コミック「ヴェノム」で新たな宿主となったナターシャ・ロマノフの姿が公開

マーベルは現行コミックでヴェノム・シンビオートの新たな宿主となったブラックウィドウことナターシャ・ロマノフの新コスチュームを、コミック「サンダーボルツ」のヴァリアントカバーで紹介しています。デリック・チューさんの描く新たなナターシャは蜘蛛と蜘蛛の力を融合し、稲妻のような正義をもたらすと言います。

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エディ・ブロックはボディビルの経験もある文武両道な人物でしたが、一流のスパイであり様々なガジェットを操るナターシャにヴェノムの力が加わったときに、彼女はどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。

近頃、「デス・オブ・ザ・ヴェノムバース」では金太郎がヴェノム化し、キッド・ヴェノムという新ヒーローが誕生するなど日本人には興味深い展開も見せており、邦訳本の出版に期待したい所です。

実写映画の「ヴェノム3」も 2024年夏 公開予定が決まり、ゲームの「Marvel’s Spider-Man 2」でも重要な役割を担っているなど、ヴェノム界隈は当分の間盛り上がることになりそうです。

今回のヴァリアントカバーが採用されるコミック「サンダーボルツ #1」は 2023年12月6日 に米国リリース予定です。

映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」のポータルシーンは元々何も決まっていなかったと言う

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」のVFXスーパーバイザーを務めたダン・デリュー氏が、海外メディア Comicbook.com とのインタビューの中で、アベンジャーズが集うためのポータルシーンがどのようにして作られたか、その制作過程について明らかにしました。 

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デリューさんは「その日はみんなが集まっていて、巨大な、本質的にはとても高価な、すべての俳優がそこにいるような日でした。それで、プレビズ映像について編集のジェフ・フォードと話し合ったんです。」と撮影の段階ではほとんど何も決まっていなかった事を明かしました。

「元々、誰が生き残って、いつ戻ってくるかは分かっていましたが、それをスローダウンさせて、観客にヒーローの帰還を歓迎するチャンスを与える必要がありました。『タイタンから誰が最初に来るのか?ガーディアンズが出てきて、それからスター・ロードが現れるんだ。スパイダーマンを最後にしよう』というような事はその日に決まりました。だから、とてもエモーショナルになるように作られていて、オープニングウィークエンドのファンの反応の良さは、私たち全員にとって素晴らしいものになりました。」と振り返っています。

「エンドゲーム」を象徴するシーンの一つであるポータルのシーンが事前に綿密に打ち合わせされたわけではなく、その場で考案されたというのは中々に驚きの制作スタイルですが、結果的にこのシーンは多くのファンの心に刺さったようです。

ちなみに、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」と「アベンジャーズ/エンドゲーム」は合わせて900時間以上のフィルムを撮影したと監督が明かしており、削除された未公開のシーンなどがまだまだ存在します。アメリカのディズニープラスでは時折追加で公開されていますが、日本のディズニープラスに動きはありません。

映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」はディズニープラスで配信中です。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の予告にハルクがいた理由の詳細がついに明らかに

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)の予告動画ではキャプテン・アメリカらアベンジャーズと並んで敵に向かっていくハルクの姿がありましたが、実際に公開された映画ではそこにハルクは存在せず、背景も異なっていました。

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「インフィニティ・ウォー」のハルクは映画の冒頭でサノスに破れて以降、ずっとブルース・バナーの中に閉じこもったきりで、実際の劇中、ワカンダの戦いではハルクバスターのアーマーを着用して参戦していました。

これについて、セカンドユニットのディレクター兼VFXスーパーバイザーのダン・デリュー氏が、ワカンダでのハルクの映像が存在した理由を、海外メディア Comicbook.com とのインタビューの中で明らかにしました。 

デリューさんは「あれは誤解を招く内容で、私は普段予告の制作には関与していないんですが、あのシーンは大きなネタバレでしたよね?あの時点でスマート・ハルクになっている計画があったんです。ハルクバスターの中でハルクとバナーが言い争うシーンがあったのを見たことありますよね?」と、元々別のプランがあった事を明かしました。

そして「あの後ハルクがアーマーから出てくるんですけど、その時点でスマート・ハルクである事には誰も気づいていない、というシーンでした。ジェフリー・フォード(エディター)がウルトロンの時に持っていたアイデアだったと思います。」と、「インフィニティ・ウォー」に「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のボツになったアイデアを盛り込む予定だったと説明しました。

