ソニー・ピクチャーズCEOが「クレイヴン」と「マダム・ウェブ」の失敗について「理解出来ない」とコメントし、批評家を非難

ソニー・ピクチャーズのCEOを務めるアンソニー・ヴィンシクエラ氏が、海外メディア Los Angeles Times との対談の中で、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」が在籍約8年の中で、最悪の結果を出したことを認めつつ、「悪い映画ではない」と擁護しました。

来月の退任を控えているヴィンシクエラ氏はこれまでの活動を振り返る中で、今年、悪い方向で話題になったSSU映画に触れ、次のように述べています。

「マダム・ウェブ」が劇場で振るわなかったのは、マスコミが酷評したからです。悪い映画ではありませんでしたし、Netflix では素晴らしい視聴成績でした。どういうわけか、マスコミはクレイヴンとマダム・ウェブを映画化して欲しくないと判断し、批評家はこれらを酷評しました。ヴェノムでも同じことをされましたが、観客はヴェノムを愛し、ヴェノムは大ヒットしました。これらはひどい映画ではありません。どういうわけか、マスコミの批評家によって酷評されただけです。

Rotten Tomatoes のスコアによると、「クレイヴン・ザ・ハンター」のトマトメーターは16%、ポップコーンメーター(旧オーディエンススコア)は73%と比較的受け入れられており、「マダム・ウェブ」のトマトメーターは11%、ポップコーンメーターは55%と、こちらも最悪という程ではないのは事実なようです。

実際、同サイトにおけるワースト100の映画ではトマトメーターが0%から最大でも5%しかない、本当に最悪だとレビューされた映画が並んでいます。

しかしだからと言って、批評家の酷評がなければヒットしていたかという部分は疑問も残る所です。

「スパイダーマンユニバースの戦略は再考する必要があると思いますか?」と質問されたヴィンシクエラ氏は、「単に蛇に噛まれたというだけで、考え直す必要があると思います。もう一度出せば、それがどんなに良いか悪いかに関係なく、破壊されるでしょう。」とコメントし、再び挑戦する意思を示しました。

SSU の中断が囁かれる中で CEO の今回の発言は前向きにも取れますが、1月からの新 CEO がどのような方向へと舵を切っていくかはもう少し見守る必要があります。

ソース:Sony Pictures CEO Tony Vinciquerra talks ‘arms dealer’ strategy, defends ‘Spider-Man’ spinoffs

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」、SSU終焉までの暗黒の6年間の軌跡

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」が公開されて約2週間、全世界での興行収入は4200万ドルを越えましたが、制作費とされる1億1000万ドルには遠く及ばず、ソニーのマーベル映画史上最も低い数値となってしまいました。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は混迷を極める結果となりましたが、その制作過程すらも信じられないほどの困難を極めていました。今回の記事ではソニーにとって悪夢となってしまった「クレイヴン・ザ・ハンター」制作の歴史を振り返っていきます。また、SSUの他作品の動向についても随時紹介していきます。

2018年8月

2018年8月、プロジェクトの存在の可能性が報じられたあと、10月に「イコライザー2」の脚本家リチャード・ウェンク氏が「クレイヴン・ザ・ハンター」の執筆を始めている事を Discussing Film とのインタビューで認めました。

この月、「ヴェノム」が公開されたばかりでしたが、ファンはスパイダーマンの不在に嘆いていました。

ウェンク氏は「クレイヴン・ザ・ハンター」でスパイダーマンとの対決を予定していると発言していました。

“It’s in the Spider-Man universe. I’m going to adhere very closely to the lore of Kraven the Hunter, and he’s going to come face-to-face with Spider-Man,”

これはスパイダーマンの世界です。クレイヴン・ザ・ハンターの伝説に忠実に従い、彼はスパイダーマンと対決することになります。

2021年

プロジェクトが正式に確認されてから数年後の2021年5月、世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに翻弄されている最中、何も動きがなかった「クレイヴン・ザ・ハンター」の主演としてアーロン・テイラー=ジョンソンさんが起用された事が報じられました。

それと同時に、ソニーは当初、ブラッド・ピットさん、キアヌ・リーブスさん、アダム・ドライバーさん、ジョン・デヴィッド・ワシントンさんらをこの役の候補に挙げていたと報じられました

候補として報じられた俳優の体型や年齢に共通点がなく、キャスティングの焦点があっていないのではないかと当時のメディアも指摘。ブラッド・ピットさんはアーロン・テイラー=ジョンソンさんの倍近い年齢で、明らかに同じキャラクターの候補とは思えない状態。この段階から、ソニーは物語に必要な俳優ではなく、単に映画を売るためのスター俳優を探していただけだという事を示唆していました。

アーロン・テイラー=ジョンソンさんはソニーの映画「ブレット・トレイン」での演技が評価され、クレイヴン役に抜擢されたとも報じられています。

経緯はともあれ、制作が公式に認められてから3年が経過して、主演俳優が決定しました。

10月、ソニーは 2023年1月 にタイトル未定のマーベル映画の公開を予定に追加。これが「クレイヴン・ザ・ハンター」になると考えられていました。

「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」公開。ポストクレジットシーンにトム・ホランドさんのスパイダーマンが映し出された事で、SSUとMCUが本格的に繋がることを予感させていました。

12月、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が公開。トム・ホランドさんがもともとはマルチバース映画ではなく「クレイヴン・ザ・ハンター」との対決映画だった事を Collider  とのインタビューで明かし、その後「ノー・ウェイ・ホーム」の脚本家らがソニーから中止要請があってマルチバースものに変更した事を明かしました。

