2021年4月2日配信のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」エピソード3「パワー・ブローカー」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想などをご紹介。
※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。
GRCのCM
冒頭からとつぜんのCMが流れました。GRC(Global Repatriation Council:世界再定住評議会) のCMです。前回の記事で紹介した2話のポスターに掲げられている「RESET. RESTORE. REBUILD.」 についてもCMで言及されました。
©2021 MARVEL,Disney
映画などの冒頭でこういったCMが流れる組織や企業はたいてい悪者のイメージですが果たして・・・。
ジョン・ウォーカー
ジョンは突入の際に「息もさせるな」と荒々しい発言をします。この後ひと悶着があり血が流れるかとヒヤッとしましたが踏みとどまってくれました。コミックのジョンと比べるとほんの少し優しさを感じる所でした。しかしレマーに対して結果を重んじ、手段を問わないと発言している所からみても、基本的にはコミックのジョンを踏襲しています。
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一人でジモに会いに行くバッキー
刑務所まで来たサムとバッキーですが、バッキーはサムに一人でジモに会ってくると伝えます。この時、日本語では「奴(ジモ)はヒドラに心酔していた」というセリフになっていますが、これはMCUの流れを汲み取っていない誤った翻訳になっています。心酔という言葉には尊敬の念が入っているため、適切ではありません。原語のobsessedを2字の熟語にするなら没頭や傾注あたりが適切でしょうか。
ジモにとってヒドラは復讐のための道具にすぎず、ヒドラであろうがアベンジャーズであろうが、スーパーパワーを持つものが敵です。このシーンの数分後にはジモが血清づくりに関わったヒドラの関係者を消して回っていた事もわかります。
ただしコミックのジモはもう少しシンプルなヴィランで欲や権力のために戦いますし、スーパーパワーを持つ人間を集めて自分のチームを作ったりしますし、ヒドラのリーダーになった事もありました。
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ヒドラの洗脳
ジモはバッキーと顔をあわせるや否や、ヒドラの洗脳ワードを口にします。この時のBGMは映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の時のもので、ここでの単語は本作のクレジットの中にも表示されています。
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ワカンダでの治療ですっかり洗脳がとけていることを示すシーンでした。
バロン・ジモ
ジモはソコヴィアの王族であった事が明かされました。コミックのジモはドイツの貴族であり、このシーンでもドイツ語で会話をしていました。ソコヴィアが王政だったという説明は過去の作品にはなかったように思いますが、今の所はさほど重要そうでもありません。
スティーブのノート
1話で登場した「償いリスト」ですが、スティーブ・ロジャースと同世代のバッキーは同じ用に手書きのメモをするんだなと思っていましたが、ノート自体がスティーブのものだった事が判明しました。
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GRC再定住キャンプ
ラトビアのリガにあるGRC再定住キャンプにてカーリの姿が表示されました。ここにはハルクによってサノスの指ぱっちんから復帰した人々、しかし生命は戻ったものの元の生活に戻れずに難民となった人たちが多く過ごしていると見られます。消えていなかった人もこの社会の混乱で難民になったケースがあるのでしょうか。サムの姉たちもその一歩手前だったのかもしれません。
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映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でもメイおばさんが「5年経って家に戻ったら別の家族が住んでいた」と発言し、ホームレス基金を設立していました。
2話ではGRCは「(指パッチンで)残されたものより復帰者を優遇している」という話でしたが、ここの難民は優遇されているようには見えません。冒頭のGRCのCMのような風景もここにはありません。難民はサノスに消されていた人と残された人に分けられ、ここのキャンプは残されていた人たちが集められているという事でしょうか。カーリはここでママ・ドンニャ(ドンニャ・マダーニ)を看取ることになりました。
「ワンダヴィジョン」のヘイワードならフラッグスマッシャーズに同調するのでしょうか。
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マドリプール
マドリプールはマーベルの世界にある架空の国。インドネシア諸島の近くにある島国で、もともと海賊の巣窟で今も無法地帯、というのはコミックの設定に準じています。ハイタウンとロータウンに別れているのもコミック通りでした。
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プリンセスバー
一瞬だけうつるプリンセスバーはコミックにも登場するバー です。ウルヴァリンの恋人のひとりタイガータイガーが所有する店で、もちろんウルヴァリンがたびたび訪れています。
