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ドラマ「シークレット・インベージョン」、5話のチェックしておくべきポイントをピックアップ

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2023年7月19日配信のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1エピソード5「Harvest(邦題:収穫)」のイースターエッグを中心に原作設定や今後の予想、考察などをご紹介。

※この先はシリーズのネタバレ、および今後の物語のネタバレの可能性が含まれています。ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

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報道

前回の終わりからの続き。フューリーは重体の大統領を病院へ運び込み、大統領は緊急手術へ。その傍らではイギリスのニュース番組 UKN24 NEWS がアメリカ大統領の襲撃事件について報じています。

番組ではエイリアンが襲撃された大統領を救出したと、意外にも真実を報道。今回はあえてフェイクニュースに差し替えなかったというのがグラヴィクの作戦のようです。

グラヴィクの狙い

ニュー・スクラロスではタロスの死とリットソン大統領の生存、そしてフューリーが所持しているという「例のもの」を入手出来なかった事について、ペイゴンとグラヴィクの間で口論が発生。

ここでの「例のもの」はアベンジャーズたちのDNAを指しているようですが、特定の誰かという事については言及されません。ほとんどのヒーローは普通の地球人として生まれ、後天的に薬物、実験、インフィニティ・ストーンなどによって力を獲得しているため、生まれ持ったDNAは地球人のはずですが、後天的要因によって何らかの変化をしている可能性は考えられます。

最近の作品ではブルース・バナーの血液が原因で、ジェニファー・ウォルターズがシーハルクへの変身を遂げており、ハルクの血が採取されていればスクラルにも大きな影響を与える可能性があります。

予告動画に存在しつつもまだ配信されていないシーンとして、たくましい腕を持つスクラルがいますが、これはカル・オブシディアンのたくましい身体能力が元々緑の肌のスクラルに適応されただけなのか、6話でハルクのDNAが奪われてしまうのか、注目となりそうです。

©MARVEL,Disney

そしてグラヴィクは口論の末、ペイゴンをあっさりと始末。

ここではプロットエラーがあり、劇中たびたび、そして今回のMI6局長のくだりでも描かれているように、スクラルは怪我による痛みや失神、死といった要因で変身が解除されるはずですが、ペイゴンは地球人の姿のまま絶命したようです。後のシーンでビトが喉元を切られた際も地球人の姿のままのようです(こちらはフレームアウトが速いためさほどおかしくはありませんが)。

また、今回のエピソードまで失念していましたが、コミックのスクラル人の血液は緑であり、これはシェイプシフトによって変化しないというルールがありました。

映画「キャプテン・マーベル」ではスクラル人の血液は紫色で描かれていましたが、今作では皆一様に赤い血を流しており、MCUの中で設定が維持されていないようです。

©MARVEL,Disney

グラヴィクの次の作戦

グラヴィクはローディに擬態しているラーヴァに、今回の件を「ロシアがスクラル人の助けを借りて実行した物だ」と言うよう指示。アジトの衛星地図も公開するように言います。

ローディ/ラーヴァがためらうと「戦争も無実のスクラルを殺すことも避けたいフューリー」に対する脅しの作戦であるとグラヴィクは説明します。

しかし、そもそもフューリーはニュー・スクラロスのスクラル人たちを無実だと考えているのでしょうか?フューリーは本作品でポプリシュチンやロバート・フェアバンクス准将邸でのスクラル人など、多くのスクラル人をためらいなく殺害しています。

スティーブ・ロジャースのような善性を持つ相手ならともかくとして、リスクとリターンを即座に天秤にかけるフューリーのようなタイプの人間相手にはあまり効果はない作戦と言えるでしょう。

「例のもの」の回収もフューリーの後手にまわり、人間性を読み間違えている事自体、はじめからフューリーは敵わない相手だったのかもしれません。

デリック・ウェザビー

オープニングクレジットの後、舞台はMI6の長官デリック・ウェザビーへ。物語から少し逸れて、デリック・ウェザビーを演じるトニー・カランさんはマーベル作品の常連俳優さんです。

