ドラマ「ミズ・マーベル」、6話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年7月13日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード6「No Normal(邦題:ノーノーマル)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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ダメージコントロール

ダメージコントロールのエージェント・ディーヴァーは「持ってちゃいけない者が力を持つとこうなる」と愚痴りながら、無惨な姿になったサークルQ跡地を立ち去って行きます。「持ってちゃいけない者とは?」と部下らしきエージェント・バリーが質問すると、「子供に決まってるでしょ」と返していますが、これまでのディーヴァーのムスリムへの偏見を考えると「子供」は建前のようにも聞こえます。

そもそもダメージコントロールのドローンのミサイルでこのような状況になっているわけですが、あくまでもカムランが悪いことになっているようです。

今回のエピソード、冒頭から「X-MEN」シリーズに似ていると言えます。

X-MENもミュータントの差別問題について触れることが多く、彼らの敵は往々にして政府機関である事が多いです。「ミズ・マーベル」ではムスリムへの差別や性差別について描いてきましたが、これまでのMCUではヒーローへの差別や恐怖はほとんど描かれませんでした。

奇しくもコミックでミュータントであるワンダへの恐怖が過去にいくつか描かれましたが、今回のエピソードでほのめかされたカマラがミュータントであるかもしれない事とあわせて、政府のスーパーパワーを持つもの(ミュータント)への圧力が高まっていく可能性は十分にあるようです。

カミングアウト

カマラは自分がライトガール(またはナイトライト)だと家族にカミングアウトし、家族はそれを快く受け入れてくれました。

MCUがヒーローとその家族の関係について描くことはわりと少なめで、特に子供がそのパワーをカミングアウトするケースは初めてとなります。2003年の映画「X-MEN2」(ディズニープラスで視聴)ではアイスマンことボビーがカミングアウトしましたが、両親は恐怖し、兄弟は警察に通報する様子が描かれていました。

カマラの告白が家族に受け入れられた事は素晴らしいことですが、ミュータントである事が発覚した娘と息子を守るために逃亡生活を強いられることになった家族を描いたX-MENドラマ「ギフテッド」(ディズニープラスで視聴)のように、政府がカーン家を狙うようになる展開も考えられるかもしれません。

母からのコスチューム

過去のMCUドラマの傾向からコスチュームの衣装が最終話になろう事は予測されていましたが、今回のエピソード6冒頭にて母ムニーバお手製のコスチュームをもらいました。

4話で登場したトフィーの箱に入っていたのは、カリームの赤いスカーフ、ワリードからもらった青いベスト、カマラの壊れたネックレスなどの要素が組み合わさり、コミックのミズ・マーベルを再現したデザインの衣装でした。

©MARVEL,Disney

なお、コミックではブルキニ(イスラム教徒が使う水着)を元にしたデザインとなっています。

↓ブルキニ参考映像

モスク

モスクに逃げ込んだブルーノとカムランでしたが、「ここは聖域だろ?」と考えるブルーノに「アメリカのモスクが?」とナキアは反論します。

これはアメリカだけでなく日本においても、フィクションではなく現実でもイスラム教徒はテロリストという偏見のもと、違法な捜査で監視されていました。その上東京高裁は「やむを得ない」としてムスリム原告らの主張を排斥しています。

ブルーノも一般的なアメリカ人の意識を代表するかのようにモスクは安全と考えていたようですが、ナキアは現実と同じようにマーベル世界でもモスクが安全ではないことを指摘し、高校へ逃げるように提案します。

間髪入れずに強制捜査に訪れたディーヴァーたちは、前回「土足厳禁」である事を注意されたことを無視し、モスクに乗り込んでいきます。シャイク・アブドゥラは「神が私のそばにいなくても、私が神のそばに。神はいつでも正しいのだから」とリンカーンの言葉を引用するも、ディーヴァーは「コーランを聞いている暇はない」と勘違いして偏見と無知を表現しています。

変装の定石

MCUで変装といえばS.H.I.E.L.D.製のナノマスクよりもキャップをかぶること。

かつてはスティーブ・ロジャースとナターシャ・ロマノフがS.H.I.E.L.D.(H.Y.D.R.A.)から逃げる際にもキャップで誤魔化し、キャロル・ダンヴァースがペガサス計画の基地に潜入する際にもフューリーからキャップが渡されました。

今回はシャイクがブルーノとカムランに「ハラム」と「ハラル」と書かれた帽子を手渡しています。ブルーノに渡されたのは「ハラム」と書かれた帽子で、これはイスラムの教義に則って「禁じられているもの」という意味、そしてカムランがかぶっている「ハラル」は「許されているもの」という意味になっており、ブルーノがイスラム教徒ではない事への暗喩となっています。

レッドダガーズ

カムランの保護をカリームに頼むカマラですが、その着信の直前のシーンでカリームは地図を見ています。

この変わった地図のレンズが示している場所はエピソード4でワリードが見ていた場所とは変更されており、今後の伏線となっている可能性が考えられます。

©MARVEL,Disney

レッドダガーズの任務は「敵から仲間を守ること」と説明されていましたが、5話でカムラン以外のクランデスティンが退場した事を考えると、「敵」とは何かという疑問が浮かび上がります。

レッドダガーズがアイシャを伝説的存在としている事と、5話でアイシャがダガーでイギリス兵を撃退していた事を考えると、この組織はアイシャが創始者である可能性も囁かれています。しかしアイシャがナジマとの対立を明確にしたのは死亡する前日であり、それ以前から組織を準備していたとするとそこに十分な理由があまりありません。

このあたりは「ミズ・マーベル」シーズン1では詳細に描かれなかった部分で、今後の展開に期待です。クランデスティンにはまだ生き残りがいるのか?それとも別の敵が存在するのか?カリームは地図を見ながら何を考えていたのでしょうか。

計画

学校に逃げ込んだカマラたちはナキアと合流。さらにTiktok撮影をしていたというゾーイも合流。1話ではナキアが「フォロワー10万人越えてから性格が最悪になった」という紹介をしていましたが、ダメージコントロールの聴取でナイトライトの正体を明かさなかったりと、いい友達であることが証明されています。

「計画はこう!」と1話のアベンジャーズコン参加作戦と同様の入り方で、対ダメージコントロールの戦略会議を始めると兄のアーミルも登場。これは2話の記事でもお伝えしたように、コミックのアーミルはカマラのデートにもついていくような人物である事を表現しているようでもあります。

突入許可

ディーヴァーが高校への突入許可を求めるのに対して、上司であるクリアリーは慎重な姿勢を見せます。というのもマスコミの目を非常に気にしており、それが理由で許可はおりません。

政府機関がヒーローやヴィランといった能力者と渡り合うには世論もまた大切です。世論からの避難を受ければ組織活動の維持は困難になっていくのは明白だからです。

クリアリーやディーヴァーがいかなる事情で能力者を目の敵にしているかはまだ描かれていませんが、ディーヴァーがこういった原理にまで考えが及んでいないということは、単純に浅はかなキャラクターなのか、あるいは目標以外が見えなくなるぐらい怒りや恨みといったネガティブな感情に支配されているのかもしれません。

ゾーイの能力

子供の考えたトラップという意味では「ホーム・アローン」を彷彿とさせながら、突入してくるダメージコントロールを撃退するカマラたち。しかしそれはメインの対抗策ではなく、ここの主役はゾーイでした。ゾーイはこの様子をライブ配信し、市民を味方につけていきます。

これは他のメンバーにはない、ゾーイだけのスーパーパワーです。

分身の術

カムランたちが同じキャップとパーカーを着用している事が原因で、バリーは「やつは分身の術を?」と困惑しています。コミックには分身の術を能力とするマルチプルマンというミュータントが存在し、X-Factorとして活動しています。

求めるものは自ずとやってくる

カマラとカムランが逃げ込んだ部屋は1話でも登場したゲイブ・ウィルソン先生の部屋。1話では現実を見るようにアドバイスをされましたが、当時ヒーローになることを夢見ていたカマラは4話、5話で言及された「求めるものは自ずとやってくる」の言葉どおり、ヒーローとなってこの部屋にもどってくることになりました。

ダメージコントロールとの対決

カマラのヌールの盾によって銃弾が無力化される事を理解したディーヴァーは、音波兵器を用いて鎮圧に乗り出します。映画「インクレディブル・ハルク」で登場した音波兵器はスターク製のものでしたが、今回登場した機器にロゴは確認出来ません。

暴走するカムラン

カムランが暴走し、現場に集まっていた市民たちの目は状況を悪い方へと向かわせる事をよぎらせます。

過去には「ブラックパンサー」でティ・チャラがユリシーズ・クロウを処刑しかけた所を配信されそうになったり、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではジョン・ウォーカーの暴走がライブ配信され、非難を浴びる事になりました。

しかしカマラが作り出したドーム状のシールドがカムランのパワーが市民に向かう事を防ぎました。嘆くカムランにナジマの思いを伝え、「どうすれば普通になれる?」と言うカムランに「普通なんて無いよ」と今回のエピソードのタイトルを回収します。

カマラは「与えられた力をどう使うかが大切」と付け加え、その力でカムランを逃します。

フィナーレ

事態が収束し、SNS上ではミズ・ナイトライトの話題で大盛りあがり。シャイクがいつからTiktokerなのかは不明ですが、ライブには1万4千を越えるいいねが付けられています。そしてルビーおばさんはそれを上回る2万6千いいねとなっています。

©MARVEL,Disney

ゲイブ先生は彼らに比べると駆け出しのようで300台におさまっています。隣の少年のアカウントが@MasterPaul616とここがEarth-616である事と関連付けられていますが、彼が何者かは不明です。

また、@TheRealGWW はコミック「ミズ・マーベル」原作者のひとりグウェンドリン・ウィローウィルソンさん。ゲイブ先生が1話のときにデスクに置かれたネームプレートにGWWと書かれていた事、アカウント名にGWWを使用している事に対抗しているのか、アカウント名に「Real」(本物の)と付けられています。

©MARVEL,Disney

そんな小ネタの多いTiktokを眺めていたカマラは正式な衣装を着た自分を見つめ直し、キャプテン・マーベルのコスプレをしていた1話からの成長を感じさせています。

ミズ・マーベル

何年も二人目の子供を授からなかったという父ユスフは、「カマラ」という名前がアラビア語で「パーフェクト」、ウルドゥー語で「ワンダー」や「マーベル」という意味だと告げます。そして「昔からお前は驚くべきミズ・マーベルだった」と言われ、父の言葉でヒーローネームの決定に至りました。