結局「ノー・ウェイ・ホーム」でヴェノムとエディはスパイダーマンと何の絡みもないまま元のユニバースに戻される形となりました。

2022年

2022年2月、映画「クレイヴン・ザ・ハンター」の撮影がイギリスで開始。

当初脚本家が予告していたスパイダーマンとの対決、「モービウス」の予告でスパイダーマンの壁画があった事で期待が高まる「クレイヴン・ザ・ハンター」でしたが、「ノー・ウェイ・ホーム」の影響でどのスパイダーマンと戦うのかが話題に。

尻切れトンボに終わった「アメイジング・スパイダーマン」と絡める可能性も囁かれていましたが、結局どのスパイダーマンも現れることがないのはこの時誰も知る由はありませんでした。

4月、「モービウス」が公開。そして予告にあったスパイダーマンの壁画がなかったどころか、様々な事が予告と異なった事で炎上。予告と違うだけでそこまで炎上するはずもなく、単純に大多数のファンが求める品質に届いていませんでした。

しかし「モービウス」はその公開日がパンデミックの影響をダイレクトに受けて何度も延期を繰り返し、そのたびに映画が編集された為に、グダグダになったと出演俳優は推測していました。

撮影が始まった「クレイヴン・ザ・ハンター」はカメレオン役を始めとして主要なキャストが続々報道。「モービウス」の不満でさらに「クレイヴン・ザ・ハンター」への期待が高まっていきました。

6月、映画の撮影が終了。アーロン・テイラー=ジョンソンさんは映画が全てロケによる撮影で済んだ事を報告し、CGモリモリのSF映画のようにはならない事を予告しました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-filming-wrapped/”]

8月、ソニー会長が映画の公開を控えて興奮していると予告。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-el-muerto-sony-pictures-ceo-comment/”]

9月、ソニーは「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」を延期する事を発表。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、2023年1月13日 から 10月6日 に延期。

「マダム・ウェブ」は 2023年10月6日 から 2024年2月16日 に延期されました。

11月、ソニーはドラマ「シルク:スパイダーソサエティ」の制作を公式に発表。プロデューサーやショーランナーが発表され、社長がコメントしました。MCUと同様にドラマ展開が公式に認められたことで、「モービウス」の失敗からSSUが再起する事が期待されました。

2023年

2023年4月、ラスベガスのシネマコンにて来場者向けに予告が公開。ライノの登場なども発表。

6月、予告が正式にオンライン公開。予告の内容に対して IGN はクレイヴンのオリジンストーリーを少しいい加減に扱っている事がはっきりしたと批判。スパイダーマンを狙う冷酷なハンターから、父親のマフィア帝国を破壊しようとするアンチヒーローに変貌したという事実が、映画が間違った方向に進んでいるように見えると指摘していました。

同月、米ソニーの公式サイトでは「スパイダーマンとの対決の前が舞台」と明記され、この「クレイヴン・ザ・ハンター」の続編がスパイダーマンとの対決映画になると、ファンの期待を押し上げました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-vendetta-movie-spider-man-cross-over-plan/”]

7月、予告公開から間もないこの月に、映画の二度目の延期が発表。6月からのハリウッドにおけるストライキが本格化した事が理由で、ハリウッドにおけるほぼ全てのドラマ、映画などの映像作品の制作が停止しました。

この時、「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2023年10月 から 2024年8月30日 に変更されました。また、「エル・ムエルト」がスケジュールから削除されました。

2024年

1月、「クレイヴン・ザ・ハンター」と「マダム・ウェブ」は何の関連もない作品になると報道。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-madame-web-and-kraven-are-different-universe/”]

2月、「マダム・ウェブ」公開。原作でスパイダーウーマンでもあるキャラが登場する映画はこれまでのSSU映画と違ってヒーロー、女性主人公、そしてチームという新しいことづくめで期待されていましたが、4人のメインキャラの物語は薄めで、ヴィランの動機なども雑気味、アクションすら見どころがないと酷評されました。

同月、「マダム・ウェブ」の低評価から約1週間後、「シルク:スパイダーソサエティ」がストライキを経て開発が仕切り直されている事が報道。ドラマにも暗雲が立ち込め始めました。

4月、「クレイヴン・ザ・ハンター」は3度目の延期を発表。2024年8月30日 から 2024年12月13日 に延期されました。

延期の理由についてプロデューサーは「『クレイヴン』はクリスマスに移動しました。私たちはこの映画にとても興奮しており、クリスマスは映画を何度も見に行く時間がある最高の公開時期だからです。」とコメント。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-why-delay/”]

しかし批評家からはS級映画がひしめくこの時期での公開は無茶だと指摘されていました。

5月、ドラマ「スパイダー・ノワール」正式発表。そして「シルク:スパイダーソサエティ」が Amazon での配信を断念したと報じられ、さらにその後中止が報道。

8月、新たな予告が公開。ライノのCGの品質の悪さが指摘されました。さすがにこれは制作途中のものだろうとも言われていましたが、結局そうではありませんでした。

10月、コミコンで来場者向けに映画の冒頭約8分が公開。この時、批評家たちは「オープニングはとても良かった」と称賛していました。

同月、「ヴェノム:ザ・ラストダンス」が米公開。ヴェノムでさえ期待以下の興行収入に終わる結果となりました。邪神ヌルがMCUに舞台を移すのではないかと噂に。

また、ドラマ「スパイダー・ノワール」の撮影が開始され、いくつかの写真が公開されました。

11月、当初の予定通り、続編でスパイダーマンとの対決を描くことを念頭にこの映画を作ったと監督と主演がコメント。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-ending-spider-man-last-hunt-storyline/”]