デリューさんはさらに「ウルトロンにも入らなかったんだけど、ウルトロンの前にアイアンマンが現れたと思ったら、実はバナーが閉じ込められていて、バナーがハルクに変身してウルトロンに殴りかかるという流れがありました。とても素晴らしいアイデアで『これは是非入れなくては』と思っていたんですが、最終的に映画からそのシークエンスがなくなってしまったんです。」と「エイジ・オブ・ウルトロン」制作時を振り返りました。

そしてこのアイデアを「インフィニティ・ウォー」に流用し、アーマーからハルクが飛び出すようなシーンが考えられていたようです。そして「インフィニティ・ウォー」バージョンの続きについても語ってくれました。

「『インフィニティ・ウォー』の最後でも同じアイデアを使いましたが、やはりしっくり来ませんでした。どちらの場合も物語の助けにはなりませんでした。だから、2回ともボツになって、『ああ!』って感じだったんです。すごく素晴らしいアイデアだったけど、僕たちにはそれを取り入れるチャンスがなかった。だから、あのショットは、この本当に楽しいアイデアを実現しようとしていたのと、ナターシャがいなかったということの間の合流点に陥ったような感じだったんです。ナターシャは、魔法のようにスマート・ハルクに変身したハルクに立ち向かわなければなりませんが、その間にサノスがアベンジャーズを全滅させている、というのが筋書きでした。」

「インフィニティ・ウォー」のルッソ監督は映画公開当時、予告にいたハルクが本編にいなかった事について、「いつもファンの予想が見事すぎて、ファンの楽しみを奪うようなネタバレを防ぐため、予告を作るために削除シーンを使った」と説明していました。

その削除シーンの全容が今回明らかにされたわけですが、「インフィニティ・ウォー」に限らず、MCU作品は特に予告映像と本編映像で異なるシーンが多く存在します。たまに「アイアンマン」からの予告映像を振り返って見てみるのも、新たな発見があるかもしれません。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」はディズニープラスで配信中です。

【噂話】ハルクはソロ映画と「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」の登場が決まっていると言う

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「インクレディブル・ハルク」(2008年)以降、長年に渡って活躍しているハルクの次の舞台について、海外スクーパーが興味深い話題を提供しています。2022年のドラマ「シーハルク:ザ・アトーニー」の後、ハルクにはどのような物語が用意されているのでしょうか。

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MTTSH 氏は「ハルクがソロ映画とザ・カーン・ダイナスティを手に入れた」と最新の状況を投稿。噂のソロ映画の計画が死んでいない事を報告し、次のアベンジャーズ映画への登場が決まったと伝えています。

ハルクはコミックの「ワールド・ウォー・ハルク」をもとにしたソロ映画が制作されると以前から噂されていました。コミックではハルクの妻が死んだことで、妻の死が地球のヒーローたちの責任だと考えたハルクとヒーローたちの間で戦争が勃発しました。

MCUにはハルクの妻が登場していなかったためどうなるのかと考えられていましたが、ドラマ「シーハルク」にて息子が紹介されたため、妻がいる、あるいはいた事が判明しました。これにより、コミックに近い形での「ワールド・ウォー・ハルク」の実写化のための準備が整えられたと考えられています。

ただし、アベンジャーズ映画とソロ映画の順序については不明で、フェーズ6以内に行われるのかも分かっていません。また、スマートハルクではなく往年のパワフルなハルクに戻るかどうかもファンが気になる所で、今後の情報にも注目です。

ちなみに当のマーク・ラファロさんは、「ザ・カーン・ダイナスティ」にシーハルクの登場が決まっていると聞いていると過去にコメントしています。

映画「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」は 2026年5月1日 米国にて劇場公開予定です。

ドラマ「ロキ」シーズン2の配信を記念して、ディズニーランドでキーライムパイの提供を開始、マーベル独自レシピも公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2の配信がディズニープラスで始まった事を記念して、ディズニーランドパリのアベンジャーズ・キャンパスにて、キーライムパイの販売が開始されました。

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アベンジャーズ・キャンパスのピム・キッチンにて「ヴァリアント85 キーライムパイ」と「悪戯の神モクテル」を味わえるとの事。