突然変異

アーミルが妹のスーパーパワーに嫉妬して自分にも力がないか調べてほしいと頼んでいたのは面白いですが、ブルーノはその調査の結果、カマラの遺伝子が他の家族とは異なっていると報告します。

このとき、英語では「like a mutation(突然変異のようなものだ)」という言葉が用いられ、BGMには「X-MEN’97」のテーマのワンフレーズが使用されています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-ms-marvel-kamala-khan-dna/”]

つまり、カマラ・カーンがミュータントである可能性を示唆しているわけですが、これについてコミック「ミズ・マーベル」の原作者サナ・アマナトさんは海外メディア Empire Magazine とのインタビューで次のように語っています。

私たちは、以前からこの展開について話してきました。2012年か2013年、G・ウィローと私がカマラのキャラクターについて考えていた時、元々はカマラをミュータントにしたかったんです。だからこそ、今回の展開が実現しました。

コミックのカマラはインヒューマンとして能力を獲得していますが、そもそもそれ以前にはミュータントとしてのデビューが計画されていたようです。

2012年といえば映画「アベンジャーズ」が公開されたころで、この時代、ミュータントの権利は20世紀FOXが持っていました。新ヒーローのコミックデビューにあたって、勢いのある実写シリーズを意識するのは当然のこと。しかしミュータントとして描けばMCUには登場出来ないのは明白でした。おそらくはこういう理由でカマラはインヒューマンとしてデビューする事になったのではと推測出来ます。

しかし後に状況は変わり、ディズニーがFOXを買収したことで「X-MEN」や「デッドプール」などがMCUに組み込まれることになり、「ミズ・マーベル」実写化のタイミングで本来のプランであったカマラ=ミュータントに舵を切り直した可能性があるようです。

ただし、アマナトさんは同インタビューで「では(MCUの)カマラはミュータントですか?」という質問に対し、「それはまだ分かりません。それは分かりませんよ、みなさん!私が分かっていることと今言えることは、私たちがミューテーションという言葉を使ったということだけです。ミューテーションという言葉の大ファンとしては、多くの優れたストーリーテリングの扉を開くことになると思っています。」と今後に期待して欲しい旨を述べました。

キャプテン・マーベル

映画「ザ・マーベルズ」のためにキャロルのシーンがあるだろうと考えられていたクレジットシーンですが、ファンの願い通りキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァースが登場しました。

初期のコミックではカマラがキャロルに「変身」したこともありますが、このシーンは「変身」ではなく居場所を交換したとプロデューサーが説明(from Variety)しています。

2話の記事でマーベルのバングル系アイテムについて少し解説しましたが、コミックのネガバンドはキャプテン・マーベルとサイドキックのリック・ジョーンズの位置を交換したことがあり、今回のシーンに似ていると言えます。

一方でカマラがヌールのエネルギーを視覚化、固定化する様子はクアンタムバンドのようでもあり、MCU版ではふたつのバングルを融合させている可能性も考えられそうです。あるいは片側がネガバンドとして効果を宿し、もう片側がクアンタムバンドとして機能しているかもしれません。

また、キャプテン・マーベルのコスチュームデザインが初期の頃に近くなっています。

「キャプテン・マーベル」の頃は首元から鎖骨下、肩部分が赤色でそれ以外が青を基調としており、これはモニカ・ランボーがデザインしたものでした。「キャプテン・マーベル」のポストクレジットシーンではフューリーのポケベルによって地球に戻ったキャプテン・マーベルがほんのすこし描かれ、肩の部分が金色になっています。

その後、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の決戦や「シャン・チー/テン・リングスの伝説」では主に赤と青の配色が逆になったデザインになっています。

ドラマ「ワンダヴィジョン」でモニカがキャプテン・マーベルの話題に対して見せた不満そうな表情が配色の変更によるものかどうかは不明ですが、「ザ・マーベルズ」でモニカが元のデザインに戻した可能性もあるのでしょうか?

残された謎

展開的には清々しい終わり方でしたが、置き去りになっている謎もいくつか存在しています。

・カマラが初めてバングルを装着したシーンで垣間見た人たちはヌールディメンションで今なお生活している人たちなのでしょうか?

最終的にヌールディメンションが正確に描かれる事がなくシーズン1が終了となり、クランデスティンの世界について詳しく知ることは出来ませんでした。

・アイシャやナジマたちクランデスティンはなぜ追放されたのでしょうか?

こちらも不明のままで、クランデスティンもほとんど退場していまい、知る機会がなくなった可能性も高そうです。

・「寺院から来た男」は何者で何を知っていたのでしょうか?

アイシャたちがバングルを発見した場所にテンリングスの紋章があった事から、シュー・ウェンウーの事を指している可能性が高そうですが、彼がバングルの元へクランデスティンを案内する理由があまりありません。その時点でヌールディメンションに世界が侵食されていた可能性があり、ウェンウー自体は世界の破滅を企んでいたわけではないので、バングルの詳細について知らなかったか、そもそもウェンウーではない可能性も十分ありそうです。

・レッドダガーズの敵とは誰なのでしょうか?

クランデスティンはカムランを残して全滅しているような描写ですが、レッドダガーズは活動を続けている様子です。カムランを保護した以上、残された脅威は一見なさそうですが、生き残りや別の敵について今後言及されるのかもしれません。

・ダメージコントロールの目的は?

今のところ組織の全体像が見えず、クリアリーやディーヴァーが個人的な理由で動いていたのか、組織として何らかの任務をおっているのかが不明です。「ワンダヴィジョン」で未だに効力がある事が判明したソコヴィア協定もそうですが、ミズ・マーベルに捜査の手が伸びて、キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンや「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で街中で大立ち回りしたドクター・ストレンジ達がお咎めなしだとちぐはぐ感が出てきてしまいます。このあたりも今後言及されていくのでしょうか?


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

イマン・ヴェラーニさんがMCU版「ミズ・マーベル」はX-MENの市来久子にインスパイアされていると明かす

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」の主演を努めたイマン・ヴェラーニさんが、RedditAMA でのファンとの交流の中で、MCU版のミズ・マーベルがX-MENのアーマー/市来久子(イチキ・ヒサコ)を元に構築されている事を明らかにしました。

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イマン・ヴェラーニさんはRedditに「X-MEMのアーマーからヒントを得たのは確かで、エネルギーの波動が彼女を保護する層として取り囲んでいると考えるのが好きです。カマラがガラスのように感じているとは思えません。」とコメントしました。

アーマーこと市来久子はその名の通り日本生まれのミュータント。2004年に発刊されたコミック「Astonishing X-Men Vol 3 #4」でデビューした彼女は、エマ・フロストとサイクロップスが再建した学園への新入生としてデビューしました。

©MARVEL,Disney

新入生の中心人物として活躍したヒサコはX-MENに抜擢され、その後もハウス・オブ・Mやウルヴァリンとの任務、クラコアの創設など、ミュータントのエピソードに関与し、ジーン・グレイ学園の教師としても活動しています。

そのヒサコの能力がフォースフィールドによるサイオニック・エクソスケルトン・アーマーを纏う事で、この特別な鎧により超人的な耐久力と腕力を獲得します。イマン・ヴェラーニさんはこれを元に、エピソード6のカマラの能力が描かれていると説明しました。

XMENVOTE2021では6位になるなど、一定のファンを獲得しているアーマーですが、これによって海外のアーマーのファンはMCUでの席がミズ・マーベルに奪われてしまった可能性を懸念しています。もちろん日本のマーベルファンにとっても、日本人キャラクターがソーやハルクたちと肩を並べる所は見たいものであり、この事実がこの先どう転んでいくかは要注目となりそうです。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、プロデューサーがカマラのDNAの秘密はケヴィンの発案だと明かす

ディズニープラスで配信中のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」エピソード6の終幕で突如明かされたサプライズについて、プロデューサーのビシャ・K・アリさんはこれがマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長のアイデアによるものだと、marvel.com とのインタビューにて明かしました。

※これより先は「ミズ・マーベル」シーズン1のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

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アリさんは「それは(ショーの)最初から決まっていた事ではありませんでした。」と、この展開は予想していなかったものであると前置きしつつ、「彼らは私に、そして私だけに(最後のエピソードの)ドラフトを送ってくれました、そして私はびっくりしました。私はすべて大文字でケヴィン・ファイギに電子メールを送りました。私は、『これを本当にやるんですか?本気ですか?とても光栄です!』と、メールで彼に怒鳴りつけたようなものでした。私はびっくりしていました。これは世界最大の切り札であり、私たちのショーでこれが起こっているという事実はクレイジーです。」と語りました。

エピソード6「ノーノーマル」の終盤、ブルーノはカマラにDNAの検査結果として他の家族と違っている事を明かし、「like a mutation(突然変異のようなものだ)」と説明しました。これはX-MENたちミュータントと同類であることを示しているようでもあり、このシーンのBGMには「X-MEN’97」のテーマ曲をアレンジしたバージョンが採用されています。

シーズン1ではカマラ・カーンがコミックのインヒューマンであるという設定とは異なり、クランデスティン(ジン)の血を引くものとして描かれてきました。これは母方の血統として描かれてきましたが、今回のシーズンでは父方の血統については特に触れられてきませんでした。

今回のサプライズにより「カマラ=ミュータント」として単純に扱って良いものかどうか、まだ判断が難しい所で、アリさんが説明したようにこれがケヴィン・ファイギのプランである以上、すでにカマラの起源についての計画は彼の頭の中に収まっていると考えられます。

その秘密について、カマラの次の舞台である映画「ザ・マーベルズ」や、計画の有無は不明ですが「ミズ・マーベル」シーズン2などで明かされていく事になるようです。

カマラはミュータントなのか、それともまた異なる何かなのか、今後の物語には要注目です。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中です。

ソース:‘Ms. Marvel’: What Kamala Khan’s DNA Reveals About Her Genetics

ドラマ「ミズ・マーベル」、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年7月6日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード5「Time and Again(邦題:時を超えた絆)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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インド・パキスタン分離独立

4話のラストでカマラ・カーンがタイムスリップした1947年。この年の8月14日と15日にかけて行われたインド・パキスタン分離独立のニュース映像が流れ、アナウンサーはこれが血に塗れていると紹介します。

1947年はマーベルの時系列でいうと映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の少しあとで、ドラマ「エージェント・カーター」のシーズン2の舞台の頃にあたります。