同月末、初週2000万ドルの大苦戦予想が発表。

12月3日、映画公開の2週間を切った時点で冒頭映像が異例のオンライン公開。メディア向けには約30分の映像が公開され、「これまでのSSUとは違う。」「大ヒットの予感」と絶賛されました。

12月11日、SSUの終了が報道。

12月12日、約1週間前の前半約30分が絶賛されたにも関わらず、メディア向け試写会で酷評。

12月13日、映画公開。後日、初日の興行収入がわずか200万ドルだったと報じられました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-1st-day-box-office-revealed/”]


本作は映画の公開前に再撮影を行いましたが、これで何が追加されたかは明らかになっていません。しかし、1年前の予告からはいくつかの要素がカットされてしまっています。

この予告ではザ・フォーリーナーが「クレイヴンは動物を操って獲物を狩るらしい」と説明し、タカやオオカミと協力して獲物を追い詰めるようなシーンが挿入されていますが、公開された映画にはこのようなシーンもセリフもなく、スクイレルガールのように動物と共闘するような事はありませんでした。

監督や脚本家が当初からコミックに忠実な能力とアピールしていたにも関わらず、動物操作能力のようなスーパーパワーが垣間見えたこの予告には一時批判もありましたが、結局映画本編に存在しなかったのは良かったのでしょうか?

他にもコミックと同じ毛皮のジャケットを着て洞窟を歩くシーンなど、いくつかのシーンが映画本編にはありませんでした。

「モービウス」の監督は「予告は自分ではなくソニーが作ったもの」と主張していましたが、本作でもそうだったのかは現時点で不明です。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-morbius-director-explains-spider-man-wall-art-trailer/”]

JC・チャンダー監督と主演のアーロン・テイラー=ジョンソンさんは映画「クレイヴン・ザ・ハンター」がコミックのスパイダーマンとの対決を描いた「ラストハント」への前日譚として全力で制作してきたとしていますが、SSUの中止、あるいは中断が報じられた後で、「ラストハント」実現の可能性はほとんど残されていないのでしょうか。

「クレイヴン・ザ・ハンター」初週末興行収入は見込みの半分ほどに。SSUは中止ではなく「リセット」になると言う

先日、ソニー・ピクチャーズが展開しているSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)が映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で一旦終わると報じられていましたが、海外メディア Deadline が、これは中止ではなく「リセット」になると報じています。

現地時間日曜日午前の段階での興行成績を振り返り、「モアナ2」と「ウィキッド」の好調を伝える中で、「クレイヴン・ザ・ハンター」は1100万ドルのオープニングウィークエンドになる見込みだと報道。

公開前には大苦戦するだろうとして2000万ドル予想となっていましたが、それのわずか半分ほどの見込みとなるようです。

記事では「人間どころか動物さえも動員出来ない」と皮肉が書かれており、ソニーのマーベル映画として最悪の成績、「モービウス」 (3900 万ドル) や「マダム・ウェブ」 (3日間で 1530 万ドル)よりも低いとし、革のベストを着たマッチョマンは、サーファーガールや歌う魔女のようには売れないと伝えています。

さらに、ソニーは開発部門と真摯に向き合う時が来たと述べ、もっと慎重になる必要があると言います。

ディズニーとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の共同制作やロード&ミラーのアニメ映画「スパイダーバース」はどれも素晴らしいと評価しつつ、ソニーはこの失敗を非常に深刻に受け止めており、スパイダーバースやトム・ホランドさん(MCU)以外のマーベル作品についてはリセットが予定されていると記事は伝えています。

ソニーは2023年のストライキによる制作中断のせいで「クレイヴン・ザ・ハンター」の制作費が当初の 9000 万ドルを超えたと非難しており、それが興行成績が振るわない理由だとも。しかし記事は「デッドプール & ウルヴァリン」も同じ目にあっていたとし、それを乗り越えて13億ドルという史上最高の興行収入を上げたR指定映画となったと反論しています。

スーパーヒーロー疲れやディープな世界観を言い訳にすることは許されないともしており、2023年、ジェームズ・ガン監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Volume 3」でそれらが関係ない事を証明したとも。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が「ブレイド」のリブートを商業的に形になるまで実現を遅らせることができるのなら、ソニーはマーベル作品すべてで同じことができるはずだとし、「ソニーはマーベルファンを失った。」と関係者が語ったと報じています。

監督や俳優の情熱は確かなものであったのにこうなってしまったのは、やはりソニーに問題があるのでしょうか。

中止ではなくリセット、という事がファンにとって何をもたらしてくれるのかはまだまだ未知数ですが、ひとまず諦める気がないのは朗報なのでしょうか?それともスパイダーマンの権利をマーベルに売り戻すほうがファンには幸せなのでしょうか?

ソニーは過去にトビー・マグワイアさんの「スパイダーマン」とアンドリュー・ガーフィールドさんの「アメイジング・スパイダーマン」で2回リセットボタンを押しています。3度目のリセットをして4度目で成功となるのか、今後の展開に注目です。

ソース:Female Power Triumphs At Box Office Amid Fanboy Fallout As ‘Moana 2’ & ‘Wicked’ Kick ‘Kraven The Hunter’ & ‘Lord Of The Rings’ To Curb – Sunday AM Update

SSUにスパイディ不在の理由が判明、ソニーはとんでもない勘違いをしていた事が明らかに。救いはMCUに?

