謎が増え続けるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ワンダヴィジョン」は、これまでに公開されてきた映画シリーズと同様イースターエッグがたくさんある作品です。この記事ではそれらについて取り上げて行きたいと思います。今回はエピソード6「ハロウィーンの不気味な夜に」に注目。
この記事にはネタバレを多く含んでいますので、未見の方はご注意ください。
6話
エピソードタイトル「ハロウィーンの不気味な夜に」
今回はトレーラーでも度々登場していたハロウィーンのエピソードです。
今回も新たなオープニング
シットコムは1990年代に突入し、オープニングは「Malcom in the middle」をベースに作られています。曲調などは違いますが、フォントがそっくりです。
©2021 MARVEL,Disney
DDR
ビリーとトミーがダンスダンスレボリューションをプレイしています。DDRは1998年に日本で発売されました。
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北米の家庭用ゲーム機でリリースされた最初のDDRは、2001年にPlayStationでリリースされたDance Dance Revolution DisneyMix との事。少しだけ2000年代に突入しているようです。
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コミック通りの衣装
ハロウィーンの仮装ということで、ワンダ、ヴィジョン、ピエトロ、そしてビリーがコミックライクな姿を見せてくれます。。
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トミーは同じ能力を持つピエトロおじさんと同じ仮装をしているため、コミックとは違う姿になっています。
ハロウィーンの思い出
ワンダとピエトロでハロウィーンに関する思い出が違うようです。ナターシャとフューリーのコスプレにも見えますが、特に意味はないかもしれません。
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にいさん
ピエトロがヴィジョンに「にいさん」と呼びかけます。日本のディズニーではワンダを姉、ピエトロを弟としている可能性があります。
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MOMのタトゥー
ピエトロの腕にMOMのタトゥーが見えます。これは「ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス」や、ピエトロの正体が母親のナタリア・マキシモフだという説もありますが、残念ながらエヴァン・ピーターズさんが入れている本物のタトゥー で10年近く前から確認されていました。撮影用のタトゥーシールやボディメイクではありません。
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悪魔の子
吹替版、日本語字幕では触れられていませんが、ピエトロは双子のことを「悪魔の子」と称しました。
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コミックでワンダの産んだ双子は悪魔メフィストの魂がまじっており、悲しい最期を迎えました。後に双子が転生し、ビリーとトミーとして別々の家庭で生まれ変わり、ヤングアベンジャーズにウィッカンとスピートとしてデビューすることになります。
本作では始めからビリーとトミーの名を与えられていますが、ヘックス内で生まれた二人が外側で生きられるのかはかなり疑問が残っているため、コミック同様一度死んで別の形で再登場する可能性も指摘されています。
キック・アス
こちらも英語版のみですが、キック・アスというワードが登場します。
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2010年に公開された映画「キック・アス」はヒーローに憧れるオタク少年をMCU版ピエトロのアーロン・テイラー・ジョンソンさんが演じ、その友人役をFOX版ピエトロのエヴァン・ピーターズさんが演じるというダブルピエトロ共演映画でもありました。
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CM
今回のCMではこれまでの男女が登場しませんでした。
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彼らは前回のエピソードで明かされた両親イリーナとオレグの可能性が囁かれています。1989年のソコヴィアで生まれ、両親を失ったのはワンダとピエトロが10歳の時との事で、1999年に両親は死んでいる事になり、1990年代が舞台とされる今回のエピソードで登場しなくなったのかもしれません。
また、CMの少年は赤い服を着用し、孤独な島でひとり骸骨へとなっていく姿からレッドスカルを想像させるようになっています。すなわちこれまでのCMがインフィニティ・ストーンをなぞらえていた事を考えると、ヴォーミアにあったソウル・ストーンを表現しているように思えます。
ただしこれまでのCMがワンダのトラウマに基づいていたのと違い、ワンダとレッドスカルに接点はありません。考えられそうなのは「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストシーンにて、クリントから聞いた可能性でしょうか。