ニュースはこの騒乱を理解するには発端となった1942年まで遡る必要があるといい、映像は史実からフィクションへと切り替わっていきます。

1942年はここでのニュース映像にも登場しているインド国民会議派のガンディーやネルーといった人たちが、反英闘争を開始した年。ここからスタートして5年後に独立を果たしますが、途中には日本政府と旧日本軍も大きく関わっています。ここですべてを紹介する事は出来ないため、興味のある方は以下の参考リンクなどをご参照ください。

 

カメラがカマラの曾祖母アイシャに切り替わると、3話の冒頭シーンでバングルを見つけたあと、ナジマ達と離れ離れになり、イギリス兵に追われていた事がわかります。追手を投げナイフで黙らせた所でミズ・マーベルのタイトルロゴがウルドゥー語やヒンディー語など様々な言語で表示されます。

この中のひとつは今回のエピソードで登場するカマラの曽祖父にあたるハサンが提出したと思われる定住カードが表示され、妻と子供がいる事が表記されています。

©MARVEL,Disney

この書類のインデックスは0012になっており、コミック「ミズ・マーベル #12」でカラチに向かうエピソードが描かれていた事を参照しているようです。

曾祖母アイシャと曽祖父ハサン

イギリスからの独立を目指すスピーチをするのはハサン・カーン。演じているのはカラチ生まれの俳優・歌手として活動しているファワード・カーンさん。奇しくも同じ名字です。

イギリス兵に追われていたアイシャは警戒心丸出しで愛想が悪く、お世辞にもいい出会いではありませんでしたが、日が沈み、お腹も減った所でハサンの厚意に甘えることにするアイシャでした。

ここで登場するパラタは昨今日本でも市場に出てきている食べ物。パイ生地とパンあるいはナンの間と表現される事が多く、ギー(バターオイル)が塗り込まれているため風味がたっぷりの食べ物です。

「出来立てのパラタの匂いにそそられないなんて、本当にこの世界の人間なのか」と鋭い突っ込みをするハサンを前に、無言で手を伸ばすアイシャでした。

求めるものは自ずとやってくる

「君を見ると大好きな詩を思い出す」とハサンが詩を読み上げると、その一節には「求めるものは自ずとやってくる」という言葉。これは前回のエピソードでレッドダガーズのワリードがカマラのバングルに彫られていると言っていた言葉です。

その後、「気が変わった」というアイシャとハサンは愛し合い、カマラの祖母サナが生まれ、1947年の分離独立のときが迫ります。

ナジマとの再会

とある夜、ナジマがアイシャの家を来訪し、「計画通り一緒に故郷(ヌールディメンション)に帰ろう」と迫ります。「バングルは安全な場所に隠した」と嘘をつくも「明日の日没までに取ってきて、みんなで帰ろう」という流れに。

ワリードの説明では、バングルを使ってヌールディメンションに帰るためには、この世界が消えてしまうとの事でした。アイシャもこの事を知っていたのか、この世界で愛するものを手にしてしまったアイシャは「私はいいから先に帰って」とバングルを渡すわけにはいかなくなりました。

サナを救った星

「突然星が現れて父の腕の中に戻してくれた」とこれまでのエピソードの中で明かされていたサナの物語ですが、サナを救ったのはカマラ自身でした。カマラのパワーで作り出された足場が砕けた残骸が星のようにキラキラと舞い、サナを父の元へと届けたのでした。

4話はカラチの周辺で展開されていましたが、この駅はカラチに向かう列車が出発する駅なので、地図的にもある程度離れた距離から呼び出された事になります。

分離独立を描いたミズ・マーベル

4話と5話の撮影を担当したシャーミーン・オベイド=チノイ監督はカラチ出身の監督で、東南アジアで撮影されたこのエピソードは「西洋人が知らないことに触れていく」と配信前の制作陣インタビューにて語られていました。

また、ハリウッド作品として初めて分離独立を正しく描いたものとし、パキスタンではディズニープラスシリーズで世界初となる劇場上映が行われています。

ヴェール

過去から戻ったカマラの眼前にはヌールのヴェールが開いていました。ワリードが説明していたヌールディメンションとこの世界を隔てている存在です。

ヴェールを見たクランデスティンのファリハが「これで故郷に帰れる」と手を伸ばすと光に触れた瞬間にファリハは黒く結晶化し、次の瞬間には白骨となりました。

ドラマ「エージェント・オブ・シールド」においてインヒューマンがテリジェンミストを浴びた際にも黒くなり、選ばれたものは能力が覚醒し、選ばれなかったものは砕けていたのと似た描写になっています。

これを見てもひるむことなく、「私なら通れる」とチャレンジしようとするナジマ。しかしカマラの呼びかけが功を奏し、帰るのを諦め、生命と引き換えにヴェールを閉じました。息子カムランを見捨ててきたナジマでしたが、アイシャがサナを愛していたように、この瀬戸際で息子のために世界を残すほうを選んだという事でしょうか。

そしてヌールがカムランの元へと届き、コミックのカムランのようなカラーの結晶をまとう様子が描かれています。

それぞれの絆

ムニーバとサナが登場し、修羅場の最後を目撃してしまった母は「あなたがライト・ガールだったの?」と困惑しています。カマラのヒーロー姿の通称はナイト・ライトですが間違って覚えている様子。

サナはカマラの力を見ても「あの時助けてくれた!?」とはなりません。時が経ちすぎたのでしょうか。

そしてカマラはカリームから赤いスカーフを受け取り、ムニーバが拾った壊れたネックレスがコミックのミズ・マーベルのシンボルマークになっていた事から、ようやく正式なコスチュームの要素が揃いました。アベンジャー・コン用のハルクの衣装を作ってくれたように、ムニーバが作ってくれるのか次回に期待です。

©MARVEL,Disney

サナの邸宅に戻った三人は昔のアルバムを見ながら、サナはムニーバが「ブルース・スプリングフィールド」の追っかけだったと話していますが、これは「ブルース・スプリングスティーン」と勘違いしているのでしょうか。

ブルース・スプリングスティーンさんは2021年に全米で最も収入を上げたミュージシャンとなっており、5億9000万ドル(約670億円)の収入でその大半は原盤権と音楽出版権の売却によるものと報じられていました。

ムニーバは自分がナイト・ライトをライト・ガールと間違えて覚えていることを棚にあげつつ、そもそも追っかけしていたのは「ボン・ジョヴィ」だとサナが二重の間違いをしている事を突っ込みます。結局のところ、どこの国でも母親はこういう間違いをするようです。

祖母と母、そして母とカマラというそれぞれの母娘はアイシャとバングルのお陰でようやく分かり合える時を迎えることが出来ました。

カムランとブルーノ

カマラたちが楽しくやっている頃、ダメージコントロールに追われるカムランはブライアンことブルーノが住んでいるサークルQに。二人だけのぎこちない空気に「最初の出会いからやり直そう」とのカムランの提案が功を奏し、ブライアンではなくブルーノだという事がようやく伝わりました。

ブルーノがおばあちゃんの作りおきのラザニアを勧める中、ダメージコントロールのドローンが窓の外に登場。カムランがパワーで撃退するもミサイルが発射され、サークルQが大破して今回のエピソードは終了しました。

超人を制圧するためなのか、かなりの殺傷兵器を装備しているようです。

残された謎

MCUでは映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」やドラマ「ロキ」でタイムトラベルに関する話がありましたが、今回は直球でタイムパラドックスを放り込んできました。サナが父と合流出来たからカマラが生まれているわけですが、その手助けになったのはカマラ自身でした。

そしてクランデスティンはカムランを残してすべて退場し(明確に死亡したか不明な人物もいますが)、ヌールやヌールディメンション、そしてアイシャたちが追放された理由などはほとんどわからず終いでした。

これらに関して詳しそうだったワリードも退場していますが、レッドダガーズには彼らジンに関する資料などがあるのかもしれません。ただし次のエピソードは再びニュージャージーに戻ると考えられ、これらについてレッドダガーズから解説を期待することは出来そうもありません。

また、ナジマたちはカマラをゆっくりと言いくるめてバングルを借りても良かったように感じますが、計画を急いだ理由についてカムランが聞かされている事に期待するしかありません。

そして最も気になるのは、結局のところナジマたちが帰る方法としてこれが正しかったのかということ。2つあるはずの腕輪が1つしか準備出来ていない事が問題なのか、2つあったとしても帰る方法として適切でないのか、真相は不明です。クランデスティンの話だと片方はイギリス軍が持ち去ったとの事で、軍からSSRを経てその後のS.H.I.E.L.D.が「084」として管理していた可能性もあるかもしれません。

「寺院から来た男」は何者で何を知っていたのか、次回で明かされるのか、それとも別の作品に持ち越される謎なのか、来週の最終話には注目となりそうです。しかしそのほとんどは映画「ザ・マーベルズ」や「ミズ・マーベル」シーズン2などに持ち越されるような気配も・・・。

そして、ナキアとの関係修復にも期待されます。


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2022年7月13日16時 より配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、4話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年6月29日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード4「Seeing Red(邦題:レッド・ダガーズ)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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カラチ

前回のエピソードの最後に言われた通り、祖母サナの待つカラチの街へと飛ぶカマラと母のムニーバ。コミックの「Ms.Marvel #12」でもカラチ旅行をして、レッドダガーと出会うエピソードがありますが、その詳細はまったくの別物です。この号は記事執筆時点現在で無料で公開されています。

コミックでは、カマラは、彼女の憧れであるキャプテン・マーベルと対立したシビル・ウォーのストーリーの出来事の後、カラチに向かいます。スーパーヴィランとの戦いで負傷したブルーノがワカンダの学校で奨学金を取得することを決めたため、カマラもカラチに向かいました。

アメリカでは学期中に家族旅行に行くことは珍しくなく、それが教育目的であると認められればそもそも欠席扱いにもならないそう。

約30時間の飛行機旅のワンシーンでは、カマラが前回のエピソードで兄の結婚式を台無しにした事で喋ってはいけないお仕置きを課せられている事が判明します。しかし、祖母に会いに行くためのこの旅行の間、その措置も解禁されるようです。

ジンナー国際空港に到着して最初に出迎えてくれたのは「チャチャおじさん」の子供たち、つまりいとこにあたるザイナブとオワイス。ザイナブはカマラの事を「相変わらず小さい」といじってきます。

カマラを演じるイマン・ヴェラーニさんの身長はプロフィールによると5′ 6″ (1.68 m)、コミックのカマラは5′4″ (1.63 m)、日本人感覚でいうと十分背が高いように思えます。ちなみに国別男女別の平均身長を調べられるサイト AVG.HEIGHT によるとパキスタン人女性の平均は1.585メートルとなっています。ザイナブの好みの身長に比べて低いという意味かもしれません。

祖母に何があったのか

空港に到着した正確な時間は不明ですが、車に乗って祖母の家についた時にはすっかり明るくなっています。空港からは遠い場所なのでしょうか?出迎えてくれた犬のマグナムはMCUオリジナルの犬です。

サナはカマラに「ジンは単なる遺伝、あなたはどうでもいい事にこだわりすぎる」とカマラに語りかけ、これまでのエピソードで少し紹介されていた分離独立の日に「バングルによって生命が救われた事」、「突然星が現れて父の腕の中に戻してくれた」と明かします。

これまでは星に導かれてという説明がされていましたが、サナの説明では突然星が現れてという言い回しになっているのが気になる所。多くのMCUファンは最近星をよく目にしているわけですが、何か関係があるのでしょうか?

