【噂話】ドラマ「アガサ:オール・アロング」ではワンダより先にアレが再登場するという

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「アガサ:オール・アロング」ではスカーレットウィッチことワンダ・マキシモフの復活が期待されていますが、これまでの所、エリザベス・オルセンさんが撮影に参加したという情報はありません。この作品でワンダが復活する可能性は低そうですが、それよりも先に再登場するものがあるようです。

※これより先は「アガサ:オール・アロング」のネタバレを含んでいる可能性があります。ご覧の際はご注意ください。

@ScarletWitchUpd は本作でダークホールドが登場するようだと報告。この画像はテレビ番組「
The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」の中で公開されたドラマのクリップで一瞬表示されたものとの事ですが、番組のYoutube版ではクリップ自体はあるものの当該シーンがカットされているのか確認する事は出来ません。

「ワンダヴィジョン」でMCUに初登場したダークホールドはその後「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」におけるキーアイテムとして描かれました。また、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」でもその恐ろしい力が詳しく描かれました。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のラストでワンダは全てのマルチバースからダークホールドを消滅させると言っていましたが、ここはかなり雑な展開であり、ほとんどのファンがワンダが全てのダークホールドにアクセス出来るかどうか怪しいと感じていました。

映画内でもコミックと同様にダークホールドがエルダーゴッド(旧神)のクトーン(Chthon:邦訳コミックではクートン、クトーン、クソーン、クトゥン等表記揺れが激しい)によって書かれたと説明されている通り、クトーンがいる限りどのみちダークホールドは新たに生まれてくる事になります。

コミックにおけるダークホールドの著者である旧神クトーンはスカーレットウィッチのカオスマジックの源であり、封印されていたクトーンが自らの器とするためにワンダに与えたのがカオスマジックでした。2022年のイベント「ダークホールド:オメガ」ではクトーンの目論見は失敗、逆にワンダがクトーンを完全に支配し、ワンダ自身が真のダークホールドになりました。(しかしその後すぐに別のイベントでワンダが死亡した事でこの力は解放されました。)

MCU上でも多くの被害、犠牲を生み出したダークホールドですが、アガサ・ハークネスがこれを入手した経緯について「ワンダヴィジョン」では語られていませんでした。

件の画像はアガサがこの呪われた書物を入手した時の回想シーンだと思いたい所ですが、ワンダの犠牲も虚しく新たに再創造されたものかもしれません。

かつては「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ」の偽タイトルもつけられていた本作ですが、この魔術書が本作でどのような役割を担うのか注目となりそうです。

「アガサ:オール・アロング」の米公式あらすじは以下のとおりです。

「アガサ・オール・アロング」では、悪名高いアガサ・ハークネスが疑り深いゴス系のティーンに助けられ、歪んだ呪文から解放されます。彼が「生き残れば魔女が失ったものを褒美として与えられる伝説のウィッチズ・ロード」に連れて行ってほしいと頼むと、アガサは興味をそそられます。ウィッチズ・ロードは、試練を生き延びた魔女に失ったもの、欠けているものを与えてくれる魔法の試練の道です。アガサとこの神秘的なティーンは、絶望的な魔女の集団をまとめ、共にその道を進みます。

本作は「ワンダヴィジョン」のヴィラン、アガサ・ハークネスを主人公とし、これをキャスリン・ハーンさんが再演。

本作のヴィランとして、オーブリー・プラザさんが魔女リオ・ヴィダル、パティ・ルポーンさんが魔女リリア・カルデル、サシール・ザマタさんは魔女ジェニファー・ケイル、アリ・アンさんは魔女アリス・ウーを演じるとされています。

ジョー・ロックさんは謎の少年”ティーン”を演じますが、ワンダの息子のひとり、ビリーの生まれ変わりとも報じられています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-agatha-coc-billy-return-method-rumor/”]

さらに、マイルズ・グティエレス=ライリーさんがビリーのボーイフレンドのエディを演じるとされています。エディはコミックのビリーの恋人でスクラルとクリーのハーフであるテディ(ハルクリング)とは異なるとも報じられています。

ポール・アデルスタインさんとマリア・ディジアさんは、生まれ変わったビリ―の両親であるジェフとレベッカ・カプラン役を担当していると言います。

また、「ワンダヴィジョン」のアガサの回想シーンで殺された魔女の娘たちがセーラムズ・セブンとして復讐を画策しているとの事。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-agatha-dd-salem-seven-cast-rumor/”]

