンス

前回のラストで石人形のウシャブティに封印されてしまった月神のコンス。

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その人形を大事そうに運ぶセリム(オシリスのアバター)。そしてコンスの他にもいくつもの石人形が並べられているのが判明します。ただしアップにはならないので、それぞれの石人形の形は定かではありません。

この全てにコンスのように何らかの神が封印されてしまっているのか、それともそれぞれの神専用に用意されている空っぽの檻なのか、他宗教の神も封印できてしまうのか、などいくつかの疑問が浮かび上がる部分ですが、今回のエピソードではこれ以上触れられる事はありません。

ヤギ

エジプト神話において、山羊の神がいたかどうかは疑問視されています。というのも古代エジプトに山羊はいなかったとされており、羊の神とする説が有力視されています。

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羊あるいは山羊の頭をした神として描かれるのは、クヌムやアモンです。クヌムは粘土から人を作ったとされる創造神であり、ここで登場した山羊のような水平に伸びた角が特徴的に描かれる事が多い神様です。アモンはエジプトのナイル川周辺のテーベ神話に登場する太陽神で、興味深い事にコンスの父親として神話で描かれています。

残念なことにこれらの神はコミックで登場した形跡がなく、物語に大きく関係しない可能性が高いです。

山羊と言えば悪魔のシンボルとしてしばしば取り上げられますが、「ワンダヴィジョン」以降ずっと噂の絶えないメフィストを連想させる遊び要素として取り込まれた可能性もあるかもしれません。

ビレイとザイル

「ムーンナイト」の内容には直接関係しないものの、墓に降りる直前のシーンで吹替版ではスティーヴンが「ザイルって何?」という不思議な発言をしています。ザイルとはドイツ語の言葉であり、英語でいう所のロープ、日本語でいう所の縄です。

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英語や日本語字幕ではレイラの「先に降りてビレイする」というセリフに対して「ビレイって何?」というスティーヴンのセリフになっているわけですが、吹替訳担当が「ビレイ」が分かりづらいと気を利かせて「ザイル」にしてしまったのでしょうか。

ビレイとは登山用語であり、英語で縄による安全確保の事を指しています。日本でも登山用語としてそのまま用いられるようです。

古代エジプトの文字やマケドニア語などの言語を習得しているスティーヴンがザイルを知らないという「ん?」と思わせる展開でした。

バステト、セクメト、ハトホル

墓に入ったレイラを出迎えたのは巨大な猫科動物の像。雌ライオン、あるいは豹を象ったように見えますが、のどもとはたてがみのような造形になっています。豹であればバステト、ライオンであればセクメトあるいはハトホルという事になりそうですが、一体どちらでしょうか。

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エジプト神話上は時代や地域によってバステト、セクメト、ハトホルは同一視される事がありますが、マーベルの世界ではバステト(バースト)はご存知の通りワカンダの守護神であり、アバターとしてブラックパンサーを伴っています。

そしてコミックではハトホルとセクメトは同一人物で、愛の化身としてのハトホルの裏側には破壊の権化としてのセクメトが控えており、アベンジャーズと一戦するエピソードもありました。

とはいえこの像を介してエジプトの神々が何らかの力を使ってくるわけではありませんでした。

ヘカの司祭

「ヘカって何者?」とつぶやくスティーヴンにレイラは「当時の魔法使い」と答えていますがこれは実際の歴史に基づいています。古代エジプトにおいて、魔術の力のことは「ヘカ」と呼ばれ、この力の化身というべき存在が、ヘカ神と呼ばれました。

コミックではヘカの司祭であるヘカ・ナットが2007年の「Mystic Arcana Magik Vol 1 1」で描かれた事があります。前回の記事でも少し紹介したニューミュータンツのマジックとダニエル・ムーンスターが紀元前11世紀にタイムトラベルしたエピソードで、ヘカ・ナットはマジックを裏切ってソード・オブ・ボーンを手にしようとしましたが純粋な魂ではなかったために叶いませんでした。マジックのソウルソードに敗れたヘカ・ナットはアシェイク(X-MENのストームの先祖)によってその力を封印されました。伝説の剣の方はマジックがアメミットに守護を託しました。

現状ではX-MENもニューミュータンツもMCUにしっかりと組み込まれていないため、コミックのエピソードは何も採用されていない可能性が高そうですが、MCUでは数年後に伏線が回収される事も多いため、おさえておきたいポイントです。

セト神

人間をミイラ化する際に取り出した内蔵を入れる「カノプス壺」に続いて蛇の皮が表示されますが、これは重要な伏線、または視聴者をミスリードさせるための大きな釣り針である可能性があります。

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蛇神のセトは初期のエジプト神話では砂漠の神、軍神としてその名が伝えられていますが、後には兄オシリス殺しの神、悪神としても有名です。

神話上ではセトはエジプトジャッカルの頭をしており、ウアスの杖と呼ばれる先端が二股の杖(セトやアヌビスの頭を模しているとされる)を手にしています。これらは「ムーンナイト」でアーサー・ハロウの持つ杖の形、そして喚び出したモンスターの姿と似ているといえます。

コミックでは蛇神、死神、そしてヴィランとしてセト神がしばしば登場し、神話同様に兄オシリスとの確執が描かれたり、アメミットを下僕とし、仲間の神々を打ち負かし、投獄している様子が描かれています。

また紀元前2950年頃には、セトはエン・サバ・ヌールという奴隷と出会い、セトの能力に触発されたヌールは世界最初のミュータント、アポカリプスとなり戦争と混乱を引き起こして人類の未来を加速させました。

3話のラストや4話の冒頭でオシリス(のアバター)はハロウの口車に乗せられているような描かれ方をしていますが、ハロウの裏で糸を引いているのはセトなのでしょうか?そしてミュータント導入の新たな伏線となるのでしょうか?

とは言えエジプト考古学ものの作品に蛇の皮など当たり前のように登場する小道具でもあるため、なんら関係がない可能性も否定出来ません。

なお、蛇皮のシーンの少しあと(18分22秒あたり)で、3話に続いて今回も撮影スタッフが画面に入り込んでしまいました。今回は手ではなくて足が映っています。

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静止画だとわかりにくいので興味がある方はディズニープラスでご確認ください。

アレキサンダー大王

墓の最深部にたどり着いたスティーヴンは、マケドニア語を発見し、このファラオがアレキサンダー大王である事を確信します。

アレキサンダーはマケドニア人ながら第31エジプト王朝を滅ぼしてファラオの座についた人物であり、古代ギリシャからアジアまでを征服したとされています。

これによってギリシャ神話のモチーフになったエターナルズとエジプト神話のモチーフになったエネアドが繋がり、ギリシャ神話の最高神ゼウスとエジプト神話のバステトが登場するという「ソー:ラブ&サンダー」との小さな繋がりが見えてきます。

アブドラ・エル=フーリー

レイラとハロウの会話の中で、レイラの父の名が「アブドラ・エル=フーリー」という事が明かされます。

レイラ・エル・ファウリーがコミックのマリーン・アルラウネを基にしている事は2話の記事でも紹介しましたが、マリーンの父はピーター・アルラウネという名であり、アブドラ・エル=フーリー(Abdullah El Faouly)ではありません。