MCUでは映画「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」にてオーディンの父であり、ソーの祖父にあたるアスガルドの先々代の王ボーを演じました。そしてFOXのマーベル映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」ではMIBのエージェントを、ニュー・ライン・シネマのマーベル映画「ブレイド2」では司祭役を演じています。

ソーニャ・ファルズワースが3話で調査していた内通者はこのウェザビー長官であり、今回のエピソードであっさりと失脚させてしまいます。

合流

フューリーとガイアが合流する事になったのは、2話の冒頭でフューリーがグラヴィク少年と出会った場所。

タロスの死についての言及があり、無駄死にだったというガイアに対してフューリーは反論、新たなスクラルのリーダーとなるよう鼓舞します。

なお、予告ではガイアが誰かに覆いかぶさるシーンがありましたが、本編からは削除されてしまったようです。予告の段階ではこれが誰かまでは分かっていませんでしたが、4話の結末からこれはタロスであり、亡骸まで駆け寄るシーンが撮影されていたと見られます。

©MARVEL,Disney

グラヴィクが盗んでいたDNAについて、英語では「Only a few samples」、吹替では「ほんの何種類か」、字幕では「2~3種類」とされており、その後具体的にカル・オブシディアンとフローラ・コロッサス(グルートの種族名)を手に入れていると言います。アジトのPCに表示されていたフロストビーストに関しては特に言及がありませんでした。

また、グラヴィクが本当に欲しいのは今回のエピソードタイトルにもなっている「ハーヴェスト(収穫)」と呼ばれているものだと明らかになります。

タロスを弔いたいというガイアにプリシラ/ヴァーラと合流するよう指示し、自身はフィンランドに向かうと告げます。

ダルトン夫妻

長官からダルトン夫妻の研究所を突き止めたソーニャは計画書を押収し、ラボを焼き払います。また、妻ローザを人質にとり脅しにかかる夫ヴィクターをあっさりと殺害。地球人でもスクラル人でも男は替わらないと皮肉を言い放っています。

このシーンでソーニャは研究に関する全ての説明を求めており、それがつつがなく終了したのだとすれば、MI6はスーパースクラル化の技術を得た事になります。もちろんこれが地球人にそのまま適応できるわけはないと思いますが、これはこのまま素直に終わる話なのでしょうか。

リック・メイソンの再登場

フィンランド行きのプライベートジェットで待っていたのはO・T・ファグベンルさん演じるリック・メイソン。2021年の映画「ブラックウィドウ」で登場したナターシャのS.H.I.E.L.D.時代の友人である事から、フューリーの元部下にもあたる人物です。

「ブラックウィドウ」でもナターシャのために偽造パスポートや飛行機、クインジェットなどを調達しサポートしていましたが、今回も影でフューリーを支える有能な元S.H.I.E.L.D.のエージェントのようです。

「ヘリキャリアなら安心だった」と礼も言わず文句をいうフューリーに対して皮肉を言いつつも、メイソンは偽造パスポートとフォトスタティック・ベールを渡しています。

葬儀

フューリーの指示どおり彼の家に到着したガイアはプリシラ/ヴァーラと遭遇。お互いに銃を突きつけ合いながらも、「殺しに来たの?」「ガイアです」の簡単なやり取りで信用しあうのは本作の難しい点のひとつ。

シェイプシフターであるスクラル人が、仲間をどうやって見分けるのかという疑問について、この作品では描かれていません。タロスがフェアバンクス准将に擬態して最初の警護を騙せたように、スクラル人だからといって相手の擬態を見抜ける訳ではないのは明らかです。

すべてのシーンで緑の素顔を明かしていくのは冗長になる上にVFXコストも嵩むため、大人の事情として省略されるのは致し方ありませんが、合言葉代わりに4話のポエムを引用するぐらいはあったほうがよく、生命を狙われているプリシラ/ヴァーラの対応としては少し迂闊な描写となってしまいました。