そしてエヴァン・ピーターズさんが「ワンダヴィジョン」からラルフ・ボーナーとして再登場。

「アガサ:オール・アロング」におけるラルフ・ボーナーも出番は少しだと言われていますが、「ワンダヴィジョン」の削除シーンでは、彼はFBIのジミー・ウー捜査官が探していた「消えた保護観察中の証人」だった事が判明しています。

[nlink url=”https://mavesoku.com/mcu-wandavision-deleted-scene-missing-witness/”]

ドラマ「アガサ:オール・アロング」は 2024年9月19日 よりディズニープラスで初回2話配信予定です。

【噂話】「ワンダヴィジョン」等に登場したダークホールドの作者はコミックとは異なる?

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ワンダヴィジョン」や映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」に登場した魔術書ダークホールドが、原作コミックの起源とは異なると、海外メディア The Cosmic Circus が報じました。

sponsored link
 

記事によると、情報筋からマーベル・スタジオはダークホールドの作者として征服者カーン、あるいはその変異体を作者の一人にしようと計画していると聞いたとの事。そしてこれは「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で説明された事や原作コミックでダークホールドが邪神クトーンによって書かれたものを否定するものではないと理論立てているようです。

コミックのダークホールドはアトランティスやレムリア大陸が沈む前、紀元前1万年以上前から人類史に登場している書物ですが、もともとは羊皮紙の巻物にクトーンが書いたものであり、後に人間が書き写して本の形になっています。

MCUではウォンの説明によると邪神クトーンがワンダゴアに石碑という形で刻み、それを誰かが本に書き直しています。その誰かがカーンだという計画が進められているようです。そしてカーンがダークホールドを転写する際に、自分に有利になるように意図的に改ざんしている可能性が考えられるようです。

邪神が予言していたように、スカーレット・ウィッチの魔法は極めて強力であり、「ワンダヴィジョン」でもアガサ・ハークネスが「世界を滅亡させる力がある」と説明しています。しかし、マルチバースを支配したいカーンにとって、世界の滅亡のきっかけとなるスカーレット・ウィッチは最大の障害であるといえます。これを対処するためにカーンがダークホールドを改ざんしていたとすれば、フェーズ4でのワンダ闇落ちに関する一連の流れはカーンの計画どおりであると考えられるようです。

また、記事ではダークホールドに記載されている魔法陣がドラマ「ロキ」のクレジット画面に表示されているものと似ている点を指摘。さらに「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」で焦点となったドリームウォークもマルチバースに関する魔法だった事が、ダークホールドにカーンが関与している事を裏付けているのではないかとしています。

原本の部分を書いたのは(ウォンの説明が正しければ)MCU版でも邪神クトーンですが、カーンが目的のためにそれを書き換えていたという流れが検討されているようです。現在のMCUでダークホールドに関するストーリーラインをカーンを中心とするマルチバース・サーガに合流させるためには非常にスムーズですが、しかしこの流れにはひとつ大きな問題点があります。

それは「アベンジャーズ/エンドゲーム」でも語られたタイムトラベル理論であり、過去を変えても現在は変わらないという事です。ただし「エンドゲーム」でエンシェント・ワンが説明したこともあくまで一つの時間軸での話であり、タイムトラベルとマルチバース移動が組み合わさった時にMCUがどういう解釈を打ち出してくるのかは興味深いポイントです。

TCCが入手したという情報が実際に導入されるのか、ダークホールドに関連深いアガサ・ハークネスを主人公としたドラマ「アガサ:カヴン・オブ・カオス」で何か新たな事実が判明するかもしれません。

ドラマ「ワンダヴィジョン」、映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」はディズニープラスで配信中です。

ソース:What I Heard: The Author of the Darkhold

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」脚本家が第3の目について語る

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の脚本を担当したマイケル・ウォルドロンさんが、海外メディア Rolling Stone とのインタビューにて、本作で描かれたストレンジの第3の目について言及しました。

sponsored link
 

ウォルドロンさんは本作がハッピーエンドで良いのか?という疑問を元に、古典的なホラー映画へのオマージュを込めた結末にするよう決めた事を明かしました。

「本作はハッピーエンドのような気がしたんです。『たくさんの悪いことが起こる映画なのに、ここではハッピーエンドになったような気がする。』という感じに。私たちはそれが正しいとは思えませんでした。1作目でモルドがストレンジに警告した「ツケが回ってきた」という言葉をずっと考えていたんです。ウォンが『お前は自分の死体に憑依したんだ』と言いました。ストレンジには何か罰が当たるのでしょうか?ホラー映画で最後にどんでん返しがあるのは、うなずけますね。」

