マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン1のエピソード1「Heaven’s Half Hour」(邦題:天国のひととき)のイースターエッグを中心に、原作設定、考察、今後の予想などをご紹介。
ネルソン・マードック&ペイジ
Netflixの「デアデビル」でマット・マードックと親友のフォギー・ネルソンはネルソン&マードック法律事務所を設立。最初の依頼人がカレン・ペイジとなり、物語がスタートしました。
カレンはそこから助手として事務所を手伝うことになり、新聞記者を経て、「デアデビル」シーズン3のラストで3人で再出発する事を誓い、カレンの名前を加えて「ネルソン・マードック&ペイジ」と事務所名を変更する所で終わっていました。
それから「ボーン・アゲイン」がスタートするまで、3人で業務をこなしてきた様子が伺えます。
ジョージーズ
1話の冒頭で3人が向かったバー「ジョージーズ」(Josie’s)は、Netflix版「デアデビル」でマット、カレン、フォギーが行きつけだったバーで、「ディフェンダーズ」にも登場。店主のジョージーを引き続きスーザン・ヴァロンさんが演じています。
キルスティン・マクダフィー
ジョージーズでフォギーが口説いているのは検事のキルスティン・マクダフィー。
2011年のコミック「Daredevil (Volume 3) #1」で初登場した比較的新しいキャラクターで、一時期はマットと恋仲にもなっています。
キム刑事
老刑事のチェリーと話している女性刑事はキム。クレジットによるとアンジー・キムとされています。
コミックにはエリザベス・キムというニューヨーク市警の女性刑事がいますがX-MENコミックの登場キャラであり、現状はアンジーがエリザベスを基にデザインされたものなのか、完全なオリジナルキャラなのかは分かっていません。
ホガース・チャオ&ベノウィッツ
フォギーはマクダフィーとの会話の中で、以前は別の事務所にいたと言います。
ホガース・チャオ&ベノウィッツは、Netflixのドラマ「ジェシカ・ジョーンズ」でキャリー=アン・モスさんが演じたジェリ・ホガーズが設立した事務所の事。このあたりは「ジェシカ・ジョーンズ」シーズン2をご参照ください。
ブルズアイ
不穏なシーンで映し出されるのはブルズアイことベンジャミン・”デックス”・ポインデクスター。Netflix「デアデビル」シーズン3にも登場していました。
コミックのブルズアイは額に的のマークが描かれていますが、さすがにこれはシリアスなシーンに向かないと判断されたのか、グローブに同系色で的が描かれています。
Bullseye del cómic a live-action #DaredevilBornAgain pic.twitter.com/yvzIzniPTH
— Mylo Brizuela (@MyloBrizuela) February 6, 2024
MCUの、というかNetflixのブルズアイはシーズン3のラストでコグミアム鋼によるバイオニック強化手術を受けるシーンがありましたが、それが今回、屋上から突き落とされても死ななかった事に繋がっているのかもしれません。
なお、デアデビルとブルズアイの戦闘シーンは「ほぼワンテイク」と説明されており、実際にはパッと見て分からないように複数のテイクが上手く接続されているようです。
オムレツ
ウィルソン・フィスクがオムレツを食べるのはNetflix版のオマージュ。コミックでオムレツ好きという描写があるわけではありません。
Netflixのドラマではフィスクのモーニングルーティーンとして、オムレツを自分で作って食べる様子がたびたび描かれていました。
コミックのキングピンはスモウレスラーさながらの筋肉の鎧をまとっている設定があるため、良質なタンパク質を摂る事は重要だと考えられます。
トラックスーツマフィア三度目の登場
「ホークアイ」で登場し、「エコー」でも登場したトラックスーツマフィアが今回も登場。これはコミックの言語をカタカナにしたものであり、MCUの日本語版ではジャージマフィアと翻訳されていました。
ヴァネッサが幹部を集めたシーンでルカという男がジャージを着用しており、彼が今現在のトラックスーツマフィアのボス、ないしは幹部だと推測されます。
彼の外見は幹部同士の会話でも「stupid tracksuit」といじられていますが、日本語字幕だと「ダサいジャージ」、日本語吹替だと「だっせぇトレーニングウェア」と翻訳されており、誤訳ではありませんがシリーズの繋がりが判りにくく、今回も翻訳のクオリティには少々不安を感じる所です。
