MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のスピンオフドラマとして始まった「エージェント・オブ・シールド」は 2013年の番組スタート当時、マーベル・スタジオとは別のマーベル・テレビジョンという組織と米ABCによって制作されました。
2012年の「アベンジャーズ」で死んだフィル・コールソンが現場に戻る所が始まるこのドラマはシーズンが進むにつれてMCU本編とは異なる展開となり、正史かどうかは公式でも正確に結論付けない曖昧な作品となりました。
しかしこの番組は確実に、MCUのインフィニティ・サーガにおける説明不足なポイントのいくつかを補ってもいました。
エイジ・オブ・ウルトロンのヘリキャリア問題
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でS.H.I.E.L.D.が崩壊した後、世間から姿を隠していたニック・フューリーが「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のいいところで突然ヘリキャリアと共に復帰し、ご都合主義のように助けに来ています。
MCUの映画だけではまったく説明がないこの再登場に関して、「エージェント・オブ・シールド」では「シータ・プロトコル」と呼ばれる作戦として描かれています。
キャプテン・マーベルとの対決後、ロナンが復讐に来なかった
映画「キャプテン・マーベル」ではキャロル・ダンヴァースがクリーの宇宙艦隊を撃墜し、指揮官のロナンが撤退を命じています。その際に復讐を誓いますが、この映画よりも以前に公開された「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でロナンは消滅。時系列にして約20年間、ロナンが地球に復讐に来たかどうかは描かれていません。
「エージェント・オブ・シールド」はクリー人が物語の焦点のひとつであり、クリーは地球で人体実験を繰り返し、インヒューマンズを生み出してきました。そのインヒューマンズの反乱によってクリーは地球から追い出され、植民地化に失敗していました。ロナンが復讐に来たくても簡単に来る事ができない理由として機能していました。
H.Y.D.R.A.のアイコンがヒドラではなくタコな事
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で登場した悪の組織 H.Y.D.R.A. 。マルチバースサーガになっても、ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズを通じてH.Y.D.R.A.の影響力が度々描かれていますが、MCU本編では説明されていない問題が残っています。
「ザ・ファースト・アベンジャー」でも「首をひとつ切り落とされてもまた生えてくる」と説明されているように、H.Y.D.R.A.は神話上のヒドラをベースにした組織。ヒドラとはもともと多頭の竜を示しており、日本で言えばヤマタノオロチやゴジラに登場するキングギドラのようなデザインになるはずです。
しかし H.Y.D.R.A. のシンボルは多頭ではなく、頭ひとつに足がいっぱいのタコのような多足生物をかたどっています。
©MARVEL,Disney
「エージェント・オブ・シールド」では H.Y.D.R.A. の起源を描いており、ハイブという存在がこの問題を解決してくれていますが、まだ知らない方のためにここでは詳細は割愛しておきます。
マーベル・テレビジョンはディズニーがマーベルを買収したあとに再編成され、現在のマーベル・テレビジョンはこの当時の組織とは完全に別のものに。マーベル・テレビジョンの現責任者は「エージェント・オブ・シールド」を「デアデビル:ボーン・アゲイン」に続いて復活させる番組にしたいと昨年のインタビューで言及していました。
[nlink url=”https://mavesoku.com/marvel-studios-exec-addressed-agents-of-shield-return-mcu/”]現在制作中のドラマ「ヴィジョンクエスト」では「エージェント・オブ・シールド」との何らかの関与が描かれるともされていますが、S.H.I.E.L.D. がMCUに戻ってくるのかどうか注目です。
ドラマ「エージェント・オブ・シールド」は全7シーズンがディズニープラスで配信中です。
ソース:3 Things That Don’t Make Sense About the MCU if Agents of S.H.I.E.L.D. Isn’t Canon