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ブラスモンキーサルーン
サムたち三人が入った酒場はブラスモンキーサルーン。こちらもコミックに登場するロケーション で、シアンストリート322に位置するとされています。
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ここの酒場で聞かされたジモの話からすると、パワーブローカーはコミックのような会社や組織というより個人を指している印象です。
スマイリングタイガー/コンラッド・マック
スマイリングタイガーはコミックに登場するアメリカでもマイナーなヴィランとの事。おもにニューウォリアーズのヴィランであり、クインジェットを盗み、マドリプールで撃墜した経歴があるようです。
コミックのスマイリングタイガーはサムと似ているわけではありません。
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セルビー
ジモいわく二流の故買屋で、原作に登場するミュータントのセルビーとは関係なさそうなキャラクターです。
セルビーの話からウィルフレッド・ネイゲル博士がマドリプールで超人血清を作ったことが明らかになりました。
シャロン・カーター
セルビーの店からの逃亡を助けてくれたのはシャロン・カーターでした。シャロンはやはりシビル・ウォーの時にキャップたちを援助した罪で追われていることが明かされました。
元S.H.I.E.L.D.のエージェントであるシャロンの戦闘力は高く、メリンダ・メイやボビー・モースのような圧巻な戦いを見せてくれました。
サムはシャロンに「協力の見返りに恩赦を取り付ける」事を約束しましたが、現在フリーランスのサムにどんな力があるのかはちょっと謎です。銀行融資の二の舞にならないことを願っています。
そしてシャロンは片腕らしき人物の運転により現場を後にしました。シャロンを演じるエミリー・ヴァンキャンプさんは4つのエピソードにキャスティングされているということで、残りの全てのエピソードにも登場すると考えられます。
シャロンは刺客を始末しておきながら、ネイゲルが撃たれた際は「なんてことを」を言ったり、「まずいことになった」という言葉を発していたことから、ネイゲルはシャロンにとってそれなりに価値のある人物であり、ネイゲルの死はシャロンの計画のうちにはなかったようです。
悪党に変わっていたシャロンですが、シャロン=パワーブローカーというのはあまり考えたくありません。
ウィルフレッド・ネイゲル博士
博士の言葉からイザイア・ブラッドレイの血液から血清が作られたことがわかりました。ネイゲル博士は原作ではイザイアに実験を施した人物で、同じような役割であることがわかります。
本作のネイゲルはヒドラ崩壊の後にCIAに所属し研究していたとの事。シャロンもシビル・ウォー当時はCIAの職員でしたが二人の関係にはまだ触れられていません。
博士の言葉から「20本の血清を作成し、全てカーリに盗まれた」事が判明しました。フラッグスマッシャーズはカーリを含めて8人が超人になっていることがわかっています。残る12本が保管されているか、あるいはすでに数本が使われているかもしれません。
ジモのマスク
コミックを彷彿とさせる紫のマスクをかぶるジモが登場しました。
コミックのように事故でマスクが顔に張り付いているわけではなく、単なる覆面のようです。残る3つのエピソードでそうなってしまう可能性は否定できません。
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座席シート
シートのくだりはシビル・ウォーでもありました。今回はバッキーが仕返しする形となりました。
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盾
サムは盾を博物館に渡さずに壊すべきだったと意見を変える事になりました。
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残念ながらファルコンのパワーや装備でヴィブラニウムの盾を壊せるとは思えませんが、サノスの剣は地球に残っているのでしょうか。
フラッグスマッシャーズ
レノックスと呼ばれる人物がいました。コミックのヘクター・レノックスはBold Urban Commandos 、通称BUCkies(バッキーズ)の一員でレマー・ホスキンスとはチームメイトでした。両者ともにパワーブローカーで手術を受けています。キャストリストによると役者さんはRenes Riveraという方で、2話では素顔で登場していました。ヘクター・レノックスかどうかは不明です。
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カーリは先生になりたかった夢を語り、ドヴィッチはこの仕事が終わったら先生になれと、事もあろうにフラグを立ててしまいました。なんとか自分たちのフラグはスマッシュせずに進んでほしいものです。
その後、リトアニアのビリニュスにあるGRCの物資供給基地が爆破された際には、カーリは「人間にはこの言葉しか通じない」と主張します。
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これはコミックのフラッグスマッシャーの主張に準じており、wiki の説明では
He would spread the message using the only language he felt the world would respond to, the language of violence.