しかし、1977年のコミックにはアブドゥル・ファウル(Abdul Faoul )という名のキャラクターが登場し、彼はエジプトを他国から守る、いわばキャプテン・エジプトであり、「スカーレットスカラベ」という名前で活動していました。残念なことに当時はまだまだアメリカが正義として描かれていた事もあり、ヴィランとして登場し、キャプテン・アメリカやネイモア・ザ・サブマリナーとも一戦交えました。

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スカラベ柄の赤い(スカーレット)スカーフをしていた、という所からみてもレイラの父がこのキャラクターをモチーフにしているのは確定的と言えるでしょう。

ドラマで見てきたレイラの身体能力や、コンスが次のアバターに考えている事など、レイラの父はただの考古学者ではなかったのかもしれません。また、「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」のヴィランとしてネイモアが登場する噂とあわせて、ふたつのシリーズがより結びつきを得るのも興味深いところです。

相棒

レイラの父の死について少し明らかになりました。マークの説明では「俺の相棒が欲にかられて発掘隊を皆殺しにした」との事。

この説明から、犯人がマーク&スティーヴンの第3の人格である可能性はほぼ無くなったのではないでしょうか。3話でアメミットの信徒が謎の死を遂げていたシーンでのやり取りから察するに、マークはまだ第3の人格についてはっきりと認識していない様子でした。その人格を相棒と呼ぶのはやや無理があると言えそうです。

そうすると相棒というのは傭兵マーク・スペクターの実際の相棒だった人物と考えられます。

コミックではマークの相棒としてジャン=ポール・デュシャン(通称フレンチー)というキャラクターが存在し1話でもイースターエッグとして登場していました。そして彼はコミックでは悪人ではありませんでした。

原作での父殺害の犯人はラウル・ブッシュマンという名で同じチームにいた傭兵でした。マークとブッシュマンの間に相棒とよべるほどの交友関係は描かれていませんでしたが、実写化にあたって何かを付与することは難しくなさそうです。そして、ロイック・マバンザさんがブッシュマン役にキャスティングされたとの報道もありました。

ただし、本作の脚本を担当したジェレミー・スレーターさんは「ブッシュマンはキルモンガーに似すぎているので新たなヴィランとしてアーサー・ハロウを開発しました」との旨の発言をしている事から、レイラの父殺害の犯人自体はさほど重要ではない事をおさえておく必要がありそうです。

精神病院

アーサーに銃弾を撃ち込まれたマークは浅いプールに倒れ込みました。しかし次第に水中へ深く深く沈み込んでいき、気がつくとマークは病院の一室にいました。

マーベル公式によるとここはパットナム精神病院(Putnam Psychiatric Hospital)。2017年のコミック「Moon Knight (Vol. 8) #11」にも登場しており、コミックではイリノイ州シカゴにある精神病院です。

レトロな映画「トゥームバスター」が流れる部屋では1話からここまでに登場した人物や要素が山盛りになっています。死の淵に瀕した人間が見るという走馬灯のように、これまで視聴者が見てきたものが登場します。

まずは1話、2話に登場していたクロウリー。

博物館の上司ドナとブルースカラベのぬいぐるみ。時計の針はコンスの杖。

レイラと3話冒頭のマシュマロ。小指の絆創膏にはスカーレットスカラベ。

2話に登場した刑事ボビーとビリー。

カップケーキ(運んでいるのはレイラのブラックマーケットの知人ベック)やコンスを模した絵(描いているのはラガロ、3話の冒頭パスポート偽造をしていた人物)、1話で登場したアルプス麓の町。

部屋の右側にある暖炉のような構造物。

その他、ルービックキューブ、金魚のガス、母親との電話中に登場したポストカード、足首の拘束ベルト、アメミットの像、ピラミッド状のオブジェ、サンダル、杖、カノプス壺なども登場しています。ちなみに「ムーンナイト」1話冒頭のガラスの破片を入れたサンダルはマークやスティーヴンは知らない事なので、ここでフォーカスされる理由はよくわかりません。

主人公同様に視聴者もどちらが現実でどちらが精神空間なのか混乱する所は、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアの息子デヴィッド・ハラーを描いたドラマ「レギオン」(ディズニープラスで配信中)のような展開でした。

医者との会話の中でハロウに撃たれた事を思い出したマークはオフィスを飛び出し、逃げ込んだ先の部屋で棺に閉じ込められたスティーヴンと出会います。現実世界では鏡越しに会話するのがせいぜいだった二人ですが、この病院で出会った二人はハグを交わすのでした。

この病院がエジプト神話の冥界を模しているとすれば、マークたちはこの後アヌビスによってマアトの天秤に心臓を乗せられ、罪人と判断されればアメミットに食われる事になるでしょう。

第3の人格

合流した二人は病院から脱出しようと部屋を出ます。廊下を進む中、傍らの部屋に赤い棺を見つけますがスルーしていきます。

コミックファンは第3の人格であるタクシードライバーのジェイク・ロックリーを期待していましたが、ここまでの流れから察するに隠された人格はかなり危険なニオイがしています。マーク達は無難な選択をしたと言えるでしょう。

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他の部屋にも異なる人格がいるのかは気になる所です。コミックではピーター・パーカーやスティーブ・ロジャースの人格も内包したマーク・スペクターですが、3番めの人格もまだ謎に包まれている以上、シーズン1ではこれ以上人格が増えることはないかもしれません。

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タウエレト

1話で登場したタウエレトのぬいぐるみはやはり伏線でした。ぬいぐるみと違ってかなりリアルなカバの顔で、なかなかの威圧感があります。

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演じているのはアントニア・サリブさん、日本語吹替は潘めぐみさんで、今回は一言だけのセリフでしたが双方可愛らしい声になっています。

1話の記事でもさらっと触れましたが、タウエレトはカバの姿をした災いを避ける守護神であり豊穣の女神。出産、再生、浄化を暗示する神様のタウエレトの登場がマーク復活の鍵になると思いたい所で4話が終了します。

様々なエジプトの神々が登場する中で、整理しなければならない事があります。それは「エネアドのメンバー」です。

まず現実世界のエジプト神話としてのエネアドはいわゆるエジプト九柱神を指しており、アトゥム、シュー、テフヌト、ゲブ、ヌト、オシリス、イシス、セト、ネフティスが主なメンバーです。主な、といのは地方による神話の小さな差異があり、ラー、トト、ホルスなどが交代で入る場合があるからです。

そしてマーベルコミックでは神話と共通なのがシュー、テフヌト、ゲブ、オシリス、イシス、セト、ネフティス、ホルスあたりでアヌビス、バースト、ベス、コンス、プタハもエネアドとして登場しています。タウエレトはそもそもコミックに登場した事がありませんでした。

MCU版エネアドも実在の神話と同じく9人と仮定して考えると、3話の集会にホルス、オシリス、テフヌト、イシス、ハトホルの5人が集合しました。そして1話でスティーヴンが指摘した「7人しかいないエネアドのポスター」には全景が映りませんが左上にSHU、右にGEBと書かれています。

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これでちょうど7人になり、ドナのいう「二人は遅刻でクビになった」、つまり追放されたコンスともうひとりがいると考えられそうです。それはワカンダにかまけているバーストなのか、コミックにもいないタウエレトなのか、はたまた黒幕の可能性があるセトなのか。

残る2話でシューやゲブ、そして最後のエネアドが登場するのでしょうか?