現状ではアメリカのアベンジャーズ・キャンパスで提供されるかどうかは不明であり、アベンジャーズ・キャンパスがない日本では販売されないと考えられています。パリへ旅行に行く方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

そして現地へ行けない方のために、ディズニーランドのパイとは別の、マーベル独自のレシピが公式サイトで公開中。ブラウザの翻訳機能をオンにしてパイを焼いて、今週配信の3話のお供としてもお楽しみください。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中です。

ソース:公式

映画「マーベルズ」より、チームの3人とフューリー、グース、ヤン王子のキャラポスターが公開

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マーベルズ」より、新たなポスターが公開されました。本作でチームを組む事になるキャプテン・マーベル、モニカ・ランボー、ミズ・マーベルの主人公3人のほか、シリーズでお馴染みのフューリーとグース、そして初参加となるパク・ソジュンさんのヤン王子の6人分が公開されています。

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ヤン王子のポスターも用意されているという事は、物語における重要度が高いと言うことなのでしょうか。

なお、The Direct の報道によると、「マーベルズ」のプレスリリースでフューリーは S.A.B.E.R. の長官に復帰している事になっていると言います。

S.A.B.E.R.はドラマ「シークレット・インベージョン」にて、国連組織ではなくあくまでもアメリカの組織である事が判明。さらにドラマのラストでは大統領が異星人に対する宣戦布告とも取れるようなスピーチを展開しましたが、「マーベルズ」の予告にはスクラル人こそ映っていないものの、別の異星人は登場しています。

このあたりがどういう流れで繋がっているのかは、映画本編でのお楽しみとなっているようです。

映画「ザ・マーベルズ」は 2023年11月10日 に劇場公開予定です。

「X-MEN3」元監督が降板の真の理由を暴露─俳優を騙して契約させるための偽脚本があったと言う

20世紀FOX制作のマーベル映画「X-MEN」の3作目にあたる「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」(2006年)の監督を務める予定だったマシュー・ヴォーン監督は、当時、撮影開始2週間前に突然の降板をしました。この時は「納期が間に合わない」との理由で報道されていましたが、ニューヨーク・コミコン2023のパネルに参加した監督は真実について口を開きました。

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「X3を辞めた理由のひとつは、言ってはいけない事かもしれませんが、ハリウッドは変な意味で本当に政治的なんです。当時、エグゼクティブ・プロデューサーのオフィスでX3の脚本を見た時、以前に見たよりも明らかにページ数が増えていました。『これなんですか?』と聞くと彼は『気にしなくていいよ』と答えました。『いやいや、監督は私ですから』と反論して『内容が心配です。これは何なんですか?』と再度質問しましたが、答えてくれませんでした。教えてくれないから脚本を奪って目を通すと、”アフリカ”、”ストーム”、”子供たちが死んで水がない”、”彼女は雷雨を作り出してこれらの子供たちを救う”とメモ書きされていました。まあ、なかなかクールだと思いましたよ。」と監督は当時を振り返りました。

しかしこれについてEPは衝撃の言葉を放ったと言います。

「彼はそれを『ハル・ベリーの脚本』と呼んでいました。その時、彼女はまだ出演契約にサインしていませんでした。彼女が望むような脚本を用意して、サインをしたらその脚本はゴミ箱行きだと言っていました。驚きましたよ。オスカー受賞の女優にそんなことするつもりなのかって。『それなら降ります』って言ったんです。だから辞めました。」

その後、映画にはハル・ベリーさんが出演していましたが、その偽の脚本が契約のために使われたかどうかは不明です。しかし、ヴォーン監督が「ファイナル・ディシジョン」の次の作品「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に戻っている事を考えると、その時点で監督の信念にそぐわないこのようなやり方はなくなっていたのでしょう。

監督は「ファイナル・ディシジョン」降板の際、「もう二度とこの業界で働くことは出来ないぞ」と脅されたとも語りつつ、その男は監督の「キック・アス」を見て「そんなつもりで言ったんじゃない」と弁明してきたとも補足しました。

ちなみに当のハル・ベリーさんはストームを演じることが大好きだとコメントしており、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)での再演のチャンスに期待しているとも過去のインタビューで述べています。

映画「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」はディズニープラスで配信中です。

ソース:Matthew Vaughn Quit X-Men 3 After Fake Script Was Written to Trick Halle Berry | Matthew Vaughn Was Told “You’ll Never Work in This Town Again” After Ditching X-Men 3