ソニー・ピクチャーズが制作した2018年の「ヴェノム」から始まったSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)が一旦終了すると報じられて数日が経過し、海外メディア Variety がこのユニバースにスパイダーマンが登場しなかった理由について、業界関係者の報告書を公開しました。

その報告書によると「2018年の『ヴェノム 』の成功により『スパイダーマンが登場しないスパイダーマンのキャラクターの映画』でも観客が集まるだろうという誤った印象をソニーに与えた」と説明されています。

「ヴェノム」1作目の映画は興行収入8億ドルを越え、当時のソニー・ピクチャーズの歴代映画の中でもトップクラスの売上を記録しました。スパイダーマン抜きでこの記録を出してしまったのが、既に終わりの始まりだったようです。

「これらのキャラクターは、スパイダーマンと対決したため有名になりました」と、エキシビション リレーションズのアナリスト、ジェフ・ボック氏は言います。

「ソニーにとって残念なことに、彼らは『ヴェノム』で成功を味わい、それがすべてを台無しにしてしまったのです。なぜなら、彼らはこれらのキャラクターすべてをスピンオフさせればよいと考えていたからです。ヴェノムはフランチャイズを牽引できるキャラですが、他のキャラはそうではないことに彼らは気づいていなかったと思います。これらの映画にスパイダーマンがいなかったのは致命的な欠陥でした。」

しかしコミックに精通していない幹部がスパイダーマン関連のキャラならなんでも儲かると誤解してしまったと指摘。これに加えて、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のマルチバースが追い打ちになっていると説明しています。

「しかし、スタジオ内には、特に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』やマーベル・スタジオのプロジェクト『ロキ』、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がマーベル・マルチバースに明確な境界を確立した後、MCUではない実写映画にトム・ホランド演じるスパイダーマンが突然登場することを観客は受け入れないだろうという雰囲気がありました。」と指摘、ここでもまたひとつ、ソニーが勘違いしていた事が判明しました。

以前からディズニーとソニーの契約で、トム・ホランドさんのスパイダーマンがマーベル・スタジオの同意なしに使用出来ないのではないかとも疑われていましたが、実際にはそんな契約はなく、ソニーの勘違いから来る一方的な自主規制として登場しなかっただけという事も判明。

これについてはMCUと歩調をあわせる事の大変さも加わっています。売上も割合で分割する事を考えると、自社のみでヒットさせられるならそれに越したことはありません。

「スタジオ同士が協力しようとすると、企業間のしがらみが生まれ、本当に大変です。ソニーには柔軟性がありません。彼らは、その中で仕事をしなければならない檻の中にいて、一度に1本のいい映画を作ろうとしているだけです。」

2024年には「マダム・ウェブ」、「ヴェノム:ザ・ラストダンス」、「クレイヴン・ザ・ハンター」の3本のSSU映画が公開されるも、いずれも興行的には失敗。

ヴェノムはかろうじて多少の利益を出しており、続編制作の可能性はあると指摘されていますが、ソニーはこれらの映画がうまくいっていないことをさすがに認識するようになっており、今後の取り組みについてはより「慎重に」なる可能性が高いと言います。

あるベテランプロデューサーはソニーに対して「皮肉はすぐそばから感じられます。彼らはひたすら作品を作り続けているし、そのように感じます。品質管理などありません。」と述べている。

同様の事は「マダム・ウェブ」の主演を務めたダコタ・ジョンソンさんも苦言を呈していましたが、当時はジョンソンさんが大手メディアに叩かれ、炎上する結果になっていました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-madame-web-dakota-johnson-future-plans/”]

SSU映画のどの監督、主演、俳優陣、そして当然ファンもスパイダーマンとの対決を望んでいたにも関わらず、結局はソニー幹部のファン心理とはかけ離れた決断によってその映画は実現せずに終わってしまった事に。

振り返ればソニーはトビー・マグワイアさんの「スパイダーマン」も、アンドリュー・ガーフィールドさんの「アメイジング・スパイダーマン」も計画途中で頓挫させており、3度目の挑戦となるSSUでもシニスター・シックスを実現することが出来ませんでした。

SSU映画の脚本はお世辞にもあまり良いものではありませんでしたが、キャラクターは十分に確立されており、このまま終わってしまうには少々もったいない部分もあります。SSUの終了をインカージョンによるマルチバースの消滅として、彼らの変異体をMCUの神聖時間軸で再利用し、「シニスター・シックス」の映画もMCUとして制作するほうが、ファンにとっては良いのかもしれません。

ソース:Even After ‘Kraven the Hunter’ and ‘Madame Web,’ Sony’s Marvel Movies Aren’t Dead (EXCLUSIVE)

「クレイヴン・ザ・ハンター」、初日わずか200万ドルで撃沈、「ブラックパンサー」や「スパイダーマンNWH」のヴィランだったほうが良かった?