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ナキアとの関係

祖母との話を終え、ベッドに転がったカマラはスマホを確認。しかし、ナキアからのメッセージはありません。

カマラは機内でも謝罪と共に「お願いだから返事して」と送っていますが、3話のラスト以降まったく連絡が取れていないようです。

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ボートクラブでのランチ

アベンジャーコンで買ったと思われるTシャツに着替えたカマラはいとこのザイナブとオワイス、そして母のムニーバと共にランチにお出かけ。しかしジーンズを履いていった事でドレスコードに引っかかり、入店させて貰えませんでした。

劇中では笑い話のようになっていますが、お隣のインドではジーンズを履く女性を嫌う傾向があり、2021年にも17歳の少女がジーンズを履いたことで親族に撲殺される事件(事件の詳細はBBCにて)があったため、服装には気をつけなくてはいけません。

カマラが顔をしかめて食べているのはパニプリ。ヒンディー語で聞いても英語で聞いてもパーニープーリーと聞こえますが、日本語ではなぜかパニプリ。

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カマラの指先にあるボール状のものがプーリーで小麦粉を揚げたもの。ジャガイモ、玉ねぎ、ひよこ豆などの具材を入れる場合もありますが、この店のプーリーは生地だけのシンプルなものの様子。

そして奥の器に入っているであろう液体がパーニー。パーニーは水とタマリンドやチリパウダー、チャートマサラなどを混ぜ合わせた液体で、辛いものと甘酸っぱいものの2種類が主流との事。

プーリーにパーニーを注いで一口で食べるあちらでは一般的なスナックで、屋台などで売られています。

カマラが食べたのは辛いタイプのパニプリのようで、辛いものが苦手なのも判明します。

街の案内

食後にザイナブとオワイスが街案内をしてくれますが、歴史の説明もアプリを読み上げているだけのイマドキの若者と言った描写。いとこが「最も古いカラチの住民」が住んでいる建物を紹介した際には、「フロリダ的な?」と歴史ジョークでかえすカマラですが見事にスルーされてしまいます。

北アメリカの先住民族であるネイティブ・アメリカンの祖先が約14000年以上前にアジアからアメリカ大陸にわたったとされ、最初に住み着いたのが現在のフロリダ半島にあたっていると言われている所から来る、カマラの渾身のボケでした。

その後はショッピングを楽しむシーン。500ルピーで赤い服をすすめられ、300に値切ろうとするカマラ。500パキスタン・ルピーは執筆時点のレートで約300円とお求めやすい価格。それに比べると勝手に撮影されて売りつけてくる写真の1500ルピーはなかなかのぼったくり感となっています。

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なお、写真店の屋台にはおなじみになりつつある無料コミックのQRコードつき。読み取りが上手くいかない方や面倒な方はこちらをクリック。今回はカマラがカラチに旅行にいく「MS. MARVEL (2015) #12」です。

写真を買うことを条件に駅までの道を尋ねるカマラでした。

カラチ駅

有料の道案内にしてはかなりの雑さでしたが、問題なく到着出来たカマラ。ざっと見て回っても特にめぼしいものはなく、ブルーノにもらったマスクを着用して立入禁止区域に侵入。

進んだ先にはアントマンのウォールアートがあり、左下には「You can start small and still be larger than life.(小さくても偉大になれる)」と書かれており、いとこに「相変わらず小さい」をからかわれた事を思い出させます。また、「カラチ × アベンジャーズ シリーズ パート4」とも書かれており、パート3までのアートが気になる所です。

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この文章にクレジットされているエイドリアン・アルフォナさんは「ミズ・マーベル」のコミックアーティスト。SAIRA HUSSAINさんが何者かは分かりませんでした。

謎の人物との戦い

突然飛んできたダガーをきっかけに始まる戦闘。ヌールで応戦するカマラを見て、少年は「仮面のアメリカ人はみんな超人なのか?」と質問、しかしカマラは「カナダ人かも知れないでしょ」と返しています。カマラを演じるイマン・ヴェラーニさんはカナダ人であり、出会って数分で見極めることが難しいのは間違いありません。

「そのジャンプの仕方、どこで勉強したの?ニンジャ・タートルズ?」、「そっちはドンキーコング?」とお互いの師匠について挑発し合う中、アイシャのバングルのおかげで休戦に。

ニンジャ・タートルズは正式には「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」で、ミラージュ・スタジオから1984年に出版されたアメコミで今なおつづくシリーズです。

しかし、このコミックはティーンエイジャーのミュータントたちが登場するマーベルの「ニュー・ミュータンツ」と、忍者集団が登場する「デアデビル」のミックスパロディとして始まっており、敵の忍者がザ・フットと名付けられているのも、デアデビルに登場するザ・ハンドが元ネタになっています。

そのため、MCUにニンジャ・タートルズというコンテンツが存在しているとなるとその元ネタになっているニュー・ミュータンツやデアデビルが昔からあったと認めざるを得なく、ちょっとしたプロットホールと言えそうです。

騒ぎを聞きつけた警備員が迫ると、少年は「Come wuth me if you want to live.」と決めていますが、これはターミネーターの名台詞。1作目ではカイル・リースがサラ・コナーに、2作目ではT-800がサラ・コナーに対して使いました。

「ミズ・マーベル」の日本語吹替では「ターミネーター」と一字一句同じではないため名台詞感はありません。

この年齢でこの名台詞を「一度言ってみたかった」とは彼も相当な映画オタクと考えて良さそうです。

レッドダガーズ

A.B.C.中華料理店へと逃げ込んだ二人。中華料理の店名としては珍しい感じですが、何を意味しているかはちょっとわかりません。ドラマ「エージェント・オブ・シールド」などを制作したABCへのリスペクトなのでしょうか?

厨房の仕掛け扉をくぐると「レッドダガーズへようこそ」と秘密基地へと招待されました。少年の名前はカリーム。

酸辣麺の赤さが気になるカマラに「アメリカ人は中国料理まで漂白(whitewash)すんのか?」と映像作品におけるホワイトウォッシュ問題についてちくり。最近ではアメリカ・チャベスに関してソーチー・ゴメスさんの起用がホワイトウォッシュだと言われた事もありました。

ボスらしき人物ワリードによると、「何百年も前から活動している」との事で、任務は「見えざる者たちから仲間を守る」事。また、クランデスティンは「君が知っているような物語に出てくようなジンとは違う」事も明かされました。

そしてクランデスティンはヌールディメンションの存在であり、ヌールの世界は私たちの世界と繋がっていると説明します。二つの世界は共存しているものの、ヌールのヴェールによって隔てられており、バングルの力でヴェールが破られたらクランデスティンの世界が押し寄せると衝撃の発表。

イメージ的には「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のインカージョンと似ており、ミズ・マーベルが初戦で背負うリスクとは思えないぐらい大きい話になってきました。

気になるのはカリームやワリードが「ヌールを感じる」という点。ドラゴンボールの気のような概念で、修行などで感じる事ができるようになるのでしょうか?

カリーム

原作ではヴィジランテとして単身活躍するキャラクターでヒーローネームがレッドダガー。ですが、MCU版では組織名であり、組織の戦士の称号となっているようです。

コミックのカリームはカマラの祖母と一緒に暮らしており、カマラは以前から面識がありましたが彼がレッドダガーである事は知らされていませんでした。カリームはいわゆる特殊能力は持っておらず、ストリートレベルのヒーローです。とはいえ、ネットでパルクールをマスターするなど、アスリート超級の身体能力を持っている事は間違いありません。

キャラクターの外観はコミック版と近く、再現度の高いものとなっています。

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ダメージコントロールの最高レベル警備刑務所

一方その頃、クランデスティンは刑務所に。このタイミングでダメージコントロールに刑務所施設があることが初めて明らかになりました。コミックのダメージコントロールも映画「スパイダーマン:ホームカミング」で紹介されたように物的損害の修復を担当する機関でしたが、MCU版はなにやら業種を拡大している様子です。

今回紹介された刑務所の外観は、ドラマ「シーハルク」のトレーラーに出てきた建物を一致しており、同一の可能性があります。

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しかし、クランデスティンが捕まったのは東海岸のニュージャージーであり、「シーハルク」の舞台は西海岸のロサンゼルス。刑務所の所在地はどこに設定されているのか今の所謎な部分です。

また、「シーハルク」のトレーラーからこの建物にアボミネーションが収監されている事も予想出来ますが、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で登場した海中刑務所ラフトでなく、ここに入れられているのも気になる所。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の5話ではドーラミラージュのアヨたちがヘルムート・ジモをラフトに連れて行ったため、あちらもまだ機能しているのは明らかです。新たな刑務所が必要なほどスーパーヴィランが増えているのでしょうか?