ドラマ「ロキ」シーズン2、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2023年10月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ロキ」シーズン2エピソード2「Breaking Brad(邦題:ブレイキング・ブラッド)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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エターナルズ

神聖時間軸の1977年に飛んだロキとメビウス。通り抜ける通路の壁には「エターナルズ」のキンゴのポスターが貼られています。

©MARVEL,Disney

このポスターは1年ほど前に本作の撮影現場で発見されていたもので、ボリウッド映画俳優として地球で生活をしているキンゴの主演映画がこの1977年にも公開されていた事を示しています。

ただし「エターナルズ」ではキンゴは不老不死である事を隠すために、代々俳優の家系と偽装していると説明していたため、この年代のキンゴは「エターナルズ」のキンゴの父か祖父あたりの設定であると考えられます。

フォーンレンジャー

キンゴのポスターを通り過ぎた後、角を曲がる頃にはフォーンレンジャーのポスターが一瞬映ります。

©MARVEL,Disney

作中では見にくいですが、撮影現場で目撃されたポスターはかなり見やすいものになっています。

フォーンレンジャーことA・G・ベルは今となってはほぼ見かけなくなった当時の電話機を頭に被ったようなふざけた格好のキャラクターですがれっきとしたヒーローで、コミックでは人命救助など活躍の場も与えられていました。シビルウォーの際にはキャプテン・アメリカ側につき、アイアンマンとスパイダーマンによってお縄頂戴となりました。

ザニアック

二人が訪れた劇場で上映イベントが行われていた映画「ザニアック!」。

コミックのザニアックについては以前の記事で取り上げましたが、ざっくりまとめると映画「ドクター・ストレンジ」の大ボスだったドルマムゥの操る寄生生物が俳優のブラッド・ウルフに規制した状態のヴィランでした。寄生されたブラッドは錯乱し、ホラー映画の台本を現実と間違えて実際に大量殺人しかけたところをソーによって阻止されています。

ドラマ版ではTVAのハンターX-5が職務放棄して神聖時間軸の中でブラッド・ウルフという俳優として生活してる、という流れになっていました。今回のエピソードタイトルの元は「ブレイキング・バッド」=「道を踏み外す」であり、ブラッドが道を外れた事で「ブレイキング・ブラッド」になっています。

今回のエピソードではドルマムゥや寄生に関連するような話は描かれていませんが、ブラッドは「ザニアック!2」の制作意欲を見せているため、今後コミックのような展開を取る事も可能な道筋が残されています。

グッドマン・プロダクションズ

「フォーンレンジャー」と「ザニアック!」の制作会社グッドマン・プロダクションズ。マーベル・コミックスの前身であるタイムリー・コミックスのマーティン・グッドマン氏に敬意を表したイースターエッグです。

マーティン・グッドマン氏は流通面で働き、コミックとパルプマガジンの黄金時代に貢献しました。1939年に彼はタイムリー・パブリケーションズを設立し、ヒューマン・トーチとネイモア・ザ・サブマリナーに関する最初の物語であるマーベル・コミックス#1を出版することになりました。1940年代初頭に、グッドマンはタイムリー・コミックス社を設立し、最終的にマーベル・コミックスに社名変更されました。

ブリジッド・バルドー

ブラッドが熱愛の噂として質問されているブリジッド・バルドーさんは実在の女性で、ヨーロッパを代表するセックス・シンボルとしてマリリン・モンローさんと同時期に活躍した人物。ブラッドは返答を濁しましたが、熱愛が真実だとするとブラッドは映像で描かれている以上の成功者であると言えるかもしれません。

ロキの本質

結局ブラッドは拘束されてTVAに連行、取り調べを受ける事に。シーズン1で取り調べを受ける側だったロキが取り調べをする側に立っているのは対比となっています。

押し問答の中でブラッドはロキの本質について「生まれつきのヴィラン」と称していますが、ブラッドは神聖時間軸でのロキの人生を最後まで見ていなかったのでしょうか。そしてこのロキ自身も映画「アベンジャーズ」以降の人生は未体験であり、そうではないという確固たる自信を持ち合わせていないようです。

メビウスの輪

ブラッドの挑発による怒りで尋問を放棄して部屋を出たメビウスと、それを追いかけるロキ。オートマットにたどり着いた時、メビウスはロキについてきたと言いますが、視聴者はロキと同じ用にメビウスが先に歩いていた事を知っています。

