マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ブラックパンサー」などでブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンさんは、2020年、結腸がんで亡くなり、「ワカンダ・フォーエバー」ではティ・チャラも病死したとして物語が進行しました。しかし、ここに来てマーベル・スタジオはティ・チャラを新たな俳優に演じさせようという動きを見せているようです。
インサイダーのジェフ・スナイダー氏は自身のウェブサイトにて有料会員向けにこれを報告。次のように記しています。
マーベルが「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」と「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」の前にカードをシャッフルし、ロバート・ダウニー・Jrがアイアンマンではなくドクター・ドゥームとして戻ってくることで、マルチバースの魔法によってティ・チャラが再演される可能性は確実に開かれていると聞いています。
スナイダー氏はマーベル・スタジオがこれまで、チャドウィック・ボーズマンさんのティ・チャラを再度取り上げることに躊躇していたと言います。これは「ワカンダ・フォーエバー」の公開に先駆けて、ケヴィン・ファイギ社長が明言していた事でもありました。
しかし、その状況は変化しつつあるとし、既に新たな俳優へのオファーの動きもあるとの事。
コミコンでダウニーが大々的に発表されてから数ヶ月後の昨年秋、ある俳優にこの役のオファーが来たと聞いたが、彼らはそれを断った。ボーズマンの巨大な役割を引き継ぐことで、自分たちのキャリアの勢いを危険にさらしたくないからだ。ボーズマンの巨大な役割は、ハリウッドで最も才能のある黒人俳優にとっても、果たすには大きすぎるかもしれない。
このオファーは受ける側にもかなりのリスクがある事で、名前が明かされていませんが、そのオファーを受けた俳優は断ったようです。
チャドウィック・ボーズマンさんはブラックパンサー/ティ・チャラを演じた事でMCUとしてだけでなく、映画史に残る貢献を成し遂げました。マーベル・スタジオはこれを称賛し、リキャストしないという方針で「ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー」を制作しましたが、実際にはチャドウィックさんが亡くなってすぐから、各方面からティ・チャラをリキャストするべきだという声が上がり、スタジオのポリシーに反してリキャストを求める署名運動が巻きおこっていました。
これに続くようにチャドウィックさんの兄弟であるデリック・ボーズマンさんは「チャドウィックはティ・チャラがMCUに継続することを望んでいただろう。」とも発言。
また、チャドウィック・ボーズマンさんがもともと「ティ・チャラをジェームズ・ボンドのように様々な人が演じたくなるようなキャラクターにしたい。」と語っていた事にも反しているとの指摘もありました。
そして共演者もティ・チャラはいつかリキャストされるだろうとコメントしていました。
SaveTchalla の動きは「ワカンダ・フォーエバー」の公開後にも再発していた為、スタジオはティ・チャラ不在が大きな問題である事を明確に認識しているものと考えられます。
「ワカンダ・フォーエバー」ではティ・チャラとナキアの息子トゥーサンが紹介された事でゆくゆくは彼が新たなブラックパンサーとし王座につく事も予想されていましたが、トゥーサンの成長まではまだ時間が必要なため、その代替案を計画しているのかもしれません。
問題としては、例えティ・チャラの変異体であろうとも、これに白人俳優を起用する事はハリウッド映画の人種差別問題の事情から受け入れられないだろうと簡単に予想できる事で、対象となる俳優の幅が大幅に狭められている事です。
今回のレポートでも「とある俳優がオファーを断った」としており、キャスティングが成立するにはまだ時間が必要かもしれません。
「アベンジャーズ:ドゥームズデイ」や「アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ」に登場するとなれば「ブラックパンサー3」への登場もあるかもしれませんが、誰が新しいティ・チャラを演じるのかも含めて、しばらく見守る必要がありそうです。