2017年公開のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「マイティ・ソー/バトルロイヤル」では当初オーディンの死とヘラの復活はニューヨークで起きるイベントとして制作され、その事は予告動画でも描かれていましたが、実際に公開された映画では異なっていました。先日、米国にて発売された裏話満載の公式本「The Story of Marvel Studios: The Making of the Marvel Cinematic Universe」で、タイカ・ワイティティ監督がこの変更についてコメントをしています。
開発初期では、アンソニー・ホプキンスさん演じるオーディンはニューヨークの路地裏で死ぬ予定でした。話の流れとしては、トム・ヒドルストンさん演じるロキがオーディンを老人ホームに連れて行き、すぐに出て行ってニューヨークの路上で浮浪者になったというものでした。ここから実際に公開された映画に向けての変更について、本には以下のように記載されています。
「しかし、トニー(ホプキンス)は、ハリウッドやハリウッド映画の感傷のようなものに反応していて、それは当然のことなんです。」と監督は語りました。「私は、”ああ、トニー。僕もそういうのは嫌いだから、そこから脱却しよう。どうすればこれを覆して、もっと面白い死のシーンにできるだろうか”と一緒に考えました」。
そしてワイティティ監督は、その答えはシンプルで、ファンが切望していたシーンを提供することだったと語りました。
「観客は我々のようなひねくれ者ではなく、映画の中にちょっとした感情を求めていることを理解しています。そこで私は、『彼らが望んでいる、そして彼らが長い間待っていた、あのバージョンのオーディンの死のシーンを絶対に与えるべきだ』と思いました」。
この変更についてはブルーレイのコメンタリーでも少し説明された事があり、監督は試写会でのオーディンの死に感傷が集まりすぎた事や、前バージョンのシーンはあまりにも都合が良すぎたと語っています。
元々、ニューヨークのセットで撮影したものもあるんです。私たちがやりたかったのは、彼らが地球に降り立ち、ドクター・ストレンジと出会うというものでしたが、ドクター・ストレンジが突然、道の先の路地にいるというのは、あまりにも都合が良すぎると感じました。また、それまでのすべての出来事は、あまりにもテンポが速く、あちこちで起こっていました。私たちは、どこか平和な場所に行って、登場人物たちと一緒にくつろいだり、オーディンが知恵を授けている間に一緒にいたりしたかったのです。
最終的にオーディンの死は単に悲しい出来事から、物語上意味があって面白みのあるものにするため、アンソニー・ホプキンスさんの提案を受け一緒に監督と考えたと言います。そして、トレーラー公開後、映画公開前の土壇場になって急遽変更される事になりました。
現在、「ソー」シリーズは4作目となる「ソー/ラブ&サンダー」の撮影を終え、公開に向けてポストプロダクションの真っ最中。
最新作では引き続きクリス・ヘムズワースさんがソーを演じ、ヴァルキリー、コーグ、ミーク、レディ・シフがシリーズから再登場する他、ガーディアンズのメンバーが登場する事が公式に明かされています。
その他、ラッセル・クロウさんがゼウスを演じる事を明かしています。また、シリーズでロキを演じているトム・ヒドルストンさんは再登場を否定しています。
映画「ソー:ラブ&サンダー」は 2022年7月8日 米国公開予定です。
ソース:Thor: Ragnarok Director Taika Waititi Explains Why They Decided to Redo Odin’s Death Scene