BBユーリック
ジェニア・ウォルトンさんが演じるBBユーリックと言う名の若い女性ジャーナリストは、Netflixの「デアデビル」シーズン1でキングピンに殺された新聞記者ベン・ユーリックの姪にあたる人物。ベンが厄介だと感じたフィスクが直々に口封じ、亡き者にしました。
コミックには存在しないキャラで、Netflixでベンが殺されてしまっているために、仕方なく新たなく創造されたと見られています。
サンフランシスコ
ポインデクスターの裁判に現れたカレンとマットとの会話の中で、カレンが現在サンフランシスコに引っ越している事がわかります。
コミックでは一時期、デアデビルもサンフランシスコに活動拠点を変更した事があり、今後のエピソードやシーズンなどでメインの舞台になる可能性もあるかもしれません。
MCUとしてはサンフランシスコにアントマンやシャン・チーなどが存在しています。
ヘザー・グレン
マクダフィンが嘘をついてマット・マードックとセラピストのヘザー・グレンが出会うようにセッティング。二人はコミックで恋人同士の期間がありました。
ヘザー・グレンがセラピストになっているのは注目すべきポイント。
コミックのヘザーは父親から継いだ会社グレン・インダストリーズのCEOで、様々なトラブルに巻き込まれた影響でアルコール依存症に。浮気を繰り返し、精神不安定になったヘザーは最後に首をつっています。コミックのヘザーにこそセラピストが必要だった事を考えると、皮肉な変更点と言えるでしょう。
ヘザーの父親の死にはキルグレイブが大きく関与していますが、キルグレイブは「ジェシカ・ジョーンズ」で死んでいるため、家族に関しても大きく変更されたか、そもそも登場しない可能性が高そうです。
「男の頭を潰した」都市伝説
BBレポートの中で、ウィルソン・フィスクが「男の頭を潰した」という噂がある事が判明。実際、Netflixの「デアデビル」ではフィスクが男の頭を車のドアに挟み、何度も強く開け閉めをして潰すシーンがありました。
エコー
フィスクは市長選の討論会にて、「私も自警団の暴力の被害を受けた」と主張し、「ホークアイ」シーズン1の終わりにエコー/マヤ・ロペスから受けた傷の事をアピール。ただし、エコーはMCUにおいてまだ自警団とは言い切れず、フィスクは上手く利用しているようです。
また、マットとの会話で「我が子のように思うものもいた」というのもマヤの事ですが、結局、マヤはフィスクの元を離れていきました。このあたりはドラマ「エコー」をご参照ください。
約束
フィスクはマットに対して、ブルズアイを仕向けたのは自分ではないと主張、「約束は守っている」事をアピールしています。
Netflix「デアデビル」シーズン3のクライマックスで、二人はお互いの愛する人物、すなわちマットにおけるフォギーやカレン、フィスクにおけるヴァネッサに手出しをしないという約束をし、不安定な休戦状態を築いていました。
フォギーを失い、カレンも遠く離れた結果、マット・マードックは失うものがなくなり、一方でフィスクはヴァネッサの他に市長の椅子という社会的地位も守らなければならなくなり、フィスクにとって休戦条約が危うくなっています。
パット・キアナン
フィスクの選挙を報道するのは実在のニュース局。ニューヨークの朝の情報番組NY1で、キャスターのパット・キアナンさんが本人役で出演。
彼はMCUの常連で、「アベンジャーズ」、「アイアンマン3」、「スパイダーマン:ホームカミング」、「ノー・ウェイ・ホーム」、Netflixの「デアデビル」、「パニッシャー」、「ジェシカ・ジョーンズ」、それから、「ワンダヴィジョン」、「ホークアイ」にも登場しています。
壁画
1話の最後は本作のヴィランとされているミューズが描く壁画のシーンで終了。
ウィルソン・フィスクの壁画を書いていますが、コミックのミューズはフィスク市長の自警団活動を禁止する政策に反発の態度を示し、デアデビルに感銘を受けて多くの警察関係者を殺害しました。
ある日、自警団応援の一環としてミューズがパニッシャーの壁画を描いていた所を警官に咎められ、ミューズは彼らを殺害。この事件をフィスクが利用し、さらに自警団禁止を強く推し進めました。
ドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」は 2025年3月5日よりディズニープラスで配信中。次回、第3話は 3月12日 配信予定です。