マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」で、2008年の「インクレディブル・ハルク」以来、17年ぶりの再登場となるサミュエル・スターンズを再演するティム・ブレイク・ネルソンさんが、海外メディア Variety とのインタビューで語りました。
ティム・ブレイク・ネルソンさんはこれまでを振り返り、「MCUに戻ることができないという見通しに、私は深く深く悲しんでいました。俳優として、この男がどうなるのかを知りたかったんです。18年後、それを実現出来る事になり、失望せずにすみました。」と語りました。
そして本作の撮影について「素晴らしい挑戦だったし、インディーズ出身のジュリアス・オナ監督に見事に導かれました。彼らは本物の俳優と仕事をし、突飛なキャラクターを演じる機会を与えたいと考えている本物の監督たちです。そして、マーベルはそれを応援しています。」と、監督と後ろに控えているスタジオを称賛しました。
ネルソンさんはさらに「マーベルを見くびってはいけない。」と言います。
「マーベルは映画史上初、前代未聞の現象です。ケヴィン・ファイギと彼のスタジオは、彼らの言葉を借りれば、一つの映画的宇宙に存在する何十本もの関連映画を制作しました。これに匹敵する功績はありません。だから、私はまだ終わっていないと思います。『キャプテン・アメリカ』は『ローガン』とともに”最も地に足のついた”マーベル作品です。これは素晴らしい映画になる事でしょう。」と述べました。
「マーティン・スコセッシの事はこれ以上なく尊敬しています。彼は独自のジャンルを作り上げて来ましたが、彼がマーベルを軽蔑していることには同意できません。私はマーベル映画は完全に映画であるという立場です。マーベルは私たちを再び子供に戻してくれます。本当に良い作品であれば、そして多くの場合良い作品ですが、あなたはそれに夢中になれるのです。マーベル映画は深遠な作品でしょうか?それらは『グッドフェローズ』や『ミラーズ・クロッシング』か、『自転車泥棒』、『シンドラーのリスト』、あるいはキェシロフスキ作品?いいえ、マーベルはそれらを目指しているわけではありません。しかしマーベルは娯楽であり、芸術性が伴っています。」とコメントし、「これが私のマーベルスピーチです。」 と締めました。
2019年、マーティン・スコセッシ監督やフランシス・フォード・コッポラ監督が「マーベル映画は映画ではない」と発言した事をきっかけに、それに続く監督や俳優が続出、しかし、今回のティム・ブレイク・ネルソンさんのように異論を唱える監督、俳優も多く存在しています。
コッポラ監督の甥でゴーストライダーやスパイダーマン・ノワールを演じるニコラス・ケイジさんは監督等の発言に対してもちろん反対し、批判しました。
[nlink url=”https://mavesoku.com/nicolas-cage-responds-to-marvel-movie-criticism/”]
また、スター・ウォーズのジョージ・ルーカス監督が「映像が動いていればそれは映画だ」 という少し笑ってしまうような発言で、スコセッシ監督らの発言に対して異論を唱えていました。
[nlink url=”https://mavesoku.com/star-wars-creator-george-lucas-breaks-silence-on-martin-comments-on-marvel-movies/”]
最近ではマーベル批判を繰り返していた俳優のジェイミー・リー・カーティスさんが自身のXを通じて謝罪。
「マーベルについての私のコメントは愚かであり、今後はもっと気を付けます。ケヴィン・ファイギにも連絡を取りましたし、インターネットと呼ばれる中傷合戦にはもう参加せず、内容や会話ではなくクリックを目的とした安っぽい宣伝やゲームに関わるつもりもありません」とコメントしていました。
どのような映画が好きかは結局のところ個人の価値観であるため、この論争が終わることはなさそうですが、「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は「ローガン」好きには響くところがある作品となっているようです。
「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」はアンソニー・マッキーさんが主人公キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンを続投する他、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」からダニー・ラミレスさん演じるホアキン・トレス、カール・ランブリーさん演じるブラック・キャプテン・アメリカ/イザイア・ブラッドリーが再登場。
その他、ヴィランとして映画「インクレディブル・ハルク」よりティム・ブレイク・ネルソンさん演じるザ・リーダー/サミュエル・スターンズが再登場し、故ウィリアム・ハートさんに代わってハリソン・フォードさんがサディアス・”サンダーボルト”・ロスとして登場。
また、リヴ・タイラーさんが撮影現場で目撃されており、サディアスの娘ベティ・ロスを「インクレディブル・ハルク」ぶりに再演すると見られています。
映画「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」は 2025年2月14日 、日米同時に劇場公開予定です。
ソース:Tim Blake Nelson Talks Upcoming Western ‘Shoot’ and ‘Captain America’: ‘I Couldn’t Respect Martin Scorsese More, but I Disagree When He Derides Marvel. It’s Not Over’
(出典:Amazon)