そしてガイアの望んでいたタロスの葬儀が執り行われ、プリシラ/ヴァーラによって火葬されました。宇宙人の葬儀という事で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2」のヨンドゥのような不思議なシーンかと思われましたが、地球人にも馴染み深い絵となっていました。

なお、スクラルの葬儀が地球に住む以前から火葬であるのか、プリシラ/ヴァーラの居住区域であるイギリスの様式に沿っただけなのかは不明で、コミックでもスクラルに葬儀の文化があるかどうか不明となっています。

ガイアは母の指輪を副葬品として一緒に焼くことでタロスに別れを告げ、100%に近い高い確率でタロスが本当に死んだ事を描きました。

襲撃

ガイアがヴァーラにフューリーに素肌を見せようと思わなかったのと質問された事で、ヴァーラは機嫌を損ね、他人と一緒に住むことの大変さ、相手に合わせることの重要性を説いています。

結局これはタロスも同じ考えでこれまでのスクラルを導いており、地球という家で地球人と同居するために、地球人の顔と生活で合わせようとしてきました。残る1話でガイアは、タロスの想いをプリシラ/ヴァーラを通じて理解する事ができるのでしょうか。

そうこうしている所へ、グラヴィクの刺客たちが襲撃。本棚の本の背表紙から飲み物のカップ、椅子やラボの植物やレーザー光に至るまで、画面内の緑の比重が多いシーンが続いています。

襲撃者が実際にスクラルかどうかはこのシーンでは分からず、偽ローディやMI6元局長のような権力をもつ人物から命令を受けた地球人である可能性もあります。

ここでの刺客たちはみな赤い血しぶきを上げており、「キャプテン・マーベル」のような紫の血やコミックのような緑の血でない事も、彼らが地球人である可能性を含んでいるようです。

ウィドウズ・ベール

メイソンから受け取ったパスポートとフォトスタティック・ベールを用いて、フューリーはケルホネンというフィンランド人に変装して入国。合流したソーニャはこのマスクを「ウィドウズ・ベール」と称し、10億ドルかけて隠せるのは顔だけなのかと皮肉を言われたフューリーはこれは旧型だと言い返しています。

映画の公開順で言えば、このアイテムが最初に登場したのは2014年公開の映画「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でした。この時はナターシャがアレクサンダー・ピアースを騙すために安全保障理事会の議員パメラになりすましていました。この時、名称は特に有りませんでした。

その後はドラマ「エージェント・オブ・シールド」にてエージェント・メイやエージェント33など何人かのS.H.I.E.L.D.やH.Y.D.R.A.のエージェントが使用し、ナノマスクやフォトスタティック・ベールの名称で呼ばれていました。

さらにその後、2021年の映画「ブラックウィドウ」にてメリーナもこれを所持している事が描かれ、レッドルーム由来のアイテムである事も判明しています。

さらにその後、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では元S.H.I.E.L.D.のエージェントで現在パワーブローカーを名乗っている、そしてスクラルの疑いもあるシャロン・カーターもこれを使用していました。

フューリーが反論したような全身バージョンはこれまでの作品に登場していませんが、負け惜しみではなく実際に完成しているのであれば、極めて強力なスパイツールである事は間違い有りません。

プロジェクト・ハーヴェスト

ラストでは「ハーヴェスト(収穫)」の正体がアベンジャーズのDNAである事が明かされ、キャプテン・マーベルのDNAも含まれている事が明らかになります。

このDNAの回収任務にグラヴィクを充てていた事が、スーパースクラル着想のきっかけとなったと指摘し、この戦争の原因が自分にあるとして、自分の責任でこの問題に対処するために地球に戻ったとフューリーは説明しました。

これでグラヴィクが今回しかけた侵略戦争についてその背景が明らかになりましたが、一方でハーヴェストの目的自体は分かっていません。フューリーはアベンジャーズのDNAを集めて何をしようとしていたのか、最終話で明らかになるのでしょうか?