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」が現地時間の木曜に北米で公開され、初日の興行収入がわずか200万ドルにとどまったと報じられました。公開前は初週2000万ドル予想でしたが、今回の結果を受けて1300万から1500万ドル予想へと下方修正されています。

CBM によると、当初9000万ドルの予算で始まった「クレイヴン・ザ・ハンター」でしたが、パンデミックとストライキの影響を受けて予算は1億1000万ドルに上昇。これと今回の報告を踏まえて、利益を出すのが難しくなったとも言います。

なお、SSUで興行的失敗とされた「モービウス」は初日に570万ドル、「マダム・ウェブ」は600万ドルを売り上げており、北米のファンの心はすっかり離れてしまっている事を表しているようです。

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」は赤字を回避し、それなりの記録を達成しましたが、それは海外市場あっての結果であり、北米ではやはりファンの心を掴めずに終わっていました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-venom-3-1st-weekend-box-office/”]

2018年、「ブラックパンサー」のライアン・クーグラー監督は映画の公開直後に yahoo UK とのインタビューでクレイヴン・ザ・ハンターをヴィランとして登場させたかったと話していました。

「マーベルファンとしては、すべてのキャラクターを起用したい。でも契約上の問題があることは分かっていました。あのキャラクターはいないんです。クリストファー・プリーストのコミックシリーズはかなり重厚で、ブラックパンサーがクレイヴン・ザ・ハンターと戦う大場面があるんです。」

「私はクレイヴン・ザ・ハンターのほぼすべてのバージョンが大好きでした。だから、『クレイヴンを起用してもいいか?』と聞いたんですが、『いや、クレイヴンは使えない』と言われて『ああ、やれやれ』と思いました。でも、最終的に私たちが作った映画で彼がうまく機能していたかどうかも分かりません。まだ初期の頃のアイデアでした。」

2021年、トム・ホランドさんは「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」がもともとはクレイヴン・ザ・ハンターと対決する映画だったと、Collider とのインタビューで語っていました。

「長い間、物事がうまくいかなかったり、いろいろなことが起こったりして、クレイヴン映画は3作目になる予定でした。ジョン(監督)が私にこのクレイヴン映画を提案してくれて、実際とてもクールでした。」

しかしこれが実現しなかった理由について、ホーム3部作の脚本家クリス・マッケナさんとエリック・ソマーズさんは「ソニーが彼を単独映画で登場させるまでは登場させられないと言ってきた。」と明かしていました。

「クレイヴン・ザ・ハンター」の主演を務めたアーロン・テイラー=ジョンソンさんと、JCチャンダー監督は「クレイヴン2」でのスパイダーマンとの対決を実現したいとし、共演者のアリアナ・デボーズさんも Variety との最新インタビューで「ファンが望むものを見せてあげて欲しい」とコメントしています。

しかしソニーはSSUを一旦終了させる決断をしたとも報じられており、「クレイヴン2」が実現する可能性は現状でほぼゼロに。

頼みの綱はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の「スパイダーマン」4~6のいずれかで、「ノー・ウェイ・ホーム」の脚本家がクレイヴン起用を断られた理由自体はなんとかクリアしているため、そちらでの登場にはかろうじて期待出来るかも知れません。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は劇場公開中です。

「クレイヴン・ザ・ハンター」、見どころは主演のみ・・・?悪評目立つ海外メディアレビューが公開

ソニー・ピクチャーズが制作するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」のメディア向けの試写会が一般の劇場公開の直前に行われ、SNS上でのレビューが解禁されました。SSU最後の映画となる事が先日報道されていましたが、有終の美を飾ることは出来ないのかもしれません。

※「クレイヴン・ザ・ハンター」の物語に関するネタバレは含んでいません。

評論家のクリス・ガヤルド氏は、SSUは「派手には行かず、ひっそりと」消えていくだろうとほのめかし、本作を「どこまでも陳腐」だとしました。

ソニーのスパイダーマン ユニバースは派手な展開ではなく、弱々しい展開だ。「クレイヴン・ザ・ハンター」はどこも陳腐だ。ATJ はそれを最大限に活用しようとしているが、脚本がそれを抑制している。アクションはちょっと楽しいが、大げさな説明が多すぎて混乱している。

DFのアンドリュー・J・サラザール氏は「スタジオのいつもの悪ふざけが見られる」とソニーを非難しています。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、おそらくかつてはしっかりしたアクション映画だったが、いつものソニーの悪ふざけがすべてここにはある。苦痛なADR、途切れ途切れの編集、そして大量の生気のないCGI動物!チケット代に見合う価値はないが、新しいミームとして見るのがすごく楽しみなシーンが3つほどある。

Geekly Goods のレオ・リデル氏も「クレイヴン」に対する否定的な感想を述べています。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、まったくのダメダメ。アクションは好きだったけど、カットアウトが早すぎて楽しめなかった!演技は最悪で、脚本も最悪、アーロン・テイラー・ジョンソンを無駄遣いしていたけど、彼の演技は楽しかった!早すぎたし、ストーリーも良くなかった…さようなら。

Film Blerd のブランドン・ノーウッド氏は、「これまでに作られた映画の中で最も魂のない映画の一つ」と評しました。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、これまで作られた映画の中で最も魂のない作品の一つだ。JC・チャンダーでさえ、これほど魂のないありきたりの映画を作ってしまった。

YouTuberのクリス・パーカー氏はアーロン・テイラー=ジョンソンさんの演技を楽しんだが、他の部分は「退屈」で、キャスト陣は「ぎこちなく退屈なセリフで足かせになっている」と指摘しました。

ジョンソンが血みどろの混乱を巻き起こす場面は面白いが、それ以外は退屈だ。素晴らしいキャスト陣が、ぎこちない退屈なセリフに足を引っ張られている。悪役がヒーローに転身した例がまた一つ。ストーリーに陰謀がまったくない。『ライノとカメレオンの冒険』は無駄になった。全体的にがっかりだ。

