マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」の脚本を担当したエリック・ピアソンさんが、海外メディア THR とのインタビューで、劇場公開版には含まれなかった以前の脚本の要素について語りました。
映画の公開前からキャストにほのめかされていたモールマンとの削除シーンについて、ピアソンさんは次のように語っています。
モールマンのシーンは他にもありました。スーと別のシーンで、彼女が階下へ行って彼と外交について話すんですが、あれはすごく楽しくて、すごく面白いものでした。映画って難しいシチューみたいなもので、素晴らしいシーンがあっても、それがシチューの味付けに合わないこともあります。でも私は『もう二度とあそこへは戻れない。リードのところへ来て、あらゆるものに触らせよう』って言ったんです。文字通り『モールマンに来てほしい』って提案しました。もし私が監督だったら、やりすぎだったと思うでしょう。『ロジャー・ラビット』のベビー・ヒューイみたいに、あらゆる機器に触らせて、とにかくあらゆるものをいじくり回してほしかったんです。
スーを演じたヴァネッサ・カービーさんはスーがモールマンを脅迫する恐ろしいシーンがあった事を明かしていましたが、それとは対称的なコミカルなシーンもあったようです。しかし結局どちらも映画本編に残る事はありませんでした。
次にファンタスティック・フォーとギャラクタスの対決は当初、宇宙で繰り広げられる予定だったとしつつ、スケールが大きすぎて断念したとも。
当初の対決シーンはスケールが大きすぎました。それにエンパイア・ステート・ビルにギャラクタスを立たせるところが見たかった。メッツのスタジアムも見たい。バスを蹴飛ばすところとか、そういうのも見たかったんです。だから『彼を地球に連れてこよう』って思ったんです。それで、リードとスーに何か衝突させたいって思いました。そして、彼らの子供を餌に使うというアイデアは理にかなっています。うん、すごくイカれてるんです。この家族は地球全体を守るという重荷と責任を背負っているのに、今や彼らに残された選択肢は、個人的に非常に有害なことをすることだけなんです。
さらに、新しい家族となったフランクリン・リチャーズについて、以前にもスクーパーが報告していたように、当初は第一幕で生まれていた事も認めました。
以前の草稿では、第一幕で出産する予定でした。それをアクションシーンの真ん中に移動しました。最初は、ちょっとやりすぎなんじゃないかと心配でした。ギャラクタスからの脱出、サーファーの追撃、そして中性子星をぐるぐる回すシーンなど、あらゆる要素が絡み合っていて、これは本当に大変でした。しかも、彼女はずっと陣痛に苦しんでいました。出産シーンが台無しになってしまうのではないかと心配していましたが、結局全てが完璧にうまく収まりました。
そしてジョニー・ストームとシルバーサーファーの間にはもっと様々なやり取りが用意されていた事も明かしています。
私の下書きには、ジョニーとサーファーのいちゃいちゃシーンがもっとたくさんありました。すべてジョニーからの一方的なものでしたが、愛らしいものでした。カットを合わせると、とても面白いことに、そういうシーンがずっと少なくなっています。もしかしたら、それだけで、彼女が彼の愛情と、地球を救うために彼がどこまでもやろうとしていることに心を動かされたのかもしれません。あの感情の揺らぎは素晴らしいものです。科学で全てを解決できるわけではありませんからね。
愛する人々を救うため、彼女は感情を表に出しません。肉体的にも無敵です。彼女は感情を犠牲にしましたが、故郷の惑星からのメッセージをすべて伝え、慈悲を叫び続けてきた他の者たちと対比させてみようと考えたのです。ジュリア・ガーナーに感謝です。百万の惑星を叫ぶ彼女の姿は本当に素晴らしいものでした。
私が最後に手がけたバージョンを覚えています。彼女は去っていき、「もう私にはこの世界にはふさわしくない」という瞬間を迎えます。そしてジョニーが現れて彼女に話しかけます。最終版では宇宙で描かれましたが、私はずっと、タヒチか何か、彼女がサーファーのようにサーフボードに座っているようなシーンにするべきだと考えていました。彼女の惑星は主に水の惑星だと話していました。そして、彼女に「ああ、これはある意味、故郷を思い出させる」と思わせるようにしたかったのです。もしかしたら、地球との繋がりをあまりに多くの層に重ねすぎたのかもしれません。あるいは、最後に地球に現れて世界を救いたくなるような言い訳を、彼女に与えすぎたのかもしれません。
シルバーサーファーには本編で描ききれなかった彼女の人生が十分に設定されていたようですが、その大部分は尺の問題でカットされる事になったようです。
演者のジュリア・ガーナーさんは再演を希望しており、シルバーサーファーには数年前からスピンオフの噂もありますが、そこでじっくりと描かれることになるのでしょうか。
映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」は、「ワンダヴィジョン」のマット・シャックマン監督がメガホンを取り、脚本として「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」のジョシュ・フリードマンさん、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」「ブラックウィドウ」「サンダーボルツ*」のエリック・ピアソンさんらが参加しています。
映画「ファンタスティック・フォー:ファーストステップ」は 2025年7月25日 より劇場公開中です。
ソース:How ‘Fantastic Four’ Writer Eric Pearson Became a Marvel Secret Weapon