Youtube番組 MiniSuperHeroesToday で行われた、LEGOデザイナーのマーク・スタフォードさんのインタビューの中で、ソニー・ピクチャーズのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のレゴが映画の物語と全く関係がなかった原因について明かされました。
インタビューでスタフォードさんはレゴがMCUファンを欺いた事について以下のように説明しました。
この作品には多くの秘密が隠されていたため、その秘密が漏れるのを防ぐために、ほとんど何の情報も与えられなかったという点で、『エンドゲーム』と本当によく似ていました。公開初日に映画を見に行くまでは、もちろんスパイダーマンが複数いることは知りませんでした。俳優たちはそれを否定していたし、私も俳優たちを信じていた。しかし彼らは俳優であり、演技をしていたのです。
また、ヴィランについての情報も与えられなかったというスタフォードさんは、レゴに登場していた巨大昆虫クリーチャーについて以下のように語りました。
©MARVEL,LEGO
そうそう、私たちはヴィランが複数存在することも知りませんでした。スパイダーマンの悪役は許されないことも知っていました。提案したキャラはみんな断られました。だから、もし敵役が必要なら、ドクター・ストレンジの地下室で、昆虫と触手のようなものを作ればいいんだと思いついたんです。あと、僕はクトゥルーが好きなので、ちょっとパンパンかもしれませんが、ラブクラフト的な怪物をぼんやり作ってそこに置いてみました。
あまりに何も分からないためさらに情報を求めると、当時建設中だったセット写真が送られてきたと言います。
もっと情報はないのか?コンセプトアートはないのか?と聞いたら、当時はセットを作っていて、実際にセットから60枚の写真が送られてきました。だから、魔法の本を乗せた樽や、開けてはいけないと鎖でつながれた冷蔵庫、ペニーファージングから始まり、時代を経て現代のマウンテンバイクに至るまでの自転車の列の写真が送られてきたよ。映画には全く出てきませんでしたが、セット写真を見ていると、そこにあることがわかるんです。
結局、映画本編にはまったく出てこなかったセットのようですが、スタフォードさんはセットデザイナーを称賛しています。
ところで、あのセットは美しいね。地下室側をもっと見せてほしかったよ。写真では見えないけど、イースターエッグが仕込まれているんだもの。映画にはないイースターエッグがいくつあるのだろう。セットデザイナーはマーベルで素晴らしい仕事をしていると言わざるを得ません。
インタビュアーが冗談でセットの写真を見せてくれないかと提案すると、機密事項だと言って回避しました。
それはできないと思います。機密事項だと思う。自分でハードディスクに貼り付けられればいいのですが、LEGOの安全な場所にあるんです。このような信頼が得られると、本当にうれしいですね。自分が取り組んでいること、そして一緒に取り組んでいる人たちに感謝することになります。
そして最後にあらためて、この商品開発のために情報がほとんどなかった事を強調し、映画を称賛しました。
情報が少なかった、それが全てです。彼らは秘密を持っていて、それを守りたかったのです。私はあの映画が大好きなので、彼らがそうしてくれたことがちょっとうれしいです。
映画公開前の2021年7月、レゴの情報が出た時にはそのパッケージから様々な憶測が飛び交いました。特にパッケージにミステリオがいる事から、「ノー・ウェイ・ホーム」全体がミステリオの前回よりも大きな幻である可能性なども考察されていました。
アメリカ・チャベスは元々登場予定だった事が明かされており、これはレゴで使う事を許可されていたようですが、最終的に映画の脚本が変更され、登場する事はありませんでした。もしかすると、レゴに送られてきたというコンセプトアートの中にはミステリオやバルチャーが登場しているものがあったのでしょうか。
レゴの商品は実際の映画に沿っている場合と沿っていない場合があり、商品開発の際に全ての情報が与えられていない事がわかりました。MCUの最新作「ソー:ラブ&サンダー」の商品でも映画には登場しなかった謎のモンスターが登場しています。
記事執筆時点で劇場公開を控えている映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」のレゴ情報も明らかになっていますが、これらの商品はどの程度実際の映画の内容が反映されているのでしょうか。
映画「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」は 2022年11月11日 公開予定です。