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ドラマ「ワンダヴィジョン」9話のイースターエッグをピックアップ

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MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ワンダヴィジョン」は、これまでに公開されてきた映画シリーズと同様イースターエッグがたくさんある作品です。この記事ではそれらについて取り上げて行きたいと思います。今回はエピソード9「シリーズ最終回」に注目。

この記事にはネタバレを多く含んでいますので、未見の方はご注意ください。

9話

冒頭のバトル

ワンダがアガサに対して車を投げつけますが、怒りすぎてコントロールが悪くなったのか残念ながら当たりませんでした。ワンダが車を投げつけるのはMCUでは二度目で、前回は映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にてトニー・スタークに対して大量の車を投げつけました。

トニーへの車の数を考えると、アガサに対して1台というのは少し手加減した印象ですが、サイコキネシスの範囲内は自宅の敷地分ぐらいで、よその車まで届かなかっただけなのかもしれません。

オズの魔法使い

マーベル作品とは関係がありませんが、外れた車が家を破壊し、魔女のブーツを下敷きにしていたのは「オズの魔法使い」のワンシーンをオマージュしているかのようでした。

©2021 MARVEL,Disney

ワンダとホワイトヴィジョン

コミックでもワンダとホワイトヴィジョンが対面したシーンがありました。ウェストコースト・アベンジャーズ#45 で描かれたシーンでは単に記憶がなく、ハグする事がなかったホワイトヴィジョンですが、ドラマでは最初から殺意を持って近寄って来るという、まったく違った対面シーンとなりました。

©2021 MARVEL,Disney

ヴィジョン対ホワイトヴィジョン

ホワイトヴィジョンがヴィジョンのマインド・ストーンを取ろうと手を伸ばすシーンは、かつてサノスがヴィジョンにやったことを想起させます。

©2021 MARVEL,Disney

このあとヴィジョンは自身の分子操作によりすり抜けて回避しますが、サノスの時にこれが出来ていれば世界の被害はもっと少なくて済みました。当時はマインド・ストーンの切除処理の途中だったためにこの能力が使えなかったと考える事にします。

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ダークホールドとカオスマジックとChthon

今回のエピソードでアガサがダークホールドを持っていることが判明しました。ドラマ「エージェント・オブ・シールド」やドラマ「ランナウェイズ」に登場したものとデザインは異なります。

「ワンダヴィジョン」ではダークホールドがどういう書物なのかあまり説明がなかったので、コミックの設定をご紹介。

コミックのダークホールドは黒魔術に関する最高の解説書とも言われおり、本の形になるまえは破壊不可能な羊皮紙の巻物として、旧神クートン(原語はChthon カナ表記は翻訳本によってクトーン、クソーン、クトゥンなど多様)によって書き記されました。

©MARVEL

地球誕生と同時期に生まれた旧神たちですが、同族を食らうことでパワーを増す彼らはいつしか悪魔と呼ばれるようになり、地球の母神と伝えられることになる旧神ガイアの子アタムによって、クートンは別の次元へと追いやられてしまいます。その際にクートンが別次元から地球へ干渉するための媒介として巻物を残し、後に「ダークホールダーズ」という暗黒魔術師たちが本にまとめたのが「ダークホールド」になります。

クートンの魔術は「ブラックマジック(暗黒魔術)」と「カオスマジック(混沌魔術)」と呼ばれ、これらは「存在と現実の構造そのものを操作」し、歪め再構築し宇宙に完全な破壊をもたらすこともできるとされています。

そして、西暦500年頃、ダークホールダーズのリーダー「モーガン・ル・フェイ」と「マグナス」という魔術師はクートンを召喚するも制御できず、クートンをワンダゴア山の地下に幽閉し、マグナスはダークホールドを隠しました。時が流れ西暦1900年頃、ハイ・エボリューショナリーという天才遺伝生物学者がワンダゴア山付近の土地を買取り、この土地に自らの研究施設「シタデル・オブ・サイエンス」を建築します。

さらに数十年後、この施設に連れてこられた赤子のワンダの才能に気づいたクートンは、いつか地球で活動するための器としてワンダを選び、自らの力の一部を分け与えることでワンダはカオスマジックを使えるようになりました。

これがざっくりと、ダークホールド、カオスマジック、クートン、そしてワンダの関係となります。「ワンダヴィジョン」では「ひとつの章をまるまる使ってあなたのことが書かれている」というアガサのセリフがありますが、コミックのようにクートンが分け与えているのかは不明です。しかし、本に描かれているスカーレットウィッチの髪は見ようによってはコミックのクートンの触手にも見え、何らかの関係はありそうに思えます。

©2021 MARVEL,Disney

ちなみに「エージェント・オブ・シールド」では読んだものに破滅を与える本としても描かれていました。

Mr.インクレディブル

6話でもMr.インクレディブルに関するイースターエッグがありましたが、このシーンもMr.インクレディブルを思い起こさせます。6話の頃と違ってマキシモフ家も一致団結し、敵に立ち向かう姿はインクレディブルと同様になっています。ちなみにディズニープラスで視聴可能です。