そして、最高レベル警備刑務所と紹介されたにも関わらず、その数分後にはクランデスティンが脱獄。彼らが脱獄できるならアボミネーションならもっと簡単に脱獄出来そうなものですが、彼が素直に反省しているのかどうかは「シーハルク」にてチェックです。

ビリヤニ

レッドダガーズの面々とキャンプファイヤーを囲み、ビリヤニをごちそうになるカマラ。

ビリヤニはイスラム教徒の結婚式でお祝いの食事とされているだけではなく、屋台などでも売られており国民食として幅広く愛されています。インドやその周辺国で食べられているスパイスとお肉の炊き込みご飯で、パエリア、松茸ご飯と並ぶ世界三大炊き込みご飯のひとつと称されています。

味付けにもバリエーションがあり、カマラは辛いかどうか警戒し、一口目を口にするまで勇気が必要でした。今回のエピソードは食事シーンが多く、飯テロ回となっています。

母と娘

一日掃除をしている様子のムニーバ。この豪邸なら致し方なしと言った所でしょうか。

大量のトフィーの箱に「なんで?」とサナに尋ねると、「あなたが帰ってきたときのために」と買い込んでいた事、そして帰ってこないせいでそのほとんどを食べてしまった事を明かしましす。

トフィーはバターと砂糖を高温で熱して作るお菓子で、冷めたあと、硬く仕上がるのが特徴です。発祥元であるイギリスやカナダをはじめとした、海外全般で愛されているお菓子です。

アメリカで一緒に暮らさないかと提案するムニーバですが、サナはムニーバが自分から離れていったと主張し、ムニーバはサナが変わり者だったせいで孤立したから変化を求めたと主張。サナは娘と話を分かち合いたかったとし、ムニーバは必要なのは物語ではなく普通の母親だったと、相容れません。残る2話で和解に至るのでしょうか。

ヌールのコントロール

別の日、レッドダガーズの秘密基地にてワリードがカマラにヌールのコントロール方法について説明をしています。これは3話でクランデスティンが説明したのと同じく、カマラの遺伝子とバングルの作用でこの世界でもヌールが操れる模様。

先日500ルピーで買った赤い服を着て練習するカマラに、ワリードは「自分のルーツを忘れるな。ひとりじゃない。」となにやら特別そうな青いベストをプレゼントします。ポスターに描かれたミズ・マーベルのコスチュームに近づいて来ましたがまだ及ばず、今回も最終話までお披露目がない可能性が高まっています。

襲撃

着替えの最中にクランデスティンが天井を破って襲撃してきました。なぜ場所がバレているのかは疑問な所で、ナジマがアイシャの行方を知らなかった事からバングルレーダーのようなものはないと推測出来ます。ヌールを使うだけである程度の位置がバレてしまうのでしょうか?

それと同じくらい気になるのが、脱獄犯が徒党を組んで飛行機で渡航出来てしまった事。彼らの中にテレポーターがいるとも思えませんし、謎が多い展開です。

とにかく謎の不幸が重なって追いかけられるカマラと巻き込まれた形のカリームとワリード。前輪だけで走る「ストッピー」を二人乗りでやるというカリームの凄腕バクテクニックを見せつつも、簡単には逃げられません。車両から放り出されてもヌールで着地の衝撃を抑えるのはキャプテン・アメリカの盾を彷彿とさせます。

路駐の車に乗り込んだ(無免許の)カマラは1話で兄アーミルから教わった「ビスマラー(ビスミッラー)」のおまじないを唱えながら発進。取り囲まれていたカリームを救いますが、窮地を脱するには至らず、クランデスティンの追手が迫ります。ナジマと対面していたワリードがカマラ達を追う敵にダガーを投げつけ二人を救いましたが、その隙を突かれ、命を落としてしまいました。

行き止まりに追い詰められ、ナジマの武器がバングルに当たった瞬間にまたもやヌールにつつまれ、目の前に列車を確認するカマラでしたが、それは単なるヴィジョンではありませんでした。屋根に登れる列車は実体のようであり、アイシャとサナがいたあの日にタイムトラベルしたと思わせて今回のエピソードが終了します。


カマラは駅でアイシャと直接話を出来るのか、大失態をおかしたダメージコントロールが残る2話で再び介入してくるのか、友人や家族との問題も手つかずのまま、次回へ持ち越しとなります。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第5話は 2022年7月6日16時 より配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」、物語後半は西洋人が知らないことに触れていくと制作陣が語る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」のサウンドを担当しているクリス・ジャイルズさんが、海外メディア The Direct とのインタビューの中で、残りのエピソードについて少し言及しました。

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ジャイルズさんは「ミズ・マーベル」が以前に担当していた「ワンダヴィジョン」とは全く別の方向性だと指摘します。

ワンダヴィジョンはMCUの一部として確立されていましたが、ミズ・マーベルは全く別の方向性なんです。なぜなら、コミックシリーズやすべてを追っていくと、それらは常にインスピレーションとして機能するからです。でも、それは良いことでもあり、悪いことでもあり、すべてを忠実に再現しているわけではありません。

また、ジャイルズさんはお気に入りのエピソードを聞かれると、「それは言えません。」と4話以降のエピソードなる事に触れ、「制作の舞台裏をしっているから称賛の気持ちでいっぱいです。しかし視聴者、特に若い層にどう響くかはまったくわかりません。」と不安も抱えている事を明かしました。

そして、残りのエピソードについて次のように言及しました。

私にとって目立ったのは、シリーズの後半です。なぜなら、多くの西洋人が存在にさえ気づいていないようなことに触れ始めるからです。ミズ・マーベルのコミックや関連作品を追っていけば、その一部を理解することができるかもしれません。でも、このメディアを通して語られる物語があることに、私はとても魅力を感じています。私にとってのバックストーリーは、キャラクターを成長させるのに役立つものなんです。というのも、マーベルは、キャラクターが育っていない、ただ閃光を浴びて、何かを吹き飛ばしているだけだ、などと批評されることが多いんです。特に、エピソード形式のストリーミングプロジェクトでは、多くのバックストーリーに肉付けをすることができます。だから、大きなスクリーンで彼らを迎えるときはいつでも、「ああ、こういう人物について調べてみたんだ、だからこの人たちは、私が善人だと思った人、悪人だと思った人の敵なんだ」とか、そういうことが分かるわけです。いや、本当に、本当にかっこいいものが出てくるんです。

そして、ジャイルズさんはエピソード4と5が東南アジアで撮影されたという話について、次のように語りました。

地球上の他の場所を訪れることは、いつだって素晴らしいことです。私たちは東南アジアの人たちと一緒に仕事をし、彼らがどのように世界を捉えているのか、私たちが一般的に世界を捉えているのか、また西洋文化がどのように根付いているのかを垣間見ることができました。それは私にとって、とても謙虚な経験でした。そして、私の世界を少しばかり広げてくれました。とても勉強になりました。とても素晴らしい旅でした。

「ミズ・マーベル」は予定されているエピソードの半分の配信を終え、残るエピソードではキーアイテムとなっている腕輪とカマラ・カーンの出生の謎について迫っていくと見られています。そしてクランデスティンの秘密や、テン・リングスとの関係性などにも注目が集まっています。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2022年6月29日16時 より配信予定です。

ソース:Ms. Marvel’s Chris Giles Teases Final Episodes’ ‘Dynamic’ Shift (Exclusive)

ドラマ「ミズ・マーベル」、3話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年6月22日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード3「Destined(邦題:宿命)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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青い肌のジン物

今回のエピソードは1942年のインドからスタートし、カマラの曾祖母アイシャと前回のラストで登場したカムランの母ナジマ、その他仲間たちがバングルを発見するシーンとなっています。

バングルは切断された青い腕から回収されました。MCUで青い肌といえば代表的なのがクリー人。

コミックのクリーはネガバンドと呼ばれる2つ一組の腕輪を開発した事があり、初代キャプテン・マーベルであるマー・ヴェルが装着していました。

一方でこの物語にジンが登場している事を考慮すると、この腕がジンのものなのかクリーのものなのか判断が難しい所です。ジンがクリーの変種である可能性もあるかもしれません。

余談ですが、青い肌のヨンドゥはクリー人ではありません。

テンリングス

バングルを回収したこの場所の足元には「シャン・チー/テン・リングスの伝説」に登場したテンリングスの紋章が刻まれています。

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シャン・チーの父でありテンリングスのボス、ウェンウーがどのように関わっていたのか、腕輪のルーツは同じなのか、とても気になる所であり、今後の注目のポイントです。

「寺院から来た男が言ってたでしょ」「ふたつ必要だって」という会話から察するに、ナジマたちの目的のためには腕輪はひとつでは足りないようです。そしてそのもうひとつはイギリス軍が持ち去ったという推論をたてています。

「寺院から来た男」はウェンウーの事を指しているようでもあり、アイシャたちとテンリングスはどのような関係にあるのでしょうか。友好的に許可を得てこの場所に入っているのか、無断で侵入しているのかも今のところ不明です。

なお、シャン・チーは続編とスピンオフの制作が発表されており、腕輪を巡る物語は長く続く可能性もありそうです。

ヌールディメンション

アイシャやナジマたちは他の次元から追放されてきたとの事。ヌールディメンションと呼ばれるその世界の住人はヌール(光の意味)の力で人間よりも長い寿命がある事が明かされます。

しかし、ナジマたちはこの世界で自身の内にあるヌールをうまくコントロール出来ない事、カマラはこの世界で生まれ、バングルによってヌールが引き出されてコントロール出来ている事などが新たに明かされます。そして、カマラと同じくこちらの世界で生まれたカムランも同様の可能性を秘めているとも語られ、コミックでカムランが能力を獲得している事を示唆します。

ヌールディメンションはコミックに存在しないため、考察の手がかりはほとんどありません。ヌールが光という意味である事から、コミックに存在するライトディメンションやその対になるダークディメンションなどは参考になるかもしれません。

追放されたナジマたちと追放した一派があるという事は、集団生活をし、法や秩序がある事は推測されます。

クランデスティン

ナジマたちは自らをクランデスティンという一族であり、ジンだと話しています。これはコミックに起源のある集団ですが、MCU版とコミック版ではかなり異なっているようです。

コミックのクランデスティンはアダム・デスティンという1100年代に十字軍の兵士だったイギリスの男とその一族の事。アダムは人間でしたがエラリスという名のジンによって不老不死の力を与えられ、やがて二人は結婚し、子供を産んでいきます。子どもたちは半分ジンの血を引いているわけですが、不老不死は遺伝しませんでした。

クランデスティンは英語で Clandestine と一つの単語であり不法的なものや悪意のある「秘密」の事を指します。そして、アダム・デスティンの一族(Clan)という二重の意味でもって名付けられたキャラクターたちです。

作中で提示された情報はまだ乏しく、ナジマたちがデスティンの一族なのか、単に秘密の集団なのかは今後明かされていく事になりそうです。

コミックのアダム・デスティンと妻であるジンのエラリスは次のような外観です。

©MARVEL

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Unseen

カマラの「何者か?」との問にナジマはアジュナビ、マジヌーン、アンシーンといくつかの呼び名を挙げていきます。

アジュナビはアラビア語で余所者、マジヌーンはアラビア語で狂者、アンシーンは英語で見えざるものとなっており、クランデスティンの意味も含めてネガティブな呼び名が並んでいます。