ハーヴェストが隠されていたフューリーの偽の墓には「Greater love hath no man than this, that a man lay down his life for his friends.(友のために命を投げ打つこと、これより大きな愛はない)」というヨハネ15章13節の言葉が刻まれています。既にタロスがこの言葉通りになっていると解釈できる上で、フューリーの未来も暗示しているのでしょうか?

なお、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」に登場したフューリーの偽の墓にはエゼキエル書25章17節の「心正しい者が歩む道」と刻まれていました。

そしてフューリーは予告動画にもあったように久方ぶりに眼帯を装着し、銃を携え、「時間だ、決着をつけよう」と何者かに電話するのでした。

最終話に向けて気になるポイント

最後の電話相手はやはりグラヴィクでしょうか。味方に反撃開始の合図を出したとも取れますが、これまでの作中で自分の責任や自身の戦争と言い、アベンジャーズへの要請を出さない理由が何度も強調されていた事を考えると、救助された本物のローディが助けに来るなどというのはナンセンスなようにも感じます。せいぜいプリシラ/ヴァーラかガイアが助けに来るのがいい所でしょうか。

とは言っても、フューリーが一人きりでなんとかしてきた訳では有りません。今回も元S.H.I.E.L.D.のエージェント・メイソンが手を貸してくれました。

予告ではフューリーはグラヴィクに投げ飛ばされたり、大きな腕で殴られるシーンが存在していますが、超人血清も持っていないフューリーが単独でどうにかできるのか、注目となっています。

また、ソーニャの行動も気になる所。ソーニャはスーパースクラルの研究を中断させるだけでなく、成果のすべてに関して説明を求めていました。そしてフューリーからハーヴェストの詳細を聞いたソーニャは、グラヴィクと同じ秘密を知る人物となります。

本作でのスクラル人はたびたび緑色と一緒の画面で紹介されていますが、ソーニャも時々緑のシャツを着ています。この分かりやすいサインはソーニャをスクラルと思い込ませて実は地球人というミスリードを誘っているのか、それとも実際にスクラルでグラヴィクとは別の計画を始めていく新たな人物となる可能性を秘めています。

本作ではスクラルの皇帝の存在が明らかになっていますが、コミックで地球侵略を開始したスクラルの女王ヴェランケは登場していません。ソーニャをヴェランケとして、劇場版「シークレット・インベージョン」が制作され(妄想)、本作で描くことを避けたアベンジャーズたちの大半が入れ替わられてしまう可能性について、最終話での注目ポイントのひとつです。

そして、フューリーの運命の行方も当然ながら注目ポイントです。今作の展開や墓石に刻まれた言葉からはフューリーが安全にこの侵略戦争を乗り越えられる保証がないようにも感じられますが、一方で「ザ・マーベルズ」に登場しているという事実もあります。

今回のエピソードではガイアが新しいリーダーとなるように助言されていましたが、最終話でフューリーが死亡し、ガイアがフューリーに擬態して地球と宇宙の平和を守っていく展開も考えられそうです。

しかし最も恐ろしいのは、「ザ・マーベルズ」のフューリーが本人でもガイアでもなく、「シークレット・インベージョン」を制する別のスクラルである可能性です。

グラヴィク、ないしはそれにある程度共感しているスクラルがフューリーを殺し、ハーヴェストの代わりに直接DNAを集めるためになりすます可能性を排除する事は現時点で出来ません。

フューリーを演じるサミュエル・L・ジャクソンさんは、海外メディア The Wrap とのインタビューで「the last [episode] is so good.」(最後のエピソードはとても良かった)と述べていますが、これがハッピーエンドを指しているのかどうかは来週までお預けとなります。

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ドラマ「シークレット・インベージョン」シーズン1はディズニープラスで配信中、次回、第6話は 2023年7月26日16時 より配信予定です。

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管理人ミルク

アメコミと出会ってはや20年以上、初めて買ったマーベル・コミックはオンスロート。X-MEN vs STREET FIGHTERではシリーズを通してマグニートーを愛用。