©2021 MARVEL,Disney

モニカの身体

モニカの能力についてMCU版は不明な点が多いです。コミックでは自身の身体を光、電気、マイクロウェーブ、ラジオ電波、紫外線、ガンマ線、レーザーなど様々なエネルギー体 などに変換でき、結果的にほとんどの物理攻撃を無効化出来ます。ドラマのように銃弾のエネルギーを奪ってぽとりと落ちる描写はその延長とも取れますが、詳細は以降のシリーズ待ちとなりそうです。

ちなみに前半でニセトロが ロックバンド「311(スリー・イレブン)」の「Amber」という曲の“Amber is the color of your energy,”(君の力は琥珀色)という歌詞の部分を弾いているようで、ドラマの前半からモニカのパワーを暗示していました。

©2021 MARVEL,Disney

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I am Vision

ごくごくありふれた自己紹介のセリフですが、MCU的にはアイアンマンをオマージュしていると思わざるを得ません。

©2021 MARVEL,Disney

マインドコントロール

アガサにマインドコントロールをかけるシーンは映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のオマージュになっています。残念ながら魔女であるアガサに対してはかつてアベンジャーズを操ったときのような効果は出ませんでした。

©2021 MARVEL,Disney

映画館

映画館には「BIG RED」、「KIDNAPPED」と書かれています。BIG RED は「ワンダヴィジョン」のワーキングタイトル(仮題)として使用されていました。KIDNAPPED という映像作品はいくつか見つかりましたが取り立てて「ワンダヴィジョン」との関連性が見つけられませんでした。KIDNAPPED は誘拐という意味のため、トミーとビリーに関する作品のワーキングタイトル、なんてのは考えすぎかもしれません。

©2021 MARVEL,Disney

ヘックス消滅後の本来のウェストビューの劇場に書かれている「TANNHAUSER GATE」と「PUT THE FUN IN DYSFUNCTIONAL」はどちらも作品タイトルではありません。

前者のタンホイザーゲートはSF映画「ブレードランナー」に出てきたワードで、クライマックスで、レプリカント(人造人間)のリーダーであるロイ・バッティが死の直前につぶやくセリフの中に含まれています。

おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザーゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム、そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。死ぬ時が来た。

ヴィジョンの消滅と重ね合わせていると思われます。

「Put the fun in dysfunction」は、dysFUNction(機能不全)にFUN(楽しい)を入れようという言葉遊びの文章。機能不全となってしまったワンダの家族に重ね合わせていると思われます。今後のワンダにFUNがあるよう願うほかありません。

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ミッドクレジット

ミッドクレジットシーンではスクラルの女性が登場し、母マリアの友人の代理としてモニカに会いに来ました。このスクラルがタロスとソレンの娘かは不明ですが、彼女がいうには「モニカを上につれてこい」との事。ここでいう上とは宇宙の事で、映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のラストでフューリーがいた宇宙基地を指していると考えられます。時系列的にはあのシーンはこのドラマから約8ヶ月後になります。

©2021 MARVEL,Disney

マリアの友人と言えばキャプテン・マーベル/キャロル・ダンバースですが、キャロルであれば使いを寄越してモニカが上がってくるのを待つより自分で降りてくるほうが圧倒的に速いため、その次の友人となっているであろうフューリーの代理人だと考えられます。

ポストクレジット

ポストクレジットでは雪山の麓の小屋で過ごすワンダの姿が描かれています。この雪山はコミックでワンダのキーロケーションであるワンダゴア山かもしれません。もしここがワンダゴア山で、ワンダとダークホールドが揃っているとなると、かなりよくない気もします。

©2021 MARVEL,Disney

そして家の奥ではスカーレットウィッチがダークホールドを読んでいるシーンが映り、双子の声が聞こえてドラマは終了します。

©2021 MARVEL,Disney

このスカーレットウィッチがアストラル体かどうかは不明です。アストラル体については映画「ドクター・ストレンジ」で描かれました。ストレンジ、エンシェント・ワン、ドルマムゥからダークパワーを与えられたゼロッツもアストラル体になって戦う描写がありましたが、いずれも肉体は気絶状態になっています。

9話の中で「スカーレットウィッチの力はソーサラー・スプリームをも上回る」とアガサが言っていたので、スカーレットウィッチともなると肉体が自由に動きつつもアストラル体になれるのか、あるいは単純に別の魔法であると考えられます。

いずれにしてもこれはドクター・ストレンジへのオマージュであり、「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」への導入部分です。BGMもストレンジのメインテーマになっています。

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以上、9話のイースターエッグでした。他にも何かあれば追記するかもしれません。

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管理人ミルク

アメコミと出会ってはや20年以上、初めて買ったマーベル・コミックはオンスロート。X-MEN vs STREET FIGHTERではシリーズを通してマグニートーを愛用。