マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のドラマ「ワンダーマン」が今週から配信スタート予定になっていますが、ある時点で瀕死の危機に陥っていたと脚本家のアンドリュー・ゲストさんが明かしました。
2023年、ハリウッドではWGA(全米映画俳優組合)とSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)の組合員がストライキを起こし、完全に機能停止状態に陥りました。
これによって脚本家や俳優が仕事を休むのは当然のことでしたが、ストライキは多くの映画やテレビ番組に支障をきたしました。この時、「ワンダーマン」の撮影は始まっており、すでに半分が撮影済みだったと、海外メディア Laughing Place とのインタビューでゲストさんは明かしました。
「私たちの番組は半分ほど撮影が終わっていました。ディズニーにとっては税金控除になる可能性もあったでしょうが、ブライアン(・ウィンダーバウム)をはじめとする素晴らしい制作チーム全員が、この奇妙で憂鬱な番組を最後までやり遂げるために、必死に頑張っていたことは確かです。彼らにとって、それは本当に大きな転機でした」
この時期、実際に中止された番組も多い中で、「ワンダーマン」もディズニーの税控除の対象、すなわち御蔵入りになる可能性が高かったとゲストさんは語りました。
しかし、ストライキは危機をもたらしましたが、良いこともあったと言います。
撮影がストップした期間は「内部で検討し、考え、戻ってきたときのために何ページにもわたるメモを書くことに使われました。(それらは)分厚いものでしたが、いくつかの点で役に立ちました。」と言います。
お蔵入りの危機を脱し、制作再開時にこのメモが役立ったとされる「ワンダーマン」は、批評家による先行レビューの結果として、MCUドラマトップクラスのスコアを獲得するに至りました。
デスティン・ダニエル・クレットン監督はMCUで未知の領域に踏み込んだ本作について、次のように語っています。
「私たちの売り文句は、まさにキャラクター第一でした。インディーズスタイルというと、大抵は俳優のために作られた美学だと思います。お金があまりないと、大爆発やVFXは実現できません。でも、驚くような生き生きとした演技を捉えることはできるんです。」
「この美学は、俳優たちにできるだけ多くの自由を与えることを中心に構築されています。そして、機敏に動ける環境を整えることです。」
一方、ゲストさんは「ワンダーマン」がハリウッドや俳優という職業に焦点を当てていることについて、観客の共感を得られないのではないかという懸念があった事を認めています。
「エンターテインメント業界をテーマにした番組を作るとなると、内輪の話題になりすぎるのではないかという懸念がよくあると思うんです。ハリウッドで働く人は皆、『ああ、これはあるある過ぎる。面白いと思う。でも、世界の人たちは理解してくれるだろうか?』って思うんです。」
「でも、専門用語や裏事情を具体的に使い、誰もが共感できる人物、大きな夢を持ち、それを追いかけるためにあらゆることをする人物の物語を作り上げるのが、今回のアプローチだったと思います。完成したドラマは誰もが共感できるものだと思います…目標は、マーベルにとって、地に足のついた、これまでとは違うタイプの番組を作ることでした。」
懸念は払拭されたと考えているゲストさんですが、実際にどのようなドラマに仕上がったかは間もなく判明する事になります。
ドラマ「ワンダーマン」はヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世さん演じる主人公サイモン・ウィリアムズが、ハリウッドを舞台に世界に挑む俳優として、そしてヒーローの原点を探求する作品。「アイアンマン3」、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」からベン・キングズレーさん演じるトレヴァー・スラッタリーが再登場。「シャン・チー」「スパイダーマン:ブランニューデイ」のデスティン・ダニエル・クレットン監督が最初の2話を担当し、「ホークアイ」のアンドリュー・ゲストさんが脚本、製作総指揮を担当。
ドラマ「ワンダーマン」は 2026年1月28日 に日本のディズニープラスで配信予定です。