ちなみに今回もQRコードが発見されていませんが、無料コミックは新しいものに更新されています。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2022年4月27日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、3話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード3「The Friendly Type.(邦題:エネアドの決断)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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レイラの偽造パスポート

偽造パスポートの制作シーンから始まる3話ですが、名前がレイラ・アブダラ・エル・ファウリーとなっており、クレジットに表記されているレイラ・エル・ファウリーにアブダラを足しただけとなっています。他人になりすますためのパスポートではなく、正式な手段では発行不可の状況下にあるために自力で制作したパターンも考えられるかもしれません。誕生日は西暦が違うものの、演者であるメイ・キャラマウィさんと同じ10月28日に設定されています。

なお、発行年が2021年に設定されており、これはサノスの指パッチンで世界の半分が消えていた時期になりますが、そもそもが偽造データであるため、これだけではレイラが生き延びていたかどうかを判断する事は出来ません。

ここではレイラが闇市場に流れた盗品を盗み返して元の持ち主に返すビジネスをしていたことも判明します。ただの考古学者ではない、2話での格闘シーンでの強さとつながるような背景となっています。

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このシーンで語られた過去は2話の記事でも紹介したコミックのマリーン・アルラウネに非常によく似ており、やはりコミックのマリーンを名前を変えて登場させているようです。

ラガロ

パスポートの偽造を手伝う女性はクレジットではFoger(偽造者)と表記されていますが、英語字幕をオンにするとLagaroと名付けられている事がわかります。コミックのラガロはダイナマンと呼ばれるヒーローでしたが、ムーンナイトとは特に関係がないキャラクターになっています。このドラマのラガロについては前職などの背景も描かれていないため、コミックから再構築されたキャラなのか偶然同じ名前になったのかは今のところ不明です。

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第3の人格

アメミットの行方を追う中で相変わらず息が合わないマークとスティーヴン。気づくと追っていたアメミットの信徒は死んでおり、どちらも覚えがない殺人に第3の人格がほのめかされます。

ちなみにコミックではミスター・ナイトも別人格でしたが、MCU版ではムーンナイト/マーク・スペクター、ミスター・ナイト/スティーヴン・グラントと切り分けているようで、次の人格が3つ目となります。

マークも認知していない人格が出てきた事で物語のさらなるミステリアスな展開に期待がかかります。コミックではタクシー運転手のジェイク・ロックリーという人格も有名で、ジェイクもなかなか攻撃的な性格ですが、信徒を殺している所からみてかなり物騒な人格が隠れているようです。

第3の人格がアメミットの信徒だったら面白いかもしれません。そうであればチンピラ信徒を殺して口封じしたのも納得行くものですし、2話でマークがスカラべをうっかり落としてしまったのではなく、第3の人格がアーサー・ハロウのほうへ投げてよこしたとも受け取れそうです。

エネアド

マークは他の神々に協力を頼めないのか発案しますが、コンスはまずい作戦だとしつつも他に手がなく、エネアドを招集する事になります。

1話でもエネアドに言及するシーンがありましたが、やはりコミックどおりに彼らは実在する神々であり、エネアドのアバターが世界中に散らばっている事、ポータルで移動できる事も明かされました。

ハトホル

ポータルの先はギザの大ピラミッドに通じており、マーク達はそこでハトホルのアバターであるヤツィルに出会います。愛と音楽の女神と自己紹介するハトホルはマーベル・コミックではコンスやバーストの異母兄弟として描かれています。エジプト神話的にはテーベ(こちらがコミックの原型)とコム・オンボでは少し差異があり、コム・オンボではハトホルはコンスの母とされています。どちらにしても家系図的にはかなり近い関係にある二人であり、今後の鍵をにぎるキャラクターになるかもしれません。

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集会

出席者はホルス、イシス、テフヌト、オシリス、ハトホルたちのアバター5人。ワカンダで何か忙しいことがあるのかバースト(バステト)は参加しませんでした。ここではコンスがエネアドを危険に晒したことが原因で追放された事が判ります。

人を見捨てなかったと主張するコンスに対してエネアドたちは「人が神を見捨てた」と反論し、人々の注目を集めないようにアバターを通して人間界での任務にあたっている事を説明します。

なお、イシス、オシリス、ホルスは彼らが初登場したコミック「Thor #239」(1975年)にてソーと出会っています。映画「ソー:ラブ&サンダー」にて神殺しのゴアに狙われないことを祈るばかりです。

オーバーヴォイド

エネアドたちの住む世界は1975年のコミック「Thor #240」で登場し、セレスティアル・ヘリオポリスとして紹介されました。また、2016年のコミック「Moon Knight #10」ではオーバーヴォイドという名で紹介されています。

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エターナルズたちが地球の危機に介入しなかった理由については映画内で説明がありましたが、エネアドが介入しなかった具体的な理由については今のところ不明です。このポイントも今後の課題になるのでしょうか。

告発

コンスはアーサー・ハロウがアメミットの復活を目論んでいると説明し、エネアドはアーサーをその場に召喚しました。アーサーは「アメミットの墓を探していたのはコンスのほうだ」と反論し、嘘つきの神とその病んだ下僕に耳を貸さないよう忠告します。

最終的にコンスの告発は受け入れられず、アーサー・ハロウは無罪を告げられるのでした。

コンスはソーやロキと同じく神と呼ばれているものの非常に感情的であり、アーサー・ハロウのほうが明らかに口が上手いというのが印象的なシーンです。元仲間である月神の言葉よりも元アバターの人間の言葉を信用してしまうエネアドとコンスの間に何があったのか、具体的には説明されませんでした。今後のムーンナイトのエピソードや他の作品で明かされていくのかもしれません。

なお、このシーンではオシリスのアバターであるセリムが白いエフェクトのパワーを操っており、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の最新予告でディフェンダー・ストレンジのエフェクトがオレンジから白に変更されている事を気に留めておく必要があるかもしれません。

センフー

コンスの落胆を気にかけたハトホルのアバター、ヤツィルはマークにセンフーのサルコファガスを探すよう助言します。センフーはアメミットの墓の場所を知る唯一の人物で、神々がアメミットを赦した時のためにその場所を秘匿していたとの事。

センフーとはエジプト神話でSenfu、またはSneferu、またはSnefruと表記される人物で「美の担い手」であり、紀元前2613年から2589年頃まで統治していたことが知られており、ギザ台地の大ピラミッドを含む、今日もエジプトに残っている3つのピラミッドの建設を担当したとされている人物です。この歴史上の人物がアメミットの墓の場所を知っているというのは理に適っていると言えるようです。