また、別のメディア ScreenRant とのインタビューでは「モルドが1作目で警告したように、ツケが回ってきたのです。彼は自分の死体に憑依するためにダークホールドを使用し、ダークホールドは大きな犠牲を払います。このタグが問いかけているのは、スティーブンはその闇を受け入れているのか、ということなのでしょう。それは彼にとって何を意味するのか?彼はクレアと出会い、暗黒次元に取り憑かれたように、どのような道を歩んでいくのか?」と語りました。

さらに Vanity Fairとのインタビューではドクター・ストレンジが闇を受け入れたらどうなるだろうと問いかけました。

「(結末は)二重の意味で興奮しました。ストレンジがこの闇を少し受け入れたとしたら、どうだろう?このヒーローにとって、それはどのような意味を持つのでしょうか?それ自体、興味深い問いかけです。ここでクレアがこう言った、『あなたがインカージョンを引き起こしたのです。ワンダがやらないことを望んでいたことをやってしまった。一緒に解決しないとね。』そう、これからの冒険をちょっとだけ予告しているような感じだったんです。」

これらの説明によると、あの第3の目はダークホールドを原因とした、ドクター・ストレンジへの罰やツケの象徴として描かれたものであるようです。しかし現状では見た目が気持ち悪いという事以外に、ワンダやシニスター・ストレンジのように精神が蝕まれている様子もなく、あの目自体に千里眼などの有用な能力があるかどうかも不明となっています。さらにワンダやアガサ・ハークネスに目がない事について、あらたな説明にも期待です。

あの目が原因で今度はドクター・ストレンジがヴィラン化していく可能性はあるのでしょうか?

次のストレンジの登場予定は明確にはなっていませんが、あの第3の目は「ドクター・ストレンジ3」などで描かれていく事になりそうです。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は劇場公開中です。

ソース:‘Multiverse of Madness’ Screenwriter Wanted Tom Cruise to Play An Alternate Iron Man 、 Michael Waldron Interview: Doctor Strange In The Multiverse Of Madness 、 The Illuminati World in Doctor Strange Is Even Darker Than It Seems

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」、なぜワンダはあんな事になってしまったか

マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が公開され約一週間、今回の記事ではワンダのこれまでを振り返りながら、本作でのワンダについて追求していきます。

※これより先は「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のネタバレを含んでいます。ご覧の際はご注意ください。

sponsored link
 

なぜ闇落ちしたのか

ワンダが闇落ちした理由について、「子どもたちを失ったから」と考えるのは早計です。もちろんそれは要因の一つではあるのですが、ドラマ「ワンダヴィジョン」を見た方ならわかる通り、実際は失ったのではなく自ら手放したのです。「ワンダヴィジョン」の流れについて振り返ってみましょう。

「ワンダヴィジョン」においてワンダはヴィジョンを失った喪失感から二人で暮らす予定だった家のあるウェストビューをヘックスで取り囲み、住人と作り出したヴィジョンに自らの理想の生活を強いていました。その偽りの生活の中で、ワンダはビリーとトミーの二人の息子を出産。しかしワンダの力を狙う魔女アガサ・ハークネスの介入により、その幻の生活は瓦解したのです。スカーレットウィッチとして覚醒したワンダはカオスマジックでアガサを圧倒し、最終的には家族が消える事を理解しながら自らの意思で街をヘックスから解放し、双子の息子たちと「何より愛する存在」だったヴィジョンとの別れを告げたのでした。

しかし、「ワンダヴィジョン」のポストクレジットシーンではアガサの持っていた魔導書ダークホールドを開いて、トミーとビリーの「ママ、助けて!」と呼ぶ声を聞いて終わります。「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では何に対して助けを呼んでいたのかは示されませんでした。アース838のビリーとトミーではなかったのかもしれませんし、映画のラストで自分が838のワンダと対面したシーンを予見していた上で今回の事をしでかしたという狂った伏線だったのかもしれません。

つまり、「ワンダヴィジョン」のエンディングのあと、ポストクレジットシーンの時点ですでに闇落ちが始まっていました。この2つのシーンの間でどの程度の時間が経っているかは不明ですが、その引き金はやはりダークホールドだと考えられます。