とされています。つまり、世界に通じる唯一の言語は暴力だということです。MCUのカーリも弱きを助けたい精神は立派ですが、やはり過激すぎます。
この時ドヴィッチが中の人々の事を心配していました。フラッグスマッシャーズの良心を担っているのかもしれません。
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ソコヴィアの最後
ソコヴィアが地図から消えた事が判明しました。海外のメディアやファンは、ソコヴィアを侵略したのはラトベリアではないかとの意見が多く出ています。
ラトベリアは東欧に位置する架空の国で、多くのマーベルヒーローの敵であり、とりわけファンタスティック・フォーの宿敵であるドクター・ドゥームが支配している国です。映画「ファンタスティック・フォー」の制作が公式に発表された今、ラトベリアの種が蒔かれる事はまったく不思議ではありません。
ドーラミラージュのアヨ
ショーのラストではバッキーがキモヨビーズを見つけ、それを追っていった先でアヨと出会いました。
アヨはワカンダの国王親衛隊ドーラミラージュの戦士で、隊長のオコエの右腕のような人物。シビル・ウォーの際はティ・チャラのボディガードを務め、ナターシャ・ロマノフにもきつい当たりをしていました。
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アヨはジモを引き渡すように言います。ジモは先代の国王ティ・チャカを殺害した人物ですから、脱獄したとなればワカンダも黙ってはいないという事です。
パワーブローカー
今回のエピソードタイトルでもあったパワーブローカーですが、血清の出どころとまでは判明したものの、明確な人物としては登場していません。
コミックのパワーブローカー社にいるカール・マルス博士はウィルフレッド・ネイゲル博士に置き換えられたと考えて良さそうで、コミックのカーティス・ジャクソン社長にあたる人物が誰になっているのかはまだ不明です。
しかしMCU的に重要なのは超人血清であり、博士もいなくなってしまった現状では社長がいたとしてあまり重要ではない可能性も考えられ、博士のように即退場するケースもあるかもしれません。
また、パワーブローカーの上にさらなる黒幕がいる事も考えられます。たとえばMCUでも超人血清を渇望していたサディアス・ロス国務長官(本作時点での役職は不明)がパワーブローカーを利用して血清の開発をさせていた可能性です。
ロスも映画「インクレディブル・ハルク」の時点で超人血清の再生プロジェクトに携わっており、同一のプロジェクトかどうかはわかりませんが、ネイゲル博士と同じものを目指していました。「インクレディブル・ハルク」のラストでは国のスーパーソルジャーリバースプロジェクトが凍結され自暴自棄になっているシーンがあり、その後は嫌味な上司的にMCUに登場していましたが、裏で独自に再開発を目指していたとしても不思議ではありません。
パワーブローカーに関する事は今後のエピソードで注目のポイントです。
当初はサムとバッキー、そしてフラッグスマッシャーズとのシンプルなドラマかと思っていましたが、ここにアメリカ政府、ジョンとレマー、ジモ、GRC、パワーブローカー、シャロン、ワカンダとそれぞれの思惑が複雑に絡んできています。
ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第4話は 2021年4月9日(金)16時より ディズニープラスで配信です。