なお、アメミットは何らかの事情で封印されているようで、ここのやり取りから察するにコンスよりも重い罰を与えられていると推測されます。しかしコミックのアメミットは取り立てて悪者というわけではなく、紀元前11世紀にタイムスリップしたニューミュータンツのマジックが発見した伝説の剣ソード・オブ・ボーンの守護を託されました。

ベックとレイラの過去

レイラと合流したマークは、彼女の情報を基にサルコファガスを持っているというアントン・モガートのもとへ向かいます。邸宅の前ではベックというリーダー格のボディガードも登場し、ベックとレイラが既に顔見知りである事も判明します。

この時、ベックはレイラに「久々の再会」である事を語りますが吹替版ではこの再会が「マドリプール以来」であるという大事な部分がカットされています。マドリプールと言えばドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれた都市。パワーブローカーことシャロン・カーターのその後が気になる所で、「ムーンナイト」にシャロンが再登場すると2021年夏に報じられた事があります。残る3話で登場するのか、単なる噂で終わるのか注目です。

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アントン・モガート

ギャスパー・ウリエルさん演じるアントン・モガートはなかなか派手な生活をしている様子で、歴史的価値のあるものを保護のためにコレクションしていると説明します。しかし彼がマドリプールと関わっている事を考慮するとまっとうな人間とは思えず、コミックで同名のキャラクターは「ムーンナイト」誌に登場し、別名ミッドナイトマンと呼ばれる盗賊でした。そしてコミックの彼もその盗品をお金に変えるわけではなく、コレクションしていました。

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レイラの父の死

首尾よくサルコファガスを調べていた所にアーサー・ハロウも到着。ハロウはレイラの父のことも知っているようで、その語り様からは彼女の父の死はマークに責任があるようにも聞こえます。2話ではマーク達傭兵一味が考古学者たちを処刑したと説明されましたが、これにはマークの3番めの謎の人格が関与している可能性が考えられるのではないでしょうか。

ムーンナイトのスーツ

ムーンナイトのスーツに関して今回のエピソードでは「治癒力のあるアーマー」とコンスが説明していました。そして戦闘シーンではその説明通り、槍を何本も突き刺されても流血する様子もなくわりと平気なようでした。

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銃弾を防ぐわりに槍は突き刺さるなんとも説明が難しいスーツですが、あれを着用しているとある程度の傷は回復すると考えて良いようです。

協力関係

ひと悶着あったものの、サルコファガスを持ち帰ったマークとレイラはパズルに取り組みますが、なかなか完成しません。マークはアメミット復活の阻止のためにスティーヴンにコントロールを渡し、星図が完成。しかし、2000年前の夜空とは変わりすぎていて正確な墓の位置がわからないという事態に。

すると今度はコンスがスティーヴンに協力し、エネアドに「今度空をいじったら封印する」と警告されたにも関わらず、当時の夜空の再現に取り組みます。この事態にエネアドはコンスを封印するための儀式を開始、封印される寸前にレイラは墓の位置を突き止める事に成功しました。

3話のラストに来てようやくマークとコンスとスティーヴンが協力し、アメミット復活を食い止めるために行動することになりました。しかしコンスが封印された事でスーツの力も失われ、ムーンナイトに変身することは出来ません。アメミットもそうですが、コンスの開放のためにレイラとマーク、スティーヴン、そして謎の人格の協力が必要になりそうです。

ハロウの告白

ラストではセリム(オシリスのアバター)がハロウに対して「君の言ってたとおり」「こうするしかなかった」と告げて去っていきました。ハロウはコンスが封印された小さな石人形にたいして「制裁の拳を楽しんでいた」事が自らの罪である事を認め、コンスがもたらした痛みが苦痛を癒す重要性に気づかせてくれたと語っています。そしてコンスが出来なかった事を自分が成し遂げると言うのでした。

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ハロウがコンスのアバターであった事は2話で明かされていましたが、過去には何か重要な因縁が隠されているようです。マーク、レイラ、コンス、ハロウの過去が絡み合って物語は後半戦へと続きます。

おまけ

エンドクレジットでは1話から3話にかけて月が少しずつ満ちてきています。コミックのムーンナイトは満月の時にフルパワーになりますが、ドラマでも徐々に強力になっていくのでしょうか?

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なお、3話にしてようやく気づいたのですが、砂丘がコンスの顔に見えるトリックアートが含まれていました。

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ちなみに今回はQRコードが発見されていませんが、無料コミックは新しいものに更新されています。


今回登場したアントン・モガートを演じたギャスパー・ウリエルさんは、フランスの現地時間2022年1月18日にスキー事故に遭い、翌日亡くなられた事が報道されていました。フランス映画を中心に活躍してきたウリエルさんでしたが、本格的にハリウッドで活動しようというタイミングでの出来事で、「ムーンナイト」が遺作となりました。

今回のエピソードでアントン・モガートは砂埃の中に消えていった為、当初はその後の展開も用意されていたのではないかと考えられます。


ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2022年4月20日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年4月6日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード2「Summon the Suits.(邦題:スーツ召喚)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

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バスカヴィル家の犬

でかい犬に追いかけられたというスティーヴンに対して、J.Bは「バスカヴィル家の犬か?」と冷ややかな反応。この「バスカヴィル家の犬(The hound of the Baskervilles)」とは、アーサー・コナン・ドイル氏によるシャーロック・ホームズシリーズの長編小説のひとつで、口から炎を吐く、という魔犬の伝説が伝わる富豪のバスカヴィル家を舞台とした物語です。

過去に何度も映像化されたこの小説ですが、2012年のドラマ「シャーロック」シーズン2ではMCUでドクター・ストレンジを演じるベネディクト・カンバーバッチさん主演でこのエピソードが描かれています。

なお、例のモンスターを当ブログでも犬頭と表現したりしていましたが、スティーヴンの説明によるとエジプトジャッカルとの事です。

博物館はクビに

防犯カメラ映像からトイレの破壊がスティーヴンの仕業である事が判明してしまい、博物館の仕事を失ってしまいます。この時、上司のシャツからここが「ナショナル・アート・ギャラリー」という名称の博物館である事が分かります。

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「エターナルズ」のセルシやデインが実在する自然史博物館に勤務していたのとは違って、1話の記事でも指摘していたようにスティーヴンが勤務しているのは架空の博物館でした。

クローリー再登場

ストリートパフォーマーのクローリーが1話に続いて再登場し、クビになったスティーヴンの話の聞き手になっています。コミックでは情報屋であることを考えるとある意味真逆の立場になっていますが、今後も聞き手として登場するのでしょうか。

貸倉庫

マークが借りていた貸倉庫43番に貼ってあるQRコードをスマホで読み取ると、先週と同じくマーベルの無料コミックページにリダイレクトされます。先週よりハッキリとしているため読み取りやすく、続きが読めるようになっています。

