マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ムーンナイト」の脚本を担当したジェレミー・スレーターさんが、海外メディア THR とのインタビューで制作上の問題があった事を指摘し、当時を振り返りました。
「ワンダヴィジョン」からスタートしたMCUのドラマシリーズは当初、通常とは異なる制作方法が取られていました。つまり、マーベル・スタジオはこれらがドラマであるにも関わらず、映画と全く同じように制作していた事が当時も話題になっていました。
したがって、これらのマーベルドラマには全体の脚本をリードするヘッドライターは存在していたものの、全エピソードをまとめるショーランナーが存在していなかったため、エピソードごとの監督と作品全体を統括する人物がいないという状況に陥っていました。
ジェレミー・スレーターさんはこういった制作状況の中で、監督と意見があわずに途中で離脱していた事を最新のインタビューで明かしています。
マーベルやそこで過ごした時間について、悪いことや否定的なことを言うつもりは全くありません。彼らは私にチャンスを与えてくれ、素晴らしい脚本家チームを編成させてくれました。私たちが成し遂げた仕事には本当に誇りを持っています。最終的に、監督とのクリエイティブ面での意見の相違からプロジェクトを離れることになりました。番組の方向性について、私たちは全く異なるビジョンを持っていたのです。結局、そのクリエイティブ面での対立は監督の勝利に終わり、私は退任することになりました。その後、監督は自身のビジョンと伝えたいストーリーを反映させるために、独自の脚本家チームを編成しました。
海外メディア CBM はこの名前の伏せられた監督は、このドラマに一番大きく関わっていたモハメド・ディアブ監督ではないかと指摘。
たしかに、ディアブ監督は全6話中4話を担当しており、残り2話はアーロン・ムーアヘッド&ジャスティン・ベンソン監督コンビが担当していました。
しかし、スレーターさんの脚本を採用しているのはディアブ監督のほうであり、コンビ監督は別の脚本家の台本を採用しているため、結局のところ誰と揉めたのかの真相は分かっていません。
脚本家がボスという、従来のショーランナーのやり方とは全く違いました。当時の私の経験はまさにそうでしたが、今の状況は分かりません。マーベルで開発プロセスを経て素晴らしい経験をした脚本家はたくさん知っています。ただ、脚本家と監督の組み合わせは常に非常に難しいものです。うまくいった時――例えば『モータルコンバットII』でサイモン・マクウォイドと組んだ時のように――魔法のように素晴らしいものになります。しかし、うまくいかなかった時は、関係者全員にとって非常にフラストレーションのたまるものになるでしょう。
インタビューではスレーターさんが参加した2015年の映画「ファンタスティック・フォー」にも言及。
撮影現場でのトラブルは一切知らなかったとし、彼とジョシュ・トランク監督で書き上げた素晴らしい脚本が「X-MEN:ファイナルディシジョン」や「ダーク・フェニックス」のサイモン・キンバーグ監督によって書き直された事を振り返りました。
「試写会で観客席に座って、『ああ、まずい、何かが起こった。私がやろうとしていたこととは全く似ても似つかないものだった』と気づいたのは、その時だったんです」
「2年間ほど自信満々で過ごしていた時期があったんです。『みんな、ファンタスティック・フォーを待っててくれ。俺たちは次のクリストファー・ノーランだ。次の三部作も控えているんだ』ってね。最高の希望と最高の夢を抱いて臨むのは当然のことです。でも、時にはプロジェクトが夢見ていたように、あるいは思い描いていたようにはならないこともあるんです」
そして「脚本家として他人の作品に関わっていると、本当に自分のコントロールが及ばないんです。完成品の質に影響力を持つことはできません。ただ、共同制作者たちが皆、自分が作りたかった映画と同じものを作りたいと思ってくれることを願うしかないんです」と締めくくりました。
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