この奇妙なシーンはメビウスの心理状態が錯覚を起こしているだけなのか、それともこの細い廊下がメビウスの輪のような前も後ろもない無限回廊の性質を持っているのかは謎です。少なくとも実際に無限でなかった事は幸いだったと言えそうです。

パイのオートマット

19世紀後半のドイツで自動販売機の開発が進み、1895年、ベルリン市内で調理済みの食品を自動販売機で提供するアウトマートが出現し、人気を博しました。旅行中にこれを見たアメリカの実業家が1902年にフィラデルフィアでオートマット(AutoMat)として開業。

1962年3月、日本の西武百貨店がアメリカのオートマットをベースにした自動販売機によるレストランを店舗内に設置した。サンドイッチのほかおにぎりなどの和食も販売品目に取り込み注目を集めましたが、1年半ほどで撤退しています。

そしてアメリカでのオートマットは1970年代から1980年代ごろにかけて衰退。原因は本作にも登場しているマクドナルドなどのファストフード店の台頭で、市場が競合していた2つのビジネスはファストフードに軍配が上がりました。

TVAにオートマットがある事と、シルヴィがマクドナルドで働いている事はこれらのビジネスの勝敗を重ね合わせていると言えるでしょう。

キーライムパイを食べながら、ロキは「アベンジャーズ」までの人生において、感情的になった事が敗因だと反省。神聖時間軸のロキが「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」でもまだまだ感情的な一面をよく見せていた事を考えると、このロキは少し成長が早いと考えられそうです。

TVAハンターキラーのシルヴィ

ロキとメビウスはブラッドを連れて、エピソード1のポストクレジットシーンだった分岐時間軸のブロクストンに到着。ブラッドは400人もTVAハンターを殺したシルヴィに一人で近づきたくないと、職務放棄した一因について話しています。

ハンターから見て天敵でもあるシルヴィがこの時代で普通の人生を送っている姿をみて、X-5もまたブラッド・ウルフとしての人生を望んだのかもしれません。

また、ハンターたちに神聖時間軸での元の人生があった事を考えると、シルヴィはワンダよりも大罪を犯したと言えるかもしれません。彼女はこの先さまざまな責任を背負うことになるのでしょうか。

剪定されるマルチバース

ロキとシルヴィが会話している間、メビウスは食事を楽しんでいました。しかし、ブラッドは神聖時間軸に帰ろうとそわそわしており、異変に感づいたメビウスたちは前回のエピソードでハンターが総動員されていたことがシルヴィの捜索ではなく、分岐時間軸の一斉剪定のためだった事を知ります。

これはシルヴィがブラッドの記憶を見て知ったわけですが、ロキが魔法が無力化されるTVAにブラッドを連れ帰る前に記憶を見ていればそれで済んでいたようにも思えます。その場合はロキとブラッドの演技合戦、心理戦のシーンがスキップされてしまうため、この回りくどさが面白いシーンを作り上げたと言えそうです。

ロキとシルヴィのコンビによってTVAの作戦は中断されたものの、多くの分岐時間軸が剪定され、多数の命が消えたようです。先程のマクドナルドでは「TVAが唯一の砦だ」としてシルヴィを説得しようとしていたロキでしたが、その彼女は「TVAこそが問題そのものだ」として再び分岐時間軸に戻りました。

在り続ける者のタイムパッド

夜、閉店した店の前で車のボンネットの上で佇むシルヴィ。1話で接客してくれた、今は先輩でもある店員のジャックはママが迎えに来ると言いますが、シルヴィに住む家があるのか気になる所。

一人残されたシルヴィはシーズン1で在り続ける者から奪い取ったタイムパッドを手にしていました。TVAの職員が使用しているものとは明らかに異なるデザインであり、やはり管理者権限が付与されているのではないかとも推測出来ます。

TVA内でのタイムスリップは不可能と言われているのも可能にしたり、今回の一斉剪定からこの分岐時間軸がたまたま免れたのではなく、プロテクト機能でもあったかのように被害がなかったように。