コミックではアンシーンなる存在が登場しており、「道を踏み外したウォッチャー」の呼び名でした。アニメ「ホワット・イフ」で見たようにウォッチャーはとても強力な種族であるため、クランデスティンがウォッチャーと連なる者であれば、ミズ・マーベルの初対戦相手としては格上どころではありません。

コミックのアンシーンとは関係なく、英単語のUnseenとして受け止めるのが適切であるように考えられます。

ジン

最終的にクランデスティンはジンであると説明されます。前述の通り、コミック的にはその等式は半分正解で半分間違いなわけですが、まだいくつかの秘密が隠されていそうな気配です。

コミックにもジンという種族は存在しており、悪魔の母たるリリスが生み出した悪魔の一種を指しています。彼らはアラジンに登場するジンをモチーフにしており、不死の存在であり、魔法を行使します。

なお、リリスは2022年秋発売予定のゲーム「ミッドナイトサンズ」にヴィランとして登場しています。

セルヴィグ博士

クランデスティンを故郷にかえすためカマラがブルーノに相談するシーンでは、ヌールディメンションに関するエリック・セルヴィグ博士の論文がある事が明かされます。

セルヴィグ博士は2011年公開の映画「マイティー・ソー」で登場し、ソーと友人になった人物で、「アベンジャーズ」(2012年)ではロキにマインドコントロールされ、チタウリを引き入れるためのポータルを開けることを手伝ってしまいました。

彼はスペース・ストーンである四次元キューブを用いたポータル装置の開発に取り組んでいた事から、マルチバースや他次元についてスーパーヒーローでない地球人の中で一番詳しいかもしれません。

モスクの捜査

ダメージコントロールのエージェント・ディーヴァーが登場し、部下を引き連れてモスクの捜査へと訪れます。イマーム(指導者)のシャイフ・アブドラが対応する横から、理事の当選が確実となったナキアが割って入り、令状がなければ権限はないとして拒否します。

ディーヴァーが法律は学校で習ったの?と質問すると、ナキアは「ロー&オーダー」の再放送で学んだと回答しています。

ここは日本語では「テレビドラマ」とぼかされている部分で、1話2話で任天堂の存在が消されたように日本のディズニーによってどういうわけか墨を塗られています。

前回はブルーノが進路の方向性を見出しましたが、ナキアもまたここで方向性が定まってきたようです。このまま政治家となり、ソコヴィア協定の白紙化に期待したい所。

靴泥棒

結婚式の準備の中、アーミルが新郎の靴を隠す伝統があると説明しながらも、普通は一足なのに全部なくなっていると怒っています。

少し前の場面では大量の靴を抱える少年がばっちり映されており、この親戚の少年がどこかへ隠してしまったようです。

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言動より行動

「ナイトライト」を良く思わない母ムニーバは目の前に本人がいるとも知らず「母親は恥じるべき」だと口にします。それを聞いて居たたまれなくなったカマラは、ブルーノが置いていった箱を持って表に。

一足先にパーティーから出てきたシャイフに「ナイトライト」はどうやって自分がいい人であるか証明すればいいのか質問すると、シャイフは「good is not a thing you are. it’s a thing you do.(言葉で示すものではない、行動で示すものだ)」とコミックのセリフを引用して答えています。

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シャイフが去った後、ブルーノがくれた箱を開けると、そこにはコミックのミズ・マーベルが装着しているアイマスクが入っていました。

ブルーノの調査

ブルーノがサークルQで店番をしながらジンについての調査をしていると、カマラの父ユスフが来店。ムニーバから禁止されているというフルーツパイを秘密で購入すると、ブルーノが読んでいたウルドゥー語の資料を見つけて読み上げていきます。

それによるとジンは「イスラム以前から伝わる超自然的存在」、「ジンは時代や文化ごとにジーニーや悪魔など様々な名前を持つ」、「伝説によると、あるジンの一族は故郷を追放されてこの世界に囚われている」、「彼らはこの世界に潜み、故郷に帰るためのキーを探している」、「だが古代のバリアを破るには原始的なパワーが必要になる」との事で、これは今回のエピソードの前半でナジマが説明したことと一致しているようです。

ブルーノの正確で迅速な調査能力は「椅子の男」にふさわしいもののようですが、カマラのサポートを続ける事はできるのでしょうか。

次元間移動

ブルーノがカマラに対して次元間移動の説明を行うシーンでは、「太陽と同等のエネルギー」が必要と語られました。

このブルーノの理論が正しいかどうかは分かりません。マーベルの中で次元間移動を行うキャラクターは多数存在しており、MCUでもドクター・ストレンジ、アメリカ・チャベス、クレアなどが披露してきました。

なお、このシーンではカマラはアイアンマンのTシャツを着用しており、相変わらずのアベンジャーズ愛を表現しています。

小さいハルク

結婚式当日、ダンスのシーンでは靴泥棒の少年がムニーバが1話でカマラのために作ってくれた小さいハルク用の衣装を着て踊っています。

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カマラが着用を拒否して当時は少し親子関係がぎくしゃくしましたが、再利用される機会があったのは素晴らしい事です。

ダンスシーンの後半は公式クリップが公開されています。

クランデスティンの襲撃

カムランが式場に飛び込んでくると、「みんな殺される」とカマラに逃げるように促します。人質を取って要求するのであればわかりますが、皆殺しにしてしまってはカマラが言う事を聞く理由がありません。カムランが警告したほど無差別ではなく、ナジマたちクランデスティンはカマラを追います。

父と母の思い出の曲、Bon Jovi の「Livin’ on a player」をバックに戦闘が始まります。

ナジマは冒頭で自分たちがこの世界でヌールをうまく操れないと語っているため、現状でカマラの存在は腕輪と同レベルの重要な鍵であるはずで、カマラを殺してしまう事は得策とは思えません。息子のカムランがヌールをコントロールできるようになる事に賭けて、最悪腕輪を奪えればいいというプランなのでしょうか?あるいは実際はヌールを操れるのに、そうではないフリをしている可能性も考えられます。

そもそもエピソード冒頭の段階でカマラから無理やり腕輪を奪っていれば、こんなオオゴトにする必要もありませんでした。ナジマにどういう心境の変化があったかは不明ですが、少し前のナジマとカムランのやり取りでは、「(カマラは)もう少し時間が欲しいらしい」というカムランに対してナジマは「そんな余裕はない」と焦りを見せています。100年近く地球にいる事を語っていましたが、ナジマが何を焦っているのか、次回以降に明かされる事に期待です。

腕輪の機能

キッチンに追い詰められたカマラ。ナジマは「あなたじゃその腕輪を使いこなせない」と、腕輪には内なるヌールを引き出す事とは別の機能がある事を示唆しています。

故郷に帰りたいだけと主張するナジマですが、追放者が帰った所で受け入れてもらえるのか少し怪しい所。悪い方向に考えれば、ヌールディメンションの支配権を奪い返す事が目的なのでしょうか。

クランデスティンの名が示す通り、彼女たちはまだ不正な秘密を抱えているようです。

KARACHI

追い詰められたカマラがナジマにバングルの腕を掴まれると、ふたりは強烈な光を浴び、KARACHIと書かれた列車のビジョンを見ました。

カラチはパキスタン最大の都市で、2話でユスフやムニーバが話していたように彼らはもともとカラチに住んでいました。また分離独立運動の際のカマラの祖母サナのエピソードで列車も登場しており、今回のエピソードのラストと合わせて、列車の謎は次回以降にサナが説明してくれそうです。

ダメージコントロールの介入

カムランの援護も虚しく、四方を囲まれ追い詰められたカマラとブルーノ。しかしダメージコントロールの介入により裏口からの脱出に成功します。

ダメージコントロールの武装兵はコミックのS.H.I.E.L.D.の特殊部隊ケープキラーのようなデザインで、現実の技術とは異なる特殊な武器を使用していました。もともとはトニー・スタークと政府によって設立されたダメージコントロールですが、今回のエピソードでは出番も少なく、アップもないせいもあり、武装にスタークのロゴは確認出来ません。

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今回のエピソードの中でムニーバから「どんな険しい山も一人で登る必要はない」とアドバイスをもらったカマラですが、今はまだ家族に打ち明ける勇気が出ません。次回以降うまく関係を修復していく事に期待です。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第4話は 2022年6月29日16時 より配信予定です。

ドラマ「ミズ・マーベル」3話で判明した「ソー」、「ドクター・ストレンジ」、「シャン・チー」との関係性

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」は1話からアベンジャーコンを描くなど過去作との強い繋がりを持っていましたが、第3話「Destined」(邦題:宿命)の配信がスタートし、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」、「ドクター・ストレンジ」、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」などの作品との関係性があらわになりつつあります。3話のポイント記事はまた後日になりますが、先行して大事な部分をピックアップしました。

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シャン・チー/テン・リングスの伝説

3話の冒頭、カマラの曾祖母アイシャやカムランの母ナジマたちクラン・デスティンがバングルを発見するシーンでは足元にテンリングスの紋章が刻まれています。

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1話のチェックしておくべきポイントでも軽く指摘していましたが、このバングルは約1000年ちかく歴史の裏で暗躍していたシャン・チーの父シュー・ウェンウーと組織テンリングスが関与しているのは明白なようです。

以前に「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のポスターから11個の腕輪が見つかった事は関係ありませんが、ウェンウーはテン・リングス以外にも腕輪を少なくともひとつ、保管していたようです。

マイティ・ソー/ダーク・ワールド

クラン・デスティンを救いたいとカマラがブルーノに相談するシーンではヌールディメンションについてエリック・セルヴィグ博士の論文がある事が明かされます。

セルヴィグ博士は2011年公開の映画「マイティー・ソー」で登場し、ソーと友人になった人物で、「アベンジャーズ」(2012年)ではロキにマインドコントロールされ、チタウリを引き入れるためのポータルを開けることを手伝ってしまいました。

そして「マイティー・ソー/ダーク・ワールド」では惑星直列の危険性や次元についての研究に携わっていました。

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彼はスペース・ストーンである四次元キューブを用いたポータル装置の開発に取り組んでいた事から、マルチバースや他次元について何かを知っている可能性はかなり高い人物です。

クラン・デスティンはコミックに登場するキャラクターであり、トレーラーのチェックポイント記事でも彼らの登場の可能性については触れていました。そして3話で明かされたように彼らがジンであるのも同じですが、ヌールディメンションが彼らの故郷であるというのはMCU独自の設定となっています。