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倉庫の中にはマークの荷物が保管されていました。

パスポート

鞄の中には銃やお金の他、身元を知るのにちょうどいいパスポートが入っていました。

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パスポートからはマーク・スペクターが1987年3月9日生まれ、アメリカのイリノイ州シカゴ出身である事がわかります。ムーンナイトの時系列が「ホークアイ」よりも後である事から2025年初頭の物語と過程すると、37か38歳ぐらいといった所でしょうか。出身地はコミック設定に準拠しています。

月神コンス

1話でも度々登場しましたが、2話では更に見やすく表示される事が増えたコンス。日本語字幕版によるとコンスという表記で行くようです。邦訳コミックやゲームではコンシュ、コンシューなどの表記が多くなっています。

レイラの登場

メイ・キャラマウィさん演じるレイラが登場し、マーク・スペクターと結婚していた事が明かされます。マークの妻としてレイラというキャラクターはコミックにはいませんが、コミックのマリーン・アルラウネをもとにしている可能性が高そうです。

マリーンはエジプトの遺跡発掘調査に加わり、マークが殺されてムーンナイトとしてコンスと契約した現場にもいました。その後マークと共にアメリカに帰り、彼の精神分裂に悩まされながらもサポートをし一緒に暮らしていましたが、結局の所彼がムーンナイトである事がマリーンの身を危険に晒している一番の原因として別れることに。マークは後に知ることになりますが、二人の間には娘のディアトリスも設けられていました。

マークとレイラが共に生活していた事、そしてマークがレイラの安全のために離婚を考えている事から、レイラとマリーン・アルラウネの設定はかなり似ているようです。

氷の中の男

スティーヴンのアパートの本棚には「The Man in the Ice」というタイトルの本が確認できますが、これはインスブルック大学の考古学者コンラッド・スピンドラー氏による実在の考古学の本です。アルプスで見つかった氷のミイラについて記されたものですが、マーベル的には氷の中で長い時を過ごしたキャプテン・アメリカやX-MENのアイスマンを連想させるタイトルです。

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マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール

レイラが好きだというマルスリーヌ・デボルド=ヴァルモールは19世紀のフランスで活躍したロマン主義の詩人です。

二人が暗証したのは「Les Séparés」という詩で、「書かないで。私は悲しいので、私の光を消してほしいのです。あなたがいない夏は、部屋のように暗いのです。」と歌っています。

スカラベ

スカラベを見たレイラは「アメミットのウシャブティを指し示すスカラベ」と説明しました。ウシャブティとは古代エジプトで死者とともに埋葬したミイラ形の小像の事で、冥界で死者の従僕として働く者と信じられていました。なお、シャワブティを呼ばれることもあります。

倉庫でドローンのように浮上したスカラベはたしかに何らかの方角を指し示していました。

二人の刑事

フィッツジェラルドとケネディがスティーヴンのもとを訪れます。彼らはエンドクレジットからこれらが偽名であり、本名はボビーとビリーである事が分かります。

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二人はコミック「Moon Knight (2016) #1」に登場し、マーク・スペクターを収容した精神病院のスタッフであり、アメミットの信徒でした。

ここで提示した警察手帳の詳細はハッキリとみることは出来ず、偽物警官なのか、警官が信徒となったのかは不明です。マーク・スペクターのパスポートが見つかってしまい、スティーヴンはパスポート偽造という事で手錠を掛けられます。

ロンドンブリッジ

連行シーンで一瞬映されるのは夜のロンドンブリッジ。ここは「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でスパイダーマンとミステリオが戦った場所ですが、時系列上で約半年が経過し、元通り修復されたようです。

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半年で修復出来る被害だったかは難しい所ですが、ヒーローの誰かが力を貸したり、なんらかの超技術によって修復されたのかもしれません。

マークの事件簿

車の中でボビーとビリーが参照しているマークの事件ファイルのナンバーは1975となっており、ムーンナイトがコミックデビューした「ワーウルフ・バイ・ナイト」#32の発行年になっています。

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なお、担当エージェントになっているニック・ペパンさんは「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」以降MCU作品の開発に携わっているプロデューサーの一人で、「ワンダヴィジョン」から「ムーンナイト」までの全てのディズニープラスシリーズにも関わっています。

ここでマーク・スペクターの傭兵一味がエジプトで考古学者たちを処刑したと報告されていますが、これはコミックのムーンナイトの起源に沿ったものになっています。

コミックではマーク・スペクターの所属する傭兵隊のラウル・ブッシュマンが考古学者たちを殺し始め、マークはそれを止めようとする中で命を落とし、コンスと契約を交わし、ムーンナイトとして蘇り復讐を遂げました。

MCU版ではアーサー・ハロウの部下のテロリストとしてのラウル・ブッシュマン役にロイック・マバンザさんがキャスティングされています。今後のエピソードで登場すると考えられますが、彼がムーンナイトの起源に関わっているのかどうかはまだ不明です。

マンダリン

マンダリンは北京語の意で、「アイアンマン3」や「シャン・チー/テン・リングスの伝説」に登場したキャラクターとしてのマンダリンとは関係がありません。

なお、シャン・チーを演じたシム・リウさんは「アーサー・ハロウは北京語の先生を解雇する必要があるね」とあまり上手ではない事を指摘しています。

ユカタン出身のヴィクター

アーサー・ハロウのもとへ連れて行かれたスティーヴン。自分もヴィーガンだというハロウはレンズ豆のスープを勧めますが、その際にユカタン出身のヴィクターから教わったレシピだと紹介します。マーベル公式ではレンズ豆スープのレシピも公開されています。

ユカタンはコミックのハロウと関係の深いロケーションであり、ハロウはその地で数々の人体実験を繰り返していました。

コンスのアバター

ハロウは自身が以前にコンスのアバターであった事を明かします。コミックでもマークの前に何人かのアバターが描かれていますが、ハロウはその一人でありません。ここはMCUオリジナルとなっています。

なお、コンス以外のアバターはMCUにも既に登場しており、女神バースト(バステト女神)のアバターとしてブラックパンサーが活躍しています。バステトは映画「ソー/ラブ&サンダー」に登場するとも報じられています。

復讐の拳

ハロウは自らを「Fist of vengeance(復讐の拳)」だったと表現しました。

コンスのアバターであるムーンナイトはコミックでは「Fist of Khonshu(コンスの拳)」と表現される事が多く、一方で復讐の名を冠するスピリット・オブ・ヴェンジェンスことゴーストライダーがマーベルにはいます。これら2つの名を合体させると「Fist of vengeance(復讐の拳)」となります。

コミックの「アベンジャーズ:エイジ・オブ・コンシュ」ではムーンナイトがゴーストライダーの車を駆り、「Fist of vengeance」を体現するようなシーンもありました。今後のMCUでも再現されるのでしょうか?

