マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」の脚本を担当したエリック・ピアソンさんが、海外メディア Comicbook.com とのインタビューで、本作にジョニー・ストームの決め台詞「フレイムオン!」がなかった事について説明しました。
ピアソンさんは「箱にチェックを入れていました。」と、「フレイムオン」のセリフを入れる予定だった事を明かしましたが、ザ・シングの決め台詞である「It’s clobberin’ time!」のジョークシーンのタイミングを慎重に検討した結果、ジョニーのタイミングを見失ってしまったと説明しました。
日本語版では「フレイムオン」がなかった事だけでなく、ザ・シングの「It’s clobberin’ time!」の邦訳についてもファンの間で意見が分かれました。
「clobber」という動詞は「人を殴り倒す」、「圧倒的に打ち負かす」といった意味を持ち、直訳すれば「殴り合いの時間だ!」「お仕置きの時間だ!」といった意味合いで、今回の映画でもこれが採用されていました。
しかし20世紀FOXの映画を含む多くのコミックやゲームなどでは「鉄拳制裁タイムだ!」と訳されており、今回の映画でこれが採用されなかった事に失望する日本のファンのため息もSNS上で散見されていました。
なお、1960年代のアニメ「ファンタスティック・フォー」の日本語版である「宇宙忍者ゴームズ」では「ムッシュムラムラ!」という謎の訳になっています。このアニメではキャラクターの名前まで全面的に謎翻訳で、ドクター・ドゥームは悪魔博士となり、なぜか名古屋弁で喋るという奇天烈さから、ある種の熱烈なファンを獲得している作品です。
「デッドプール&ウルヴァリン」でクリス・エヴァンスさんのジョニー・ストームが「フレイムオン」(発火)していた事で、「ファーストステップ」のジョニーにも期待されていましたが、残念ながらこれは叶いませんでした。
ピアソンさんは他にもいくつかの疑問に言及。
ジョニーが犠牲になるパターンもあったのかと質問されると「スーの代わりに誰かが犠牲になるプランはなかったと思います。」と回答。原作に登場するギャラクタスに有効な宇宙最強の武器であるアルティメットナリファイアを検討したかどうかについては「話し合いに一度出てきた気がしますが、メモに書き留める事もありませんでした。」と特に検討していなかったと明かしました。
映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」は、「ワンダヴィジョン」のマット・シャックマン監督がメガホンを取り、脚本として「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」のジョシュ・フリードマンさん、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」「ブラックウィドウ」「サンダーボルツ*」のエリック・ピアソンさんらが参加しています。
映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」は 2025年7月25日 より劇場公開中です。
ソース:The Fantastic Four: First Steps Writer Breaks Down Bringing the Iconic Heroes to the MCU