Screen Rant のリアム・クロウリー 氏は、本作に感銘を受けることはなく、「とにかく魅力がない」と指摘しながら、SSUの映画の中では最高の作品だと評した。

「クレイヴン」はアクションでは優れているが、結局のところ、魅力に欠ける。奇妙なストーリー構成、圧倒的に残酷な ADR、そして登場人物自身に対する全体的な不信感。セリフがうまく伝わったのは(ラッセル・)クロウだけ。ほとんどの SSU よりははるかに優れているが、それでもまだ物足りない。

The Directのラス・ミルハイム氏は「AI映画のようだ」と指摘しています。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、まさにこの時点で期待通りの映画です。この映画は、スクリーンに適応させようとしている登場人物を一人たりとも理解しておらず、映画全体が AI によって作られたように感じられることが多いです。

Nerdtropolis の創設者ショーン・タジポー氏は、この映画を心から楽しんだと好意的な立場で、続編が待ち切れないと言います。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は最高です!アーロン・テイラー=ジョンソンは、その体格、カリスマ性、そして生々しい残忍さでクレイヴンを体現しています。R 指定は大いに報われました。この映画は血まみれで、生々しく、残酷でありながら、この象徴的な悪役にふさわしいストーリーを提供しています。IMAX で体験したばかりの「クレイヴン」をもっと見たくてたまりません!

評論家のグレース・ランドロフ氏もこの映画を称賛し、「最初の『ヴェノム』と同じくらい良かった」としています。

それで…他の人が反応を投稿しているのを見ると、ソーシャルメディアの禁輸措置が解除されたのだと思いますが…?「クレイヴン・ザ・ハンター」は大好きでした。最初の「ヴェノム」と同じくらい良かったので、もう一度見たいです!


SSUのとりあえずの最後の映画となる「クレイヴン・ザ・ハンター」は監督、主演ともにファンが望むスパイダーマンとの対決を目指して、熱意を持って制作したと語っていましたが、残念ながらその期待の続編は実現しない可能性が高いようです。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-ending-spider-man-last-hunt-storyline/”]

SSUで最初につまづいてしまった「モービウス」の監督は、映画と予告がまったく違った事について「予告は自分が作ったものではなく、ソニーが作ったもの」と弁明。出演していた俳優はパンデミックが直撃した事で、「ソニーがいじくり回す時間が多すぎた」とも語っていました。

「マダム・ウェブ」の主演を務めたダコタ・ジョンソンさんは映画は「アート」だとしつつも、ソニー幹部は映画をただの金稼ぎとしてとらえて現場に口出ししてくると非難していました。

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」では監督や主演が今後の話をしている横で完結作だとプロモーションし、「クレイヴン・ザ・ハンター」もスパイダーマンとのクロスオーバーを本気で目指している最中に、ユニバースの当面の打ち切りを決定したようです。

SSUがうまく機能しなかったのは、ソニーと制作現場が同じ方向を見ていなかったせいなのでしょうか?

ソニーはひとまずディズニー/マーベル・スタジオとの共同作であるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン4」に集中するとされており、スパイダーマンが終わり次第あらためてSSUを見直していく、あるいは仕切り直す可能性があるかもしれません。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2024年12月13日 日米同時公開予定です。

SSU映画は「クレイヴン・ザ・ハンター」で終わり?スピンオフの終了が報じられる

ソニー・ピクチャーズが展開するスパイダーマンのスピンオフとして始まったSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)が、今月公開の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で終了する事になると報じられました。彼らはユニバースの構築を断念、一時停止とする事で、「スパイダーマン4」の開発に全力を注いでいると言います。

海外メディア The Wrap のウンベルト・ゴンザレス氏は「彼らは今のところ、自分たちが開発したいものを開発していると、トップタレントエージェントは語った。」としつつ、「本当に重要なのは次の『スパイダーマン』映画だ。」と言及。

また、ソニーが懸念しているのは「クレイヴン・ザ・ハンター」の初期の予測と宣伝効果が不吉なほど低かったことだと指摘しています。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は、2024年に公開されるソニーの3作目のマーベル映画で、「マダム・ウェブ」は制作費8000万~1億ドルで、全世界での興行収入はわずか1億ドル。「ヴェノム:ザ・ラストダンス」は制作費1億2000万ドルで、興行収入4億7280万ドルでしたが、パンデミックの規制と制限内で公開された前作「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の半分ほどしかありませんでした。

「クレイヴン・ザ・ハンター」は制作費が1億3000万ドルで、クリスマスの奇跡が起こらない限り、今年公開されるソニーのスパイダーマン・ユニバース3作品の中で最大の失敗作になる可能性があると言います。

「ソニーのスパイダーマン スピンオフ作品の最大の問題は、品質管理の欠如のようです。映画がとにかく良くないのです。」と、ある「インサイダー」は語ったとも。「品質の欠如が、誰も求めていない映画にぶつかることもあります。『マダム・ウェブ』がそうでした。これでは勝ち目のないシナリオです。ソニーは、新しいフランチャイズを立ち上げるために、別の IP を育成し始める時期なのかもしれません。」

また、「スパイダーバース」はSSUとは切り分けて進められているとの事で、スパイダーマン・ノワールを主人公とするドラマ「スパイダー・ノワール」はこれまでSSUの新作ドラマだと考えられていましたが、スパイダーバースのスピンオフという位置づけになってくるのかもしれません。