そもそもコミックにはヌールディメンションという概念はなく、セルヴィグ博士の論文、あるいはジンたちの言葉だけが今のところ詳細を知る鍵となっています。次のエピソードでカマラの祖母であるサナが真実を語ってくれることに期待です。

ドクター・ストレンジ

カマラとナジマの会話のシーンで明かされたヌールディメンションですが、ヌールとは光の意味である事がカマラの口から明かされています。

つまりヌールディメンションとはライトディメンションと言い換えることが出来、ドクター・ストレンジが訪れたダークディメンションの対極にある事が推測されます。

ヌールディメンションがコミックにない事はお話しましたが、ライトディメンションはコミックに存在しています。ただしジンとは関係がありません。ライトマスターによって発見された光子エネルギーで満たされた次元の事で、新たなキャプテン・マーベルの誕生に貢献しました。そのため、コミックのライトディメンションと一致するものではないというのも明らかなようです。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でインカージョンを阻止するためにドクター・ストレンジとクレアがダークディメンションに向かった事は、その対極にあると考えられるヌールディメンションにも影響を与えている可能性がありそうです。


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1は3話までディズニープラスで配信中です。

ドラマ「ミズ・マーベル」より、アベンジャーコンのオフィシャルサイトが公開 ─ PC、スマホ向け壁紙なども配信中

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」の第1話に登場した架空のイベント「ニュージャージー アベンジャーコン」の公式サイトが公開されました。イベントや展示物などの紹介がされている他、壁紙の配信なども行われています。また、あわせて公式Twitterも開設されています。

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マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は現実でアベンジャーコンが開催される可能性について撮影現場でその話題になった事を明かしており、プロデューサーのビシャ・K・アリさんは「いつか実際にこのイベントをするのは楽しいかもしれない」と以前のインタビューにて語っています。

ウェブページの最後には劇中でも販売されていたTシャツのネットショッピングのリンクも設置されており、アベンジャーコン公式からマーベル公式を経由して米アマゾンへと誘導されるようになっています。

また、公式Twitterは劇中の運営を演じているようで、会場で起きた事故についてノーコメントの姿勢を貫いているようで、「キャプテン・マーベルのコスプレ会場での事故に関するお問い合わせについて、現時点でコメントできるものはありません」と投稿しています。

ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1は2話までディズニープラスで配信中です。

ソース:ニュージャージー アベンジャーコン公式サイト

ドラマ「ミズ・マーベル」、2話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

2022年6月15日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1エピソード2「Crushed(邦題:恋の始まり)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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アントマン

前回パワーを手にしたカマラ・カーンはアゲアゲな登場をかましています。このあたりはスパイダーマン/ピーター・パーカーと同様の反応で、ティーンがこういう能力をある日突然手にした場合はこのようなリアクションになってしまうのかもしれません。

ブルーノに「アントマンになれると思ったのか?」と指摘されるカマラですが、それはコミックのカマラの事を指しています。MCUのカマラはエネルギーをまとう事で手を巨大化させ伸ばしていましたが、この能力では縮小化を再現する事は難しそうです。能力が成長し、変化していく事はありえるのでしょうか?

QRコード

前回につづき、今回もミズ・マーベルの無料コミックのQRコードが存在しています。読み取りが上手くいかない方や面倒な方はこちらをクリック。

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時系列は?

「ミズ・マーベル」のプロデューサーであるサナ・アマナトさんは本作が「エンドゲーム」の1~2年後を想定していたと話しており、ディズニープラスのMCU時系列順のカテゴリを見ても「ムーンナイト」と同時期ないしは後の話しである事が推測出来ます。

  • 2023年10月:「アベンジャーズ/エンドゲーム」で半分の生命が戻ってきた
  • 以降2024年初頭頃までのタイミング:「ワンダヴィジョン」
  • 2024年春頃:「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」
  • 2024年6月から8月ごろ:「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」
  • 2024年秋頃:「シャン・チー/テン・リングスの伝説」と「エターナルズ」
  • 2024年夏から冬にかけて:「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」
  • 2024年クリスマス:「ホークアイ」
  • 2025年初頭:「ムーンナイト」と「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」

この事から本作は2025年を描いているものであると考えられますが、その時期については制作サイドから明言されておらず、今のところ作中から読み取るほかありません。

この冒頭のシーンでは学内で「ホームカミングのチケット販売中」のポスターが目に入ります。

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ホームカミングは通常10月ごろに開催されるイベントであり、チケットは9月ごろに販売されるようですが、本作は秋頃の話なのでしょうか?この謎を解く鍵はエピソードの後半で示されています。

ヒーロー問題

ゾーイがクラスメートに囲まれてアベンジャーコンの話題で盛り上がっている横で、カマラの親友ナキアは「最近スーパーヒーロー問題が多い」と愚痴っています。

ハルクの指パッチンによって人々が戻ってきたあと、「ワンダヴィジョン」のウェストビューは「ミズ・マーベル」と同じニュージャージー州の出来事であり、「スパイダーマン」2作と「ホークアイ」は隣町であるニューヨークで起きた事件、そして「エターナルズ」は地球規模の変動となっていました。

低予算のキャプテン・マーベル

 “budget Captain Marvel” という言葉はコミック「ミズ・マーベル」がデビューした時に一部の批評家が用いた表現で、MCU版でもこう言われないようにしているという一種の皮肉になっているのでしょうか。

大きな拳

コミックの巨大化能力を再現するように、結晶化したエネルギーで大きな拳を作るカマラ。この結晶には質量があるようで、カマラは拳を持ち上げることが出来ません。

前回ゾーイを救ったときや、今回のエピソードの後半で子供を救った時にも同様の能力を見せましたが、その時には質量を感じる演出はありませんでした。カラマの精神状態が影響しているのでしょうか?

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パワーソース

ブルーノの調査によるとカマラのパワーがバングルではなく彼女自身から発生しているとの事で、バングルはトリガーに過ぎないことが明確に示されます。

これはインヒューマンの遺伝子をもち、テリジェン・ミストを浴びた事で能力が発動したコミックのカマラと図式的にはかなり似ており、今後のさらなる情報に注目となります。

アスガーディアン

「私、アスガーディアン(アスガルド人)だったりして。ソーの親戚とか?」というカマラですが、ソーの兄弟はコミックではロキだけではありません。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」での登場が予定されていたというバルダーを始め、ソーには数人の男兄弟がいる他、アンジェラやラウッサといった妹も存在しています。マーベル・スタジオがカマラをアスガルド人として描く事は不可能ではありませんが、こうやってセリフでからかわれる事はその可能性はほとんどないと考えていいのかもしれません。

マーベルのバングル系アイテム

マーベルコミックには有名な腕輪状のアイテムが2種類あり、それぞれネガバンド、クアンタムバンドと呼ばれています。

ネガバンドは数千年前のクリー帝国の強力なアーティファクトで、精神エネルギーを物理エネルギーに変換し、装着者に素晴らしい力を与えることができる腕輪です。具体的にはネガティブゾーンからエネルギーを引き出し、筋力強化や状況認識能力の向上、さらには星間移動も可能にし、光子ブラストを放つことができるようになっています。また、宇宙空間での生存にも最適化され、食料や酸素がなくても生存できる能力を獲得します。この腕輪はコミックにおいて初代キャプテン・マーベルのマー・ヴェルが装着していました。

もうひとつのクアンタムバンドは起源が明らかになっていない腕輪ですが、コズミックエンティティのイーオンが作ったともされるもの(イーオンはラブ&サンダーの予告2弾にイースターエッグとして登場しています)。クアンタムゾーンから無尽蔵のエネルギーを引き出すこの腕輪はバッテリーの機能もそなえており、なんらかの状況でクアンタムゾーンへのアクセスが遮断された場合でも、ある程度はこの腕輪自体にチャージされたエネルギーを使用する事が出来ます。能力的にはネガバンドに似ている他、エネルギーを視覚化、固定化するといったMCU版のミズ・マーベルに似た能力も備えています。この腕輪を装着したものは宇宙の守り手クエーサーと呼ばれ、マー・ヴェルの遺伝子から人工的に作成された娘でキャプテン・マーベルでもあったフィラ・ヴェルが装着していました。

カマラのパワーを引き出した腕輪はこれらのどちらかなのか、また別の腕輪なのか、今後の焦点になって来ることでしょう。ひとまずカマラはこの能力に「ハードライト」と名付けました。

トレーニング

トレーニングのシーンでカマラが落下し、ブルーノが引っ張るシーンは「アベンジャーズ/エンドゲーム」のナターシャとクリントのシーンを再現しています。ぶら下がっているカマラが「Let me go」(離して)というのもナターシャのセリフをかぶせています。

ヴォーミアのソウルストーンを得るためにナターシャは犠牲になりましたが、この屋上は大した段差でもないため、カマラは余裕の着地を見せて終わります。

アミとの和解

アミ(母)ムニーバとぎくしゃくしていたカマラですが正直に話す事でなんとか許しを得ました。さらにゾーイのホームパーティに参加する許可まで出ました。1話では厳しいというか過保護な面が強く出ていたムニーバですが、ちゃんと優しい面も持ち合わせています。なお、コミックの両親はかなり厳格な人物です。

ホームパーティ

ホームパーティへはブルーノの自転車で二人乗で向かいます。これは前回のエピソードでカマラの自転車が(ブルーノの予想どおり)盗まれたことを表しています。

パーティで出会った男にオレンジジュースと騙されてウォッカを飲んでしまうのは、コミックのワンシーンを再現したもの。コミックでは吐き出していますが、MCUでは飲み込んでしまったようです。未成年に加えて宗教的にも飲酒を禁じられているカマラが飲まされた事について怒ってくれるブルーノとナキアはいい友人のようです。

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転校生のカムラン

今回のエピソード冒頭の学校でぶつかった転校生のカムランはコミックに登場するキャラクター。

コミックでは、カマラの父親ユスフの友人の息子で、別の学校(エクセルシオ・アカデミー)に通うパキスタン系の高校生。トニー・スタークの出身であるMIT(マサチューセッツ工科大学)に合格するイケメン秀才で全身ブランド物でキメるパーフェクト男子、且つ、カマラと趣味が合致する重度のオタクです。また、ブラックボルトのテリジェン・ボムにより能力に目覚め、青白いエネルギー状のボディになったりし、カマラと衝突する展開も。

ゾーイの家から逃げる際に乗車するおじさんの車は、黒地に輝く紫のラインというブラックパンサーを彷彿とさせるデザイン。ワカンダの血を引いている設定になった、ということはさすがにないでしょうか。

