MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」が45日間の劇場独占公開になる事が報じられました。この事はディズニーの四半期決算説明会において、CEOのボブ・チャペック氏によって明かされました。
チャペック氏は「シャン・チー/テン・リングスの伝説」とライアン・レイノルズさん主演の映画「フリーガイ」の2作品に関して、映画館での45日間独占公開を行うことを発表しました。今回の決定は、ディズニーが発表した2021年夏の他の作品の公開計画とは異なり、映画ファンがより映画館に足を運ぶようになったことが理由であるとチャペック氏は述べています。
45日経過後、どのぐらいでディズニープラスで見られるのかについては明らかにされませんでした。
また、別の報道では「シャン・チー/テン・リングスの伝説」と「エターナルズ」に関して、中国での公開がなくなる可能性が指摘されています。
海外メディア Varietyによると、中国の国営放送「中国中央電視台」の電影チャンネルは、今後のMCU映画8作品の米国公開日を報じた際、ラインナップから「シャン・チー」と「エターナルズ」を除外しているとの事。中国中央電視台は、国内のメディアを管轄する政府機関「国家新聞出版広電総局」に直属しているため、なんらかの政府の意向が働いたものと見られています。
「シャン・チー」はトレーラーの公開直後から現地で半分以上の「Bad」評価を獲得しており、コメントでは「アジアに対するステレオタイプが多すぎる」、「中国にもイケメンや美女はいるのに、シム・リウやオークワフィナのような三枚目を起用して差別している」などの声が上がっています。また、ヴィランを演じるトニー・レオンさんへの批判もトレーラー公開直後から高まっていました。主演のシム・リウさんは中国のSNS「Weibo」を通じて中国国内のファンへの感謝のメッセージを発信しつつも「とにかく私たちの失敗を望んでいる皆さんにお伝えすることはありません。結果はそのうちに分かります。」とコメントしています。
「エターナルズ」に関しては「シャン・チー」ほど物語と中国との関連性は高くありませんが、クロエ・ジャオ監督が中国出身であるにも関わらず、2013年に「中国は嘘だらけの場所だ」と発言していたことがSNSで発掘され、中国国内で批判を浴びました。この影響で2021年のアカデミー賞授賞式は中国では中継されず、賞を獲得したクロエ・ジャオ監督と映画「ノマドランド」についてもあまり報道されていません。さらに「ノマドランド」の中国公開も白紙となっており、「エターナルズ」も同様に政府の意向で公開されない可能性が高まっています。
もちろん中国国内にもマーベルファンは存在し、その大半はこの2作品についても楽しみにしているとの事ですが、彼らにとっては雲行きの怪しいフェーズ4のスタートの年となってしまったようです。
映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」は2021年9月3日 日米同時公開予定です。
ソース:Marvel’s Shang-Chi To Release With 45-Day Exclusive Theatrical Window