©MARVEL

なお、「エイジ・オブ・コンシュ」ではメフィストによる世界の終わりを預言する悪夢を見たムーンナイトとコンシュがアベンジャーズ達の力を奪い、メフィストと対決する物語。メフィスト殺害後、まだ危機が去っていないと判断したコンシュはマンハッタンを作り変え、コンシュが支配する世界へと変貌。ムーンナイトは終末を防ぐために仲間を犠牲にする事に悩んだ結果、コンシュへの信仰を捨て、新たな信仰と力としてフェニックス・フォースを受け入れてコンシュを退けました。

ハロウの妖術

スカラベを持って逃げるスティーヴンとレイラを後目に、1話で登場したモンスターを再び召喚しました。ハロウはコプト語で呪文を詠唱している事が英語字幕よりわかりますが、呪文の内容については

MCUではこれまでにインフィニティ・ストーンに代表されるようなエネルギーの色はこだわって描写しており、同じパワーソースを持つエネルギーは同じ色で表現する事がほとんどでした。

ハロウの術は「ワンダヴィジョン」のアガサ・ハークネスの魔術と同じく紫色で表現されていますが、何らかの関連性があるのでしょうか?

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コントロール

「悪い魔法使いの隠れ家」に追い詰められたスティーヴンに対してマークはコントロールを渡すように話しかけます。しかしスティーヴンは応じません。

多重人格について最近判明したスティーヴンにとってコントロールを渡すことは恐怖であり、自分に戻れる保障がない事には死と同義でもあります。そのため、このような窮地に陥っても前回のようにコントロールを渡してしまうことに強い抵抗を覚えています。

視聴者的には「はやく交代すればいいのに」と思ってしまいますが、当事者にとってはそう簡単ではないのかもしれません。

ミスター・ナイト

モンスターに飛びかかられ、落下する最中にスティーヴンはスーツを召喚し、ミスター・ナイトの姿へと変身しました。

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コミックのミスター・ナイトをそのまま実写化したようなデザインですが、その中身はかなり変更されています。コミックのミスター・ナイトは夜にしか活動出来ないムーンナイトをサポートするようにして生まれた別の人格であり、昼間に活動する知的なキャラクターとして描かれていますが、MCU版は単にスティーヴンのパワーアップスーツとして機能しています。

ばっちりとヒーロー着地を決めたかのように思われたスティーヴンでしたが、耐えきれずに転んでしまいました。

世界再定住評議会

モンスターとの戦いで登場するバスにはGRC(世界再定住評議会)の広告が貼られていますが、この事はトレーラーの段階で判明していました。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でキャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンに公開説教されてから、組織に変化はあったのか気になる所です。

更にバスの天井部分には「WBN 0032」と書かれており、ムーンナイトがデビューしたコミック「ワーウルフ・バイ・ナイト」#32を指しています。

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クレセントダーツ

ムーンナイトの使用する武器、クレセントダーツが胸のシンボル部分から取り出されています。コミックではベルトにぶら下げている武器ですが、コスチュームデザインにフィットした変更と言えそうです。

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コンスとの契約

マークがコンスと契約しムーンナイトとなったのはコミック通りですが、任務が失敗した時、次のアバターとしてレイラを狙っているというのは興味深いポイントです。レイラはコミックにはいませんでしたが、コミックにはムーンナイトの女性版が何人か登場した事があります。

ムーンメイドことマーメイドのムーンナイトや、ムーンナイト2099、別アースのマークの娘ジェシカ・スペクターなどです。

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マークはレイラが次のアバターにされないよう、永遠にコンスのアバターとして働くしかないようです。今のところは。


コンスとの契約を履行すべく、舞台はエジプトへと変わり2話が終了。スティーヴンとマークはハロウの野望を阻止できるのでしょうか。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2022年4月13日16時 より配信予定です。

ドラマ「ムーンナイト」、1話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年3月30日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ムーンナイト」シーズン1エピソード1「The Goldfish Problem.(邦題:もうひとりの自分)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが苦手な方はご遠慮ください。

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Every Grain of Sand

今回の1話は暗転状態からボブ・ディランさんの楽曲「Every Grain of Sand」(1981年)で幕を開けます。これはボブ・ディランさんがクリスチャンに改宗した後に制作された楽曲で、曲名は「砂の一粒一粒」という意味になっています。その内容は信仰と精神性をほのめかしており、「一粒一粒の砂の中に主の存在を感じる」、「時々私は向きを変える、そこには誰かがいる」などムーンナイトに通じる歌詞になっています。

アーサー・ハロウ

冒頭の時点では名前は明かされませんが、イーサン・ホークさん演じるアーサー・ハロウが登場します。

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アーサーは砕いたコップのガラス片を自分の靴に入れて履くという謎の行動を取っていますが、コミックのアーサーは痛みについて(他人を実験台にして)研究をしているマッドサイエンティストでした。1話を見る限り科学者には見えませんが、なんらかの方法で痛みを無効化する能力を獲得しているのかもしれません。

また1話でアーサーがアメミットの使者を名乗っており、アーサーの腕にはアメミットの頭部を模したワニ頭の天秤のタトゥーがあることや、杖もワニ頭が象られていることが確認出来るようになっています。

ロゴシークエンス

お馴染みのマーベル・スタジオのロゴシークエンスですが、マイナーチェンジが施されています。今回は映画「エターナルズ」の1シーンが含まれています。

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今の所、「ワンダヴィジョン」から始まったドラマ作品はここに入っていません。

ここで曲がエンゲルベルト・フンパーディンクさんの「A Man Without Love」(1968年) に変わります。

スティーヴン・グラント

オスカー・アイザックさん演じるスティーヴン・グラントが登場し、どう見ても普通ではない寝起きのシーンが描写されています。スティーヴンは自分の異変について既に把握しており、寝ている間に勝手に出かけたりする事のないように、あるいはそうなった事がわかるようにしているようです。

片方の胸ヒレしかない金魚のガスに挨拶し、仕事に出かけるスティーヴン。英語版では今回のエピソードは「The Goldfish Problem.」というタイトルであり、公式ポスターも公開されるなど、金魚のガスが重要な鍵を握っている事が示唆されていました。

アトランティス

これが偶然であるのか(実在の店舗なのか)、あるいはマーベル・スタジオが(セットやCGで)仕込んだイースターエッグなのかは不明ですが、スティーヴンの家を出て左に曲がった先の通りに並ぶ店にはアトランティスと書かれています。

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これが映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」に登場するのではないかと言われているアトランティスの王ネイモアのイースターエッグの可能性はありますが、今回のエピソードではこれ以上のことは何も分かりません。

博物館

スティーヴン・グラントは博物館のギフトショップ店員ということで、職場に到着します。

エジプト展が開催中のこの博物館はアイルランド国立美術館と大英博物館をミックスしたようなデザインになっています。

MCUでは同じく博物館勤務のセルシとデインが映画「エターナルズ」で紹介されており、彼女らもロンドンにいましたが、二人が勤めていた博物館は自然史博物館であり、スティーヴンと同僚というわけではないようです。

少女との会話

職場についたスティーヴンは名前のない少女と会話をします。そこで死後の世界について講釈するスティーヴンでしたが、少女は「がっかりした?楽園から追い返されて」とスティーヴンが死んで戻ってきた事を示唆します。

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コミックのムーンナイトはマーク・スペクターが死んで月神コンシュと契約し、ムーンナイトとして復活するわけですが、この設定を知っているような口ぶりのこの少女は今後のエピソードで何か重要な鍵を握っているのでしょうか?