インド映画の話で盛り上がる二人が同じタイミングで口にした「DDLJ」とは1995年公開(日本では1999年)の映画「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に」の事。ムンバイの映画館 Maratha Mandir Cinema では2015年2月19日に上映終了するまで、1009週にわたって公開されていたインド映画史上に残る作品です。

車から降り、連絡先を受け取るカマラ。本作ではチャットのやり取りなどが背景に描写される演出がありますが、ここでは走り去るカムランを見送るカマラのシーンでちょうど後ろのハートが点灯します。そしてこれがフェードでにじんでいくと、画面中にハートがいっぱいに。

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身体の変化

歴史の授業の終わり、突如鼻先が光りだしたカマラはトイレに駆け込みました。

ナキアは生理と勘違いして「ナプキンもあるけど。おたくのママ、タンポン反対派でしょ」と言っていますが、ムスリムの中には身体の中に異物を入れるのを嫌う考えを持つ人がいる事を示しています。

思春期に出てくる身体の変化と制御できないスーパーパワーのダブルミーニングとなるシーンであり、ここでナキアが混血による苦悩を持っていることも明かされます。

なお、このシーンではカラマがコミックのクラシックなブラックウィドウを描いたシャツを着用しています。

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今週のウィルソン先生

ウィルソン先生に呼び出されたブルーノは前回のエピソードでも参照されていたカリフォルニア工科大学の英才教育プログラムに合格したことを知らされます。

カマラのパワーに悩んでいるのか、ニュージャージーの逆サイドにあるカリフォルニアに行くのをためらっているのか、憂かない様子のブルーノに、ウィルソン先生はスター・ウォーズと「プラダを着た悪魔」のセリフを引用しつつ説得を試みます。

ウィルソン先生は猫オタクに続き、映画オタクでもあるようです。

イード・アルフィトル

ブルーノがいつものようにカマラの練習につきあうつもりでいると、カマラはカムランと車の練習に行くと言って断ってしまいます。カマラはナキアからもらった衣装とイヤリングをつけてオシャレをし、ブルーノはフラレ感を漂わせています。

カマラは母も望んでいるとして今度「イード・アルフィトル」に行こうとブルーノを誘います。イードは断食(ラマダン)の終わりを祝うお祭りの事で日程はヒジュラ歴で決まっているため、西暦にすると毎年開催月が変わります。

「ミズ・マーベル」は2025年が舞台になっているため、その開催は3月末の予定となっており、ここは時系列を特定する鍵となっています。また、ニュージャージーの3月の平均気温は5.6度との事で、作中の人物がマフラーを巻いていたり、ジャンパーを着用するなど比較的厚着をしている事、夜間のシーンで吐息が白くなっている事などと整合性が取れています。

気になるのは冒頭のホームカミングのポスターで、3月といえばプロムの時期。ホームカミングのポスターは季節外れ感がありますが、ポスターの剥がし忘れとして納得できないものでもありません。

もう一つ気になる点としてはそもそも断食が描かれていない点。前回のエピソードでも食事のシーンがありましたし、アメリカ在住のムスリムが少し緩いのか、何らかの制作ミスかは判断が難しい所です。

今回も消された任天堂の存在

ドライブにでかけたカマラとカムランですが、カムランは「誰に運転を教わった?」と聞いていますが、英語ではこの後に「Bowser?」と続いており、これは日本で言うマリオの宿敵、大魔王クッパのことです。

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前回もスマッシュブラザーズに関するセリフがありましたが、日本語では単なる「対戦ゲーム」という言葉に置き換えられ、制作陣の任天堂愛は日本のディズニーによって抹消されているようです。

キンゴ

インド料理点のボンベイ・スパイスに入ったカマラとカムランは再び映画話で盛り上がります。

カムランが「君まさかキンゴのファンじゃないよね?」と聞いているのはもちろんエターナルズに登場したキンゴ・スネンの事。「アミがキンゴのファン」と言うカマラに対してカムランは「うちの母親も同類、キンゴのお父さんのファンだ」と答え、二人してやばいよねと同調しています。

「エターナルズ」で語られたように、キンゴの父も祖父も曽祖父もそのまた先も全てキンゴが世間から不老不死の疑問を持たれないように演じ分けていただけ。そして残念な事に、カマラたち若年層にはキンゴは刺さっていない様子です。

制作陣は「エターナルズ」の中でもとりわけキンゴを気に入っているようで、「ムーンナイト」でキンゴ登場の計画があった事が明かされている他、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のロケ現場でも目撃されています。

また、キンゴを演じるクメイル・ナンジアニさんはミズ・マーベルとのクロスオーバーを望んでいる事を過去のインタビューにて語っています。

イスラムの教えでは若い男女が2人で居ると、シャイターン(悪魔)が現れるとの事で、女性側の身内の男性が側に居ればこれは避けられるとも言われています。劇中でも描かれているとおりコミックでも信仰心の強いカマラの兄アーミルが登場し、悪魔が現れないようにして去っていくのでした。ただしコミックのアーミルは信仰が強すぎる事もあり、デートにはずっとついて回るような人物です。

ムニーバの母

アーミルの婚約者をむかえて食事会をするカーン家ではムニーバの母、つまりカマラの祖母にあたるサナに関するエピソードが明かされます。

1947年のインド・パキスタン分離独立の時、駅で迷子になった幼いサナは、星に導かれて父のもとに追いついたと言います。そしてサナの母、つまりカマラの曾祖母にあたるアイシャはその際に行方不明になったままとの事。

アイシャの話題になったところでバングルが不思議な輝きを放ち、カマラはまたも別世界を見てしまいます。そしてそこに現れる謎の女性。

魔物のせいだと昼間のデートが原因であるかのように心配するアーミルでした。

サナ

祖母のサナはコミックでは名前のないキャラクターです。マーベルのエディターであり、本作のプロデューサーでもあるサナ・アマナトさんから命名されていると考えられます。

サナとの電話でバングルがひいおばあちゃんのアイシャのものであった事が判明。しかしそれ以上詳しい話を聞くことは出来ず、アイシャやバングルについてこれ以上知ることは出来ないカマラでした。

アイシャはコミックにも登場するカマラのひいおばあちゃんですが、特に重要な役割はないキャラクターでした。ですがMCU版ではこのアイシャが何か大きなカギを握っているのは間違いないようです。

ムニーバはアイシャの事を「一族の恥」とまで言い切り、今後のさらなるエピソードに注目です。

ナキアの選挙活動

イードの会場ではナキアが選挙活動に励んでいました。

チャラ男集団のようなモスク・ブラザーズや女子慣れしていない信者ボーイズ、やんちゃガールズやゴシップおばさんなど、ムスリムの中にも多様性がある事が示されています。

吹替でゴシップおばさんと呼ばれたこの集団は、英語で「The Illuminaunties」。秘密結社イルミナティとおばさんたちアウンティーズをかけ合わせた名称になっています。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で登場したヒーローチームのイルミナティのEarth-616版というわけではおそらくありません。

ダメージコントロール

ダメージコントロールの聴取室ではゾーイがクリアリー捜査官から事情聴取されていました。ゾーイのファンだというクリアリーですが、とても本心からのようには聞こえません。しかしゾーイは気をよくしています。

ゾーイが能力者に助けられたと主張するも、クリアリーは殺されかけたと決めつけてかかっています。どうやら「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の時と姿勢は変わらないようです。

ダメージコントロール、DODC(Department of Damage Control)は映画「スパイダーマン:ホームカミング」で登場した組織。映画「アベンジャーズ」のニューヨーク決戦の直後、スターク・インダストリーズと政府によって、戦場となった地域の残骸の処理・保管を目的として設立されました。

今現在のダメージコントロールのボスが誰なのかは不明で、その目的は後処理から未然の防止へと変化してしまっているようです。

同僚のディーヴァーとの会話の中では「FBIも既に監視を始めている」との事ですが、「アントマン&ワスプ」や「ワンダヴィジョン」に登場したFBI捜査官のジミー・ウーが登場する余地はあるのでしょうか?

アイシャの噂

カマラはゴシップおばさんたちからアイシャについて以下のような噂を聞き出しました。

  • 蛇女
  • 触れるものすべてに呪いをかける
  • 不倫
  • 隠し子
  • 殺人

なかなか物騒な言葉が並んでいますが、この中に真実はあるのでしょうか。

変身

話を聞いている最中、塔から落下しそうな少年を助けに行くカマラ。コスプレ衣装を持ち歩いているのはヒーローの自覚ありといった所でしょうか。「ハードライト」で足場をつくり少年を助けるとまたたく間にSNSに拡散されています。

しかしまたもや不思議な光と女性を見たことで、助けたはずの少年は落下してしまいます。なんとか生命だけは助けることに成功しましたが、少年は足を怪我した様子。怖くなったカマラはその場から逃走します。

DODCのドローン

SNSで拡散されたせいか、はやくもDODCが駆けつけます。そのドローンは映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でみたスターク・インダストリーズ製のドローンのように見えるものですが、支給品なのでしょうか。

少なくともミステリオ事件で使われていたものは操作にトニーのサングラス型の端末とイーディスが必要で、その権限は今もピーター・パーカーが所持していると考えられます。

カムランと母の登場

クリアリーたちに道を塞がれたカマラでしたが、ハードライトを使って頭上を飛び越えます。そこにクリアリーが車であらわれ、カマラを保護して走り去っていきます。

カムランに助けられる形になったカマラですが、後部座席にはカムランの母が座っており、「あなたに会える日を首を長くして待っていた」と語ります。

この女性はカマラが幻覚の中でみた女性と同じ顔をしていますが、ニムラ・ブチャさん演じるこのキャラクターはクレジットでNajma(ナジマ?)と表記されており、アイシャとは違うようです。

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アイシャとナジマは同一人物なのか、あるいは姉妹や双子といった血縁関係にあるのか気になる所。

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」ではミシェル・ヨーさんがシャン・チーの母親イン・リーとその姉イン・ナンの二役を演じており、ニムラ・ブチャさんも姉妹を演じているという可能性はあるかもしれません。

そして、アイシャの関係者だとしても、敵か味方かはまた別問題です。

原作のカムランはテリジェンによって得た力をヴィランの手下として使っていたため、彼らが味方である可能性も、敵である可能性も等しく残されているようです。


ドラマ「ミズ・マーベル」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第3話は 2022年6月22日16時 より配信予定です。