もしくは、商品名にあるMAGICが含まれていることから、ワンダの魔法でも死からは救えない事を暗示しているのかもしれません。
劇場コロネット
町にコロネットという劇場が登場しました。古典詩「コロネット」は、アンドリュー・マーヴェルと呼ばれる英国詩人によって書かれています。内容は、人間の罪がキリストの死につながったことを知っている男についてです。彼は贖うためにキリストの頭のために新しい冠を作ろうとしますが、それに悪魔が絡んでくるお話です。
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公開されている映画はそれぞれ原題で、邦題では「Mr.インクレディブル」と「ファミリー・ゲーム/双子の天使」です。
「Mr.インクレディブル」はピクサー映画で、スーパーヒーローの家族を描いた作品です。マキシモフ家もヒーロー一家でありますが、作風としてはかなり異なります。ちなみにディズニープラスで視聴できます。
「ファミリー・ゲーム/双子の天使」は幼少時に両親が離婚し、互いに相手の存在を知らぬまま育った双子が、サマーキャンプで偶然出会って意気投合し、皆で一緒に暮らせるよう、両親の復縁を試みる映画です。こちらもディズニー映画となっています。
ピエトロの記憶
ピエトロはハチの巣にされた事を思い出して口にします。これはMCUのピエトロの死の状況であるため、FOXのピエトロは知らない事です。
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シンプルに考えれば彼はMCUのピエトロのようですが、記憶を操作されていたり、そもそも別の誰かがなりすましている可能性も考えなくてはなりません。
雰囲気が変わった
ワンダがピエトロに対して「昔と雰囲気が違う」と言い放つシーン。実は英語版だと訛りが違うという会話になっていて、海外ファンの反応を見てみると実際に「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のピエトロとは訛りが違うようです。
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さっきの項目とは違って、彼がMCU版ピエトロの可能性を減らしてしまうシーンです。
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動かない
町外れの人がほとんど動かないことにダーシーたちが気づきます。
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これはゲームの手法に似ていて、ゲームではカメラ外のキャラクターを動かしたりはしません。いちいち演算していては無駄な処理が増えるからです。もちろんドラマや映画でも同様です。このシーンは、ヘックス内が作り物の世界であることを強調しています。
アグネス
怪しい候補の一人であるアグネスもまた、町外れでほとんど動かなくなっていました。
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アグネスが嘘をついたり演技をしているのでなければ、彼女もまた被害者の一人と言えそうです。
装置の完成
前回、中に入るための装置を知り合いの航空宇宙技術者に依頼していたモニカですが、完成の報告を受けました。
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英語版だと相手が男性であることがわかりますが、詳細は不明で議論を呼んでいるポイントのひとつです。
モニカの変調
モニカが結界を超えたことで、身体に変化が起きているとダーシーが指摘します。邦訳が微妙に間違っているようで、モニカは入るときと出る時に2度結界に触れましたが、ヘックス内に2度入ったわけではありません。
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養蜂家ことエージェント・フランクリンも身体に変化が出ているのかは不明です。そもそも彼が無事に戻っているという描写がありません。
なお、モニカのファイルを開く前にいくつかのファイルを経由します。
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プロジェクト名はそれぞれアベンジャーズの#113(1963年) と#247(1963年) を表しているようです。
#113ではスカーレットウィッチとヴィジョンが表紙で、ヴィジョンの死を世界に償わせると言っているスカーレットウィッチが描かれています。#247ではエターナルズが彼らの起源を明らかにし、スカーレット・ウィッチとヴィジョンがキャプテン・マーベルを助けようとしています。
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Ray Johnson は John Wraith とも言われるキャラクターでケストレルというミュータントです。FOX制作の映画「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」にも登場していたテレポート能力をもつミュータントで、ヘイワードが彼を調べているのは興味深い事です。
スパイダー
ハロウィンにクモがいるのは何も不思議なことではありませんが、クモのオブジェにつづいて特徴的な目をしたおばけのようなものが映ります。
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完全にスパイダーマンを想起させるものですが、ワンダヴィジョンにスパイダーマンが登場することはあるのでしょうか?