なお、博物館の壁に描かれたQRコードは実際に機能しており、これを読み取るとムーンナイトの無料コミックが読めるようになっています。しかしFHD画質では読み取りは難しくなっています。興味のある方はここをクリックしてマーベル公式に直接移動してください。

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ドナ

職場の上司として登場したドナ。コミックにもドナという名のムーンナイトに関連したキャラクターが登場しますが、現状では同一人物ではなさそうです。

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コミックのドナ・クラフトはスティーヴン・グラントがムーンナイトの活動資金集めのために設立した会社スペクターコープの広報担当、すなわち部下でした。今後スティーヴンが会社を作り、ドナを雇う事でコミックに近い関係になったりするのでしょうか?

デートの約束

スティーヴンは同僚の女性と翌日19時にデートの約束をしているようですが、本人は覚えがない様子。さらにスティーヴンはヴィーガンであるのに、ステーキ屋でのデートだと言うから不思議な事この上ありません。物語上、すでに別の人格も動いていることが明かされるシーンです。

タウエレト、エネアド

スティーヴンの仕事のシーンではなんとも可愛らしいカバの女神のタウエレトのぬいぐるみが紹介され、つづけてアメミットのぬいぐるみも登場します。

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タウエレトはカバの姿をした女神であり、災いを避ける守り神として信仰されていました。

また、エジプト九柱神のエネアドについて言及されますが、コミックでは雷神ソーや軍神オーディン、魔王サタンなどと同じく実在するキャラクターたちです。実写化の噂は今の所聞きませんが、MCUにキャラクターとして登場する可能性がゼロというわけではありません。

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ストリートパフォーマーのクローリー

ストリートパフォーマーのバートランド・クローリーがドラマで紹介されました。ムーンナイトのコミックにもクローリーという名の路上生活者がマークやスティーヴンと身体を共有しているジェイク・ロックリーの協力者(情報屋)として登場しますが、設定として職業が与えられる事になったようです。

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彼が今後物語に絡むかどうかは不明ですが、1話はほとんどスティーヴン・グラントの目線でしか描かれていないため、スティーヴン以外の人格とは既に友人関係である可能性もありそうです。

突然のワープ

自宅に戻って寝たと思いきや、場面は突然太陽が登っている屋外へ。米マーベルの公式によるとアルプスの麓に移動しているようです。

海外メディア The Direct では、この後のシーンに登場する背景に書かれた文字がスラブ語に見えるということで、バルカン半島のあたりではないかと指摘しています。バルカン半島には架空の国ラトヴェリアが存在し、記事ではこの場所そのものがラトヴェリアである可能性を指摘しつつも、ドクター・ドゥームが支配しているのであればアーサー・ハロウのような人物がのさばっていないだろうとも指摘しています。

スカラベとアメミット

スカラベは日本語でいう所のフンコロガシであり、古代エジプトでは聖なる虫とされていました。そんなスカラベを象ったアイテムをポケットから見つけたスティーヴン。更に謎の声が聞こえる中、間もなく銃撃を受け追われる事になります。

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逃げた先では冒頭で登場したアーサー・ハロウが怪しげな集会を開いており、ここで彼がヴィランであることを示すようにきな臭いシーンが描かれています。

ハロウの腕に刻まれた天秤は人の魂を裁定するようで、罪人と判断された場合は神話のアメミットが実在しているかの如く、その生命を奪われてしまうようです。

神話においてアメミットはワニの頭部、ライオンの上半身、カバの下半身を持つ合成獣の姿をしています。裁定は死後、冥界において人が転生する前の儀式として行われるのですが、ハロウの裁定は生きている間に行われるため、悪事を未然に防ぐという名分があるようです。

謎の声は「スカラベは命だ」と悪人に渡さないように命令しますが、それ以上の事は説明されません。コミックのムーンナイトはスカラベダーツと呼ばれる武器を有しているため、コミックと同様に武器になったり、ムーンナイトの変身に必要なアイテムとして扱われていくのかもしれません。

カーチェイス

ハロウからスカラベを返すように要求されたスティーヴンはいつの間にかギャングを倒している事に動揺し、停めてあった車に乗り込んで逃げ出します。免許がないと言いながら車に乗り込んだのはかなり愚策なような気がしますが、道中何度か意識を失いつつ、気づけば自宅に戻っていました。

なお、このカーチェイスシーンは予告にも登場していますが、予告公開時にはファンタスティック・フォーのイースターエッグではないかと言われていた部分が実際には関係なかった事が明らかになりました。

予告で見つかっていた「von D」は実際には車のフロント部から「von Darrelman」 である事が判明し、ドクター・ドゥームとは関係なかったようです。

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スティーヴン・グラントの解離性同一性障害

物語中盤以降、たびたび意識を失うスティーヴン・グラントですが人格が切り替わっている事は明白です。時折聞こえる謎の声はスタッフロールを見ればコンシュの声である事が分かります。

コンシュはスティーヴンの事を「寄生虫」と呼び、「我々の邪魔をするな」と話している事から、コミック同様にメインの人格はマーク・スペクターであり、マークとコンシュは既に結託しており、スティーヴン・グラントは主たる人格ではない事を示しているようです。

ガスの謎

目覚めたスティーヴンはガスの異変に気づきました。片方しかなかったヒレが両方にあったのです。ガスをポスターのようにミキサーに入れてペットショップに向かい抗議するも、「昨日も来た」といっていまいち話があいません。

おそらくは別の人格が昨日来ていたのでしょうが、元のガスはもういないのでしょうか・・・。

大遅刻のデート

ペットショップで時間の異変に気づき、すぐに戻ってデートの準備をして向かうも結局彼女は現れませんでした。電話をしてみるとデートの約束は2日前だと言われ、こっぴどくフラレてしまいます。

意気消沈のスティーヴンでしたが、ヴィーガンであるはずのスティーヴンはそのままステーキを注文するのでした。この時は口調と表情に少し変化が見られ、別の人格が画面に表示されたのかもしれません。

もともとデートに誘った人格がいるはずで、それが傭兵のマーク・スペクターであるかどうかは今の所わかりません。コミックではスティーヴン・グラントは大富豪のプレイボーイですが、MCUのスティーヴン・グラントは庶民的な人物として描かれており、プレイボーイ要素もありません。原作コミックにはタクシー運転手のジェイク・ロックリーという人格が存在しており、ジェイクがデートに誘い、ステーキを食べて帰った可能性もあるかもしれません。

スティーヴン・グラントの母親

スティーヴンがたびたび母親と電話をするシーンがありますが、実際に母親の声が聞こえてくる事はありません。留守電メッセージを残しているだけとも考えられますが、スティーヴンは母親に報告しているつもりで実は別の人格への報告なのかもしれません。

漫画「ジョジョの奇妙な冒険」には電話を通じて別の人格と会話をするキャラクターが登場しますが、スティーヴンも(一方通行ですが)同様の事をしているのかもしれません。

この母親は実在し、今後の物語に登場する事があるのでしょうか?なお、コミックではマーク・スペクターの母親が存命である事は分かっていますが名前も設定されておらず、重要視されていないようです。