ダークホールドとは

コミックのダークホールドは邪神クトーンの書き遺した魔道書で、読んだ人間を堕落させる力がある危険なもの。邪神がその力を地上に遺し使えるようにするため、自ら書き記した書、もしくはその書の断片を可能な限り集め、再編集した書の事を指しています。ひとつのユニバースに一冊というわけではなく写本も存在しています。
人が知るべきでない禁断の知識や呪文が書いてあるとされ、この本を読んだ人間は、特別な人を除き、堕落したり、魔物になってしまう事すらある恐ろしい書物です。
現状ではダークホールドを使ったドクター・ドゥームに対抗するため、やむを得ずアイアンマン、スパイダーマン、ブラックボルト、ワスプ、ブレイドがダークホールドを読んで対抗しましたが、各人にとって地獄のような世界に堕落してしまいました。最後にスカーレットウィッチがダークホールドと一体化し、邪神クトーンを吸収。現在はスカーレットウィッチ自身が真のダークホールドになっています。

MCUのダークホールドも起源は同じで邪神クトーンによるものである事が劇中で説明されました。禁断の魔術が載っていることや、読んだものが闇に堕ちるという説明もありました。しかしダークホールドはまだ2度目の登場であり、「読んだものが闇に堕ちる」というのがどういう事なのか全く描かれていません。MCUでダークホールドを読んだ人間はアガサ・ハークネス、ワンダ・マキシモフ、シニスター・ストレンジそして最後にドクター・ストレンジです。

それではアガサは闇落ちしていたのでしょうか?彼女は「ワンダヴィジョン」において比較的に論理に基づいて行動しており、劇中では犬のスパーキー以外の殺生はありませんでした。アガサはコミックでいう所の「特別な人間」で影響を受けていないのかもしれません。

©MARVEL,Disney

シニスター・ストレンジはかなり堕落しています。クリスティーンを求めて、何人ものドクター・ストレンジを殺してきたとも明かしました。しかしダークホールドにどのくらいの期間関与してきたかは分かりません。更に言うのであれば、「ロキ」では様々な異なる変異体が描かれており、ドクター・ストレンジとシニスター・ストレンジの違いがダークホールドによるものか、変異体としてもともと性格が異なっていたのか、スクリーン上の情報だけでは判断出来ません。

©MARVEL,Disney

ワンダは言わずもがな堕ちていますが、期間的には2023年後半の時系列の「ワンダヴィジョン」から2024年クリスマスの「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のあとの話である事を考えると1年余りといった所でしょうか。この間に「ヴィジョンと息子たちを手放しても街を救う」と決意したワンダから、「誰を傷つけようとも息子たちを手に入れる」と気持ちを変えてしまっています。

©MARVEL,Disney

ドクター・ストレンジはダークホールドに触れた期間が4人の中でもっとも短く、その変化は今の所計り知れません。すでに魔物化が進行しているかもしれませんし、アガサのように特に影響がないのかもしれません。第3の目は二人のストレンジだけに見られるもので女性陣には見られず、ダークホールドの影響かどうかは不明です。コミックのストレンジにも第3の目がありますが、それはダークホールドのせいではなくアガモットの眼のせいです。ちなみに、女性陣の共通点として指が黒く変色しているというものがありますが、二人のストレンジには指の変色がなく、これらもダークホールドの影響かどうか分かりません。

なお、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でダークホールドは処分された事になっていますが、今後クトーンが出てくるような事があればまたいくつでも生み出される事はありえます。焼けてしまったヴィシャンティの書(なぜか全マルチバースで一冊のようでしたが)も、ヴィシャンティがいれば量産出来うるもので、コミックではアストラル体として出てくる事もあるのでこちらも復元可能だと考えられます。ヴィシャンティとはエルダーゴッドのオシュトゥール、エンシェント・エイリアンのホゴス、そしてオシュトゥールの涙から生まれたアガモットの3人からなるチーム名です。

堕ちすぎて思い出もおかしくなったワンダ

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の中には理解が難しいシーンがひとつ有りました。それはワンダとアース838のミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズとの会話です。

ワンダが子供の事で暴走しているとわかったリードは「私にも子どもたちがいるから気持ちは分かる」と話しかけます。それに対してワンダは「奥さんはいるの?」と返し、リードがいると答えると、「母親がいるなら父親を殺しても安心」といって殺害してしまいました。