「スパイダーバース」は三作目の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が制作トラブルが報じられながらも前進しており、それに関連してマイルズ・モラレスのMCUデビューが実現しそうな事も制作側から明かされています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-miler-morales-kevin-feige-comments/”]

「クレイヴン・ザ・ハンター」の主演を務めるアーロン・テイラー=ジョンソンさんと、JCチャンダー監督は「クレイヴン2」でのスパイダーマンとの対決を目指しているような発言をしていましたが、今回の報道が事実であれば、それはかなり厳しい状況に追い込まれているようです。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-aaron-taylor-johnson-wants-vs-spider-man/”]

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2024年12月13日 日米同時公開予定です。

ソース:As ‘Kraven’ Hunts for Audience, Sony’s Marvel Universe Takes Final Bow for Now | Analysis

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」アーロン・テイラー=ジョンソンさんがMCUのワンダに苦言、「なぜ僕を生き返らせてくれないのか」

ソニー・ピクチャーズ制作のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で主人公セルゲイ・クラヴィノフを演じるアーロン・テイラー=ジョンソンさんが、海外メディア IMDb とのインタビューでこれまでのキャリアを振り返る中で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」にも言及しました。

動画の6分頃から映画「キック・アス」で共演したエヴァン・ピーターズさんとの話題から二人がマーベル映画で共にピエトロ(ピーター)・マキシモフを演じた事について、「コミコン会場で偶然出会った時に『同じキャラを演じた僕らが今こうして自由にしているって、なんて幸運なんだろう』って話しましたよ。」としつつ、「マグニートーや『ハウス・オブ・M』に愛着を持つコミックのキャラクターは、違ったつながりを持つことができると思います。それはクールですね」と語りました。

「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のスカーレットウィッチとクイックシルバーのフィギュアを渡されて次のようにコメントしています。

(エリザベス)リジー・オルセンは驚異的な俳優であり、絶対的なスターであり、素晴らしい人、素晴らしい人間です。ただの言葉として言っているのではなく、彼女は本当に素敵な人なんです。アベンジャーズでは姉弟で、ゴジラでは夫婦役でしたよ。

アーロン・テイラー=ジョンソンさんは「エイジ・オブ・ウルトロン」で共演したエリザベス・オルセンさんを称賛しつつも、ワンダのその後の展開に納得が行かない様子で「でも、なぜ彼女が僕を生き返らせてくれなかったのかわからないよ。」と冗談交じりに述べました。

マーベル映画に出演した当時は「役なんてどうでも良かった」と過去のインタビューで明かしていたアーロン・テイラー=ジョンソンさんですが、ピエトロが退場したあとの作品もある程度見ている事をほのめかしました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-star-aaron-taylor-johnson-didnt-give-a-f-k-about-avengers/”]

邪神ヌルを起点にSSUとMCUがクロスオーバーを実現出来るのであれば、クレイヴンとスカーレットウィッチという形でマーベル映画での再共演が叶うかもしれませんし、「X-MEN」のリブート映画でマキシモフ姉弟としての再共演も可能性はゼロではないかもしれません。

ソニーは2024年、SSU映画として「マダム・ウェブ」と「ヴェノム:ザ・ラストダンス」を公開するも、期待どおりの成績を獲得する事は出来ませんでした。

今年3本目となる「クレイヴン・ザ・ハンター」は劇場公開前に冒頭8分間のプレビュー映像が公開。その内容は絶賛されたものの、「マダム・ウェブ」が全米4000の映画館で公開された事に対して「クレイヴン・ザ・ハンター」は3000まで縮小。これはソニーのこれまでのマーベル映画で最も規模が小さいものであり、興行収入の見込みもSSU最低を記録する可能性が指摘されています。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2024年12月13日 日米同時公開予定です。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」の本質は家族ドラマだと主演が語る

ソニー・ピクチャーズが制作するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」の主演を務めるアーロン・テイラー=ジョンソンさんとJCチャンダー監督が、海外メディア Total Film とのインタビューの中で、この映画がR指定でありながら本質的には家族ドラマだと語りました。

監督は主人公のセルゲイ・クラフィノフについて「このキャラクターには、私たち二人が感じ取ったような執念深さがありました。彼は決して屈しないようです。私は、スタントをデザインし始めた当初から、本当にリアルなものにしたかったのです。今ある技術を使えば何でも出来てしまうので、逆にキャラクターができることをほとんど制限することになりました。」と説明し、「そして、この男(テイラー=ジョンソンさんの事)がいる。彼は肉体的に才能に恵まれたパフォーマーです。粘土の塊のようで、とてもクールなことをたくさんできるんです!」と主演俳優を称賛しました。

アーロン・テイラー=ジョンソンさんは、 英国では珍しく「18禁」指定を受けたこの映画について、「厳しいR指定だったため、控える必要がなかったと思います。私たちは、その枠に当てはめようとしていましたが、このキャラクターを解き放ち、彼に正義を与えなければならないと思いました。R指定を許可してくれて、私たちは間違いなく限界を超えました!」とコメント。

監督は「こう言うと変に聞こえるかもしれませんが、R指定のおかげで、私たちはいくつかのことをすることが出来ました。精神疾患の歴史があります。この映画では、子供たちの育てられ方についてもっと言及している『おおっ』と思うような出来事がいくつか起こるでしょう。」と補足しました。

