マーベル・スタジオ制作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のデスティン・ダニエル・クレットン監督が、現地時間19日に開催されたオンライン記者会見にて、マーベル映画は規模が大きすぎて怖くてやりたくなかったと当初の心境を明かしました。
会見で「この物語を描きたいと思ったポイント」について質問された監督は以下のように述べました。
私はシャン・チーの旅にとても共感しています。スーパーパワーを得るために化学薬品を使わないスーパーヒーローであることが気に入っています。それは自己発見の旅であり、成長の旅であり、人生の中で逃げ続けてきた痛みに最終的に対処する方法を学ぶ旅なのです。そして、自分の内面や過去を見つめ、良いことも悪いことも、喜びも苦しみも、すべてを自分の一部として受け入れることができるようになったとき。そしてそれは、人間として誰もが何らかの形で行っていることだと思います。
しかし、以前はマーベル映画のような大きなプロジェクトは怖くて参加したくなかったと、当時の心境を語りました。
このような映画に足を踏み入れることに、個人的に大きな恐怖を感じていました。ケヴィン(・ファイギ)にオファーしたとき、ピッチの中で私は自分自身でいようと自分に言い聞かせました。私は自分自身でないとプレッシャーを感じる傾向がありますが、このピッチでは自分自身でいようと思いましたし、それができたことで気分よく出て行くことができました。
面接の最後に「マーベルの大作映画にずっと出たいと思っていましたか」と聞かれ、「言うべきかな…」と思ったのですが、実は、この映画の監督を募集すると発表される数週間前に、とても現実的な決断をして、エージェントに電話をして、「絶対にマーベルの映画には出さないでくれ」と言ったのです。
そして、ピッチの中でケヴィン、ルイ、ヴィクトリア、ジョナサンにこのことを言い、その後、彼らがシャン・チーの発表をしたときに説明したのですが、私の中で何かがスパークして、私は中に入ってミーティングをしなければならなくなり、それがこのようになったのです。打ち合わせを終えてエレベーターで降りるときに、”こんなことを言うなんてバカだな… “と思いましたよ。
素直に怖かった、やりたくなかったと発言したにも関わらず、プロジェクトへの起用が決まったクレットン監督でしたが、大規模なマーベル映画に対する恐怖心は消えなかったと説明しました。
そしてこの恐怖心を和らげてくれたのは、親友であり、マーベル・スタジオで「ブラックパンサー」を撮ったライアン・クーグラー監督だった事を明かしました。
でも、いざ制作となった時、ライアン・クーグラーと話をしました。私は本当にこのような大きなスタジオ映画に足を踏み入れるのが怖かったし、自分に何が起こるのか怖かったんです。プレッシャーに負けてしまうのではないか?とたくさんの不安がありました。
ライアンが私に言ったことは、私の心を本当に楽にしてくれました。「プレッシャーは大変だし、この時点までにやったことの中で最も難しいことになるかもしれないが、そのプレッシャーや複雑さは、一緒に仕事をしている人たちや、そのためにやっている人たちから来るものではないんだ」と。
それが私が見つけたことです。ケヴィンの言葉を借りるまでもなく、好奇心と探求心に満ちた環境がトップダウンで提供されている、とても特別な職場です。このスタジオには恐怖心に基づく考え方がありません。そのおかげで、私たちはリスクやチャンスを取ることができ、この映画に関わるすべての人に、同じように恐れを知らない探求心を植え付けることができました。このことが、映画がこのような結果になった大きな理由だと思います。
クーグラー監督のアドバイスで心が楽になったクレットン監督は、MCUの中に新たな風を吹き込むと言われる本作を無事に撮り終える事が出来たようです。
映画の公式あらすじは以下の通りです。
アメリカ・サンフランシスコで
平凡なホテルマンとして暮らすシャン・チー。
彼には、かつて父が率いる犯罪組織で最強の武術を身に付け、
組織の後継者になる運命から逃げ出した秘密の過去があった。
しかし、悪に染まった父が伝説の腕輪《テン・リングス》を操り世界を脅かす時、
彼は宿命の敵となった父に立ち向かうことができるのか?
映画「シャン・チー/テンリングスの伝説」は 2021年9月3日 日米同時公開予定です。
ソース:Black Panther 2 Director Gave This Key Advice to Shang-Chi’s Destin Daniel Cretton