これではビリーとトミーの父親であるヴィジョンが居なくても良いと言っているようなもので、作中随一の信じ難いシーンとなっています。MCUにおいては2015年公開の「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」から「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)にわたってワンダとヴィジョンのカップルについて描いてきました。このシーンは「ワンダヴィジョン」だけでなく、それら以前の思い出までもぶん投げてしまう衝撃でした。結婚して子供が出来ると女性は変わるとはよく言いますが、「ワンダヴィジョン」のエンディングで「また会おう」といって消えていったヴィジョンが不憫でなりません。

©MARVEL,Disney

ヴィジョンの事もろくに覚えておらず、ニューヨークにガルガントスをけしかけて被害をだし、別アースのヒーローを惨殺しまくるぐらいなら、ウェストビューを犠牲にして家族4人幸せな生活をしておいたほうが良かったのではと、ドクター・ストレンジ的な犠牲論的思考に陥ってしまいます。

ワンダが殺害したリードの息子、フランクリン・リチャーズはコミックでは奇しくもワンダと同じ現実改変能力を持ち、乳母アガサ・ハークネスに育てられた少年。妹のヴァレリア・リチャーズはトニー・スタークを超える天才少女として兄をサポートするでしょう。アース838から616へと復讐に来ない事を願うばかりです。

無数のマルチバースがあるならば、ワンダが死んで子供たちが残されたユニバースを探せば平和的に解決した可能性もあったのでしょうか。子供を失ったワンダと母を失った子どもたちの利害が一致する世界を探すために、アメリカチャベスのメンターになるのがヒーローとしての正当な手段でした。しかし、ダークホールドの影響か、はたまた映画として成立しないというメタ的な理由でそうはなりませんでした。

とはいえMCUのマルチバース論ではどのドクター・ストレンジもクリスティーンを失い、ロキは裏切り、敗者であり、どのピーター・パーカーも保護者を失ってきました。「ホワットイフ」では絶対点とも説明された変えられない事象として、案外そのようなユニバースはどこにもなく、838のワンダもいずれ子供を失ってしまうのかもしれません。

総括

ワンダは子供たちを手放した心の痛みをダークホールドに付け入られ、今回のような事態を招きました。しかしその経緯の詳細は描かれておらず、今の所は観客に委ねられています。

なお、海外では「監督の無知がワンダヴィジョンを傷つけた」というような記事も書かれたりしています。(その他参考記事:Forbes)サム・ライミ監督は海外メディア Rolling Stone とのインタビューで「ワンダヴィジョンを全ては見ていません。重要だと言われたシーンをいくつか見ただけです。」と答えている他、MCU映画も4、5本しか見たことがない事を明かしています。

今作は自他共に認めるコミックオタクであるサム・ライミ監督によるコミックオマージュがふんだんに取り入れられている事でコアなコミックファンから評判がよく、無理に説明しない事でMCU初心者にも「なんとなく納得」させてしまう監督の腕による映画としての完成度などが評価されています。反面、MCUシリーズとしての展開は批判されがちで、特にワンダとヴィジョンのファンには厳しい作品となったようです。

MCUとして足りなかった部分があったとスタジオが判断すれば、今後「ドクター・ストレンジ3」や関連作になると予想される「アガサ:ハウス・オブ・ハークネス」などでフォローされていくことでしょう。

なお、ダークホールドについてコミックまでは手が出ないけどという方は、ディズニープラスで配信中の「エージェント・オブ・シールド」や「ランナウェイズ」を見てみるのもいいかもしれません。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は劇場公開中です。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ではダークホールドが大きな役割を果たすという

マーベル・スタジオのベテランプロップマスターのラッセル・ボビットさんが Phase Zero のポッドキャストに参加し、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」でのダークホールドの役割について明かしました。

sponsored link
 

「ワンダヴィジョン」を手掛けた際にサム・ライミ監督とやり取りがあったか尋ねられたボビットさんは「100%そうです。 ダークホールドは「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の小道具チームから来ました。それをどう評価したかというと、『どこで(ダークホールドの)スクリーンタイムが増えるのか』と聞いたんです。そしてストーリー的には、『ワンダヴィジョン』での役割よりも、『ドクター・ストレンジ2』での役割の方が大きくなりそうだったのです。だから、そう、私たちは協力しました。一緒に作ったんです。実際、彼らが私たちのために作って送ってくれて、私がそれを使って彼らに返したんです。」と明かしました。

「ワンダヴィジョン」では軽く紹介されるに留まったダークホールドですが、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では物語に大きく関わってくる事をボビットさんは示唆しました。