そして、テイラー=ジョンソンさんは「物語の核には、本当の家族ドラマがあると思います。この2人の少年は、非常に有害な環境で育てられています。彼らの父親はロシアのギャングで、ギャング団のリーダーであり、最終的にビジネスを息子に譲り渡そうとしています。」 と映画の背景を説明し、それに対して主人公のセルゲイは興味がなく、「それが私のキャラクターを自警団員になる道、そして悪党になる道へと導いたのです。」と語りました。

「彼(クレイヴン/セルゲイ)が唯一大切にし、全人生をかけて守りたいと願っているのに、結局は彼を危険にさらす可能性のあるあらゆることに巻き込まれ、それに耐えて生きていかなければならないのだと思います。だから、この物語には本当に強い心と魂が込められているのです。」と締めくくりました。

本作は主人公セルゲイとその弟、コミックではヴィランのカメレオンとしても知られるドミトリ、そしてギャングの頭目である父親のニコライ、この3人の家族が物語の中心になるとの事で、R指定でありながらも家族をテーマとした作品に仕上がっているようです。

このあたりの事情はコミックとはかなり異なっており、父セルゲイはコミックでは貴族で、同じく貴族の女性だったアンナと結婚し、しばらくは幸せな家庭を築いていました。しかし時代はロシア革命に突入、夫妻が身を隠す生活の中でセルゲイを出産。その後しばらくたっても事態はニコライが思うように好転せず、結局は当時の皇帝と家族が虐殺され、新政権が誕生しました。

これを機に家族はニューヨークへと移動。ニコライはアメリカがロシアの新政権に介入してほどなく貴族に戻れるだろうと考えていましたが、そうはなりませんでした。次第にニコライは憂鬱になり、メイドと不倫をしてドミトリが誕生、ニコライはドミトリの中に自分の屈辱などすべての負の部分を見出し、向き合うことはありませんでした。妻アンナは精神に異常をきたし、セルゲイは腹違いの弟をいじめ、一家は異国の地で崩壊へと向かっていきました。

今回の実写映画では元から問題がある家族として描かれることになるようで、インタビューでは母の存在がどうなっているのかわかりませんでしたが、父と二人の息子の間にどのような関係が描かれているのか注目です。

主人公クレイヴン役には、「キック・アス」シリーズや「 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」などスーパーヒーロー映画にも出演し、「TENET テネット」や「ブレット・トレイン」でも圧倒的な存在感を見せるアーロン・テイラー=ジョンソンさん。

さらにクレイヴンの父親役を、オスカー俳優のラッセル・クロウさん、ヒロインのカリプソ役を「ウエスト・サイド・ストーリー」でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズさんが演じています。

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2024年12月13日 日米同時公開予定です。

ソース:Kraven the Hunter star Aaron Taylor-Johnson on the Marvel movie’s violent action sequences: “We definitely pushed the boundaries!”

「クレイヴン・ザ・ハンター」、アーロン・テイラー=ジョンソンさんがスパイダーマンと「互角に戦える」とコメント

ソニー・ピクチャーズが制作するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の映画「クレイヴン・ザ・ハンター」で主人公セルゲイ・クラヴィノフを演じるアーロン・テイラー=ジョンソンさんが、今後有りえるかも知れないスパイダーマンとの対決についてコメントしました。

海外メディア ScreenRant とのインタビューでアーロン・テイラー=ジョンソンさんはスパイダーマンとの対決について言及し、その実現を望んでいます。

私たちがこの物語で設定したものは、本当に豊かなキャラクターであり、間違いなく、さらに前進し、ダメージを与えることができるものだと思います。クレイヴンは、私たちが知っているスーパーヒーローたちと互角に戦えるはずです。私の好きな物語のひとつに『クレイヴンズ・ラストハント』があります。これは、私が参考にした原作コミックのひとつです。彼はそこにいくつかの暗い悪魔を抱えていて、私たちはそれをもとに、クレイヴンがどのように誕生し、私たちが知るようになる悪役になるのかを描いているんです。だから本当にこの映画をぜひ観に来てください。期待を裏切らないことを約束します。この映画には、あなたが望むビートとそれ以上のものがすべて詰まっていますよ。観客のお気に入りの悪役になれると思うし、間違いなく将来、あの人達と互角に戦えると思っています。

以前のインタビューで監督も「クレイヴンズ・ラストハント」に言及し、これを実現するための前段階としてこの映画があると語っていました。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-kraven-the-hunter-ending-spider-man-last-hunt-storyline/”]

アーロン・テイラー=ジョンソンさんはクレイヴンがヴェノムのようなアンチヒーローとしてではなく、しっかりとしたヴィランになる事をほのめかし、将来的な対決を見据えた役作りをしていたようです。

問題はソニーがどうして行きたいのかがはっきりとしておらず、SSUはスパイダーマンを欠いたまま5年以上が経過したあげく、一連のシリーズの中心にいたヴェノムの物語を閉じてしまいました。

「クレイヴン・ザ・ハンター」のあと、公式発表されているSSU作品はドラマ「スパイダー・ノワール」のみで、ある意味ではSSUにおける初めてのスパイダーマンでもあります。その後はいくつかの噂があるのみですが、アーロン・テイラー=ジョンソンさんの希望は叶うのか、ソニーの今後の動きにも注目です。

[nlink url=”https://mavesoku.com/ssu-after-projects-rumors/”]

映画「クレイヴン・ザ・ハンター」は 2024年12月13日 日米同時公開予定です。

ソース:Aaron Taylor-Johnson Addresses Kraven The Hunter Vs Spider-Man: “He Should Go Toe-To-Toe With Some Superheroes That We Know”