ケイシーとウロボロスが話していた時間織り機に行くための生体認証が必要な防爆シャッターもこれで開けることが出来るのでしょうか。


1話ではTVAを支える頼れるメカニックとして紹介されたウロボロスが一転、手も足も出ない展開に。その反面、ケイシーが思いの外出来る男だった事が描かれた今回。

そしてシルヴィは在り続ける者とは逆の思想ながらもタイムパッドを持っていることでその能力を受け継いでいる形に。

プロデューサーのケヴィン・ライト氏は最近の Den of Geek とのインタビューで「初期の頃には在り続ける者がカーンではなくロキの変異体というプランもあったがすぐになくなった」と話していますが、結果的にはそれが再現されているようです。

ドラマ「ロキ」シーズン2はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2023年10月20日10時 より配信予定です。

【噂話】ドラマ「ワンダーマン」は制作中止になったと報じられる

マーベル・スタジオが開発中のスペシャル・プレゼンテーションドラマ「ワンダーマン」が制作中止になったと報じられています。「ワンダーマン」はディズニーやマーベル・スタジオが公式に発表したプロジェクトではありませんでしたが、以前に本作のプロデューサーが撮影開始を報告していました。

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2023年4月、「ワンダーマン」のプロデューサーであり、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」を制作したデスティン・ダニエル・クレットン監督は自身のSNSで撮影開始を報告。撮影現場では他のMCU作品に登場している俳優さんの姿も目撃されていました。

これについて、「MCU:The Reign of Marvel Studios」の著者ジョアンナ・ロビンソン氏は、ポッドキャスト 「The Watch」で 、 「彼らはワンダーマンのプロジェクトを台無しにしたと聞いた」とコメントしており、制作が中止された事を示唆しました。

「ワンダーマン」はコミックのアベンジャーズ古参メンバーであるワンダーマンを主人公にした作品で、ワンダーマン/サイモン・ウィリアムズは(コミックでは)ハリウッド俳優であり、ドラマ版のあらすじとして「このシリーズは、映画で大成功しようとするハリウッドのスタントマンと俳優を中心に、エンターテインメント業界に対するスーパーヒーローの視点を提供します。」と報じられていました。

WGA と SAG-AFTRA のストライキの影響を受けずに撮影が続けられているとも報じられていた「ワンダーマン」ですが、中止になった原因については今のところ不明です。「デアデビル:ボーン・アゲイン」や「アイアンハート」などが繰り返し延期されている事で、配信スケジュールに関する問題を抱えていた可能性があるのかもしれません。

そもそも公式発表がなかったプロジェクトであるため、「ワンダーマン」が実際に中止になっていたとしてマーベル・スタジオやディズニーの正式アナウンスは期待出来ません。唯一クレットン監督からのコメントが望みであり、この話が真実ではなかった事を期待しながら続報を待つ他ありません。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の脚本全文を読むことを許可された二人の俳優が判明

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」はその衝撃的な結末から、制作に参加している俳優やクルーでさえ完全な脚本を渡されなかったというエピソードは有名ですが、そんな中で完全な脚本を受け取っていた二人の俳優が明らかになりました。

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先日出版された書籍「MCU:The Reign of Marvel Studios」によると、その二人とはキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース役のクリス・エヴァンスさんと、アイアンマン/トニー・スターク役のロバート・ダウニーJr.さんの二人で、それ以外の俳優さんは「[彼らは]自分たちのキャラクターが登場するページだけでなんとかしなければならなかった」と記されています。

2018年にインデペンデント紙はドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチさんとのインタビュー記事を掲載し、「(彼は)脚本もすべて読むことを許可されていた」としていましたが、後に監督が「(彼は)自分のシーンだけを含む脚本を入手したはず」とコメントしていました。

内容の漏洩を防ぐために脚本を防ぐという制作手法は当然リスキーで、特に俳優さんたちが十分なパフォーマンスを得られずにクオリティが低下する恐れがあります。しかしこの「インフィニティ・ウォー」と、同様の手法で制作された続編の「アベンジャーズ/エンドゲーム」は俳優&制作陣の才能でリスクをカバーし、大ヒット映画となりました。

今後のMCUでは「アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ」と「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」が控えているわけですが、これらの作品も「インフィニティ・ウォー」ような制作スタイルが取られるのでしょうか。

その時に全脚本を渡される人物は映画のキーマンである事は間違いありませんが、それが誰かをファンが知るのは映画が公開されてからずっと後にになるかもしれません。

映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「アベンジャーズ/エンドゲーム」はディズニープラスで配信中です。