レイラからの連絡

涙のデートから帰宅したスティーヴンはチョコを頬張っています。通常、チョコはヴィーガンが口にしないもののひとつで、これがヴィーガン向けの専用チョコなのかは分かりません。

そうこうしているうちにスティーヴンは自室の異変に気づき、部屋を探索して見慣れないガラケーを発見します。充電器をつないで通話履歴を見るとレイラという人物の名前が並んでおり、ちょうどまたレイラからのコールがありました。

電話に出て会話するも話が噛み合わず、訛りが変だと指摘され、切られてしまいます。

この「訛り」は日本語吹替ではまったく分かりませんが、英語版ではスティーヴン・グラントはイギリス訛りの英語を話すキャラクターとしてオスカー・アイザックさんが演技されています。ただし、アイザックさんはグアテマラ生まれのフロリダ育ちであり、イギリス人から見ると綺麗なイギリスアクセントとは言えないようです。

吹替版はマークが関東弁でスティーヴンが関西弁、というわけには行かず、あくまで声の演技で分けていくようです。

なお、着信履歴に表示されるレイラ以外の人物、デュシャンはコミックのジャン=ポール・デュシャン(通称フレンチー)を参照している可能性がありそうです。デュシャンはマークの傭兵仲間であり、レイラもマークの友人という事で、二人が心配してマークに連絡を寄越していると考えられます。

マークからの警告

鏡越しにマーク・スペクターが現れ、スティーヴンに詮索を止めるように警告しますが、スティーヴンはパニックを起こしてしまいます。さらにポルターガイスト現象のようなものが起こり、スティーヴンは部屋を飛び出してしまいます。その後は予告にもあったエレベーターのシーンの後、通勤バスへとワープし、バスの外にコンシュの幻覚を見るのでした。コンシュは月の神ですが、日中でも話しかけたり姿を現したりぐらいは出来るようです。

バスの男

博物館にたどり着いたスティーヴンですがJ.B.に助けを求めるも取り合ってもらえません。そうこうしているうちに上司のドナが仕事を命じますが、スティーヴンはそれどころではありません。ドナに「ちょっと待って」という目線の先に何かを見つけたスティーヴンは「まずい、バスの男だ」といいカメラが向いた先には深緑のジャケットの男性が映されます。

©MARVEL,Disney

この男性はバスの中にもいましたが、ハロウの手下なのかはっきりしません。スティーヴンはこの男を追いますが、途中でハロウに捕まることになります。その少し後のシーンでスティーヴンはハロウの手下に囲まれますが、先に消えたこのジャケットの男は表れませんでした。

スティーヴンの行く手を阻んだ別の男もバスに乗っていましたが、カメラを携えた女性はバスにはいませんでした。

©MARVEL,Disney

追ってきたハロウ

ハロウに追われ、博物館の警備員ロニーに助けを求めるも「アメミットを称えよ」と口にし、彼もまたハロウの信者である事が判明しました。かつてのヒドラやフラッグスマッシャーズのように、ハロウもひっそりとテリトリーを拡大しているようです。

アメミットがいればいろんな惨状が阻止できたと説明するハロウですが、ここで紹介されるのは実在の世界の有名な事件についてであり、MCUで最も大規模な虐殺であったサノスについては言及されませんでした。生命が戻ってきたからサノスは罪人としてカウントしないのでしょうか。

裏切り

ハロウの説明によると、アメミットは他の怠惰な神々やアバターに裏切られたとの事。その裏切ったというアメミットのアバターは「敵の敵は味方」として今後登場するのか気になる所です。

ハロウはスティーヴンを追い詰め裁定しますが「混沌を抱えている」と戸惑います。スティーヴンは無罪でマークが罪を抱えている、というような事を示唆しているのでしょうか。

ムーンナイト

その場を逃げ出し、仕事に戻るスティーヴン。ハロウも「放っておけ」と追うことはしません。ハロウには罪人と裁定された相手しか殺せないルールがある可能性がありそうです。しかし部下に命じて殺させる事も出来ると考えると、単にスティーヴンの命だけが狙いではないのは明らかです。

そして閉館後、事態はまた急転します。

犬のような鳴き声を聞いた気がしたスティーヴンが奥へと進むと、そこには犬の頭をした人型の怪物がいました。怪物に追われトイレに逃げ込んだスティーヴンの鏡越しにマークが再び現れ「コントロールを渡せ」と告げます。スティーヴンがそれを受け入れるとムーンナイトへと姿が変わり、怪物をあっさりと倒してしまいました。

人型の犬頭ということでアヌビス神を連想する所ですが、アヌビスをそんな簡単に倒せるのであればアメミットを恐れる必要もなさそうですし、コンシュを裏切ることも簡単に思えるため、この怪物は単なる眷属であると考えるのが妥当なようです。


全体的に鏡、水面、ガラス面などにスティーヴンが映り込むシーンが多用され、本作の主人公の特徴である多重人格という要素を強調するエピソードでした。

そして英語タイトルどおり「金魚の問題」が残されて1話が終了。ガスはどこへ行ってしまったのでしょうか。ハロウの狙いや、スカラベの何が重要なのかも明かされないまま次回に続きます。

ドラマ「ムーンナイト」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第2話は 2022年4月6日16時 より配信予定です。

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の脚本が公開され、いくつかのイースターエッグが発見される

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の脚本が、海外メディア Deadline の特集記事で公開されました。脚本はpdfファイルで公開されており誰でも見ることが可能ですが、全文英語であること、そして完全なネタバレであることにご注意ください。

※これより先は「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

脚本はワーキングタイトル「セレニティ・ナウ」として描かれています。

海外メディア The Direct は実際の劇中で見落としていたイースターエッグとして下記のものをピックアップしています。

ひとつめは序盤のサンクタムのシーン。脚本の42ページでは「2階の見習い:そのうちの一人が、揺れているレリックに手を伸ばす(ラグナロクでソーが倒したのと同じもの)。遅すぎた。バラバラになる。」と記載されており、ソーが倒してしまったレリックが再び倒されてしまったようです。

from「マイティ・ソー/バトルロイヤル」©MARVEL,Disney

そしてもうひとつは脚本の177ページ、映画のラスト、ピーターのMJのカフェでの再会のシーン。「ピーターが店に入ると、スタン・リー似の年配客と話しているMJを見つける」とかかれており、故スタン・リー氏へのリスペクトを込めたイースターエッグになっていたようです。

本作はパンデミックの始まりとなった2020年、2021年の映画で最大の米国興行収入を記録し、世界興行収入でも歴代トップ10入りを果たしました。先週末の時点で、米国内興行成績の歴代4位で、「ブラックパンサー」の7億ドルの興行収入を抜き、「アバター」、「アベンジャーズ/エンドゲーム」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」記録に迫る勢いとなっています。

映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は 2022年1月7日 より日本公開中です。

ソース:Spider-Man: No Way Home Reveals the Stan Lee Easter Egg We All Missed