マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「サンダーボルツ*」あるいは「*ニューアベンジャーズ」では、当初キャスティングされていたスティーブン・ユァンさんに代わってルイス・プルマンさんがボブ/セントリー/ヴォイドを演じる事となりました。このキャスト変更に関して、ジェイク・シュライアー監督がその経緯を語りました。
ニューヨーク・タイムズとのインタビューに応じた監督は、ボブを演じる俳優を探す苦労を振り返りました。
2023年のハリウッドでのストライキの影響で映画の制作が大幅に遅延し、それによってキャスティングされていたスティーブン・ユァンのスケジュールが他の契約と競合。ユァンさんは「サンダーボルツ*」を降板し、ボブを演じる新しい俳優を探す必要がありました。
しかし、通常は脚本を渡して俳優さんに契約の是非を考えてもらう所、MCU特有の問題で苦労したと言います。
「一番大変なのは、脚本を読めないことだと思います。どんな俳優にとっても、それは大きな一歩です。ロサンゼルスでルイスと会った時は、撮影まであと1ヶ月くらいでしたから、慌てて準備を進めていたんです。」
「彼には『サンダーボルツ』の歴史を口述で話したんです。脚本を渡すことは許されていなかったので。でも、いわば『物語のすべてを話します。コンセプトアートも見せますし、アニマティクスもお見せします』って感じでした。とにかく、このキャラクターがどれだけ興味深いものになるか、そしてなぜその挑戦をする価値があるのかを、彼に示そうとしたんです。」
また、この時点での脚本がそもそも完成形ではなかった事についても語りました。
「こういうことはすごく秘密主義なんです。それに、一緒に話を聞いて解決できるという信頼関係があると思います。ケヴィン(・ファイギ)がいつも言っているのは、マーベルの会議に来たら、プロセスのどの段階でも『これで終わりだと思う。これで終わりだ』なんて絶対に言えないってこと。いつも『これでいい。もっと良くできると思うんだ』って言うんです。」
そしてルイス・プルマンさんが正式に参加してから、彼にフィットするセントリーになるようにまた書き直しが行われた事を明かしました。
「ルイスは間違いなく開発に参加し、彼とフローレンスがシーン作りに取り組みました。脚本を書き直し、より良く機能するようにし、彼に合うようにしました。」
つまりユァンさんが演じる予定だったセントリーとは変化したようで、単なる代役ではなかった事が今回のインタビューで認められる事となりました。
ルイス・プルマンさんは既に「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」への出演が発表されており、最近のインタビューではキャラクターの将来について語っていました。
また、セントリー役を降板したスティーブン・ユァンさんは別の役でマーベルにまた参加したいと話した後、「スパイダーマン:ブランニューデイ」への関与が噂されています。
「サンダーボルツ*」はMCUのアンチ・ヒーローや元ヴィランを寄せ集めたチームを描く作品で、過去作よりセバスチャン・スタンさん演じるウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ、ワイアット・ラッセルさん演じるU.S.エージェント/ジョン・ウォーカー、フローレンス・ピューさん演じるブラックウィドウ/エレーナ・ベロワ、デヴィッド・ハーバーさん演じるレッドガーディアン/アレクセイ・ショスタコフ、オルガ・キュリレンコさん演じるタスクマスター/アントニア・ドレイコフ、ハナ・ジョン=カーメンさん演じるゴースト/エイヴァ・スターが再登場、ジュリア・ルイス=ドレイファスさんが演じるコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌがこのチームを率いることになります。
ジェラルディン・ヴィスワナサンさんがアヨ・エデビリさんに代わってメルを演じ、ルイス・プルマンさんがスティーヴン・ユアンさんに代わってセントリー/ボブ役を引き継ぎました。
制作はジェイク・シュライアー監督、脚本を「ザ・ベア」のジョアンナ・カロさん、「BEEF」のイ・サンジンさん、「ブラックウィドウ」のエリック・ピアソンさんらが担当しています。
チームのうち、タスクマスターを除くエレーナ、レッドガーディアン、バッキー、エイヴァ、ジョンの5人とボブは「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」に再登場する事が発表されています。
映画「サンダーボルツ*」あるいは「ニュー・アベンジャーズ」は 2025年5月2日 より劇場公開中です。
ソース:The Director of ‘Thunderbolts*’ Unpacks the Movie’s Spoilers