ピエトロの質問攻め
ピエトロはこのウェストビューが演技をさせられていることを把握している様子です。しかし「脳に負担がかかる」といった新情報も飛び出してきます。
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悪夢を見せたり赤いビームを出したりは、それぞれ「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」と「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のワンダだと考えられます。
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ただし、ビームに関してはMCU、FOX、どちらのピエトロでも知っているはずのないことです。
最後にウェストビューが陥っている現象について、どうなってると真相を尋ねます。ピエトロが好奇心から聞いているだけなのか、目的があって聞いているのかは不明ですが、この後事件が起こって中断され、ピエトロも視聴者も真相を聞くことは出来ませんでした。
ゾンビピエトロ
ワンダが混乱した際、以前にヴィジョンを見間違えたようにピエトロがゾンビのように見えてしまいます。ヴィジョンの死に顔は視聴者がインフィニティ・ウォーで見たものと同じでしたが、エイジ・オブ・ウルトロンで亡くなったピエトロは白目の顔面蒼白ではありませんでした。
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単にワンダの精神状態の問題なのか、何者かがワンダを揺さぶっているのかはっきりしないシーンです。
カタラクト
ダーシーがカタラクトと名付けられたプロジェクトを見つけます。
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ヴィジョンの死に顔の白目にかけているのでしょうか。ヘイワードがヴィジョンを追跡していた事も判明しました。
しかし何より気になるのは、ダーシーのハッキング技術です。政治科学専攻の学生が天文学博士になったことも驚きでしたが、天文学者のコンピュータ技術にしては恐ろしく高いように思えます。それともS.W.O.R.D.のセキュリティが極めて低いのでしょうか。S.H.I.E.L.D.のセキュリティは天才ハッカーのエージェント・スカイでも手こずるものでした。
なお、ゲーム「X-MEN vs. Street Fighter」でカタラクトというステージがありましたが、関連性はあまりなさそうです。
この後、ジミー・ウーにメール送信する際に表示される名前は James Gadd がポストプロダクションを担当し、James Alexander は視覚効果のプロデューサーを担当しています。
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一度死んだ
ピエトロがヴィジョンの事を一度死んだ奴だと言い、ワンダを怒らせてしまいます。
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ピエトロはエイジ・オブ・ウルトロンにて生命を落としているため、インフィニティ・ウォーでヴィジョンが死んだ事を知る由もありません。FOX版のピエトロならヴィジョンとは面識すらないので、余計に知り得ないことです。ワンダから聞かされたのか、あるいはやはりどちらのピエトロでもないのかもしれません。
その後、ヴィジョンの死を認めたくないワンダはピエトロを投げ飛ばします。以前にピエトロの死を認めたくなくてモニカを投げ飛ばしたときにも似ています。投げ飛ばされた時の墓石にはワンダヴィジョンの助監督シャネル・サンメルマンの名前が彫られています。
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拡大するヘックス
ワンダがヴィジョンを救うためにヘックスをどんどん拡大させていきます。
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これによって多くのS.W.O.R.D.関係者が飲み込まれてしまいました。モニカの事を考えると、これを期にMCUの世界に大量のミュータントが発生するのでしょうか。ダーシーもミュータントに?
肌荒れの子 ※2021年2月13日 追加
ワンダがピエトロの記憶を探ろうと孤児院時代の肌荒れの子に言及します。
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マーベルで肌荒れのキャラクターといえばデッドプールやドクター・ドゥームなどがいますが、二人は子供時代からではないので違うと考えられます。これは孤児院育ちのミュータント、トードことモーティマー・トインビーを指している可能性があります。トードはFOX版のX-MENに登場していました。とは言え伏線を貼るほどの人気キャラクターとは思えず、脚本上たまたま設定した要素かもしれません。
以上が気づいたポイントです。他にも何かあれば追記するかもしれません。