コミックにおいてダークホールドはインフィニティ・ストーンと並ぶような強力なアイテムとして描かれており、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」でもその脅威について描かれています。ドクター・ストレンジ最新作でダークホールドがどのような問題を引き起こすのか、さらにMCUの未来へも影響するのか、そういった点にも注目となりそうです。

本作の公式概要は以下のとおりです。

元天才外科医にしてアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジは、禁断の魔術によって今とは異なる世界へ通じる扉を開けてしまった。 そこは無限の可能性が存在する“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド。 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」での激戦の後、この謎に満ちたマルチバースの世界からの新たな脅威が人類に迫る中、ストレンジの前に立ちはだかるのは最凶の魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった…。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は 2022年5月4日 日本公開予定です。

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は光と闇の戦いに?ポスターから新たな物が発見される

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ではドラマ「ワンダヴィジョン」に登場したダークホールドが登場する事がトレーラーからも判明していますが、もう一冊の魔導書「ヴィシャンティの書」が登場するだろうと、The Cosmic Circus が指摘しています。ヴィシャンティについてはアニメ「ホワット・イフ・・・?」でも言及されました。

※これより先は「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」のネタバレを含んでいる可能性があります。ご覧の際はご注意ください。

闇のカオスマジックについて書かれたダークホールドに対して、コミックではそれと対をなすヴィシャンティの書が存在します。この本がすでにポスターに登場していると、記事では指摘しています。

from TheCosmicCircus ©MARVEL,Disney

また、トレーラーにはこの書を収めてある場所も登場しているとし、ディフェンダー・ストレンジとアメリカ・チャベスがこの書を回収しようと試みているのではないかと指摘しています。

from TheCosmicCircus ©MARVEL,Disney

その最中に危険に気づいたディフェンダー・ストレンジがアメリカ・チャベスを転送し、その転送の先で神聖時間軸のドクター・ストレンジと出会い、ダークホールドとスカーレット・ウィッチとして覚醒したワンダの変異体に対抗するためにあらためてヴィシャンティの書を求め、マルチバースの扉を開くと考えているようです。

トレーラーの内容を鵜呑みにするのであれば、本作のヴィランの一人として当然ワンダがいる事は予想されますが、神聖時間軸のワンダがヴィランであり、別のマルチバースのワンダがヒーローである可能性もあるのかもしれません。

視聴者が最後にMCUで見たワンダはドラマ「ワンダヴィジョン」のラストシーンであり、あの時点でワンダはすでにダークホールドを使用して、双子の声を聞いていました。あのシーンが神聖時間軸とマルチバースどちらを描いているのか断言は不可能ですが、ダークホールドが元凶だとすれば、ワンダのヴィラン化の道はあのシーンですでに始まっていました。

ドクター・ストレンジとワンダと彼らの変異体、そしてヴィシャンティの書とダークホールドがそれぞれ光と闇に分かれて戦うのが大まかな流れになりそうです。

ダークホールドに対抗するためにヴィシャンティの書は欠かせませんが、ワンダに対する切り札としてビリーとトミーの双子の力も必要かもしれません。以前のロケ現場では目撃情報がありましたが、しかしながら再撮影に参加していたかどうかは不明で、脚本に変更があった場合は彼らの出演もどうなるのか難しい所です。

ダークホールドがこの物語の根幹にあるとすれば、以前の持ち主であるアガサ・ハークネスが本作に関与してくるかどうかも気になるところです。

「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の公式概要は以下のとおりです。

危険すぎる禁断の呪文によって時空を歪ませてしまったストレンジは“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちた狂気の扉を開いてしまう。何もかもが変わりつつある世界を元に戻すため、盟友の魔術師ウォン、そしてアベンジャーズ屈指の強大な力を誇るスカーレット・ウィッチことワンダにも助けを求めるが、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類、そして全宇宙に迫っていた。その宇宙最大の脅威とは、、、なんとドクター・ストレンジと全く同じ姿の人物で「宇宙への最大の脅威はお前だ」と不敵な笑みを浮かべていた…。
監督:サム・ライミ 出演:ベネディクト・カンバーバッチ/エリザベス・オルセン/ベネディクト・ウォン/レイチェル・マクアダムス /キウェテル・イジョフォー/ソーチー・ゴメス 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』2022年5月映画館にて公開!

映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」は 2022年5月4日 日本公開予定です。